当連結会計年度の世界経済は、米国経済が個人消費を中心とした内需を牽引役に堅調に推移したこと等から、全体として緩やかに回復しているものの、中国および新興国経済の成長のペースは鈍化しました。一方、わが国経済は、上半期において企業業績や雇用情勢の改善が継続し、緩やかな回復基調で推移しましたが、下半期に入り急速な円高・株安の進行や個人消費の低迷が続く等、景気回復は足踏み状態にある中で、中国および新興国経済の減速等による世界経済の下振れリスクが懸念され、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。
こうした経済環境の中、当社グループを取り巻く環境は、上半期において北米市場における自動車用機能部品の需要が堅調であったものの、電池材料や電解銅箔は主要顧客の生産調整等により需要が低迷しました。また、非鉄金属相場は下落基調で推移しました。下半期に入り一時、非鉄金属相場は更に下落し、後半には急速に円高が進行したため、国内の亜鉛価格やインジウム価格等は低調に推移しました。
このような状況の下、当社グループは、平成25年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画である「13中計」の最終年度を迎え、北米における四輪車向け排ガス浄化触媒事業の拡大、銅箔事業におけるアジアを中心とした海外での高付加価値品へのシフト、水力発電所の大規模な更新の決定、アジアにおけるリサイクル事業の拡大、自動車機器事業におけるグローバル生産体制の確立等の諸施策を実施してまいりました。
この結果、売上高は、前連結会計年度に比べ227億円(4.8%)減少の4,505億円となりました。営業利益は前連結会計年度に比べ206億円(65.0%)減少の111億円となり、経常損益は、銅価低迷の影響を受け、チリのカセロネス銅鉱山の減損損失192億円を含む持分法による投資損失223億円等を計上した結果、前連結会計年度に比べ323億円悪化の112億円の損失となりました。特別損益においては、投資有価証券売却益14億円等の特別利益や固定資産除却損14億円、環境対策費用6億円等の特別損失を計上しました。加えて、税金費用および非支配株主に帰属する当期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損益は前連結会計年度に比べ381億円悪化の209億円の損失となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 機能材料
〔電池材料〕
水素吸蔵合金は、ハイブリッド車のモデルチェンジの影響等により販売量が増加しました。一方で、マンガン酸リチウムは、環境対応車の市場は堅調に推移しましたが、リチウムイオン電池に使用される主要原料の転換等から販売量が減少しました。これにより、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
〔排ガス浄化触媒〕
主力の二輪車向け排ガス浄化触媒は、インドでの販売は堅調であったものの、新興国市場の成長鈍化等により総じて需要が低調であったことから販売量は減少しましたが、円安の影響により売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
〔金属粉〕
電装化の進む自動車向けの販売は堅調であったものの、中国経済の減速の影響を受け、白物家電向けの需要が低迷したこと等により、販売量、売上高ともに前連結会計年度に比べて減少しました。
〔レアメタル化合物〕
酸化タンタルは、単結晶向け需要が堅調であったことから販売量が増加しましたが、セリウム系研磨材は、下半期に入り液晶パネル向けの在庫調整があったこと等により販売量が減少しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
〔電解銅箔(当連結会計年度の生産量29千t)〕
高機能用途の極薄銅箔は、スマートフォン等のモバイル機器市場の成長鈍化の影響等により、需要が低調に推移しました。また、アジアを中心とした海外においては、汎用品の価格競争を回避し差別化を図るため、高付加価値品へのシフト等に注力し、収益性は改善しましたが、販売量、売上高ともに前連結会計年度に比べて減少しました。
〔薄膜材料(スパッタリングターゲット)〕
主力のITOは、主要顧客の生産調整等により国内向けは減少したものの、海外では中国を中心に拡販に努めた結果、販売量は前期に比べて増加しました。一方、ITOの主要原料であるインジウムの価格が下落したことから販売価格が低下し、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前連結会計年度に比べ91億円(6.0%)減少の1,440億円となり、経常利益は、電解銅箔における収益性の改善があったものの、インジウム価格の下落に伴う薄膜材料の在庫要因等の影響により、前連結会計年度に比べ84億円(69.0%)減少の37億円となりました。
② 金属
〔亜鉛(当連結会計年度の生産量210千t<共同製錬については当社シェア分>)〕
国内の亜鉛メッキ鋼板向け需要は、建材および自動車向けが低調に推移したことから減少しました。加えて、亜鉛のLME(ロンドン金属取引所)価格は総じて下落基調で推移したことにより、国内の亜鉛価格が低調であったことから、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
〔金・銀〕
金・銀ともに販売量が増加したことから、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
〔鉛(当連結会計年度の生産量66千t)〕
国内の鉛蓄電池向け需要は、取替用の需要は堅調であったものの、新車用が販売台数低調の影響を受け、減少しました。加えて、鉛のLME(ロンドン金属取引所)価格は総じて下落基調で推移したことにより、国内の鉛価格が低調であったことから、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前連結会計年度に比べ103億円(7.4%)減少の1,297億円となり、経常利益は、円安効果による好転要因があったものの、非鉄金属価格の下落に伴う在庫要因やカセロネス銅鉱山におけるフル操業体制への遅れ等の影響があったことから、前連結会計年度に比べ131億円悪化の3億円の損失となりました。
③ 自動車機器
〔自動車用機能部品(当連結会計年度の生産金額996億円)〕
ドアロック等の自動車用機能部品は、国内市場では、軽自動車税の増税等による需要減がありましたが、北米市場は、ガソリン価格が低水準を維持していることや米国経済の回復基調を背景に堅調に推移しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前連結会計年度に比べ99億円(9.5%)増加の1,144億円となり、経常利益は、原価低減活動の成果によるコスト改善等の影響により、前連結会計年度に比べ3億円(7.4%)増加の54億円となりました。
④ 関連
〔エンジニアリング〕
各種産業プラントの受注高は海外プラント工事の受注環境が低調に推移したものの、国内の水力発電設備等の受注により堅調に推移しました。売上高は、前期にグループ企業の定期修理工事等が完成したことから減少しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前連結会計年度に比べ112億円(9.5%)減少の1,072億円となり、経常利益は、前連結会計年度に比べ15億円(31.4%)減少の33億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ131億円収入増加の503億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度並みの263億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ91億円支出増加の219億円の支出となりました。
以上の結果、為替換算差額、新規連結に伴う増加額を含めた現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ7億円増加の166億円となりました。
なお、キャッシュ・フローの詳細については、「7.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(4) キャッシュ・フローの状況とキャッシュ・フロー指標のトレンド①キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、セグメントごとの生産実績及び受注状況を正確に把握することは困難なため、主要な品目等についてのみ「1.業績等の概要」において、各セグメントの業績に関連付けて記載しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
機能材料 | 144,065 | △6.0 |
金属 | 129,786 | △7.4 |
自動車機器 | 114,448 | 9.5 |
関連 | 107,230 | △9.5 |
調整額 | △44,977 | ― |
合計 | 450,553 | △4.8 |
(注) 1.セグメント間の取引については、各セグメントに含めて表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、「自走する大括りの事業体」「新しい成長の芽の継続的探索」「一流のものづくり」を基本方針とした「13中計」の実現に努めてまいりました。
当連結会計年度で最終年度を迎えた「13中計」は、カセロネス銅鉱山におけるフル操業体制への遅れや銅価格の下落等により目標に対して大幅未達となりました。しかしながら、中計で目指してきた各事業セグメントにおける自立自走体制の下、新規事業創出に繋がる「成長の芽の探索」を行いつつ、排ガス浄化触媒事業の海外展開による事業拡大、極薄銅箔の競争力強化・製造能力増強、非鉄金属リサイクルを中心に据えた製錬への構造転換、自動車機器事業における新興国市場を中心とした自動車メーカーのグローバル生産体制への対応等の諸施策を実行いたしました。
このような認識の下、平成28年(2016年)度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「16中計」を策定し、本年4月よりスタートいたしました。10年後のありたい姿を見据え「機能材料、金属、自動車機器の3事業を核に、成長商品・事業を継続的に創出可能な体制を構築する」を「16中計」の基本方針として、各事業セグメントで「13中計の収穫」「既存事業の基盤強化」「将来への布石作り」の重点施策に取り組み、更なる経営基盤の強化を図ってまいります。
「16中計」における各事業セグメントの重点施策は以下のとおりです。
機能材料事業においては、排ガス浄化触媒事業における四輪車向け増産投資の収益貢献、銅箔事業における極薄銅箔の更なる拡販を実現してまいります。また、企画部門の強化と研究体制の一元化により「市場共創型(企業が提供する商品やサービス等をお客様とともに創る形態)」の事業体へ変革しつつ、成長商品・事業を創出してまいります。
金属事業においては、非鉄金属リサイクル原料の集荷量・処理量の増加等により、当社の強みである製錬ネットワークを強化していくとともに、回収プロセス技術の開発も進め、有価金属回収量を増加させ、収益拡大に努めてまいります。カセロネス銅鉱山においては、今後もパンパシフィック・カッパー株式会社を通じて、操業状況を的確に把握し、早期のフル操業体制確立に向けて、監視を強化してまいります。
ドアロックを主力とする自動車機器事業では、「13中計」で設立した新規海外拠点の戦力化と平成31年(2019年)度以降への布石として北米市場・中国市場への拡販を積極的に推進していくとともに原価低減にも継続的に注力し事業拡大に努めてまいります。
これらの施策に加えて、キャッシュ・フローを重視し、財務体質の強化を目指すとともに、的確な事業判断を推し進め、スピード感を持った競争力のある企業体質への転換を実現することにより企業価値の向上に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経済状況の変化
国際商品市況、為替レートおよび金利レートの変動、さらには国際的な需給の不均衡等に起因する原材料費や物流コストの高騰および原材料や諸サービスの入手難は、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 環境規制等
国内外の事業所において、環境関連法令に基づき、大気、排水、土壌、地下水等の汚染防止に努め、また、国内の休廃止鉱山については、鉱山保安法に基づき、坑排水による水質汚濁の防止や堆積場の安全管理等、鉱害防止に努めていますが、関連法令の改正等によっては、当社グループに新たな費用が発生する可能性があります。
(3) 災害等
主要な事業においては複数の製造拠点を有するよう努めていますが、地震、火災等国内外における不測の事態が発生した場合には、一時的に生産が著しく低下する可能性があります。
(4) 第三者との提携等
当社グループは、いくつかの事業分野において事業戦略上の必要性に応じて、合弁事業やその他第三者との提携等を行っています。これらの事業や提携は、当社グループの事業において重要な役割を果たしており、種々の要因により、重要な合弁事業が経営不振に陥り、又は提携関係における成果を挙げることができない場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 資源開発
当社グループが行っている亜鉛、銅鉱床の探鉱および開発は、探鉱・開発地域の選定、設備の建設コスト、当該国政府による許認可、資金調達等、種々の要因に左右されます。商業化に至らず投資費用が回収できない場合や想定通り回収が進まない場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 事業再編による影響
当社は、企業価値増大を図るため事業の選択と集中を推進することとしており、その過程において当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 債務保証等
関係会社等に対して債務保証等を付与していますが、将来、状況によっては当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産権
知的財産権については充分な保護に努めていますが、保護が不十分であった場合あるいは違法に侵害された場合、他方、他社の有する知的財産権を侵害したと認定され、損害賠償等の責任を負担する場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報管理
個人情報の取扱いを含め情報管理の徹底に努めていますが、万が一情報の漏洩が発生した際には社会的信用失墜等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)訴訟等
国内および海外の事業に関連して、当社グループが当事者となることのある訴訟、紛争、その他法的手続きに係る決定等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)特定の取引先・製品・技術等への依存
電子材料関連製品は、ユーザーニーズの多様化、急速な技術革新・変化、液晶パネルや電子機器の需要変動等によっては受注量が大きく振れ、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、自動車用機能部品は、自動車メーカー数社への依存度が高いため、当該ユーザーの当社部品搭載車種の販売が変動した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)価格競争
とりわけ電子材料および自動車関連に属する事業においては、商品のコモディティ化に伴う競合メーカーとの競争やユーザーからの値下げ要請により、販売価格が大きく変動する可能性があります。
(13)製品の品質
品質管理には万全の体制をとっていますが、予期せぬ製品の欠陥が発生し修理費用等を負担する可能性があります。
(14)国際的活動及び海外進出
当社の連結売上高のおよそ44%を海外売上高が占めており、また当社の海外拠点はアジア、北米、南米等に拡がっておりますが、これらの海外進出には次のようなリスクが内在しております。
・予期しない法律または規制の変更
・不利な政治または経済要因
・不利な税制の影響
・テロ、戦争等による社会的混乱
・天災地変等地政学的なリスク
(15)固定資産の減損
経営環境の変化等により、収益性の低下によって投資額の回収が見込めなくなった場合には、固定資産の減損会計の適用により、その回収可能性を反映させるよう帳簿価額を減額し、その減少額を減損損失として計上する可能性があります。
(16)保有有価証券の時価変動
長期的な取引関係維持のために、取引先および金融機関の株式を所有しています。これらの株式は価格変動性が高い公開株式がほとんどですので、期末時の時価が帳簿価額に対して著しく下落した場合には、金融商品に関する会計基準の適用により評価損を計上する可能性があります。
(17)退職給付費用及び債務
従業員に対する退職給付費用および債務は、期末時点における日本国債の長期利回りによる割引率、昇給率、退職率等の基礎率に基づき算出しています。従って、これら基礎率の変動が当社グループの費用および債務に影響を及ぼす可能性があります。
(18)財務制限条項
安定的な資金調達を図るため、金融機関との間でシンジケートローンおよびコミットメントライン契約を締結しておりますが、本契約には一定の財務制限条項が付されており、当社がこれらに抵触した場合、期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
上記のようなリスクに対しては、コンプライアンスの維持、適正な情報開示、相場変動ヘッジ、財務体質強化、コストダウン、新規事業創出等のあらゆる努力を重ねて対応してまいります。
(1) 銅製錬事業に関する包括的業務提携について
当社とJX金属株式会社は、銅製錬事業において、両社の共同出資によるパンパシフィック・カッパー株式会社を通じた包括的な業務提携を行っております。
(2) 亜鉛製錬事業に関する業務提携について
当社と住友金属鉱山株式会社は、亜鉛製錬事業について業務提携に関する契約を締結しており、この契約に基づき、当社はエム・エスジンク株式会社との間に、亜鉛製錬事業における原料調達、受委託及び地金販売に関する契約を締結しております。契約期間は平成14年10月1日から平成15年3月31日まで、以後1年ごとの自動延長であります。
なお、当社は平成28年1月1日付でエム・エスジンク株式会社との間で、同社の地金販売に関する業務を平成28年4月1日を以て当社に譲渡する契約を締結しております。
当社グループは、永年育成し蓄積してきた資源開発、非鉄金属製錬・加工技術を基礎として、グループ企業の「利益の最大化」に貢献することを基本理念に、新技術の創出や新製品の開発を積極的に行っております。
研究開発体制は、新規商品の開発および事業化は、各事業本部内の開発センター等で行い、基礎評価研究所においては、分析技術の向上に努め、各事業の研究開発を支援する体制としております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、6,575百万円であり、このほか海外鉱山開発に向けた探鉱活動に取り組んでおり、655百万円の探鉱費を支出いたしました。
また、セグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。なお、共通費用については、各事業部門に比例配分しております。
(1) 機能材料部門
当部門においては、環境、エネルギー、エレクトロニクス分野の材料を中心に研究開発を行っております。環境分野では、車載向け排ガス浄化触媒、環境浄化用触媒の開発等を行っております。エネルギー分野では、燃料電池向け機能材料の開発、次世代リチウムイオン二次電池用材料の開発等を行っております。エレクトロニクス分野では、パワーデバイス用材料の開発、次世代ICパッケージ材料の開発、新規ターゲット材の開発、新規シンチレータ材料の開発等を行っております。
この結果、当事業に係る研究開発費は5,303百万円であります。
(2) 金属部門
当部門においては、銅・亜鉛・鉛製錬の生産効率向上等に力を入れており、個別の研究成果としては、①難処理鉱石の供用技術開発、②リサイクル原料の製錬工程への供用技術開発、③製錬工程中間品や廃棄物からの有価金属回収等があげられます。さらに、④廃コンデンサーからのタンタル回収技術の開発等を行っております。
なお、ペルー、カナダにおいて、探鉱を継続しております。また、これらの鉱山開発に係る鉱物、地質に関する研究を行っております。
この結果、当事業に係る研究開発費は探鉱費を含めて778百万円であります。
(3) 自動車機器部門
当部門においては、ドアロック等機能部品の開発と、それらを核としたシステム製品及びモジュール製品の開発を行っております。
この結果、当事業に係る研究開発費は1,131百万円であります。
(4) 関連部門
当部門においては、銅電解工場装置向けの新規技術の開発、電解槽内電極間の短絡自動検出技術の開発、新しいポリエチレン材料や継手の評価及び導入、新製品の継手開発、素材製品の品質向上等の研究を行っております。
この結果、当事業に係る研究開発費は16百万円であります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。その作成にあたっての重要な会計方針・見積りは、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
機能材料セグメントは、主要顧客の生産調整等による需要の低迷やITOの主要原料であるインジウムの価格が下落したこと等により91億円の減収となりました。金属セグメントは、非鉄金属相場が下落基調で推移したこと等から103億円の減収となりました。自動車機器セグメントは、北米市場が堅調に推移したこと等から99億円の増収となりました。関連セグメントは、エンジニアリングにおける完成工事高が減少したこと等から112億円の減収となりました。以上の結果、前連結会計年度に比べ227億円(4.8%)減少の4,505億円となりました。
② 販売費及び一般管理費
金利市場の動向を受け、退職給付債務の算定に用いる割引率を変更したことに伴い、数理計算上の差異を費用処理したこと等により、前連結会計年度に比べ51億円増加の508億円となりました。
③ 営業利益
電解銅箔における収益性の改善や円安効果による好転要因があったものの、非鉄金属相場の下落に伴うたな卸資産の在庫影響による要因(以下「在庫要因」)や退職給付費用の増加等により、前連結会計年度に比べ206億円(65.0%)減少の111億円となりました。
④ 営業外損益
為替差損の減少4億円がありましたが、チリのカセロネス銅鉱山の減損損失を含む持分法による投資損失の増加118億円等により、前連結会計年度に比べ116億円悪化し224億円の損失となりました。
⑤ 経常損益
営業利益の減少206億円に加えて、営業外損益の悪化116億円により、前連結会計年度に比べ323億円悪化の112億円の損失となりました。
⑥ 特別損益
特別利益において、持分変動利益が減少したこと等に加え、特別損失での環境対策費用の増加や訴訟損失引当金繰入額の計上等により、前連結会計年度に比べ47億円悪化の12億円の損失となりました。
⑦ 税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額)
法人税、住民税及び事業税の減少がありましたが、法人税等調整額の影響により、税金費用の総額は前連結会計年度に比べ12億円増加の76億円となりました。
⑧ 親会社株主に帰属する当期純損益
経常利益の減少323億円、特別損益の悪化47億円、税金費用の増加12億円、非支配株主に帰属する当期純利益の減少2億円により、前連結会計年度に比べ381億円悪化の209億円の損失となりました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
資産合計は、受取手形及び売掛金が143億円、たな卸資産が114億円、投資有価証券が245億円それぞれ減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ538億円減少の4,848億円となりました。
負債合計は、設備投資にかかる債務や仕入債務他が47億円、長・短期借入金、社債及びコマーシャル・ペーパー残高が186億円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ263億円減少の3,052億円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純損失209億円による減少に、配当による減少34億円、為替換算調整勘定の減少52億円、繰延ヘッジ損益35億円の増加等があり、前連結会計年度末に比べ275億円減少の1,795億円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.6ポイント低下の35.0%となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況とキャッシュ・フロー指標のトレンド
① キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費250億円、持分法による投資損失223億円、売上債権の減少110億円、たな卸資産の減少102億円等の増加要因に対し、税金等調整前当期純損失125億円、仕入債務の減少38億円、法人税等の支払額81億円等の減少要因を差し引いた結果、前連結会計年度に比べ131億円収入増加の503億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出282億円等により、前連結会計年度並みの263億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長・短期借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーの減少170億円および配当金の支払34億円等から、前連結会計年度に比べ91億円支出増加の219億円の支出となりました。
以上の結果、為替換算差額、新規連結に伴う増加額を含めた現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ7億円増加の166億円となりました。
なお、短期流動性確保の手段として、短期社債(電子CP)発行枠400億円を確保しているほか、250億円を限度とした長期コミットメント・ライン契約を取引金融機関とシンジケーション形式により締結しております。
また、キャッシュ・マネージメント・システム等によりグループ全体の資金効率の向上に努めております。
② キャッシュ・フロー指標のトレンド
回次 | 第87期 | 第88期 | 第89期 | 第90期 | 第91期 |
決算年月 | 平成24年3月 | 平成25年3月 | 平成26年3月 | 平成27年3月 | 平成28年3月 |
自己資本比率(%) | 31.9 | 33.5 | 31.9 | 36.6 | 35.0 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 32.2 | 31.4 | 27.0 | 29.1 | 21.2 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 5.5 | 4.7 | 5.7 | 5.6 | 3.8 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ | 11.9 | 16.4 | 16.3 | 18.5 | 27.9 |
(注) 自己資本比率 :(純資産-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/支払利息
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている長・短期借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーを対象としております。
支払利息は、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「4.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6) 経営戦略の現状と見通し及び経営者の問題認識と今後の方針について
「3.対処すべき課題」に記載のとおりであります。