世界の鉄鋼需要は、長期的に拡大していく見通しです。また、IT(AI・IoT・ビッグデータ等)の急速な進歩、自動車の車体軽量化・高強度化ニーズの高まりやEV等の新エネルギー車の普及など、社会や産業が大きく変化しようとしています。一方、国連で「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択され、「パリ協定」が発効するなど、持続可能な社会の実現に対する企業の貢献が期待されています。
鉄はコスト優位性に加え、多様な特性と無限の可能性、何度でも何にでも再生利用できるリサイクル性、ライフサイクルでの環境負荷の低さなど、他の素材に比べ大きな優位性があり、あらゆる産業・インフラに必要不可欠な基礎素材です。従い鉄鋼業は、これからも長い将来に亘り社会の発展に大きな役割を果たします。
このような社会や産業の変化の「メガトレンド」や鉄の果たし得る役割を踏まえ、当社が取り組むべき中長期の課題は次の5つと捉えております。
● 社会・産業の変化に対応した素材とソリューションの提供
● グローバル事業展開の強化・拡大
● 国内マザーミルの「つくる力」の継続強化
● 鉄鋼製造プロセスへの高度ITの実装
● 持続可能な社会の実現への貢献(SDGs)
当社は前述の課題に取り組むことにより、技術力、コスト競争力、グローバル対応力をより強化し、「鉄を極める」ことで、総合力世界No.1の鉄鋼メーカーに向け進化を続けます。
これを実現するため、「2020年中期経営計画(2018~2020年の3カ年計画及び2021年以降の長期にわたる施策検討・着手)」を策定しており、そのなかで当社の経営方針・経営戦略等をまとめております。その概要については以下のとおりです。
<2020年中期経営計画(平成30年3月2日公表)>
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新日鐵住金グループの中期経営計画について ~つくる力を鍛え、メガトレンドを捉え、鉄を極める~
1.社会・産業の変化に対応した素材とソリューションの提供 素材に求められる特性は、自動車分野での軽量化・電動化の進展や、電子材料分野での更なる軽・薄・短・小化と信頼性向上などのニーズを背景に、多様化・高度化しています。これに対し当社は、お客様ニーズの変化に対応した素材開発、及び利用加工技術等のソリューション提供を拡大します。例えば、ハイテン鋼板、高効率電磁鋼板、高耐食シームレス鋼管、高圧水素用材料、高強度軌条等の高級鋼の安定供給や更なる機能向上によりお客様をサポートします。これらを通じお客様の価値創造に貢献し、売上の拡大を図ります。 また、当社の非鉄素材事業(化学・新素材)が持つ技術・商品と、鉄との有機的な連携により、お客様のマルチマテリアル化ニーズに応えます。この取り組みの進化を図るために、新日鉄住金化学(株)と新日鉄住金マテリアルズ(株)を統合し、総合的材料ソリューション提案力を強化します。(2018 年10 月統合予定)
2.グローバル事業展開の強化・拡大 当社が有する商品技術力・コスト競争力及びグローバル供給ネットワークを最大限活かし、国内外における自動車、資源・エネルギー、インフラ各分野での鋼材供給を拡大します。 特に伸長する海外需要に対しては、国内からの高級鋼を中心とした輸出と、現地生産を担う海外事業会社による供給により対応します。また、インフラ需要等が伸長する地域への鋼材供給を拡大するために、保護主義の拡大や自国産化への備えの観点からも、鉄源から一貫した生産拠点を拡充します。現在、Arcelor Mittal 社とインドの一貫鉄鋼メーカーであるEssar Steel India Limited の共同買収に取り組んでいます。 これらを実行するために、今後も有力企業との協業やM&A に機動的かつ柔軟に取り組みます。 |
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3.国内マザーミルの「つくる力」の継続強化 国内マザーミルは「つくる力」を強化し、技術開発並びにコスト・生産性改善の拠点として進化を続け、国内外への鋼材の安定供給と海外事業の支援を行っていきます。 (1) 「設備」と「人」のさらなる強化 「設備」の強化については、2017 年中期計画にて増額した設備投資をさらに年1,000 億円規模増額し、積極的に高炉・コークス炉等の設備リフレッシュや新鋭設備の導入を推進します。これらにより安定生産、生産性向上、コスト改善等の効果を拡大します。 「人」の強化については、2017 年中期計画にて増加させた採用規模を維持し、技能伝承・教育を推進します。また、人口減少による人手不足に的確に対応すべく、省力化対策(IT 活用、自動化・無人化)を並行して実施します。 (2) 最適生産体制の構築 事業環境変化に柔軟に対応し得る強靭な製造体制の確立に向けて、最適生産体制の構築を進めます。2017 年中期計画で実施してきた、圧延・表面処理設備の集約、君津製鐵所の第3 高炉休止に加え、本中期計画においては、以下の対策を実行します。 ①八幡製鐵所での新鋭連続鋳造設備稼働(2019 年度~)により、小倉地区の鉄源設備(高炉、製鋼)を計画通り2020 年度末を目途に休止します。なお、小倉地区での特殊鋼棒線製品の生産は現行水準を維持します。(既公表) ②和歌山製鐵所第5高炉から稼働待機中の新第2高炉への切替えを、2018 年度末頃に実施します。これにより粗鋼生産能力は50 万t/年増加します。また、同製鐵所構内にある日鉄住金スチール㈱の製鋼工場について、2019 年度末を目途に休止し、当社和歌山製鐵所からの鋼片供給に移行します。 ③君津製鐵所小径シームレス鋼管工場(旧:東京製造所)を2020 年5 月目途に休止し、和歌山製鐵所海南地区に生産を集約します。
4.世界をリードする技術開発の推進、高度IT(AI・IoT・BigData等)の活用 鉄鋼業で世界最大規模(研究員約800 名)・世界最高水準の技術開発力を活かし、変革のキードライバーとなる技術開発を推進します。具体的には、お客様のニーズ変化を先取りする高機能商品(例:軽量・高強度・高耐食・低電力損失)、設計・加工技術、鉄鋼製品によるライフサイクル(製造~使用~リサイクル)での環境負荷ミニマム化等の技術開発を推進し、鉄を極め世界をリードし続けます。 さらに近年の事業運営においては、日々進歩するIT の活用が、企業の競争力を左右する重要要素となっています。当社はグループ内にシステムソリューション事業(新日鉄住金ソリューションズ(株))を持つ強みを活かし、高度IT(AI・IoT・BigData 等)を積極的に活用し、安全かつ競争力のあるユニバーサルな製造現場、安定生産、品質の向上、及び業務の高度化を実現します。
5.グループ事業体制の強化 鉄を基軸とした素材とソリューションを通じて、より高い価値をお客様・社会に提供するために、グループ各社の連携を強化し総合力を高めます。 また、更なるグループ内での再編や「選択と集中」を進めます。 (1) 日新製鋼(株) シナジー発揮 2017年3月に子会社化した日新製鋼㈱との間で2020年度末までに200億円/年のシナジーを発揮します。さらに、薄板・ステンレス等の各品種事業及び鉄源生産での連携施策を一層拡大します。また、当社高炉長寿命化技術の適用により呉製鉄所第1高炉の改修を2019年度末から2023年度末を目途に繰り延べました。 (2) 製鉄事業と化学・マテリアル統合会社の連携を通じ、自動車や電池等の先端ニーズへの対応力を強化する等、事業戦略の進化を図ります。 (3) エンジニアリング事業においても各事業の競争力強化とグループ連携の強化に取り組むとともに、他社とのシナジーを追求する視点から、新日鉄住金エンジニアリング(株)は東洋エンジニアリング(株)との包括連携も活かして収益力拡大に取り組みます。
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(4) システムソリューション事業のさらなる成長、当社グループ IT 基盤の強化 新日鉄住金ソリューションズ(株)では、「IoX ソリューション事業推進部(2016 年4 月設置)」、「AI 研究開発センター(2017 年10 月開設)」の活用を通じて、IoT、AI 分野におけるお客様へのソリューション提供を拡大しています。また、当社グループ内に同社を持つ強みを活かし、当社グループのIT 基盤強化・高度IT 活用に取り組みます。
6.経営資源の積極的投入による成長の実現 (1) 国内設備投資 「設備」の強化に資する、高炉・コークス炉改修を含む設備の新鋭化・健全性維持、及び成長分野の需要捕捉に向けた生産対応等を推進するために、2017 年中期計画に対し3 年間で約3,500 億円を増額した、約17,000 億円の設備投資を実施します。 (2) 事業投資 国内外の品種・分野・地域毎の事業展開や原料権益の獲得等の成長投資に加え、M&A の実行に備え、投資規模を3 年間で約6,000 億円とします。 (3) 採用 「人」の強化として、2017 年中期計画と同規模の1,100 人/年程度を採用します。
なお、上記資源投入の実行と併せて、グループ全体の「選択と集中」を更に進めて、資産圧縮 (約1,000 億円/3 ヵ年)を行い、上記成長投資の財源の一部に充当します。
7.収益・財務体質目標、株主還元
(*)2018年度決算よりIFRS(国際財務報告基準)移行予定 事業利益=税金等調整前当期純利益-負担金利-個別開示項目 (個別開示項目とは、当社グループの営業活動と関連が低く金額的影響が大きい非定常的項目)
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8.社会から信頼される企業に向けた取り組み (1) 新日鐵住金グループ企業理念(基本理念) 新日鐵住金グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献します。 (2) 当社のものづくり価値観は、第一に「安全・環境・防災」、第二に「品質」、第三に「生産」、そして「コスト、収益」の優先順位です。過去のトラブル・事故の教訓を風化させることなく、適切なリスク管理、未然防止対策に継続して取り組みます。 (3) 関連法規を遵守し、財務報告の信頼性と業務の有効性・効率性を確保するため、内部統制システムを整備し適切に運用するとともに、その継続的改善に努めます。 (4) 業務の標準化・効率化と IT の活用拡大によって業務運営を刷新し、「働き方改革」を実現します。 (5) 当社が考える3つのエコ(エコプロセス、エコプロダクツ®、エコソリューション)と、革新的な技術の開発(COURSE50 等)を通じ、循環型社会の確立、環境保全を推進します。
新日鐵住金グループは、社会から信頼される企業であり続けるために、上記の取り組みを継続します。 |
(経営環境及び対処すべき課題)
平成30年度の経営環境については、以下のように認識しております。
世界経済は、米国、欧州ともに景気の回復傾向が継続し、中国において景気の堅調な推移が見込まれ、新興国において引き続き緩やかな景気回復が想定されることから、各国の政治情勢等に起因する不透明感は残るものの、全体として回復基調が継続するものと期待されます。
日本経済は、雇用環境の着実な改善により、引き続き緩やかな回復が見込まれます。
国内鉄鋼需要については、自動車向けや産業機械向けを中心に、堅調に推移するものと見込まれます。海外鉄鋼需要については、引き続き緩やかな伸長が継続するものと見込まれます。また、国際鉄鋼市況については、引き締まった需給環境の継続が想定される一方、米国をはじめとする各国の保護主義的な政策に伴う影響への懸念等もあることから、引き続き今後の動きを注視していく必要があります。
こうしたなか、当社は、鋼材需給動向や原料価格動向等に引き続き注意を払うとともに、コスト改善施策を着実に実行してまいります。そのうえで、「再生産可能な適正価格」の実現に加え、原料炭を中心とする主原料価格の高騰、並びにスクラップ・合金等の副原料価格、資材費、物流費等の上昇を受けたコストアップを踏まえた鋼材価格の改定について、需要家の皆様に御理解いただけるよう丁寧な対応を継続していく所存です。
平成30年度の業績見通しについては、主原料価格及び鋼材価格の動向が不透明であること等から、現時点では当社として合理的な算定・予想を行うことができません。従いまして、平成30年度の業績予想については未定とし、合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示致します。
当社グループは、本年3月に策定した「2020年中期経営計画」の目標に向かい、諸施策を実行してまいります。当社グループは、本中期経営計画の実行を通じ、国内マザーミルの「つくる力」を引き続き強化するとともに、ITの急速な進歩、自動車の車体軽量化・高強度化ニーズの高まりやEV等の新エネルギー車の普及等、社会や産業の大きな変化の「メガトレンド」を捉え、当社の強みである技術力、コスト競争力、グローバル対応力をさらに磨いて「鉄を極める」ことで、総合力世界No.1の鉄鋼メーカーに向けて進化を続けてまいります。
(注) 上記(経営環境及び対処すべき課題)の記載には、平成30年4月26日決算発表時点の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測や目標が含まれている。実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性がある。
(財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に関する事項)
当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を次のとおり定めております。
<当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容>
当社グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて社会の発展に貢献することを企業理念に掲げ、この理念に基づき経営戦略を立案・遂行し、競争力・収益力を向上させることにより、企業価値ひいては株主共同の利益の向上を目指しております。
この企業理念・経営戦略が当社株式の大量買付け行為等によってゆがめられ、当社の存立・発展が阻害されるおそれが生じるなど、企業価値が毀損され、ひいては株主共同の利益が損なわれることのないよう、当社は、必要な措置を講じることと致しております。
当社は、第三者から当社株式の大量買付け行為等の提案(以下、「買収提案」といいます。)がなされた場合、これを受け入れるか否かの最終的な判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきものと考えております。他方で、買収提案の中には、当社の企業価値や株主共同の利益に対し明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に当社株式の売却を事実上強要することとなるおそれのあるもの等が含まれる可能性があると考えております。
従って、当社は、第三者から買収提案がなされた場合に株主の皆様にこのような不利益が生じることがないよう、明確かつ透明性の高いルールを備え置き、実際に買収提案がなされた場合には、株主の皆様が必要な情報と相当な検討期間をもって適切な判断(インフォームド・ジャッジメント)を行えるよう環境を整えることが当社取締役会の責務であると考え、『株式の大量買付けに関する適正ルール』(以下、「適正ルール」といいます。)を導入しております。
<基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要>
当社は、株主共同の利益の確保・向上を目的に、適正ルールを平成18年3月に取締役会決議をもって導入しておりますが、適正ルール導入から10年が経過した平成28年3月に、改めて適正ルールの必要性を確認するとともに、その信頼性・法的安定性を一層高めることができるよう、その導入・更新等について事前に株主の皆様の賛同を必要とする仕組みに変更することとし、同年6月24日開催の第92回定時株主総会において、この変更等を反映した適正ルールについて、株主の皆様の御承認をいただきました。御承認をいただいた適正ルールの概要は、以下(1)から(3)のとおりです。
(1)買収提案者による必要情報の提出と取締役会における検討等
当社取締役会は、当社の株券等を議決権割合で15%以上取得しようとする者(以下、「買収提案者」といいます。)から適正ルールに定める情報(以下、「必要情報」といいます。)がすべて提出された場合、当該買収提案者からの買収提案が当社の企業価値及び株主共同の利益の最大化に資するか否かを検討致します(検討期間は原則12週間)。
(2)株主意思の確認手続き
当社取締役会は、原則として、上記検討期間の満了後、買収提案を受け入れるか否かを株主の皆様に御判断いただくため、新株予約権の無償割当て(買収提案者に対する措置の発動)の必要性・賛否に関する株主意思の確認手続きを、書面投票又は株主意思確認総会により行います。
ただし、当社取締役会が必要情報を検討した結果、買収提案が当社の企業価値及び株主共同の利益の最大化に資すると判断した場合は、株主意思の確認手続きには進まず、また、新株予約権の無償割当ても行われません。
(3)新株予約権の無償割当てがなされる場合
適正ルールに基づく新株予約権の無償割当ては、ア)株主意思の確認手続きにおいて、株主の皆様が新株予約権の無償割当てに賛同された場合、イ)買収提案者が裁判例において悪質・濫用的であると例示されたグリーンメイラー等の4類型のいずれかに該当し、その買収提案が株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるものと取締役会が判断した場合、又はウ)買収提案者が適正ルールに定める手続きを無視したと取締役会が判断した場合に限られます。
なお、当社取締役会は、上記イ)又はウ)の判断にあたっては、適正ルールの運用に係る当社取締役会の判断の公正性を確保するため、当社の社外取締役又は社外監査役のうち3名の委員で構成する独立委員会から事前に意見を取得し、その意見を最大限尊重致します。
当社の適正ルールは、当社ウェブサイトに掲載しております。
<上記取組みについての取締役会の判断及びその判断に係る理由>
適正ルールは、買収提案がなされた場合に、新株予約権の無償割当ての必要性を、株主の皆様に必要な情報と相当な検討期間をもって御判断いただくためのルール及び手続きを定めたものです。適正ルールは、買収提案を受け入れるか否かの最終的な判断を当社株主の皆様に委ねることにより、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上を図る目的のものであり、当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
以上から、当社取締役会は、適正ルールが上記「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」に沿うものであると判断しております。
本報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、下記各項のものがあります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、本報告書第一部 第2「事業の状況」の他の項目、同部 第5「経理の状況」の各注記、その他においても個々に記載しておりますので、併せて御参照ください。
なお、当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、本報告書第一部 第4の6「コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりの企業統治体制を整え、内部統制システムを整備・運用し、各社・各部門が自部門における事業上のリスクの把握・評価を行ったうえで、組織規程・業務規程において定められた権限・責任に基づき業務を遂行しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)日本及び海外の経済状況の変動等
製鉄事業を中核とする当社グループにおいては、連結売上高の約9割を製鉄事業が占めております。自動車、建設、エネルギー、産業機械等、鋼材の主要な需要家が属する業界と同様に、製鉄事業は国内及び海外のマクロ経済情勢と相関性が高く、日本や世界経済の景気に大きく影響されます。
当社は、資産の多くを日本に保有しており、日本の政治的、経済的又は法的環境が大きく変わると、その資産価値が大きく変動するリスクがあります。また、日本は、当社グループの最も重要な地理的市場の一つであり、国内売上高が平成30年3月末の連結売上高の約65%を占めます。先行きを見通すことは困難ですが、日本の経済が悪化すれば、当社グループの事業活動、業績、財政状態や将来の成長に悪影響が生じる可能性があります。
また、当社グループは、グローバル戦略の推進・拡大を事業戦略の一つに掲げており、当社グループの海外売上高は、連結売上高の約35%を占め、その主要な市場はアジア各国です。海外では政情不安(戦争・内乱・紛争・暴動・テロを含む。)、日本との外交関係の悪化、経済情勢の悪化、商習慣、労使関係や文化の相違から生じる不測のリスクが生じる可能性があります。これに加えて、鋼材需要の減退、価格競争の激化、大幅な為替レート変動、自然災害や疫病の発生、保護主義の台頭、投資規制、輸出入規制、為替規制、現地産業の国有化、税制や税率の大幅な変更等、海外各国における事業環境が大きく変化する場合は、当社グループの事業活動、業績、財政状態や将来の成長に悪影響が生じる可能性があります。
(2)鋼材需給の変動等
鋼材の国際的な需給の変動が当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。特に、中国における鉄鋼の過剰生産能力問題は十分な解決には至っておらず、過剰供給に起因する世界市場での厳しい競争は、世界の鋼材価格の引下げ要因となり、当社グループの事業活動、業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、原油価格の変動も、販売先のひとつであるエネルギー分野の鋼材需要の変化につながることから、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
また、当社グループの製鉄事業における需要家の多くは、鋼材を大量にかつ長期にわたり購入しており、主要な需要家が事業戦略や購買方針を大幅に変更した場合や、鋼材等の販売先である商社・需要家等において与信リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績等に影響が生じる可能性があります。
(3)原燃料価格の変動等
当社グループは、鋼材の生産に必要な鉄鉱石、石炭等の主原料の大半をオーストラリア、ブラジル、カナダ、米国等の海外から輸入しています。当社グループは、これら主原料に加えて、合金、スクラップ、天然ガス等の原燃料の安定調達に努めておりますが、その価格やその海上輸送にかかる運賃は国際的な需給状況により大きく変動しており、市況が高騰した際に、当社グループがこれを鋼材の販売価格に転嫁できなければ、当社グループの事業活動、業績や財政状態に悪影響が生じる可能性があります。また、原燃料生産国における大きな自然災害、ストライキやトラブルの発生、生産国における政治情勢の悪化により、原燃料の生産量や出荷量が減少すると、当社グループの業績等に悪影響が生じる可能性があります。
(4)為替相場の変動
当社グループは、製品等の輸出及び原燃料等の輸入において外貨建取引を行っており、また外貨建ての債権債務を保有しております。製品等の輸出による受取外貨を原燃料等の輸入の際の支払外貨に充当することにより為替変動影響の太宗を排除したうえで、実需原則に基づいて先物為替予約を実施しておりますが、為替相場の変動が業績等に影響を与える可能性があります。短期間で円高が進んだ場合、鋼材を中心とする当社国内製品の輸出競争力が急速に損なわれることや、自動車、家電、エネルギー、産業機械等、製鉄事業の主要な需要産業の輸出競争力も損なわれて国内鋼材需要が減退することにより、当社グループの業績等に悪影響が生じる可能性があります。
(5)他素材との競合
鉄鋼製品は、アルミニウム、炭素繊維、ガラス、樹脂・プラスチック、複合材、コンクリート及び木材のような他の素材と常に競合しています。近年、特に電気自動車(EV)の普及等により素材へのニーズが多様化している自動車向け用途においては、当社グループも独自に鋼材のさらなる軽量化や高機能鋼材の研究・開発・製造等を進めておりますが、需要家がアルミニウム、樹脂、炭素繊維複合材等の他素材への転換を選択し鋼材の需要が減少すると、当社グループの業績等に悪影響が生じる可能性があります。
(6)中期経営計画の未達
当社グループは、平成30年3月に「2020年中期経営計画」(本項において、以下「2020年中期経営計画」といいます。)を策定し、その計画に掲げた具体的諸施策を推進しています。これらの計画は、策定当時において適切と考えられる情報や分析等に基づき策定されていますが、こうした情報や分析等には不確定要素が含まれております。今後、事業環境の悪化その他の要因により、期待される成果の実現に至らない可能性があります。
(7)コスト改善の取組み
当社グループは、「2020年中期経営計画」に掲げたとおり、製鉄所等において設備投資効果の発揮や最適生産体制の構築を進めること等により、平成30年度から平成32年度までの3年間で1,500億円(当社単独)に及ぶコスト改善を行う予定ですが、様々な外部要因や内部要因等により、コストを計画通り改善することができない場合、当社グループの業績等に悪影響が生じる可能性があります。
(8)設備投資
製鉄事業は資本集約的産業であり、継続的に多額の設備投資及び設備修繕支出を必要とします。当社グループは、「2020年中期経営計画」に掲げたとおり、高炉・コークス炉改修を含む設備の新鋭化・健全性維持及び成長分野の需要捕捉に向けた生産対応等を推進するために、平成30年度から平成32年度までの3 年間で約1兆7,000 億円の設備投資を実施する予定ですが、新たな設備が計画通りに立ち上がらず効果が十分に発揮されないこと等により、当社グループの業績や財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
(9)組織再編、海外投資等
当社グループは、平成24年10月の新日本製鐵株式会社と住友金属工業株式会社との経営統合、平成29年3月の日新製鋼株式会社の子会社化、平成30年6月のスウェーデンオバコ社の買収等の組織再編・投資によって成長をしており、今後も国内及び海外において、合併や買収、合弁会社の設立等の組織再編や投資を継続する可能性があります。当社グループは、慎重な事業評価、契約交渉、社内審議等のプロセスを経たうえで投資等の実行を判断し遂行しておりますが、当初計画通りにシナジー効果が創出されなかったり、貸借対照表に計上したのれんに減損が生じたりする場合は、当社グループの業績等に悪影響が生じる可能性があります。特に、海外での投資案件は、様々な要因から不確実性が高まります。
(10)人材確保・育成、省力化対策
当社グループの将来の成長は、有能な人材の確保及び育成に大きく依存しています。また、人口減少による人手不足に対応するべく、省力化対策の設備投資を進めております。当社グループは、有能な人材の確保と育成、また省力化対策の設備投資の確実な実行に努めておりますが、計画通り達成できない場合、当社グループの事業活動、業績や財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
(11)固定資産の減損
当社グループは、多額の固定資産を所有しており、経営環境の変化等に伴い、その収益性が低下し投資額の回収が見込めなくなった場合には、その回収可能性を踏まえて固定資産の帳簿価額を減額し減損損失を計上するため、当社グループの業績や財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
(12)有価証券等の保有資産(年金資産を含む。)価値の変動
当期末において当社グループが保有する有価証券、投資有価証券及び関係会社株式の残高は合計1兆9,483億円であり、投資先の業績不振、証券市場における市況の悪化等により、評価損が発生する可能性があります。また、上記の投資有価証券の他に年金資産(退職給付信託資産を含む。)が当社グループ合計で5,451億円あり、この資産を構成する国内外の株式、債券等の価格変動や金利情勢の変動が業績等に影響を与える可能性があります。
(13)金融市場の変動や資金調達環境の変化
当期末における当社グループの連結有利子負債残高は、2兆689億円であり、金利情勢、その他の金融市場の変動が業績等に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、事業資金を金融機関からの借入及び社債の発行等により調達しております。当社グループは、2020年中期経営計画に掲げた有利子負債自己資本比率(D/Eレシオ)0.7程度を目標とし、健全な財務体質の維持に努めておりますが、金融市場が不安定となり又は悪化した場合、金融機関が貸出を圧縮したり格付機関が当社の信用格付の引き下げをしたりした場合等においては、必要な資金を必要な時期に適切な条件で調達できず、資金調達コストが増加することにより、当社グループの事業活動、業績や財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
(14)自然災害、戦争・テロ等
当社グループは、製造、販売、研究開発等の活動をグローバルに展開しており、世界中に拠点を有しています。製鉄所をはじめとするこれらの各拠点においては、台風、地震、津波、洪水等の自然災害、戦争やテロ行為が生じた場合に備え、ハード面(設備対策)、ソフト面(事業継続計画の策定等)において、一定の対策を施していますが、大規模な災害等に見舞われた場合は、各拠点の設備、情報システム等が損害を被り、一部の操業が中断し、生産・出荷が遅延すること等により費用や補償の支払いが発生し、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、強力な新型インフルエンザ等の感染症が世界的に流行した場合には、当社グループの生産活動及び販売活動等に支障をきたす可能性があります。
(15)設備事故、労働災害等
当社グループの中核事業である製鉄事業の生産プロセスは、高炉、コークス炉、転炉、連続鋳造機、圧延機、発電設備等の特定の重要設備に依存しています。当社グループは、安定生産の確保を図るため、2020年中期経営計画に掲げたとおり、製鉄所等の強化・再建を基本経営課題に据えて、設備と人材の両面で製造実力の強化策を推進しておりますが、これらの設備において、電気的又は機械的事故、火災や爆発、労働災害等が生じた場合、一部の操業が中断し、生産・出荷が遅延すること等により費用や補償の支払いが発生し、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは、これらの事故等に関連し、一定の保険を付しております。
(16)品質問題等
当社グループは鉄鋼製品をはじめ、様々な製品・サービスを顧客に提供しています。当社は、「品質は生産に優先する」という基本的なものづくりの価値観のもと、一般社団法人日本鉄鋼連盟が定めた「品質保証体制強化に向けたガイドライン」等に沿った様々な取組みを実施しておりますが、製品やサービスに欠陥が見つかり品質問題が生じた場合は、顧客等から代品の納入や補償を求められるほか、当社グループ又は当社グループの製品やサービスに関する信頼が損なわれて売上が減少すること等により、当社グループの業績や財政状態に悪影響が生じる可能性があります。なお、当社グループは、これらの事故等に関連し、一定の保険を付しております。
(17)知的財産権の保護
当社グループは、事業遂行のため、日本及び海外の各国において特許や商標等の知的財産権を保有しており、2020年中期経営計画の下、知的財産を生み出す力、知的財産として保護する力、知的財産を活用する力を総合的に強化し、知的財産施策を講じております。しかし、第三者により当社グループの知的財産権を無効化する手続を取られ、当社グループの知的財産権の有効性が否認される可能性があります。第三者から知的財産権の侵害クレームを受け、訴訟を提起されること等により、損害賠償金やロイヤリティの支払いを求められたりする可能性もあります。また、当社グループが保有する知的財産権の範囲が、当社グループの事業活動を保護し、事業優位性を確保するために十分であるという保証はありません。第三者によって当社グループの知的財産権が侵害されたり、当社グループの企業秘密が不正開示又は悪用されたりすることにより損害を受けることもありますが、それぞれの国の法制、法執行状況その他の理由により、損害の回復が十分になされない可能性があります。
(18)情報システムの障害、情報漏洩等
当社グループの事業活動は、情報システムの利用に大きく依存しており、また、自社及び顧客・取引先の営業機密や個人情報等の機密情報が情報システムに保管されています。当社においては、技術情報をはじめとする機密情報の漏洩対策については最重要の経営課題として認識し、業務ルール、システム、社員教育等の対策を推進しておりますが、当社グループの情報システムにおいて、悪意ある第三者からのウイルス感染等のサイバー攻撃等により、システム停止、機密情報の外部漏洩や棄損・改ざん等の事故が起きた場合、生産や業務の停止、知的財産における競争優位性の喪失、訴訟、社会的信用の低下等により、当社グループの業績等に悪影響が生じる可能性があります。
(19)海外の主要市場における関税引上げ、輸入規制
これまで当社グループにおける一部の鋼材の輸出取引において、米国や東南アジア諸国等から反ダンピング税等の特殊関税を賦課されております。当社は、輸入規制を受ける可能性を認識のうえ輸出取引を行う等、適切に対応しておりますが、将来、海外の主要市場国において関税引上げ、特殊関税の賦課、数量制限等の輸入規制が課せられた場合には、輸出取引が制約を受けることにより、業績に影響が生じる可能性があります。
(20)会計制度や税制の大幅な変更
当社グループが事業活動を行う国において、会計制度や税制が大きく変更され又は当社グループに不利な解釈や適用がなされたりした場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、当社は、グローバル展開の一層の推進による企業価値の向上と資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を目的に、平成30年度期末(平成31年3月末)の連結財務諸表から、国際的な会計基準である国際財務報告基準(IFRS)を任意適用する予定です。
(21)各種法的規制、訴訟等
当社グループの事業活動はグローバルに展開しており、日本及び海外各国・地域の法令や規制に従って事業活動を行っております。法規制には、商取引法、独占禁止法、労働法、証券関連法、知的財産権法、環境法、税法、輸出入関連法、刑法等に加えて、事業活動や投資を行うために必要とされる様々な政府の許認可規制等があります。今後、より厳格な規制が導入されたり、法令の運用・解釈が厳しくなったりすることにより、当社グループの事業活動の継続が困難となったり、法令遵守のための費用が増加する可能性があります。
当社グループは、法令遵守が事業活動の基盤であることを認識し、国内外の役員・従業員に対し、様々な形で法務・コンプライアンス教育を実施しておりますが、当社グループが何らかの法規制に違反したと認定された場合には、課徴金等の行政処分、罰金等の刑事処分を受ける可能性があり、当社グループの業績や財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
また、重要な訴訟において当社グループに不利な判断がなされた場合には、事業活動の停止・制約、補償等により、業績等に悪影響が生じる可能性があります。
(22)事業活動にかかる環境規制
当社は、製鉄所毎に異なる環境リスクへのきめ細かな対応や各地域の環境保全活動を通じた環境リスクマネジメントを推進し、グループ全体での環境負荷低減に取り組んでおります。当社グループは、事業活動を行う日本及び海外各国において、大気・水・土壌の汚染、化学物質の利用、廃棄物の処理・リサイクル等に関する広範な環境関連規制の適用を受けており、今後、これらについて、より厳格な規制が導入されたり、法令の運用・解釈が厳しくなったりすることにより、当社グループの事業活動の継続が困難となったり、法令遵守のための費用が増加する可能性があります。
また、当社グループは、世界最高レベルの資源・エネルギー効率で鋼材を生産し、中長期的なCO2排出量削減の観点から革新的な技術開発と長年培った技術の海外への移転・普及にも積極的に取り組んでおりますが、今後、CO2の排出や化石燃料の利用に対する新たな規制等が導入された場合には、製鉄事業を中心に当社グループの事業活動が制約を受けたり、費用が増加したりする可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当期における当社グループの経営成績の状況の概要は、本報告書「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しています。
② 当期末の資産、負債、純資産及び当期のキャッシュ・フロー
当期末の連結総資産は、受取手形及び売掛金の増加(544億円)、たな卸資産の増加(1,643億円)、投資有価証券の増加(550億円)等により、前期末(7兆2,619億円)から3,304億円増加し7兆5,924億円となりました。
負債については、有利子負債が2兆689億円と前期末(2兆1,048億円)から359億円減少した一方、支払手形及び買掛金の増加(468億円)、未払金の増加(667億円)、繰延税金負債の増加(148億円)等があり、前期末(3兆9,709億円)から1,060億円増加し4兆769億円となりました。
純資産については、親会社株主に帰属する当期純利益1,950億円による増加、配当金の支払いによる減少(662億円)に加え、その他有価証券評価差額金の増加(438億円)、非支配株主持分の増加(272億円)等により、前期末(3兆2,910億円)から2,244億円増加し3兆5,155億円となりました。なお、当期末の自己資本は3兆1,454億円となり、有利子負債自己資本比率(D/Eレシオ)は0.66倍となりました。
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,898億円に減価償却費(3,407億円)等を加えた収入に対し、売上債権の増加(501億円)、たな卸資産の増加(1,628億円)等があり、4,588億円の収入(前年同期は4,842億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資による支出(4,030億円)に対し、投資有価証券の売却による収入(399億円)等があり、3,534億円の支出(前年同期は3,437億円の支出)となりました。この結果、フリーキャッシュ・フローは1,054億円の収入(前年同期は1,405億円の収入)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、前期末及び当第2四半期末の配当(662億円)に加え、有利子負債の減少(359億円)等により、891億円の支出(前年同期は1,350億円の支出)となりました。以上により、当期末における現金及び現金同等物は1,117億円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 金額(百万円) |
当連結会計年度 金額(百万円) |
|
製鉄 |
4,484,382 |
5,741,862 |
|
エンジニアリング |
222,053 |
248,596 |
|
化学 |
173,372 |
186,638 |
|
新素材 |
26,980 |
30,289 |
|
システムソリューション |
186,823 |
247,290 |
|
合計 |
5,093,611 |
6,454,676 |
(注) 1 金額は製造原価による。
2 上記の金額には、グループ向生産分を含む。
3 当連結会計年度において、製鉄セグメントの生産(グループ向け生産分を含む)は、対前連結会計年度で1兆2,574億円増加の5兆7,418億円となりました。これは平成29年3月13日の日新製鋼㈱の子会社化等によるものです。
当連結会計年度における受注状況をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
エンジニアリング |
276,851 |
402,032 |
310,000 |
420,000 |
|
システムソリューション |
252,896 |
247,918 |
117,377 |
121,079 |
|
合計 |
529,747 |
649,950 |
427,377 |
541,079 |
(注) 1 上記の金額には、グループ内受注分を含む。
2 「製鉄」、「化学」及び「新素材」は、多種多様な製品毎に継続的且つ反復的に注文を受けて生産・出荷する形態を主としており、その受注動向は、生産実績や販売実績に概ね連動していく傾向にあり、また、需要動向等についても本報告書「当期における当社グループの経営成績の状況の概要は、本報告書「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」において記載していることから、金額又は数量についての記載を省略している。
当連結会計年度における外部顧客に対する販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 金額(百万円) |
当連結会計年度 金額(百万円) |
|
製鉄 |
4,016,670 |
4,983,335 |
|
エンジニアリング |
234,861 |
260,908 |
|
化学 |
168,596 |
197,057 |
|
新素材 |
34,519 |
37,050 |
|
システムソリューション |
178,242 |
190,310 |
|
合計 |
4,632,890 |
5,668,663 |
(注) 1 前連結会計年度及び当連結会計年度における輸出販売高及び輸出割合は、次のとおりである。
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
輸出販売高(百万円) |
輸出割合(%) |
輸出販売高(百万円) |
輸出割合(%) |
|
1,676,909 |
36.2 |
1,960,019 |
34.6 |
(注) 輸出販売高には、在外子会社の現地販売高を含む。
2 主な輸出先及び輸出販売高に対する割合は、次のとおりである。
|
輸出先 |
前連結会計年度(%) |
当連結会計年度(%) |
|
アジア |
62.2 |
64.7 |
|
中近東 |
8.0 |
5.9 |
|
欧州 |
4.9 |
5.1 |
|
北米 |
10.7 |
13.3 |
|
中南米 |
10.6 |
8.4 |
|
アフリカ |
2.6 |
1.8 |
|
大洋州 |
1.0 |
0.8 |
|
合計 |
100.0 |
100.0 |
(注) 輸出販売高には、在外子会社の現地販売高を含む。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりである。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
日鉄住金物産㈱ |
744,325 |
16.1 |
848,839 |
15.0 |
|
住友商事㈱ |
675,417 |
14.6 |
772,942 |
13.6 |
|
㈱メタルワン |
- |
- |
592,146 |
10.4 |
(注) 総販売実績に対する割合が10%未満の場合は、当該連結会計年度の記載を省略し、「-」表示している。
4 当連結会計年度において、製鉄セグメントの外部顧客に対する販売は、対前連結会計年度で9,666億円増加の4兆9,833億円となりました。これは平成29年3月13日の日新製鋼㈱の子会社化等によるものです。
なお、生産、受注及び販売等に関する特記事項については、本報告書「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」等に記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、工事損失引当金、役員退職慰労引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。但し、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績の分析)
当期の世界経済は、米国において、堅調な個人消費や労働市場の改善を背景に景気の着実な回復が継続し、欧州においても回復基調が続いたことに加え、中国では景気が安定的に推移し、新興国において緩やかな景気回復が継続したことから、全体として回復基調で推移しました。
日本経済は、個人消費・設備投資ともに底堅く、緩やかな回復が継続しました。
国内鉄鋼需要については、自動車向けや建築・土木向けなどを中心に堅調に推移しました。海外鉄鋼需要についても緩やかな伸長が継続しました。また、国際鉄鋼市況については、引き締まった需給環境等を背景に、概ね高い水準を維持しました。
このような環境のなか、当社グループは、平成27年3月に策定した2017年中期経営計画に掲げた国内マザーミル競争力の強化、グローバル戦略の推進、技術先進性の発揮、世界最高水準のコスト競争力の実現、製鉄事業グループ会社の体質強化等の諸施策の推進に努めてまいりました。
当社グループと致しましては、各セグメントにおいて各社がそれぞれの環境変化に対応しながら、最大限の経営努力を重ねてまいりました。各セグメント別の業績の概況は以下のとおりです。
(当期のセグメント別の業績の概況)
|
|
|
製鉄 |
エンジニ |
化学 |
新素材 |
システム |
合計 |
調整額 |
連結財務諸表計上額 |
|
売上高 |
当期 |
50,172 |
2,942 |
2,007 |
370 |
2,442 |
57,935 |
△1,248 |
56,686 |
|
(億円) |
前期 |
40,522 |
2,675 |
1,742 |
345 |
2,325 |
47,610 |
△1,281 |
46,328 |
|
経常利益 |
当期 |
2,457 |
91 |
154 |
19 |
232 |
2,955 |
20 |
2,975 |
|
(億円) |
前期 |
1,380 |
68 |
45 |
17 |
221 |
1,732 |
12 |
1,745 |
<製鉄>
製鉄セグメントについては、国内マザーミル競争力の強化とグローバル戦略の推進を大きな柱として諸施策に取り組んでまいりました。
国内においては、製鉄所等の強化・再建を基本経営課題として、設備と人材の両面で製造実力の強化策を引き続き推進してまいりました。設備面では、室蘭製鐵所のコークス炉の改修を決定するなど、基幹設備のリフレッシュを含めた各種設備の健全性の維持・強化を行ってまいりました。また、人材面では、世代交代が進むなかで確実に技能伝承を行うべく、採用の強化と長期的な視点に立った人材育成施策を推進してまいりました。また、和歌山製鐵所においては、上工程部門(製銑・製鋼部門)を担う連結子会社の日鉄住金鋼鉄和歌山㈱を当社が吸収合併し、当社の事業インフラの活用を通じた経営効率のより一層の向上を図っていくことと致しました。
一方、海外においては、成長市場における需要の捕捉や需要家の皆様の海外展開に即応した事業体制の構築を図るなど、グローバル供給体制の一層の充実を図ってまいりました。たとえば、自動車マーケットにおける需要の伸長が期待されるインドネシアにおいては、高級・高品質の自動車用鋼板の製造・販売を行う合弁会社が営業運転を開始致しました。また、ブラジルにおける持分法適用関連会社であるウジミナス社について、同社を共同経営するアルゼンチンのテルニウム社との間で、新たなガバナンスルールの導入等に関する基本合意書を締結し、ウジミナス社の競争力及び企業価値の向上に両社が一致協力して取り組むことを確認致しました。
さらに、インドにおいては、中長期的に大幅な成長が見込まれる需要を着実に捕捉するため、同国のエッサールスチール社をアルセロールミッタル社と共同で買収するための手続きに参画することと致しました。また、今後も堅調な需要の伸びが期待される特殊鋼分野において、技術・品質・商品開発力の一層の強化と、グローバル事業の強化・拡大を図るため、欧州に製造・販売拠点をもち、軸受鋼等で世界トップレベルの技術を有するスウェーデンのオバコ社の買収に係る契約を締結するとともに、国内においては、持分法適用関連会社である山陽特殊製鋼㈱の子会社化等の検討を開始することと致しました。
技術先進性の発揮の面では、当社が開発した合金鉄溶解炉による「省資源・環境調和型・高生産性ステンレス製鋼プロセス」が、生産工学等における顕著な業績を表彰する大河内賞(第64回)において、最高賞である「大河内記念生産特賞」を受賞しました。本プロセスにより、ステンレス鋼製造時に発生するクロム含有のスクラップ等が全量リサイクル可能となるなど、環境面だけでなく、生産性の向上とコスト削減にも貢献しております。また、自動車分野においては、君津製鐵所に超ハイテン鋼板の製造設備を新設することを決定致しました。これにより、自動車業界における車体の軽量化・高強度化ニーズを捕捉し、需要家の皆様の価値創造に貢献する高機能素材及びソリューション技術の提供に努めてまいります。
これらに加えて、コスト改善の観点から原燃料費の低減や製造歩留の向上等にも引き続き取り組むとともに、鋼材価格については、原材料価格の高騰等を踏まえて、需要家の皆様に御理解いただけるよう丁寧な対応に努めてまいりました。製鉄セグメントとして、売上高は5兆172億円(前年同期は4兆522億円)、経常利益は2,457億円(前年同期は1,380億円)となりました。
<エンジニアリング>
新日鉄住金エンジニアリング㈱については、原油価格の上昇、海外鉄鋼メーカーの投資再開等、事業環境に改善の兆しが見られました。また、建築分野等の国内向けの事業環境が堅調であったこと、加えて、プロジェクト実行管理が着実に行われたこと等から、売上高・損益ともに増加しました。エンジニアリングセグメントとして、売上高は2,942億円(前年同期は2,675億円)、経常利益は91億円(前年同期は68億円)となりました。
<化学>
新日鉄住金化学㈱については、機能材料事業において、回路基板材料やディスプレイ材料でスマートフォン等の電子機器向けの販売が伸び、両製品ともに過去最高の年間販売数量を記録しました。化学品事業においても、主力製品であるスチレンモノマーの需給環境が良好に推移し、着実に収益を確保しました。また、コールケミカル事業においても、電炉向けの黒鉛電極の旺盛な需要によるニードルコークスの需給逼迫とリチウムイオン電池の負極材向けコークスの需要伸長を背景に、製品の価格水準が上昇するなど、販売環境が大幅に好転しました。これらの結果、売上高・損益ともに増加しました。化学セグメントとして、売上高は2,007億円(前年同期は1,742億円)、経常利益は154億円(前年同期は45億円)となりました。
<新素材>
新日鉄住金マテリアルズ㈱については、半導体・電子産業部材において、サスペンション材等の金属箔の販売が
引き続き好調に推移しました。また、環境・エネルギー部材においても、新興国での需要を着実に捕捉したメタル
担体の販売が拡大しました。市場競争激化の影響を受けたものの、販売の拡大により売上高・損益ともに増加しま
した。新素材セグメントとして、売上高は370億円(前年同期は345億円)、経常利益は19億円(前年同期は17億円)となりました。
<システムソリューション>
新日鉄住金ソリューションズ㈱については、幅広い業種の顧客に対し、システムの企画、構築、運用・保守を一貫して提供するとともに、顧客の事業環境変化に対応した先進的なソリューション・サービスを展開しております。当期は、顧客企業によるAI・機械学習やIoTを活用した生産・物流現場等における業務の高度化ニーズの高まりに対応するソリューション展開を推進し、売上高・損益ともに増加しました。システムソリューションセグメントとして、売上高は2,442億円(前年同期は2,325億円)、経常利益は232億円(前年同期は221億円)となりました。
(売上・損益)
当期の連結業績については、設備トラブル、天候不順等による生産・出荷量の減少に加え、主原料価格の高騰、並びにスクラップ・合金等の副原料価格、資材費、物流費等の上昇など減益影響はあったものの、コスト改善施策の着実な実行と海外事業を含めたグループ会社の業績改善、在庫評価差等の増益要因もあり、売上高は5兆6,686億円(前年同期は4兆6,328億円)、営業利益は1,823億円(前年同期は1,142億円)、経常利益は2,975億円(前年同期は1,745億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,950億円(前年同期は1,309億円)となりました。
また、当期の単独業績については、売上高は3兆2,666億円(前年同期は2兆9,742億円)、営業利益は64億円(前年同期は△291億円)、経常利益は1,072億円(前年同期は481億円)、当期純利益は1,182億円(前年同期は415億円)となりました。
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
平成29年度を実行最終年度とする「2017年中期経営計画」の収益、財務体質の各目標とそれに対する平成29年度までの達成状況は以下のとおりです。
|
|
平成29年度(実績) |
|
平成29年度(目標) |
|
売上高利益率(ROS) |
5.2% |
|
10%以上 |
|
自己資本利益率(ROE) |
6.4% |
|
10%以上 |
|
D/Eレシオ |
0.66 |
|
0.5程度 |
|
コスト改善 |
年率1,500億円 |
|
年率1,500億円以上 |
(*) 平成27年度~平成29年度の3カ年累計
当社は「2017年中期経営計画」(実行期間:平成27年度~平成29年度)において、「国内マザーミル競争力の強化」、「グローバル戦略の推進」、「技術先進性の発揮」、「世界最高水準のコスト競争力の実現」及び「製鉄事業グループ会社の体質強化」を5本の柱として取り組んでまいりました。しかしながら、中国の過剰生産能力問題、原油価格下落に伴うエネルギー分野の需要減少、石炭価格の高騰・乱高下及び市況原料等のコストアップといった環境の変化、設備トラブル、天候不順等による生産・出荷量の減少もあり、コスト改善については中期経営計画で掲げた1,500億円の改善を達成したものの、同計画で掲げた収益、財務体質の各目標の水準には到達しませんでした。
株主還元につきましては、剰余金の配当は「連結配当性向年間20~30%」を目安とする方針に対し、平成29年度は連結配当性向31.7%となりました。
平成30年度を実行初年度とする「2020年中期経営計画」においては、「第一部 企業情報 第2事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の諸施策の着実な推進を通じ、収益、財務体質の各目標の達成に向け取り組んでまいります。
|
契約会社名 |
相手方当事者 |
国名 |
内容 |
契約年月日 |
契約期限 |
|
当社 |
POSCO |
韓国 |
基礎的技術開発、第三国における合弁事業、IT等に係る協力関係の構築に関する戦略的提携契約 |
平成12年8月2日 |
平成30年8月1日 |
|
当社 |
ArcelorMittal |
ルクセンブルク |
自動車鋼板分野等におけるグローバル戦略提携契約 |
平成13年1月22日 |
平成33年1月22日 |
|
当社 |
宝山鋼鉄株式有限公司 |
中国 |
中国における冷延及び溶融亜鉛めっき鋼板製造・販売に関する合弁事業 |
平成15年12月23日 |
合弁会社設立から20年が経過する日(平成36年7月30日) |
|
当社 |
㈱神戸製鋼所 |
日本 |
鉄源設備共同活用に関する協定 |
平成17年6月17日 |
平成45年5月14日 |
|
当社 |
POSCO |
韓国 |
連携深化に関する契約 |
平成18年10月20日 |
平成30年8月1日 |
|
当社 |
日本ウジミナス㈱ Ternium Investments 等 |
日本 ルクセンブルク |
Usinas Siderúrgicas de Minas Gerais S.A. – USIMINAS に関する株主間協定 |
平成23年11月27日 |
平成43年11月6日 |
|
当社 |
BlueScope Steel Limited |
豪州 |
東南アジア・米国における建材薄板事業に関する合弁事業 (NS BlueScope Coated Products) |
平成25年3月28日 |
定めなし |
|
当社 |
㈱神戸製鋼所 |
日本 |
提携施策の検討継続及び買収提案を受けた場合の対応に関する覚書 |
平成25年3月29日 |
平成34年11月14日 |
|
当社 |
ArcelorMittal |
米国 |
米国における熱延鋼板、冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造・販売に関する合弁事業 |
平成25年11月29日 |
定めなし |
|
当社 |
VALLOUREC |
フランス |
事業連携深化と追加出資に関する契約 |
平成28年2月1日 |
平成43年2月1日 |
|
契約会社名 |
相手方当事者 |
国名 |
内容 |
契約年月日 |
契約期限 |
|
当社 |
VALLOUREC TUBES SAS |
フランス |
ブラジルにおける高級シームレスパイプの製造・販売に関する合弁事業 (事業主体 Vallourec Soluções Tubulares do Brasil S.A.) |
平成28年2月1日 |
経営統合の実行日から30年が経過する日(平成58年9月30日) |
|
当社 |
日新製鋼㈱ |
日本 |
日新製鋼㈱の子会社化等に関する契約 |
平成28年5月13日 |
定めなし |
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当社 |
日鉄住金鋼鉄和歌山㈱ |
日本 |
合併契約 *1 |
平成29年12月27日 |
定めなし |
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当社 |
ArcelorMittal |
ルクセンブルク |
Essar Steel India Limitedの共同買収(入札)及び合弁事業化に関する基本契約 |
平成30年3月2日 |
定めなし |
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当社 |
山陽特殊製鋼㈱ |
日本 |
山陽特殊製鋼㈱の子会社化等の検討に関する覚書 |
平成30年3月2日 |
定めなし |
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当社 |
Triton Fund支配下のファンド |
ルクセンブルク |
Ovako ABの完全子会社化に関する株式売買契約 *2 |
平成30年3月14日 |
定めなし |
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当社 |
日新製鋼㈱ |
日本 |
株式交換契約 *3 |
平成30年5月16日 |
定めなし |
(注) 上記「契約会社名」及び「相手方当事者」の欄には、開示上重要でない者については記載していない。
*1 当社と日鉄住金鋼鉄和歌山㈱の合併について
当社と当社連結子会社である日鉄住金鋼鉄和歌山株式会社(以下「日鉄住金鋼鉄和歌山」)は、平成29年12月27日に、平成30年4月1日を効力発生日として、当社を存続会社、日鉄住金鋼鉄和歌山を消滅会社とする合併(以下「本合併」)を行うことを決定し、合併契約を締結した。
本合併の概要は以下のとおりである。
1.本合併の目的
当社連結子会社である日鉄住金鋼鉄和歌山は、当社和歌山製鐵所における上工程部門(製銑・製鋼部門)を担う会社であり、同所の主力製品である継目無鋼管(シームレス鋼管)向けの半製品や、当社他製鉄所向けの半製品を供給してきた。
日鉄住金鋼鉄和歌山の事業は、当社和歌山製鐵所における上工程部門(製銑・製鋼部門)として継続し、本合併により、当社の事業インフラの活用を通じ、より一層経営効率を向上させていく。
2.本合併の条件等
(1)日程
合併決議取締役会(当社) 平成29年12月27日
合併契約締結日 平成29年12月27日
合併の効力発生日 平成30年4月1日
なお、本合併は、当社においては会社法第796条第2項に規定する簡易合併、日鉄住金鋼鉄和歌山においては会社法第784条第1項に規定する略式合併に該当するため、両社いずれにおいても、合併契約承認のための株主総会は開催していない。
(2)本合併の方式
当社を存続会社、日鉄住金鋼鉄和歌山を消滅会社とする吸収合併方式とし、合併と同時に、日鉄住金鋼鉄和歌山は解散する。
(3)本合併に係る割当ての内容
合併比率(日鉄住金鋼鉄和歌山の株式1株に対して交付する当社の株式の割当比率)
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当社 |
日鉄住金鋼鉄和歌山 |
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合併比率 |
1 |
0.0079 |
(注1)合併比率
当社は、本合併効力発生日の前日の最終の時における日鉄住金鋼鉄和歌山の株主に対し、日鉄住金鋼鉄和歌山の普通株式1株につき、当社の普通株式0.0079株を割当て交付する。ただし、当社が保有する日鉄住金鋼鉄和歌山の普通株式については、本合併による株式の割当ては行わない。
(注2)本合併により交付する当社の株式数
当社は、本合併により、当社の普通株式272株を割当て交付するが、交付する普通株式は保有する自己株式を充当し、本合併の際に新株式は発行しない。
(4)新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
日鉄住金鋼鉄和歌山は、新株予約権及び新株予約権付社債を発行していない。
3.合併比率の算定根拠
合併比率の算定にあたっては、当社の株式価値については、金融商品取引所に上場しており市場株価が存在することから、市場株価法(平成29年12月26日の終値を算定の基礎としている。)により、非上場会社である日鉄住金鋼鉄和歌山の株式価値については、日鉄住金鋼鉄和歌山の簿価純資産額をもとに簿価純資産法によりそれぞれ算定し、その結果を総合的に勘案し、両者間で協議のうえ決定した。
4.本合併による引継資産・負債の状況(日鉄住金鋼鉄和歌山の平成30年3月31日現在における資産・負債の状況)
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資産 |
金額(百万円) |
負債 |
金額(百万円) |
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流動資産 |
122,370 |
流動負債 |
146,160 |
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固定資産 |
91,445 |
固定負債 |
64,647 |
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資産合計 |
213,816 |
負債合計 |
210,808 |
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純資産合計 |
3,008 |
5.本合併後の会社の資本金・事業の内容等
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商号 |
新日鐵住金株式会社 (英名:NIPPON STEEL & SUMITOMO METAL CORPORATION) |
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本店の所在地 |
東京都千代田区 |
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代表者の氏名 |
代表取締役社長 進藤孝生 |
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資本金の額 |
4,195億円 |
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純資産の額 |
現時点では確定していない。 |
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総資産の額 |
現時点では確定していない。 |
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事業の内容 |
製鉄、エンジニアリング、化学、新素材、システムソリューションの各事業 |
*2 当社は、本契約に基づく株式売買に必要な手続きを全て完了し、平成30年6月1日にOvako ABを完全子会社とした。
*3 日新製鋼㈱との株式交換について
当社と日新製鋼株式会社(以下「日新製鋼」という。)は、当社グループの経営資源の相互活用を加速し、連携深化をさらに推進して、シナジーの最大化を早期に実現するべく、平成30年5月16日開催のそれぞれの取締役会において、平成31年1月1日を効力発生日として、当社を株式交換完全親会社、日新製鋼を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」という。)を行い、日新製鋼を当社の完全子会社とすること(以下「本完全子会社化」という。)を決定し、平成30年5月16日付で、本株式交換に係る株式交換契約(以下「本株式交換契約」という。)を両社間で締結した。本株式交換の概要は、下記のとおりである。
本株式交換は、当社については、会社法第796条第2項に基づき、株主総会の承認を必要としない簡易株式交換の手続きにより、また、日新製鋼については、平成30年12月頃に開催予定の日新製鋼の臨時株主総会において本株式交換契約の承認を受けた上で、平成31年1月1日を効力発生日として行われる予定である。
また、本株式交換の効力発生日に先立ち、日新製鋼の普通株式は、株式会社東京証券取引所市場第一部において平成30年12月26日に上場廃止(最終売買日は平成30年12月25日)となる予定である。
本株式交換に伴い、当社は、米国1933年証券法に基づき、本株式交換を承認する日新製鋼の臨時株主総会に先立って、Form F-4による登録届出書を米国証券取引委員会に提出する。
なお、新日鐵住金、日新製鋼及び新日鐵住金ステンレス株式会社(以下「新日鐵住金ステンレス」という。)は、新日鐵住金グループのステンレス事業の早期かつ最大限のシナジー発揮を実現するべく、平成30年5月16日開催のそれぞれの取締役会において、本株式交換が実行され本完全子会社化が行われた後の平成31年4月1日を目途に、新日鐵住金の特殊ステンレス事業(鋼板、形鋼)のうちの鋼板事業の一部及び日新製鋼のステンレス事業(鋼板、鋼管)のうちの鋼板事業を新日鐵住金ステンレスが承継すること(以下「本ステンレス鋼板事業統合」という。)を決定し、平成30年5月16日付で、本ステンレス鋼板事業統合に係る基本合意書を三社間で締結した。
1.本株式交換の目的
平成29年3月、当社と日新製鋼は、より良い製品・技術・サービスの国内外需要家への提供、グローバル競争を勝ち抜くコスト競争力の構築、資金・資産の効率的活用による強固な財務体質の構築など、企業価値最大化に資する諸施策の推進、相乗効果の創出を目的に、当社による日新製鋼の子会社化(以下「本子会社化」という。)を実現した。
本子会社化の実現以降、当社と日新製鋼は、両社のシナジー発揮に向け、当社の強みである世界トップレベルの技術先進性・商品対応力、鉄源を中心としたコスト競争力及びグローバル対応力に加え、日新製鋼の強みである需要家ニーズに則したきめ細かな開発営業等による顧客・市場対応力を活かしつつ、両社の経営資源を相互活用し、営業連携や最適生産体制の追求等により、着実に成果を挙げてきた。
製鉄事業を取り巻く環境については、世界鉄鋼需要は長期的に着実な拡大が見込まれる一方、国内人口減少、保護主義化の動き、新興国の自国産化等の鉄鋼需給構造の変化に加え、ITの急速な進歩、自動車メーカー各社の車体軽量化・高強度化ニーズの高まり、EV等新エネルギー車や自動運転の普及等、社会・産業構造の変化が生じており、更には、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが企業に期待されてきていること等、長期的・構造的変化の転換点にあるものと認識している。
このような中、当社と日新製鋼は、今後の普通鋼、ステンレス事業を取り巻く事業環境への対応等を踏まえると、当社グループにおける経営資源の相互活用を加速し、連携深化をさらに推進して、両社の強みを高めつつシナジーの最大化を早期に実現する必要があるとの判断に至り、今般、本完全子会社化を行うこととした。これにより、最適生産体制の追求、グループ会社の事業再編等、会社間を跨る施策について、両社の株主間でのコンフリクトの懸念を生じさせることなく、よりスピーディーに事業環境変化に合わせた機動的かつ柔軟な対応が可能となるものと考えている。日新製鋼においても、当社の完全子会社になることで、当社グループの経営資源を最大限活用できることから、日新製鋼の企業価値の向上に資すると判断しており、完全子会社化後も、当社グループにおけるさらなる連携深化を通じて、日新製鋼の強みである顧客・市場対応力をより一層発揮し、お客様中心主義に基づき構築してきたブランド力をさらに強化することができるものと確信している。
2.本株式交換の条件等
(1)本株式交換の方式
当社を株式交換完全親会社、日新製鋼を株式交換完全子会社とする株式交換である。本株式交換は、当社については、会社法第796条第2項に基づき、株主総会の承認を必要としない簡易株式交換の手続きにより、また日新製鋼については、平成30年12月頃に開催予定の日新製鋼の臨時株主総会において本株式交換契約の承認を受けた上で、平成31年1月1日を効力発生日として行われる予定である。
(2)本株式交換に係る割当ての内容
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当社 (株式交換完全親会社) |
日新製鋼 (株式交換完全子会社) |
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本株式交換に係る割当比率 |
1 |
0.71 |
(注1)株式の割当比率
日新製鋼の普通株式1株に対して、当社の普通株式0.71株を割当て交付する。ただし、当社が保有する日新製鋼の普通株式56,020,563株(平成30年5月16日現在)については、本株式交換による株式の割当ては行わない。
(注2)本株式交換により交付する当社の株式数
当社は、本株式交換により、当社の普通株式38,161,032株を割当て交付するが、交付する普通株式は保有する自己株式(平成30年3月31日現在66,436,595株)を充当する予定であり、新株式の発行は行わない予定である。
なお、日新製鋼は、本株式交換の効力発生日の前日までに開催する取締役会の決議により、本株式交換により当社が日新製鋼の発行済株式の全て(ただし、当社が保有する日新製鋼の普通株式を除く。)を取得する時点の直前時(以下「基準時」という。)において日新製鋼が保有する全ての自己株式(本株式交換に関して行使される会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に係る株式の買取りによって取得する自己株式を含む。)を基準時をもって消却する予定である。そのため、本株式交換により割当て交付する予定の上記普通株式数(38,161,032株)については、日新製鋼が保有する自己株式(平成30年3月31日現在75,427株)に対し当社の普通株式を割当て交付することを前提としていない。また、同普通株式数(38,161,032株)は、日新製鋼による自己株式の取得・消却等の理由により今後修正される可能性がある。
(3)本株式交換の効力発生日
平成31年1月1日
3.本株式交換に係る割当ての内容の根拠及び理由
当社及び日新製鋼は、本株式交換に用いられる上記2.(2)「本株式交換に係る割当ての内容」に記載の株式の割当比率(以下「本株式交換比率」という。)の算定に当たって公正性・妥当性を確保するため、それぞれ個別に、両社から独立した第三者算定機関に株式交換比率の算定を依頼することとし、当社は野村證券株式会社を、日新製鋼は三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社を、それぞれの第三者算定機関に選定した。
当社及び日新製鋼は、それぞれの第三者算定機関から提出を受けた株式交換比率の算定結果を参考に、両社それぞれが相手方に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて慎重に検討し、当社及び日新製鋼の財務状況、資産状況、将来の見通し等の要因を総合的に勘案した上で、両社間で交渉・協議を重ねてきた。その結果、当社及び日新製鋼は、本株式交換比率は妥当であり、それぞれの株主の利益を損ねるものではないとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことにつき、平成30年5月16日開催された当社及び日新製鋼の取締役会において、両社間で本株式交換契約を締結することをそれぞれ決議した。
なお、本株式交換比率は、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、両社間で協議の上変更することがある。
4.本株式交換後の会社の資本金・事業の内容等
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商号 |
新日鐵住金株式会社 (英文名:NIPPON STEEL & SUMITOMO METAL CORPORATION) |
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本店の所在地 |
東京都千代田区 |
|
代表者の氏名 |
代表取締役社長 進藤 孝生 |
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資本金の額 |
4,195億円 |
|
純資産の額 |
現時点では確定していない。 |
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総資産の額 |
現時点では確定していない。 |
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事業内容 |
製鉄、エンジニアリング、化学、新素材、システムソリューションの各事業 |
当社は、需要家のニーズや環境・エネルギー問題等の社会的ニーズが多様化するなかで、「技術先進性」の拡大を通じた利益成長に資する研究開発分野に対し、重点的に経営資源を投入しています。鉄鋼研究所、先端技術研究所及びプロセス研究所の3つの中央研究組織と各製鉄所に配置した技術研究部が強固な連携体制を構築し、「リサーチ・アンド・エンジニアリング」の理念のもと、基礎基盤研究から、応用開発、エンジニアリングまでの一貫した研究開発を推進しています。
当社の強みは、①研究開発とエンジニアリングの融合による総合力及び開発スピード、②需要家立地の研究開発体制、③需要家のニーズに対する的確なソリューション提案力、④製鉄プロセス技術を基盤とした環境・エネルギー問題への対応力、⑤産学連携、海外アライアンス及び需要家との共同研究です。これらの強みを活かし、鉄を中心とした新しい機能商品をはじめ、革新的生産プロセスの創出と迅速な実用化を図っています。
当連結会計年度における当社及び連結子会社全体の研究開発費は730億円です。各セグメントの研究主要課題、成果及び研究開発費は次のとおりです。
(製鉄)
当セグメントに係る研究開発費は632億円です。
当社は、3地点の研究開発センター(富津市、尼崎市、波崎市)を軸に、①鉄鋼研究所では、鉄鋼材料・商品と利用技術・ソリューション研究開発、②先端技術研究所では、共通基盤技術研究及び新素材事業を中心とした製鉄以外のセグメント事業支援開発、③プロセス研究所では、設備エンジニアリングと設備保全技術開発を担当する設備・保全技術センターと密接な連携を図りながら製鉄プロセス関連の研究開発に取り組み、開発の短期化・効率化を目指し、鉄源コストの削減・基幹ラインの生産性の抜本的向上等の研究開発の加速化を進めてまいりました。
<薄板>
・当社が開発した自動車外板用1,180MPa級冷延ハイテン、高穴広げ型980MPa級冷延ハイテン、連続フランジ工法などの超ハイテンおよびソリューション技術が、本田技研工業㈱(Honda)の新型軽乗用車「N-BOX」に採用されました。これらはHondaの研究開発を担う㈱本田技術研究所と連携のもとボディ部品に適用され、新型N-BOXの軽量化・高剛性化に寄与しています。今後も自動車の軽量化、価値向上に向け、超ハイテンやソリューション技術の開発、適用を幅広く進めてまいります。
・当社は、パナソニック㈱より同社商品のCO2削減や商品力強化に貢献し、特に優秀と認められた提案に贈られる「ECO・VC賞」の金賞を平成22年度から8年連続で受賞しました。今回の受賞は耐食性・加工性に優れたスーパーダイマ®を原板とした高耐食性塗装鋼板の開発・提案が評価されました。本提案によりエアコン室外機用キャビネットの後塗装工程の省略を実現しました。今後、世界各拠点に順次展開されていく予定です。
<厚板>
・当社が開発した塗装周期延長鋼「CORSPACE®」が国内で最も塩害環境の厳しい沖縄の沖縄西海岸道路浦添北道路の「牧港高架橋」に採用されました。従来鋼の場合、腐食や塗装の剥がれによる定期的なメンテナンスが必要となりますが、「CORSPACE®」採用によりメンテナンス期間の短縮が見込まれます。今回、橋梁のライフサイクルコスト低減の観点から、鋼桁部全量(約350トン)に「CORSPACE®」が採用されました。今後も「CORSPACE®」の普及拡大を進め、社会・産業インフラを支える鋼構造物の寿命延長や維持管理費削減、塗装頻度削減による環境負荷軽減に貢献してまいります。
<鋼管>
・当社が開発した高圧水素用ステンレス鋼「HRX19®」は、溶接施工により70MPa級の高圧水素環境下で使用出来る唯一の材料であり、機械式継手の最大の課題であった水素漏れリスクを排除し、安全性向上を実現しております。当社グループは「HRX19®」の供給から水素ステーションの建設、高圧水素中での材料評価まで、水素社会の実現に必要不可欠なソリューションを提供しており、「HRX19®」は既に全国にある商用水素ステーションの約半数に採用されています。今後も、水素社会の実現に必要なインフラの構築の加速に貢献してまいります。
<建材>
・当社は、スチールハウス工法(NSスーパーフレーム工法®)用に開発した「高強度耐力壁」の用途の拡大に取り組んでおります。「高強度耐力壁」には当社が開発した高耐食性めっき鋼板「スーパーダイマ®」を使ったバーリング孔付き鋼板面材を使用しており、地震エネルギー吸収能力の大幅な向上を図ることができます。今後も「NSスーパーフレーム工法®」の進化を図っていくとともに、同工法の「短期間での現場施工」という特徴を活かしながら、幅広いインフラ整備に貢献してまいります。
<チタン>
・プレス成形性・溶接性・異方性等に優れた当社製「純チタンJIS1種材(TP270C)」がHondaの大型スポーツバイク「CBR1000RR SP」最新モデルの燃料タンク素材として採用されました。「CBR1000RR SP」はHonda/CBRシリーズの最上位モデルのスポーツバイクであり、公道用量産車での燃料タンク本体へのチタン採用は世界初となります。またエキゾーストシステムにも当社「純チタン2種材(TP340C等)」が採用され、軽量化に寄与しています。今後も二輪車および四輪車への価値向上へのソリューションの一環として、幅広い製品ラインアップ、研究開発力、デリバリー対応力によって、チタン製品の適用拡大を進めてまいります。
・当社が開発した意匠性チタン製品「TranTixxii®」を使用したチタン複合板が中国江蘇省の江蘇大劇院 Jiangsu Grand Theatreに採用され、平成29年8月にオープンしました。江蘇大劇院は江蘇省最大の文化施設であり、当社チタン製品のこれまでの中国国内での採用実績に加え、優れた意匠性と、通常変色してしまうチタンを独自技術開発で変色しにくくした特性が高く評価され、本物件の外装での採用につながりました。今後もチタン製品の国内外の建築分野への普及に向け、引き続き尽力してまいります。
・当社と日鉄住金防蝕㈱は、文化財等歴史的構造物へのチタン適用拡大を推進しております。このたび、善光寺/重要文化財の経蔵の耐震補強工事において、チタン箔シートが補強材の接合に採用されました。本件はチタン箔シートが重要文化財に初めて採用された事例となります。文化財では古材保護が重要視され、数百年単位の耐久性が必要とされることから、チタンが選ばれ文化庁に採用が認められました。今後もチタンの優れた特性を活かし歴史的構造物の耐震性・安全性向上及びライフサイクルコストの低減に貢献してまいります。
・また、当社と日鉄住金防蝕㈱が開発した「チタン箔による防食工法」が第三管区海上保安本部の所管標識である静岡県の掛塚灯台で初めて試験的に採用されました。今後も海洋土木分野をはじめとした様々な分野で、ライフサイクルコストを低減し、さらなる長寿命化を実現して安心・安全な災害に強い社会基盤の構築に貢献する製品を提供してまいります。
<交通産機品>
・当社と当社の米国における鉄道用車輪・車軸の製造会社であるスタンダード・スチール社(SS社)は、高い品質と顧客対応力が評価され、米国TTX社より「Excellent Supplier 2016」を同時受賞しました。当社は平成16年の初受賞以来、11回目の受賞、SS社は賞創設以来、26回の連続受賞となります。今後も北米の車輪市場における高品質・高性能な車輪の供給を拡大し、お客様のニーズに応えてまいります。
・当社の米国における鍛造クランクシャフト製造・販売事業会社であるインターナショナル・クランクシャフト社(ICI社)は、平成29年8月21日に操業開始25周年記念式典を開催しました。ICI社は、平成4年の第1ラインの操業開始後、米国マーケット需要に対応すべく生産能力を拡大し、平成27年には最新鋭の第4ラインの操業を開始しました。米国の鍛造クランクシャフト需要は、北米市場成長に加え、完成車輸入から現地生産化への切り替えの進展により、今後も成長が期待されます。ICI社は今後も米国マーケットでのクランクシャフト需要を捕捉してまいります。
・当社の米国におけるクランクシャフト機械加工・販売事業会社であるニッポンスチール・アンド・スミキン・クランクシャフト社は、米国トラックメーカー最大手のナビスター・インターナショナル社(Navistar社)より、平成29年の「ダイヤモンド・サプライヤー・アワード(Diamond Supplier Award)」を受賞しました。本賞は、品質、納期、開発技術などで貢献をした上位2%のサプライヤーに贈られる賞で同社は初受賞となります。当社クランクシャフト事業は、一貫製造体制の構築及びお客様の幅広いニーズに応えるサービスを提供しております。今後も技術開発力・コスト競争力を高め、グローバルに事業を展開してまいります。
・当社が開発した中・大型商用車に使用される永久磁石式の補助ブレーキ装置(リターダ)が、第7回「ものづくり日本大賞」において特別賞を受賞しました。車重規制緩和、燃費改善、排気ガス規制、ドライバーの疲労軽減などの課題を解決するリターダの普及により、商用車の安全・安心の確保に向け、今後も貢献してまいります。
<製鉄プロセス等>
・当社が開発した合金鉄溶解炉による「省資源・環境調和型・高生産性ステンレス製鋼プロセス」が、生産工学等における顕著な業績を表彰する大河内賞(第64回)において、最高賞である「大河内記念生産特賞」を受賞しました。本技術により、ステンレス鋼製造時に発生するクロム含有スクラップ・ダスト・スケールの全量リサイクル化を可能とするとともに、スラグ発生量のミニマム化、大量のエネルギーを消費して製造される合金鉄や生石灰の省資源化が可能となりました。また、本受賞に先立ち本技術は平成29年10月「資源循環技術・システム表彰 経済産業大臣賞」も合わせて受賞しております。
<スラグ・セメント>
・当社は、製鉄工程で副次的に生産される製鋼スラグを原料とするカルシア改質材により、浚渫土などの軟弱な泥土の有効活用に貢献しております。国土交通省四国地方整備局松山港湾・空港整備事務所から発注された東予港の埋立工事において、当社カルシア改質材が活用されました。東予港にて発生した浚渫土にカルシア改質材を混合・改質することで液状化に強いという特性が備わることにより、耐震強化岸壁の埋立工事の一部に活用されました。今後も建設副産物の有効活用の観点を含め、社会インフラ整備に幅広く貢献してまいります。
(エンジニアリング)
当セグメントに係る研究開発費は28億円です。
新日鉄住金エンジニアリング㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・製鉄プラント分野 当社との共研を中心とした先進的製鉄プロセス関連の開発
・環境分野 溶融炉競争力強化、バイオマス利用技術開発、土壌浄化技術の開発
・エネルギー分野 オンサイト発電の高効率化/操業支援
・海洋分野 海底パイプライン敷設の自動化・高速化・高品質化
・建築分野 免制震デバイス商品の開発、次世代商品の探索
・陸上パイプライン分野 陸上パイプライン溶接技術の開発
(化学)
当セグメントに係る研究開発費は34億円です。
新日鉄住金化学㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・人造黒鉛電極用ニードルコークス及び各種炭素材料、機能樹脂材料、フレキシブル回路基板材料、液晶ディスプレイ材料、有機EL材料、エポキシ樹脂材料
(新素材)
当セグメントに係る研究開発費は18億円です。
新日鉄住金マテリアルズ㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・金属箔、ボンディングワイヤ、はんだマイクロボール、球状フィラー、CMPパッドコンディショナー、HIP、炭素繊維及び炭素繊維複合材、メタル担体等の分野に関する研究開発
(システムソリューション)
当セグメントに係る研究開発費は16億円です。
新日鉄住金ソリューションズ㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・システムの構築・運用における品質及び生産性の向上
・ITサービスの競争力強化、価値共創の取組み
・IoT、AI領域への取組み