(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済対策や日本銀行による金融緩和政策により、株価の回復や円安が進行し、輸出企業を中心として収益が改善するとともに、消費税率引き上げ前の駆け込み需要もあって、個人消費が堅調に推移するなど、緩やかながら回復基調をたどった。
アルミニウム業界においては、好調な自動車販売や住宅着工戸数の増加などを背景として、自動車分野や建材分野などの出荷が増加する一方、電機・電子関連分野は依然として低水準で推移するなど、分野ごとにまだら模様の展開となったが、アルミニウム製品の総需要は前期を若干上回った。
このような状況の中、当社グループでは、当連結会計年度を初年度とする新たな中期経営計画(平成25年度~平成27年度)を策定し、その中で以下の3つの基本方針を掲げている。
① 地域別×分野別戦略による事業展開
② 新商品・新ビジネスによる成長ドライバー創出
③ 企業体質強化
当社グループは、これらの基本方針に則り、純粋持株会社である当社を統括会社とするグループ経営体制の強化・拡充を推し進めることにより、連結収益の最大化に努めてきた。
具体的には、欧米や日本の自動車メーカーの進出も盛んであるメキシコ合衆国において、米国企業と合弁でアルミニウム合金事業を行う新会社を発足させ、また、中国での電子産業の発展に伴い、需要増が見込まれるアルミニウム高純度地金についても、現地企業と合弁会社を設立するなど、成長が見込める地域・分野との組み合わせにより経営資源を効率的に投入してきた。
また、グループ間の連携による開発活動により製品化されたアルミ製ソーラーパネル架台(商品名:アルソルⓇ、アルソルメガⓇ)が大きく販売を伸ばすなど、新商品が収益拡大に寄与するとともに、各事業分野においても成長への礎となる新商品開発に注力してきた。
さらに、収益改善が課題となっている事業についても、ソーラー部門において太陽電池関連製品の生産・販売を中国子会社に集約するとともに、アルミナ部門においては、LEDサファイア基板向け高純度アルミナなど高付加価値製品の増産を図るなど、業績回復に向けた施策を行ってきた。また、アルミニウム板部門においても、中国のアルミニウム板圧延会社に出資をし、既存のタイのアルミニウム板圧延子会社とあわせて、日本・中国・タイの3拠点における販売・生産ネットワークを確立した。
当連結会計年度の業績は、自動車関連製品やパネルシステム製品などの出荷が好調に推移した結果、連結売上高は前期を上回り、利益面でも連結営業利益、連結経常利益、連結当期純利益とも前期を上回った。
各セグメントの概況は、次のとおりである。
(アルミナ・化成品、地金)
アルミナ・化成品部門においては、アルミナ関連では、LEDサファイア基板向け高純度アルミナの販売は好調だったが、アルミナおよび水酸化アルミニウムの主力製品においては、国内向けで一部堅調に推移した半面、輸出は競争激化により販売量が減少したことから、前期並みの売上となった。また、化学品関連においても、有機塩素製品の出荷は好調だったが、凝集剤関連の販売が伸び悩んだことなどから、部門全体では、前期並みの売上に止まった。
採算面においては、円安を受けて原料水酸化アルミニウムの調達価格が上昇したほか、燃料・電力価格も軒並み上昇したため、固定費の削減等を通じたコストアップの吸収も及ばず、前期に比べて大幅に悪化した。
アルミニウム地金部門においては、主力の自動車向け二次合金の分野において、東南アジアや北米市場での販売は伸び悩んだが、国内の自動車生産台数が回復したことなどを受けて販売数量が増加するとともに、販売価格がその指標となる原料価格に連動して上昇したことから、前期を大幅に上回る売上となった。
採算面においても、中国市場で高付加価値製品の販売が拡大したほか、国内においても円安を受けて輸入品との価格競争が緩和したことなどから、前期と比べて大幅に改善した。
なお、子会社である日本軽金属株式会社の蒲原製造所で行っていたアルミニウム電解事業については、設備老朽化等の理由から、平成26年3月末をもって終了した。
以上の結果、当期のアルミナ・化成品、地金セグメントの売上高は前期の939億2百万円に比べ115億86百万円(12.3%)増の1,054億88百万円、営業利益は前期の32億73百万円に比べ3億56百万円(10.9%)減の29億17百万円となった。
また、平成25年9月、メキシコ合衆国におけるアルミニウム合金の製造、販売拠点として、子会社の日軽エムシーアルミ株式会社が45%出資し、米国企業と合弁でティーエスティー・ニッケイ・メタレス・エス・デ・アールエル・デ・シーブイをアグアスカリエンテス州に発足させた。対北米市場の生産拠点としての存在感を高め、各国自動車メーカーの進出が加速するメキシコ市場において、開発合金をはじめとして顧客への現地供給を可能とし、事業拡大を図っていく。
さらに、平成25年9月、中国においてアルミニウム高純度地金の製造、販売を行う拠点として、日本軽金属株式会社が49%出資し、現地企業と合弁で広西賀州日軽桂銀科技有限公司を広西壮族自治区に設立した。中国では電子産業の発展に伴い高純度地金の需要が増加しており、今後も産業構造の高度化による市場の拡大が見込まれているが、当社グループの有する高純度化技術の展開により品質、コスト両面での優位を確立し、需要の獲得に努めていく。
(板、押出製品)
アルミニウム板部門においては、コンデンサ向け箔地の出荷が落ち込み、電機・電子関連の出荷も不振が続いたが、半導体・液晶製造装置向け厚板の需要が下半期から回復し、輸送関連においてもトラック架装向け、鉄道車両向けを中心に好調に推移したことから販売量が増加した。また、価格面においても指標となるアルミニウム地金価格が前期に比べて上昇した結果、前期を上回る売上となった。
採算面においては、燃料価格の上昇が収益を圧迫したが、増販による工場稼働率の改善や、高付加価値製品の販売比率が上昇したことなどから、前期に比べて改善した。
アルミニウム押出製品部門においては、電機・電子関連の出荷は低迷したが、主力の輸送関連で、トラック架装向けや日中関係悪化の影響を脱した自動車向けの出荷が下半期から回復し、鉄道車両向けも北陸新幹線向けを中心に販売を大きく伸ばした。また、建材関連では消費税率引き上げ前の駆け込み需要が全体を下支えする中で、ソーラーパネル架台が順調に販路を拡大し、設備投資向けの産業機器関連も旺盛な需要があった。以上の結果、部門全体では前期を上回る売上となり、採算面においても、鉄道車両向けや産業機器関連での好調な出荷を受け、前期に比べて改善した。
以上の結果、当期の板・押出製品セグメントの売上高は前期の631億61百万円に比べ81億13百万円(12.8%)増の712億74百万円、営業利益は前期の16億75百万円に比べ9億93百万円(59.3%)増の26億68百万円となった。
なお、平成25年11月、中国において自動車熱交換器向けアルミニウム板等の製造、販売を行う拠点として、日本軽金属株式会社が現地企業等との合弁で上海市に発足させた華峰日軽鋁業股份有限公司への出資を完了し、出資比率は33.4%となった。日本・中国・タイの3極体制確立を契機に、海外においては中国の自動車用熱交製品市場を取り込みつつ、中国からの材料供給を通じてタイでの生産能力増強を図り、中国・東南アジア市場における製品の安定供給と収益拡大に努める一方で、国内は高付加価値製品の製造、販売に特化するとともに、研究開発、人財育成の拠点として機能させていく。
また、日本軽金属株式会社は、アルミニウム板部門の加工分野での事業強化を図るため、平成25年11月、金属加工の総合メーカーである株式会社東陽理化学研究所の発行済株式を23.6%取得し、資本参加した。日本軽金属株式会社がアルミニウムを軸に培った素材に関する知見と、株式会社東陽理化学研究所の高い加工技術の融合により、多様化・専門化する顧客ニーズに応え、加工分野における製品の付加価値を更に高めていく。
(加工製品、関連事業)
輸送関連部門のうち、トラックの架装事業においては、エコカー補助金の終了に伴う反動で上半期に一時的な停滞が見られたものの、排ガス規制強化時に購入された車種の買替や震災復興を追い風に、トラック需要が高水準で推移したことから、前期を上回る売上となった。しかしながら採算面においては、期初の稼働率低下や材料価格上昇等の影響を受け、前期に比べて悪化した。
カーエアコン用コンデンサは、主力の軽自動車向けの販売が順調に伸びたことに加え、円安を受けて輸出車種向けの需要も増加したことから、前期を上回る売上となった。
素形材製品は、国内の自動車生産台数回復を受け、需要は前期に比べて高まったが、その半面で、顧客による調達ソースの多様化も進んでいるため、前期を下回る売上となった。
電子材料部門においては、アルミ電解コンデンサ用電極箔は、長らく低迷を続けてきたコンデンサ需要に底入れの兆しが見え始め、今後は再生可能エネルギー関連などで需要の増加が見込まれるものの、いまだ回復途上にある中で、顧客による海外生産や資材の現地調達が進んだことなどから、前期を下回る売上となった。
パネルシステム部門においては、業務用冷凍・冷蔵庫は、前期同様コンビニエンスストアの店舗数増加が続き、店舗向けに加え、関連する食品加工工場向け、低温流通倉庫向けの出荷も順調に推移した。クリーンルームにおいては、医薬・バイオ分野向けを中心に需要が減少したが、半導体・精密機器向けの販売で前期並みを維持したことなどから、部門全体では、前期に引き続き高い水準の売上を確保した。
炭素製品部門においては、国内市場、海外市場ともに需要が低迷し、主要製品である鉄鋼・アルミニウム製錬業界向けの高炉・電炉用カーボンブロックおよびカソードのみならず、前期伸長した電極用不定形材料の販売も伸び悩んだが、円安により外貨建て取引で販売価格が上昇したことから、売上高は前期並みとなった。
以上の結果、当期の加工製品、関連事業セグメントの売上高は前期の1,262億18百万円に比べ60億43百万円(4.8%)増の1,322億61百万円、営業利益は前期の69億74百万円に比べ2億50百万円(3.6%)増の72億24百万円となった。
(箔、粉末製品)
箔部門においては、電解コンデンサ用高純度アルミ箔は、一部新製品で受注が本格化し、全体の需要にも底打ちの兆しが見え始めたものの、総じて出荷は低水準で推移した。一方、一般箔においては、日用品向けが落ち込んだが、医薬包材向け加工箔や食品向け撥水性加工箔など高付加価値製品の販売が拡大し、リチウムイオン電池外装用のプレーン箔の出荷も回復した。
パウダー・ペースト部門においては、国内市場では、シルバー等のメタリック色の需要が減少を続けていることなどを受けて、主力の自動車塗料用アルミペーストや、家電・プラスチック塗料向けの出荷が減少したが、食品・飲料容器用などのインキ向けは好調に推移した。輸出は、減税政策の終了等によるタイ、韓国での自動車生産台数の減少や在庫調整の影響などを受け、自動車向けを中心に減少した。
ソーラー部門においては、メガソーラー建設の増加などから中国や国内の太陽光発電市場が拡大し、太陽光パネルの生産量は回復に向かっているが、一方で、受注を巡っての激しい競争が続いており、生産拠点を中国に移管し原料の現地調達比率を高めるなど、コスト競争力の強化に努めたが、中国におけるユーザーの与信低下への対応から、販売量は前期並みに止まった。また、太陽電池用バックシートで製品需要が低価格帯にシフトしたことなどから、売上は前期に比べて減少した。
以上の結果、箔、粉末製品セグメントの売上高は前期の886億6百万円に比べ52億円(5.9%)増の938億6百万円、営業損益は前期の7億71百万円の損失から36億60百万円改善し28億89百万円の利益となった。
(2)キャッシュ・フロー
当期末における連結ベースの現金および現金同等物については、前期末に比べ56億35百万円(15.7%)増加の415億97百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは181億48百万円の収入となった。これは税金等調整前当期純利益や、減価償却費などの非資金損益項目が、法人税等の支払などによる支出を上回ったことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期における投資活動によるキャッシュ・フローは189億98百万円の支出となった。これは、主として有形固定資産の取得による支出によるものである。なお、投資活動によるキャッシュ・フロー支出は前年同期と比べ49億73百万円増加しているが、これは主に有形固定資産の売却による収入が減少したことなどによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期における財務活動によるキャッシュ・フローは57億62百万円の収入となり、財務活動によるキャッシュ・フロー収入は前年同期と比べ109億37百万円増加しているが、これは、主として社債の発行による収入があったことによるものである。
(1)生産実績及び受注状況
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様でなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていない。
このため、生産実績及び受注状況については、「1.業績等の概要」におけるセグメント業績に関連付けて示している。
(2)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
|
|
アルミナ・化成品 |
29,096 |
1.1 |
|
|
地金 |
76,392 |
17.3 |
|
|
アルミナ・化成品、地金 |
105,488 |
12.3 |
|
|
板製品 |
30,672 |
2.9 |
|
|
押出製品 |
40,602 |
21.7 |
|
|
板、押出製品 |
71,274 |
12.8 |
|
|
輸送関連製品 |
64,314 |
3.3 |
|
|
電子材料 |
4,316 |
△15.8 |
|
|
その他 |
63,631 |
8.2 |
|
|
加工製品、関連事業 |
132,261 |
4.8 |
|
|
箔、粉末製品 |
93,806 |
5.9 |
|
合計 |
402,829 |
8.3 |
|
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.当連結会計年度において、主要な販売先として記載すべきものはない。
3.上記の金額には、消費税等は含まれていない。
今後のわが国経済の見通しとしては、円安に伴い輸出が持ち直すとともに、雇用・所得環境の改善により個人消費の伸びが期待されるが、消費税率引き上げの影響、中国・新興国における金融不安、景気後退懸念や電力などのエネルギーコスト上昇といった景気下振れリスクも存在する。
このような状況の中、当社グループとしては、引き続き中期経営計画の基本方針に基づいた施策を着実に実行していくことに加えて、グループ各社・各部門が横断的に協力しあう開発活動である「横串活動」などを通じて長年にわたり培われてきたグループのシナジーを最大限に発揮し、顧客のニーズを的確に捉えた商品開発を実行することなどにより、強靭な収益基盤の確立に邁進する。
また、これまで中国・東南アジア地域を中心として、当社グループ事業の様々な分野について海外ビジネス展開を進めてきたが、各拠点における生産能力や品質の向上、原価低減などをこれまで以上に強力に推進することにより、収益拡大を図る。
さらに、企業の社会的責任(CSR)については、これを企業活動の根幹と認識し、アルミニウムという素材の有する特性を活かした環境配慮型製品の開発を進めるとともに、当社グループの事業環境のグローバル化の進展に伴い、国家間や民族間における様々な差異にも配慮したダイバーシティ(多様性)マネジメントにも意を注ぐ。
なお、平成26年4月に、日本軽金属株式会社において、ポリ塩化アルミニウムまたは硫酸アルミニウムの取引に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして公正取引委員会による立入検査を受けた。当社としては、子会社において立入検査が行われたことを厳粛かつ真摯に受け止め、検査に全面的に協力するとともに、コンプライアンス態勢の強化・充実にも引き続き鋭意努力する。
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
1.基本方針の内容
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社を支える様々なステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考える。
従って、当社は、特定の者又はグループ(特定の者又はグループを以下「買付者」という。)による、当社の財務及び事業の方針の決定を支配することを目的とする当社株式の大規模な買付行為や買付提案であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではない。また、株式上場会社として当社株式の自由な売買が認められている以上、買付者の大規模な買付行為に応じて当社株式を売却するか否かは、最終的には株主の判断に委ねられるべきものである。
しかしながら、株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を強要するおそれのあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付行為や買付提案の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するために合理的に必要十分な時間や情報を提供しないもの、買付条件等が対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に照らして著しく不十分又は不適当であるもの、対象会社の企業価値の維持・増大に必要不可欠なステークホルダーとの関係を破壊する意図のあるものなど、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくない。
上記の例を含め、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれが認められる場合には、当該買付者を当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切でないと判断すべきであると考える。
2.基本方針の実現に資する特別な取組み
当社グループは、「アルミとアルミ関連素材の用途開発を永遠に続けることによって、人々の暮らしの向上と地球環境の保護に貢献していく」という経営理念のもと、「アルミニウム」というユニークで優れた特性を有する素材の可能性を開拓することによって、企業価値の持続的向上に努めてきた。
当社グループの事業を大きな川にたとえると、アルミナ・化成品の製造が最も上流の工程となり、次いでアルミ合金地金の製造が続く。さらにアルミを素材として、アルミ板、アルミ押出製品から、箔・粉末製品、輸送関連製品などの各種加工製品に至るまで、広範な領域において事業展開している。
当社グループでは、事業持株会社であった日本軽金属株式会社を中核として、経営基盤の強化に向けた数々の施策を実行してきたが、一部事業の分社化や子会社・関連会社の海外事業が大きく成長した結果、日本軽金属株式会社の子会社・関連会社群がグループ全体の事業規模に占める比重が大きくなり、グループ全体として持続的に発展し、企業価値の向上を図るためには、経営と執行の分離をより徹底させた連結経営体制への変革が必要と判断し、平成24年10月1日付で日本軽金属株式会社単独による株式移転により、純粋持株会社としてグループ全体を統括する当社が設立された。
そして、平成25年4月には平成25年度から平成27年度までの3ヵ年の新たな中期経営計画がスタートした。この新たな中期経営計画では、持株会社体制への移行によるグループ連携強化によって、連結収益の最大化を図るべく、以下の基本方針を掲げている。
① 地域別×分野別戦略による事業展開
日本、中国、東南アジア等における市場分野が多種多様な動きを見せていることを踏まえ、特定の市場分野にのみ経営資源を集中するのではなく、地域(国内・海外)と市場分野の組み合わせ(マトリクス)により、経営資源を投入するべきフィールドを選別し、地域ごと・市場分野ごとの収益最大化を図る。
② 新商品・新ビジネスによる成長ドライバー創出
現代は一般的な汎用品の量的拡大が望める時代ではなく、付加価値を高めた新商品・新ビジネスを絶え間なく生み出していくことが求められている。
当社グループとしては、顧客の視点に立ったグループ内連携による開発活動をさらに深化・幅広化させ、成長ドライバー(原動力)を創出していく。
③ 企業体質強化
ソーラー機能材、アルミナ、板など収益回復が喫緊の課題となっている事業については、生産体制の再構築、高付加価値製品の開発、海外グループ会社との連携強化などにより、収益の早期回復を図る。加えて、海外マネジメント層、次世代の経営層などグループ人財の育成・有効活用を図ることなどにより、企業体質の強化に結びつけていく。
当社グループは、以上の基本方針に基づくアクションプランに積極的かつ効率的に取り組み、今後もグループ一丸となって、企業価値ひいては株主共同の利益の向上に邁進する所存である。
3.不適切な者による支配の防止に関する取組み
当社では、上記1.に述べた基本方針に照らして、不適切な者により当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、平成25年5月15日開催の当社取締役会において「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」という。)への更新につき株主に承認を求めることを決議し、平成25年6月27日開催の当社第1回定時株主総会において、株主の承認を得た。また、当社は本プランへの更新に伴い、特別委員会を設置し、特別委員会の委員として、和食克雄、結城康郎及び林良一の3氏が選任され、就任している。
本プランの概要は以下のとおりである。
① 本プランの対象となる当社株式の買付
本プランの対象となる当社株式の買付とは、特定株主グループ(当社株券等の保有者及びその共同保有者、又は当社株券等の買付等を行う者及びその特別関係者)の議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(いずれについても事前に当社取締役会が同意し、かつ公表したものを除き、また市場取引、公開買付等の具体的な買付方法の如何を問わない。以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」という。)とする。
② 特別委員会の設置
本プランにおいて当社が設定した大規模買付行為を行う際の情報提供等に関するルール(以下「大規模買付ルール」という。)が遵守されたか否か、あるいは大規模買付ルールが遵守された場合でも、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうものであることを理由として対抗措置をとるか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行うが、本プランを適正に運用し、当社取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の合理性・公正性を担保するため、特別委員会規程を定めるとともに、特別委員会を設置する。特別委員会の委員は3名以上とし、公正で中立的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外取締役、社外監査役又は社外有識者のいずれかに該当する者の中から当社取締役会が選任する。当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かを判断するに先立ち、特別委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問し、特別委員会は当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上の観点から大規模買付行為について慎重に評価・検討のうえで、当社取締役会に対し対抗措置を発動することができる状態にあるか否かについての勧告を行うものとする。当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重したうえで対抗措置の発動について決定することとする。特別委員会の勧告内容については、その概要を適宜公表することとする。
③ 大規模買付ルールの概要
大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、事前に大規模買付ルールに従う旨の誓約など、一定の事項を記載した意向表明書を提出するものとする。当社取締役会は、意向表明書を受領した日の翌日から起算して10営業日以内に、大規模買付者に対して、大規模買付行為に関する情報として当社取締役会への提出を求める事項(以下「評価必要情報」という。)について記載した書面(以下「評価必要情報リスト」という。)を交付し、大規模買付者には、評価必要情報リストの記載に従った評価必要情報の提出を求める。大規模買付行為は、大規模買付者が当社取締役会に対し評価必要情報の提供を完了した後、対価を現金(円貨)のみとする公開買付による当社全株式の買付の場合は最長60日間又はその他の大規模買付行為の場合は最長90日間の取締役会評価期間経過後のみに開始されるものとする。取締役会評価期間中、当社取締役会は、必要に応じて独立した第三者である外部専門家等の助言を受けながら、提供された評価必要情報を十分に評価・検討し、特別委員会からの勧告を最大限尊重したうえで、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ公表する。また、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉することや、当社取締役会として株主へ代替案を提示することもある。
④ 大規模買付行為がなされた場合の対応方針
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置をとることにより大規模買付行為に対抗する場合がある。なお、大規模買付ルールを遵守したか否かを判断するにあたっては、大規模買付者側の事情をも合理的な範囲で十分勘案し、少なくとも評価必要情報の一部が提出されないことのみをもって大規模買付ルールを遵守しないと認定することはしないものとする。
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、株主を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置はとらない。大規模買付者の買付提案に応じるか否かは、株主において、当該買付提案及び当社が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等を考慮のうえ、判断することになる。
ただし、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が、当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断し、かつ対抗措置を発動することが相当であると認められる場合には、例外的に当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として必要かつ相当な範囲で、新株予約権の無償割当等の対抗措置の発動を決定することができるものとする。
当社取締役会は、対抗措置の発動の是非について判断を行う場合は特別委員会の勧告を最大限尊重し、対抗措置の必要性、相当性等を十分検討したうえで対抗措置発動又は不発動等に関する会社法上の機関としての決議を行うものとする。
また、当社取締役会は、特別委員会が対抗措置の発動について勧告を行い、発動の決議について株主の意思を確認するための株主総会(以下「株主意思確認総会」という。)の開催を要請する場合には、株主が本プランによる対抗措置を発動することの可否を十分に検討するための期間(以下「株主検討期間」という。)として最長60日間の期間を設定し、当該株主検討期間中に当社株主意思確認総会を開催することがある。
株主意思確認総会において対抗措置の発動又は不発動について決議等がなされた場合、当社取締役会は、当該株主意思確認総会の決議等に従うものとする。従って、当該株主意思確認総会が対抗措置を発動することを否決する決議等がなされた場合には、当社取締役会は対抗措置を発動しない。
⑤ 本プランの有効期限
本プランの有効期限は、平成28年6月30日までに開催される当社第4回定時株主総会の終結の時までとする。
4.本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
① 買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足している。
また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっている。
② 株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること
本プランは、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主のために買付者と交渉を行うこと等を可能とすることで、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入したものである。
本プランは、株主の承認を得て発効したものであり、株主が望めば本プランの廃止も可能であることは、本プランが株主共同の利益を損なわないことを担保していると考えられる。
また、当社取締役は当社の定款において、その任期は1年と定められている。従って、毎年の当社定時株主総会における取締役の選任議案に関する議決権の行使を通じても、本プランに関する株主の意向を反映することが可能となっている。
③ 独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示
大規模買付行為に関して当社取締役会が評価・検討、取締役会としての意見の取りまとめ、代替案の提示、もしくは大規模買付者との交渉を行い、又は対抗措置を発動する際には、独立した第三者である外部専門家の助言を得るとともに、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される特別委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされている。
また、その勧告内容の概要については株主に公表することとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に適うように本プランの透明な運用を担保するための手続きも確保されている。
④ デッドハンド型やスロー・ハンド型の買収防衛策ではないこと
本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会によりいつでも廃止することができるものとされており、当社の株式を大量に買い付けようとする者が、自己の指名する取締役を当社株主総会で選任し、かかる取締役で構成される取締役会により、本プランを廃止することが可能である。
従って、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではない。
また、当社の取締役任期は1年のため、本プランは、スロー・ハンド型買収防衛策(取締役の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間がかかる買収防衛策)でもない。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項であると考えている。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成26年6月25日)現在において当社グループが判断したものである。
(1)経済情勢及び景気動向等
当社グループは、コモディティビジネスから脱却して経済情勢及び景気動向に左右されにくい強固で安定した経営基盤の構築を目指して事業運営をしているが、当社グループの製品需要は販売している国・地域の経済情勢及び景気動向の影響を免れるものではなく、特に日本国内の景気後退による需要の縮小、あるいは顧客ニーズの大幅な変化は、販売減少等により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(2)為替相場の変動
当社グループの外貨建ての売上、費用、資産、負債等の項目は、連結財務諸表作成のために邦貨換算しており、換算時の為替相場により現地通貨ベースの価値に変動がなくても邦貨換算後の価値に影響を及ぼす可能性がある。また、当社グループは、為替変動が財政状態及び経営成績等に及ぼす影響を軽減するために、外貨建ての資産・負債の一部について先物為替予約によりヘッジを実施しているが、為替変動が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(3)金利動向
当社グループの金融機関等からの借り入れには変動金利によるものが含まれており、これに係る支払利息は金利変動により影響を受ける。当社グループは、金利変動が財政状態及び経営成績等に及ぼす影響を軽減するために、変動金利の借り入れの一部について金利スワップ契約によりヘッジを実施しているが、金利変動が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(4)商品市況変動等
当社グループは、主要原材料であるアルミニウム地金を海外及び国内(自社生産を含む)から調達している。アルミニウム地金の価格変動に対しては長期契約や先渡取引によりヘッジを実施しており、基本的に価格変動部分は製品価格に転嫁している。また、重油等の燃料価格や補助原材料の価格、原材料等を輸入する際の船賃等の仕入に係る価格変動についても、価格上昇を当社グループの製品価格に転嫁することを基本としている。しかしながら、価格上昇の製品コストへの影響を完全に排除できるわけではなく、特に最終ユーザーに近い加工製品等については、アルミニウム地金価格の上昇分等を直接製品価格に転嫁することが困難となる場合がある。当社グループは商品市況変動等が財政状態及び経営成績等に及ぼす影響を軽減するため、コスト削減及びより高付加価値の製品への転換等により対処を図っているが、商品市況変動等が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(5)事故・自然災害
火災、地震、水災、停電等の災害を想定して、近隣まで含めた災害発生時の対処、復旧計画、各種損害保険加入による対策、データのバックアップ体制等について、製造設備関連のみならず情報システム関連についても訓練・点検等を実施し、定期的に内容の見直しを行っているが、災害発生により損害を被る可能性がある。
かねてより大地震発生の可能性が言及されてきた、東海地方、東南海トラフの連動巨大地震に対して、当社グループとしても、保険による財務的リスクの移転、製造現場での防災対策等、重点的に対処しているが、これらの対策によって、大地震発生による損害を充分にカバーできるという保証はない。
(6)公的規制
当社グループは、日本国内のみならず事業展開する各国において、事業の許認可、国家安全保障、独占禁止、通商、為替、租税、特許、環境等、様々な公的規制を受けている。当社グループは、これらの公的規制の遵守に努めているが、将来、コストの増加につながるような公的規制や、当社グループの営む各事業の継続に影響を及ぼすような公的規制が課せられる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(7)係争事件等
現在、当社グループの財政状態及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性のある係争事件等はないが、広範な事業活動の中で、今後そのような係争事件等が発生する可能性は皆無ではない。
(8)債務保証等
当社グループは、投資先の借入金等に対しての債務保証契約等を金融機関等との間で締結している。当社グループでは、債務保証等の履行を要求される可能性は僅少であると判断しているが、将来、債務保証等の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(9)製品の欠陥
当社グループは、日本国内及び事業展開する各国において認められている品質管理基準に従って製品を製造しているが、将来にわたって全ての製品に欠陥が無く、製造物賠償責任請求及びリコール等に伴う費用が発生しないという保証はない。当社グループは、製造物賠償責任請求については保険に加入しているが、最終的に負担する賠償額を全て賄えるという保証はなく、製品の欠陥が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
なお、現時点では予想できない上記以外の事象により、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性がある。
アルミニウム薄板連続鋳造に関する契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約期間 |
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日本軽金属㈱ 連結子会社 |
ノベリス・インク |
カナダ |
包括契約(付属契約を含む) アルミニウム薄板連続鋳造に係る設備設置及び技術・商標のライセンス |
平成14年4月1日から契約解除等による終了の日まで |
当社グループは、アルミニウムに関する経営資源をベースに、付加価値の高い機能材料と加工品を事業展開し、収益基盤を拡大することを事業戦略の力点に置いている。特に、アルミ素材関連の基礎技術に磨きをかけ、この技術を活かした新商品・新技術の創造を推し進めるとともに、グループ全体の有機的な連携を強め、高い付加価値商品・サービス群で構成された成長を持続する企業集団としての姿を追求している。
現在、当社グループは、技術・開発統括室を中心に、従来の組織分野ごとに蓄えられた知的資源・情報・技術を統合し、組織横断的に市場ニーズに対応する「横串活動」へと展開し、市場競争力のある付加価値の高い製品の開発を進めている。
また、日本軽金属㈱グループ技術センターは、マトリクス組織を導入し、永年培ってきた材料・表面処理・解析設計・接合加工・分析の技術を活かしながら、「横串活動」に積極的に参画している。さらに、生産・販売に直結した技術・製品開発体制を整備し、また、高度化・多様化する市場・顧客ニーズに即応可能な技術サービス力の充実を図ることにより、収益拡大に貢献する新製品・新技術の開発を進めている。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は49億84百万円であり、各セグメントにおける研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりである。
(アルミナ・化成品、地金)
当社グループのアルミナ・化成品の製造部門を中心に、アルミナ、水酸化アルミニウム、各種化学品の高品質・高付加価値化に関する開発及び新用途開発等を行っており、多角的な視野から研究開発を進めている。
地金に関しては、日本軽金属㈱グループ技術センターを中心に、各ユーザーのニーズの多様化に対応するため、顧客毎の仕様に合わせた合金を開発している。
当セグメントに係る研究開発費は5億50百万円である。
(板、押出製品)
日本軽金属㈱グループ技術センターを中心に、自動車や鉄道等の軽量化に適合するアルミニウム板、押出材の開発及びその量産技術、需要拡大につながる新規応用製品の開発等を行っている。
当連結会計年度には、アルミニウム合金の中で最高レベルの強度を持つAl-Zn-Mg-Cu系合金の押出材「NA700」を開発、発売を開始した。
当セグメントに係る研究開発費は14億91百万円である。
(加工製品、関連事業)
日本軽金属㈱グループ技術センターを中心に、電子材料、景観関連製品、輸送関連製品、アルミニウム建築構造部材等のアルミニウム加工製品関連の研究開発を行っている。
当連結会計年度には、ISO国際規格海上コンテナの製造技術を活用し、31フィート型コンテナデータセンターを開発、また、太陽光発電パネルをトラックの車体屋根に架装した太陽光発電バッテリー補助システム「ザ ソーラー」を開発し、これらの発売を開始した。
当セグメントに係る研究開発費は14億71百万円である。
(箔、粉末製品)
東洋アルミニウム㈱を中心に、アルミ箔、アルミペースト、粉末製品等に関する基礎研究、応用研究を行い、新素材や高機能材料等の開発を行っている。
当連結会計年度には、表面の粗さが極めて平滑なアルミニウム箔「LUXAL」、アルミニウム箔とアルミニウム粉末を焼結させて作成する多孔質体の粉末積層箔、従来の非接触型ICカードのセキュリティ性をより高めたアンテナ回路「トーヤルポリカ」等を開発した。
当セグメントに係る研究開発費は14億72百万円である。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものである。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載している。当社グループでは、以下に記載した会計方針及び会計上の見積りが、連結財務諸表作成に重要な影響を及ぼしていると考えている。
①貸倒引当金
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能見込額を見積り、貸倒引当金として計上している。将来、顧客等の財務状況悪化、経営破綻等により、顧客等の支払能力が低下したとの疑義が生じたと判断される場合には、貸倒引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性がある。
②資産の評価
当社グループは、たな卸資産については主として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しているが、製品別・品目別に管理している受払状況から、滞留率・在庫比率等を勘案して、陳腐化等により明らかに市場価値が滅失していると判断された場合には、帳簿価額と正味売却価額との差額を評価損として計上している。実際の市場価格が、当社グループの見積りよりも悪化した場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性がある。
当社グループは、長期的な取引関係の維持・構築のため、一部の顧客及び金融機関等の株式を所有しており、金融商品に係る会計基準に基づいて評価している。将来において市場価格のある株式の時価が著しく下落したとき、回復する見込みがあると認められない場合には、評価損を計上する可能性がある。一方、市場価格のない株式については、将来において投資先の業績不振等により、帳簿価額に反映されていない損失あるいは帳簿価額の回収不能が発生したと判断された場合には、評価損を計上する可能性がある。
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、将来において、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失の追加計上が必要となる可能性がある。
③繰延税金資産
当社グループは、合理的で実現可能なタックスプランニングに基づき将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を充分に検討し繰延税金資産を計上している。
将来、実際の課税所得が減少した場合、あるいは将来の課税所得の見積り額が減少した場合には、当該会計期間において、繰延税金資産を取り崩すことにより税金費用が発生する可能性がある。一方、実際の課税所得が増加した場合、あるいは将来の課税所得の見積り額が増加した場合には、繰延税金資産を認識することにより、当該会計期間の当期純利益を増加させる可能性がある。
④退職給付費用及び債務
当社グループは、従業員の退職給付費用及び債務を算出するに当たり、数理計算上で設定した基礎率(割引率、昇給率、退職率、死亡率、期待運用収益率等)は、統計数値等により合理的な見積りに基づいて採用している。これらの見積りを含む基礎率が実際の結果と異なる場合、その影響額は数理計算上の差異として累積され、将来期間にわたって償却されるため、将来において計上される退職給付費用及び債務に影響を及ぼす。当社グループは採用している基礎率は適切であると考えているが、実際の結果との差異が将来の当社グループの退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性がある。
(2)当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ127億52百万円増加し、4,325億38百万円となった。これは、受取手形及び売掛金の増加や新たに持分法適用会社を取得したことなどに伴う投資有価証券の増加などによるものである。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ61億82百万円増加し、3,113億44百万円となった。これは、社債を発行したことなどによるものである。有利子負債残高は、前連結会計年度末の1,888億44百万円から98億24百万円増加し、1,986億68百万円となった。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ65億70百万円増加し、1,211億94百万円となった。これは、当期純利益の計上による利益剰余金の増加などによるものである。この結果、自己資本比率(期末純資産から少数株主持分を控除したベース)は、前連結会計年度末の25.0%から0.5ポイント上昇し、25.5%となった。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
①概要
当連結会計年度の売上高は4,028億29百万円(前連結会計年度比 8.3%増、309億42百万円増)、営業利益は126億17百万円(同 54.7%増、44億63百万円増)、経常利益は127億30百万円(同 85.2%増、58億57百万円増)、当期純利益は51億28百万円(同 52.8%増、17億73百万円増)となった。
②営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ、44億63百万円増の126億17百万円となった。これは、政府による経済対策や日本銀行による金融緩和政策により、株価の回復や円安が進行し、輸出企業を中心として収益が改善するとともに、消費税率引き上げ前の駆け込み需要もあって、個人消費が堅調に推移したことの影響などによるものである。営業利益のセグメント毎の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載している。
③営業外収益・費用
営業外収益は、持分法による投資利益が増加したことなどにより、前連結会計年度と比べ、9億81百万円増加し50億3百万円となった。
営業外費用は、支払利息が減少したことなどにより、前連結会計年度と比べ、4億13百万円減少し48億90百万円となった。
④特別利益・損失
特別利益は、前連結会計年度においては固定資産売却益を62億74百万円計上した一方、当連結会計年度においては、特別利益を計上していない。
特別損失は、前連結会計年度においては、環境対策費として20億60百万円、減損損失として13億19百万円、製品不具合対策費として3億26百万円計上した。当連結会計年度においては、工場閉鎖損失として9億96百万円、環境対策費として7億44百万円、固定資産除却損として6億12百万円計上した。
⑤税金費用等
当連結会計年度の税金費用(法人税、住民税および事業税と法人税等調整額の合計額)は、前連結会計年度と比べ、11億20百万円減少し38億90百万円となった。これは前連結会計年度において純粋持株会社体制への移行に伴う将来減算一時差異の減少などの一時的な影響などがあったためである。
少数株主利益は、主として子会社である日本フルハーフ㈱、日軽エムシーアルミ㈱及び日本電極㈱の少数株主に帰属する利益であり、前連結会計年度の10億77百万円に対し当連結会計年度は13億60百万円となった。
⑥当期純利益
当期純利益は、前連結会計年度の33億55百万円に対して52.8%増の51億28百万円となり、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の6円17銭に対し当連結会計年度は9円43銭となり3円26銭の増加となった。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載している。
(5)資本の財源及び資金の流動性に関する分析
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ56億35百万円(15.7%)増加し、415億97百万円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ、1億18百万円(0.7%)増加し、181億48百万円の収入となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の140億25百万円の支出に対し、当連結会計年度は189億98百万円の支出となった。これは主に有形固定資産の売却による収入が減少したことなどによるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の51億75百万円の支出に対し、57億62百万円の収入となった。これは、主として社債の発行による収入があったことによるものである。
②資金需要・調達及び流動性について
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、充分な流動性の維持に留意している。当社グループの資金需要としては、製品製造のための原料及び操業材料の購入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業活動に係る運転資金需要、製造設備の購入及び事業買収等の投資活動に係る長期資金需要がある。
当社グループは、資金調達に当たって資金の安定性強化と資金コストの低減に傾注しつつ、社債の発行や、主力銀行をはじめとする幅広い金融機関からの借り入れによる調達を行なっている。
また、流動性に関して、当社グループは金融情勢の変化等を勘案しながら、現金同等物の残高が適正になるように努めている。
当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度180億30百万円、当連結会計年度181億48百万円であり、キャッシュ・フローの水準としては比較的安定していると当社グループは考えているが、将来の当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び長期資金を調達するためには、必ずしも充分ではない可能性があると認識している。将来の成長を維持・加速するために必要な資金は、基本的に新商品・新規事業の創出による売上、収益の拡大を通じて営業キャッシュ・フローの増大により確保していく方針である。