文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
当社グループは「機能材料、金属、自動車部品の3事業を核に、成長商品・事業を継続的に創出可能な体制を構築する」を「16中計」の基本方針として、各事業セグメントで「13中計の収穫」「既存事業の基盤強化」「将来への布石作り」の重点施策に取り組み、経営基盤の強化をはかってまいりました。
平成30年(2018年)度は、「16中計」の仕上げの年として、また、次期中計の準備期間として、以下の重点施策を確実に実行してまいります。
機能材料事業においては、銅箔事業、触媒事業の強化を引き続き実行いたします。具体的には、銅箔事業は、スマートフォンのマザーボードへの適用など市場拡大が進んでいるキャリア付極薄銅箔の生産体制の増強および新ラインの確実な立ち上げ、触媒事業は、二輪車向けのシェア維持および四輪車向け生産体制の確立と収益貢献に注力いたします。また、これら既存事業の強化に加え、市場共創型(企業が提供する商品やサービス等をお客様や大学・研究機関等とともに創る形態)の事業体への変革を一層推し進め、成長商品・事業を創出してまいります。
金属事業においては、引き続きリサイクル原料の処理量の増加に重点を置いた取り組みを実行してまいります。カセロネス銅鉱山については、安定操業および効率生産可能な体制構築に向けた支援に努めてまいります。また、平成31年(2019年)度からの利益貢献を予定している水力発電事業への投資は計画通り進んでおり、今後、確実な立上げを実行してまいります。
ドアロックを主力とする自動車部品事業では、国内拠点の収益改善および海外拠点の戦力化のためのコスト低減を継続するとともに、北米市場、中国市場への拡販に向け、次期モデルの獲得に取り組んでまいります。
これらの施策に加えて、キャッシュ・フローを重視し、財務体質の改善を確実に実行するとともに、的確な事業判断をこれまで以上に推し進め、スピード感を持った競争力のある企業体質への転換を実現することにより企業価値の向上に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経済状況の変化
国際商品市況、為替レートおよび金利レートの変動、さらには国際的な需給の不均衡等に起因する原材料費や物流コストの高騰および原材料や諸サービスの入手難は、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 環境規制等
国内外の事業所において、環境関連法令に基づき、大気、排水、土壌、地下水等の汚染防止に努め、また、国内の休廃止鉱山については、鉱山保安法に基づき、坑排水による水質汚濁の防止や堆積場の安全管理等、鉱害防止に努めていますが、関連法令の改正等によっては、当社グループに新たな費用が発生する可能性があります。
(3) 災害等
主要な事業においては複数の製造拠点を有するよう努めていますが、地震、火災等国内外における不測の事態が発生した場合には、一時的に生産が著しく低下する可能性があります。
(4) 第三者との提携等
当社グループは、いくつかの事業分野において事業戦略上の必要性に応じて、合弁事業やその他第三者との提携等を行っています。これらの事業や提携は、当社グループの事業において重要な役割を果たしており、種々の要因により、重要な合弁事業が経営不振に陥り、又は提携関係における成果を挙げることができない場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 資源開発
当社グループが行っている亜鉛、銅鉱床の探鉱および開発は、探鉱・開発地域の選定、設備の建設コスト、当該国政府による許認可、資金調達等、種々の要因に左右されます。商業化に至らず投資費用が回収できない場合や想定通り回収が進まない場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 事業再編による影響
当社は、企業価値増大を図るため事業の選択と集中を推進することとしており、その過程において当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 債務保証等
関係会社等に対して債務保証等を付与していますが、将来、状況によっては当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産権
知的財産権については充分な保護に努めていますが、保護が不十分であった場合あるいは違法に侵害された場合、他方、他社の有する知的財産権を侵害したと認定され、損害賠償等の責任を負担する場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報管理
個人情報の取扱いを含め情報管理の徹底に努めていますが、万が一情報の漏洩が発生した際には社会的信用失墜等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)訴訟等
国内および海外の事業に関連して、当社グループが当事者となることのある訴訟、紛争、その他法的手続きに係る決定等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)特定の取引先・製品・技術等への依存
電子材料関連製品は、ユーザーニーズの多様化、急速な技術革新・変化、液晶パネルや電子機器の需要変動等によっては受注量が大きく振れ、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、自動車部品は、自動車メーカー数社への依存度が高いため、当該ユーザーの当社部品搭載車種の販売が変動した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)価格競争
とりわけ電子材料および自動車関連に属する事業においては、商品のコモディティ化に伴う競合メーカーとの競争やユーザーからの値下げ要請により、販売価格が大きく変動する可能性があります。
(13)製品の品質
品質管理には万全の体制をとっていますが、予期せぬ製品の欠陥が発生し修理費用等を負担する可能性があります。
(14)国際的活動及び海外進出
当社の連結売上高のおよそ44%を海外売上高が占めており、また当社の海外拠点はアジア、北米、南米等に拡がっておりますが、これらの海外進出には次のようなリスクが内在しております。
・予期しない法律または規制の変更
・不利な政治または経済要因
・不利な税制の影響
・テロ、戦争等による社会的混乱
・天災地変等地政学的なリスク
(15)固定資産の減損
経営環境の変化等により、収益性の低下によって投資額の回収が見込めなくなった場合には、固定資産の減損会計の適用により、その回収可能性を反映させるよう帳簿価額を減額し、その減少額を減損損失として計上する可能性があります。
(16)保有有価証券の時価変動
長期的な取引関係維持のために、取引先等の株式を所有しています。これらの株式は価格変動性が高い公開株式がほとんどですので、期末時の時価が帳簿価額に対して著しく下落した場合には、金融商品に関する会計基準の適用により評価損を計上する可能性があります。
(17)退職給付費用及び債務
従業員に対する退職給付費用および債務は、期末時点における日本国債の長期利回りによる割引率、昇給率、退職率等の基礎率に基づき算出しています。従って、これら基礎率の変動が当社グループの費用および債務に影響を及ぼす可能性があります。
(18)財務制限条項
安定的な資金調達を図るため、金融機関との間でシンジケートローンおよびコミットメントライン契約を締結しておりますが、本契約には一定の財務制限条項が付されており、当社がこれらに抵触した場合、期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
上記のようなリスクに対しては、コンプライアンスの維持、適正な情報開示、相場変動ヘッジ、財務体質強化、コストダウン、新規事業創出等のあらゆる努力を重ねて対応してまいります。
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度の世界経済は、欧米での保護主義の拡大や地政学的リスクの増大が懸念される中で、先進国における雇用環境の改善や設備投資の増加等により、総じて堅調に推移しました。米国では良好な雇用情勢を背景に個人消費が堅調に推移し、景気は緩やかな拡大を続けました。中国では景気回復の鈍化が懸念されましたが、堅調な内需に加え輸出が増加したことから、景気は底堅く推移しました。一方、わが国経済においても、企業収益の回復を背景に、設備投資の増加や雇用環境の改善が進み、個人消費に持ち直しの動きが見られる等、緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループを取り巻く環境としては、非鉄金属相場は、亜鉛・鉛・銅価格が上昇したものの、インジウム価格は上半期において低調に推移し、下半期に入り上昇しました。また、為替相場は概ね安定しておりましたが、2018年に入り急速に円高が進行しました。キャリア付極薄銅箔の用途は拡大し、ディスプレイ用スパッタリングターゲット、排ガス浄化触媒の需要は堅調に推移しました。
このような状況の下、当社グループは10年後のありたい姿である「機能材料、金属、自動車部品の3事業を核に、成長商品・事業を継続的に創出し、価値を拡大し続けている会社」を実現するため「16中計」の2年目となる当連結会計年度は、中計の帰趨を見極める重要な年と位置付けて取り組みました。具体的には、キャリア付極薄銅箔の用途拡大に合わせた生産能力の増強、四輪車向け排ガス浄化触媒の事業収益貢献、リサイクル事業の強化、チリのカセロネス銅鉱山の安定的な操業体制の確立、自動車部品の海外拠点強化等の諸施策を実施してまいりました。また、平成31年(2019年)度からの利益貢献を予定している水力発電事業への投資を実行しております。
この結果、売上高は、前連結会計年度に比べて828億円(19.0%)増加の5,192億円となりました。営業利益は、金属部門における亜鉛製錬設備の大規模定期修繕工事等の減益要因があったものの、非鉄金属相場が上昇したことや機能材料部門において主要製品の販売量が増加したこと等により、前連結会計年度に比べて110億円(28.8%)増加の495億円となりました。経常利益は、カセロネス銅鉱山の減損損失346億円を含む持分法による投資損失380億円等を計上したこと等から、前連結会計年度に比べて198億円(63.8%)減少し112億円となりました。特別損益においては、固定資産除却損14億円、過年度関税10億円等を特別損失に計上しました。加えて、税金費用および非支配株主に帰属する当期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損益は前連結会計年度に比べて193億円悪化し7億円の損失となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 機能材料
〔電池材料〕
ハイブリッド車、電気自動車等の環境対応車の市場は好調に推移しましたが、リチウムイオン電池に使用される主要原料の転換等から、総じて販売量は減少しました。これにより、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
〔排ガス浄化触媒〕
主力の二輪車向け排ガス浄化触媒は、アジア諸国における環境規制強化等により、需要が堅調であったことから販売量は増加しました。四輪車向け排ガス浄化触媒は、米国において搭載されている車種の需要が堅調であったことから販売量は増加しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
〔機能粉〕
スマートフォン向けの需要は総じて堅調でしたが、高純度酸化タンタルは、主要顧客の生産調整等により販売量が減少しました。一方、電子材料用金属粉は、スマートフォン向けに加え、電装化の進む自動車やIoT向けなどの需要が増加したことから販売量は増加しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
〔銅箔〕
キャリア付極薄銅箔は、スマートフォンのマザーボード向けに用途拡大されたこと等により販売量は増加しました。プリント配線板用電解銅箔は、キャリア付極薄銅箔への生産シフトを実施したことから販売量は減少しましたが、銅箔全体の売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
〔スパッタリングターゲット〕
主力のディスプレイ用スパッタリングターゲットは、中国および台湾における液晶パネルの大型化の進展により、需要が堅調であったことから販売量は増加しましたが、販売価格は低下しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
以上の結果、当部門の売上高は、前連結会計年度に比べて214億円(14.7%)増加の1,672億円となり、経常利益は、主要製品の販売量が増加したことから、前連結会計年度に比べて146億円(92.2%)増加の306億円となりました。
② 金属
〔亜鉛〕
国内の亜鉛メッキ鋼板向け需要は低調に推移したものの、高耐食性メッキ鋼板向けの需要は堅調であったこと等から販売量は増加しました。加えて、亜鉛のLME(ロンドン金属取引所)価格は上昇したことから国内の亜鉛価格も上昇し、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
〔金・銀〕
金・銀は、国際相場は堅調に推移し、販売量が増加したこと等から売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
〔鉛〕
国内の鉛蓄電池向け需要は、自動車補修向け取替用の需要が堅調であったこと等から販売量は増加しました。加えて、鉛のLME(ロンドン金属取引所)価格は上昇したことから国内の鉛価格も上昇し、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
以上の結果、当部門の売上高は、前連結会計年度に比べて468億円(33.6%)増加の1,865億円となり、経常利益は、非鉄金属相場が上昇したものの、亜鉛製錬設備の大規模定期修繕工事等の減益要因があったこと等から、前連結会計年度に比べて29億円(34.8%)減少の55億円となりました。
③ 自動車部品
〔自動車用ドアロック〕
自動車の国内市場は回復の兆しが見られるものの、中国市場は伸びが鈍化し、米国市場は低調に推移しました。主要製品であるサイドドアラッチの販売量は、主要顧客の生産調整等により国内向けは減少し、中国ではスポーツ用多目的車の需要が堅調に推移したことから増加しましたが、販売価格は低下しました。
以上の結果、当部門の売上高は、前連結会計年度に比べて111億円(9.9%)減少の1,020億円となり、経常利益は、鋼材価格上昇によるコストアップ等により、前連結会計年度に比べて6億円(10.9%)減少の55億円となりました。
④ 関連
〔各種産業プラントエンジニアリング〕
海外プラント工事の受注環境は低調でありましたが、売上高は、水力発電設備の工事進行基準による完成計上や大型の金属加工プラント工事等があったことから増加しました。
加えて、ダイカスト製品等の販売量の増加や非鉄金属相場の上昇等により、当部門の売上高は、前連結会計年度に比べて192億円(17.0%)増加の1,327億円となり、経常利益は、前連結会計年度に比べて11億円(20.2%)増加の68億円となりました。
主要な品目等の生産実績及び受注状況の当連結会計年度の推移は、次のとおりであります。
|
セグメント |
品目 |
単位 |
第1 |
第2 |
第3 |
第4 |
累計 |
|
|
四半期 |
四半期 |
四半期 |
四半期 |
|||||
|
機能材料 |
銅箔 |
生産量 |
千t |
8 |
8 |
7 |
7 |
31 |
|
金属 |
亜鉛 |
生産量 |
千t |
47 |
58 |
54 |
56 |
216 |
|
鉛 |
生産量 |
千t |
16 |
18 |
16 |
18 |
70 |
|
|
自動車部品 |
自動車部品 |
生産金額 |
億円 |
214 |
212 |
216 |
237 |
879 |
* 亜鉛:共同製錬については当社シェア分
資産合計は、前連結会計年度末に比べ34億円増加の5,224億円となりました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ92億円増加の3,437億円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ57億円減少の1,786億円となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.3ポイント低下の32.2%となりました。
なお、財政状態の詳細については、「(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(3) 財政状態及びャッシュ・フローの分析 ①財政状態の状況」に記載しております。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ282億円収入増加の524億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ20億円支出増加の403億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ161億円収入減少の41億円の支出となりました。
以上の結果、為替換算差額を含めた現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ84億円増加の223億円となりました。
なお、キャッシュ・フローの詳細については、「(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(3) 財政状態及びャッシュ・フローの分析 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(生産、受注及び販売の状況)
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、セグメントごとの生産実績及び受注状況を正確に把握することは困難なため、主要な品目等についてのみ「(経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績の状況」において、各セグメントに関連付けて記載しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
機能材料 |
167,216 |
14.7 |
|
金属 |
186,518 |
33.6 |
|
自動車部品 |
102,039 |
△9.9 |
|
関連 |
132,747 |
17.0 |
|
調整額 |
△69,307 |
― |
|
合計 |
519,215 |
19.0 |
(注) 1.セグメント間の取引については、各セグメントに含めて表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。その作成にあたっての重要な会計方針・見積りは、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載のとおりであります。
① 売上高
機能材料セグメントは、キャリア付極薄銅箔等の主要製品の販売量が増加したこと等により214億円増収の1,672億円となりました。金属セグメントは、非鉄金属相場が上昇したこと等から468億円増収の1,865億円となりました。自動車部品セグメントは、主要製品の販売量は増加したものの、在外子会社の売上高の本邦通貨への換算レート差や販売価格が低下したこと等から111億円減収の1,020億円となりました。関連セグメントは、各種産業プラントエンジニアリングにおける完成工事高が増加したこと等から192億円増収の1,327億円となりました。この結果、セグメント間の内部売上高又は振替高等を調整した売上高は、前連結会計年度に比べて828億円(19.0%)増加の5,192億円となりました。
なお、各セグメント及び主要製品別の分析については、「(経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② 営業利益
機能材料セグメントは、主要製品の販売量が増加したことやインジウム価格の上昇に伴うたな卸資産の在庫影響(以下「在庫要因」)が好転したこと等から、前連結会計年度に比べて142億円増益の307億円となりました。
金属セグメントは、亜鉛・鉛価格は上昇したものの在庫要因は減少し、亜鉛製錬設備の大規模定期修繕工事等の減益要因があったことに加え、原料鉱石の買鉱条件の悪化やエネルギーコストの上昇等により、前連結会計年度に比べて52億円減益の107億円となりました。
自動車部品セグメントは、在外子会社の収益及び費用の本邦通貨への換算レート差や鋼材価格上昇によるコストアップ等により、前連結会計年度に比べて13億円減益の52億円となりました。
関連セグメントは、ダイカスト製品等の販売量の増加等により、前連結会計年度に比べて6億円増益の52億円となりました。
この結果、セグメントの調整額を加味した営業利益は、前連結会計年度に比べて110億円(28.8%)増加の495億円となりました。
③ 経常利益
営業利益の増加110億円に加え、カセロネス銅鉱山の減損損失346億円を含む持分法による投資損失380億円等を計上したことから、営業外損益が308億円悪化した結果、経常利益は、前連結会計年度に比べて198億円(63.8%)減少し112億円となりました。
なお、各セグメント別の分析については、「(経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
① 財政状態の状況
資産合計は、投資有価証券が400億円減少したものの、有形固定資産139億円、たな卸資産135億円、現金及び預金70億円の増加等により、前連結会計年度末に比べ34億円増加の5,224億円となりました。なお、投資有価証券の減少は、主に持分法による投資損失380億円を計上したことによるものであります。
負債合計は、設備投資にかかる債務や仕入債務他41億円、長・短期借入金、社債及びコマーシャル・ペーパー残高9億円、デリバティブ債務22億円の増加等により、前連結会計年度末に比べ92億円増加の3,437億円となりました。なお、当連結会計年度末における長・短期借入金、社債及びコマーシャル・ペーパー残高は2,084億円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純損失7億円による減少、配当による減少39億円に加え、繰延ヘッジ損益9億円の減少等があり、前連結会計年度末に比べ57億円減少の1,786億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益77億円、減価償却費266億円、持分法による投資損失380億円の増加要因に対し、たな卸資産の増加129億円、法人税等の支払額97億円等の減少要因を差し引いた結果、前連結会計年度に比べ282億円収入増加の524億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出395億円等により、前連結会計年度に比べ20億円支出増加の403億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長・短期借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーの増加13億円および配当金の支払39億円等から、前連結会計年度に比べ161億円収入減少の41億円の支出となりました。
以上の結果、為替換算差額等を含めた現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ84億円増加の223億円となりました。
③ 財政状態及びキャッシュ・フロー指標のトレンド
|
回次 |
第89期 |
第90期 |
第91期 |
第92期 |
第93期 |
|
決算年月 |
平成26年3月 |
平成27年3月 |
平成28年3月 |
平成29年3月 |
平成30年3月 |
|
自己資本比率(%) |
31.9 |
36.6 |
35.0 |
33.5 |
32.2 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
27.0 |
29.1 |
21.2 |
41.7 |
52.8 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債 比率(年) |
5.7 |
5.6 |
3.8 |
8.6 |
4.0 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
16.3 |
18.5 |
27.9 |
15.9 |
37.8 |
(注) 自己資本比率 :(純資産-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/支払利息
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている長・短期借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーを対象としております。
支払利息は、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社は、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、業績に応じた適正な利益配分を行うことを基本方針としております。
内部留保資金につきましては、市場ニーズに応える研究開発・生産体制を強化し、グローバル戦略の展開を図るために有効な投資を実行してまいります。
当連結会計年度における設備投資については、機能材料部門において、主要製品であるキャリア付極薄銅箔の用途拡大による需要増加に対応するための製造設備の増強を目的とした投資を行いました。また、金属部門においては、平成31年(2019年)度からの利益貢献を予定している水力発電事業への投資を行いました。この結果、当連結会計年度における有形固定資産の取得による支出は395億円となりました。これらの投資のための所要資金は、主に自己資金を充当しております。
なお、短期流動性確保の手段として、短期社債(電子CP)発行枠400億円を確保しているほか、250億円を限度とした長期コミットメント・ライン契約を取引金融機関とシンジケーション形式により締結しております。
また、キャッシュ・マネージメント・システム等によりグループ全体の資金効率の向上に努めております。
「2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(銅製錬事業に関する包括的業務提携について)
当社とJX金属株式会社は、銅製錬事業において、両社の共同出資によるパンパシフィック・カッパー株式会社を通じた包括的な業務提携を行っております。
当社グループは、永年育成し蓄積してきた資源開発、非鉄金属製錬・加工技術を基礎として、グループ企業の「利益の最大化」に貢献することを基本理念に、新技術の創出や新製品の開発を積極的に行っております。
研究開発体制は、新規商品の開発および事業化は、各事業本部内の開発センター等で行い、基礎評価研究所においては、分析技術の向上に努め、各事業の研究開発を支援する体制としております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、8,015百万円であり、このほか海外鉱山開発に向けた探鉱活動に取り組んでおり、463百万円の探鉱費を支出いたしました。
また、セグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。なお、共通費用については、各事業部門に比例配分しております。
(1) 機能材料部門
当部門においては、環境、エネルギー、エレクトロニクス分野の材料を中心に研究開発を行っております。環境分野では、車載向け排ガス浄化触媒、環境浄化用触媒の開発等を行っております。エネルギー分野では、燃料電池向け機能材料の開発、次世代リチウムイオン二次電池用材料の開発等を行っております。エレクトロニクス分野では、パワーデバイスや次世代ICパッケージなどの先端電子部品用材料の開発、新規ターゲット材の開発等を行っております。
この結果、当事業に係る研究開発費は6,479百万円であります。
(2) 金属部門
当部門においては、銅・亜鉛・鉛製錬の生産効率向上等に力を入れており、個別の研究成果としては、①難処理鉱石の供用技術開発、②リサイクル原料の製錬工程への供用技術開発、③製錬工程中間品や廃棄物からの有価金属回収等があげられます。
なお、ペルー、カナダにおいて、探鉱を継続しております。また、これらの鉱山開発に係る鉱物、地質に関する研究を行っております。
この結果、当事業に係る研究開発費は探鉱費を含めて609百万円であります。
(3) 自動車部品部門
当部門においては、ドアロック等機能部品の開発と、それらを核としたシステム製品及びモジュール製品の開発を行っております。
この結果、当事業に係る研究開発費は1,352百万円であります。
(4) 関連部門
当部門においては、銅電解工場装置向けの新規技術の開発、電解槽内電極間の短絡自動検出技術の開発、新しいポリエチレン材料や継手の評価及び導入、新製品の継手開発、素材製品の品質向上等の研究を行っております。
この結果、当事業に係る研究開発費は37百万円であります。