(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済対策や日銀の金融緩和策を背景に企業収益や雇用情勢に改善の傾向が見られたものの、年明け以降の急激な円高・株安の影響などで、景気の先行きは不透明な状況となりました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、亜鉛のLME(ロンドン金属取引所)相場は割安感から一時的な上昇も見られたものの、中国経済の減速や原油をはじめとする資源価格の暴落もあり、総じて低調に推移しました。鉛・銀につきましても、亜鉛に比べると小幅ながら同様の動きとなりました。また、為替相場(円/米ドル)につきましては、夏場に一時125円台まで円安が進んだものの、その後は円高に転じました。
この結果、当社グループの当連結会計年度における業績は、通期では円安の効果はあったものの、金属相場の下落を主因として、売上高は1,141億44百万円と前期比69億48百万円(6%)の減収となりました。
損益面では、連結子会社である豪州の鉱山会社CBH Resources Ltd.(以下「CBH社」という。)の赤字の影響により、13億97百万円の営業利益にとどまりました。前期比では、円安の効果はあったものの、金属相場の下落の影響が大きく、54億98百万円(80%)の減益となりました。同じく経常利益も、10億7百万円と前期比45億59百万円(82%)の減益となりました。さらに、先行き亜鉛鉱石需給の逼迫は予想されるものの、それが亜鉛相場の上昇には早期に結び付かないと判断し、事業計画を見直した結果、CBH社の2鉱山で約152億円の減損損失(特別損失)を計上いたしました。そのため、親会社株主に帰属する当期純損益は、162億21百万円の損失(前期比189億64百万円の減益)と、多額の損失を計上する結果となりました。
(単位:百万円)
|
区 分 |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属する当期純利益又は損失(△) |
|
平成28年3月期 |
114,144 |
1,397 |
1,007 |
△16,221 |
|
平成27年3月期 |
121,093 |
6,895 |
5,567 |
2,743 |
|
増減 |
△6,948 |
△5,498 |
△4,559 |
△18,964 |
|
(増減率%) |
(△6) |
(△80) |
(△82) |
(-) |
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
①製錬事業部門
《亜鉛》
LME相場は、期初2,069ドル/トンでスタートし、5月初めには一時2,400ドル台をつけたものの、その後は一転下落し、12月から1月にかけて一時1,400ドル台まで落ち込みました。期末にかけてやや回復しましたが、期中平均は1,831ドルと前期(2,175ドル)を344ドル下回りました。国内価格も、為替相場が期中平均で121.1円/米ドル(前期110.9円)と円安となったものの、LME相場下落の影響が大きく、期中平均は269千円/トンと前期(286千円/トン)を17千円下回りました。加えて内需減退による販売量減の影響もあり、売上高は前期比13%の減収となりました。
《鉛》
LME相場は、期初1,820ドル/トンでスタートし、5月初めには一時2,100ドル台をつけたものの、その後は一転下落し、11月には一時1,500ドル台半ばまで落ち込みました。期末にかけてやや持ち直しましたが、期中平均は1,770ドルと前期(2,021ドル)を251ドル下回りました。国内価格の期中平均は273千円/トンと前期(281千円/トン)を8千円下回りました。しかしながら販売量増の影響もあり、売上高は前期比2%の増収となりました。
《銀》
ロンドン銀相場は、期初16.6ドル/トロイオンスでスタートし、その後14~15ドル台で推移しましたが、一時13ドル台まで下げました。期末にかけて15ドル台まで回復したものの、期中平均は15.2ドル/トロイオンスと前期(18.1ドル/トロイオンス)を2.9ドル下回りました。国内価格は、為替相場が円安となったものの、ロンドン銀相場下落の影響が大きく、期中平均は60,352円/キログラムと前期(65,238円)を4,886円下回りました。
この結果、売上高は販売増があったものの4%の減収となりました。
以上のほか、硫酸などその他の製品を合わせた当事業部門の売上高は、779億3百万円と前期比33億59百万円(4%)の減収、営業利益は在庫評価損実現の影響(先入先出法による在庫評価等の影響)もあり18億13百万円と前期比33億25百万円(65%)の減益となりました。
なお、金属相場及び為替相場の推移は下表のとおりであります。
|
区 分 |
亜鉛(月平均) |
鉛(月平均) |
銀(月平均) |
為替期末日レート |
||||
|
LME相場 |
国内価格 |
LME相場 |
国内価格 |
ロンドン相場 |
国内価格 |
対米ドル |
対豪ドル |
|
|
|
$/t |
\/t |
$/t |
\/t |
$/toz |
\/kg |
\/$ |
\/A$ |
|
26年3月 |
2,014 |
255,000 |
2,056 |
270,000 |
20.7 |
69,700 |
102.92 |
95.19 |
|
6月 |
2,127 |
265,400 |
2,103 |
274,400 |
19.8 |
66,350 |
101.36 |
95.50 |
|
9月 |
2,294 |
291,100 |
2,122 |
289,000 |
18.5 |
65,320 |
109.45 |
95.19 |
|
12月 |
2,172 |
307,200 |
1,936 |
294,700 |
16.2 |
63,700 |
120.55 |
98.07 |
|
27年3月 |
2,029 |
291,500 |
1,785 |
275,000 |
16.2 |
64,410 |
120.17 |
92.06 |
|
6月 |
2,087 |
307,400 |
1,836 |
292,000 |
16.1 |
65,710 |
122.45 |
93.93 |
|
9月 |
1,719 |
260,400 |
1,682 |
263,000 |
14.7 |
58,330 |
119.96 |
84.06 |
|
12月 |
1,522 |
234,800 |
1,701 |
262,900 |
14.1 |
56,780 |
120.61 |
87.92 |
|
28年3月 |
1,805 |
255,500 |
1,808 |
266,300 |
15.4 |
57,250 |
112.68 |
86.25 |
②資源事業部門
CBH社を擁する当事業部門は、亜鉛・鉛精鉱出荷量の増加はあったものの、金属相場の下落の影響が大きく、売上高は181億54百万円と前期比6億99百万円(4%)の減収となりました。
営業損益は、売上高と同様に相場下落の影響が大きく、24億13百万円の営業損失と前期比7億71百万円の赤字幅拡大となりました。
③電子部材事業部門
《電子部品》
期初の販売は堅調に推移したものの、中国経済の減速以降受注が低迷し、特に国内設備投資が進まないなかで産業機器向けの販売が不調となり、売上高は前期比11%の減収となりました。
《電解鉄》
世界のトップシェアを誇る電解鉄は、航空機用の特殊鋼主体の国外向け、自動車用の特殊鋼主体の国内向け共に減販となり、売上高は前期比21%の減収となりました。
《プレーティング》
車載電装品、デジタル機器などの接続端子や接点に使用されるプレーティング製品(金、銀、錫、ニッケル等のメッキ材)は下期からの車載電装品向けの落ち込みが大きく、売上高は前期比10%の減収となりました。
《機器部品》
粉末冶金製品は自動車関連部品、一般産業機器向け共に販売が好調に推移したものの、タイヤ用バランスウエイトは日本国内向け、中国向け共に受注が落ち込み、売上高は前期比13%の減収となりました。
以上の結果、当事業部門の売上高は61億55百万円と前期比8億93百万円(13%)の減収、営業利益は6億75百万円と前期比3億75百万円(36%)の減益となりました。
④環境・リサイクル事業部門
主力製品の酸化亜鉛及び使用済みニカド電池リサイクル事業で亜鉛・ニッケル相場の下落の影響を大きく受けたことに加え、硫酸リサイクル量の減少などもあったため、当事業部門の売上高は46億63百万円と前期比13億14百万円(22%)の減収となりました。営業利益についても7億51百万円と前期比9億63百万円(56%)の減益となりました。
⑤その他事業部門
《防音建材(商品名:ソフトカーム)事業》
一般防音向け制振遮音材の販売は好調に推移したものの、大型病院向けのX線遮蔽鉛板等が減販となり、売上高は前期比10%の減収となりました。
《土木・建築・プラントエンジニアリング事業》
公共工事など大型案件の完工により、売上高は前期比33%の増収となりました。
《運輸事業》
運輸部門は、運送貨物や産業廃棄物、リサイクル原料等の扱い量の減少などもあり、売上高は前期比12%の減収となりました。
以上のほか、環境分析部門を合わせた当事業部門の売上高は、商社事業を営んでいた子会社の清算などもあり、72億68百万円と前期比6億81百万円(9%)の減収となったものの、営業利益は7億51百万円と前期並みとなりました。
セグメント別の売上高、営業利益は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
区 分 |
製錬事業 |
資源事業 |
電子部材 事 業 |
環境・リサイクル事 業 |
その他事業 |
計 |
調整額 |
連結 |
|
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
平成28年3月期 |
77,903 |
18,154 |
6,155 |
4,663 |
7,268 |
114,144 |
- |
114,144 |
|
平成27年3月期 |
81,262 |
18,853 |
7,049 |
5,978 |
7,949 |
121,093 |
- |
121,093 |
|
増 減 |
△3,359 |
△699 |
△893 |
△1,314 |
△681 |
△6,948 |
- |
△6,948 |
|
(増減率%) |
(△4) |
(△4) |
(△13) |
(△22) |
(△9) |
(△6) |
(-) |
(△6) |
|
営業利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
平成28年3月期 |
1,813 |
△2,413 |
675 |
751 |
751 |
1,579 |
△182 |
1,397 |
|
平成27年3月期 |
5,138 |
△1,641 |
1,050 |
1,715 |
742 |
7,005 |
△109 |
6,895 |
|
増 減 |
△3,325 |
△771 |
△375 |
△963 |
9 |
△5,426 |
△72 |
△5,498 |
|
(増減率%) |
(△65) |
(-) |
(△36) |
(△56) |
(1) |
(△77) |
(-) |
(△80) |
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ11億73百万円増加し、当連結会計年度末は98億1百万円となりました。
その内容は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、138億58百万円の収入(前期比116億46百万円の収入増)となりました。これは非資金費用である減価償却費などの収入要因の他に、たな卸資産の減少があったためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、56億19百万円の支出(前期比5億48百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは70億30百万円の支出(前期比70億5百万円の支出増)となりました。これは主に有利子負債を返済したことによるものです。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
製 錬 |
75,397 |
92.5 |
|
資 源 |
16,493 |
106.8 |
|
電子部材 |
6,162 |
87.1 |
|
環境・リサイクル |
4,515 |
77.1 |
|
報告セグメント計 |
102,568 |
93.3 |
|
その他 |
1,699 |
89.9 |
|
合計 |
104,268 |
93.3 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
但し、電子部材事業、環境・リサイクル事業、その他事業の生産高は、販売金額と同額であります。
2.製錬事業には、八戸製錬㈱他委託分が含まれております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
製 錬 |
383 |
71.3 |
28 |
92.5 |
|
資 源 |
- |
- |
- |
- |
|
電子部材 |
5,627 |
88.4 |
649 |
81.7 |
|
環境・リサイクル |
327 |
71.0 |
9 |
41.0 |
|
報告セグメント計 |
6,337 |
86.1 |
688 |
81.0 |
|
その他 |
5,614 |
164.2 |
3,664 |
249.6 |
|
合計 |
11,952 |
110.8 |
4,352 |
187.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
製 錬 |
77,903 |
95.9 |
|
資 源 |
18,154 |
96.3 |
|
電子部材 |
6,155 |
87.3 |
|
環境・リサイクル |
4,663 |
78.0 |
|
報告セグメント計 |
106,876 |
94.5 |
|
その他 |
7,268 |
91.4 |
|
合計 |
114,144 |
94.3 |
(注)1.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売価格
当連結会計年度における販売価格の変動については、第2「事業の状況」 1「業績等の概要」において、各セグメントに関連付けて記載しております。
今後につきましては、中国や新興国経済の不振により原油をはじめとする資源価格が下落するなかで、依然として景気の不安定な状況が続くと思われます。
このような状況下、当社グループは、第10次中期3ヵ年経営計画「東邦新生プランⅥ」の初年度を終えましたが、第2「事業の状況」 1「業績等の概要」の項目に記載のとおり金属相場の下落とCBH社の減損損失の処理に伴い、大幅な赤字を計上したため、皆様には大変なご心配をおかけしました。CBH社につきましては、経営基盤の強化促進のため昨年7月に当社の執行役員がCEOに就任、また、同社エンデバー鉱山は本年2月から粗鉱生産量を通常生産量の4分の1レベルである1万トン/月に減産するとともに、従業員を116名削減して60名体制にすることでこの難局に対応しております。今後は同社のさらなる効率化、収支改善を推進してまいります。
なお、第10次中期3ヵ年経営計画の主要課題は、以下のとおりであります。
(ⅰ) 資源事業部門では、生産計画の必達とコスト削減努力により、赤字から黒字化への転換を図ってまいります。
(ⅱ) 製錬事業部門では、ステークホルダーの期待に応えるべく、より一層の効率的な操業を実現してまいります。
(ⅲ) 資源、製錬事業部門以外では、相対的に市況影響を受けない事業特性を活かし、安定収益を獲得してまいります。
当社グループといたしましては、以上の諸施策を鋭意遂行し、皆様のご期待にお応えするとともに、コンプライアンス及びリスク管理の重要性を再認識し、内部統制システムの一層の整備・充実を通じ、継続的な発展と企業価値の増大を図るため総力を挙げて取り組んでまいります。
当社グループの経営成績、財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
(1) 金属価格
製錬事業の亜鉛及び鉛の原料鉱石価格と製品価格は、LME(ロンドン金属取引所)の価格を基準としております。
また、鉱石の買鉱条件である製錬費(T/C)は、LME価格変動の影響を受けます。
このため、社内予算価格を基準に適宜金属先物予約取引を実施し、LME価格変動のリスクを最小限に止める努力を実施しておりますが、LME価格が予想以上に急激かつ大幅に変動した場合など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替相場
亜鉛及び鉛の製錬事業の主原料である鉱石は、海外から輸入しておりますが、その買鉱条件である製錬費(T/C)は米ドル建てとなっていることと、各製品の国内販売価格は米ドル建て価格を円換算したものを基礎としているため、米ドルに対する円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。この関係はCBH社においても同様で、生産物である鉱石価格が米ドル建てであるため、豪ドル安が好影響をもたらします。
このため、社内予算レートを基準に適宜為替先物予約を実施し、為替変動のリスクを最小限に止める努力を実施しておりますが、為替相場が予想以上に急激かつ大幅に変動した場合など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 金利変動
当社グループの主力事業である製錬事業や資源事業は、その運営や開発に多額の資金を必要とします。金利変動リスクを可能な限り回避するため諸手段を講じておりますが、金融情勢が大きく変化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料の確保
当社グループの主力事業である製錬事業の主原料である亜鉛及び鉛鉱石の確保は、経営上の重要課題です。亜鉛及び鉛鉱石は、当社の連結子会社CBH Resources Ltd.のエンデバー鉱山・ラスプ鉱山及びペルー・豪州等の有力鉱山からその多くを調達しております。
従って、当該鉱山において事故等不測の事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 環境規制等
国内外の事業所においては、環境関連法令に基づき、大気、排水、土壌、地下水等の汚染防止に努め、また、国内の管理鉱山については、鉱山保安法に基づき、坑廃水による水質汚濁の防止や堆積場の安全管理等、鉱害防止に努めておりますが、関連法令の改正等によっては、当社グループに新たな費用が発生する可能性があります。
(6) 自然災害等
地震等の自然災害によって不測の事態が発生し製造拠点が影響を受けた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは長年培ってきた素材、製錬等の技術をベースに鉱石中の未回収有価金属の再資源化技術の研究開発に努力しております。また、電子部品、電子材料の開発など社会のニーズに合致した製品開発のため長期的視野に立って研究開発を鋭意行っております。
研究開発拠点としては、各製錬所に現場密着型の研究組織を配置し、製錬インフラを活用した環境・リサイクル事業の推進と開発に重点を置いた研究を行っております。また、電子部品、電子材料、高純度電解鉄については、東邦亜鉛テクニカルセンターが研究開発を担っており、高レベル化を目指しています。同時に大学、研究機関との共同研究、提携研究も積極的に行っております。
なお、当連結会計年度中に支出した研究開発費は1億17百万円、研究人員は50名であります。
セグメント別の主な研究開発の内容は、次のとおりであります。
(1) 製錬事業部門
① 製錬部門は徹底的なコストダウン及び品質向上のためのプロセス改善に取り組んでおります。特に電力代の大幅アップに対する技術改善やエネルギー改善に努力しております。今後とも工程効率化対策や省エネルギー対策に取り組んでまいります。
② 金属加工品、未回収金属、化成品は需要家ニーズに迅速に応え、よりハイテク分野への飛躍を目指すための研究開発を行っております。
(2) 電子部材事業部門
① 電子部品
磁性材料研究は高周波化、高電流密度化をさらに進め、材料や部品のデザイン開発を並行して行っております。特に自動車電装品、環境・エネルギー機器向けの優れた電流重畳特性及び低損失を有すインダクタ開発に注力しております。
② 電子材料・電池材料
プレーティング材料は需要家ニーズに応えるため、より精密な製品についての技術開発を続けております。
③ 高純度電解鉄
電解鉄の優れた機能をより引き出して製品化するため、大学、研究機関と提携し研究を進めております。
(3) 環境・リサイクル事業部門
低品位かつ難処理原料からの有価物回収に取り組んでおります。
以上のように、顧客ニーズへの対応を第一に、従来の技術の応用のほか、新規素材、新規製品を世に送り出すため、研究人員、研究インフラ、生産設備を並行して充実する努力を続けております。
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ298億10百万円減少し、1,221億60百万円となりました。これは主に152億円を超える鉱山の減損やたな卸資産が減少したこと等によるものであります。
負債については、前連結会計年度末に比べ94億56百万円減少し、779億71百万円となりました。これは主に有利子負債等が減少したことによるものであります。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上などにより前連結会計年度末に比べ203億54百万円減少し、441億88百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は当連結会計年度末において36.2%となり、前連結会計年度末に比べ6.3ポイント下落しております。
(2) 経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、第2「事業の状況」 1「業績等の概要」の項目をご参照ください。