当期の世界経済は、米国においては安定的な成長が継続し、欧州においては緩やかな景気の回復が続いたことに加え、中国経済も政府の景気対策の効果等により持ち直しつつあるなど、全体としては緩やかに回復してまいりました。
日本経済は、企業の生産活動に持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復が継続しました。
国内鉄鋼需要は、第1四半期を底として、建設向けや自動車向けを中心に増加し、第2四半期以降は回復基調で推移しました。海外鉄鋼需要は、アセアン諸国において緩やかな回復が見られ、減少が続いてきた中国内需も政府の景気対策の効果に加え生産活動の持ち直しにより、底堅く推移しました。こうしたなか、国際鉄鋼市況は、平成28年の年初に底を打ったのち上昇に転じ、当期は上昇基調が継続しました。特に、第2四半期以降の原料炭を中心とする原材料価格の高騰や鋼材需給の改善を受け、第3四半期以降はさらに上昇しました。
このような環境のなか、当社グループは、平成27年3月に策定した「2017年中期経営計画」に掲げた国内マザーミル競争力の強化、グローバル戦略の推進、技術先進性の発揮、世界最高水準のコスト競争力の実現、製鉄事業グループ会社の体質強化等の諸施策を着実に推進してまいりました。
当社グループと致しましては、各セグメントにおいて各社がそれぞれの環境変化に対応しながら、最大限の経営努力を重ねてまいりました。各セグメント別の業績の概況は以下のとおりです。
(当期のセグメント別の業績の概況)
|
|
|
製鉄 |
エンジニ |
化学 |
新素材 |
システム |
合計 |
調整額 |
連結財務諸表計上額 |
|
売上高 |
当期 |
40,522 |
2,675 |
1,742 |
345 |
2,325 |
47,610 |
△1,281 |
46,328 |
|
(億円) |
前期 |
42,839 |
3,157 |
1,818 |
362 |
2,189 |
50,366 |
△1,292 |
49,074 |
|
経常利益 |
当期 |
1,380 |
68 |
45 |
17 |
221 |
1,732 |
12 |
1,745 |
|
(億円) |
前期 |
1,600 |
121 |
10 |
30 |
194 |
1,959 |
50 |
2,009 |
<製鉄>
製鉄セグメントにおきましては、国内マザーミル競争力の強化とグローバル戦略の推進を大きな柱として諸施策に取り組んでまいりました。
国内においては、製鉄所等の強化・再建を基本経営課題として、設備と人材の両面で製造実力の強化策を引き続き推進してまいりました。設備面では、設備の健全性を維持・強化することに加え、最新技術を導入した更新投資を行ってまいりました。当期においては、君津製鐵所及び鹿島製鐵所でコークス炉の改修・増設を致しました。また、人材面では、採用を強化するとともに、長期的な視点に立った人材育成施策を推進し、現場・安全に強い人づくりや、団塊世代の退職が進むなかで技能の確実な伝承に努め、製造実力の維持・向上に取り組んでまいりました。
また、日新製鋼㈱との間で、平成28年5月に子会社化等に関する契約を締結し、公開買付け(TOB)手続きを経て、本年3月13日に同社を子会社化致しました。今後、当社及び日新製鋼㈱は、当社の強みである世界トップレベルの技術先進性、商品対応力、鉄源を中心としたコスト競争力とグローバル対応力に、日新製鋼㈱の強みである需要家の皆様のニーズに即したきめ細かな開発営業による市場対応力を融合させ、より良い商品、技術及びサービスをグローバルに提供することを通じて需要家の皆様の期待に応えてまいります。
一方、海外においては、成長市場における需要の捕捉や需要家の皆様の海外展開に即応した事業体制の構築を図るなど、グローバル供給体制の一層の充実を図ってまいりました。たとえば、米国においては、主に自動車用部品に使用される冷間圧造用鋼線の製造・販売を行う子会社で工場新設に着手致しました。また、伸びゆく建材薄板需要を捕捉するため、溶融めっき鋼板の製造ラインを、アラブ首長国連邦における建材薄板を製造・販売する合弁会社では増設し、タイにおける合弁会社では増設を決定致しました。
技術先進性の発揮の面では、製造・販売・技術・研究部門が一体となって、需要家の皆様へのソリューション提案や高機能商品の開発に取り組んでおります。たとえば、グローバルマーケットの主力である自動車分野において、高成形性超ハイテンの製造対策を海外で初めて米国の鋼板製造・販売の合弁会社で行いました。資源エネルギー分野においては、優れた商品の供給、トータルソリューションの提案力等が高く評価され、オイルメジャー各社との間で油井管の長期販売契約を更新しました。
これらに加えて、コスト改善の観点から原燃料費の低減や製造歩留の向上等にも引き続き取り組むとともに、鋼材価格につきましては、原材料価格の高騰等を踏まえて、需要家の皆様に御理解いただけるよう丁寧な対応に努めてまいりました。製鉄セグメントとして、売上高は4兆522億円(前年同期は4兆2,839億円)、経常利益は1,380億円(前年同期は1,600億円)となりました。
なお、本年1月5日に発生しました大分製鐵所厚板工場での火災につきましては、株主、近隣住民及び取引先の皆様をはじめ、関係各位に多大な御迷惑と御心配をおかけし、改めて深くお詫び申しあげます。社長を本部長とする危機管理本部の下で、全社を挙げて再発防止策の実施及び早期復旧に取り組んでおります。
<エンジニアリング>
新日鉄住金エンジニアリング㈱におきましては、国内においては建築分野で受注は堅調であったものの、原油価格の低迷や海外鉄鋼メーカーの投資手控え等、依然として厳しい事業環境が継続しております。当期は、プロジェクト実行管理の着実な遂行、固定費・経費削減等による収益改善等に取り組んでまいりましたが、売上・損益ともに減少しました。エンジニアリングセグメントとして、売上高は2,675億円(前年同期は3,157億円)、経常利益は68億円(前年同期は121億円)となりました。
<化学>
新日鉄住金化学㈱におきましては、化学品事業では、汎用樹脂原料であるスチレンモノマーの市況がタイトな需給バランスを背景に堅調に推移しました。また、機能材料事業では、高精細液晶パネルなどの電子機器向けを中心としたディスプレイ材料の販売が好調を維持しました。一方、コールケミカル事業では、黒鉛電極用ニードルコークスの需要が低迷しましたが、年度末にかけて回復の兆しが見られました。化学セグメントとして、売上高は1,742億円(前年同期は1,818億円)、経常利益は45億円(前年同期は10億円)となりました。
<新素材>
新日鉄住金マテリアルズ㈱におきましては、電子産業部材では、表面処理銅ワイヤの販売が引き続き好調でした。炭素繊維・複合材では、トンネルや橋梁等のインフラ補修・補強用途の需要が堅調に推移しました。しかしながら、競争の激化及び円高の影響を受け、売上・損益ともに減少しました。新素材セグメントとして、売上高は345億円(前年同期は362億円)、経常利益は17億円(前年同期は30億円)となりました。
<システムソリューション>
新日鉄住金ソリューションズ㈱におきましては、幅広い業種の顧客に対し、システムの企画、構築、運用・保守を一貫して提供するとともに、顧客の事業環境変化に対応した先進的なソリューション・サービスを展開しております。当期は、ITアウトソーシングサービスの運用拠点「NSFITOS Center(エヌエスフィットスセンター)」の東西2拠点化、ネットワーク・セキュリティ分野に強みを持つ企業の子会社化による当該分野の強化等、ITアウトソーシングサービスの競争力強化に取り組んでまいりました。これらの結果、増収増益となりました。システムソリューションセグメントとして、売上高は2,325億円(前年同期は2,189億円)、経常利益は221億円(前年同期は194億円)となりました。
(売上・損益)
当期の連結業績につきましては、最大限のコスト改善施策の実行に加え、海外事業を中心としたグループ会社損益の改善があったものの、エネルギー分野向け鋼材需要の低迷等による販売構成悪化に加え、原料炭価格の急騰に対応する販売価格への反映の遅れに起因するマージン悪化や円高の影響もあり、売上高は4兆6,328億円(前年同期は4兆9,074億円)、営業利益は1,142億円(前年同期は1,677億円)、経常利益は1,745億円(前年同期は2,009億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,309億円(前年同期は1,454億円)となりました。
また、当期の単独業績につきましては、売上高は2兆9,742億円(前年同期は3兆1,607億円)、営業利益は△291億円(前年同期は562億円)、経常利益は481億円(前年同期は879億円)、当期純利益は415億円(前年同期は837億円)となりました。
当期末の連結総資産は、日新製鋼㈱の子会社化等があり、受取手形及び売掛金の増加(1,008億円)、たな卸資産の増加(1,047億円)、有形固定資産の増加(2,615億円)、投資有価証券の増加(2,239億円)等により、前期末(6兆4,250億円)から8,368億円増加し7兆2,619億円となりました。
負債につきましても上記子会社化等があり、有利子負債が2兆1,048億円と前期末(2兆82億円)から965億円増加し、支払手形及び買掛金の増加(1,389億円)、繰延税金負債の増加(564億円)、退職給付に係る負債の増加(591億円)等により、前期末(3兆4,159億円)から5,549億円増加し3兆9,709億円となりました。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益による1,309億円の増加、配当金の支払いによる減少(135億円)、自己株式の取得等による減少(441億円)に加え、その他有価証券評価差額金の増加(979億円)、日新製鋼㈱の子会社化等による非支配株主持分の増加(1,075億円)等により、前期末(3兆90億円)から2,819億円増加し3兆2,910億円となりました。なお、当期末の自己資本は2兆9,482億円となり、有利子負債自己資本比率(D/Eレシオ)は0.71倍となりました。
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,816億円に減価償却費(3,047億円)を加えた収入、及び売上債権の増加(292億円)・仕入債務の増加(273億円)等があり、4,842億円の収入(前年同期は5,629億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資による支出(3,218億円)、日新製鋼㈱の子会社化を中心とした投資有価証券・関係会社株式の取得による支出(1,160億円)がある一方、投資有価証券・関係会社株式の売却による収入(863億円)があり、3,437億円の支出(前年同期は2,422億円の支出)となりました。この結果、フリーキャッシュ・フローは1,405億円の収入(前年同期は3,207億円の収入)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、日新製鋼㈱等の子会社化による有利子負債の増加(2,618億円)を控除した実質的な有利子負債の減少(1,653億円)に加え、自己株式の取得による支出(443億円)、前期末の配当(135億円)等により、1,350億円の支出(前年同期は3,375億円の支出)となりました。以上により、当期末における現金及び現金同等物は913億円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 金額(百万円) |
当連結会計年度 金額(百万円) |
|
製鉄 |
4,794,840 |
4,484,382 |
|
エンジニアリング |
263,722 |
222,053 |
|
化学 |
197,466 |
173,372 |
|
新素材 |
26,173 |
26,980 |
|
システムソリューション |
177,244 |
186,823 |
|
合計 |
5,459,447 |
5,093,611 |
(注) 1 金額は製造原価による。
2 上記の金額には、グループ向生産分を含む。
当連結会計年度における受注状況をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
エンジニアリング |
314,524 |
276,851 |
310,000 |
310,000 |
|
システムソリューション |
229,765 |
252,896 |
96,953 |
117,377 |
|
合計 |
544,289 |
529,747 |
406,953 |
427,377 |
(注) 1 上記の金額には、グループ内受注分を含む。
2 「製鉄」、「化学」及び「新素材」は、多種多様な製品毎に継続的且つ反復的に注文を受けて生産・出荷する形態を主としており、その受注動向は、生産実績や販売実績に概ね連動していく傾向にあり、また、需要動向等についても本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」において記載していることから、金額又は数量についての記載を省略している。
当連結会計年度における外部顧客に対する販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 金額(百万円) |
当連結会計年度 金額(百万円) |
|
製鉄 |
4,241,521 |
4,016,670 |
|
エンジニアリング |
288,088 |
234,861 |
|
化学 |
176,360 |
168,596 |
|
新素材 |
36,280 |
34,519 |
|
システムソリューション |
165,178 |
178,242 |
|
合計 |
4,907,429 |
4,632,890 |
(注) 1 前連結会計年度及び当連結会計年度における輸出販売高及び輸出割合は、次のとおりである。
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
輸出販売高(百万円) |
輸出割合(%) |
輸出販売高(百万円) |
輸出割合(%) |
|
1,903,846 |
38.8 |
1,676,909 |
36.2 |
(注) 輸出販売高には、在外子会社の現地販売高を含む。
2 主な輸出先及び輸出販売高に対する割合は、次のとおりである。
|
輸出先 |
前連結会計年度(%) |
当連結会計年度(%) |
|
アジア |
63.7 |
62.2 |
|
中近東 |
6.5 |
8.0 |
|
欧州 |
5.3 |
4.9 |
|
北米 |
12.0 |
10.7 |
|
中南米 |
9.0 |
10.6 |
|
アフリカ |
2.4 |
2.6 |
|
大洋州 |
1.0 |
1.0 |
|
合計 |
100.0 |
100.0 |
(注) 輸出販売高には、在外子会社の現地販売高を含む。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりである。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
日鉄住金物産㈱ |
778,496 |
15.9 |
744,325 |
16.1 |
|
住友商事㈱ |
770,608 |
15.7 |
675,417 |
14.6 |
|
㈱メタルワン |
494,904 |
10.1 |
- |
- |
(注) 総販売実績に対する割合が10%未満の場合は、当該連結会計年度の記載を省略し、「-」表示している。
なお、生産、受注及び販売等に関する特記事項については、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」等に記載しております。
当社グループは、平成27年度から平成29年度を実行期間とする「2017年中期経営計画」を策定しております(平成27年3月3日公表)。また、このうち、八幡製鐵所の鉄源工程の最適体制構築については、同所の総合的競争力強化を図る観点から、一部方案を見直しております(平成28年3月30日公表)。これらの概要についてはそれぞれ以下のとおりです。
<2017年中期経営計画(平成27年3月3日公表)>
|
新日鐵住金グループの中期経営計画について ~『総合力世界No.1の鉄鋼メーカー』の実現に向けて~
2017年中期経営計画の概要
1.製鉄事業 (1)国内マザーミル競争力の強化 1)国内マザーミルの位置付けとその強化 国内製造拠点が、将来に亘り製鉄事業のマザーミルとして、鉄源の安定生産はもとより、技術開発並びにコスト・生産性改善の拠点としての進化を続け、国内外へのミドル・ハイエンド製品の安定供給と海外事業拠点への技術支援を行っていきます。 そのために、主力製鉄所が設立後40年以上を経過している現状を踏まえ、製鉄所等の「強化・再建」を基本経営課題に据えて、「設備」と「人」の両面で製造実力の強化策を推進します。
2)鉄源工程の最適体制構築 全社での高出銑操業の追求等による鉄源設備稼働率の向上を図り、より小さい固定費で高い生産性を実現します。 ①現在推進中の君津製鐵所の高炉2基体制への移行(第3高炉休止)については計画通りに2015年度末目途に実行致します。 ②加えて今回、八幡製鐵所において以下の最適化施策を実施することと致しました。 ・戸畑第4高炉増出銑対策の実施、輸送線の設置による戸畑地区から小倉地区へ溶銑の供給(完成時期:2018年度中) ・社内の他製鉄所からの特殊鋼棒線用鋼片の供給 これにより小倉第2高炉を休止(休止時期:2018年度末 目途)し、併せて小倉地区製鋼効率化の実施(品質対応力・生産性で優位性のある第4連鋳機系列を活用、第3連鋳機系列休止(休止時期:2018年度末 目途)により、棒線品種の最適生産および競争力強化を図ります。 なお、和歌山第5高炉から稼働待機中の新第2高炉への切替えは、需要動向等も踏まえてタイムリーに実施出来るよう、稼働に向けた事前準備を開始します。 これらの施策により、激しい競争環境においても優位性を確保出来る体質を構築します。
(2)グローバル戦略の推進 当社が有する商品技術力・コスト競争力・供給ネットワークを活かし、高級鋼を軸にグローバルマーケットで当社ポジションの維持拡大を追求していきます。 1)顧客のニーズに対する材料、設計、工法面からの総合提案や海外拠点活用等により、グローバルマーケットにおける主力分野(自動車、資源エネルギー、鉄道・建築土木等のインフラ関連)での高級鋼需要を着実に捕捉するとともに、差別性ある商品力の更なる向上や流通加工におけるグループの総合力発揮により、国内外市場で当社ポジションの維持拡大を図ってまいります。 2)海外の成長市場の需要を捕捉する中、特に自動車を始めとする主要顧客が製造拠点を有する北米、ASEANでは、高級鋼輸出及び現地生産の両面により、当社のプレゼンスを確固たるものに致します。 |
|
3)この数年内に稼働を開始、又は今後稼働を予定している海外のプロジェクトについては、立上げに万全を期し、確実に戦力化してまいります。 4)また、グローバル・ビジネス展開に相応しい、地域統括機能の強化、グローバル人材育成、業務システムの構築等、組織・業務運営の基盤を強化してまいります。
<参考>主要な海外事業投資案件
上記(1)(2)により、「世界最強の鉄源工程と高級鋼の製造・開発基地としての国内マザーミル」と「成長市場に立地し、マザーミルの素材と技術力を活用する海外下工程拠点」の両輪によるグローバル事業展開を図る、当社のビジネスモデルを徹底して強化します。
(3)技術先進性の発揮 1)当社が有する世界最大規模(研究員 約800名)・世界最高水準の技術開発力の一層のレベルアップを図り、自動車・資源エネルギー・インフラ分野を軸とした成長市場におけるハイテン鋼板や耐食性高合金シームレス鋼管などの高機能商品開発、お客様への設計・鋼材選択・加工などの総合ソリューション提案、プロセス革新による生産性の向上等で世界をリードします。 2)そのために現状より研究開発費を10%程度拡充することで開発スピードを加速化するとともに、水素社会を始めとした新しい社会ニーズに対応した次世代鋼材研究や、高度な解析・数理技術等を駆使した要素・基盤技術の研究にも積極的に取り組み、お客様や社会のニーズへ的確に対応してまいります。
こうした技術先進性の発揮は、高級鋼を軸にグローバル市場でポジション拡大を図る当社の事業戦略を支えるとともに、国内外拠点の製造技術力の向上にも大きく寄与します。
(4)世界最高水準のコスト競争力の実現 生産体制の集約を含む統合効果のフル発揮、コークス炉リフレッシュ効果、歩留向上等の徹底した操業技術改善などにより、3年間を目途に年率1,500億円以上(単独)のコスト改善の実現を目指します。これに上記マザーミル強化策の効果を併せ、グローバル競争を勝ち抜く世界最高水準のコスト競争力を実現いたします。 1)統合効果のフル発揮 600億円 2)体質強化投資の成果発揮等 900億円
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(5)製鉄事業グループ会社の体質強化 既に統合再編したグループ会社については、シナジー効果の更なる追求を図るとともに、当社とグループ会社一貫、またはグループ会社間などのシナジー追求も拡大します。
2.製鉄以外の各事業セグメントの方針 各事業は競争力基盤を強化し、中核事業である製鉄事業へのシナジー追求と各業界でのトップクラスの収益体質の確保を目指します。
(1)エンジニアリング事業 製鉄事業の差別化製品を支える製鉄プラントを主たる事業として、鋼構造分野における国内の防災・国土強靭化施策、東京オリンピックに向けたインフラ整備等のビジネスチャンスの確実な捕捉に加え、環境・エネルギー分野におけるアジアを中心とした成長市場への積極的展開等により、各事業分野毎に更なる利益成長を図ってまいります。
(2)化学事業 製鉄事業のコークス炉の副産物であるタールを主たる原料として、炭素材料(ニードルコークス、カーボンブラック等)、化学品(スチレンモノマー等)、回路基板材料(エスパネックス®)、エポキシ樹脂を軸とした安定的収益構造を確立するとともに、炭素・樹脂というコア技術をベースとして、自動車・インフラ分野に軸足を置いた次世代を担う事業創出に取り組みます。
(3)新素材事業 全社研究開発部門からシーズや基礎技術の提供を受けた、電子産業分野(表面被覆EXワイヤ®等)、インフラ分野(炭素繊維複合材)、環境分野(排ガス浄化用メタル担体)を中心に、差別化商品・技術の深掘り、海外生産拠点の増強、将来に向けた技術開発・事業開発により、成長戦略を推進します。
(4)システムソリューション事業 製鉄事業の効率的生産を支えるグループ内システムソリューション機能に加えて、顧客企業の活発化するITニーズに対する的確なソリューションや、運用・保守を中心とするITアウトソーシング、クラウドコンピューティングサービス等のITサービス提供を通じて、持続的な事業成長と業界トップクラスの収益力の実現を目指します。
3.成長を支える経営資源投入 マザーミルの競争力強化を目的とした国内設備投資は、コークス炉等の大型設備更新、設備健全性の維持・強化策、コスト競争力強化に資する収益改善策等、4,500億円/年程度を計画化し、実行します。また、事業投資は1,000億円/年程度の投入枠を設定し、タイムリーに成長投資を決断してまいります。採用については1,300人/年程度を織り込み、人的戦力を強化・拡充します。
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4.信頼される企業に向けた取り組み (1)当社の基本理念※を実践し、社会への一層の貢献に努めてまいります。 (2)各種法令・ルールを遵守するとともに、安全・環境・防災等のリスク管理を適切に行ってまいります。特に、名古屋製鐵所の事故を教訓に、全社を挙げて未然防止対策に取り組んでまいります。
新日鐵住金グループは、社会から信頼される企業に向け、上記の取り組みを継続します。
※常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献します。
5.『総合力世界No.1の鉄鋼メーカー』の実現に向けて (1)こうした一連の施策により、国内競争力基盤の充実(国内粗鋼能力5,000万t)、海外事業の収益拡大・戦力化(海外拠点販売量を2014年度比+20%)による中長期的な利益成長とキャッシュフロー拡大を図り、ROS10%以上、ROE10%以上を目指します。 (2)また、前述した成長資金の投入を織り込んだ上で、2017年度末のD/Eレシオについては国際格付A格の平均水準である 0.5倍程度を目指すこととし、盤石な財務体質を実現します。 (3)株主の皆様への配当還元につきましては、連結配当性向の方針を現行の「20%程度を基準」から「20~30%を目安」へと拡充することと致します。(2015年度から適用) (4)これらを通じて、『総合力世界No.1の鉄鋼メーカー』の実現に向けて邁進します。
<2017年中期経営計画のターゲット>
以 上
|
八幡製鐵所の鉄源工程の最適体制構築の方案変更については、平成28年3月30日に以下のとおり公表しております。
<八幡製鐵所 鉄源工程の最適体制構築の方案変更(平成28年3月30日公表)>
|
八幡製鐵所における最新鋭連続鋳造設備の新設について (同所の鉄源工程の最適体制構築の方案変更について)
2017年中期経営計画(2015年3月3日公表)の主要施策の一つである八幡製鐵所の鉄源工程の最適体制構築について、公表以降、具体策の詳細検討を進めて参りましたが、既公表の方案検討に加え、小倉地区の棒線品種の競争力をより一層強化するとともに、他品種も含めた八幡製鐵所の総合的競争力強化を図る観点から各種検討を行った結果、この度方案を変更することと致しました。 具体的には、最新鋭の連続鋳造設備(以下、CC)を戸畑地区に新設、棒線向け・軌条向け鋼片製造を集約し、更なる生産性向上を実現致します。新設する設備は、小倉地区第4CCの基本設計を踏襲し、同CCの特性を活かした上で、品質対応力と生産能力を一層向上させたCCと致します。 これにより、 ① 棒線品種については、現状の小倉地区の棒線品種の生産量を維持した上で、現行小倉地区第4CCの機能に小倉地区第3CCと同等の高清浄化機能を追加した最新鋭のCCで鋼片を製造することによる商品競争力向上、加えて戸畑地区の大ロット精錬設備との組み合わせによる更なる生産性向上 ② 軌条品種については、同CCで鋼片を製造することによる生産性向上及び商品対応力強化を図ってまいります。 今般新たにCCを設置することに伴い、既公表の小倉地区の製銑設備及び製鋼第3CC系列設備の休止に加えて、小倉地区製鋼の精錬設備、第4CC系列設備、及び戸畑地区CC1基を休止致します。また、当初予定していた戸畑地区から小倉地区への溶銑輸送鉄道専用線は建設しないこととするとともに、小倉第2高炉の休止予定時期も昨年公表時から2年延期し、2020年度末と致します。
1. 2015年3月3日公表 ①戸畑第4高炉増出銑対策、輸送線(私鉄道+トンネル)の設置
2. 2016年3月30日公表(下線が主な変更点) ①戸畑地区に最新鋭の新ブルームCCを設置 (完成時期:2018年度末目途)
当社は、本施策を含めた競争力強化策を推進し、当社の強みである「技術力」「コスト競争力」「グローバル対応力」をより一層進化させ、揺るぎない『総合力世界№1の鉄鋼メーカー』を実現し、持続的な利益成長を目指します。 以 上
|
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
「2017年中期経営計画」の各目標とそれに対する平成28年度までの進捗は以下の状況となっております。
|
|
平成27年度 |
平成28年度 |
|
平成29年度 (目標) |
|
売上高利益率 |
4.1% |
3.8% |
10%以上 |
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株主資本利益率 |
5.1% |
4.6% |
10%以上 |
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D/Eレシオ |
0.72 |
0.71 |
0.5程度 |
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コスト改善 |
年率400億円 |
年率1,000億円 |
年率1,500億円以上 |
(経営環境及び対処すべき課題)
「2017年中期経営計画」の実行期間の最終年度となる平成29年度の経営環境については、以下のように認識しております。
世界経済は、米国、欧州及び中国は景気が底堅く推移し、ブラジルなど新興国経済の底打ちも見込まれることから、各国の政治情勢等に起因する不透明感は増しているものの、引き続き緩やかな回復が期待されます。
日本経済は、雇用環境が引き締まるなか、政府の経済対策の効果に加え、企業の生産活動の改善など、緩やかな回復の継続が見込まれます。
国内鉄鋼需要については、建設向けや自動車向けを中心に、引き続き堅調に推移するものと見込まれています。
海外鉄鋼需要は、米国やアセアン諸国などでは堅調に、また、中国内需も底堅く推移するものと想定しています。国際鉄鋼市況については、足下は在庫調整に起因した軟化の動きは見られるものの、需要は総じて堅調であることから一過性の事象であると想定しております。ただし、中国の過剰生産能力問題はいまだ解消途上であることに加え、足下においては豪州の天候不良による原料炭価格の急騰が見られることと、副原料・スクラップ価格や物流コストも上昇していることから、今後の動きを注視していく必要があります。
こうしたなか、当社は、引き続き鋼材需給動向や原料価格動向等に注意を払うとともに、最大限のコスト改善を実行してまいります。そのうえで、原料炭を中心とする原材料価格の高騰を受けたコストアップ分については、需要家の皆様に御理解いただき、鋼材価格の改定を実施してまいりました。当社と致しましては、コストアップ分も含めた再生産可能なマージンを確保するために、鋼材価格の改定につきまして、需要家の皆様に御理解いただけるよう丁寧な対応を継続していく所存です。
平成29年度の業績見通しにつきましては、主原料価格及び鋼材価格の動向が不透明であること等から、現時点では当社として合理的な算定・予想を行うことができません。従いまして、平成29年度の業績予想については未定とし、合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示致します。
当社グループは、このような環境においても、技術力、コスト競争力、グローバル対応力を競争優位性の柱とし、国内事業と海外事業を両輪として成長を目指します。引き続き、安全操業・安定生産に一層努め、設備と人に経営資源を重点的に配分して国内マザーミルの製造実力・技術開発力を高めるとともに、そこで培った競争力を武器に、伸びゆく世界のマーケットにおいて海外事業を強化するなど、「2017年中期経営計画」で掲げた諸施策を着実に推進してまいります。
(注) 上記(経営環境及び対処すべき課題)の記載には、平成29年4月28日決算発表時点の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測や目標が含まれている。実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性がある。
(財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に関する事項)
当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を次のとおり定めております。
<当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容>
当社グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて社会の発展に貢献することを企業理念に掲げ、この理念に基づき経営戦略を立案・遂行し、競争力・収益力を向上させることにより、企業価値ひいては株主共同の利益の向上を目指しております。
この企業理念・経営戦略が当社株式の大量買付け行為等によってゆがめられ、当社の存立・発展が阻害されるおそれが生じるなど、企業価値が毀損され、ひいては株主共同の利益が損なわれることのないよう、当社は、必要な措置を講じることと致しております。
当社は、第三者から当社株式の大量買付け行為等の提案(以下、「買収提案」といいます。)がなされた場合、これを受け入れるか否かの最終的な判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきものと考えております。他方で、買収提案の中には、当社の企業価値や株主共同の利益に対し明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に当社株式の売却を事実上強要することとなるおそれのあるもの等が含まれる可能性があると考えております。
従って、当社は、第三者から買収提案がなされた場合に株主の皆様にこのような不利益が生じることがないよう、明確かつ透明性の高いルールを備え置き、実際に買収提案がなされた場合には、株主の皆様が必要な情報と相当な検討期間をもって適切な判断(インフォームド・ジャッジメント)を行えるよう環境を整えることが当社取締役会の責務であると考え、『株式の大量買付けに関する適正ルール』(以下、「適正ルール」といいます。)を導入しております。
<基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要>
当社は、株主共同の利益の確保・向上を目的に、適正ルールを平成18年3月に取締役会決議をもって導入しておりますが、適正ルール導入から10年が経過した平成28年3月に、改めて適正ルールの必要性を確認するとともに、その信頼性・法的安定性を一層高めることができるよう、その導入・更新等について事前に株主の皆様の賛同を必要とする仕組みに変更することとし、同年6月24日開催の第92回定時株主総会において、この変更等を反映した適正ルールについて、株主の皆様の御承認をいただきました。御承認をいただいた適正ルールの概要は、以下(1)から(3)のとおりです。
(1)買収提案者による必要情報の提出と取締役会における検討等
当社取締役会は、当社の株券等を議決権割合で15%以上取得しようとする者(以下、「買収提案者」といいます。)から適正ルールに定める情報(以下、「必要情報」といいます。)がすべて提出された場合、当該買収提案者からの買収提案が当社の企業価値及び株主共同の利益の最大化に資するか否かを検討致します(検討期間は原則12週間)。
(2)株主意思の確認手続き
当社取締役会は、原則として、上記検討期間の満了後、買収提案を受け入れるか否かを株主の皆様に御判断いただくため、新株予約権の無償割当て(買収提案者に対する措置の発動)の必要性・賛否に関する株主意思の確認手続きを、書面投票又は株主意思確認総会により行います。
ただし、当社取締役会が必要情報を検討した結果、買収提案が当社の企業価値及び株主共同の利益の最大化に資すると判断した場合は、株主意思の確認手続きには進まず、また、新株予約権の無償割当ても行われません。
(3)新株予約権の無償割当てがなされる場合
適正ルールに基づく新株予約権の無償割当ては、ア)株主意思の確認手続きにおいて、株主の皆様が新株予約権の無償割当てに賛同された場合、イ)買収提案者が裁判例において悪質・濫用的であると例示されたグリーンメイラー等の4類型のいずれかに該当し、その買収提案が株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるものと取締役会が判断した場合、又はウ)買収提案者が適正ルールに定める手続きを無視したと取締役会が判断した場合に限られます。
なお、当社取締役会は、上記イ)又はウ)の判断にあたっては、適正ルールの運用に係る当社取締役会の判断の公正性を確保するため、当社の社外取締役又は社外監査役のうち3名の委員で構成する独立委員会から事前に意見を取得し、その意見を最大限尊重致します。
当社の適正ルールは、当社ウェブサイトに掲載しております。
<上記取組みについての取締役会の判断及びその判断に係る理由>
適正ルールは、買収提案がなされた場合に、新株予約権の無償割当ての必要性を、株主の皆様に必要な情報と相当な検討期間をもって御判断いただくためのルール及び手続きを定めたものです。適正ルールは、買収提案を受け入れるか否かの最終的な判断を当社株主の皆様に委ねることにより、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上を図る目的のものであり、当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
以上から、当社取締役会は、適正ルールが上記「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」に沿うものであると判断しております。
本報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、下記各項のものがあります。
なお、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況」の他の項目、「第一部 企業情報 第5 経理の状況」の各注記、その他においても個々に記載しておりますので、併せて御参照ください。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)鋼材需給の変動等
当社グループの売上高の8割超は製鉄事業によるものであり、国際的な鋼材需給の変動が業績に影響を与える可能性があります。また、国内外の鉄鋼メーカー等と厳しい競争状態にあるなかで、技術・コスト・品質等において当社グループの競争力に変化があった場合には、業績に影響が生じる可能性があります。
当社グループの製鉄事業における需要家は、商品に加工して販売する等を前提に鋼材を大量・定期的に購入することが多く、主要な需要家の購買方針の変更は業績に影響を与える可能性があります。
なお、鋼材等の販売先である商社・需要家等において与信リスクが顕在化した場合には、業績に影響が生じる可能性があります。
(2)原燃料価格の変動
鉄鉱石、石炭、合金、スクラップ等、主に製鉄事業に用いる原燃料の価格やその海上輸送にかかる運賃は、国際的な資源需給に連動しております。今後も、経済情勢や鋼材生産等を反映した鉄鋼原料の需給バランス等に応じた価格の変動が業績に影響を与える可能性があります。
(3)借入金、社債等の金利の変動、その他金融市場の変動
当期末における当社グループの連結有利子負債残高は2兆1,048億円であり、金利情勢、その他金融市場の変動が業績に影響を与える可能性があります。
(4)有価証券等の保有資産(年金資産を含む。)価値の変動
当期末において当社グループが保有する有価証券、投資有価証券及び関係会社株式の残高は合計1兆8,624億円であり、投資先の業績不振、証券市場における市況の悪化等により、評価損が発生する可能性があります。
また、上記の投資有価証券の他に年金資産(退職給付信託資産を含む。)が当社グループ合計で5,360億円あり、この資産を構成する国内外の株式、債券等の価格変動や金利情勢の変動が業績に影響を与える可能性があります。
(5)為替相場の変動
当社グループは、製品等の輸出及び原料等の輸入において外貨建取引を行っていること並びに外貨建の債権・債務を保有していることから、為替相場の変動が業績に影響を与える可能性があります。
(6)事業活動にかかる環境規制
今後、当社グループが事業活動を行う国においてCO2の排出に対する数量規制、その他の環境規制が強化・導入された場合には、製鉄事業を中心に当社グループの事業活動が制約を受けることにより、業績に影響が生じる可能性があります。
(7)海外の主要市場における関税引上げ、輸入規制等
これまで当社グループにおける一部の鋼材の輸出取引において、米国や東南アジア諸国等から反ダンピング税等の特殊関税を賦課されております。将来、海外の主要市場国において関税引上げ、特殊関税の賦課、数量制限等の輸入規制が課せられた場合には、輸出取引が制約を受けることにより、業績に影響が生じる可能性があります。
(8)重大な災害、事故、訴訟等
製鉄所をはじめとする当社グループの各事業所及び需要家をはじめとする取引先が、大規模な台風、地震等の自然災害に見舞われた場合、又は新型インフルエンザ等の感染症が全国的かつ急速に蔓延した場合等には、事業活動が制約を受けることにより、業績に影響が生じる可能性があります。また、重大な労働災害、設備事故、環境事故、品質問題等が発生した場合、又は重要な訴訟において当社に不利な判断がなされた場合には、事業活動の停止・制約、補償等により、業績に影響が生じる可能性があります。
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契約会社名 |
相手方当事者 |
国名 |
内容 |
契約年月日 |
契約期限 |
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当社 |
POSCO |
韓国 |
基礎的技術開発、第三国における合弁事業、IT等に係る協力関係の構築に関する戦略的提携契約 |
平成12年8月2日 但し、平成27年7月31日に改訂 |
平成30年8月1日 但し、3年毎の自動更新条項あり |
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当社 |
ArcelorMittal |
ルクセンブルク |
自動車鋼板分野等におけるグローバル戦略提携契約 |
平成13年1月22日 但し、平成23年1月11日に更新 |
平成33年1月22日 |
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当社 |
宝山鋼鉄株式有限公司 |
中国 |
中国における冷延及び溶融亜鉛めっき鋼板製造・販売に関する合弁事業 (事業主体 宝鋼新日鐵自動車鋼板有限公司) |
平成15年12月23日 但し、平成23年6月30日に改訂 |
合弁会社設立から20年が経過する日(平成36年7月30日) |
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当社 |
㈱神戸製鋼所 |
日本 |
鉄源設備共同活用に関する協定 (事業主体 日鉄住金鋼鉄和歌山㈱) |
平成17年6月17日 |
平成45年5月14日 |
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当社 |
POSCO |
韓国 |
連携深化に関する契約 *1 |
平成18年10月20日 但し、平成27年7月31日に改訂 |
平成30年8月1日 但し、3年毎の自動更新条項あり |
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当社 |
日本ウジミナス㈱ Ternium Investments S.à r.l. 等 |
日本 ルクセンブルク |
Usinas Siderúrgicas de Minas Gerais S.A. – USIMINAS に関する株主間協定 |
平成23年11月27日 但し、平成24年1月16日に発効 |
平成43年11月6日 但し、5年毎の自動更新条項あり |
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当社 |
BlueScope Steel Limited |
豪州 |
東南アジア・米国における建材薄板事業に関する合弁事業 (NS BlueScope Coated Products) |
平成25年3月28日 |
定めなし |
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当社 |
㈱神戸製鋼所 |
日本 |
提携施策の検討継続及び買収提案を受けた場合の対応に関する覚書 |
平成25年3月29日 |
平成29年11月14日 但し、5年毎の自動更新条項あり |
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当社 |
ArcelorMittal USA Holdings Ⅱ LLC |
米国 |
米国における熱延鋼板、冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造・販売に関する合弁事業 |
平成25年11月29日 |
定めなし |
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当社 |
VALLOUREC |
フランス |
事業連携深化と追加出資に関する契約 |
平成28年2月1日 |
平成43年2月1日 |
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契約会社名 |
相手方当事者 |
国名 |
内容 |
契約年月日 |
契約期限 |
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当社 |
VALLOUREC TUBES SAS |
フランス |
ブラジルにおける高級シームレスパイプの製造・販売に関する合弁事業 |
平成28年2月1日 |
経営統合の実行日から30年が経過する日(平成58年9月30日) *2 |
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当社 |
日新製鋼㈱ |
日本 |
日新製鋼㈱の子会社化等に関する契約 *3 |
平成28年5月13日 |
定めなし |
(注) 上記「契約会社名」及び「相手方当事者」の欄には、開示上重要でない者については記載していない。
*1 当社は、平成28年5月13日開催の取締役会において、本契約に基づき追加取得したPOSCO株式1,500,000株を売却することを決定したことから、本契約の内容に関する記述から「株式追加取得」を削除した。
*2 VALLOUREC & SUMITOMO TUBOS DO BRASIL LTDA. とVALLOUREC TUBES SASの子会社であるVALLOUREC TUBOS DO BRASIL S.A.が、平成28年10月1日に経営統合したことにより、契約期限が確定した。
*3 当社は、日新製鋼㈱の普通株式に対する公開買付け(TOB)を経て、同社の発行済株式総数の51.0%に至る株式を取得することにより、平成29年3月13日に同社を当社の子会社とした。
第91期有価証券報告書で開示しております以下の契約等は、当連結会計年度において、失効致しました。
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契約会社名 |
相手方当事者 |
国名 |
内容 |
契約年月日 |
契約期限 |
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当社 |
VALLOUREC TUBES SAS |
フランス |
ブラジルにおける高級シームレスパイプの製造に関する合弁事業 (事業主体 VALLOUREC & SUMITOMO TUBOS DO BRASIL LTDA.) *4 |
平成19年7月19日 |
合弁会社設立から30年が経過する日(平成49年7月19日) 但し、7年毎の自動更新条項あり(最大3回まで) |
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当社 |
日新製鋼㈱ |
日本 |
日新製鋼㈱の子会社化等の検討に関する覚書 *5 |
平成28年2月1日 |
定めなし |
*4 本契約は、平成28日2月1日付で当社とVALLOUREC TUBES SASが締結した、ブラジルにおける高級シームレスパイプの製造・販売に関する合弁事業にかかる契約に基づく、VALLOUREC & SUMITOMO TUBOS DO BRASIL LTDA.とVALLOUREC TUBES SASの子会社であるVALLOUREC TUBOS DO BRASIL S.A.の経営統合実行日(平成28年10月1日)をもって、失効した。
*5 本覚書は、平成28年5月13日に当社と日新製鋼㈱が同社の子会社化等に関する契約を締結したことにより、同日失効した。
当社は、需要家のニーズや環境・エネルギー問題等の社会的ニーズが多様化するなかで、「技術先進性」の拡大を通じた利益成長に資する研究開発分野に対し、重点的に経営資源を投入しています。鉄鋼研究所、先端技術研究所及びプロセス研究所の3つの中央研究組織と各製鉄所に配置した技術研究部が強固な連携体制を構築し、「リサーチ・アンド・エンジニアリング」の理念のもと、基礎基盤研究から、応用開発、エンジニアリングまでの一貫した研究開発を推進しています。
当社の強みは、①研究開発とエンジニアリングの融合による総合力及び開発スピード、②需要家立地の研究開発体制、③需要家のニーズに対する的確なソリューション提案力、④製鉄プロセス技術を基盤とした環境・エネルギー問題への対応力、⑤産学連携、海外アライアンス及び需要家との共同研究です。これらの強みを活かし、鉄を中心とした新しい機能商品をはじめ、革新的生産プロセスの創出と迅速な実用化を図っています。
当連結会計年度における当社及び連結子会社全体の研究開発費は691億円です。各セグメントの研究主要課題、成果及び研究開発費は次のとおりです。
(製鉄)
当セグメントに係る研究開発費は596億円です。
当社は、3地点の研究開発センター(富津市、尼崎市、波崎市)を軸に、①鉄鋼研究所では、鉄鋼材料・商品と利用技術・ソリューション研究開発、②先端技術研究所では、共通基盤技術研究及び新素材事業を中心とした製鉄以外のセグメント事業支援開発、③プロセス研究所では、設備エンジニアリングと設備保全技術開発を担当する設備・保全技術センターと密接な連携を図りながら製鉄プロセス関連の研究開発に取り組み、開発の短期化・効率化を目指し、鉄源コストの削減・基幹ラインの生産性の抜本的向上等の研究開発の加速化を進めてまいりました。
<薄板>
・当社のマレーシアにおける電気亜鉛めっき鋼板製造・販売会社であるN-EGALV社は、インドネシアのパイオニア エレクトロニクス アジアセンター社より品質管理・環境対策・コスト競争力・デリバリー対応・技術開発・サービス提供の項目で著しい貢献のあったサプライヤー社に贈られる「Best Supplier Award 2016」を受賞しました。
・当社は、パナソニック㈱より同社商品のCO2削減や商品力強化に貢献し、特に優秀と認められた提案に贈られる「ECO・VC賞」の金賞を平成22年度から7年連続で受賞すると共に、本年新設された「特別貢献賞」も受賞致しました。今回の受賞は、コンプレッサーVA・高効率化とスクラップリサイクルを両立した新電磁鋼板の提案が評価されました。
<厚板>
・当社が開発した衝突安全性に優れた高延性造船用鋼板「NSafe®-Hull」を採用した今治造船㈱建造の大型ばら積み船
が、一般財団法人日本海事協会から「Class Notation(HP-HDS)」を世界で初めて取得し、また本取得に当たり、当社は同協会から、当鋼材が従来鋼の規定要求値より5割以上の高い伸び特性を有する鋼板として、「KD36-HD50等の認証」を取得しました。また被衝突安全性に優れた船体用高延性鋼の開発と実船適用として「日本船舶海洋工学会賞」を、当社、今治造船㈱、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所及び一般財団法人日本海事協会の四者で共同受賞しました。
・当社が開発した原油タンカー用高耐食性鋼板「NSGP®-1」及び「NSGP®-2」が、JXオーシャン㈱の原油タンカーに、SOLAS条約改正後世界で初めて同時採用されました。また、当社は「NSGP®-1」及び「NSGP®-2」専用溶接材料も開発し、構造物としての信頼性向上に寄与しています(製造販売:日鐵住金溶接工業㈱)。
・当社が開発した塗装周期延長耐食鋼「CORSPACE®」を用いたアンローダー設備を当社名古屋製鐵所に設置しました。「CORSPACE®」の適用で、同じ塗装条件・使用環境下での塗膜欠陥部における鋼材腐食量や塗膜剥離面積が従来鋼に比べ大幅に抑制されます。また、当社は「CORSPACE®」専用溶接材料も開発し、構造物としての信頼性向上に寄与しており(製造販売:日鐵住金溶接工業㈱)、今後も「CORSPACE®」の普及拡大を進め、塩害が厳しい環境で使用される社会・産業インフラを支える鋼構造物の寿命延長や維持管理費削減、塗装頻度削減による環境負荷軽減に貢献します。
・当社が開発した耐摩耗鋼ブランド「ABREX®」は、世界最高級の硬さを有するABREX600に加え、最薄4㎜の板厚から製造可能であるなど、お客様のニーズに応じ幅広い製品群を有しており、当社製鉄所内の設備をはじめ当社グループ各社での使用を伸ばすとともに、建設機械や産業機械を通じ、アジア・オセアニア・北中南米への展開を図っております。
<棒線>
・当社は、公益社団法人発明協会による平成28年度全国発明表彰において「環境負荷軽減型超ハイテンPWS用鋼線材の発明」にて「日本経済団体連合会会長賞」を受賞しました。全国発明表彰は、発明の奨励・育成を図り、我が国科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的として行われている伝統と権威のある賞です。
・当社とジェイ-ワイテックス㈱は、高機能商品群「XSTEELIA®」の高耐食性めっき線「タフガード®」の硬鋼線タイプとして「タフガード®ハード」を共同開発しました。これにより「タフガード®フロスト」「タフガード®マイルド」と合わせ、めっき線の全領域をカバーすることが可能となります。当鋼材は、従来の亜鉛めっき線と比較し塩水噴霧試験及び野外暴露試験で約8倍の耐食性を持ち、関連製品・設備の飛躍的な長寿命化によるコスト低減を図ることができます。さらに取替え頻度の削減による労働力不足の緩和や産業廃棄物の排出減など社会的ニーズにも応えることが可能になりました。
<鋼管>
・当社、日鉄住金鋼管㈱、㈱エイチワンは共同で、自動車軽量化の画期的技術である角型鋼管による3次元熱間曲げ焼入れ(3DQ)技術を用いて、自動車のボディ骨格部品であるフロントピラーの開発に世界で初めて成功しました。このフロントピラーは、従来よりも優れた前方視認性に加え、乗員の安全性と部品の軽量化を両立する1,500MPa級の高強度及びボディの骨格部品に求められる高い形状精度を兼ね備えています。今後、3DQ技術をフロントピラーだけでなくボディ骨格全体にまで拡大し、その採用を自動車メーカーに積極的に提案してまいります。当社、日鉄住金鋼管㈱及び㈱エイチワンの各社は、今後も運転の快適性と衝突安全性を確保しながら、CO2削減に大きく寄与する車体の軽量化に徹底して取組み、地球と人に優しい車づくりに貢献していく方針です。
・㈱日本製鋼所が商用化する高耐久化加工技術を確立した燃料電池車水素ステーション用のTYPE Ⅰ鋼製蓄圧器に、当社のシームレス鋼管が採用され、従来からの高耐久性と大幅なコストダウンを両立した、新たなTYPE Ⅰ鋼製蓄圧器を開発しました。また、同社新開発の圧縮機と蓄圧器を組み合わせた小型パッケージの高圧水素部位の配管や溶接継手類には当社が開発した「高圧水素用ステンレス鋼HRX19®」が採用されています。今後も、鉄鋼関連2社で材料供給からステーション機器製造まで一貫した連携を図り、水素社会の実現に向けて貢献してまいります。
<建材>
・㈱技研製作所と当社が共同開発した「ジャイロプレス工法®」による鋼管径2,000㎜の大径杭が、北海道における広域河川改修事業の護岸工事の一部に初めて採用されました。今後もジャイロプレス工法の特長を生かし、特に防災・減災分野で求められている狭隘域における壁高の大きな護岸や道路擁壁等大型壁構造物への適用を図ってまいります。
・当社は、急速施工と構造合理化によるコスト削減が可能な鋼矢板をインドネシアで普及させるべく、鋼矢板の設計・施工法に関するインドネシア語版のガイドラインを、バンドン工科大学と発刊しました。また、当社が編集に参画した建築分野での鋼構造の普及に向けた鋼構造の教科書「Struktur Baja」がペリタハラパン大学より発刊されました。今後も現地大学等との連携を深め、現地エンジニア等へ鋼構造の設計・施工に関する認知度を拡大することにより、同国のインフラ整備に貢献してまいります。
・当社が開発した1枚ものの熱延鋼矢板としては世界最大の幅を有しているハット形鋼矢板が、急速かつ安定した施工を実現できること、設計において断面性能の低減が不要であること、またサイズが豊富であることから、シンガポールAVENUE ENGINEERING社により建設が進められている公益企業庁発注の雨水幹線 LUCKY HEIGHT WATER DRAINAGEの土留め壁向け、およびオーストラリアMcConnell Dowell社により建設が進められている南オーストラリア州政府交通インフラ計画庁発注の道路トンネルO-BAHN CITY ACCESS PROJECTの土留め壁向けに採用されました。今後もアジア大洋州等の海外建設市場において当社製品・ソリューションの適用をさらに進め、質の高いインフラの整備に貢献してまいります。
<チタン・特殊ステンレス>
・当社が開発した意匠性チタンの製品ブランド「TranTixxii™」は、優れた耐変色性に加え、無塗装のカラーリング技術により、100種類以上のカラーバリエーションを有し、ロールダル仕上げ、ブラスト仕上げ、Hyperbeta™といった表面テクスチャーとの組み合わせで表現の自由度があり、今後「TranTixxii™」の製造・販売を通じて、チタン素材の優れた特性に素材の美しさを付加し、ものづくり・デザインの可能性の拡大、ライフサイクルコストの低減、環境・文化の保全、軽量化・安全性の向上に貢献してまいります。
・当社が開発した変色しにくい「耐変色チタン」が世界で初めて大分銀行ドーム屋根に採用されてから15年が経過し、この度、屋根の色調経年変化の調査を実施したところ、美麗かつ健全なチタン表面を保った状態であることが確認され現在も良好な耐変色性能を発揮していることを実証しました。
・プレス成形性・溶接性・異方性等の加工性に優れた新日鐵住金製「純チタンJIS1種材(TP270C)」が本田技研工業㈱のモトクロッサー「CRF450R」最新モデルの燃料タンク素材として採用されました。今回の燃料タンク本体へのチタン材採用は量産二輪では世界初となります。タンク主要素材である樹脂と比較して軽量化にも寄与しております。また、当社が開発したチタン合金「Super-TIX®10CU」が日産自動車㈱の新型スポーツカー「GT-R」のエキゾーストシステムに採用されました。この合金はチタンに1.0%の銅(Cu)を添加し、酸素を低減したもので、純チタンと同等の室温加工性を持ちながら、高温強度に優れています。今後も二輪車および四輪車への価値向上へのソリューションの一環として、幅広い製品ラインアップ、研究開発力、デリバリー対応力によって、チタン製品の適用拡大を進めてまいります。
・当社と日鉄住金防蝕㈱が開発した「チタンカバー・ペトロラタム被覆工法(TP工法)」が第十一管区海上保安本部の所管標識である沖縄県の小浜航路第三号灯標で初めて試験的に採用されました。今後も海洋土木分野をはじめとした様々な分野に、ライフサイクルコストを低減し、更なる長寿命化を実現して安心・安全な災害に強い社会基盤の構築に貢献する製品を提供してまいります。
・当社は「排気ガスケット用高機能ステンレスばね鋼板の開発」で日本ばね学会より、日本ばね学会賞「技術賞」を㈱本田技術研究所と共同受賞しました。日本ばね学会賞「技術賞」は、ばね技術の進歩に大きく貢献する独創的で優れた技術に対して授与される賞です。本製品は複数の自動車メーカーの排気系ガスケット材として採用されており、自動車の燃費向上や環境負荷軽減に貢献しております。
<交通産機品>
・当社の米国における鍛造クランクシャフトの製造・販売会社インターナショナル・クランクシャフト社(International Crankshaft Inc.)は、北米ホンダ社より「Excellence in Value 2015」 を初受賞しました。本賞は、北米ホンダ社のサプライヤー・カンファレンスにおいて、クオリティ、デリバリー、バリューの3つの分野からめざましい業績を上げたサプライヤーに贈られ、北米約650社のホンダ社のサプライヤーの中で27社がこの賞に選出されました。
・当社と当社の米国における鉄道用車輪・車軸の製造会社スタンダード・スチール社(Standard Steel, LLC)は、高い品質と顧客対応力が評価され、米国TTX社より「Excellent Supplier 2015」を同時受賞しました。当社は平成16年の初受賞以来、10回目の受賞、スタンダード・スチール社(Standard Steel, LLC)は賞の創設以来、25回の連続受賞となります。今後は、南米や豪州をはじめとした、高荷重貨車用車輪へのニーズが高まっている世界市場への拡販も積極的に行ってまいります。
・当社の中国における鍛造クランクシャフト製造・販売会社である恵州住金鍛造有限公司は、中国ゼネラルモーターズ社より平成27年の「Excellent Quality Award」を受賞しました。また、インドSMI Amtek Crankshaft社(SMI AMTEK CRANKSHAFT PRIVATE LIMITED)も同様に、インドゼネラルモーターズ社より同賞を受賞しました。2社とも安定的に高品質の製品を継続供給してきたことが高く評価され、昨年に続く2年連続受賞です。今後もこれまでの安定した品質・正確な納期対応に加え、エンジン設計にまで踏み込んだクランクシャフトの形状提案等で自動車メーカーのニーズに応えてまいります。
・当社が開発した中大型商用車に使用される永久磁石式の補助ブレーキ装置(リターダ)が、「平成29年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)」を受賞しました。本賞は科学技術に関する開発、理解増進等において顕著な成果を収めたものの功績を讃える賞であり、当社は平成19年度から11年連続での受賞になります。
<製鉄プロセス等>
・当社は、㈱IHIとともに、「国内微粉炭火力へのバイオマス混焼拡大への先進的な取り組み」で、一般財団法人新エネルギー財団の平成28年度「新エネ大賞」経済産業大臣賞を受賞しました。「新エネ大賞」は、新エネルギーに係る商品及び新エネルギーの導入、あるいは普及啓発活動の中から優れたものを表彰するものです。経済産業大臣賞は新エネ大賞の最高賞です。当社は、今後も木質バイオマス資源の活用を通じて、省エネルギー、CO2排出削減に取り組んでいくとともに、森林の整備、雇用の創出を通じて地域経済の活性化等に貢献してまいります。
(エンジニアリング)
当セグメントに係る研究開発費は35億円です。
新日鉄住金エンジニアリング㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・製鉄プラント分野 既存商品の拡大展開や先進的製鉄プロセスを目指した開発
・環境分野 溶融炉の競争力強化に向けた開発、バイオマス利用技術開発、土壌浄化技術の開発
・エネルギー分野 オンサイトエネルギー供給の熱回収高効率化の開発
・海洋分野 海底パイプライン敷設の自動化・高速化・高品質化の開発
・建築分野 免制震デバイス商品の開発
・陸上パイプライン分野 陸上パイプライン溶接技術の開発
(化学)
当セグメントに係る研究開発費は23億円です。
新日鉄住金化学㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・人造黒鉛電極用高耐久性ニードルコークス及び炭素材新規応用技術、ディスプレイ向け有機EL材料、フレキシブル回路基板用無接着型銅張積層板、エポキシ樹脂材料、高機能電池材料、次世代自動車対応材料等の開発
(新素材)
当セグメントに係る研究開発費は17億円です。
新日鉄住金マテリアルズ㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・金属箔、ボンディングワイヤ、ハンダマイクロボール、球状フィラー、CMPパッドコンディショナー、HIP、炭素繊維及び炭素繊維複合材、メタル担体、SiC単結晶ウェハ等の分野に関する研究開発
(システムソリューション)
当セグメントに係る研究開発費は18億円です。
新日鉄住金ソリューションズ㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・情報システムの高度化、知的作業支援、ワークスタイル変革の促進、システムの構築・運用における品質及び生産性の向上
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、工事損失引当金、役員退職慰労引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。但し、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当期の事業の状況につきましては、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりであります。
当期の連結業績につきましては、最大限のコスト改善施策の実行に加え、海外事業を中心としたグループ会社損益の改善があったものの、エネルギー分野向け鋼材需要の低迷等による販売構成悪化に加え、原料炭価格の急騰に対応する販売価格への反映の遅れに起因するマージン悪化や円高の影響もあり、売上高は4兆6,328億円(前年同期は4兆9,074億円)、営業利益は1,142億円(前年同期は1,677億円)、経常利益は1,745億円(前年同期は2,009億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,309億円(前年同期は1,454億円)となりました。
また、中核事業である製鉄セグメントの全体に占める割合は、売上高で8割超となっており、同セグメントにおける連結経常利益は、上記の理由により、対前期で220億円の減益となりました。
(3)当期末の財政状態及びキャッシュ・フローの分析
当期末の資産、負債、純資産の状態及びキャッシュ・フローにつきましても、当期の経営成績と同様、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりです。
(4)次期(平成29年度)の見通し
次期(平成29年度)の業績見通しにつきましても、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
(注) 上記次期の見通しには、平成29年4月28日決算発表時点の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測や目標が含まれている。実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性がある。