(1)業績
当連結会計年度の世界経済は、中国およびその他新興国経済の成長の鈍化があったものの、米国経済が個人消費を中心として堅調であったことや欧州経済が緩やかな回復基調にあること等、先進国を中心に景気持ち直しの動きが継続する中で推移しました。一方、わが国経済は、円安による輸入品価格やエネルギー代等のコスト上昇圧力の強まりがあるものの、「アベノミクス」による円高の是正や緊急経済対策の本格化等があり、消費税率引き上げ前の駆け込み需要による個人消費の高まりの動きが見られる中で当連結会計年度末を迎えました。
こうした経済環境の中、当社グループを取り巻く事業環境は、上半期において金属相場は低調でありましたが、スマートフォン向けの高機能銅箔や薄膜材料等の需要は堅調に推移しました。下半期に入り、金属相場の持ち直しや円安効果の継続に加えて、上半期同様、高機能銅箔や薄膜材料等の需要が引き続き堅調に推移しました。
このような状況のもと、当社グループは、平成25年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画である『13中計』を策定し、当連結会計年度よりスタートさせました。当社の強みを発揮でき、成長につながる事業領域へのアプローチを継続し、更なる経営基盤の強化に努めてまいりました。具体的には、電池材料事業の設備増強、新興国への触媒事業拡大、リサイクル事業の強化、鉱山投資の推進ならびに自動車機器事業におけるグローバル生産体制の整備等の諸施策を実施してまいりました。
この結果、売上高は、前連結会計年度に比べ、238億円(5.7%)増加の4,410億円となりました。営業利益は前連結会計年度に比べ91億円(55.5%)増加の257億円となり、経常利益は、チリのカセロネス銅鉱山の減損損失を計上したこと等により持分法投資損益が大幅に悪化したことから、前連結会計年度に比べ25億円(15.7%)減少の136億円となりました。特別損益においては、固定資産売却益7億円の特別利益や固定資産除却損9億円、事業構造改善費用11億円他の特別損失を計上しました。さらに、税金費用および少数株主利益を計上した結果、当期純利益は前連結会計年度に比べ62億円(63.0%)減少の36億円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①機能材料
〔電池材料〕
マンガン酸リチウムは、電気自動車向け用途に前年度末に新規参入を果たし、当年度は需要が大きく伸長し販売が増加しました。水素吸蔵合金は、世界的な環境意識の高まりからハイブリッド車等の環境対応車の販売が引き続き好調なことから販売量が堅調に推移しました。しかしながら、全体では、相場の影響により売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
〔排ガス浄化触媒〕
主力の二輪車用排ガス浄化触媒は、新興国における排ガス規制強化を背景とした需要の拡大により販売が増加したものの、触媒の省貴金属化により、売上高は前連結会計年度に比べ微減となりました。
〔機能粉〕
マグネタイトは、需要が低調であったことから、売上高が前連結会計年度に比べて減少しました。
〔レアメタル化合物〕
セリウム系研磨材は、顧客での使用効率改善や国内の液晶パネルの在庫調整等により販売量が減少し、販売価格は相場の低迷により下落しました。これにより、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
〔単結晶〕
半導体製造装置向けフッ化カルシウム単結晶は、半導体市況の好転により販売量が増加しました。これにより、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前連結会計年度に比べ86億円(15.2 %)減少の480億円となり、経常利益は、前連結会計年度に比べ26億円(31.4%)減少の56億円となりました。
②金属・資源
〔亜鉛(当連結会計年度の生産量208千t<共同製錬については当社シェア分>)〕
亜鉛需要は、公共投資事業の拡大等から堅調に推移しました。一方、亜鉛のLME(ロンドン金属取引所)価格は、上半期は欧州での債務問題が再燃し低調に推移しましたが、下半期に持ち直し、通期では前年度に比べて若干下落となりました。為替は、一年を通じて円安基調で推移し、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
〔金・銀〕
販売量では、金・銀ともに増加しましたが、国際相場が、金・銀ともに前年度比で急落したため、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
〔鉛(当連結会計年度の生産量69千t)〕
鉛のLME(ロンドン金属取引所)価格は前年度並みの水準でしたが、自動車メーカー各社の新車投入や消費税率引き上げ前の駆け込み需要等により国内の自動車用バッテリー向け需要が堅調に推移したことから、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前連結会計年度に比べ124億円(8.7%)増加の1,554億円となり、経常利益は、円安効果やコストダウン効果等により、前連結会計年度に比べ34億円(287.0%)増加の47億円となりました。
③電子材料
〔電解銅箔(当連結会計年度の生産量32千t)〕
電解銅箔および樹脂付銅箔については、需要が低調のまま推移しました。しかしながら、高機能用途の極薄銅箔については、スマートフォン等のモバイル機器の市場が、堅実に成長拡大しており、需要が堅調に推移しましたので、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
〔金属粉〕
金属粉は、前年度に引き続き銀粉の販売が低迷し、販売量、売上高ともに前連結会計年度に比べて減少しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前連結会計年度に比べて55億円(7.9%)減少の655億円となりましたが、経常利益は、極薄銅箔の販売量の増加や製品構成の改善等により、前連結会計年度に比べて8億円(31.9%)増加の34億円となりました。
④素材関連
〔薄膜材料(スパッタリングターゲット)〕
主力のITOでは、液晶テレビ向け市場が好調であったことに加えて、タブレットPC等のモバイル機器でも需要が堅調に推移したことにより、販売量が増加しました。販売価格はインジウム相場の急騰を受けて上昇し、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
〔エンジニアリング〕
海外での大型案件の受注は好調であり、国内の民間設備投資も堅調であったことから、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。なお、外部顧客からの受注高は172億円であります。
〔その他〕
セラミックス製品の需要は総じて堅調に推移し、パーライトおよびダイカスト製品の需要は低調でした。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前連結会計年度に比べ72億円(5.8%)増加の1,314億円となりました。経常利益は、薄膜材料の販売量増加や在庫要因等により前連結会計年度に比べ78億円(247.4%)増加の110億円となりました。
⑤自動車機器
〔自動車用機能部品(当連結会計年度の生産金額778億円)〕
ドアロック等の自動車用機能部品は、エコカー補助金終了による需要減がありましたが、国内市場での消費税率引き上げ前の駆け込み需要、中国市場における日本車販売の復調および北米市場の好調等の影響がありました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前連結会計年度に比べ11億円(1.3%)増加の900億円となりましたが、経常利益は、アジアシフトに伴う一過性のコスト上昇等により、前連結会計年度に比べ22億円(36.0%)減少の39億円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と同額の380億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ249億円支出増加の721億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ291億円収入増加の339億円の収入となりました。
以上の結果、為替換算差額、新規連結に伴う増加額及び連結除外に伴う減少額を含めた現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末と同額の152億円となりました。
なお、キャッシュ・フローの詳細については、「7.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(4)キャッシュ・フローの状況とキャッシュ・フロー指標のトレンド①キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(1)生産実績及び受注状況
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、セグメントごとの生産実績及び受注状況を正確に把握することは困難なため、主要な品目等についてのみ「1.業績等の概要」において、各セグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
機能材料 |
48,017 |
△15.2 |
|
金属・資源 |
155,484 |
8.7 |
|
電子材料 |
65,586 |
△7.9 |
|
素材関連 |
131,413 |
5.8 |
|
自動車機器 |
90,059 |
1.3 |
|
調整額 |
△49,513 |
△25.7 |
|
合計 |
441,046 |
5.7 |
(注)1.セグメント間の取引については、各セグメントに含めて表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
平成26年度の世界経済は、中東・クリミア・ロシア等における政治問題や、中国の影の銀行問題等不安要因を払拭できない状況にありますが、米国を中心とした先進国が牽引役となり、中国及びその他新興国も含め、概ね安定した状態が継続すると思われます。
また、国内では、消費税率引き上げのマイナス影響は想定されますが、補正予算による公共投資などの下支えもあり、世界経済同様に概ね堅調に推移すると予想されます。
このような環境の下、昨年策定いたしました3ヵ年の中期経営計画である「13中計」を、2年目である平成26年度も着実に実行することにより経営基盤の更なる強化を図ってまいります。
特に、従前の取り組みをさらに加速・加重するため、全社の組織を改編し、大胆な経営資源の集中・見直しにより、新規商品の開発・上市に向けた取り組みのスピードアップと、従来事業の収益維持・向上を目指します。
具体的には、機能材料事業本部においては、銅箔、金属粉、薄膜材料、セラミックス等の事業部を加え、3事業部制から6事業部制へと、規模を大きくするとともに、「粉体」、「回路材」、「素形材」という当社の強みとする技術のシナジー効果が発揮できる体制へ再編し、合わせて、総合研究所の研究開発機能をこれに統合致します。
金属事業本部においては、金属、資源、銅事業の3事業部体制とし、金属事業部は、製錬事業の一本化により製錬所毎の保有設備・技術の組み換えを行い、リサイクルを中心に据えた製錬への構造転換を、資源事業部は、収益性と投資採算の向上を目指します。また、銅事業統括部では、JX日鉱日石金属株式会社と共同出資しているパンパシフィック・カッパ―株式会社の運営にしっかり参画してまいります。
三井金属アクト株式会社は、その事業カルチャーにあった事業運営を行い、今まで以上に自動車部品事業に特化していく所存です。
本社部門は本社でしかできない役割を果たすとともに、更なるグローバル化に対応するための施策を展開してまいります。
これらの成長戦略と共に、キャッシュ・フローを重視し、資産圧縮や効率的生産方式、的確な事業判断をこれまで以上に強力に推し進め、スピード感を持った競争力のある企業体質への転換を実現してまいります。
引き続き、13中計の基本方針である成長分野への継続的アプローチと自走する仕組みの強化で、メリハリある「攻め」と「守り」を実行し、企業価値の向上に最大限の努力をしてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経済状況の変化
国際商品市況、為替レートおよび金利レートの変動、さらには国際的な需給の不均衡等に起因する原材料費や物流コストの高騰および原材料や諸サービスの入手難は、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)環境規制等
国内外の事業所において、環境関連法令に基づき、大気、排水、土壌、地下水等の汚染防止に努め、また、国内の休廃止鉱山については、鉱山保安法に基づき、坑排水による水質汚濁の防止や堆積場の安全管理等、鉱害防止に努めていますが、関連法令の改正等によっては、当社グループに新たな費用が発生する可能性があります。
(3)災害等
主要な事業においては複数の製造拠点を有するよう努めていますが、地震、火災等国内外における不測の事態が発生した場合には、一時的に生産が著しく低下する可能性があります。
(4)第三者との提携等
当社グループは、いくつかの事業分野において事業戦略上の必要性に応じて、合弁事業やその他第三者との提携等を行っています。これらの事業や提携は、当社グループの事業において重要な役割を果たしており、種々の要因により、重要な合弁事業が経営不振に陥り、又は提携関係における成果を挙げることができない場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)資源開発
当社グループが行っている亜鉛、銅鉱床の探鉱および開発は、探鉱・開発地域の選定、設備の建設コスト、当該国政府による許認可、資金調達等、種々の要因に左右されます。商業化に至らず投資費用が回収できない場合や想定通り回収が進まない場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)事業再編による影響
当社は、企業価値増大を図るため事業の選択と集中を推進することとしており、その過程において当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)債務保証等
関係会社等に対して債務保証等を付与していますが、将来、状況によっては当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的財産権
知的財産権については充分な保護に努めていますが、保護が不十分であった場合あるいは違法に侵害された場合、他方、他社の有する知的財産権を侵害したと認定され、損害賠償等の責任を負担する場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)情報管理
個人情報の取扱いを含め情報管理の徹底に努めていますが、万が一情報の漏洩が発生した際には社会的信用失墜等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)訴訟等
国内および海外の事業に関連して、当社グループが当事者となることのある訴訟、紛争、その他法的手続きに係る決定等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)特定の取引先・製品・技術等への依存
電子材料関連製品は、ユーザーニーズの多様化、急速な技術革新・変化、液晶パネルや電子機器の需要変動等によっては受注量が大きく振れ、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、自動車用機能部品は、自動車メーカー数社への依存度が高いため、当該ユーザーの当社部品搭載車種の販売が変動した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)価格競争
とりわけ電子材料および自動車関連に属する事業においては、商品のコモディティ化に伴う競合メーカーとの競争やユーザーからの値下げ要請により、販売価格が大きく変動する可能性があります。
(13)製品の品質
品質管理には万全の体制をとっていますが、予期せぬ製品の欠陥が発生し修理費用等を負担する可能性があります。
(14)国際的活動及び海外進出
当社の連結売上高のおよそ39%を海外売上高が占めており、また当社の海外拠点はアジア、北米、南米等に拡がっておりますが、これらの海外進出には次のようなリスクが内在しております。
・予期しない法律または規制の変更
・不利な政治または経済要因
・不利な税制の影響
・テロ、戦争等による社会的混乱
・天災地変等地政学的なリスク
(15)固定資産の減損
経営環境の変化等により、収益性の低下によって投資額の回収が見込めなくなった場合には、固定資産の減損会計の適用により、その回収可能性を反映させるよう帳簿価額を減額し、その減少額を減損損失として計上する可能性があります。
(16)保有有価証券の時価変動
長期的な取引関係維持のために、取引先および金融機関の株式を所有しています。これらの株式は価格変動性が高い公開株式がほとんどですので、期末時の時価が帳簿価額に対して著しく下落した場合には、金融商品に関する会計基準の適用により評価損を計上する可能性があります。
(17)退職給付費用及び債務
従業員に対する退職給付費用および債務は、期末時点における日本国債の長期利回りによる割引率、昇給率、退職率等の基礎率に基づき算出しています。従って、これら基礎率の変動が当社グループの費用および債務に影響を及ぼす可能性があります。
(18)財務制限条項
安定的な資金調達を図るため、金融機関との間でシンジケートローンおよびコミットメントライン契約を締結しておりますが、本契約には一定の財務制限条項が付されており、当社がこれらに抵触した場合、期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
上記のようなリスクに対しては、コンプライアンスの維持、適正な情報開示、相場変動ヘッジ、財務体質強化、コストダウン、新規事業創出等のあらゆる努力を重ねて対応してまいります。
(1)銅製錬事業に関する包括的業務提携について
当社とJX日鉱日石金属株式会社は、銅製錬事業において、両社の共同出資によるパンパシフィック・カッパー株式会社を通じた包括的な業務提携を行っております。
(2)亜鉛製錬事業に関する業務提携について
当社と住友金属鉱山株式会社は、亜鉛製錬事業について業務提携に関する契約を締結しており、この契約に基づき、当社はエム・エスジンク株式会社との間に、亜鉛製錬事業における原料調達、受委託及び地金販売に関する契約を締結しております。契約期間は平成14年10月1日から平成15年3月31日まで、以後1年ごとの自動延長であります。
当社グループは、永年育成し蓄積してきた資源開発、非鉄金属製錬・加工技術を基礎として、グループ企業の「利益の最大化」に貢献することを基本理念に、新技術の創出や新製品の開発を積極的に行っております。
研究開発体制は、事業に密接な研究開発は各事業本部の開発センターで行い、将来を見据えた研究は総合研究所で行う体制としております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、5,795百万円であり、このほか海外鉱山開発に向けた探鉱活動に取り組んでおり、329百万円の探鉱費を支出いたしました。
また、セグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。なお、共通費用については、各事業部門に比例配分しております。
(1)機能材料部門
当部門においては、環境、エネルギー、電子部品分野の材料開発を中心に研究開発を行っており、個別の研究成果としては、環境分野では、燃料電池用改質触媒の開発、エネルギー分野では、次世代リチウムイオン電池用の高性能正極材・負極材の開発、電子部品分野では、白色LED用の蛍光体、新規シンチレーターの開発等があげられます。
この結果、当事業に係る研究開発費は2,309百万円であります。
(2)金属・資源部門
当部門においては、銅・亜鉛・鉛製錬の生産効率向上等に力を入れており、個別の研究成果としては、①難処理鉱石の供用技術開発、②リサイクル原料の製錬工程への供用技術開発、③製錬工程中間品や廃棄物からの有価金属回収等があげられます。さらに、④廃コンデンサーからのタンタル回収技術の開発等を行っております。
なお、ペルー、カナダにおいて、探鉱を継続しております。また、これらの鉱山開発に係る鉱物、地質に関する研究を行っております。
この結果、当事業に係る研究開発費は探鉱費を含めて410百万円であります。
(3)電子材料部門
当部門においては、スマートフォンやタブレット等の携帯電子機器に使用される電子材料の研究開発を行っており、主なものとして①次世代ICパッケージ基板材料の開発、②シールドや電極用微粒金属粉の開発、③高機能RCCやペースト等の複合材料の開発を行っております。
この結果、当事業に係る研究開発費は1,947百万円であります。
(4)素材関連部門
当部門においては、ターゲット材やセラミックス等の素形材の大型化・複雑形状化及び新素材の開発を行っております。
この結果、当事業に係る研究開発費は331百万円であります。
(5)自動車機器部門
当部門においては、ドアロック等機能部品の開発と、それらを核としたシステム製品及びモジュール製品の開発を行っております。
この結果、当事業に係る研究開発費は1,126百万円であります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。その作成にあたっての重要な会計方針・見積りは、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
①売上高
電池材料の需要が堅調に推移したもののレアメタル・機能粉事業他の製品で販売が減少し、機能材料セグメントで86億円減収となりました。円安効果等により金属・資源セグメントで124億円増収となりました。極薄銅箔等の増販により銅箔事業では増収となりましたが、金属粉事業の減収により電子材料セグメントで55億円減収となりました。素材関連セグメントでは72億円増収となりました。自動車機器セグメントは中国市場における日本車販売の復調や北米市場の好調等により11億円の増収となりました。以上の結果、前連結会計年度に比べ238億円(5.7%)増加の4,410億円となりました。
②販売費及び一般管理費
販売直接費等の増加により、前連結会計年度に比べ13億円増加の446億円となりました。
③営業利益
自動車関連製品のエコカー補助金効果剥落による減販や自動車機器セグメントでのアジアシフトに伴う一過性のコスト上昇等の減益要因があったものの、極薄銅箔や薄膜材料等での増販や各セグメントにおけるコスト削減効果、さらに円安効果やそれに伴うたな卸資産の在庫影響による要因(以下「在庫要因」)等で増益要因があり、前連結会計年度に比べ91億円(55.5%)増加の257億円となりました。
④営業外損益
受取配当金11億円、為替差益12億円等がありましたが、チリのカセロネス銅鉱山の減損損失を含む持分法投資損失122億円を計上したことにより、前連結会計年度に比べ117億円悪化の120億円の損失となりました。
⑤経常利益
営業利益の増加91億円がありましたが、営業外損益の悪化117億円により、前連結会計年度に比べ25億円(15.7%)減少の136億円となりました。
⑥特別損益
特別利益での固定資産売却益の減少や特別損失での固定資産の減損損失および事業構造改善費用の増加等により、前連結会計年度に比べ26億円悪化の42億円の損失となりました。
⑦税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額他)
法人税、住民税及び事業税の増加により、税金費用の総額は前連結会計年度に比べ16億円増加の52億円となりました。
⑧当期純利益
経常利益の減少25億円、特別損益の悪化26億円、税金費用の増加16億円、少数株主利益の減少6億円により、前連結会計年度に比べ62億円(63.0%)減少の36億円となりました。
(3)当連結会計年度の財政状態の分析
資産合計は、売掛債権が46億円、たな卸資産が127億円、有形固定資産が43億円それぞれ増加し、さらにチリのカセロネス銅鉱山の鉱山開発への出資等により投資有価証券が409億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ657億円増加の5,038億円となりました。
負債合計は、設備投資にかかる債務や仕入債務他が90億円、長・短借入金、社債及びコマーシャル・ペーパー残高が381億円それぞれ増加したこと等から、前連結会計年度末に比べ509億円増加の3,339億円となりました。
純資産合計は、当期純利益36億円による増加に、配当による減少17億円、為替換算調整勘定の増加123億円、少数株主持分4億円の増加等があり、前連結会計年度末に比べ148億円増加の1,698億円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.5ポイント下落の31.9%となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況とキャッシュ・フロー指標のトレンド
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益93億円、減価償却費241億円、持分法による投資損益122億円、仕入債務の増加23億円等の増加要因に対し、たな卸資産の増加108億円、法人税等の支払額39億円、利息の支払額23億円等の減少要因を差し引いた結果、前連結会計年度と同額の380億円の収入となりました。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出258億円、投資有価証券の取得による支出468億円等により、前連結会計年度に比べ249億円支出増加の721億円の支出となりました。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長・短借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーの増加367億円および配当金の支払17億円等から、前連結会計年度に比べ291億円収入増加の339億円の収入となりました。
以上の結果、為替換算差額、新規連結に伴う増加額及び連結除外に伴う減少額を含めた現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末と同額の152億円となりました。
なお、短期流動性確保の手段として、短期社債(電子CP)発行枠400億円を確保しているほか、300億円を限度とした長期コミットメント・ライン契約を取引金融機関とシンジケーション形式により締結しております。
また、キャッシュ・マネージメント・システム等によりグループ全体の資金効率の向上に努めております。
②キャッシュ・フロー指標のトレンド
|
回次 |
第85期 |
第86期 |
第87期 |
第88期 |
第89期 |
|
決算年月 |
平成22年3月 |
平成23年3月 |
平成24年3月 |
平成25年3月 |
平成26年3月 |
|
自己資本比率(%) |
26.7 |
30.6 |
31.9 |
33.5 |
31.9 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
38.4 |
40.2 |
32.2 |
31.4 |
27.0 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
9.8 |
7.6 |
5.5 |
4.7 |
5.7 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
7.0 |
8.2 |
11.9 |
16.4 |
16.3 |
(注)自己資本比率 :(純資産-少数株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/支払利息
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている長・短借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーを対象としております。
支払利息は、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「4.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6)経営戦略の現状と見通し及び経営者の問題認識と今後の方針について
「3.対処すべき課題」に記載のとおりであります。