(1)経営方針
当社グループは、次のビジョンと経営理念を掲げ、企業活動に取り組んでおります。
|
<ビジョン> ・独創技術で変化を創り出し社会の発展に貢献する企業 <経営理念> ・顧客に驚きと感動を与え続ける ・社会との共生を図り、継続的に利益を実現する ・変わり続ける意識を持つ |
また、当社グループは、持続可能な社会の実現を目指す企業として、次の10原則に基づき、国の内外において、全ての法律、国際ルール及びその精神を遵守するとともに、高い倫理観をもって社会的責任を果たしてまいります。
なお、本基準は平成30年4月1日で改定いたしました。
|
<日本製鋼所グループ 企業行動基準> 1.持続可能な経済成長と社会的課題の解決を図るために、イノベーションを通じて、社会に有用で安全性に配慮した製品・技術・サービスを開発・提供する。 2.公正なかつ自由な競争に基づく適性な取引、責任ある調達を行う。また、政治、行政とは健全な関係を維持する。 3.企業価値向上のため、適切な企業情報を積極的かつ公正に開示し、幅広いステークホルダーとの建設的な対話を行う。 4.全ての人々の人権を尊重する。 5.市場や顧客ニーズを製品・技術・サービスに反映した上で、顧客からの問い合わせ等に速やかに対応することにより、社会と顧客の満足と信頼を獲得する。 6.従業員の多様性、人格、個性を尊重する働き方を実現し、良好な職場環境を確保する。 7.環境問題への取り組みは企業としての重要な責務であることを認識し、主体的に活動する。 8.企業市民として、社会に参画し、その発展に貢献する。 9.市民社会や企業活動に脅威を与える反社会的勢力やテロ、サイバー攻撃、自然災害等に対して、組織的な危機管理を徹底する。 10.経営トップは、この行動基準の精神の実現が自らの役割であることを認識し、実効あるガバナンスを構築した上で、当社および関連会社に周知徹底を図り、あわせてサプライチェーンにも本行動基準の精神に基づく行動を促す。 また、本行動基準の精神に反し、社会からの信頼を失うような事態が発生した時には、経営トップが率先して問題解決、原因究明、再発防止等に努め、その責任を果たす。 |
(2)経営戦略等
当社グループは、2018(平成30)年度を初年度とする3ヵ年の新中期経営計画「JGP2020」をスタートさせました。新中期経営計画の概要は以下のとおりです。
<新中期経営計画「JGP2020」の概要>
① 「JGP2020」における当社グループのミッションと数値目標は以下のとおりであります。
○ミッション
|
「ものづくり」と「価値づくり」で安定成長企業を目指し、「買い手よし(顧客満足)」、 「売り手よし(従業員満足)」、「世間よし(社会的責任遂行)」、「株主よし(株主満足)」 の四方よしの精神で社会に貢献する。 |
<JSWの四方よし経営>
「ものづくり」&「価値づくり」で安定成長企業を目指す。
○数値目標
② 「JGP2020」においては、「産業機械で『成長』、素形材・エネルギーは『新生』」をコンセプトとして、2030年を見据えた基盤を構築するべく、3つの基本方針を掲げて事業に取り組んでまいります。
1. 経営資源の最適化とアライアンスの強化
グループ経営資源の適切な配分を目的とし、素形材・エネルギー事業については売上規模に見合った経営資源の配分見直しを行う一方、産業機械事業には重点的に経営資源を配分してまいります。
また、将来の新たな収益源を確保すべく、アライアンスやM&Aにも積極的に資金を投入し、事業規模の拡大を図ります。
2. アフターサービス(ストック型ビジネス)の強化
安定収益の確保と顧客満足度の向上を目指して、産業機械事業を中心にサービス体制の基盤を強化し、単純なサービス提供からソリューション提案への転換を図ることで、更なる成長・拡大を進めてまいります。
また、次の事業への礎となるよう、サービス事業を通じて顧客との強固な信頼関係を構築します。
3. 新事業探索、育成の活性化
今後新たな事業として成長が期待できる「航空機」、「水素」、「結晶」、「成膜」の4事業の早期事業化を図るとともに、更なる新事業テーマの探索と育成も積極的に推進してまいります。
③ 上記の基本方針に基づき、以下の事業戦略を着実に推進してまいります。
[産業機械事業]
産業機械事業については、「攻めの経営」による事業領域拡大のための種まきと育成がJGP2020における基本戦略となります。
主な事業戦略は次のとおりです。
○フィルム・シート製造装置
・セパレータフィルム製造用途を中心とした旺盛な需要に対応する生産設備の増強を早期に実施します。
・総合フィルム装置メーカーとして包装材、工業材、光学系用途においても事業拡大を図ります。
○射出成形機
・「マス・カスタマイゼーション戦略(※)」により、ゆるぎないJSW成形機ブランド力を確立します。
(※)共通化された基本部分をベースに、地域、顧客ニーズに対応したカスタム仕様の機械を提供し差別化を図る戦略。
・IoT等を活用した提案型サービスにより顧客満足度を向上させ、予防保全・保守による収益拡大を図ります。
○レーザーアニール装置
・既存製品の差別化による製品競争力強化およびサービス事業拡大により収益力の更なる向上を図ります。
・競争力のあるコア技術の確保を通じ、フラットパネルディスプレイ関連の新製品創出に取り組みます。
[素形材・エネルギー事業]
素形材・エネルギー事業については、既存製品は現状事業規模で安定黒字化を目指し、新たな成長機会の発掘と早期育成を推進することがJGP2020における基本戦略となります。
主な事業戦略は次のとおりです。
○月島機械株式会社と製造分野で協業
・室蘭製作所における2019(平成31)年4月からの工場操業開始に向け、月島機械株式会社との体制構築を進めてまいります。
○固定費の改善
・室蘭製作所グループ人員の更なる圧縮をはじめ、売上規模に見合ったコスト構造改革の実現に向けた施策を継続してまいります。
○新事業の早期事業化
・室蘭製作所で長年培ってきた素材に関わる知見を活かしつつ、既存製品に代わる新たな事業を育成し、将来に向けた成長基盤の整備を目指します。
(3)今後の見通し
今後の経済見通しにつきましては、海外経済は米国・欧州をはじめとする先進国を中心に緩やかな成長が続くと見込まれ、わが国経済も緩やかに成長すると予想されます。その一方、貿易摩擦激化と各国の通商政策による輸出企業への影響、中東などにおける地政学リスクの高まりなど、先行きに対しては不透明感が生じております。
このような中、当社グループにつきましては、素形材・エネルギー事業では、原子力製品の需要回復遅れの更なる長期化やパリ協定成立後の火力発電所部材の需要低迷など、厳しい事業環境が継続すると見込まれますが、黒字化達成に向け、引き続き事業基盤の再構築と新規事業の育成に取り組んでまいります。また、産業機械事業においては、旺盛な需要に対応することを目的とした生産能力の増強に加え、アライアンスやアフターサービスの強化により、更に事業伸長を加速させてまいります。
(4)株式会社の支配に関する基本方針について
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者が、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保・向上させる者であるか否かの判断は、最終的には当社株主の総体意思に基づき行われるべきものであると考えます。
しかしながら、外部者である買収者から買収の提案を受けた際に、当社株主の皆様が当社の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果その他当社の企業価値を構成する要素を十分に把握した上で、当該買収が当社の企業価値及び株主共同の利益に及ぼす影響を短期間のうちに適切に判断することは必ずしも容易でないものと思われます。したがいまして、当社株主の皆様に買収の提案の内容を検討するための十分な情報や時間を提供せずに、当社株式の大量取得や買収の提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては不適切であると考えます。また、買収提案の中には、その目的等から見て当社の企業価値及び株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすものや当社株主の皆様に当社株式の売却を事実上強要するもの等もあります。当社は、このような買収提案を行う者についても、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
② 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、平成29年5月15日開催の当社取締役会において、当社株券等の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)を更新することを決議し、同年6月27日開催の当社第91回定時株主総会にて株主の皆様のご承認をいただきました(以下、更新後の対応策を「本プラン」といいます。)。
なお、本プランの詳細内容につきましては、当社ホームページ(http://www.jsw.co.jp/)ニュースに記載する平成29年5月15日付「当社株券等の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」をご参照ください。
1.本プランの目的
本プランは、当社株券等に対する買付けもしくはこれに類似する行為又はその提案(以下、「買付等」といいます。)が行われる場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断するためにあるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保すること、又は場合により株主の皆様のために買付者又は買付提案者(以下、「買付者等」といいます。)と交渉を行うこと等を可能とすることで、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的としております。
2.本プランの概要
(ⅰ)本プランの発動に係る手続の設定
本プランは、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、買付者等に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求める等、上記「1.本プランの目的」を実現するために必要な手続を定めています。
(ⅱ)新株予約権の無償割当てと独立委員会の利用
買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う等、買付者等による買付等が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく害するおそれがあると認められる場合には、当社は、当該買付者等による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(以下、「本新株予約権」といいます。)を、その時点の当社を除く全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法により割り当てます。なお、当社は、当該買付者等が有する本新株予約権の取得の対価として金銭を交付することは想定しておりません。
本新株予約権の無償割当ての実施、不実施又は取得等の判断については、独立委員会規則を定め、当該規則に従い、当社経営陣から独立した社外の有識者(実績ある会社経営者、官庁出身者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士及び学識経験者等)で構成される独立委員会を設置し、その判断を経ることで、当社取締役会の恣意的判断を排するとともに、株主の皆様に適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。
(ⅲ)本新株予約権の行使及び当社による本新株予約権の取得
仮に、本プランに従って本新株予約権の無償割当てがなされた場合で、買付者等以外の株主の皆様による本新株予約権の行使により、又は当社による本新株予約権の取得と引換えに、買付者等以外の株主の皆様に対して当社株式が交付された場合には、当該買付者等の有する当社株式の議決権割合は、最大50%まで希釈化される可能性があります。
③ 具体的取組みに対する取締役会の判断及びその理由
当社の中期経営計画やコーポレート・ガバナンス強化のための施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させるための具体的な方策として策定されたものです。したがって、当社の基本方針に沿うものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
本プランは、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるための枠組みであり、当社の基本方針に沿うものです。また、当社第91回定時株主総会において株主の皆様の承認を得ていること、本新株予約権の無償割当て実施の是非についても株主意思を重視する仕組みになっていること、独立性の高い社外の有識者から成る独立委員会が設置され、本新株予約権の無償割当ての実施には必ず独立委員会の判断を経ることになっていること、合理的な客観的要件が充足されなければ本新株予約権の無償割当は実施されないこと等により、その公正性・客観性が担保されており、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業の特徴
当社グループの業績は、国内外の民間企業、官公庁等向けの販売が主であるため、景気や民間企業の設備投
資、海外等における国家的プロジェクト、官公庁の公共投資等の動向により影響を受ける可能性があります。
(2)設備投資リスク
当社グループは、世界的な資源・エネルギー需要の逼迫、CO2排出削減やクリーンエネルギーへの転換を受けて、石油精製や天然ガス開発関連部材、原子力を含む発電用部材の安定供給に向けた大規模な設備投資を実施いたしました。原子力発電所事故等に起因した各国の原子力政策の停滞・遅延・変更等、あるいは劇的な資源・エネルギー需要の転換が起こった場合、当社グループの設備の稼働率低下等により、業績に影響を受ける可能性があります。
(3)原材料・部品等の調達
当社グループの製品は受注から売上までに比較的長期間を要するため、当社グループの業績は、この間の原
材料・部品等の価格変動により影響を受ける可能性があります。
(4)品質管理・製造物責任
当社グループは、主にメーカーとして客先仕様に基づく製品を受注し製造・販売しているため、製品の性能不良や欠陥等の瑕疵担保責任に起因する損害賠償等の負担により業績に影響を受ける可能性があります。また、製造物責任に起因する損害賠償については、生産物賠償責任保険及び企業包括賠償責任保険に加入しておりますが、損害賠償額が保険金額を上回る等の場合は業績に影響を受ける可能性があります。
(5)為替レートの変動リスク
当社グループの製品は、輸出比率が毎年度50%程度で推移しており、製品の受注から売上までの期間は比較的長期間を要するほか、原材料の輸入等海外調達の一部において外貨建取引を行っております。従って、当社グループの業績は、受注から売上までの間の為替動向により、受注時点の予想に比べて売上時点の損益に相違が生じ、影響を受ける可能性があります。
また、為替レートにより海外競合企業との相対的競争力が変動し、当社グループの業績や財政状況に影響を受ける可能性があります。
(6)有価証券の価格変動リスク
当社グループは、投資有価証券(含む年金資産)を保有しておりますが、内外経済の状況、証券市場における市況の悪化及び発行会社の財政状態の変化などにより、投資有価証券の価格が変動し、当社グループの業績や財政状況に影響を受ける可能性があります。
(7)環境保全
当社グループは、環境汚染防止、省エネルギー、省資源等環境負荷低減に取り組むとともに、関連法令等の遵守など環境マネジメントの徹底に取り組んでおりますが、関連する法令に大幅な変更があった場合、あるいは不測の事態等により環境汚染が発生した場合は事業に影響を受ける可能性があります。
(8)カントリーリスク
当社グループの輸出比率は50%程度で推移しており、また生産も一部海外に委託しているため、グループの業績は、関係各国(仕向地国、支払保証国、及び投資先国)における紛争やテロの発生、政情の悪化、天災、経済状況の変動並びに予期せぬ法律や規制の変更などの影響を受ける可能性があります。
(9)技術受入契約
当社グループは、主に自らの研究開発・技術展開により製品の製造・販売をしていますが、一部製品については、海外企業との技術受入契約に基づいて製造・販売しているものがあります。これら製品については、当該企業との契約条件や事業戦略等により業績に影響を受ける可能性があります。
(10)退職給付債務及び費用の変動リスク
退職給付債務及び費用は数理計算上設定した前提条件に基づき算出しており、実際の結果が前提条件と異なった場合及び前提条件が変更された場合には、当社グループの業績や財政状況に影響を受ける可能性があります。
(11)石綿(アスベスト)問題
当社グループは、従業員及び元従業員において、過去の石綿含有製品の使用作業に起因すると思われる健康障害事例が36件発生しております。石綿関連救済にかかる法令改正及び健康障害事例件数等が大幅に増加した場合には、業績に影響を受ける可能性があります。
(12)自然災害等による影響
当社グループは、国内外に製造拠点を有しておりますが、大規模地震や台風等の自然災害が発生した場合、操業に支障が生じ、業績に影響を受ける可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況
当連結会計年度における海外経済は、欧米先進国や中国で堅調な個人消費と輸出拡大に支えられた景気回復が継続し、資源価格上昇と輸出拡大に支えられ新興国経済でも景気持ち直しの動きが続くなど、全体として緩やかな回復基調で推移しました。わが国経済も、雇用環境の改善や設備投資、輸出の拡大を背景に総じて緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループを取り巻く事業環境は、車載用リチウムイオン電池素材をはじめ自動車用樹脂製品需要の拡大により産業機械事業が概ね良好に推移しましたが、素形材・エネルギー事業では火力・原子力発電所向け部材の需要低迷などにより、厳しい状況が継続しました。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、当連結会計年度を最終年度とする中期経営計画
(JGP2017)に基づき事業活動を推進してまいりました。素形材・エネルギー事業においては厳しい事業環境のもと、再成長を睨んだ布石を打つことを目指し、投下資本の圧縮と事業領域の見直しに取り組みました。産業機械事業においては事業領域の拡大など、事業伸長を加速させました。
当社グループにおける当連結会計年度の業績につきましては、受注高は、素形材・エネルギー事業、産業機械事業がともに増加し、2,360億50百万円(前年同期比32.9%増)となりました。売上高は、素形材・エネルギー事業が減少したものの、産業機械事業の増加が寄与し、2,129億57百万円(前年同期比0.2%増)となりました。損益面では、営業利益は213億18百万円(前年同期比72.8%増)、経常利益は221億17百万円(前年同期比82.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は107億12百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失49億68百万円)となりました。
また、当社グループにおける当連結会計年度末における財政状態につきましては、総資産は2,974億33百万円(前連結会計年度末比221億18百万円増)、負債は1,788億33百万円(前連結会計年度末比111億5百万円増)、純資産は1,186億円(前連結会計年度末比110億13百万円増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(素形材・エネルギー事業)
受注高は、クラッド鋼管の増加などにより、475億10百万円(前年同期比143.6%増)となりました。
売上高は、電力・原子力製品およびクラッド鋼管が減少したことから、408億91百万円(前年同期比20.1%減)となりました。
営業損益は、減損を主因とした固定費の減少があったものの、売上高の減少などにより、営業損失15億44百万円(前年同期は営業損失27億94百万円)となりました。
(産業機械事業)
受注高は、樹脂製造・加工機械および成形機が増加したことから、1,869億69百万円(前年同期比19.7%増)となりました。
売上高は、前年同期に大型案件の売上があったレーザーアニール装置が反動減となったものの、樹脂製造・加工機械および成形機が増加したことから、1,702億67百万円(前年同期比6.8%増)となりました。
営業利益は、売上高の増加やコスト改善などにより、238億34百万円(前年同期比57.0%増)となりました。
(不動産その他事業)
受注高は15億70百万円、売上高は17億97百万円、営業利益8億20百万円となりました。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末比192億8百万円増加し、778億79百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、267億12百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を計上したことに加え、事業再構築引当金を計上したためです。なお、前年同期は120億23百万円の獲得でした。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、50億77百万円となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出があったためです。なお、前年同期は135億80百万円の支出でした。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、24億57百万円となりました。これは主に、配当金の支払による支出があったためです。なお、前年同期は12億3百万円の支出でした。
③ 生産、受注及び販売の実績
1.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自平成29年4月1日 至平成30年3月31日) |
前期比 (%) |
|
素形材・エネルギー事業(百万円) |
40,891 |
△20.1 |
|
産業機械事業(百万円) |
170,256 |
6.6 |
|
不動産その他事業(百万円) |
1,797 |
△4.6 |
|
合計(百万円) |
212,945 |
0.1 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度(自平成29年4月1日 至平成30年3月31日) |
|||
|
受注高(百万円) |
前期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前期比 (%) |
|
|
素形材・エネルギー事業 |
47,510 |
143.6 |
44,453 |
17.5 |
|
産業機械事業 |
186,969 |
19.7 |
142,634 |
13.3 |
|
不動産その他事業 |
1,570 |
△16.5 |
409 |
△35.6 |
|
合計 |
236,050 |
32.9 |
187,497 |
14.0 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自平成29年4月1日 至平成30年3月31日) |
前期比 (%) |
|
素形材・エネルギー事業(百万円) |
40,891 |
△20.1 |
|
産業機械事業(百万円) |
170,267 |
6.8 |
|
不動産その他事業(百万円) |
1,797 |
△4.6 |
|
合計(百万円) |
212,957 |
0.2 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積りを必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積りを行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 財政状態
1.総資産
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比221億18百万円増加し、2,974億33百万円となりました。これは主に、現金及び預金や受取手形及び売掛金などの流動資産が増加したためであります。
2.負債
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末比111億5百万円増加し、1,788億33百万円となりました。これは主に、前受金や事業再構築引当金などの流動負債が増加したためであります。なお、有利子負債は、前連結会計年度末比1億93百万円増の526億47百万円となりました。
3.純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末比110億13百万円増加し、1,186億円となりました。これは主に、利益剰余金が増加したためであります。
③ 経営成績
1.売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比4億87百万円(0.2%)増の2,129億57百万円となりました。これは、素形材・エネルギー事業が減少したものの、産業機械事業の増加が寄与したことによるものです。
2.売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度比77億27百万円(18.5%)増の495億1百万円となりました。
3.販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比12億50百万円(4.2%)減の281億82百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比89億77百万円(72.8%)増の213億18百万円となりました。営業利益率は、前連結会計年度比4.2ポイント増加し、10.0%となりました。
4.営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度比10億81百万円(82.5%)増の23億90百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度比52百万円(3.4%)増の15億92百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比100億6百万円(82.6%)増の221億17百万円となりました。経常利益率は、前連結会計年度比4.7ポイント増加し、10.4%となりました。
5.特別損益、税金等調整前当期純損益
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度比7億31百万円(782.1%)増の8億24百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度比99億95百万円(55.4%)減の80億49百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は148億92百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失58億41百万円)となりました。
6.親会社株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は、前連結会計年度比48億27百万円増の39億40百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は107億12百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失49億68百万円)となりました。また、当連結会計年度の1株当たり当期純利益金額は145.77円となりました。
④ 経営上の目標の達成状況
中期経営計画(JGP2017)最終年度である当連結会計年度における目標の達成状況は以下のとおりです。
<中期経営計画(JGP2017)における業績目標>
2015年度(平成28年3月期)にスタートした3ヵ年の中期経営計画(JGP2017)では、顧客のバリューチェーンの要衝においてトップシェアを目指す『グローバル&ニッチトップ企業グループへの飛躍』を当社グループが目指す企業像として位置付け、最終年度である2017年度(平成30年3月期)に達成すべき数値として売上高2,200億円以上、営業利益130億円以上、ROA3%以上、ROE8%以上を目標に設定し、業績向上に努めてまいりました。
<目標の達成状況>
|
|
JGP2017目標値 (平成30年3月期) |
2017年度実績 (平成30年3月期) |
|
売上高 |
2,200億円以上 |
2,129億円 |
|
営業利益 |
130億円以上 |
213億円 |
|
ROA |
3%以上 |
3.7% |
|
ROE |
8%以上 |
9.6% |
売上高は目標とした水準をほぼ達成し、営業利益は目標を大幅に上回り、ROAとROEについても目標を達成しました。
<基本方針の取り組み実績>
業績目標達成のため、JGP2017では「現有事業の収益力拡大」、「新製品・新規事業の育成・早期戦力化」、「グループ経営の強化とアライアンスの推進」を基本方針として掲げ、事業戦略を推進してまいりました。
|
3つの基本方針 |
取り組み実績 |
評価 |
|
現有事業の収益力拡大 |
・設備投資によるフィルム・シート製造装置や射出成形機の生産性向上とコスト改善を実現した。 ・サービス事業の拡大で収益性も改善した。 ・素形材・エネルギー事業は市況が厳しいが、固定費の圧縮で次年度黒字化に目途を立てた。 |
○ |
|
新製品・新期事業の育成・早期戦力化 |
・全般に新規事業の育成に遅れが生じた。 ・開発促進を図るため、2017年度下期に研究開発本部を新事業推進本部に組織改編した。 |
△ |
|
グループ経営の強化とアライアンスの推進 |
・広島製作所への経営資源の投入、関連会社収益力の向上、コーポレートガバナンスの強化をそれぞれ着実に推進した。 ・小規模事業買収は進むも、アライアンス強化への踏み込んだ取り組みが不十分だった。 ・室蘭再構築プロジェクトは着実に前進した。 |
△ |
⑤ 新中期経営計画(JGP2020)の策定
JGP2017が2017年度(平成30年3月期)で終了したことに伴い、当社グループは、2018年度(平成31年3月期)を初年度とする3ヵ年の新中期経営計画「JGP2020」をスタートさせました。
JGP2020の概要及び目標値につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題(2)経営戦略等」に記載のとおりであります。
(3)資本の源泉及び資金の流動性
① キャッシュ・フロー
○当連結会計年度の概要
|
|
平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
19,721 |
12,023 |
26,712 |
14,689 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
△12,135 |
△13,580 |
△5,077 |
8,503 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
4,788 |
△1,203 |
△2,457 |
△1,254 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 (百万円) |
△68 |
△26 |
30 |
56 |
|
現金及び現金同等物の増減額(百万円) |
12,306 |
△2,787 |
19,208 |
21,995 |
|
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 (百万円) |
- |
- |
- |
- |
|
現金及び現金同等物の期末残高 (百万円) |
61,458 |
58,671 |
77,879 |
19,208 |
|
借入金等及び社債の期末残高(百万円) |
51,341 |
52,453 |
52,647 |
193 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末比192億8百万円増加し、778億79百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
|
|
平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
42.72 |
37.53 |
38.61 |
39.35 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
58.49 |
44.50 |
47.89 |
83.88 |
|
債務償還年数(年) |
3.6 |
2.6 |
4.4 |
2.0 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
45.3 |
58.6 |
43.9 |
103.7 |
② 流動性と資金の源泉
当社グループは、現在及び将来の事業活動のための適切な水準の流動性を維持すると同時に、資本効率の最適化を重要な財務活動の方針としております。上記目的の為、日常的に運転資金の効率化活動を推進すると共に、投融資・設備投資にあたっては、資本効率向上の観点から厳選しております。
当社グループは、営業活動により創出されるキャッシュ・フローと現金及び現金同等物を内部的な資金の主な源泉と考えております。また、資金需要に応じて株式等の資本性証券や社債の発行及び金融機関からの借入も可能と考えております。
③ 財務政策
当社グループは現在、運転資金等の短期資金については、主として短期借入金により、当社及び各々連結子会社が調達しています。平成30年3月31日現在、1年以内に返済予定の長期借入金を除く短期借入金の残高は120億4百万円です。
これに対して、機械設備の新設などの有形固定資産の取得やアライアンスの推進等の長期資金については、原則として自己資本・長期借入金にて調達しております。平成30年3月31日現在、1年以内に返済予定のものを含む長期借入金残高は394億1百万円で、全て金融機関からの借入によるものであります。
借入金等の概要については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 ⑤連結附属明細表」のとおりであります。
当社グループは、引き続き財務の健全性を保ち、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出すことによって、当社グループの成長を維持するために、将来必要な運転資金、設備投資資金及びアライアンスの推進資金を調達することが可能と考えています。
○技術受入契約
|
契約会社名 |
相手先の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱日本製鋼所 |
BAE SYSTEMS |
米国 |
62口径5インチ砲Mk45 |
1.技術的知識、情報及びノウハウの提供 2.日本国内における独占的製造権及び販売権 |
平成28年5月12日から4年間 |
○賃借契約
|
契約会社名 |
相手先の名称 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
|
㈱日本製鋼所 |
日本通運㈱ |
工場建設敷地 |
事業用定期借地権設定契約 |
平成21年2月1日から49年間 |
|
○その他の契約等
|
契約会社名 |
相手先の名称 |
締結日 |
内容 |
||
|
㈱日本製鋼所 |
月島機械㈱ |
平成30年3月29日 |
両社の製造分野の協業に関する、当社室蘭製作所内の製造設備賃貸借及び機械加工に対する当社への業務委託、当社の大型圧力容器ほかについての製造委託に関する基本協定書 |
||
当連結会計年度の研究開発活動は、提出会社がその殆どを担っており、素形材・エネルギー事業及び産業機械事業を合わせて、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は43億69百万円であります。
提出会社は独創技術で変化を作り出し社会の発展に貢献する企業を目指し、自社技術による新製品及び生産技術の開発に努めるとともに、その早期戦力化を図るために積極的に多方面と技術提携、共同開発を推進しております。
また、研究開発のあり方として、①現有主力製品の高機能、高性能化、信頼性の向上、②保有するコア・差別化技術をベースとした新分野製品の開発・育成の推進、③グループ会社とのシナジー効果による新製品の開発・事業化の推進等を各事業部門、グループ会社が協力して推進しております。
グループ横断型の研究開発を促進し、現有製品の研究開発と新規事業の製品化を更に加速させるため、平成30年4月1日付で研究開発部門の一部について以下の組織改編を実施しました。
(1)研究開発や新規事業化に関わる研究開発テーマの企画、市場動向・技術動向の調査等を担当する技術戦略室を新事業推進本部に統合、機能移管しました。
(2)各研究所を製作所直下組織とした上で、広島及び横浜の両研究所は技術開発部に組織改編しました。
研究開発の基本方針は次のとおりであります。
(1)製品・新規事業化の推進は、新エネルギー・省エネルギー、情報・通信、ナノテク・材料、航空部材、新製造技術といった自社の事業に直結した技術分野の研究開発は新事業推進本部を中心に各事業部と連携して優先的に推進し、コア技術の拡大・高度化に注力して既存事業の発展・拡大に結びつける。
(2)未来技術、21世紀の社会ニーズを睨んだ基礎研究はもちろん、現有製品に関わる要素技術研究を推進し、将来の新製品、新事業のみならず現有製品の革新及び新たな展開に繋がる研究開発アイテムに発展させる。
(3)鉄鋼関連の製品開発においては、エネルギー分野への集中と多くのNo.1製品の更なる拡大を図るとともに、新規分野製品の事業化に取り組む。また、機械製品分野においては樹脂機械、IT装置をはじめとする産業機械の拡充を強力に推進し、M&A及びアライアンスをも念頭に置いた事業化構想を明確にして、経営資源の重点投資を行う。
セグメントの状況は次のとおりであります。
(素形材・エネルギー事業)
材料を中心とする鉄鋼関連の製品開発においては、天然ガス田パイプライン用クラッド鋼管、高効率火力発電用の大型鋳鍛鋼素材・高合金材料、次世代原子力発電用鍛鋼素材等の材料開発及び製造プロセス技術開発に取り組んでおり、既存製品の材料・要素技術高度化のための技術開発を実施しています。また、新エネルギー分野では水素ステーション用蓄圧器等の軽量化や信頼性向上のための材料・要素技術の開発、高度化を目指します。当連結会計年度中の研究開発費は13億28百万円であります。
(産業機械事業)
機械関連の製品開発においては、プラスチック成形機における高度成形加工技術開発、プラスチック押出機の高性能化、フィルム・シート製造装置の高機能化・高性能化、マグネシウム射出成形機の高性能化・低コスト化技術開発、圧縮機の高性能化・低コスト化、繊維強化樹脂複合材部品の製造装置の開発のほか、先端技術を導入・システム化したレーザーアニール装置及び他のレーザー応用装置、CVDやプラズマ応用装置の開発を実施しています。当連結会計年度中の研究開発費は30億41百万円であります。