(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、円安の定着により、永らく続いたデフレが解消の方向に進み始め、さらに消費意欲回復の動きがこれに続き、企業の景況感は久方ぶりに改善されました。一方、原発再稼働の具体的な予定が定まらない状況下、火力発電の燃料輸入費の増加等から、当連結会計年度におけるわが国の貿易収支は3年連続の赤字となり、赤字額は前年度に続き過去最大を記録しました。また、燃料費の増加は、電気料金の値上げとなって電力を生産の支えとする製造業、とりわけ電力多消費産業の一つである当社が属する非鉄金属製錬業にも、大きなマイナス影響を及ぼしております。
当社グループをとりまく事業環境につきましては、為替相場(円/米ドル)が前期と比べて2割を超す大幅な円安水準で推移し、業況に追い風となりました。しかしながら、亜鉛・鉛のLME(ロンドン金属取引所)相場は、これら金属が供給過剰から不足に転じてきてはいるものの、中国をはじめとする新興国の需要が期待ほど伸びず、前期を若干下回る水準で推移しました。また、銀相場は、米ドル高の裏返しの現象となった金価格と同様に下落し、前期を大きく下回る水準で推移しました。
当社グループの当連結会計年度の業績は、前述の円安基調に加え、主力製品の亜鉛・鉛・銀の販売数量面での増販や連結子会社の豪州鉱山会社CBH Resources Ltd.(以下「CBH社」という。)が保有するラスプ鉱山の本格稼働等から、下表のとおり売上高が1,186億19百万円と、前期比149億65百万円の増収(14%)となりました。
損益面では、営業利益は、円安やCBH社の精鉱出荷増等により57億49百万円と、前期比52億15百万円の増益(975%)となりました。経常利益は、CBH社に対する豪ドル建て貸付金及び同社の米ドル建て借入金の為替評価損失等から44億28百万円と、営業利益よりも小幅な前期比17億91百万円の増益(68%)となりました。当期純利益は、法人税負担等が加わり16億70百万円となりましたが、CBH社エンデバー鉱山の減損処理を行った前期比では68億26百万円の改善となりました。
(単位:百万円)
|
|
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
当期純利益又は 当期純損失(△) |
|
平成26年3月期 |
118,619 |
5,749 |
4,428 |
1,670 |
|
平成25年3月期 |
103,654 |
534 |
2,636 |
△5,156 |
|
増減 |
14,965 |
5,215 |
1,791 |
6,826 |
|
(増減率%) |
(14) |
(975) |
(68) |
(-) |
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
①製錬事業部門
《亜鉛》
LME相場は、期初(25年4月平均)1,853ドル/トンでスタートし、特に大きな動きがないまま11月まで月平均1,800ドル台での展開が続きました。12月に入り、米国の景気回復等で一時2,100ドル台まで上昇したものの、その後は中国の景気減速やウクライナ問題等により上値が抑えられたまま期末(26年3月平均)を2,014ドルで迎え、期中平均は1,910ドルと前期(1,950ドル)を40ドル下回りました。
国内価格は、大幅な円安により期中平均240千円/トンと前期(209千円)を31千円上回りました。
販売数量面では、自動車生産台数の回復等により主用途の亜鉛メッキ鋼板をはじめ伸銅・ダイカスト分野が堅調に推移し、前期比7%の増販となりました。
この結果、売上高は前期比25%の増収となりました。
《鉛》
LME相場は、期初(25年4月平均)2,030ドル/トンでスタートし、夏・冬場の鉛需要期には一時2,200ドル台まで上昇したものの、期末(26年3月平均)には2,056ドルまで下降し、期中平均は2,094ドルと前期(2,114ドル)を20ドル下回りました。
国内価格は、大幅な円安により期中平均270千円/トンと前期(228千円)を42千円上回りました。
販売数量面では、主用途のバッテリー分野で取替用の需要が振るわなかったものの、新車用の需要が好調に推移し、前期比3%の増販となりました。
この結果、売上高は前期比25%の増収となりました。
《銀》
ロンドン銀相場は、期初(25年4月平均)25.2ドル/トロイオンスでスタートしたものの、米ドル高等の影響により6月には一時的に19ドル台を割り込みました。その後、シリア情勢の緊迫やウクライナ問題で上昇に向かう局面もありましたが、米ドル高や米国の金融緩和縮小に上値を抑えられたまま期末(26年3月平均)を20.7ドルで迎え、期中平均は21.4ドルと前期(30.5ドル)を9.1ドル下回りました。
国内価格は、海外相場安の影響で期中平均70,655円/キログラムと前期(83,019円)を12,364円下回りました。
販売数量面では、主用途のはんだ向けは減少したものの、フイルムや接点向けが堅調に推移しました。
この結果、販売量は前期比3%の増販となりましたが、銀相場が大きく下落したことにより、売上高は前期比14%の減収となりました。
以上のほか、硫酸などその他の製品を合わせた当事業部門の売上高は、前述のとおり大幅な円安等により800億78百万円と前期比90億59百万円(13%)の増収、営業利益は43億41百万円と前期比28億20百万円(185%)の増益となりました。
なお、金属相場及び為替相場の推移は下表のとおりであります。
|
区 分 |
亜鉛(月平均) |
鉛(月平均) |
銀(月平均) |
為替期末日レート |
||||
|
LME相場 |
国内価格 |
LME相場 |
国内価格 |
ロンドン相場 |
国内価格 |
対米ドル |
対豪ドル |
|
|
|
$/t |
\/t |
$/t |
\/t |
$/toz |
\/kg |
\/$ |
\/$ |
|
25年3月 |
1,936 |
230,500 |
2,183 |
268,400 |
28.8 |
89,380 |
94.05 |
97.93 |
|
6月 |
1,839 |
228,000 |
2,104 |
268,500 |
21.1 |
68,030 |
98.59 |
91.12 |
|
9月 |
1,848 |
232,900 |
2,088 |
267,700 |
22.6 |
74,020 |
97.75 |
90.87 |
|
12月 |
1,974 |
251,800 |
2,133 |
275,600 |
19.6 |
66,770 |
105.39 |
93.24 |
|
26年3月 |
2,014 |
255,000 |
2,056 |
270,000 |
20.7 |
69,700 |
102.92 |
95.19 |
②資源事業部門
CBH社を擁する当事業部門は、エンデバー鉱山とラスプ鉱山(平成24年7月に開山)の2拠点での生産体制が整ったことから、売上高は140億85百万円と前期比30億51百万円(28%)の増収となりました。
営業利益は16億64百万円の損失となったものの、豪ドルが米ドルに対して安く推移したことや操業の効率化・コストダウン等により、前期比17億10百万円の改善となりました(前期は33億75百万円の損失)。
③電子部材事業部門
《電子部品》
主用途のうち、OA機器や産業機器向けの販売は前期並みとなったものの、新車販売が好調に推移した車載電装向けとアジア地域の猛暑によりエアコン向けが増販となり、売上高は前期比4%の増収となりました。
《電解鉄》
世界のトップシェアを誇る電解鉄は、主力製品のマイロンが車載用の特殊鋼向け、アトミロンが航空機や試験研究用の鉄鋼向けで好調に推移し、売上高は前期比10%の増収となりました。
《プレーティング》
IT・デジタル機器などの接点に使用されるプレーティング製品(金、銀、錫、ニッケル等のメッキ材)は、車載部品向けは好調に推移したものの、精密電子機器用の金メッキが落ち込み、売上高は前期並みにとどまりました。
《機器部品》
主力製品のタイヤ用バランスウエイトは中国をはじめとする海外向け、粉末冶金製品は自動車関連部品向けで好調に推移し、売上高は前期比13%の増収となりました。
以上の結果、当事業部門の売上高は68億3百万円と前期比3億40百万円(5%)の増収となり、営業利益は9億99百万円と前期比2億25百万円(29%)の増益となりました。
④環境・リサイクル事業部門
《酸化亜鉛》
電炉メーカーから排出されるダストを原料として製造する主力製品の酸化亜鉛(商品名:銀嶺R)は、輸入品との競合のなかでタイヤメーカー向けの販売量を確保し、売上高は前期比7%の増収となりました。
《その他のリサイクル事業》
使用済みニカド電池や廃酸の処理などその他のリサイクル事業は、順調に推移し、売上高は前期比19%の増収となりました。
以上の結果、当事業部門の売上高は49億9百万円と前期比5億68百万円(13%)の増収となり、営業利益は9億59百万円と前期比3億9百万円(48%)の増益となりました。
⑤その他事業部門
《防音建材(商品名:ソフトカーム)事業》
大型病院向けのX線遮蔽鉛板及び一般防音向け制振遮音材が好調に推移し、売上高は前期比17%の増収となりました。
《土木・建築・プラントエンジニアリング事業》
土木・建築部門が好調に推移し、売上高は前期比27%の増収となりました。
《運輸事業その他》
運輸部門は、運送荷物の増加やリサイクル原料等の扱い量の増加により、売上高は前期比16%の増収となりました。商社部門は国内金属価格の上昇に伴い、売上高は前期比14%の増収となりました。
以上のほか、環境分析部門を合わせた当事業部門の売上高は、127億42百万円と前期比19億45百万円(18%)の増収となったものの、防音建材事業以外の利益率が伸び悩み、営業利益は10億76百万円と前期比32百万円(3%)の減益となりました。
セグメント別の売上高、営業利益は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
区 分 |
製錬事業 |
資源事業 |
電子部材 事 業 |
環境・リサイクル事業 |
その他事業 |
計 |
調整額 |
連結 |
|
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
平成26年3月期 |
80,078 |
14,085 |
6,803 |
4,909 |
12,742 |
118,619 |
- |
118,619 |
|
平成25年3月期 |
71,018 |
11,034 |
6,463 |
4,341 |
10,797 |
103,654 |
- |
103,654 |
|
増減 |
9,059 |
3,051 |
340 |
568 |
1,945 |
14,965 |
- |
14,965 |
|
(増減率%) |
(13) |
(28) |
(5) |
(13) |
(18) |
(14) |
(-) |
(14) |
|
営業利益又は 営業損失(△) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
平成26年3月期 |
4,341 |
△1,664 |
999 |
959 |
1,076 |
5,711 |
38 |
5,749 |
|
平成25年3月期 |
1,521 |
△3,375 |
773 |
650 |
1,109 |
679 |
△144 |
534 |
|
増減 |
2,820 |
1,710 |
225 |
309 |
△32 |
5,032 |
182 |
5,215 |
|
(増減率%) |
(185) |
(-) |
(29) |
(48) |
(△3) |
(741) |
(-) |
(975) |
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ78百万円増加し、当連結会計年度末は114億93百万円となりました。
その内容は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、84億1百万円の収入(前期比21億17百万円の収入増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上や、非資金費用である減価償却費などがあったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、47億53百万円の支出(前期比65億28百万円の支出減)となりました。これはCBH社での鉱山開発や国内生産設備の維持更新などの設備投資を行ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期借入金の弁済や配当金の支払いを行ったことにより、35億94百万円の支出(前期比32億11百万円の支出増)となりました。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
製 錬 |
77,841 |
109.9 |
|
資 源 |
17,343 |
161.8 |
|
電子部材 |
6,848 |
105.1 |
|
環境・リサイクル |
4,739 |
113.5 |
|
報告セグメント計 |
106,772 |
115.7 |
|
その他 |
2,182 |
115.3 |
|
合計 |
108,954 |
115.7 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
但し、電子部材事業、環境・リサイクル事業、その他事業の生産高は、販売金額と同額であります。
2.製錬事業には、八戸製錬㈱他委託分が含まれております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
製 錬 |
609 |
97.1 |
37 |
105.6 |
|
資 源 |
- |
- |
- |
- |
|
電子部材 |
6,280 |
109.2 |
912 |
150.0 |
|
環境・リサイクル |
406 |
91.0 |
13 |
29.0 |
|
報告セグメント計 |
7,296 |
106.9 |
962 |
139.6 |
|
その他 |
3,054 |
98.3 |
745 |
59.6 |
|
合計 |
10,351 |
104.2 |
1,707 |
88.0 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
製 錬 |
80,078 |
112.8 |
|
資 源 |
14,085 |
127.7 |
|
電子部材 |
6,803 |
105.3 |
|
環境・リサイクル |
4,909 |
113.1 |
|
報告セグメント計 |
105,876 |
114.0 |
|
その他 |
12,742 |
118.0 |
|
合計 |
118,619 |
114.4 |
(注)1.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売価格
当連結会計年度における販売価格の変動については、第2「事業の状況」 1「業績等の概要」において、各セグメントに関連付けて記載しております。
今後の事業環境につきましては、当社グループの損益に大きな影響を及ぼす為替相場は行きすぎた円高が是正され、円安水準が続くものと予想されます。さらに、中国をはじめとする新興国の経済成長率鈍化が長引いているものの、先々の鉱石供給量の減少見通しから、金属相場はなだらかに回復していくものと見込まれます。一方、福島原発事故後の電力安定供給に付随する化石燃料費用の急増及び再生可能エネルギーへのシフトに伴うコスト負担により、電気料金の上昇トレンドは今後も続くものと予測されます。
このような損益改善を阻む要因も想定されますが、当社グループは第9次中期3ヵ年経営計画「東邦新生プランⅤ」(平成24年度から同26年度)に掲げた諸課題を着実に達成することで経営基盤をさらに強固なものとし、本計画のスローガンとした「新たな次元へ向けさらなる飛躍を」果たすべく、持続的な成長・発展と企業価値の最大化を図ってまいります。
その最終年度となる平成26年度の主な経営課題につきましては、以下のとおりであります。
ⅰ)資源事業は、事業の中核をなすCBH社が鋭意取り組んでいるエンデバー鉱山及びラスプ鉱山の収益改善計画を完遂してまいります。
ⅱ)製錬事業は、コストダウンの徹底と操業係数の向上を図り、最適生産体制を確立してまいります。
ⅲ)電子部材、環境・リサイクル事業等は、新規事業の拡大及び新製品の開発に注力してまいります。
ⅳ)引き続き次世代への技術・ノウハウの継承に鋭意取り組み、現場力の維持・向上を積極的に進めてまいります。
当社グループは、こうした取り組みを鋭意遂行していくなかで、経営の基本をなすコーポレート・ガバナンスの適正な運営に加え、経営の健全性を確保すべくコンプライアンスのさらなる浸透と内部統制システムの一層の整備・充実に努めてまいります。
当社グループの経営成績、財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
(1) 金属価格
製錬事業の亜鉛及び鉛の原料鉱石価格と製品価格は、LME(ロンドン金属取引所)の価格を基準としております。
また、鉱石の買鉱条件である製錬費(T/C)は、LME価格変動の影響を受けます。
このため、社内予算価格を基準に適宜金属先物予約取引を実施し、LME価格変動のリスクを最小限に止める努力を実施しておりますが、LME価格が予想以上に急激かつ大幅に変動した場合など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替相場
亜鉛及び鉛の製錬事業の主原料である鉱石は、海外から輸入しておりますが、その買鉱条件である製錬費(T/C)は米ドル建てとなっていることと、各製品の国内販売価格は米ドル建て価格を円換算したものを基礎としているため、米ドルに対する円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。
このため、社内予算レートを基準に適宜為替先物予約を実施し、為替変動のリスクを最小限に止める努力を実施しておりますが、為替相場が予想以上に急激かつ大幅に変動した場合など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 金利変動
当社グループの当連結会計年度末における有利子負債残高は609億円であります。金利変動リスクを可能な限り回避するため諸手段を講じておりますが、金融情勢が大きく変化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料の確保
当社グループの主力事業である製錬事業の主原料である亜鉛及び鉛鉱石の確保は、経営上の重要課題です。亜鉛及び鉛鉱石は、当社の連結子会社CBH Resources Ltd.のエンデバー鉱山・ラスプ鉱山及びペルー・豪州等の有力鉱山からその多くを調達しております。
従って、当該鉱山において事故等不測の事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 環境規制等
国内外の事業所においては、環境関連法令に基づき、大気、排水、土壌、地下水等の汚染防止に努め、また、国内の管理鉱山については、鉱山保安法に基づき、坑廃水による水質汚濁の防止や堆積場の安全管理等、鉱害防止に努めておりますが、関連法令の改正等によっては、当社グループに新たな費用が発生する可能性があります。
(6) 自然災害等
地震等の自然災害によって不測の事態が発生し製造拠点が影響を受けた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは長年培ってきた素材、製錬等の技術をベースに鉱石中の未回収有価金属の再資源化技術の研究開発に努力しております。また、電子部品、電子材料の開発など社会のニーズに合致した製品開発のため長期的視野に立って研究開発を鋭意行っております。
研究開発拠点としては、各製錬所に現場密着型の研究組織を配置し、製錬インフラを活用した環境・リサイクル事業の推進と開発に重点を置いた研究を行っております。また、電子部品、電子材料、高純度電解鉄については、東邦亜鉛テクニカルセンターが研究開発を担っており、高レベル化を目指しています。同時に大学、研究機関との共同研究、提携研究も積極的に行っております。
なお、当連結会計年度中に支出した研究開発費は1億78百万円、研究人員は50名であります。
セグメント別の主な研究開発の内容は、次のとおりであります。
(1) 製錬事業部門
① 製錬部門は徹底的なコストダウン及び品質向上のためのプロセス改善に取り組んでおります。特に電力代の大幅アップに対する技術改善やエネルギー改善に努力しております。今後とも工程効率化対策や省エネルギー対策に取り組んでまいります。
② 金属加工品、未回収金属、化成品は需要家ニーズに迅速に応え、よりハイテク分野への飛躍を目指すための研究開発を行っております。
(2) 電子部材事業部門
① 電子部品
磁性材料研究は高周波化、高電流密度化をさらに進め、材料や部品のデザイン開発を並行して行っております。
特に自動車電装品、モバイル、デジタル映像・音響製品向けの優れた電流重畳特性を有すインダクタ開発に注力しております。
② 電子材料・電池材料
プレーティング材料は需要家ニーズに応えるため、より精密な製品についての技術開発を続けております。
③ 高純度電解鉄
電解鉄の優れた機能をより引き出して製品化するため、大学、研究機関と提携し研究を進めております。
(3) 環境・リサイクル事業部門
低品位かつ難処理原料からの有価物回収に取り組んでおります。
以上のように、顧客ニーズへの対応を第一に、従来の技術の応用のほか、新規素材、新規製品を世に送り出すため、研究人員、研究インフラ、生産設備を並行して充実する努力を続けております。
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ7億99百万円減少し、1,450億14百万円となりました。これは商品及び製品が増加したものの、受取手形及び売掛金、有形固定資産などが減少したことによるものであります。
負債については、前連結会計年度末に比べ39億80百万円減少し、852億39百万円となりました。これは主に有利子負債及び未払法人税等が減少したことによるものであります。
純資産は、為替換算調整勘定が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ31億81百万円増加し、597億74百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は41.2%となり、当連結会計年度末において、前連結会計年度末に比べ2.4ポイント上昇しております。
(2) 経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、第2「事業の状況」 1「業績等の概要」の項目をご参照ください。