(1)業績
当連結会計年度における海外経済は、中国経済の失速や資源価格下落に伴う新興国経済の停滞、英国の国民投票結果を受けた金融市場の混乱があったものの、その後、米国で大統領選後に政策期待が景況感を押し上げるなど、全体としては緩やかな景気回復が続きました。わが国経済においても、好調な企業収益や雇用・所得環境の改善を背景として、総じて緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループを取り巻く事業環境は、世界的な樹脂原料の需要伸長や自動車分野を中心とした樹脂製品需要の拡大により、産業機械事業が概ね良好に推移しましたが、原子力発電所向け部材の長期需要低迷や新興国メーカー等の台頭などにより、素形材・エネルギー事業では厳しい状況が続きました。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、一昨年5月に策定した平成29年度までの3ヵ年の中期経営計画(JGP2017)に沿って、顧客のバリューチェーンの要衝においてトップシェアを目指す「グローバル&ニッチトップ企業グループへの飛躍」を目標に、①現有事業の収益力拡大、②新製品・新規事業の育成・早期戦力化、③グループ経営の強化とアライアンスの推進を基本方針とした事業活動を推進してまいりました。
当社グループにおける当連結会計年度の業績につきましては、受注高は、素形材・エネルギー事業、産業機械事業がともに減少し、1,775億85百万円(前年同期比16.1%減)となりました。売上高は、産業機械事業が増加したものの、素形材・エネルギー事業の減少が影響し、2,124億69百万円(前年同期比4.9%減)となりました。損益面では、営業利益は123億40百万円(前年同期比14.4%減)、経常利益は121億11百万円(前年同期比14.3%減)となりました。また、素形材・エネルギー事業における事業環境等の更なる回復遅れ等に伴い、平成28年3月期の354億円に続き、室蘭製作所が保有する固定資産について178億円の減損処理を行ったことから、親会社株主に帰属する当期純損益は49億68百万円の損失(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失166億円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(素形材・エネルギー事業)
受注高は、風力発電機器の受注取消しを行ったことに加え、電力・原子力製品及びクラッド鋼板・鋼管が減少したこと等から、195億円(前年同期比51.0%減)となりました。
売上高は、前年同期に大型案件の売上があったクラッド鋼管が反動減となったことから、512億7百万円(前年同期比31.6%減)となりました。
営業損益は、減価償却費が減少したものの、クラッド鋼管の売上高の減少が影響し、営業損失27億94百万円(前年同期は営業利益6億99百万円)となりました。
(産業機械事業)
受注高は、樹脂製造・加工機械が増加したものの、前年同期に大型案件の受注があったレーザーアニール装置が反動減となったことから、1,562億4百万円(前年同期比7.0%減)となりました。
売上高は、樹脂製造・加工機械が堅調に推移したことに加え、成形機及びレーザーアニール装置が増加したことから、1,593億78百万円(前年同期比10.4%増)となりました。
営業利益は、売上高の増加及びコスト改善を主因として、151億83百万円(前年同期比22.5%増)となりました。
(不動産その他事業)
受注高は18億80百万円、売上高は18億83百万円、営業利益は9億59百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末比27億87百万円減少し、586億71百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、120億23百万円となりました。これは主に、減価償却費および減損損失が税金等調整前当期純損失を上回ったためです。なお、前年同期は197億21百万円の獲得でした。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、135億80百万円となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出があったためです。なお、前年同期は121億35百万円の支出でした。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、12億3百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入があった一方、配当金の支払による支出のほか、ファイナンス・リース債務の返済による支出等があったためです。なお、前年同期は47億88百万円の獲得でした。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自平成28年4月1日 至平成29年3月31日) |
前期比 (%) |
|
素形材・エネルギー事業(百万円) |
51,207 |
△31.6 |
|
産業機械事業(百万円) |
159,735 |
10.9 |
|
不動産その他事業(百万円) |
1,883 |
△53.9 |
|
合計(百万円) |
212,826 |
△4.5 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度(自平成28年4月1日 至平成29年3月31日) |
|||
|
受注高(百万円) |
前期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前期比 (%) |
|
|
素形材・エネルギー事業 |
19,500 |
△51.0 |
37,834 |
△45.6 |
|
産業機械事業 |
156,204 |
△7.0 |
125,933 |
△2.5 |
|
不動産その他事業 |
1,880 |
△52.7 |
637 |
△0.5 |
|
合計 |
177,585 |
△16.1 |
164,404 |
△17.5 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自平成28年4月1日 至平成29年3月31日) |
前期比 (%) |
|
素形材・エネルギー事業(百万円) |
51,207 |
△31.6 |
|
産業機械事業(百万円) |
159,378 |
10.4 |
|
不動産その他事業(百万円) |
1,883 |
△53.9 |
|
合計(百万円) |
212,469 |
△4.9 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)経営方針
当社グループは、次のビジョンと経営理念を掲げ、企業活動に取り組んでおります。
|
<ビジョン> ・独創技術で変化を創り出し社会の発展に貢献する企業 <経営理念> ・顧客に驚きと感動を与え続ける ・社会との共生を図り、継続的に利益を実現する ・変わり続ける意識を持つ |
また、企業活動における基本原則として、行動基準を次のとおり定めております。
|
<企業行動基準> ・信頼される製品・技術・サービスの開発・提供 ・倫理・法令の遵守 ・公正・透明な事業活動 ・国際社会のルール遵守 ・反社会的勢力との対決 ・企業情報の開示 ・従業員を尊重、安全・良好職場環境確保 ・環境保全への取組み ・経営トップによる体制の整備 ・経営トップによる問題解決・厳正処分 |
(2)経営戦略等
当社グループは、2017(平成29)年度を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画「JGP2017」を推進しております。
(1) 当社グループが目指す企業像と数値目標は以下のとおりであります。
JGP2017では、①現有事業の収益力拡大、②新製品・新規事業の育成・早期戦力化、③グループ経営の強化とアライアンスの推進を基本方針として掲げ、事業戦略を推進しております。
(2) セグメント毎の実績と事業戦略について
JGP2017の2年目である2016年度につきましては、産業機械事業が受注好調を背景に増収・増益を達成した一方で、素形材・エネルギー事業は前年度に大口売上のあったクラッド鋼管の反動減に加え操業悪化等に伴い減収・減益となりました。この結果、グループ全体では前年度比で減収・減益となりました。
セグメント毎の事業戦略は次のとおりです。
① 素形材・エネルギー事業
「守りの経営」による緩やかな事業伸長とポストJGP2017における再成長を睨んだ布石を打つことを目指し、以下の施策に取り組んでおります。
JGP2017の2年目である2016年度は、電力・原子力関連製品やクラッド鋼板・鋼管の受注低迷が響き、売上高・営業損益とも業績予想を下回る結果となりました。また、こうした受注低迷を背景として、前年度に引続き、室蘭製作所の生産設備について178億円の減損処理を実施いたしました。
2017年度の売上高は昨年度を下回り、営業損益も赤字が残る予想ですが、室蘭製作所のコスト構造改革を確実に進め、2018年度には損益黒字化を図ります。さらに、既存事業の基盤強化を図りつつ、中期的には新分野における事業展開を推進して製品ポートフォリオの見直しを進めてまいります。
② 産業機械事業
「攻めの経営」による成長機会の発掘と事業伸長の加速を目指し、以下の施策に取り組んでおります。
JGP2017の2年目である2016年度は、売上高・営業利益ともに、中期経営計画最終年度目標値を1年前倒しで達成いたしました。特に、前年度に受注が好調であったリチウムイオン電池用セパレータフィルム製造用途のフィルム・シート装置や、高精細液晶パネル、有機ELパネル製造用途のレーザーアニール装置が売上・利益の拡大に寄与しております。
2017年度においても、レーザーアニール装置は売上高減少を見込むものの、樹脂製造・加工機械や成形機においては受注が堅調に推移しており、売上高、営業利益とも中計目標値を達成できる見通しです。
(3) 新製品・新規事業の育成・早期戦力化について
中長期的な当社グループの事業領域拡大を図るため、新製品・新規事業を育成すべく以下の分野・テーマについて研究開発を行なっております。固有技術を活かして自動車分野を中心に各伸長分野への展開を推進しています。
また、他社との連携・アライアンスも活用しながら、引き続き早期事業化へ向けた活動を推進してまいります。
(4) グループ経営の強化とアライアンスの推進について
グループ経営の強化とアライアンスの推進については、2015年度から2016年度にかけて、上記の取組みや成果がありました。特に、「広島製作所工場再配置」や「同時二軸延伸機事業の買収」に関しては、産業機械事業の足元での業容拡大に大きく寄与しております。また、グループ関連会社の収益力強化に努め、連結収益の拡大に貢献しております。
引き続き、室蘭再構築プロジェクトの継続推進をはじめ、上記施策を更に推し進め、シナジー効果の最大化を追求してまいります。
(3)今後の見通し
今後の経済見通しにつきましては、海外経済は米国・欧州をはじめとする先進国を中心に緩やかな回復が続くと見込まれるものの、原油ほか資源価格の下落や欧州においては政治動向を受けた金融市場の動揺などの不安材料が残ります。わが国経済も緩やかな回復基調で推移すると予想されますが、中国経済の景気減速や米国の通商政策による輸出企業への影響、東アジアにおける地政学リスクの高まりなど、先行きに対しては不透明感が生じております。
このような中、当社グループにつきましては、素形材・エネルギー事業では、電力・原子力製品の需要回復遅れの更なる長期化が予想され、厳しい事業環境が継続すると見込まれますが、黒字化達成に向け、引き続き事業基盤の再構築と新規事業の育成に取り組んでまいります。また、産業機械事業においては、中国をはじめとする海外市場を中心に、更なる成長機会を発掘し事業伸長を加速させてまいります。
(4)株式会社の支配に関する基本方針について
(1) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者が、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保・向上させる者であるか否かの判断は、最終的には当社株主の総体意思に基づき行われるべきものであると考えます。
しかしながら、外部者である買収者から買収の提案を受けた際に、当社株主の皆様が当社の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果その他当社の企業価値を構成する要素を十分に把握した上で、当該買収が当社の企業価値及び株主共同の利益に及ぼす影響を短期間のうちに適切に判断することは必ずしも容易でないものと思われます。したがいまして、当社株主の皆様に買収の提案の内容を検討するための十分な情報や時間を提供せずに、当社株式の大量取得や買収の提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては不適切であると考えます。
また、買収提案の中には、その目的等から見て当社の企業価値及び株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすものや当社株主の皆様に当社株式の売却を事実上強要するもの等もあります。当社は、このような買収提案を行う者についても、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
(2) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、平成29年5月15日開催の当社取締役会において、当社株券等の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)を更新することを決議し、同年6月27日開催の当社第91回定時株主総会にて株主の皆様のご承認をいただきました(以下、更新後の対応策を「本プラン」といいます。)。
なお、本プランの詳細内容につきましては、当社ホームページ(http://www.jsw.co.jp/)ニュースに記載する平成29年5月15日付「当社株券等の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」をご参照ください。
① 本プランの目的
本プランは、当社株券等に対する買付けもしくはこれに類似する行為又はその提案(以下、「買付等」といいます。)が行われる場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断するためにあるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保すること、又は場合により株主の皆様のために買付者又は買付提案者(以下、「買付者等」といいます。)と交渉を行うこと等を可能とすることで、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的としております。
② 本プランの概要
1.本プランの発動に係る手続の設定
本プランは、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、買付者等に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求める等、上記①「本プランの目的」を実現するために必要な手続を定めています。
2.新株予約権の無償割当てと独立委員会の利用
買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う等、買付者等による買付等が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく害するおそれがあると認められる場合には、当社は、当該買付者等による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(以下、「本新株予約権」といいます。)を、その時点の当社を除く全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法により割り当てます。なお、当社は、当該買付者等が有する本新株予約権の取得の対価として金銭を交付することは想定しておりません。
本新株予約権の無償割当ての実施、不実施又は取得等の判断については、独立委員会規則を定め、当該規則に従い、当社経営陣から独立した社外の有識者(実績ある会社経営者、官庁出身者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士及び学識経験者等)で構成される独立委員会を設置し、その判断を経ることで、当社取締役会の恣意的判断を排するとともに、株主の皆様に適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。
3.本新株予約権の行使及び当社による本新株予約権の取得
仮に、本プランに従って本新株予約権の無償割当てがなされた場合で、買付者等以外の株主の皆様による本新株予約権の行使により、又は当社による本新株予約権の取得と引換えに、買付者等以外の株主の皆様に対して当社株式が交付された場合には、当該買付者等の有する当社株式の議決権割合は、最大50%まで希釈化される可能性があります。
(3) 具体的取組みに対する取締役会の判断及びその理由
当社の中期経営計画やコーポレート・ガバナンス強化のための施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させるための具体的な方策として策定されたものです。したがって、当社の基本方針に沿うものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
本プランは、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるための枠組みであり、当社の基本方針に沿うものです。また、当社第91回定時株主総会において株主の皆様の承認を得ていること、本新株予約権の無償割当て実施の是非についても株主意思を重視する仕組みになっていること、独立性の高い社外の有識者から成る独立委員会が設置され、本新株予約権の無償割当ての実施には必ず独立委員会の判断を経ることになっていること、合理的な客観的要件が充足されなければ本新株予約権の無償割当は実施されないこと等により、その公正性・客観性が担保されており、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業の特徴
当社グループの業績は、国内外の民間企業、官公庁等向けの販売が主であるため、景気や民間企業の設備投
資、海外等における国家的プロジェクト、官公庁の公共投資等の動向により影響を受ける可能性があります。
(2)設備投資リスク
当社グループは、世界的な資源・エネルギー需要の逼迫、CO2排出削減やクリーンエネルギーへの転換を受けて、石油精製や天然ガス開発関連部材、原子力を含む発電用部材の安定供給に向けた大規模な設備投資を実施いたしました。原子力発電所事故等に起因した各国の原子力政策の停滞・遅延・変更等、あるいは劇的な資源・エネルギー需要の転換が起こった場合、当社グループの設備の稼働率低下等により、業績に影響を受ける可能性があります。
(3)原材料・部品等の調達
当社グループの製品は受注から売上までに比較的長期間を要するため、当社グループの業績は、この間の原
材料・部品等の価格変動により影響を受ける可能性があります。
(4)品質管理・製造物責任
当社グループは、主にメーカーとして客先仕様に基づく製品を受注し製造・販売しているため、製品の性能不良や欠陥等の瑕疵担保責任に起因する損害賠償等の負担により業績に影響を受ける可能性があります。また、製造物責任に起因する損害賠償については、生産物賠償責任保険及び企業包括賠償責任保険に加入しておりますが、損害賠償額が保険金額を上回る等の場合は業績に影響を受ける可能性があります。
(5)為替レートの変動リスク
当社グループの製品は、輸出比率が毎年度50%程度で推移しており、製品の受注から売上までの期間は比較的長期間を要するほか、原材料の輸入等海外調達の一部において外貨建取引を行っております。従って、当社グループの業績は、受注から売上までの間の為替動向により、受注時点の予想に比べて売上時点の損益に相違が生じ、影響を受ける可能性があります。
また、為替レートにより海外競合企業との相対的競争力が変動し、当社グループの業績や財政状況に影響を受ける可能性があります。
(6)有価証券の価格変動リスク
当社グループは、投資有価証券(含む年金資産)を保有しておりますが、内外経済の状況、証券市場における市況の悪化及び発行会社の財政状態の変化などにより、投資有価証券の価格が変動し、当社グループの業績や財政状況に影響を受ける可能性があります。
(7)環境保全
当社グループは、環境汚染防止、省エネルギー、省資源等環境負荷低減に取り組むとともに、関連法令等の遵守など環境マネジメントの徹底に取り組んでおりますが、関連する法令に大幅な変更があった場合、あるいは不測の事態等により環境汚染が発生した場合は事業に影響を受ける可能性があります。
(8)カントリーリスク
当社グループの輸出比率は50%程度で推移しており、また生産も一部海外に委託しているため、グループの業績は、関係各国(仕向地国、支払保証国、及び投資先国)における紛争やテロの発生、政情の悪化、天災、経済状況の変動並びに予期せぬ法律や規制の変更などの影響を受ける可能性があります。
(9)技術受入契約
当社グループは、主に自らの研究開発・技術展開により製品の製造・販売をしていますが、一部製品については、海外企業との技術受入契約に基づいて製造・販売しているものがあります。これら製品については、当該企業との契約条件や事業戦略等により業績に影響を受ける可能性があります。
(10)退職給付債務及び費用の変動リスク
退職給付債務及び費用は数理計算上設定した前提条件に基づき算出しており、実際の結果が前提条件と異なった場合及び前提条件が変更された場合には、当社グループの業績や財政状況に影響を受ける可能性があります。
(11)石綿(アスベスト)問題
当社グループは、従業員及び元従業員において、過去の石綿含有製品の使用作業に起因すると思われる健康障害事例が36件発生しております。石綿関連救済にかかる法令改正及び健康障害事例件数等が大幅に増加した場合には、業績に影響を受ける可能性があります。
(12)自然災害等による影響
当社グループは、国内外に製造拠点を有しておりますが、大規模地震や台風等の自然災害が発生した場合、操業に支障が生じ、業績に影響を受ける可能性があります。
○技術受入契約
|
契約会社名 |
相手先の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱日本製鋼所 |
BAE SYSTEMS |
米国 |
62口径5インチ砲Mk45 |
1.技術的知識、情報及びノウハウの提供 2.日本国内における独占的製造権及び販売権 |
平成28年5月12日から4年間 |
○賃借契約
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契約会社名 |
相手先の名称 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
|
㈱日本製鋼所 |
日本通運㈱ |
工場建設敷地 |
事業用定期借地権設定契約 |
平成21年2月1日から49年間 |
|
当連結会計年度の研究開発活動は、提出会社がその殆どを担っており、素形材・エネルギー事業及び産業機械事業を合わせて、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は42億37百万円であります。
提出会社は「素材とメカトロニクス」企業として「グローバル&ニッチトップ企業グループ」を目指し、自社技術による新製品及び生産技術の開発に努めるとともに、その早期戦力化を図るために積極的に多方面と技術提携、共同開発を推進しております。
また、研究開発のあり方として、①現有主力製品の高機能、高性能化、信頼性の向上、②保有するコア・差別化技術をベースとした新分野製品の開発・育成の推進、③グループ会社とのシナジー効果による新製品の開発・事業化の推進等を各事業部門、グループ会社と協力して主に研究開発本部が推進しております。
なお、研究開発本部は、本部(本社)、室蘭研究所(室蘭製作所内)、広島研究所(広島製作所内)及び横浜研究所(横浜製作所内)からなっております。
研究開発の基本方針は次のとおりであります。
1.製品・新規事業化の推進は、新エネルギー・省エネルギー、情報・通信、ナノテク・材料、新製造技術といった自社の事業に直結した技術分野の研究開発を事業部と連携して優先的に推進し、コア技術の拡大・高度化に注力して既存事業の発展・拡大に結びつける。
2.未来技術、21世紀の社会ニーズを睨んだ基礎研究はもちろん、現有製品に関わる要素技術研究を推進し、将来の新製品、新事業のみならず現有製品の革新及び新たな展開に繋がる研究開発アイテムに発展させる。
3.鉄鋼関連の製品開発においては、エネルギー分野への集中と多くのNo.1製品の更なる拡大を図るとともに、新規分野製品の事業化に取り組む。また、機械製品分野においては樹脂機械、IT装置をはじめとする産業機械の拡充を強力に推進し、M&A及びアライアンスをも念頭に置いた事業化構想を明確にして、経営資源の重点投資を行う。
セグメントの状況は次のとおりであります。
(素形材・エネルギー事業)
材料を中心とする鉄鋼関連の製品開発においては、天然ガス田パイプライン用クラッド鋼管、高効率火力発電用の大型鋳鍛鋼素材・高合金材料、次世代原子力発電用鍛鋼素材、高機能性非鉄合金等の材料開発及び製造プロセス技術開発に取り組んでおり、既存製品の材料・要素技術高度化のための技術開発を実施しています。また、新エネルギー分野では水素ステーション用蓄圧器等の軽量化や信頼性向上のための材料・要素技術の開発、また風力発電事業に向けた信頼性に関連する種々の解析技術の確立や各種要素技術の高度化を目指します。当連結会計年度中の研究開発費は12億74百万円であります。
(産業機械事業)
機械関連の製品開発においては、プラスチック成形機における高度成形加工技術開発、プラスチック押出機の高性能化、フィルム成形機の高機能化・高性能化、マグネシウム射出成形機の高性能化・低コスト化技術開発、圧縮機の高性能化・低コスト化、繊維強化樹脂複合材部品の製造装置の開発のほか、先端技術を導入・システム化したTFT液晶製造用レーザーアニール装置及び他のレーザー応用装置、CVDやプラズマ応用装置の開発を実施しています。当連結会計年度中の研究開発費は29億63百万円であります。
(1)財政状態
① 総資産
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比178億23百万円減少し、2,753億15百万円となりました。これは主に、室蘭製作所が保有する固定資産について減損処理を実施したことにより、有形固定資産が減少したことに加え、現金及び預金や受取手形及び売掛金などの流動資産が減少したためであります。
② 負債
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末比140億70百万円減少し、1,677億27百万円となりました。これは主に、前受金や風力事業損失引当金などの流動負債が減少したためであります。なお、有利子負債は、前連結会計年度末比11億12百万円増の524億53百万円となりました。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末比37億53百万円減少し、1,075億87百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が減少したためであります。
(2)経営成績
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比108億31百万円(4.9%)減の2,124億69百万円となりました。これは、産業機械事業が増加したものの、素形材・エネルギー事業の減少が影響したことによるものです。
② 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度比23億30百万円(5.3%)減の417億73百万円となりました。
③ 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比2億47百万円(0.8%)減の294億32百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比20億82百万円(14.4%)減の123億40百万円となりました。営業利益率は、前連結会計年度比0.7ポイント減少し、5.8%となりました。
④ 営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度比1億81百万円減の13億9百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度比2億49百万円減の15億39百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比20億14百万円(14.3%)減の121億11百万円となりました。経常利益率は、前連結会計年度比0.6ポイント減少し、5.7%となりました。
⑤ 特別損益、税金等調整前当期純損益
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度比1億50百万円減の93百万円となりました。特別損失は、室蘭製作所が保有する固定資産について178億円の減損損失を計上したものの、前連結会計年度においても354億円の減損損失を計上していたことなどにより、前連結会計年度比183億73百万円減の180億45百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は58億41百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失220億49百万円)となりました。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は、前連結会計年度比47億52百万円増の△8億87百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は49億68百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失166億円)となりました。また、当連結会計年度の1株当たり当期純損失金額は67.61円となりました。
(3)流動性及び資金の源泉
① キャッシュ・フロー
○当連結会計年度の概要
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平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
増減 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
11,580 |
19,721 |
12,023 |
△7,698 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
△2,675 |
△12,135 |
△13,580 |
△1,445 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
△2,964 |
4,788 |
△1,203 |
△5,992 |
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現金及び現金同等物に係る換算差額 (百万円) |
415 |
△68 |
△26 |
42 |
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現金及び現金同等物の増減額(百万円) |
6,356 |
12,306 |
△2,787 |
△15,904 |
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新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 (百万円) |
498 |
- |
- |
- |
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現金及び現金同等物の期末残高 (百万円) |
49,152 |
61,458 |
58,671 |
△2,787 |
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借入金等及び社債の期末残高(百万円) |
41,346 |
51,341 |
52,453 |
1,112 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末比27億87百万円減少し、586億71百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「1.業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
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平成26年3月期 |
平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
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自己資本比率(%) |
47.09 |
42.72 |
37.53 |
38.61 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
58.48 |
58.49 |
44.50 |
47.89 |
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債務償還年数(年) |
3.6 |
3.6 |
2.6 |
4.4 |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
26.5 |
45.3 |
58.6 |
43.9 |
② 流動性と資金の源泉
当社グループは、現在及び将来の事業活動のための適切な水準の流動性を維持すると同時に、資本効率の最適化を重要な財務活動の方針としております。上記目的の為、日常的に運転資金の効率化活動を推進すると共に、投融資・設備投資にあたっては、資本効率向上の観点から厳選しております。
当社グループは、営業活動により創出されるキャッシュ・フローと現金及び現金同等物を内部的な資金の主な源泉と考えております。また、資金需要に応じて株式等の資本性証券や社債の発行及び金融機関からの借入も可能と考えております。
③ 財務政策
当社グループは現在、運転資金等の短期資金については、主として短期借入金により、当社及び各々連結子会社が調達しています。平成29年3月31日現在、1年以内に返済予定の長期借入金を除く短期借入金の残高は119億8百万円です。
これに対して、機械設備の新設などの有形固定資産の取得やアライアンスの推進等の長期資金については、原則として自己資本・長期借入金にて調達しております。平成29年3月31日現在、1年以内に返済予定のものを含む長期借入金残高は391億16百万円で、全て金融機関からの借入によるものであります。
借入金等の概要については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 ⑤連結附属明細表」のとおりであります。
当社グループは、引き続き財務の健全性を保ち、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出すことによって、当社グループの成長を維持するために、将来必要な運転資金、設備投資資金及びアライアンスの推進資金を調達することが可能と考えています。