第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当期の世界経済は、中国やその他の新興国において成長ペースが鈍化し力強さを欠いたものの、欧州においては景気持ち直しの動きが見られ、また米国においては好調な企業業績や個人消費を背景に景気回復が続いたことから、全体として緩やかに回復しました。
 日本経済は、企業の生産活動や設備投資が堅調で、雇用情勢も改善傾向にあったものの、消費税増税の影響による個人消費の低迷や人手不足による建設工事の遅れ等があり、全体としてほぼ横ばいとなりました。
 国内鉄鋼需要は、底堅く推移したものの、消費税増税の影響が続いたこと等もあり、やや減少となりました。また、鋼材輸出は、世界経済が緩やかに回復するなかほぼ横ばいの水準となりましたが、国際市況は、鉄鉱石等の主原料価格の低下や新興国における鉄鋼需要の鈍化に加え、中国・韓国鉄鋼メーカーの供給圧力が依然強く、下落基調となりました。
 こうしたなか、当社グループは、平成25年3月に策定した中期経営計画(以下、「前中期計画」)に掲げた技術先進性の発揮、グローバル競争を勝ち抜く世界最高水準のコスト競争力の実現、鉄源・圧延関連設備の休止による最適生産体制の構築、グローバル戦略の推進、製鉄事業グループ会社の体質強化等の諸施策を着実に推進してまいりました。

当社グループと致しましては、各セグメントにおいて各社がそれぞれの環境変化に対応しながら、最大限の経営努力を重ねてまいりました。各セグメント別の業績の概況は以下のとおりです。

 

(当期のセグメント別の業績の概況)

 

 

製鉄

エンジニ
アリング

化学

新素材

システム
ソリュー
ション

合計

調整額

連結財務諸表計上額

売上高

当期

49,392

3,486

2,127

364

2,060

57,431

△1,331

56,100

(億円)

前期

48,779

3,141

2,301

372

1,798

56,393

△1,231

55,161

経常利益

当期

4,019

187

68

24

165

4,466

50

4,517

(億円)

前期

3,212

177

100

13

127

3,631

△21

3,610

 

 

<製鉄>

製鉄セグメントにつきましては、国内製造基盤の強化とグローバル戦略の推進を大きな柱として諸施策に取り組んでまいりました。
 国内においては、前中期計画に掲げた和歌山製鐵所薄板製造ラインの一部等の圧延関連設備の休止等を実施するとともに、生産設備能力の最大発揮と優れた操業技術の有効活用を行い、最適生産体制の構築を進めてまいりました。また当期は、八幡製鐵所において高炉改修を完了し、君津製鐵所や鹿島製鐵所において新たにコークス炉の改修を決定するなど、国内製造基盤の強化に徹底的に取り組んでまいりました。製鉄所組織については、効率的な業務運営を目指して平成26年4月1日付で八幡製鐵所と小倉製鐵所、和歌山製鐵所と堺製鐵所、君津製鐵所と東京製造所をそれぞれ統合・再編成致しました。さらに、当社の製造・販売・技術・研究部門が一体となって、需要家の皆様に対するソリューション提案や高機能商品の開発等に取り組み、技術先進性を発揮してまいりました。
 一方、海外においては、成長市場における需要の捕捉や需要家の皆様の海外展開に即応した事業体制の構築を図り、グローバル戦略を推進してまいりました。当期においては、インド自動車市場の成長に対応するために設立された自動車用冷延鋼板の製造・販売合弁会社が営業運転を開始しました。また、インドネシアにおける自動車用鋼板の製造・販売合弁事業に関する契約の締結や、ブルネイにおける油井管継手加工の合弁会社設立の決定を行うなど、グローバル供給体制の一層の充実を図ってまいりました。
 さらに、安価原料の使用比率の拡大や歩留向上等、最大限のコスト改善に引き続き取り組むとともに、鋼材価格につきましては、需要家の皆様に御理解いただけるよう丁寧な対応に努めてまいりました。製鉄セグメントとして、売上高は4兆9,392億円(前年同期は4兆8,779億円)、経常利益は4,019億円(前年同期は3,212億円)となりました。
 昨年発生しました名古屋製鐵所での停電事故及び火災事故につきましては、株主及び関係者の皆様に多大な御心配と御迷惑をおかけし、改めて深くお詫び申しあげます。当社ではこの事態を真摯に受け止め、学界及び産業界において優れた知見を有する社外有識者を交え、各事故の原因究明と再発防止策等を検討し、結果を取りまとめました。その内容を踏まえた各対策について、今後とも全社を挙げて実行してまいります。

 

<エンジニアリング>

新日鉄住金エンジニアリング㈱におきましては、ここ数年で新たに設立した東南アジアをはじめとする海外拠点の本格稼働、欧州のごみ処理施設設計・建設大手会社の買収等、海外戦略への積極的な取組みと、既存事業の競争力強化に努めてまいりました。着実なプロジェクトの実行、コスト削減等の取組みに加え、為替影響等による収益改善もあり、エンジニアリングセグメントとして、売上高は3,486億円(前年同期は3,141億円)、経常利益は187億円(前年同期は177億円)となりました。

 

<化学>

新日鉄住金化学㈱におきましては、スマートフォン需要の拡大等により、回路基板材料やディスプレイ材料等の機能材料事業が比較的堅調に推移しました。しかしながら、世界的な電極需要減少によるニードルコークスの収益悪化に加え、中国経済の減速と原油市況急落により、汎用樹脂原料であるスチレンモノマーの市況が大幅に下落したこと等から収益が減少し、化学セグメントとして、売上高は2,127億円(前年同期は2,301億円)、経常利益は68億円(前年同期は100億円)となりました。

 

<新素材>

新日鉄住金マテリアルズ㈱におきましては、電子材料部材分野では、金ワイヤの代替品である表面処理銅ワイヤの販売が順調に増加するとともに、金属箔におけるサスペンション材等の販売が増加しました。また、炭素繊維によるトンネルや橋梁等の補修・補強材は、老朽更新・耐震補強の需要増を確実に捉えて堅調に推移し、環境・エネルギー分野におけるメタル担体は、新興国での二輪排ガス規制に的確に対応し、販売を拡大しました。新素材セグメントとして、売上高は364億円(前年同期は372億円)、経常利益は24億円(前年同期は13億円)となりました。

 

<システムソリューション>

新日鉄住金ソリューションズ㈱におきましては、幅広い業種の顧客に対し、システムの企画、構築、運用・保守を一貫して提供するとともに、顧客の事業環境変化に対応した先進的なソリューション・サービスを展開しております。当期は、ITアウトソーシングサービス「NSFITOS(エヌエスフィットス)」の事業展開強化のための拠点整備等、サービスビジネスの強化・拡充を図るとともに、インドネシアにおいて、現地法人(PT. NSSOL SYSTEMS INDONESIA)を設立するなど、アジア地域の事業拡大を進めました。システムソリューションセグメントとして、売上高は2,060億円(前年同期は1,798億円)、経常利益は165億円(前年同期は127億円)となりました。

 

 

(売上・収益)

当期の連結業績につきましては、売上高は5兆6,100億円(前年同期は5兆5,161億円)、営業利益は3,495億円(前年同期は2,983億円)、経常利益は4,517億円(前年同期は3,610億円)となりました。また、保有株式の売却を進めたことによる投資有価証券売却益、君津製鐵所及び和歌山製鐵所等の主要生産設備の除却・解体費用である設備休止関連損失に加え、当社の持分法適用関連会社であるVALLOUREC & SUMITOMO TUBOS DO BRASIL LTDA.の事業に関する減損損失相当額である関係会社事業損失を特別損益として計上致しました。その結果、当期純利益は2,142億円(前年同期は2,427億円)となりました。

また、当期の単独業績につきましては、売上高は3兆7,333億円(前年同期は3兆7,207億円)、営業利益は2,286億円(前年同期は1,869億円)、経常利益は2,768億円(前年同期は2,249億円)、当期純利益は1,703億円(前年同期は1,782億円)となりました。

 

(2) 当期末の資産、負債、純資産及び当期のキャッシュ・フロー

当期末の連結総資産は、受取手形及び売掛金の増加(256億円)やたな卸資産の増加(291億円)等により、前期末(7兆822億円)から756億円増加し、7兆1,579億円となりました。

負債につきましては、有利子負債が、事業収益及び資産圧縮の着実な推進等により、1兆9,765億円と前期末(2兆2,963億円)から3,197億円減少したこと等により、前期末(3兆8,442億円)から2,334億円減少し、3兆6,108億円となりました。

純資産につきましては、当期純利益の2,142 億円、その他有価証券評価差額金の増加(898億円)等により、前期末(3兆2,379億円)から3,090億円増加し、3兆5,470億円となりました。なお、当期末の自己資本は2兆9,786億円となり、有利子負債自己資本比率(D/Eレシオ)は0.66倍まで改善しました。

当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3,761億円に減価償却費(3,200億円)や関係会社事業損失(686億円)の加算、持分法による投資損益(827億円)の控除等の調整を加えた収入に対し、法人税等の支払い(814億円)等があり、7,109億円の収入(前年同期は5,747億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資支出(3,240億円)がある一方、投資有価証券及び関係会社株式の売却収入(627億円)もあり、2,636億円の支出(前年同期は1,968億円の支出)となりました。この結果、フリーキャッシュ・フローは4,473億円の収入(前年同期は3,779億円の収入)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、前期末及び当第2四半期末の配当(457億円)に加え、有利子負債の減少(3,197億円)等により、4,518億円の支出(前年同期は3,671億円の支出)となりました。以上により、当期末における現金及び現金同等物は1,129億円となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

前連結会計年度  金額(百万円)

当連結会計年度  金額(百万円)

製鉄

5,452,942

5,265,221

エンジニアリング

265,548

298,998

化学

223,693

218,386

新素材

30,291

27,397

システムソリューション

149,880

168,238

合計

6,122,356

5,978,241

 

(注) 1  金額は製造原価による。

2  上記の金額には、グループ向生産分を含む。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメント毎に示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

前連結会計年度
受注高(百万円)

当連結会計年度
受注高(百万円)

前連結会計年度
受注残高(百万円)

当連結会計年度
受注残高(百万円)

エンジニアリング

332,712

302,102

320,000

310,000

システムソリューション

186,733

206,972

85,196

85,873

合計

519,445

509,074

405,196

395,873

 

(注) 1  上記の金額には、グループ内受注分を含む。

2  「製鉄」、「化学」及び「新素材」は、多種多様な製品毎に継続的且つ反復的に注文を受けて生産・出荷する形態を主としており、その受注動向は、生産実績や販売実績に概ね連動していく傾向にあり、また、需要動向等についても本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」において記載していることから、金額又は数量についての記載を省略している。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における外部顧客に対する販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

前連結会計年度  金額(百万円)

当連結会計年度  金額(百万円)

製鉄

4,827,826

4,892,257

エンジニアリング

284,803

313,158

化学

223,082

205,210

新素材

37,241

36,449

システムソリューション

143,225

162,953

合計

5,516,180

5,610,030

 

(注) 1  前連結会計年度及び当連結会計年度における輸出販売高及び輸出割合は、次のとおりである。

前連結会計年度

当連結会計年度

輸出販売高(百万円)

輸出割合(%)

輸出販売高(百万円)

輸出割合(%)

2,192,805

39.8

2,292,410

40.9

 

(注)  輸出販売高には、在外子会社の現地販売高を含む。

2  主な輸出先及び輸出販売高に対する割合は、次のとおりである。

輸出先

前連結会計年度(%)

当連結会計年度(%)

アジア

67.0

64.8

中近東

6.4

6.4

欧州

5.2

7.3

北米

9.9

11.0

中南米

6.6

7.2

アフリカ

2.9

2.3

大洋州

2.0

1.0

合計

100.0

100.0

 

(注)  輸出販売高には、在外子会社の現地販売高を含む。

3  前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりである。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

住友商事㈱

942,147

17.1

992,596

17.7

日鉄住金物産㈱

761,844

13.8

895,718

16.0

㈱メタルワン

566,522

10.3

563,833

10.1

 

 

なお、生産、受注及び販売等に関する特記事項については、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」等に記載しております。

 

 

3 【対処すべき課題】

(次期の見通し)

 世界経済においては、中国は成長ペースが鈍化しているものの、米国は堅調を維持し、欧州は景気の底入れが期待され、アセアン諸国は総じて緩やかに回復すると見込まれます。
 日本経済は、消費税増税の影響が解消に向かい、徐々に回復する見込みです。
 国内鉄鋼需要は、上期は全体的には堅調を維持するものの、建設分野の季節要因等や自動車分野の在庫調整の影響による需要の減少が想定されます。一方、下期は自動車需要や住宅着工の回復、設備投資の増加が期待され、需要の回復が見込まれます。こうした状況のもと、第1四半期については、需要家の皆様の在庫調整に対応するとともに、市中在庫の適正化を図るため、適切な減産調整を行う必要があります。
 海外鉄鋼需要は、アセアン諸国では緩やかな増加が期待されるものの、中国では減少に転じており、原油市況の急落によりエネルギー関連需要が減速した影響等から、全体としては横ばいに留まると見込まれます。また、国際市況も、中国をはじめとした東アジアの鋼材供給過剰が続くなか、引き続き弱含みで推移すると予想されます。
 こうしたなか、当社は、引き続き鋼材需給動向や原料価格動向等に注意を払うとともに、最大限のコスト改善を実行してまいります。そのうえで、需要家の皆様への提案力の強化や、海外における供給体制の充実を図るとともに、鋼材価格の改定につきまして、需要家の皆様に御理解いただけるよう丁寧な対応を継続していく所存です。
 平成27年度の業績見通しにつきましては、主原料価格及び鋼材価格の動向が不透明であること等から、平成27年4月28日決算発表時点では当社として合理的な算定・予想を行うことができません。従いまして、平成27年度の業績予想については未定とし、合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示致します。

 

(2017年中期経営計画)

 当社グループは、前中期計画において、統合シナジーの早期・最大発揮による持続的な利益成長を目指すこととし、過去2年間、コストダウン、設備集約、海外下工程の投資、グループ会社統合再編等を推進することにより、着実に成果をあげてまいりました。
 一方で、製鉄事業を取り巻く環境は、原油・原料価格、為替等の市況変動や世界各地で高まる地政学リスク等、様々な変化が予想されますが、これらへ的確に対応することが求められております。
 当社グループは、こうした事業環境の変化や当社グループの課題に着実に対応し、「技術力」「コスト競争力」「グローバル対応力」を進化させ、揺るぎない『総合力世界No.1の鉄鋼メーカー』を実現するため、本年3月に、平成27年度から平成29年度を実行期間とする「2017年中期経営計画」を策定致しました。
 当社グループは、この「2017年中期経営計画」に掲げた各種施策を着実に実行してまいります。

 

(注)  上記次期の見通しには、平成27年4月28日決算発表時点の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測や目標が含まれている。実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性がある。

 

 

(財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に関する事項)

当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を次のとおり定めております。

 

<当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容>

当社グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献することを企業理念に掲げ、この理念に基づき具体的経営戦略を立案・遂行し、競争力・収益力を向上させることにより、企業価値ひいては株主共同の利益の向上を目指しております。

この企業理念、経営戦略が当社株式の大量買付け行為等によってゆがめられ、結果として株主共同の利益が損なわれることのないよう、当社は、必要な措置を講じることと致します。即ち、第三者から当社株式の大量買付け行為等の提案(以下、「買収提案」)がなされた場合、これを受け入れるか否かの最終的な判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきものと考えており、株主の皆様が買収提案について必要な情報に基づき相当な検討期間をもって適切な判断を行えるよう、必要なルール及び手続きを定めております。

 

<基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要>

当社は、平成18年3月開催の取締役会において全会一致で決議し、「当社株式の大量買付け等」を行おうとする者が具体的買付行為を行う前に経るべき手続きを明確かつ具体的に示した『株式の大量買付けに関する適正ルール(買収防衛策)』(以下、「適正ルール」)を導入しており、この適正ルールの更新条項に基づき、平成24年3月開催の取締役会において当該ルールの更新を全会一致で決議しております。その後、平成26年3月開催の取締役会において、適正ルールの規定に従い当該ルールの見直し検討を行い、特段の変更を行わないことを全会一致で決議しております。また、当社は、適正ルールに基づく新株予約権について発行登録を行っております。

適正ルールは、当社取締役会が買収提案を検討するために必要な情報と相当な期間を確保することにより、株主の皆様が買収提案に関し、インフォームド・ジャッジメント(必要な情報と相当な検討期間に基づいた適切な判断)を行えるようにすること、加えて、当社の企業価値及び株主共同の利益を損なうこととなる悪質な株券等の大量買付けを阻止することを目的としております。

当社の株券等を15%以上取得しようとする者(以下、「買収提案者」)がいる場合に、買収提案が適正ルールに定める要件(買収提案者による必要情報の提出及び検討期間の満了)を満たすときは、その時点における株主の皆様が、対抗措置である新株予約権の無償割当ての可否に関し直接判断を下す仕組みとなっております。新株予約権の無償割当ては、①買収提案者が適正ルールに定める手続きを無視した場合、②買収提案者が裁判例上悪質と特定されている4類型のいずれかに該当し、その買収提案が株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるものと判断される場合(当該判断は、国際的評価を得ている法律事務所及び投資銀行の助言等に基づいて行われます。)、及び③株主の皆様が新株予約権の無償割当てに賛同した場合に限られます。

なお、当社の適正ルールは、当社ホームページに掲載しております。

 

<上記取組みについての取締役会の判断及びその判断に係る理由>

適正ルールは、買収提案がなされた場合に、対抗措置(新株予約権の無償割当て)を発動するか否かを、株主の皆様に、必要な情報と相当な検討期間に基づき判断していただくためのルール及び手続きを定めたものです。適正ルールは、買収提案を受け入れるか否かの最終的な判断を当社株主の皆様に委ねることにより、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を図る目的のものであり、当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。以上から、当社取締役会は、適正ルールが上記「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」に沿うものであると判断しております。

 

 

4 【事業等のリスク】

本報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、下記各項のものがあります。

なお、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況」の他の項目、「第一部 企業情報 第5 経理の状況」の各注記、その他においても個々に記載しておりますので、併せて御参照ください。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)鋼材需給の変動等

当社グループの売上高の8割超は製鉄事業によるものであり、国際的な鉄鋼需給の変動が業績に影響を与える可能性があります。また、国内外の鉄鋼メーカー等と厳しい競争状態にあるなかで、技術・コスト・品質等において当社グループの競争力に変化があった場合には、業績に影響が生じる可能性があります。

当社の製鉄事業の需要家は、商品に加工して販売する等を前提に鋼材を大量・定期的に購入することが多く、主要な需要家の購買方針の変更は業績に影響を与える可能性があります。

なお、鋼材等の販売先である商社・需要家等において与信リスクが顕在化した場合には、業績に影響が生じる可能性があります。

 

(2)原燃料価格の変動

鉄鉱石、石炭、合金、スクラップ等、主に製鉄事業に用いる原燃料の価格やその海上輸送にかかる運賃は、国際的な資源需給に連動しております。今後も、経済情勢や鋼材生産等を反映した鉄鋼原料の需給バランス等に応じた価格の変動が業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)借入金、社債等の金利の変動、その他金融市場の変動

当期末における当社グループの連結有利子負債残高は1兆9,765億円であり、金利情勢、その他金融市場の変動が業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)有価証券等の保有資産(年金資産を含む。)価値の変動

当期末における当社グループの有価証券、投資有価証券及び関係会社株式残高は1兆8,502億円であり、投資先の業績不振、証券市場における市況の悪化等により、評価損が発生する可能性があります。

また、上記の投資有価証券の他に年金資産(退職給付信託資産を含む。)が当社単独分4,223億円あり、この資産を構成する国内外の株式、債券等の価格変動や金利情勢の変動が業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)為替相場の変動

当社グループは、製品等の輸出及び原料等の輸入において外貨建取引を行っていること並びに外貨建の債権・債務を保有していることから、為替相場の変動が業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)事業活動にかかる環境規制

今後、当社グループが事業活動を行う国においてCO2の排出に対する数量規制、その他の環境規制が強化・導入された場合には、製鉄事業を中心に当社グループの事業活動が制約を受けることにより、業績に影響が生じる可能性があります。

 

(7)海外の主要市場における関税引上げ、輸入規制等

これまで当社グループにおける一部の鋼材の輸出取引において、米国や東南アジア諸国等から反ダンピング税等の特殊関税を賦課されております。将来、海外の主要市場国において関税引上げ、特殊関税の賦課、数量制限等の輸入規制が課せられた場合には、輸出取引が制約を受けることにより、業績に影響が生じる可能性があります。

 

 

(8)重大な災害、事故、訴訟等

製鉄所をはじめとする当社グループの各事業所及び需要家をはじめとする取引先が、大規模な台風、地震等の自然災害に見舞われた場合、又は新型インフルエンザ等の感染症が全国的かつ急速に蔓延した場合等には、事業活動が制約を受けることにより、業績に影響が生じる可能性があります。また、重大な労働災害、設備事故、環境事故、品質問題等が発生した場合、又は重要な訴訟において当社に不利な判断がなされた場合には、事業活動の停止・制約、補償等により、業績に影響が生じる可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

契約会社名

相手方当事者

国名

内容

契約年月日

契約期限

当社

POSCO

韓国

基礎的技術開発、第三国における合弁事業、IT等に係る協力関係の構築に関する戦略的提携契約

平成12年8月2日

平成27年8月1日
但し、5年毎の自動更新条項あり

当社

ArcelorMittal

ルクセンブルク

自動車鋼板分野等におけるグローバル戦略提携契約

平成13年

1月22日
但し、平成23年1月11日に更新

平成33年1月22日

当社

宝山鋼鉄株式有限公司

中国

中国における冷延及び溶融亜鉛めっき鋼板製造・販売に関する合弁事業
(事業主体 宝鋼新日鐵自動車鋼板有限公司)

平成15年
12月23日
但し、平成23年6月30日に改訂

合弁会社設立から20年が経過する日
(平成36年7月30日)

当社

㈱神戸製鋼所

日本

鉄源設備共同活用に関する協定
(事業主体 日鉄住金鋼鉄和歌山㈱)

平成17年

6月17日

平成45年5月14日

当社

POSCO

韓国

連携深化と株式追加取得に関する契約

平成18年10月20日

平成27年8月1日
但し、5年毎の自動更新条項あり

当社

VALLOUREC TUBES SAS

*1

フランス

ブラジルにおける高級シームレスパイプの製造に関する合弁事業
(事業主体 VALLOUREC & SUMITOMO
TUBOS DO BRASIL LTDA.)

平成19年7月19日

合弁会社設立から30年が経過する日
(平成49年7月19日)
但し、7年毎の自動更新条項あり
(最大3回まで)

当社

 

日本ウジミナス㈱

 

Ternium Investments
S.à r.l.

        等

 

 

日本

 

ルクセンブルク

Usinas Siderúrgicas de Minas Gerais S.A. – USIMINAS に関する株主間協定

平成23年

11月27日

但し、平成24年1月16日に発効

平成43年11月6日
但し、5年毎の自動更新条項あり

当社

BlueScope Steel
Limited

豪州

東南アジア・米国における建材薄板事業に関する合弁事業
(NS BlueScope Coated Products)

平成25年3月28日

定めなし

当社

㈱神戸製鋼所

日本

提携施策の検討継続及び買収提案を受けた場合の対応に関する覚書

平成25年3月29日

平成29年11月14日
但し、5年毎の自動更新条項あり

当社

ArcelorMittal USA  Holdings Ⅱ LLC

*2

米国

米国における熱延鋼板、冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造・販売に関する合弁事業

平成25年
11月29日

定めなし

当社

日鉄住金テックスエンジ㈱

日本

株式交換契約

*3

平成27年
5月1日

定めなし

当社

鈴木金属工業㈱

日本

株式交換契約

*4

平成27年
5月1日

定めなし

 

 (注) 上記「契約会社名」及び「相手方当事者」の欄には、開示上重要でない者については記載していない。

 

*1 平成25年10月1日に、相手方当事者の商号が VALLOUREC & MANNESMANN TUBES SAS からVALLOUREC TUBES SASに変更された。

 

*2 平成26年2月26日に、相手方当事者がArcelorMittal USA LLCから同社の完全親会社であるArcelorMittal USA Holdings Ⅱ LLCに変更された。

 

*3 日鉄住金テックスエンジ㈱との株式交換について

 当社及び日鉄住金テックスエンジ㈱(以下、「日鉄住金テックスエンジ」)は、平成27年4月28日開催のそれぞれの取締役会において、同年8月1日を効力発生日として、当社を株式交換完全親会社、日鉄住金テックスエンジを株式交換完全子会社とする株式交換(以下本注記において、「本株式交換」)を行うことを決議し、本株式交換に関する株式交換契約(以下本注記において、「本株式交換契約」)を両社間で締結した。本株式交換の概要は、下記のとおりである。

 なお、本株式交換の効力発生に先立ち、日鉄住金テックスエンジの普通株式は東京証券取引所市場第一部において平成27年7月29日に上場廃止(最終売買日は同年7月28日)となる予定である。

 

   1.本株式交換の目的

 平成27年3月、当社は当社グループの「2017年中期経営計画」を公表し、『国内マザーミル競争力の強化』を基本経営課題に据えて「設備」と「人」の両面で製造実力の強化策に取り組む方針を定め、平成27~29年の3年間で1兆3,500億円の国内設備投資を行う方針とした。これは近年にない高水準の投資であり、計画通り実行し成果を上げていくうえで、当社は、設備技術・保全分野における中核子会社である日鉄住金テックスエンジとの関係を、技術と人の両面で一層強固にすることが極めて有益であるとの考えに至った。

 また、日鉄住金テックスエンジにおいても、当社は出資比率7割の親会社かつ売上構成の6割程度(当社グループ会社を含めた売上構成は8割程度)を占める最大顧客であり、当社グループの設備技術・保全分野における中核子会社として果たすべき役割は非常に大きなものとなっている。こうした状況を踏まえ、当社グループの「設備」と「人」の両面での製造実力の強化策を始めとした「2017年中期経営計画」の推進にあたり、日鉄住金テックスエンジは当社の完全子会社となることにより、まさに親会社と一体となって企画段階から相互に情報を共有し、技術・人材の効率的な活用により提案力・エンジニアリング力を最大発揮させることが自社にとって極めて重要であり、今後の事業拡大、企業価値向上に寄与するとの考えに至った。

 こうしたなか、両社は、当社からの提案を契機として協議・検討を重ね、このたび、日鉄住金テックスエンジを、株式交換により、当社の完全子会社とすることに合意した。この組織再編により、当社グループの経営資源の最適かつ効率的な活用、両社間での事業戦略の一層の共有化、グループ経営の機動性の向上等が図られ、当社、日鉄住金テックスエンジ両社の収益力と競争力を一層強化し、両社の企業価値向上に資するものと考えている。

 

   2.本株式交換の条件等

   (1)本株式交換の方式

 当社を株式交換完全親会社、日鉄住金テックスエンジを株式交換完全子会社とする株式交換とする。本株式交換は、当社については、平成27年5月1日施行の改正会社法(以下、「会社法」)第796条第2項に基づき、株主総会の承認を必要としない簡易株式交換の手続きにより、また日鉄住金テックスエンジについては、同年6月25日開催の日鉄住金テックスエンジの定時株主総会において本株式交換契約の承認を受けたうえで、同年8月1日を効力発生日として行われる予定である。

 

   (2)株式交換比率(日鉄住金テックスエンジの株式1株に対して交付する当社の株式の割当比率)

 

当社
(株式交換完全親会社)

日鉄住金テックスエンジ
(株式交換完全子会社)

株式交換比率

2.10

 

 本株式交換においては、上記の株式交換比率に従い、日鉄住金テックスエンジの普通株式1株に対して、当社の普通株式2.10株を割当て交付する。

 

(注1)当社が保有する日鉄住金テックスエンジの普通株式96,771,891株(平成27年4月28日現在)については、本株式交換による株式の割当ては行わない。

(注2)当社は、本株式交換により、当社の普通株式82,509,703株を割当て交付するが、交付する普通株式は保有する自己株式(平成27年3月31日現在362,659,286株)を充当し、新株式の発行は行わない予定である。なお、日鉄住金テックスエンジは、取締役会の決議により、本株式交換により当社が日鉄住金テックスエンジの発行済株式のすべて(ただし、当社が保有する日鉄住金テックスエンジの普通株式を除く。)を取得する時点の直前時(以下本注記において、「基準時」)において日鉄住金テックスエンジが保有するすべての自己株式(本株式交換に関して行使される会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に係る株式の買取りによって取得する自己株式を含む。)を基準時をもって消却する予定である。そのため、本株式交換により割当て交付する予定の上記普通株式数については、日鉄住金テックスエンジが保有する自己株式(平成27年3月31日現在3,778株)に対し当社の普通株式を割当て交付することを前提としていない。また、同普通株式数は、日鉄住金テックスエンジによる自己株式の取得・消却等の理由により今後修正される可能性がある。

 

   (3)本株式交換の効力発生日

 平成27年8月1日

 

   3.株式交換比率の算定根拠

 当社及び日鉄住金テックスエンジは、本株式交換に用いられる上記2.(2)記載の株式交換比率の算定に当たって公正性・妥当性を確保するため、それぞれ個別に、両社から独立した第三者算定機関に株式交換比率の算定を依頼することとし、当社は野村證券㈱(以下、「野村證券」)を、日鉄住金テックスエンジは大和証券㈱を、それぞれの第三者算定機関に選定した。

 当社及び日鉄住金テックスエンジは、それぞれの第三者算定機関から提出を受けた株式交換比率の算定結果を参考に、両社それぞれが相手方に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて慎重に検討し、当社及び日鉄住金テックスエンジの財務状況、資産状況、将来の見通し等の要因を総合的に勘案したうえで、両社間で交渉・協議を重ねた。その結果、当社及び日鉄住金テックスエンジは、上記2.(2)記載の株式交換比率は妥当であり、それぞれの株主の利益を損ねるものではないとの判断に至ったため、同株式交換比率により本株式交換を行うことにつき、平成27年4月28日に開催された当社及び日鉄住金テックスエンジの取締役会において決議し、同年5月1日に両社間で本株式交換契約を締結した。

 なお、上記2.(2)記載の株式交換比率は、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、両社間で協議のうえ変更することがある。

 

   4.本株式交換後の会社の資本金・事業の内容等

商号

新日鐵住金株式会社

(英文名:NIPPON STEEL & SUMITOMO METAL CORPORATION)

本店の所在地

東京都千代田区

代表者の氏名

代表取締役社長 進藤 孝生

資本金の額

4,195億円

純資産の額

現時点では確定していない。

総資産の額

現時点では確定していない。

事業内容

製鉄事業(鉄鋼の製造・販売)等

 

 

*4 鈴木金属工業㈱との株式交換について

 当社及び鈴木金属工業㈱(以下、「鈴木金属工業」)は、平成27年4月28日開催のそれぞれの取締役会において、同年9月1日を効力発生日として、当社を株式交換完全親会社、鈴木金属工業を株式交換完全子会社とする株式交換(以下本注記において、「本株式交換」)を行うことを決議し、本株式交換に関する株式交換契約(以下本注記において、「本株式交換契約」)を両社間で締結した。本株式交換の概要は、下記のとおりである。

 なお、本株式交換の効力発生に先立ち、鈴木金属工業の普通株式は東京証券取引所市場第二部において平成27年8月27日に上場廃止(最終売買日は同年8月26日)となる予定である。

 

   1.本株式交換の目的

 当社は、グループ会社とのシナジーの拡大、「選択と集中」の追求等、グループの体質強化に取り組んできた。鈴木金属工業とは、平成18年に鈴木金属工業の第三者割当増資を引き受け、鈴木金属工業の事業を強化し、両社の連携も強化した。さらに、平成21年に鈴木金属工業がHaldex Garphyttan AB社(現Suzuki Garphyttan社)を子会社とする際に、その資金調達のための第三者割当増資に応じ、鈴木金属工業を子会社とした。こうした取組みの中で、鈴木金属工業とは、これまでもグループ会社として戦略を共有してきたが、素材(線材)から加工(ワイヤ)までの一貫した事業戦略が競争力の源泉である特殊線材業界において、今後ますます激化が予想されるグローバル規模での市場競争に機敏に対応し、業界における競争優位性を高め、さらなる発展と成長を遂げるためには、当社と鈴木金属工業の連携による一貫した技術・商品開発、品質の造込み、コスト削減や両社にまたがる安定したサプライチェーンの強化・拡充等の、幅広い取組みを一層強化する必要がある。

 このような特殊線材事業の事業構造と経営環境を踏まえ、「2017年中期経営計画」策定の過程で、鈴木金属工業の完全子会社化により、共同開発や事業戦略の一体化とスピードアップを図ることが、当社グループの経営上極めて有益であるとの考えに至った。

 また、鈴木金属工業においても、本株式交換は親会社かつ最大の素材供給元である当社とのパートナーシップをさらに深化・一体化することで、当社グループの経営資源をこれまで以上に有効に活用することが可能になり、鈴木金属工業グループの有するグローバルな顧客ベース・技術力・顧客対応力とのシナジーにより、競争力を高めていくうえで極めて有益であると考えている。

 こうしたなか、両社は、当社からの提案を契機として協議・検討を重ね、このたび、鈴木金属工業を、株式交換により、当社の完全子会社とすることに合意した。この組織再編により、当社グループの経営資源の最適かつ効率的な活用とグループ経営の機動性の向上等を図るとともに、両社間での事業戦略の一層の共有化及び両社の収益力と競争力のさらなる強化を進めていく。また、これにより、当社、鈴木金属工業、両社の企業価値が向上し、双方の株主にとっても有益な組織再編になると考えている。

 

  2.本株式交換の条件等

  (1)本株式交換の方式

 当社を株式交換完全親会社、鈴木金属工業を株式交換完全子会社とする株式交換とする。本株式交換は、当社については、会社法第796条第2項に基づき、株主総会の承認を必要としない簡易株式交換の手続きにより、また鈴木金属工業については、平成27年6月25日開催の鈴木金属工業の定時株主総会において本株式交換契約の承認を受けたうえで、同年9月1日を効力発生日として行われる予定である。

 

  (2)株式交換比率(鈴木金属工業の株式1株に対して交付する当社の株式の割当比率)

 

当社

(株式交換完全親会社)

鈴木金属工業

(株式交換完全子会社)

株式交換比率

1.10

 

 本株式交換においては、上記の株式交換比率に従い、鈴木金属工業の普通株式1株に対して、当社の普通株式1.10株を割当て交付する。

 

(注1)当社が保有する鈴木金属工業の普通株式35,466,000株(平成27年4月28日現在)については、本株式交換による株式の割当ては行わない。

(注2)当社は、本株式交換により、当社の普通株式19,733,842株を割当て交付するが、交付する普通株式は保有する自己株式(平成27年3月31日現在362,659,286株)を充当し、新株式の発行は行わない予定である。なお、鈴木金属工業は、取締役会の決議により、本株式交換により当社が鈴木金属工業の発行済株式のすべて(ただし、当社が保有する鈴木金属工業の普通株式を除く。)を取得する時点の直前時(以下本注記において、「基準時」)において鈴木金属工業が保有するすべての自己株式(本株式交換に関して行使される会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に係る株式の買取りによって取得する自己株式を含む。)を基準時をもって消却する予定である。そのため、本株式交換により割当て交付する予定の上記普通株式数については、鈴木金属工業が保有する自己株式(平成27年3月31日現在760,143株)に対し当社の普通株式を割当て交付することを前提としていない。また、同普通株式数は、鈴木金属工業による自己株式の取得・消却等の理由により今後修正される可能性がある。

 

  (3)本株式交換の効力発生日

 平成27年9月1日

 

  3.株式交換比率の算定根拠

 当社及び鈴木金属工業は、本株式交換に用いられる上記2.(2)記載の株式交換比率の算定に当たって公正性・妥当性を確保するため、それぞれ個別に、両社から独立した第三者算定機関に株式交換比率の算定を依頼することとし、当社は野村證券を、鈴木金属工業はみずほ証券㈱を、それぞれの第三者算定機関に選定した。

 当社及び鈴木金属工業は、それぞれの第三者算定機関から提出を受けた株式交換比率の算定結果を参考に、両社それぞれが相手方に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて慎重に検討し、当社及び鈴木金属工業の財務状況、資産状況、将来の見通し等の要因を総合的に勘案したうえで、両社間で交渉・協議を重ねた。その結果、当社及び鈴木金属工業は、上記2.(2)記載の株式交換比率は妥当であり、それぞれの株主の利益を損ねるものではないとの判断に至ったため、同株式交換比率により本株式交換を行うことにつき、平成27年4月28日に開催された当社及び鈴木金属工業の取締役会において決議し、同年5月1日に両社間で本株式交換契約を締結した。

 なお、上記2.(2)記載の株式交換比率は、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、両社間で協議のうえ変更することがある。

 

 

  4.本株式交換後の会社の資本金・事業の内容等

商号

新日鐵住金株式会社

(英文名:NIPPON STEEL & SUMITOMO METAL CORPORATION)

本店の所在地

東京都千代田区

代表者の氏名

代表取締役社長 進藤 孝生

資本金の額

4,195億円

純資産の額

現時点では確定していない。

総資産の額

現時点では確定していない。

事業内容

製鉄事業(鉄鋼の製造・販売)等

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社は、需要家のニーズや環境・エネルギー問題等の社会的ニーズが多様化するなかで、「技術先進性」の拡大による利益成長に資する研究開発分野に対し、重点的に経営資源を投入しています。鉄鋼研究所、先端技術研究所及びプロセス研究所の3中央研究組織と各製鉄所に配置した技術研究部が強固な連携体制を図り、「リサーチ・アンド・エンジニアリング」の理念のもと、基礎基盤研究から、応用開発、エンジニアリングまでの一貫した研究開発を推進しています。当社の強みは、①研究開発とエンジニアリングの融合による総合力及び開発スピード、②需要家立地の研究開発体制、③需要家のニーズに対する的確なソリューション提案力、④製鉄プロセス技術を基盤とした環境・エネルギー問題への対応力、⑤産学連携、海外アライアンス、需要家との共同研究です。これらの強みを活かし、鉄を中心とした新しい機能商品をはじめ、革新的生産プロセスの創出と迅速な実用化を図っています。

当連結会計年度における当社及び連結子会社全体の研究開発費は629億円です。各セグメントの研究主要課題、成果及び研究開発費は次のとおりです。

 

(製鉄)

当セグメントに係る研究開発費は535億円です。

当社は、3つの研究開発センター(富津、尼崎、波崎)を軸に、①鉄鋼研究所では鉄鋼材料・商品と利用技術・ソリューション研究開発、②先端技術研究所では共通基盤技術研究及び、新素材事業を中心とした製鉄以外のセグメント事業支援開発、③プロセス研究所では設備エンジニアリングと設備保全技術開発を担当する設備・保全技術センターと密接な連携を図りながら製鉄プロセス関連の研究開発に取り組み、開発の短期化・効率化を目指し、鉄源コストの削減、基幹ラインの生産性の抜本的向上等の研究開発の加速化を進めてまいりました。

<薄板>

・当社が開発した「1.2GPa級高成形性超ハイテン材」が、日産自動車㈱の「Nissan Global Supplier Award-イノベーション賞」を世界の鉄鋼メーカーで初めて受賞致しました。

・当社が開発したLED投影による熱延鋼板形状測定技術は、熱間圧延時に走行する鋼板の形状測定方法で従来課題とされた測定安定性や板形状の定在波現象(鋼板は移動しているが同じ場所で振動しているように見える現象)時の精度悪化を解決するために、高輝度LEDチップの配列を千鳥状にした投影パターンを鋼板表面に形成することで、照度のむらがなく、安定した形状測定を可能にする技術であり、公益財団法人発明協会の「平成26年度関東地方発明表彰」を受賞致しました。

<厚板>

・当社が開発した原油タンカー用高耐食性鋼板「NSGP®-2」が、IMO(国際海事機関)の定める原油タンカー貨物タンク甲板(天井部)の耐食性能基準を満たす鋼材として、一般財団法人日本海事協会とロイド船級協会から世界で初めて承認を受けました。これに伴い、SOLAS条約の改正に基づき防食が義務付けられる平成25年以降に建造契約される原油タンカー貨物タンクに適用する際に、正式に塗装なしで使用できることとなりました。

・当社が開発した「NSafe®-Hull」は、成分設計と結晶粒レベルの組織制御を行い、従来の施工性を維持しながら高い延伸性を有する衝突安全性に優れた高延性造船用鋼板であり、今治造船㈱及び国立研究開発法人海上技術安全研究所との実用化に向けた共同開発を経て、世界で初めて㈱商船三井の船舶(ばら積み船)に採用されました。

・当社が開発した7%ニッケル鋼板が、カナダ ブリティッシュ・コロンビア州で産出するシェールガスを受け入れるために石油資源開発㈱が建設するLNG受入基地(相馬LNG)に採用されました。この鋼板は、「2013年日経優秀製品・サービス賞」を受賞し、米国機械学会(ASME)及び米国材料試験協会(ASTM)では既にグローバル規格化されています。国内での適用は3例目になります。

<棒線>

・当社が開発した環境負荷低減型超ハイテン橋梁ケーブル用鋼線材が、公益社団法人新技術開発財団の「第47回(平成26年度)市村産業賞 本賞」を受賞致しました。その優れた性能と生産性は、橋梁の設計自由度拡大と施工期間短縮に貢献し、グローバルに広がる長大橋プロジェクトに採用されています。

・当社が開発した鉛を使用しない環境対応型高性能低炭素快削鋼が、「平成27年度文部科学大臣表彰 科学技術賞」を受賞致しました。この鋼材は、製造時の鉛含有廃棄物の減少や切削工具の長寿命化など、環境負荷低減やお客様のコスト削減に寄与しています。

・このように当社棒線事業部門は、加工工程まで含めて長年培ってきた製造実力・加工利用技術力をベースに、当社製品の提供や「鋼材×工法」の組み合わせによる価値創造などを通してお客様に貢献することを理念とした「SteeLinC®」ブランドを掲げ、「高強度・軽量化」、「工程省略・易加工性」、「環境対応」などのニーズにお応えし、世界経済の成長や循環型社会の構築に貢献すべく取り組んでおります。

<鋼管>

・当社が開発した高圧水素用高強度オーステナイトステンレス鋼「HRX19®」は、①最高レベルの耐水素脆性、②既存材の「SUS316L」に比べ、約2倍の高い強度特性、③優れた溶接施工性の3つの特長があり、商用水素ステーションの高圧水素環境下における配管や継手・バルブなどに採用され、水素ステーション建設のコスト削減、保全性・安全性向上に貢献しています。

<建築建材>

・当社と清水建設㈱は、既存手術室の耐震化促進を目的に、薄手の鋼板2枚を重ねたシンプルな構造で、高い免震効果を発揮するローコスト(一般的な床免震の2/3~1/2)な床免震システム「シミズ安震フロア」を共同開発致しました。

・当社が開発した建築構造用超高張力鋼材1000N級鋼が、㈱大林組の技術研究所実験施設「オープンラボ2」に採用されました。この1000N級鋼は、鋼材の薄肉化・軽量化による鋼材使用量・輸送コストの低減、溶接個所・溶接量の削減による施工工期短縮などが期待され、さらに、従来の490N級鋼の約2.7倍の降伏強度を有し、ダンパー等の地震エネルギー吸収機構との併用により、BCP(事業継続計画)に求められる高い耐震性を実現します。

・当社が開発した490N級建築構造用圧延鋼材「ハイパービームVE®/NSYP®345B」は、従来の建築構造用圧延鋼材(SN鋼)と同等の塑性変形性能を有しつつ、経済性に優れ、高い耐震性を確保した設計が可能となるなど多くの利点を持っており、同鋼材を使用した高降伏点外法一定H形鋼の提供を通じて、社会基盤整備をはじめ国土強靭化にも貢献してまいります。

<チタン・ステンレス>

・当社が開発した「Super-TIX®51AF」は、アルミ5%と鉄1%を添加し、従来型汎用チタン合金と同等の強度を持ちながら、熱間加工性と切削加工性に優れたチタン合金であり、ヤマハ発動機㈱の新型スポーツバイク「YZF-R1」「YZF-R1M」のエンジン部品であるコンロッドに採用されました。その結果、当社の技術力が高く評価され、ヤマハ発動機㈱より「技術開発賞」を受賞致しました。

<交通産機品>

・当社が開発した操舵台車は、従来の台車と異なり、曲線区間で、曲線の方向に合せて台車の後軸のみを操舵することで、曲線に対する旋回姿勢を改善する台車であり、東京メトロ銀座線1000系に採用され、既存車両との置換えが進められています。この操舵台車の開発は、公益社団法人発明協会の「平成27年度全国発明表彰発明賞」を受賞致しました。

・当社が開発した鉄道車両用歯車装置の歯面修整形状は、歯車の一歯毎の噛み合い伝達運動において、騒音の原因となる歯の撓みにより発生する振動起振力を、可能な限り小さくなるように三次元的な歯面修整を施したもので、現状の装置サイズを維持しつつ、歯車装置の騒音を従来比約10dB低減させることが可能となりました。これにより、新幹線をはじめとする高速鉄道、在来線及び地下鉄等幅広い鉄道分野に採用が拡がり、車内の静粛性向上や周辺環境の騒音低減に効果を得て、一般社団法人大阪発明協会の「平成26年度大阪優秀発明大賞」を受賞致しました。

<製鉄プロセス等>

・製銑分野では、焼結用粉コークス改質(LCC;Lime Coating Coke)技術によるNOx排出量低減技術を開発致しました。本技術は、粉コークス表面に水和生石灰被覆層を形成し、焼結層内で燃焼する際に発生するNOxを低減する技術で、平成25年1月に大分第2焼結機へ導入した結果、NOx排出量の15%削減を実現致しました。

・製鋼分野では、多機能統合型転炉法による製鋼プロセスの開発で「第61回大河内賞生産賞」を受賞致しました。

 

 

(エンジニアリング)

当セグメントに係る研究開発費は33億円です。

新日鉄住金エンジニアリング㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。

・製鉄プラント分野   既存商品の拡大展開や先進的製鉄プロセスを目指した開発

・環境分野       溶融炉の競争力強化に向けた開発、バイオマス利用技術開発

・エネルギー分野    オンサイトエネルギー供給の熱回収高効率化の開発

・海洋分野       海底パイプライン敷設の自動化・高速化・高品質化の開発

・建築分野       省エネルギー技術、免震デバイス商品の開発

・陸上パイプライン分野 施工コストダウンの開発

 

(化学)

当セグメントに係る研究開発費は32億円です。

新日鉄住金化学㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。

・人造黒鉛電極用高耐久性ニードルコークス、ディスプレイ向け有機EL材料、液晶カラーフィルター材料、フレキシブル回路基板用無接着型銅張積層板、ハロゲンフリーエポキシ樹脂材料等の開発

 

(新素材)

当セグメントに係る研究開発費は13億円です。

新日鉄住金マテリアルズ㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。

・金属箔、メタル担体、CMPドレッサー、HIP、炭素繊維及び複合材、ボンディングワイヤ、ハンダボール、球状フィラー、SiC事業化開発等の分野に関わる研究開発

 

(システムソリューション)

当セグメントに係る研究開発費は15億円です。

新日鉄住金ソリューションズ㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。

・開発運用技術力強化

・クラウドサービスの高付加価値化

・ワークスタイルイノベーション

・OT/IT融合領域における展開

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、工事損失引当金、役員退職慰労引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。但し、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当期の事業の状況につきましては、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりであります。

当期の連結業績につきましては、売上高は5兆6,100億円(前年同期は5兆5,161億円)、営業利益は3,495億円(前年同期は2,983億円)、経常利益は4,517億円(前年同期は3,610億円)となりました。また、保有株式の売却を進めたことによる投資有価証券売却益、君津製鐵所及び和歌山製鐵所等の主要生産設備の除却・解体費用である設備休止関連損失に加え、当社の持分法適用関連会社であるVALLOUREC & SUMITOMO TUBOS DO BRASIL LTDA.の事業に関する減損損失相当分である関係会社事業損失を特別損益として計上致しました。その結果、当期純利益は2,142億円(前年同期は2,427億円)となりました。

また、中核事業である製鉄事業の全体に占める割合は、売上高で8割超となっており、製鉄事業における連結経常利益は、名古屋製鐵所での停電事故及び火災事故の影響はあったものの、コスト改善の実施やグループ会社の増益等により、対前期で807億円の増益となりました。

 

(3)当期末の財政状態及びキャッシュ・フローの分析

当期末の資産、負債、純資産の状態及びキャッシュ・フローにつきましても、当期の経営成績と同様、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりです。

 

(4)次期(平成27年度)の見通し

次期(平成27年度)の業績見通しにつきましても、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりです。

 

(注)  上記次期の見通しには、平成27年4月28日決算発表時点の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測や目標が含まれている。実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性がある。