当期の世界経済は、米国においては個人消費を中心に堅調に推移し、欧州においては緩やかな回復が持続した一方、中国では景気の減速が継続し、アセアン諸国も停滞が続くなど、全体として緩やかな成長に留まりました。
日本経済は、個人消費の伸び悩み、企業の設備投資への慎重姿勢等もあり、景気の回復が遅れました。
国内鉄鋼需要は、設備投資の伸び悩み等により弱含みで推移しました。海外鉄鋼需要については、中国における内需の減少継続に加え、アセアン諸国も鋼材需要が停滞しました。また、原油市況の低迷によりエネルギー分野向けの需要も減少しました。国際市況については、中国鉄鋼メーカーによる供給圧力が高く、昨年の夏以降、大幅に下落しました。年末以降は市況回復の兆しが見られたものの、依然として厳しい状況が続きました。
このような厳しい環境のなか、当社グループは、平成27年3月に策定した2017年中期経営計画に掲げた国内マザーミル競争力の強化、グローバル戦略の推進、技術先進性の発揮、世界最高水準のコスト競争力の実現、製鉄事業グループ会社の体質強化等の諸施策を着実に推進してまいりました。
当社グループと致しましては、各セグメントにおいて各社がそれぞれの環境変化に対応しながら、最大限の経営努力を重ねてまいりました。各セグメント別の業績の概況は以下のとおりです。
(当期のセグメント別の業績の概況)
|
| 製鉄 | エンジニ | 化学 | 新素材 | システム | 合計 | 調整額 | 連結財務諸表計上額 |
売上高 | 当期 | 42,839 | 3,157 | 1,818 | 362 | 2,189 | 50,366 | △1,292 | 49,074 |
(億円) | 前期 | 49,392 | 3,486 | 2,127 | 364 | 2,060 | 57,431 | △1,331 | 56,100 |
経常利益 | 当期 | 1,600 | 121 | 10 | 30 | 194 | 1,959 | 50 | 2,009 |
(億円) | 前期 | 4,019 | 187 | 68 | 24 | 165 | 4,466 | 50 | 4,517 |
<製鉄>
製鉄セグメントにつきましては、国内マザーミル競争力の強化とグローバル戦略の推進を大きな柱として諸施策に取り組んでまいりました。
国内においては、主要設備の強化・再建を基本経営課題として製造実力の強化策を推進してまいりました。鹿島製鐵所においてはコークス炉の生産能力・コスト競争力の向上を目的としてコークス炉の増設を決定致しました。さらに、2017年中期経営計画の主要施策の一つである八幡製鐵所の鉄源工程(製銑・製鋼)の最適体制構築について、当初は小倉第2高炉を休止し、戸畑地区から小倉地区へ溶銑を供給する計画でしたが、その方案を一部見直すことと致しました。具体的には、小倉地区の第2高炉を含むすべての鉄源工程を休止する一方で、戸畑地区に連続鋳造設備を新設するなど、すべての鉄源工程を戸畑地区に集約することでさらなる生産性向上を図り、八幡製鐵所の総合的競争力を強化することと致しました。
一方、海外においては、成長市場における需要の捕捉や需要家の皆様の海外展開に即応した事業体制の構築を図るなど、グローバル供給体制の一層の充実を図ってまいりました。当期は、米国の自動車用鋼板製造・販売の合弁会社において、海外で初めてとなる自動車用高成形性超ハイテンの製造を行うことを決定致しました。また、中国における高級自動車用鋼板の需要の増加に対応するため、同国の自動車用鋼板製造・販売の合弁会社に溶融亜鉛めっき鋼板の製造ラインを増設し、稼働させました。さらに、ブルネイのシームレス鋼管継手加工の合弁会社において工場新設に着手致しました。
さらに、国内では、平成28年2月1日に日新製鋼㈱との間で、平成29年3月を目途に、当社が同社を子会社化すること、及びこれを前提に当社が同社に鋼片を継続的に供給することについて検討を開始する旨の覚書を取り交わしました。今後、当社グループに同社が加わることにより『総合力世界No.1の鉄鋼メーカー』としての地位を一層強化し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいりたいと考えております。また、海外では、鋼管事業における重要なパートナーであるフランスのバローレック社との間で、事業連携の深化を主体とする戦略的提携の拡大及び同社への15%の出資について合意致しました。この提携を通じて、原油価格の低迷による厳しい環境下でも収益力を維持・向上できる事業体質の構築を図ってまいります。
また、当社グループにおける事業戦略の一層の共有化と収益力・競争力のさらなる強化を図るべく、日鉄住金テックスエンジ㈱及び鈴木金属工業㈱(平成27年10月1日付で、日鉄住金SGワイヤ㈱に商号変更)を当社の完全子会社と致しました。
加えて、原燃料費の低減や歩留向上等、最大限のコスト改善に引き続き取り組むとともに、鋼材価格につきましては、需要家の皆様に御理解いただけるよう丁寧な対応に努めてまいりました。製鉄セグメントとして、売上高は4兆2,839億円(前年同期は4兆9,392億円)、経常利益は1,600億円(前年同期は4,019億円)となりました。
<エンジニアリング>
新日鉄住金エンジニアリング㈱におきましては、タイ拠点・インド子会社の強化をはじめとする海外戦略への積極的な取組みと既存事業の競争力強化に努めてまいりました。しかしながら、原油市況低迷等の影響や海外顧客の投資意欲減退等の厳しい事業環境を受け、収益が減少しました。エンジニアリングセグメントとして、売上高は3,157億円(前年同期は3,486億円)、経常利益は121億円(前年同期は187億円)となりました。
<化学>
新日鉄住金化学㈱におきましては、機能材料事業において堅調な需要を背景に回路基板材料・ディスプレイ材料等の販売が好調を維持するとともに、化学品事業において汎用樹脂原料であるスチレンモノマーの需要が堅調に推移するなど、安定的に収益を確保しました。一方、コールケミカル事業は黒鉛電極用ニードルコークスを中心に、原油価格低下による競争激化と世界的な需要低迷により極めて厳しい事業環境が継続しました。化学セグメントとして、売上高は1,818億円(前年同期は2,127億円)、経常利益は10億円(前年同期は68億円)となりました。
<新素材>
新日鉄住金マテリアルズ㈱におきましては、電子材料部材分野では、表面処理銅ワイヤの販売が順調に増加しました。炭素繊維分野では、産業・高機能用途が好調に推移し、インフラ補修・補強用途、医療機器用途等が堅調に推移しました。一方、環境・エネルギー分野におけるメタル担体は、新興国経済の停滞による需要減により収益が減少しました。新素材セグメントとして、売上高は362億円(前年同期は364億円)、経常利益は30億円(前年同期は24億円)となりました。
<システムソリューション>
新日鉄住金ソリューションズ㈱におきましては、幅広い業種の顧客に対し、システムの企画、構築、運用・保守を一貫して提供するとともに、顧客の事業環境変化に対応した先進的なソリューション・サービスを展開しております。当期は、「NSFITOS Center(エヌエスフィットスセンター)」を開設するなど、ITアウトソーシングサービスの強化・拡充を図るとともに、インドネシアにおいて現地のIT企業を買収するなど、グローバルでの事業拡大を進めました。これらの結果、増収増益となりました。システムソリューションセグメントとして、売上高は2,189億円(前年同期は2,060億円)、経常利益は194億円(前年同期は165億円)となりました。
(売上・損益)
当期の連結業績につきましては、出荷量の減少及び鋼材価格の下落の影響が大きく、加えてグループ会社の減益等の影響もあり、売上高は4兆9,074億円(前年同期は5兆6,100億円)、営業利益は1,677億円(前年同期は3,495億円)、経常利益は2,009億円(前年同期は4,517億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,454億円(前年同期は2,142億円)となりました。
また、当期の単独業績につきましては、売上高は3兆1,607億円(前年同期は3兆7,333億円)、営業利益は562億円(前年同期は2,286億円)、経常利益は879億円(前年同期は2,768億円)、当期純利益は837億円(前年同期は1,703億円)となりました。
当期末の連結総資産は、受取手形及び売掛金の減少(922億円)、たな卸資産の減少(1,433億円)、投資有価証券の減少(1,763億円)、関係会社株式の減少(996億円)、退職給付に係る資産の減少(650億円)等により、前期末(7兆1,579億円)から7,328億円減少し6兆4,250億円となりました。
負債につきましては、有利子負債が2兆82億円と前期末(1兆9,765億円)から316億円増加したものの、支払手形及び買掛金の減少(853億円)、繰延税金負債の減少(853億円)、退職給付に係る負債の減少(324億円)等により、前期末(3兆6,108億円)から1,949億円減少し3兆4,159億円となりました。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益1,454億円等による増加があるものの、配当金の支払いによる減少(597億円)、自己株式の取得等による減少(264億円)、その他有価証券評価差額金の減少(1,082億円)、為替換算調整勘定の減少(1,200億円)、非支配株主持分の減少(3,331億円)等により、前期末(3兆5,470億円)から5,379億円減少し3兆90億円となりました。なお、当期末の自己資本は2兆7,738億円となり、有利子負債自己資本比率(D/Eレシオ)は0.72倍となりました。
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,307億円に減価償却費(3,082億円)、たな卸資産の減少(1,233億円)等を加えた収入に対し、仕入債務の減少(845億円)等があり、5,629億円の収入(前年同期は7,109億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資による支出(2,986億円)がある一方、関係会社株式の売却による収入(547億円)等もあり、2,422億円の支出(前年同期は2,636億円の支出)となりました。この結果、フリーキャッシュ・フローは3,207億円の収入(前年同期は4,473億円の収入)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、平成27年7月に実施した優先出資証券から劣後ローンへのリファイナンス影響を控除した実質的な有利子負債の減少(2,683億円)に加え、自己株式の取得による支出(418億円)、前期末及び当第2四半期末の配当(597億円)等により、3,375億円の支出(前年同期は4,518億円の支出)となりました。以上により、当期末における現金及び現金同等物は852億円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 前連結会計年度 金額(百万円) | 当連結会計年度 金額(百万円) |
製鉄 | 5,265,221 | 4,794,840 |
エンジニアリング | 298,998 | 263,722 |
化学 | 218,386 | 197,466 |
新素材 | 27,397 | 26,173 |
システムソリューション | 168,238 | 177,244 |
合計 | 5,978,241 | 5,459,447 |
(注) 1 金額は製造原価による。
2 上記の金額には、グループ向生産分を含む。
当連結会計年度における受注状況をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
エンジニアリング | 302,102 | 314,524 | 310,000 | 310,000 |
システムソリューション | 206,972 | 229,765 | 85,873 | 96,953 |
合計 | 509,074 | 544,289 | 395,873 | 406,953 |
(注) 1 上記の金額には、グループ内受注分を含む。
2 「製鉄」、「化学」及び「新素材」は、多種多様な製品毎に継続的且つ反復的に注文を受けて生産・出荷する形態を主としており、その受注動向は、生産実績や販売実績に概ね連動していく傾向にあり、また、需要動向等についても本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」において記載していることから、金額又は数量についての記載を省略している。
当連結会計年度における外部顧客に対する販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 前連結会計年度 金額(百万円) | 当連結会計年度 金額(百万円) |
製鉄 | 4,892,257 | 4,241,521 |
エンジニアリング | 313,158 | 288,088 |
化学 | 205,210 | 176,360 |
新素材 | 36,449 | 36,280 |
システムソリューション | 162,953 | 165,178 |
合計 | 5,610,030 | 4,907,429 |
(注) 1 前連結会計年度及び当連結会計年度における輸出販売高及び輸出割合は、次のとおりである。
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
輸出販売高(百万円) | 輸出割合(%) | 輸出販売高(百万円) | 輸出割合(%) |
2,292,410 | 40.9 | 1,903,846 | 38.8 |
(注) 輸出販売高には、在外子会社の現地販売高を含む。
2 主な輸出先及び輸出販売高に対する割合は、次のとおりである。
輸出先 | 前連結会計年度(%) | 当連結会計年度(%) |
アジア | 64.8 | 63.7 |
中近東 | 6.4 | 6.5 |
欧州 | 7.3 | 5.3 |
北米 | 11.0 | 12.0 |
中南米 | 7.2 | 9.0 |
アフリカ | 2.3 | 2.4 |
大洋州 | 1.0 | 1.0 |
合計 | 100.0 | 100.0 |
(注) 輸出販売高には、在外子会社の現地販売高を含む。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりである。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
日鉄住金物産㈱ | 895,718 | 16.0 | 778,496 | 15.9 |
住友商事㈱ | 992,596 | 17.7 | 770,608 | 15.7 |
㈱メタルワン | 563,833 | 10.1 | 494,904 | 10.1 |
なお、生産、受注及び販売等に関する特記事項については、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」等に記載しております。
(次期の見通し)
世界経済は、米国においては個人消費を中心に堅調を維持し、欧州においては緩やかな回復の継続が見込まれるものの、中国やアセアン諸国では成長鈍化の傾向が継続し、全体としては引き続き緩やかな成長に留まると予想されます。
日本経済は、個人消費の回復遅れ、企業の設備投資への慎重姿勢等もあるものの、緩慢ながら回復に向かうと予想されます。
国内鉄鋼需要は、上期は季節要因により全体として需要の減少が想定されます。一方、下期は公共工事の季節要因による増加に加え、自動車需要の回復やオリンピック関連投資の増加等も見込まれ、回復が期待されます。
海外鉄鋼需要は、アセアン諸国においては緩やかな増加が見込まれるものの、中国では減速傾向の継続が予想され、原油市況低迷によりエネルギー分野向けが停滞することも予想されるため、世界全体ではほぼ横ばいに留まるものと想定されます。また、国際市況については、足下回復の動きはあるものの、中国をはじめ東アジア地域の供給過剰が継続するなかで、予断を許さない状況にあります。
こうしたなか、当社は、引き続き鋼材需給動向や原料価格動向等に注意を払うとともに、最大限のコスト改善を実行してまいります。そのうえで、需要家の皆様への提案力の強化や、海外における供給体制のさらなる充実を図るとともに、鋼材価格の改定につきまして、需要家の皆様に御理解いただけるよう丁寧な対応を継続していく所存です。
平成28年度の業績見通しにつきましては、主原料価格及び鋼材価格の動向が不透明であること等から、平成28年4月28日決算発表時点では当社として合理的な算定・予想を行うことができません。従いまして、平成28年度の業績予想については未定とし、合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示致します。
当社グループは、こうした厳しい環境においても、「技術力」「コスト競争力」「グローバル対応力」を競争優位性の柱とし、国内事業と海外事業を両輪として成長を目指します。特に当面は、「設備」と「人」に経営資源を重点的に配分して国内マザーミルの製造実力・技術開発力を高めるとともに、そこで培った競争力を武器に伸びゆく世界のマーケットにおいて海外事業を深化させてまいります。
(注) 上記次期の見通しには、平成28年4月28日決算発表時点の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測や目標が含まれている。実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性がある。
(財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に関する事項)
当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を次のとおり定めております。
<当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容>
当社グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて社会の発展に貢献することを企業理念に掲げ、この理念に基づき経営戦略を立案・遂行し、競争力・収益力を向上させることにより、企業価値ひいては株主共同の利益の向上を目指しております。
この企業理念・経営戦略が当社株式の大量買付け行為等によってゆがめられ、当社の存立・発展が阻害されるおそれが生じるなど、企業価値が毀損され、ひいては株主共同の利益が損なわれることのないよう、当社は、必要な措置を講じることと致しております。
当社は、第三者から当社株式の大量買付け行為等の提案(以下、「買収提案」といいます。)がなされた場合、これを受け入れるか否かの最終的な判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきものと考えております。他方で、買収提案の中には、当社の企業価値や株主共同の利益に対し明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に当社株式の売却を事実上強要することとなるおそれのあるもの等が含まれる可能性があると考えております。
従って、当社は、第三者から買収提案がなされた場合に株主の皆様にこのような不利益が生じることがないよう、明確かつ透明性の高いルールを備え置き、実際に買収提案がなされた場合には、株主の皆様が必要な情報と相当な検討期間をもって適切な判断(インフォームド・ジャッジメント)を行えるよう環境を整えることが当社取締役会の責務であると考え、『株式の大量買付けに関する適正ルール』(以下、「適正ルール」といいます。)を導入しております。
<基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要>
当社は、株主共同の利益の確保・向上を目的に、適正ルールを平成18年3月に取締役会決議をもって導入しておりますが、適正ルール導入から10年が経過した平成28年3月に、改めて適正ルールの必要性を確認するとともに、その信頼性・法的安定性を一層高めることができるよう、その導入・更新等について事前に株主の皆様の賛同を必要とする仕組みに変更することとし、同年6月24日開催の第92回定時株主総会において、この変更等を反映した適正ルールについて、株主の皆様の御承認をいただきました。御承認をいただいた適正ルールの概要は、以下(1)から(3)のとおりです。
(1)買収提案者による必要情報の提出と取締役会における検討等
当社取締役会は、当社の株券等を議決権割合で15%以上取得しようとする者(以下、「買収提案者」といいます。)から適正ルールに定める情報(以下、「必要情報」といいます。)がすべて提出された場合、当該買収提案者からの買収提案が当社の企業価値及び株主共同の利益の最大化に資するか否かを検討致します(検討期間は原則12週間)。
(2)株主意思の確認手続き
当社取締役会は、原則として、上記検討期間の満了後、買収提案を受け入れるか否かを株主の皆様に御判断いただくため、新株予約権の無償割当て(買収提案者に対する措置の発動)の必要性・賛否に関する株主意思の確認手続きを、書面投票又は株主意思確認総会により行います。
ただし、当社取締役会が必要情報を検討した結果、買収提案が当社の企業価値及び株主共同の利益の最大化に資すると判断した場合は、株主意思の確認手続きには進まず、また、新株予約権の無償割当ても行われません。
(3)新株予約権の無償割当てがなされる場合
適正ルールに基づく新株予約権の無償割当ては、ア)株主意思の確認手続きにおいて、株主の皆様が新株予約権の無償割当てに賛同された場合、イ)買収提案者が裁判例において悪質・濫用的であると例示されたグリーンメイラー等の4類型のいずれかに該当し、その買収提案が株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるものと取締役会が判断した場合、又はウ)買収提案者が適正ルールに定める手続きを無視したと取締役会が判断した場合に限られます。
なお、当社取締役会は、上記イ)又はウ)の判断にあたっては、適正ルールの運用に係る当社取締役会の判断の公正性を確保するため、当社の社外取締役又は社外監査役のうち3名の委員で構成する独立委員会から事前に意見を取得し、その意見を最大限尊重致します。
当社の適正ルールは、当社ウェブサイトに掲載しております。
<上記取組みについての取締役会の判断及びその判断に係る理由>
適正ルールは、買収提案がなされた場合に、新株予約権の無償割当ての必要性を、株主の皆様に必要な情報と相当な検討期間をもって御判断いただくためのルール及び手続きを定めたものです。適正ルールは、買収提案を受け入れるか否かの最終的な判断を当社株主の皆様に委ねることにより、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上を図る目的のものであり、当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
以上から、当社取締役会は、適正ルールが上記「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」に沿うものであると判断しております。
本報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、下記各項のものがあります。
なお、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況」の他の項目、「第一部 企業情報 第5 経理の状況」の各注記、その他においても個々に記載しておりますので、併せて御参照ください。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)鋼材需給の変動等
当社グループの売上高の8割超は製鉄事業によるものであり、国際的な鋼材需給の変動が業績に影響を与える可能性があります。また、国内外の鉄鋼メーカー等と厳しい競争状態にあるなかで、技術・コスト・品質等において当社グループの競争力に変化があった場合には、業績に影響が生じる可能性があります。
当社グループの製鉄事業における需要家は、商品に加工して販売する等を前提に鋼材を大量・定期的に購入することが多く、主要な需要家の購買方針の変更は業績に影響を与える可能性があります。
なお、鋼材等の販売先である商社・需要家等において与信リスクが顕在化した場合には、業績に影響が生じる可能性があります。
(2)原燃料価格の変動
鉄鉱石、石炭、合金、スクラップ等、主に製鉄事業に用いる原燃料の価格やその海上輸送にかかる運賃は、国際的な資源需給に連動しております。今後も、経済情勢や鋼材生産等を反映した鉄鋼原料の需給バランス等に応じた価格の変動が業績に影響を与える可能性があります。
(3)借入金、社債等の金利の変動、その他金融市場の変動
当期末における当社グループの連結有利子負債残高は2兆82億円であり、金利情勢、その他金融市場の変動が業績に影響を与える可能性があります。
(4)有価証券等の保有資産(年金資産を含む。)価値の変動
当期末において当社グループが保有する有価証券、投資有価証券及び関係会社株式の残高は合計1兆5,728億円であり、投資先の業績不振、証券市場における市況の悪化等により、評価損が発生する可能性があります。
また、上記の投資有価証券の他に年金資産(退職給付信託資産を含む。)が当社グループ合計で4,967億円あり、この資産を構成する国内外の株式、債券等の価格変動や金利情勢の変動が業績に影響を与える可能性があります。
(5)為替相場の変動
当社グループは、製品等の輸出及び原料等の輸入において外貨建取引を行っていること並びに外貨建の債権・債務を保有していることから、為替相場の変動が業績に影響を与える可能性があります。
(6)事業活動にかかる環境規制
今後、当社グループが事業活動を行う国においてCO2の排出に対する数量規制、その他の環境規制が強化・導入された場合には、製鉄事業を中心に当社グループの事業活動が制約を受けることにより、業績に影響が生じる可能性があります。
(7)海外の主要市場における関税引上げ、輸入規制等
これまで当社グループにおける一部の鋼材の輸出取引において、米国や東南アジア諸国等から反ダンピング税等の特殊関税を賦課されております。将来、海外の主要市場国において関税引上げ、特殊関税の賦課、数量制限等の輸入規制が課せられた場合には、輸出取引が制約を受けることにより、業績に影響が生じる可能性があります。
(8)重大な災害、事故、訴訟等
製鉄所をはじめとする当社グループの各事業所及び需要家をはじめとする取引先が、大規模な台風、地震等の自然災害に見舞われた場合、又は新型インフルエンザ等の感染症が全国的かつ急速に蔓延した場合等には、事業活動が制約を受けることにより、業績に影響が生じる可能性があります。また、重大な労働災害、設備事故、環境事故、品質問題等が発生した場合、又は重要な訴訟において当社に不利な判断がなされた場合には、事業活動の停止・制約、補償等により、業績に影響が生じる可能性があります。
契約会社名 | 相手方当事者 | 国名 | 内容 | 契約年月日 | 契約期限 |
当社 | POSCO | 韓国 | 基礎的技術開発、第三国における合弁事業、IT等に係る協力関係の構築に関する戦略的提携契約 | 平成12年8月2日 但し、平成27年7月31日に改訂 | 平成30年 但し、3年毎の自動更新条項あり *1 |
当社 | ArcelorMittal | ルクセンブルク | 自動車鋼板分野等におけるグローバル戦略提携契約 | 平成13年1月22日 但し、平成23年1月11日に更新 | 平成33年 |
当社 | 宝山鋼鉄株式有限公司 | 中国 | 中国における冷延及び溶融亜鉛めっき鋼板製造・販売に関する合弁事業 (事業主体 宝鋼新日鐵自動車鋼板有限公司) | 平成15年12月23日 但し、平成23年6月30日に改訂 | 合弁会社設立から20年が経過する日(平成36年7月30日) |
当社 | ㈱神戸製鋼所 | 日本 | 鉄源設備共同活用に関する協定 (事業主体 日鉄住金鋼鉄和歌山㈱) | 平成17年6月17日 | 平成45年 |
当社 | POSCO | 韓国 | 連携深化に関する契約 *2 | 平成18年10月20日 但し、平成27年7月31日に改訂 | 平成30年 但し、3年毎の自動更新条項あり *1 |
当社 | VALLOUREC TUBES SAS | フランス | ブラジルにおける高級シームレスパイプの製造に関する合弁事業 (事業主体 VALLOUREC & SUMITOMO TUBOS DO BRASIL LTDA.) *3 | 平成19年7月19日 | 合弁会社設立から30年が経過する日(平成49年7月19日) 但し、7年毎の自動更新条項あり(最大3回まで) |
当社 |
Ternium Investments S.à r.l. 等 | 日本 ルクセンブルク | Usinas Siderúrgicas de Minas Gerais S.A. – USIMINAS に関する株主間協定 | 平成23年11月27日 但し、平成24年1月16日に発効 | 平成43年 但し、5年毎の自動更新条項あり |
当社 | BlueScope Steel Limited | 豪州 | 東南アジア・米国における建材薄板事業に関する合弁事業 (NS BlueScope Coated Products) | 平成25年3月28日 | 定めなし |
当社 | ㈱神戸製鋼所 | 日本 | 提携施策の検討継続及び買収提案を受けた場合の対応に関する覚書 | 平成25年3月29日 | 平成29年 但し、5年毎の自動更新条項あり |
当社 | ArcelorMittal USA Holdings Ⅱ LLC | 米国 | 米国における熱延鋼板、冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造・販売に関する合弁事業 | 平成25年11月29日 | 定めなし |
契約会社名 | 相手方当事者 | 国名 | 内容 | 契約年月日 | 契約期限 |
当社 | 日鉄住金テックスエンジ㈱ | 日本 | 株式交換契約 *4 | 平成27年5月1日 | 定めなし |
当社 | 日鉄住金SGワイヤ㈱ *5 | 日本 | 株式交換契約 *6 | 平成27年5月1日 | 定めなし |
当社 | POSCO | 韓国 | 方向性電磁鋼板訴訟に関する和解契約 | 平成27年9月30日 | 定めなし |
当社 | VALLOUREC | フランス | 事業連携深化と追加出資に関する契約 | 平成28年2月1日 | 平成43年 但し、5年毎の自動更新条項あり |
当社 | VALLOUREC TUBES SAS | フランス | ブラジルにおける高級シームレスパイプの製造・販売に関する合弁事業 (事業主体 Vallourec Soluções Tubulares do Brasil S.A.) *7 | 平成28年2月1日 | 経営統合の実行日から30年が経過する日 但し、7年毎の自動更新条項あり(最大3回まで) |
当社 | 日新製鋼㈱ | 日本 | 日新製鋼㈱の子会社化等の検討に関する覚書 *8 | 平成28年2月1日 | 定めなし |
当社 | 日新製鋼㈱ | 日本 | 日新製鋼㈱の子会社化等に関する契約 | 平成28年5月13日 | 定めなし |
(注) 上記「契約会社名」及び「相手方当事者」の欄には、開示上重要でない者については記載していない。
*1 平成27年7月31日に、本契約の契約期限を延長するとともに、自動更新期間を5年毎から3年毎に変更した。
*2 当社は、平成28年5月13日開催の取締役会において、本契約に基づき追加取得したPOSCO株式1,500,000株を売却することを決定したことから、本契約の内容に関する記述から「株式追加取得」を削除した。
*3 本契約は、平成28日2月1日付で当社とVALLOUREC TUBES SASが締結した、ブラジルにおける高級シームレスパイプの製造・販売に関する合弁事業にかかる契約に基づく、VALLOUREC & SUMITOMO TUBOS DO BRASIL LTDA.とVALLOUREC TUBES SASの子会社であるVALLOUREC TUBOS DO BRASIL S.A.の経営統合実行日をもって、失効する。
*4 日鉄住金テックスエンジ㈱との株式交換について
当社及び日鉄住金テックスエンジ㈱(以下、「日鉄住金テックスエンジ」)は、平成27年4月28日開催のそれぞれの取締役会において、同年8月1日を効力発生日として、当社を株式交換完全親会社、日鉄住金テックスエンジを株式交換完全子会社とする株式交換(以下本注記において、「本株式交換」)を行うことを決議し、本株式交換に関する株式交換契約(以下本注記において、「本株式交換契約」)を両社間で締結した。
本株式交換の概要は、下記のとおりである。
本株式交換の効力発生に先立ち、日鉄住金テックスエンジの普通株式は東京証券取引所市場第一部において平成27年7月29日に上場廃止(最終売買日は同年7月28日)となった。
1.本株式交換の目的
平成27年3月、当社は当社グループの「2017年中期経営計画」を公表し、『国内マザーミル競争力の強化』を基本経営課題に据えて「設備」と「人」の両面で製造実力の強化策に取り組む方針を定め、平成27~29年の3年間で1兆3,500億円の国内設備投資を行う方針とした。これは近年にない高水準の投資であり、計画通り実行し成果を上げていくうえで、当社は、設備技術・保全分野における中核子会社である日鉄住金テックスエンジとの関係を、技術と人の両面で一層強固にすることが極めて有益であるとの考えに至った。
また、日鉄住金テックスエンジにおいても、当社は出資比率7割の親会社かつ売上構成の6割程度(当社グループ会社を含めた売上構成は8割程度)を占める最大顧客であり、当社グループの設備技術・保全分野における中核子会社として果たすべき役割は非常に大きなものとなっている。こうした状況を踏まえ、当社グループの「設備」と「人」の両面での製造実力の強化策を始めとした「2017年中期経営計画」の推進にあたり、日鉄住金テックスエンジは当社の完全子会社となることにより、まさに親会社と一体となって企画段階から相互に情報を共有し、技術・人材の効率的な活用により提案力・エンジニアリング力を最大発揮させることが自社にとって極めて重要であり、今後の事業拡大、企業価値向上に寄与するとの考えに至った。
こうしたなか、両社は、当社からの提案を契機として協議・検討を重ね、日鉄住金テックスエンジを、株式交換により、当社の完全子会社とすることに合意した。本株式交換により、当社グループの経営資源の最適かつ効率的な活用、両社間での事業戦略の一層の共有化、グループ経営の機動性の向上等が図られ、当社、日鉄住金テックスエンジ両社の収益力と競争力を一層強化し、両社の企業価値向上に資するものと考えている。
2.本株式交換の条件等
(1)本株式交換の方式
当社を株式交換完全親会社、日鉄住金テックスエンジを株式交換完全子会社とする株式交換とした。本株式交換は、当社については、平成27年5月1日施行の改正会社法(以下、「会社法」)第796条第2項に基づき、株主総会の承認を必要としない簡易株式交換の手続きにより、また日鉄住金テックスエンジについては、同年6月25日開催の日鉄住金テックスエンジの定時株主総会において本株式交換契約の承認を受けたうえで、同年8月1日を効力発生日として行われた。
(2)株式交換比率(日鉄住金テックスエンジの株式1株に対して交付した当社の株式の割当比率)
| 当社 | 日鉄住金テックスエンジ |
株式交換比率 | 1 | 2.10 |
本株式交換においては、上記の株式交換比率に従い、日鉄住金テックスエンジの普通株式1株に対して、当社の普通株式2.10株を割当て交付した。
(注1)当社が保有する日鉄住金テックスエンジの普通株式98,128,891株(平成27年7月31日現在)については、本株式交換による株式の割当ては行わない。
(注2)当社は、本株式交換により、当社の普通株式79,656,408株を割当て交付したが、交付する普通株式は保有する自己株式を充当し、新株の発行は行っていない。なお、日鉄住金テックスエンジは、取締役会の決議により、本株式交換により当社が日鉄住金テックスエンジの発行済株式のすべて(ただし、当社が保有する日鉄住金テックスエンジの普通株式を除く。)を取得する時点の直前時(以下本注記において、「基準時」)において日鉄住金テックスエンジが保有するすべての自己株式(本株式交換に関して行使される会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に係る株式の買取りによって取得する自己株式を含む。)を基準時をもって消却した。そのため、本株式交換により割当て交付した上記普通株式数に関し、日鉄住金テックスエンジが保有する自己株式(平成27年7月31日現在5,490株)に対しては当社の普通株式を割当て交付していない。
(3)本株式交換の効力発生日
平成27年8月1日
3.株式交換比率の算定根拠
当社及び日鉄住金テックスエンジは、本株式交換に用いられる上記2.(2)記載の株式交換比率の算定に当たって公正性・妥当性を確保するため、それぞれ個別に、両社から独立した第三者算定機関に株式交換比率の算定を依頼することとし、当社は野村證券㈱(以下、「野村證券」)を、日鉄住金テックスエンジは大和証券㈱を、それぞれの第三者算定機関に選定した。
当社及び日鉄住金テックスエンジは、それぞれの第三者算定機関から提出を受けた株式交換比率の算定結果を参考に、両社それぞれが相手方に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて慎重に検討し、当社及び日鉄住金テックスエンジの財務状況、資産状況、将来の見通し等の要因を総合的に勘案したうえで、両社間で交渉・協議を重ねた。その結果、当社及び日鉄住金テックスエンジは、上記2.(2)記載の株式交換比率は妥当であり、それぞれの株主の利益を損ねるものではないとの判断に至ったため、同株式交換比率により本株式交換を行うことにつき、平成27年4月28日に開催された当社及び日鉄住金テックスエンジの取締役会において決議し、同年5月1日に両社間で本株式交換契約を締結した。
4.本株式交換後の会社の資本金・事業の内容等(平成27年9月30日現在)
商号 | 新日鐵住金株式会社 (英文名:NIPPON STEEL & SUMITOMO METAL CORPORATION) |
本店の所在地 | 東京都千代田区 |
代表者の氏名 | 代表取締役社長 進藤 孝生 |
資本金の額 | 4,195億円 |
純資産の額 | 31,598億円(連結ベース) |
総資産の額 | 67,582億円(連結ベース) |
事業内容 | 製鉄事業(鉄鋼の製造・販売)等 |
*5 本契約に基づく当社との株式交換に伴い、平成27年10月1日をもって、相手方当事者の商号が、鈴木金属工業㈱から日鉄住金SGワイヤ㈱に変更された。
*6 日鉄住金SGワイヤ㈱(鈴木金属工業㈱(当時))との株式交換について
当社及び鈴木金属工業㈱(*5記載のとおり、平成27年10月1日をもって、日鉄住金SGワイヤ㈱に商号変更。以下、「鈴木金属工業」)は、平成27年4月28日開催のそれぞれの取締役会において、同年9月1日を効力発生日として、当社を株式交換完全親会社、鈴木金属工業を株式交換完全子会社とする株式交換(以下本注記において、「本株式交換」)を行うことを決議し、本株式交換に関する株式交換契約(以下本注記において、「本株式交換契約」)を両社間で締結した。
本株式交換の概要は、下記のとおりである。
本株式交換の効力発生に先立ち、鈴木金属工業の普通株式は東京証券取引所市場第二部において平成27年8月27日に上場廃止(最終売買日は同年8月26日)となった。
1.本株式交換の目的
当社は、グループ会社とのシナジーの拡大、「選択と集中」の追求等、グループの体質強化に取り組んできた。鈴木金属工業とは、平成18年に鈴木金属工業の第三者割当増資を引き受け、鈴木金属工業の事業を強化し、両社の連携も強化した。さらに、平成21年に鈴木金属工業がHaldex Garphyttan AB社(現Suzuki Garphyttan社)を子会社とする際に、その資金調達のための第三者割当増資に応じ、鈴木金属工業を子会社とした。こうした取組みのなかで、鈴木金属工業とは、これまでもグループ会社として戦略を共有してきたが、素材(線材)から加工(ワイヤ)までの一貫した事業戦略が競争力の源泉である特殊線材業界において、今後ますます激化が予想されるグローバル規模での市場競争に機敏に対応し、業界における競争優位性を高め、さらなる発展と成長を遂げるためには、当社と鈴木金属工業の連携による一貫した技術・商品開発、品質の造込み、コスト削減や両社にまたがる安定したサプライチェーンの強化・拡充等の、幅広い取組みを一層強化する必要がある。
このような特殊線材事業の事業構造と経営環境を踏まえ、「2017年中期経営計画」策定の過程で、鈴木金属工業の完全子会社化により、共同開発や事業戦略の一体化とスピードアップを図ることが、当社グループの経営上極めて有益であるとの考えに至った。
また、鈴木金属工業においても、本株式交換は親会社かつ最大の素材供給元である当社とのパートナーシップをさらに深化・一体化することで、当社グループの経営資源をこれまで以上に有効に活用することが可能になり、鈴木金属工業グループの有するグローバルな顧客ベース・技術力・顧客対応力とのシナジーにより、競争力を高めていくうえで極めて有益であると考えている。
こうしたなか、両社は、当社からの提案を契機として協議・検討を重ね、鈴木金属工業を、株式交換により、当社の完全子会社とすることに合意した。本株式交換により、当社グループの経営資源の最適かつ効率的な活用とグループ経営の機動性の向上等を図るとともに、両社間での事業戦略の一層の共有化及び両社の収益力と競争力のさらなる強化を進めていく。また、これにより、当社、鈴木金属工業、両社の企業価値が向上し、双方の株主にとっても有益な組織再編になると考えている。
2.本株式交換の条件等
(1)本株式交換の方式
当社を株式交換完全親会社、鈴木金属工業を株式交換完全子会社とする株式交換とした。本株式交換は、当社については、会社法第796条第2項に基づき、株主総会の承認を必要としない簡易株式交換の手続きにより、また鈴木金属工業については、平成27年6月25日開催の鈴木金属工業の定時株主総会において本株式交換契約の承認を受けたうえで、同年9月1日を効力発生日として行われた。
(2)株式交換比率(鈴木金属工業の株式1株に対して交付する当社の株式の割当比率)
| 当社 | 鈴木金属工業 |
株式交換比率 | 1 | 1.10 |
本株式交換においては、上記の株式交換比率に従い、鈴木金属工業の普通株式1株に対して、当社の普通株式1.10株を割当て交付した。
(注1)当社が保有する鈴木金属工業の普通株式35,466,000株(平成27年8月31日現在)については、本株式交換による株式の割当ては行わない。
(注2)当社は、本株式交換により、当社の普通株式19,749,695株を割当て交付したが、交付する普通株式は保有する自己株式を充当し、新株の発行は行っていない。なお、鈴木金属工業は、取締役会の決議により、本株式交換により当社が鈴木金属工業の発行済株式のすべて(ただし、当社が保有する鈴木金属工業の普通株式を除く。)を取得する時点の直前時(以下本注記において、「基準時」)において鈴木金属工業が保有するすべての自己株式(本株式交換に関して行使される会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に係る株式の買取りによって取得する自己株式を含む。)を基準時をもって消却した。そのため、本株式交換により割当て交付した上記普通株式数に関し、鈴木金属工業が保有する自己株式(平成27年8月31日現在745,731株)に対しては、当社の普通株式を割当て交付していない。
(3)本株式交換の効力発生日
平成27年9月1日
3.株式交換比率の算定根拠
当社及び鈴木金属工業は、本株式交換に用いられる上記2.(2)記載の株式交換比率の算定に当たって公正性・妥当性を確保するため、それぞれ個別に、両社から独立した第三者算定機関に株式交換比率の算定を依頼することとし、当社は野村證券を、鈴木金属工業はみずほ証券㈱を、それぞれの第三者算定機関に選定した。
当社及び鈴木金属工業は、それぞれの第三者算定機関から提出を受けた株式交換比率の算定結果を参考に、両社それぞれが相手方に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて慎重に検討し、当社及び鈴木金属工業の財務状況、資産状況、将来の見通し等の要因を総合的に勘案したうえで、両社間で交渉・協議を重ねた。その結果、当社及び鈴木金属工業は、上記2.(2)記載の株式交換比率は妥当であり、それぞれの株主の利益を損ねるものではないとの判断に至ったため、同株式交換比率により本株式交換を行うことにつき、平成27年4月28日に開催された当社及び鈴木金属工業の取締役会において決議し、同年5月1日に両社間で本株式交換契約を締結した。
4.本株式交換後の会社の資本金・事業の内容等(平成27年9月30日現在)
商号 | 新日鐵住金株式会社 (英文名:NIPPON STEEL & SUMITOMO METAL CORPORATION) |
本店の所在地 | 東京都千代田区 |
代表者の氏名 | 代表取締役社長 進藤 孝生 |
資本金の額 | 4,195億円 |
純資産の額 | 31,598億円(連結ベース) |
総資産の額 | 67,582億円(連結ベース) |
事業内容 | 製鉄事業(鉄鋼の製造・販売)等 |
*7 VALLOUREC & SUMITOMO TUBOS DO BRASIL LTDA.とVALLOUREC TUBES SASの子会社であるVALLOUREC TUBOS DO BRASIL S.A.は、平成28年中を目途に経営統合を実行し、Vallourec Soluções Tubulares do Brasil S.A.となる予定である。
*8 本覚書は、平成28年5月13日付で、当社と日新製鋼㈱が同社の子会社化等に関する契約を締結したことに伴い、失効した。
当社は、需要家のニーズや環境・エネルギー問題等の社会的ニーズが多様化するなかで、「技術先進性」の拡大を通じた利益成長に資する研究開発分野に対し、重点的に経営資源を投入しています。鉄鋼研究所、先端技術研究所及びプロセス研究所の3つの中央研究組織と各製鉄所に配置した技術研究部が強固な連携体制を構築し、「リサーチ・アンド・エンジニアリング」の理念のもと、基礎基盤研究から、応用開発、エンジニアリングまでの一貫した研究開発を推進しています。
当社の強みは、①研究開発とエンジニアリングの融合による総合力及び開発スピード、②需要家立地の研究開発体制、③需要家のニーズに対する的確なソリューション提案力、④製鉄プロセス技術を基盤とした環境・エネルギー問題への対応力、⑤産学連携、海外アライアンス及び需要家との共同研究です。これらの強みを活かし、鉄を中心とした新しい機能商品をはじめ、革新的生産プロセスの創出と迅速な実用化を図っています。
当連結会計年度における当社及び連結子会社全体の研究開発費は684億円です。各セグメントの研究主要課題、成果及び研究開発費は次のとおりです。
(製鉄)
当セグメントに係る研究開発費は593億円です。
当社は、3地点の研究開発センター(富津市、尼崎市、波崎市)を軸に、①鉄鋼研究所では、鉄鋼材料・商品と利用技術・ソリューション研究開発、②先端技術研究所では、共通基盤技術研究及び新素材事業を中心とした製鉄以外のセグメント事業支援開発、③プロセス研究所では、設備エンジニアリングと設備保全技術開発を担当する設備・保全技術センターと密接な連携を図りながら製鉄プロセス関連の研究開発に取り組み、開発の短期化・効率化を目指し、鉄源コストの削減・基幹ラインの生産性の抜本的向上等の研究開発の加速化を進めてまいりました。
<薄板>
・当社は、さらなる自動車軽量化等の市場ニーズに応えるべく590・780MPa級熱延ハイテン鋼板及び780MPa級熱延原板合金化溶融亜鉛めっきハイテン鋼板を開発致しました。これらのハイテン鋼板は、疲労特性・加工性・外観に優れ、成分設計と高度な温度制御で従来製品を上回る疲労特性を実現し、ホイール部品等の外観に厳格な品質を要求されるものにも適用可能となりました。これらにより自動車におけるハイテン適用範囲が拡がり、自動車軽量化のさらなる進展に貢献すると考えております。
・当社は、パナソニック㈱より同社商品のCO2削減や商品力強化に貢献し、特に優秀と認められた提案に贈られるECO・VC賞の金賞を2010年度から6年連続で受賞致しました。今回の受賞は、フラグシップ・汎用モデル別設計の液晶TV下フレーム部品において、当社の剛性・強度・プレスCAE解析支援に基づく設計変更反映、形状に合わせた最適鋼材提案が評価されました。
<厚板>
・当社は、造船向け鋼材として、厳格な超音波探傷検査方法に対応する脆性亀裂伝播停止特性(BCA)と脆性亀裂発生特性(CTOD)の両方の特性を併せ持つ鋼材を開発し、世界5大船級の一つであるDnV-GL船級協会から世界で初めて承認を取得致しました。これによりコンテナ船の安全性をより高い次元で実現するだけでなく、国際船級協会連合(IACS)が規定する厳格検査プロセスの簡素化を図ることが可能となり、建造の効率化、コスト低減に寄与します。
・当社は、原油タンカー用高耐食性厚鋼板「NSGP®-1」を世界で初めて開発・実用化し、さらに2014年には、原油タンカー用高耐食性厚鋼板「NSGP®-2」が世界で初めてタンク天井部用として船級承認を取得しました。この豊富な開発・実用化の知見をもとに、貨物倉の腐食を大幅に低減することができる厚鋼板「NSGP®-3」を開発し、今治造船㈱のグループ会社である多度津造船㈱で建造されたばら積み貨物船に初めて採用されました。これら造船耐食鋼は、溶接や加工を従来の鋼材とまったく同様に施すことが可能です。
・当社が開発した高延性造船用鋼板「NSafe®-Hull」は、従来の施工性を維持しながら、高い延び性を有することにより、船舶の衝突安全性を高めることができる新しい鋼板です。船舶側面から衝突された際に穴が開くまでの衝撃吸収エネルギーが約3倍となり、浸水防止や貨物保護、深刻な環境汚染につながる油流出の防止の役割を担うことが可能です。
・当社が開発した耐摩耗鋼ブランド「ABREX®」の低温靱性タイプで最高級グレードのABREX®500LT並びに標準タイプのABREX®450及びABREX®500の製造可能板厚を大幅に拡大し、お客様のニーズにきめ細かくお応えする体制を整えました。
・当社が開発した塗装周期延長耐食鋼「CORSPACE®」が国土交通省新技術情報提供システム(NETIS)に登録されました。この鋼材は、塗膜欠陥部における鋼材腐食量を従来鋼に比べ大幅に抑制することでライフサイクルコスト縮減が期待でき、耐候性鋼橋梁の適用ができない沿岸地域や、凍結防止剤散布の影響を受ける部位で特に効果を発揮し、鋼構造物インフラの寿命延長、維持管理費削減及び塗装頻度削減による環境負荷軽減に貢献します。
・当社が開発した橋梁用高降伏点鋼板(SBHS)は、JIS規格化後、各種鋼橋設計要領書等に掲載され普及促進の環境が整いました。制御冷却プロセスを駆使した組織制御技術を用いることで、一般的な橋梁用溶接構造用圧延鋼材(JIS G3106)と比較して高強度・高靭性を示す耐候性仕様のSBHS500Wが、奈良県十津川村に完成した沼田原橋に初めて採用されました。
<棒線>
・棒線事業ブランド「SteeLinC®」のもと、当社の特徴ある製品・利用技術の活用を通じて、高強度・軽量化、工程省略・易加工性及び環境対応といったお客様のニーズにお応えし、世界経済の成長や循環型社会の構築に貢献すべく、高機能商品群「XSTEELIA®」の開発を強化しています。例えば、従来品に比べ耐食性を約5倍に向上させ、曲げ加工部や溶接部の耐食性にも優れためっき線「タフガード®マイルド」は、インフラの長寿命化、メンテナンスフリー化によるライフサイクルコスト低減に貢献します。また、線径5.0mm以下の線材商品「細径線材」のラインナップ拡充は、太陽光発電用シリコンウェハーの切断用ワイヤーの需要拡大や、工程省略・省エネルギーニーズに貢献します。今後も幅広い分野に貢献できる商品・技術の開発を進めてまいります。
<鋼管>
・当社の優れた製品供給力、商品開発力及び付加価値提案力が高く評価され、オランダのロイヤル・ダッチ・シェル社より石油・ガス掘削事業への貢献度の高いサプライヤーに対して与えられる「グローバルパートナーアワード」を住友商事㈱と共同で受賞致しました。今回、本賞を受賞した鋼管メーカーは、当社が唯一となります。
・高い耐水素脆性、高強度特性及び優れた溶接施工性の3つの特長を有する高圧水素用ステンレス鋼「HRX19®」が、東京ガス㈱の「浦和水素ステーション」及び「千住水素ステーション」において、機械式継手に代わる溶接施工法として世界で初めて採用されました。「HRX19®」と溶接継手を採用することにより、設備がコンパクト化され、鋼材重量が削減されるだけでなく、振動等による継手部の漏洩リスクも低減され、高い保全性・安全性向上を確保できます。
・当社は、九州工業大学大学院特任教授・増山不二光先生とともに、一般財団法人材料科学技術振興財団の「山崎貞一賞」を受賞致しました。本賞は、先端的な科学技術分野における新材料に関する基礎的研究を行うとともに、新材料の解析・評価を実施すること等により我が国の経済社会の発展と国民生活の向上に寄与した研究者に授与される賞です。受賞理由は、火力発電ボイラに適した高温で耐クリープ強度が高く、かつ耐酸化性・耐疲労性に優れた伝熱管として共同開発した2Cr~12Crフェライト系耐熱鋼4鋼種(HCM2S,HCM9M,HCM12,HCM12A)の材料研究開発及び実用化並びに国際標準化及び寿命評価のための研究の功績です。
<建材>
・当社は、高耐食性めっき鋼板「スーパーダイマ®」を使用した溶接軽量H形鋼「SDスマートビーム®」を開発・商品化致しました。フランジの厚さ9mm(従来は6mm以下)までのプレめっきのH形鋼が製造可能となり、後めっき品に対するトータルコストダウン、工期短縮を図ることができます。
・当社とNSハイパーツ㈱は、名古屋工業大学の協力を得て、当社独自のスチールハウス工法「NSスーパーフレーム工法®」向けの「高強度の耐力壁」を共同で開発致しました。耐力壁の鋼板面材には、「スーパーダイマ®」にバーリング孔加工を施し、地震エネルギーの吸収能力向上を図ることで、従来よりも高層・大スパンの建物が建設可能となり、当社の4階建て社宅や関連会社の平家厚生施設に採用されました。今後は老朽更新時期を迎える企業の社宅・寮や高齢化に伴い益々増加が予想される介護老人保健施設向け建物を中心に、将来的には公共住宅での採用も目指してまいります。
・当社が開発したハット形鋼矢板+H形鋼工法が、シンガポール陸上交通庁発注の地下鉄駅舎建設工事において、初めて仮設土留め壁向けとして採用されました。海外建設市場においても幅広く提案活動を行い、各国のインフラ整備に貢献してまいります。
・近年のインフラの補強・更新工事や都市内の再開発工事の増加等に伴い、鋼管杭の現場溶接が不要で短時間接合が可能な機械式継手へのニーズが高まっています。こうした状況下、当社は、継手構造のコンパクト化・軽量化を図りつつ、現場接合と管理が容易で、大径、厚肉、高強度鋼管への対応が可能な機械式継手「ガチカムジョイント®」を開発し、一般財団法人土木研究センターの建設技術審査証明を取得致しました。
<チタン・特殊ステンレス>
・当社は、チタン合金の基礎研究から実用化、市場開拓までの一貫した研究開発、またそれらの成果として当社が独自開発したチタン合金Ti-5Al-1Feが自動車エンジンに採用されたこと等が評価され、「本多フロンティア賞」を受賞致しました。本賞は、物理冶金学の創始者である故本多光太郎博士を顕彰するために設立された、金属とその周辺材料に関する研究を行い、画期的な発見又は発明を行った研究者に贈られる賞です。
・当社は、燃料電池内基幹部品における腐食環境に対して優れた耐食性を有する特殊圧延チタン箔の製造方法を開発し、トヨタ自動車㈱の燃料電池自動車「MIRAI」の燃料電池部品に採用されました。将来期待される水素社会の一翼を担う、先進性の高い事業分野への進出を加速し、チタン製品の新たな需要分野を開拓し、適用拡大を進めます。
・当社が開発した亜熱帯・高波浪地域における信頼度の高い長期耐久性防食工法であるチタンカバー・ペトロラタム被覆工法が、沖縄県の公共案件である名護漁港、池間漁港及び阿嘉漁港の護岸の保全・改良工事における既設鋼矢板・鋼管矢板向けで初めて大規模採用されました。本工法は、海洋土木分野をはじめとした様々な分野におけるライフサイクルコストのミニマム化を実現し、安心・安全な社会基盤の構築に貢献します。
<交通産機品>
・「第46回市村産業賞貢献賞」を受賞した鉄道車両用アクティブサスペンションが、より安全で快適な乗り心地を実現した技術として評価され、北陸新幹線のグランクラスに採用されました。高速鉄道車両の横揺れを低減させたワンランク上の乗り心地を提供しています。
<製鉄プロセス等>
・脱燐処理の高効率化や低コスト化、高生産対応としてスクラップの多量溶解を可能にする当社の画期的な製鋼プロセスが、公益財団法人大河内記念会の「第61回(平成26年度)大河内記念生産賞」受賞に続き、エコプロダクツ®製品の量産可能な多機能統合型転炉法として、「平成28年度科学技術賞(開発部門)の文部科学大臣表彰」を受賞致しました。本賞は、科学技術に関する開発及び理解増進等において顕著な成果を収めたものの功績を称える賞であり、当社は平成19年度から10年連続での受賞になります。
(エンジニアリング)
当セグメントに係る研究開発費は33億円です。
新日鉄住金エンジニアリング㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・製鉄プラント分野 既存商品の拡大展開や先進的製鉄プロセスを目指した開発
・環境分野 溶融炉の競争力強化に向けた開発、バイオマス利用技術開発
・エネルギー分野 オンサイトエネルギー供給の熱回収高効率化の開発
・海洋分野 海底パイプライン敷設の自動化・高速化・高品質化の開発
・建築分野 省エネルギー技術、免震デバイス商品の開発
・陸上パイプライン分野 施工コストダウンの開発
(化学)
当セグメントに係る研究開発費は25億円です。
新日鉄住金化学㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・人造黒鉛電極用高耐久性ニードルコークス、ディスプレイ向け有機EL材料、液晶カラーフィルター材料、フレキシブル回路基板用無接着型銅張積層板、ハロゲンフリーエポキシ樹脂材料等の開発
(新素材)
当セグメントに係る研究開発費は16億円です。
新日鉄住金マテリアルズ㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・金属箔、メタル担体、CMPドレッサー、HIP、炭素繊維及び複合材、ボンディングワイヤ、ハンダボール、球状フィラー、SiC事業化開発等の分野に関わる研究開発
(システムソリューション)
当セグメントに係る研究開発費は15億円です。
新日鉄住金ソリューションズ㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・開発運用技術力強化、クラウドサービスの高付加価値化、ワークスタイルイノベーション、OT/IT融合領域における展開
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、工事損失引当金、役員退職慰労引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。但し、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当期の事業の状況につきましては、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりであります。
当期の連結業績につきましては、出荷量の減少及び鋼材価格の下落の影響が大きく、加えてグループ会社の減益等の影響もあり、売上高は4兆9,074億円(前年同期は5兆6,100億円)、営業利益は1,677億円(前年同期は3,495億円)、経常利益は2,009億円(前年同期は4,517億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,454億円(前年同期は2,142億円)となりました。
また、中核事業である製鉄セグメントの全体に占める割合は、売上高で8割超となっており、同セグメントにおける連結経常利益は、上記の理由により、対前期で2,419億円の減益となりました。
(3)当期末の財政状態及びキャッシュ・フローの分析
当期末の資産、負債、純資産の状態及びキャッシュ・フローにつきましても、当期の経営成績と同様、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりです。
(4)次期(平成28年度)の見通し
次期(平成28年度)の業績見通しにつきましても、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりです。
(注) 上記次期の見通しには、平成28年4月28日決算発表時点の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測や目標が含まれている。実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性がある。