(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「古河機械金属グループは、鉱山開発に始まり社会基盤を支えてきた技術を進化させ、常に挑戦する気概をもって社会に必要とされる企業であり続けます。」を経営理念としています。
この経営理念を実現するために、「運・鈍・根」の創業者精神を心に刻み、「変革・創造・共存」を行動指針として実践します。
『変革』… 未来に向けた意識改革により絶えざる自己革新を行う。
『創造』… 市場のニーズに対応し、信頼され、魅力あるモノづくりを目指す。
『共存』… 経営の透明性を高め、環境と調和した社会の発展に貢献する。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、創業150周年を迎える2025年度に向けた古河機械金属グループの2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」において掲げた、連結営業利益150億円超の常態化を目指します。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、これまでに培った経験・技術を活かし、「Power」(力強さ・スピード)と「Passion」(熱意・情熱)をもって、下記の2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」の達成に邁進し、すべてのステークホルダーの皆様の期待に応え一層の信頼を獲得してまいります。
1. 2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」 『カテゴリートップ・オンリーワンを基軸として成長する企業グループの実現』 ― 創業150周年を迎える2025年度に向けて、連結営業利益150億円超の常態化を目指します ―
2. 2025年ビジョン達成のための方針 (1)『マーケティング経営』※による古河ブランドの価値向上 ① 市場ニーズに合致した製品・技術の開発 ② 顧客ニーズを捉えた技術営業力(提案型・ソリューション型)の強化 ③ 強みを活かせるニッチ製品への集中と差別化戦略によるカテゴリートップ化の推進 ④ 新たな市場・カテゴリーの開拓・創造と新たなビジネスモデルの構築 ※ 『マーケティング経営』とは、マーケティングを経営の根幹に据え、激変する市場の中で価値を認められる製品やサービスを提供し、顧客との絆を深めることにより、持続的に成長し企業価値を高めたいとの思いを込めた造語です。
(2)機械事業の持続的拡大 ① インフラ関連・資源開発等を中心に拡大する海外市場における収益基盤の強化 ② ストックビジネスの拡充・強化 ③ グループ総合力の発揮、エンジニアリング力の強化によるビジネスチャンスの拡大
(3)人材基盤の拡充・強化 ① 新しい古河の活力あふれる人づくり・風土づくり ② 国内外の多様な人材の確保・活用・育成 ③ 営業・サービス人材の重点強化
(4)企業価値向上に資する投資等の積極的推進 ① 成長に必要な設備投資の積極的実施 ② 戦略的なM&A、アライアンスによる事業拡大
(5)経営基盤の整備 ① 二桁台のROEを意識した収益性・資本効率の改善による企業価値の向上 ② 堅固な財務基盤の確立 ③ 成長投資と株主還元へのバランスのとれた配分
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(4)中期的な会社の経営戦略
当社グループは、創業150周年を迎える2025年度に向けた当社グループの2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」を制定しております。
2025年ビジョンを具現化していくための第1フェーズとして、当社グループは、2017年度から2019年度の3年間を対象とした『中期経営計画2019』を策定し推進しております。『中期経営計画2019』は、「新たな成長の礎を構築」する位置づけです。最終年度である2019年度に、マイルストーンとして連結営業利益85億円程度、ROE6%~7%程度とする経営指標を設定しており、以下の経営方針により達成に向け邁進していきます。
古河ブランドの価値向上を目指して、当社グループ内において『マーケティング経営』を浸透させていきます。更に、機械事業をコア事業と位置づけ、「機械事業の持続的拡大」に取り組むとともに、「人材基盤の拡充・強化」、「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」、「経営基盤の整備」を行っていきます。
『中期経営計画2019』のスタート年度である当連結会計年度は、将来を見据えた基礎固めに重点を置き、コア事業と位置づけた機械事業について、当社の執行役員の委嘱業務として、各事業会社に中計推進担当の取締役副社長を任命し、執行体制・責任体制を確立しました。
産業機械部門では、単なる機器メーカーから顧客の戦略的パートナーとなるべく、エンジニアリング力の強化を目的とした組織改編を決定いたしました。ロックドリル部門では、重点課題としているストックビジネスの強化を図るため、単なる製品販売だけではなく、製品のライフサイクル全体で価値を認めていただけるようライフサイクルサポートの仕組みづくりの本格的な取組みを開始いたしました。ユニック部門では、安定した収益確保に努め、競争力の強化を更に図るため、2016年11月にフルモデルチェンジを実施した中型トラック搭載型クレーンに続き、小型および大型トラック搭載型クレーンのフルモデルチェンジ機の販売を開始いたしました。小型から大型まで最新モデル(G-FORCEシリーズ)のラインナップをそろえましたので、拡販に努めていきます。
また、開発体制については、グループ各社と緊密な連携をとり、グループ全体の総合技術力の強化を図るため技術統括本部として組織再編を行いました。新設された業務改革推進室では、業務の標準化・効率化・生産性向上、業務プロセスの再構築等に取り組んでいます。
『中期経営計画2019』達成に向け、部門ごとに具体的なアクションプランを構築し、定期的にPDCAを徹底して、進捗を管理していきます。
(5) 会社の対処すべき課題
当社グループは、『マーケティング経営』による古河ブランドの価値向上等により、『カテゴリートップ・オンリーワンを基軸として成長する企業グループの実現』を目指し、収益体質強化の仕組みづくりに継続して取り組みます。
機械3部門では、リニア中央新幹線、整備新幹線、国土強靭化計画、地方創生、更には東京オリンピック・パラリンピックと続く国内需要が堅調に推移する期間を好機と捉え、インフラ整備・資源開発等を中心に拡大する海外市場における収益基盤の強化を図ります。
産業機械部門では、セクションプラント工事案件の取込みおよび大型プロジェクト案件などのコントラクタ事業の拡大を図る等、単なる機器メーカーからの脱却を目指してエンジニアリング力の強化と国内市場における事業基盤の拡充に取り組んでいきます。ポンプや産業機器については、本体販売力の強化により市場シェアを伸ばし、ストックビジネスへつなげる好循環を目指します。流体設備、セクションプラント、大型搬送設備は、提案営業力の強化により受注獲得に努めます。鋼構造物については、橋梁の安定受注と鋼製セグメントの受注拡大に努めます。また、大型プロジェクト案件に関し、安全確保と原価管理を徹底し、収益確保を図ります。
ロックドリル部門では、ライフサイクルサポート機能の強化による、フロービジネス・ストックビジネス両輪での収益拡大と、ドリル製品群の収益基盤の強化を目指して、国内サービスサポート体制の充実と海外販売サービス網の確立に取り組んでいきます。国内については、防災事業や大都市圏を中心とした再開発など堅調な建設需要に対し、油圧ブレーカ、油圧圧砕機の製品ラインナップを強化するとともに、整備・メンテナンス活動を積極的に展開していきます。オフロード法による2014年排出ガス規制に対応した油圧クローラドリルシリーズを本格的に市場投入します。また、トンネルドリルジャンボについては、整備新幹線工事向けのほか、リニア中央新幹線トンネル工事向けに引き続き販売活動を強化するとともにサービス体制を強化し、その他多数の工事に対応するため、生産設備を増強していきます。海外については、油圧ブレーカは、欧米での大型の拡販に注力します。油圧クローラドリルは、大中規模のインフラ事業の進展が期待される中東、アフリカおよび東南アジアに対しては排ガス3次規制機、欧米向けには排ガス4次規制機の販売を強化いたします。また、東南アジア、中国および南米で実績づくりを進めている土木・鉱山向けドリルジャンボは、販売・サービス体制の充実を図り、一層の展開を推進していきます。
ユニック部門では、国内販売での安定的な収益確保とストックビジネスおよび海外販売での収益拡大を目指して、ユニッククレーンの高機能化・高付加価値化などの差別化による競争力の強化、中古機ビジネスの推進、海外の販売店網の再整備と販売力強化に取り組んでいきます。国内については、トラック搭載型クレーン(G-FORCEシリーズ)のほか、ミニ・クローラクレーン、船舶用クレーン、林業用クレーンの拡販を図ります。海外については、欧州、北米向けを中心にしつつ、インフラ投資が活発な東南アジア向けは、販売店との連携を強化し、拡販を図ります。また、日本、中国、タイの三極生産体制の機能強化と佐倉工場のマザー工場化を進めるため、佐倉工場では引き続き積極的な設備投資を行ってトップレベルの生産性、品質、環境・安全を実現する次世代工場への変革を推進します。
金属部門では、銅製錬事業の堅実な運営に努め、採算を重視した最適生産・販売体制を確立し、収益体質の向上を図ります。電子部門では、高純度金属ヒ素や結晶製品の収益の維持・確保を図るとともに、戦略製品と位置づけているコイル製品、窒化アルミおよび光学部品の商品力の向上、収益構造の強化を図ります。化成品部門では、亜酸化銅などの既存製品の収益拡大と金属銅粉などの新規開発製品の早期事業化・育成を図ります。不動産事業では、室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)の安定収益を確保しつつ、古河大阪ビルのほか当社グループが保有する不動産の有効活用を図ります。開発体制については、技術統括本部が事業会社との緊密な連携をとりながら、機械・装置分野から素材・材料分野まで開発を支援し、グループ全体の総合技術力の継続的な向上を推進していきます。
(注)文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
(1)為替の変動について
当社グループは、国内外において生産活動および販売活動を行っており、製品の輸出、銅鉱石を中心とする原材料の輸入および製錬加工料収入について為替変動の影響を受けます。このため、為替予約取引等を利用してリスクの軽減を図ってはおりますが、為替の変動が当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)非鉄金属市況の変動について
当社グループの主製品の一つである電気銅等非鉄金属の価格は、国際市況を反映したLME(London Metal Exchange:ロンドン金属取引所)で決定されたUSドル建ての国際価格であり、国際的な需給バランス、投機的取引、国際政治経済情勢などにより変動します。当社グループは、先物取引を利用したヘッジ等によりLME価格の変動による影響を最小限とすることを図っておりますが、LME価格の変動が当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは銅精鉱調達のため海外鉱山に出資を行っておりますが、LME価格の変動は出資先の銅鉱山の経営成績および財政状態に影響を与え、その影響が当社グループにも及ぶ可能性があります。
(3)金利について
当連結会計年度末における当社グループの借入金の連結貸借対照表計上額は733億11百万円と、総資産の32.9%を占めております。金利の変動による負債コストの増加は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)投資有価証券および土地について
当社グループは、過去の歴史上の経緯から、その他有価証券で時価のあるものおよび土地を比較的多く保有しており、その当連結会計年度末の連結貸借対照表計上額は、その他有価証券で時価のあるものが345億8百万円、土地が549億2百万円となっております。したがって、株価や地価の変動によっては減損損失、評価損または売却損が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)退職給付債務について
当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、確定給付企業年金制度および退職一時金制度を設けており、当連結会計年度末における退職給付債務および年金資産に基づき退職給付に係る負債を計上しております。したがって、退職給付債務等の計算の基礎として採用した割引率、期待運用収益率等の前提条件と実際の結果に差異が生じた場合、または前提条件が変更された場合に、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)地震等自然災害について
地震等の自然災害や大規模火災等の事故により当社グループの生産拠点や調達先が重大な被害を被り、生産設備が損壊し、または物流網に障害が発生する等の事態が生じた場合、製品の安定的な供給ができなくなり、当社グループの経営成績および財政状況に影響を与える可能性があります。
(7)環境保全について
当社グループは、国内外の各事業所において、関連法令に基づき環境保全および環境安全対策ならびに公害防止に努め、また、国内休鉱山において坑廃水による水質汚濁防止や堆積場の保安等の鉱害防止に努めておりますが、法令の改正等によっては当社グループの経営成績および財政状況に影響を与える可能性があります。
(8)公的規制について
当社グループは、国内外において事業を展開していることから、許認可、租税、環境、労務、独占禁止、安全保障等に関する各国の法規制を受けております。当社グループは、これらの公的規制の遵守に努めておりますが、コストの増加や事業の継続に影響を及ぼすような公的規制の制定や改廃等が行われた場合、当社グループの経営成績および財政状況に影響を与える可能性があります。
(9)カントリーリスクについて
当社グループは、販売網の拡大やコスト競争力の強化、為替リスク低減等のために、グローバルに生産、調達および販売活動を行っております。現地における政情不安、急激な経済の減速、貿易制裁、文化や法制度の相違、特殊な労使関係、テロ等の要因により問題が生じた場合、事業の円滑な遂行に支障が生じ、当社グループの経営成績および財政状況に影響を与える可能性があります。
なお、上記中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月28日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2017年4月1日から2018年3月31日まで)の我が国経済は、企業収益の改善を受け、生産活動における設備投資意欲の改善や海外経済の回復による増加基調を背景に、緩やかな回復基調が続きました。一方で、北朝鮮情勢をはじめ地政学リスクの高まりや米国の金融政策正常化および政権運営の動向など、経済への影響に注意を要する状況でした。
このような経済環境の下、当社グループの当期の連結業績は、売上高は、1,676億95百万円(対前期比178億65百万円増)、営業利益は、78億20百万円(対前期比12億75百万円増)となりました。売上高は、主として産業機械、ロックドリル、ユニックの機械事業と金属および化成品部門で増収となり、営業利益は、主として産業機械、ロックドリル、電子、化成品部門で増益となりましたが、ユニック部門は、鋼材価格上昇や設備投資の先行費用負担などにより減益となりました。また、金属部門は、買鉱条件の悪化などにより減益となりました。経常利益は、81億5百万円(対前期比9億3百万円増)、特別損失に、テナント退去補償関連費用10億41百万円ほかを計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、47億74百万円(対前期比5億20百万円増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
〔産業機械〕
横浜環状北西線工事など出来高に対応した売上高を計上した橋梁や破砕機、粉砕機などの産業機械は増収となり、ポンププラントは減収となりました。大型プロジェクト案件では、東京外環自動車道工事向けベルトコンベヤについて、前期並みの売上高となりました。産業機械部門の売上高は、158億71百万円(対前期比18億30百万円増)、営業利益は、10億5百万円(対前期比9億円増)となりました。
〔ロックドリル〕
国内向けは、熊本地震復旧・復興工事、リニア中央新幹線、北海道整備新幹線向けなどトンネルドリルジャンボの出荷が増加し、また、堅調な建設投資を背景に油圧ブレーカの需要が増加したことから増収となりました。海外向けも、堅調な海外経済を背景に、欧米を中心に油圧クローラドリル、油圧ブレーカの出荷が好調で、中国および南米においてはトンネルドリルジャンボの出荷が増加し、増収となりました。ロックドリル部門の売上高は、301億99百万円(対前期比32億20百万円増)、営業利益は、17億82百万円(対前期比8億85百万円増)となりました。
〔ユニック〕
トラック搭載型クレーンの搭載対象となる普通トラックの平ボディー車の登録台数は、上期につきましては、2017年9月実施のトラック排ガス規制対応前の駆け込み需要がありましたが、通期では前年割れとなりました。国内向けは、主力製品であるユニッククレーンについて、小型から大型まで製品ラインナップをそろえた最新モデル(G-FORCEシリーズ)の出荷が増加しました。海外向けは、堅調な海外経済を背景に、欧米において、ミニ・クローラクレーンの出荷が好調で、中国、東南アジアにおいてはユニッククレーンの出荷が増加し、増収となりました。一方、鋼材価格上昇や佐倉工場の設備投資の先行費用負担などにより、減益となりました。ユニック部門の売上高は、273億81百万円(対前期比15億98百万円増)、営業利益は、22億95百万円(対前期比2億83百万円減)となりました。
産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業の合計売上高は、734億53百万円(対前期比66億49百万円増)、営業利益は、50億83百万円(対前期比15億3百万円増)となりました。
〔金 属〕
電気銅の海外相場は、4月に5,817米ドル/トンで始まり、鉱山ストライキ懸念や世界経済の加速見通しを背景に12月に7,216米ドル/トンをつけ、その後、世界的株安や保護主義的な通商政策への懸念から、期末には6,685米ドル/トンに下落しました。電気銅の国内建値は、4月に69万円/トンで始まり、期末には74万円/トンとなりました。伸銅需要は、好調を維持し、電線需要は下期から回復傾向となりました。電気銅の販売数量は、国内向けに注力し、輸出を削減した結果、90,104トン(対前期比1,190トン減)となりました。電気銅の売上高は、海外相場の上昇と円安により増収となりましたが、買鉱条件の悪化などにより減益となりました。金属部門の売上高は、773億34百万円(対前期比94億80百万円増)、営業利益は、8億67百万円(対前期比8億70百万円減)となりました。
〔電 子〕
主力の高純度金属ヒ素は、主要用途である化合物半導体が好調で、販売数量が増加し、増収となりました。結晶製品は、個別半導体用の結晶などが好調で、増収となりました。電子部門の売上高は、63億7百万円(対前期比4億91百万円増)、営業利益は、3億30百万円(対前期比3億12百万円増)となりました。
〔化成品〕
亜酸化銅は、主要用途である船底塗料の需要が、船舶バラスト水規制管理条約発効前の前倒し需要などにより増加し、増収となりました。化成品部門の売上高は、63億44百万円(対前期比10億46百万円増)、営業利益は、4億51百万円(対前期比3億36百万円増)となりました。
金属、電子および化成品の素材事業の合計売上高は、899億87百万円(対前期比110億18百万円増)、営業利益は、16億48百万円(対前期比2億21百万円減)となりました。
〔不動産〕
賃貸ビルの空室率改善や主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)の順調な稼働により、増収となりました。不動産事業の売上高は、33億38百万円(対前期比2億64百万円増)、営業利益は、13億39百万円(対前期比74百万円増)となりました。
〔その他〕
運輸業等を行っています。売上高は、9億16百万円(対前期比66百万円減)、営業損失は、1億96百万円(対前期比69百万円の損失増)となりました。
当期末の総資産は、対前期末比147億16百万円増の2,227億51百万円となりました。これは、主として原材料及び貯蔵品、上場株式の株価上昇等による投資有価証券の増加によるものです。有利子負債(借入金)は、対前期末比1億95百万円減の733億11百万円となり、未払金等の増加等によって、負債合計は、対前期末比72億14百万円増の1,356億64百万円となりました。純資産は、対前期末比75億2百万円増の870億86百万円となり、自己資本比率は、対前期末比0.9ポイント上昇し、38.2%となりました。
②キャッシュ・フロー
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、主として税金等調整前当期純利益の計上により53億51百万円の純収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主として有形固定資産の取得による支出により58億55百万円の純支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額等により25億29百万円の純支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、対前期末比30億23百万円減の102億円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、53億51百万円の純収入で、対前期比44億67百万円の収入減となりました。主として売上高の増加に伴う売掛債権等の増加による収入の減、堆積場安定化工事費用(鉱山の採掘残渣等の最終処分施設である堆積場の耐震性強化のための費用)の支出の増加、また、前期は、ヌサ・テンガラ・マイニング株式会社からの受取配当金があっため、前期に比し、当期の利息及び配当金の受取額が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期の投資活動によるキャッシュ・フローは、58億55百万円の純支出で、対前期比22億69百万円の支出増となりました。主として佐倉工場のマザー工場機能強化のための設備投資など有形固定資産の取得による支出の増加によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期の財務活動によるキャッシュ・フローは、25億29百万円の純支出で、対前期比25億1百万円の支出減となりました。主として長短借入金の収支尻が、前期に比し、支出減となったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
産業機械 |
14,784 |
17.1 |
ロックドリル |
27,926 |
18.1 |
ユニック |
27,743 |
8.9 |
金属 |
75,780 |
20.0 |
電子 |
6,147 |
7.4 |
化成品 |
4,310 |
4.7 |
その他 |
457 |
△13.1 |
合計 |
157,150 |
16.2 |
(注)1.生産金額の算出方法は、販売価格および製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.産業機械、ロックドリルおよびユニックの一部については外注生産を、また、金属は委託製錬を行っております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
産業機械およびユニックの一部については受注生産を行っており、当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前期比 (%) |
産業機械 |
11,881 |
5.5 |
11,571 |
20.2 |
ロックドリル |
235 |
- |
114 |
- |
ユニック |
2,915 |
△7.1 |
1,229 |
13.3 |
合計 |
15,032 |
4.4 |
12,915 |
20.6 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
産業機械 |
15,871 |
13.0 |
ロックドリル |
30,199 |
11.9 |
ユニック |
27,381 |
6.2 |
金属 |
77,334 |
14.0 |
電子 |
6,307 |
8.4 |
化成品 |
6,344 |
19.8 |
不動産 |
3,338 |
8.6 |
その他 |
916 |
△6.8 |
合計 |
167,695 |
11.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
古河電気工業(株) |
20,051 |
13.4 |
26,305 |
15.7 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当社グループの当連結会計年度の経営成績等)
売上高は、対前期比178億65百万円(11.9%)増加し、1,676億95百万円となりました。増収の要因は、主に以下のとおりです。産業機械部門では、横浜環状北西線工事など出来高に対応した売上高を計上した橋梁や破砕機、粉砕機などの産業機械の増収により18億30百万円(13.0%)の増収となりました。ロックドリル部門では、国内向けは、熊本地震復旧・復興工事、リニア中央新幹線、北海道整備新幹線向けなどトンネルドリルジャンボの出荷が増加し、また堅調な建設投資を背景に油圧ブレーカの需要が増加したこと、海外向けも、堅調な海外経済を背景に、欧米を中心に油圧クローラドリル、油圧ブレーカの出荷が好調で、中国および南米においてはトンネルドリルジャンボの出荷が増加したことにより32億20百万円(11.9%)の増収となりました。ユニック部門では、国内向けは、主力製品であるユニッククレーンについて、小型から大型まで製品ラインナップをそろえた最新モデル(G-FORCEシリーズ)の出荷が増加したこと、海外向けは、堅調な海外経済を背景に、欧米において、ミニ・クローラクレーンの出荷が好調で、中国、東南アジアにおいてはユニッククレーンの出荷が増加したことにより15億98百万円(6.2%)の増収となりました。金属部門では、電気銅の販売数量は、国内向けに注力し、輸出を削減した結果、90,104トンで対前期比1,190トン減少しましたが、電気銅の売上高が、海外相場の上昇と円安により増収となったことにより94億80百万円(14.0%)の増収となりました。化成品部門では、亜酸化銅の売上高が、主要用途である船底塗料の需要が、船舶バラスト水規制管理条約発効前の前倒し需要などにより増加し、増収となったことにより10億46百万円(19.8%)の増収となりました。
当連結会計年度の売上原価は、対前期比162億19百万円(12.9%)増加し、1,424億26百万円となりました。売上原価率は0.7ポイント増加し、84.9%となりました。販売費及び一般管理費は、3億70百万円(2.2%)増加し、174億47百万円となりました。
当連結会計年度の営業利益は、対前期比12億75百万円(19.5%)増加し、78億20百万円となりました。産業機械部門では、10億5百万円(対前期比9億円増)、ロックドリル部門では、17億82百万円(対前期比8億85百万円増)、電子部門では、3億30百万円(3億12百万円増)、化成品部門では、4億51百万円(対前期比3億36百万円増)と、増収を主因として増益となりました。一方、ユニック部門では、鋼材価格上昇や佐倉工場の設備投資の先行費用負担などにより2億83百万円減益の22億95百万円となり、金属部門では買鉱条件の悪化などにより8億70百万円減益の8億67百万円となりました。
当連結会計年度の営業外収益は、当期は持分法投資損益が7億87百万円改善し、持分法による投資利益3億66百万円の計上となりましたが、前期は、ヌサ・テンガラ・マイニング株式会社からの受取配当金17億56百万円の計上があったため、対前期比10億18万円減少し、17億27百万円となりました。営業外費用は、前期は、持分法による投資損失4億21百万円の計上があったため、対前期比6億47百万円減少し、14億42百万円となりました。
当連結会計年度の特別利益は、投資有価証券売却益20百万円ほかを計上したことから、対前期比14百万円増加し、33百万円となりました。特別損失は、テナント退去補償関連費用10億41百万円ほかを計上したことから、対前期比10億34百万円増加し、15億43百万円となりました。
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合計した税金費用は、対前期比6億29百万円減少し、16億67百万円となりました。法人税等の負担率は、8.9ポイント減少し、25.3%となりました。(法人税等の負担率の差異の原因の内訳については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (税効果会計)」を参照願います。)非支配株主に帰属する当期純利益は、6百万円減少し、1億53万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、対前期比5億20百万円(12.2%)増加し、47億74百万円となりました。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
産業機械製品は、主に民間設備投資と公共投資の動向に影響を受けます。ロックドリル製品は、国内では民間設備投資と公共投資の動向、海外では出荷先各国の景気動向の影響を受けます。ユニッククレーンは、トラックの国内需要動向の影響を受けます。
銅をはじめとする金属部門は、原料銅鉱石、地金製品ともに国際市況動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けます。電子部門は、半導体市場の動向の影響を受けます。なお、事業等のリスクについては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」を参照願います。
(当社グループの資本の財源及び資金の流動性)
a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。
b)契約債務
2018年3月31日現在の契約債務の概要は、以下のとおりです。
|
年度別要支払額(百万円) |
||||||
合計 |
1年以内 |
1年超 2年以内 |
2年超 3年以内 |
3年超 4年以内 |
4年超 5年以内 |
5年超 |
|
短期借入金 |
9,225 |
9,225 |
- |
- |
- |
- |
- |
長期借入金 |
64,086 |
26,728 |
6,652 |
2,218 |
1,333 |
4,328 |
22,824 |
リース債務 |
815 |
259 |
234 |
144 |
112 |
53 |
10 |
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社グループの第三者に対する保証は、連結会社以外の会社の金融機関等からの借入等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が発生した場合、代わりに弁済する義務があり、2018年3月31日現在の債務保証額は、3,626百万円です。なお、運転資金等の効率的な調達を行うため、取引金融機関と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しており、2018年3月末現在の契約総額は、37,014百万円(借入実行額8,596百万円)です。
c)連結営業キャッシュ・フロー配分と資本政策
当社グループは、2017年度から2019年度の3年間を対象とした『中期経営計画2019』を策定し推進しております。連結営業キャッシュ・フローの配分ついては、堅固な財務基盤の確立を目指しつつ、「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」を行うとともに、株主還元に配慮した連結営業キャッシュ・フローの適正配分に努めていくこととしており、2017年度から2019年度の3年間の営業キャッシュ・フローの累計額のイメージは250億円程度で、その配分と2017年度の実績および進捗状況は以下のとおりです。
連結営業キャッシュ・フロー(百万円) |
3年間累計 |
2017年度 |
進捗率 |
|
25,000 |
5,351 |
21.4% |
||
配分のイメージ
|
有利子負債の削減(※1) |
3,000 |
195 |
6.5% |
設備投資(※2) |
16,000 |
5,021 |
31.4% |
|
配当(※3) |
6,000 |
2,020 |
33.7% |
※1 借入金(短期借入金・長期借入金)のみでリース債務を含みません。
※2 取得価額です。有形固定資産・無形固定資産の取得による支出額は、5,396百万円です。
※3 配当総額です。配当金の支払額は、2,019百万円です。
資本政策については、株主還元を充実させていくことを心掛けるとともに、収益の確保に不可欠な設備投資、研究開発等に必要な内部資金の確保を念頭に、今後の事業展開、その他諸般の事情を総合的に勘案して、成果の配分を実施することを基本方針としており、原則として、連結による損益を基礎とし、特別な損益の状態である場合を除き、1株当たり50円の年間配当金および連結配当性向30%以上を目処に、安定的・継続的な利益還元に努めていくこととしております。2017年度の年間配当金は、1株当たり50円、連結配当性向は42.3%です。
(当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
創業150周年を迎える2025年度に向けた当社グループの2025ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」において連結営業利益150億円超の常態化、二桁台のROEを掲げ、2025ビジョンを具現化していくための第1フェーズとして、2017年度から2019年度の3年間を対象とした『中期経営計画2019』を策定し、最終年度である2019年度に、マイルストーンとして連結営業利益85億円程度、ROE6%~7%程度とする経営指標を設定しております。
中期経営計画の1年目である2017年度の実績および進捗状況は、以下のとおりです。
[連結売上高(百万円)]
|
2019年度 (イメージ) |
2017年度 |
進捗率 |
機械事業 |
84,100 |
73,453 |
87.3% |
(産業機械部門) |
(20,000) |
(15,871) |
79.4% |
(ロックドリル部門) |
(33,500) |
(30,199) |
90.1% |
(ユニック部門) |
(30,600) |
(27,381) |
89.5% |
素材事業 |
79,600 |
89,987 |
113.0% |
(金属部門) |
(67,200) |
(77,334) |
115.1% |
(電子部門) |
(6,400) |
(6,307) |
98.6% |
(化成品部門) |
(6,000) |
(6,344) |
105.7% |
不動産事業 |
2,500 |
3,338 |
133.6% |
その他 |
1,400 |
916 |
65.5% |
合計 |
167,600 |
167,695 |
100.4% |
[連結営業利益(百万円)]
|
2019年度 (イメージ) |
2017年度 |
進捗率 |
機械事業 |
6,250 |
5,083 |
81.3% |
構成比(※) |
72.2% |
63.0% |
- |
(産業機械部門) |
(1,250) |
(1,005) |
80.4% |
(ロックドリル部門) |
(1,600) |
(1,782) |
111.4% |
(ユニック部門) |
(3,400) |
(2,295) |
67.5% |
素材事業 |
1,400 |
1,648 |
117.8% |
構成比(※) |
16.2% |
20.4% |
- |
(金属部門) |
(700) |
(867) |
123.9% |
(電子部門) |
(300) |
(330) |
110.1% |
(化成品部門) |
(400) |
(451) |
112.8% |
不動産事業 |
1,000 |
1,339 |
134.0% |
構成比(※) |
11.6% |
16.6% |
- |
その他 |
△40 |
△196 |
- |
計 |
8,610 |
7,875 |
- |
調整額 |
△110 |
△55 |
- |
合計 |
8,500 |
7,820 |
92.0% |
※ 合計からその他、調整額を除いた額に対する比率を算出しています。
当連結会計年度の売上高は、167,695百万円で、『中期経営計画2019』の最終年度である2019年度(イメージ)に対する進捗率は100.4%となりました。営業利益は7,820百万円で、経営指標として掲げた営業利益に対する進捗率は92.0%となりました。『中期経営計画2019』では機械事業をコア事業と位置づけ、「新たな成長の礎を構築」する期間としており、機械事業の営業利益の構成比は63.0%となりました。
ROE向上に向けた取り組みの強化・浸透については、ROEの構成要素のうち、収益性と効率性の改善に最優先で取り組むこととしており、2017年度はわずかに改善しましたが、ROEは5.9%で、前期比では横ばいとなりました。
|
ROE |
収益性 (当期純利益率) |
効率性 (総資産回転率) |
レバレッジ (財務レバレッジ) |
2016年度 |
5.9% |
2.84% |
0.74回 |
2.80倍 |
2017年度 |
5.9% |
2.85% |
0.78回 |
2.65倍 |
2019年度※ |
6.0%~7.0% |
改善 |
改善 |
低下 |
※ 2019年度でROEの構成要素については、個別に設定しておりません。
(セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析検討の内容)
『中期経営計画2019』の最終年度である2019年度に、マイルストーンとして設定した連結営業利益85億円程度に対するセグメントごとの営業利益の達成とROE向上に向けた取組みの強化・浸透を図るべく、ROA(総資産営業利益率)をセグメントごとの経営指標・業績管理指標とし、ROAの構成要素としてセグメントごとの収益性(売上高営業利益率)、効率性(総資産回転率)の改善に取り組んでいくこととしており、2016年度および2017年度の状況は、以下のとおりです。
2016年度 |
ROA(営業利益) |
総資産回転率 |
営業利益率 |
営業利益(百万円) |
連 結 |
3.2% |
0.7回 |
4.4% |
6,545 |
産業機械 |
0.5% |
0.9回 |
0.6% |
104 |
ロックドリル |
2.9% |
0.9回 |
3.3% |
897 |
ユニック |
11.2% |
1.1回 |
9.9% |
2,578 |
金 属 |
6.2% |
2.4回 |
2.6% |
1,738 |
電 子 |
0.2% |
0.8回 |
0.3% |
17 |
化 成 品 |
0.7% |
0.3回 |
2.1% |
114 |
不 動 産 |
4.0% |
0.1回 |
39.4% |
1,265 |
2017年度 |
ROA(営業利益) |
総資産回転率 |
営業利益率 |
営業利益(百万円) |
連 結 |
3.6% |
0.8回 |
4.7% |
7,820 |
産業機械 |
4.6% |
0.9回 |
5.3% |
1,005 |
ロックドリル |
5.7% |
1.0回 |
5.9% |
1,782 |
ユニック |
8.9% |
1.1回 |
8.3% |
2,295 |
金 属 |
2.7% |
2.4回 |
1.1% |
867 |
電 子 |
4.5% |
0.9回 |
5.2% |
330 |
化 成 品 |
2.8% |
0.4回 |
7.1% |
451 |
不 動 産 |
4.3% |
0.1回 |
39.9% |
1,339 |
産業機械部門は、中期経営計画(2019年度イメージ)に対する売上高の進捗率は79.4%、営業利益は80.4%となりました。ROAは、営業利益率の改善により2016年度の0.5%から4.6%に改善しました。当部門の製品の多くは受注生産を基本としており、個別案件ごとに顧客の課題・要望等を的確に把握し、課題解決する提案が不可欠です。このため本年4月1日付でエンジニアリング力強化を目的として組織改編を行い、それぞれ別の本部下にあった営業部門と設計部門を事業本部ごとに統合しました。
ロックドリル部門は、中期経営計画(2019年度イメージ)に対する売上高の進捗率は90.1%、営業利益は111.4%となりました。ROAは、営業利益率の改善により2016年度の2.9%から5.7%に改善しました。当部門の収益性、効率性の改善のため、ライフサイクルサポート機能の強化により、製品販売後も、ロックドリル製品特有のノウハウをもって、顧客にメリットを提供し続け、部品、整備・サービス等のストックビジネスとフロービジネス両輪での収益拡大が不可欠となっています。ライフサイクルサポート機能の強化として、機械稼働情報監視システムの構築、社内データベース(統合システム)の構築、部品販売の拡大(フルメンテナンスプログラムの試験運用を開始)、国内整備事業の拡充・強化(油圧ブレーカの自社整備工場2か所を新設、整備事業を開始)を進めています。また、生産能力増強および生産性向上、環境対応および品質向上、ライフサイクルサポート機能強化のため、2018年度から4年間で総額約68億円の設備投資を高崎吉井工場で開始しました。
ユニック部門は、中期経営計画(2019年度イメージ)に対する売上高の進捗率は89.5%、営業利益は67.5%となりました。ROAは、営業利益率の悪化により2016年度の11.2%から8.9%に悪化しました。当部門では、国内において、ユニッククレーンの高機能化・高付加価値化による競争力の強化を図るべく、操作性・安全性を各段に高めたフルモデルチェンジ機を開発し、中型トラック向けは2016年に、小・大型トラック向けは2017年に販売を開始しました。また、佐倉工場のマザー工場化と三極生産体制の機能強化、生産コスト低減を目的として、2016年度から3年間で約90億円の設備投資を佐倉工場で実施中です。2017年7月に油機工場が稼働、2018年1月には架装工場が稼働し、2018年4月に事務研修棟が完成しました。当期は、鋼材価格上昇に加え、製造しながらの設備投資により生産コストが上昇し、営業利益率は悪化しましたが、部材調達の最適化、設備投資による効果の早期実現を進めていきます。
金属部門は、中期経営計画(2019年度イメージ)に対する売上高の進捗率は115.1%、営業利益は123.9%となりました。ROAは、営業利益率の悪化により2016年度の6.2%から2.7%に悪化しました。当期は、売上高、営業利益の進捗率は、ともに100%超となっていますが、原料銅鉱石、地金製品ともに国際市況動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けるため、当部門の収益の変動は大きくなります。為替予約取引、先物取引を利用したヘッジ等によりこれらの変動による影響の軽減を図り、収益体質の向上のため、適切な原料調達など最適生産・販売体制の確立を進めています。
電子部門は、中期経営計画(2019年度イメージ)に対する売上高の進捗率は98.6%、営業利益は110.1%となりました。ROAは、営業利益率の改善により2016年度の0.2%から4.5%に改善しました。当期は、高純度金属ヒ素は、主要用途である化合物半導体が好調で、結晶製品も個別半導体用の結晶が好調で、電子部門の収益は改善しました。電子部門では、これらの成熟製品から戦略製品としているコイル製品、窒化アルミおよび光学部品の商品力の向上、収益構造の強化を図っています。
化成品部門は、中期経営計画(2019年度イメージ)に対する売上高の進捗率は105.7%、営業利益は112.8%となりました。ROAは、営業利益率の改善により2016年度の0.7%から2.8%に改善しました。当期は、船舶バラスト水規制管理条約発効前の前倒し需要などにより、主要用途である船底塗料の需要が増加し収益が拡大した亜酸化銅など、既存製品は概ね好調でしたが、新規開発製品である金属銅粉などの早期事業化、育成が課題となっています。
不動産部門は、中期経営計画(2019年度イメージ)に対する売上高の進捗率は133.6%、営業利益は134.0%となりました。ROAは、営業利益率の改善により2016年度の4.0%から4.3%に改善しました。当期は、賃貸ビルの空室率改善や主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)の順調な稼働により収益が拡大しました。不動産部門では、室町古河三井ビルディングの安定収益確保と、その他保有する不動産の有効活用による効率性の改善を図っています。なお、2019年秋を目途に閉館を予定している古河大阪ビルについては、将来構想を検討中です。
該当事項は、ありません。
当社グループは、多岐にわたる市場ニーズに適った高付加価値製品、新素材の研究開発を積極的に推進しております。
当連結会計年度における研究開発は、産業機械、ロックドリル、ユニック、電子、化成品部門を中心に行っております。
当連結会計年度の研究開発費は、22億92百万円です。
(1)産業機械部門
産業機械部門では、砕石市場向けコーンクラッシャー等の開発を行っております。
産業機械部門の当連結会計年度の研究開発費は、87百万円です。
(2)ロックドリル部門
ロックドリル部門では,油圧ブレーカ、油圧圧砕機の開発のほか、排ガス規制に対応した油圧クローラドリルや土木・鉱山向けのドリルジャンボ等の開発を行っております。
ロックドリル部門の当連結会計年度の研究開発費は、7億71百万円です。
(3)ユニック部門
ユニック部門では、ユニッククレーンおよびミニ・クローラクレーンの開発を行っております。
ユニック部門の当連結会計年度の研究開発費は、3億95百万円です。
(4)電子部門
電子部門では、レーザー加工用光学部品等の開発を行っております。
電子部門の当連結会計年度の研究開発費は、1億16百万円です。
(5)化成品部門
化成品部門では、導電性ペースト用銅粉末や電子材料用銅酸化物等の開発を行っております。
化成品部門の当連結会計年度の研究開発費は、1億34百万円です。
(6)コーポレート研究
当社が中心となって、各セグメント製品群の基盤技術開発、新事業創出のための研究開発等を行っています。コーポレート研究に係る研究開発費は、7億88百万円であり、全報告セグメントに配賦しています。
なお当社は、当社グループの技術戦略の立案、機能強化のほか、つくば総合開発センターにおけるグループ運用成果を踏まえた一層の技術先導機能強化を目指し、2017年10月1日付で組織再編を実施しました。
開発体制の再編概要は、次のとおりです。
・開発本部を総合技術力強化の目的を明確にするため「技術統括本部」に名称変更しました。
・開発企画部と管理部を統合して当社グループの技術戦略立案、最新技術動向調査、技術系人材育成等を担う「技術戦略部」としました。
・つくば総合開発センターを一段の機能強化と責任体制の明確化のため、「先端技術部」と「新材料開発部」の2部体制に発展的に改編しました。