当期の世界経済は、欧州景気の低迷、中国経済の成長鈍化があった一方、アセアン(ASEAN 東南アジア諸国連合)経済の拡大や、米国景気の緩やかな回復等により、持ち直しに向けて緩やかに回復しました。
日本経済は、堅調な公共投資や円高修正による企業収益の持ち直し、生産活動の回復に伴う設備投資の増加、個人の消費マインド改善を背景に、景気は着実に持ち直すこととなりました。
国内鉄鋼需要は、復興需要の継続や経済政策効果の本格化により、土木・建築部門で需要が増加し、設備投資の回復や景況感の好転等に伴い、製造業向けの需要も増加しました。また、輸出は海外経済の持ち直しや円高の修正等により回復の動きが見られたものの、中国・韓国鉄鋼メーカーの供給圧力が依然強く、鋼材需給の軟化が継続し、海外鋼材市況は引き続き厳しい状況にありました。
こうしたなか、当社グループは、平成25年3月に策定した中期経営計画に掲げた技術先進性の発揮、グローバル競争を勝ち抜く世界最高水準のコスト競争力の実現、鉄源・圧延関連設備の休止による最適生産体制の構築、グローバル戦略の推進、製鉄事業グループ会社の体質強化等の諸施策を着実に推進してまいりました。
当社グループと致しましては、各セグメントにおいて各社がそれぞれの環境変化に対応しながら、最大限の経営努力を重ねてまいりました。各セグメント別の業績の概況は以下のとおりです。
(当期のセグメント別の業績の概況)
|
| 製鉄 | エンジニ | 化学 | 新素材 | システム | 合計 | 調整額 | 連結財務諸表計上額 |
売上高 | 当期 | 48,779 | 3,141 | 2,301 | 372 | 1,798 | 56,393 | △1,231 | 55,161 |
(億円) | 前期 | 37,904 | 3,030 | 1,957 | 422 | 1,719 | 45,033 | △1,134 | 43,899 |
経常利益 | 当期 | 3,212 | 177 | 100 | 13 | 127 | 3,631 | △21 | 3,610 |
(億円) | 前期 | 415 | 181 | 97 | 9 | 116 | 821 | △52 | 769 |
<製鉄>
製鉄セグメントにつきましては、八幡製鐵所の第4高炉改修等の設備更新投資を行うなど、国内製造基盤の強化に徹底的に取り組むとともに、需要家との共同取組みによる高機能商品の開発や需要家へのソリューション提案等、製造・販売・技術・研究部門が一体となって技術先進性を発揮してまいりました。
また、最適生産体制の構築に向けて、新日本製鐵㈱と住友金属工業㈱がそれぞれ有していた技術を融合することで競争力あるラインを一層強化するとともに、競争力の優れたラインへの集約を着実に推進してまいりました。さらに、国内事業基盤の強化に向けて、製鉄所組織の統合・再編成を実施(平成26年4月1日付)するとともに、主要グループ会社の統合・再編も推進してまいりました。
一方、海外の成長市場における需要の捕捉や需要家の海外展開に即応した事業体制の構築を図るなど、グローバル戦略を推進してまいりました。当期には、米国南部での自動車用鋼板市場の拡大に対応するため、アルセロールミッタル社(ArcelorMittal SA)と共同で米国アラバマ州のティッセンクルップスチールUSA社(ThyssenKrupp Steel USA, LLC)を買収し、合弁会社AM/NSカルバート社(AM/NS Calvert LLC)として事業を開始致しました。
さらに、安価原料の使用比率の拡大、歩留向上、固定費圧縮の徹底等、最大限のコスト改善に引き続き取り組むとともに、鋼材価格につきましては、需要家の皆様に御理解いただけるよう丁寧な対応に努めてまいりました。製鉄セグメントとして、売上高は4兆8,779億円(前年同期は3兆7,904億円)、経常利益は3,212億円(前年同期は415億円)となりました。
<エンジニアリング>
新日鉄住金エンジニアリング㈱におきましては、製鉄プラント、環境、エネルギー、海洋、パイプライン及び建築の各事業分野がそれぞれ独自性を発揮できるマーケットを絞り込み、事業を展開しております。回復基調にある国内需要や旺盛な海外エネルギー需要のなかで、着実にプロジェクトを実行し、コスト削減や収益改善に努めてまいりました。円高修正の影響等もあり増収となったものの、受注・売上案件の構成差等により、エンジニアリングセグメントとして、売上高は3,141億円(前年同期は3,030億円)、経常利益は177億円(前年同期は181億円)となりました。
<化学>
新日鉄住金化学㈱におきましては、国内外での電極需要の低迷によりニードルコークスの販売量が減少し、市場競争が激化している電子機器向けの回路基板材料及びエポキシ樹脂の販売量も減少しました。一方で、スチレンモノマー等の一般化学品市況が改善し、品質優位性を有するディスプレイ材料の需要も堅調に推移したほか、有機EL材料のスマートデバイス向け採用が本格化しました。化学セグメントとして、売上高は2,301億円(前年同期は1,957億円)、経常利益は100億円(前年同期は97億円)となりました。
<新素材>
新日鉄住金マテリアルズ㈱におきましては、電子材料部材分野では金ワイヤの代替品である表面処理銅ワイヤ等の製品の需要が堅調に推移するとともに、産業基礎部材分野における社会インフラ向け補修・補強材の需要及び環境・エネルギー分野における新興国向けメタル担体の需要が増加しました。さらに、海外への生産シフトを加速し、新商品の開発・拡販を進めてまいりました。金ワイヤの減少等による減収はあるものの、販売構成の改善等により、新素材セグメントとして、売上高は372億円(前年同期は422億円)、経常利益は13億円(前年同期は9億円)となりました。
<システムソリューション>
新日鉄住金ソリューションズ㈱におきましては、幅広い業種の顧客に対し、システムの企画、構築、運用・保守を一貫して提供するとともに、顧客の事業環境変化に対応した先進的なソリューション・サービスを展開しています。当期は、クラウド事業等のサービスビジネスの強化・拡充を図るとともに、タイにおいて、現地のシステム開発会社パルシスソフトウェア社(PALSYS Software Co., Ltd)の全株式を取得するなど、アジア地域の事業拡大を進めました。システムソリューションセグメントとして、売上高は1,798億円(前年同期は1,719億円)、経常利益は127億円(前年同期は116億円)となりました。
(売上・収益)
当期の連結業績につきましては、土木・建築向けや、自動車等製造業向けを主体とした鉄鋼需要の増加及び統合効果を含めたコスト改善等により、売上高は5兆5,161億円(前年同期は4兆3,899億円)、営業利益は2,983億円(前年同期は201億円)、経常利益は3,610億円(前年同期は769億円)、当期純利益は2,427億円(前年同期は当期純損失1,245億円)となりました。
また、当期の単独業績につきましては、売上高は3兆7,207億円(前年同期は2兆8,788億円)、営業利益は1,869億円(前年同期は営業損失432億円)、経常利益は2,249億円(前年同期は経常損失174億円)、当期純利益は1,782億円(前年同期は当期純損失1,500億円)となりました。
当期末の連結総資産は、たな卸資産の増加(680億円)や、現金及び預金の増加(159億円)があるものの、繰延税金資産の減少(964億円)等により、前期末(7兆894億円)から72億円減少し、7兆822億円となりました。
負債につきましては、有利子負債が、事業収益及び資産圧縮の着実な推進等により、2兆2,963億円と前期末(2兆5,430億円)から2,467億円減少したこと等により、前期末(4兆1,512億円)から3,069億円減少し、3兆8,442億円となりました。
純資産につきましては、当期純利益の2,427億円等により、前期末(2兆9,382億円)から2,997億円増加し、3兆2,379億円となりました。なお、当期末の自己資本は2兆6,836億円となり、有利子負債自己資本比率(D/Eレシオ)は0.86倍と、中期経営計画における早期に実現すべき目標である1.0倍程度を達成しました。さらに、国際A格に十分に達する水準の達成に向け、収益力及び財務体質の強化に取り組んでまいります。
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3,991億円に減価償却費の加算(3,318億円)や仕入債務の増加(630億円)等の調整を加えた収入に対し、持分法による投資損益(627億円)と投資有価証券売却損益(566億円)の控除に加え、たな卸資産の増加(535億円)、法人税等の支払い(568億円)等があり、5,747億円の収入(前年同期は3,133億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資支出(3,194億円)がある一方、投資有価証券の売却収入(1,322億円)もあり、1,968億円の支出(前年同期は3,273億円の支出)となりました。この結果、フリーキャッシュ・フローは3,779億円の収入(前年同期は140億円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、前期末及び当第2四半期末の配当(273億円)に加え、有利子負債の減少(2,467億円)等により、3,671億円の支出(前年同期は333億円の収入)となりました。以上により、当期末における現金及び現金同等物は1,054億円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 前連結会計年度 金額(百万円) | 当連結会計年度 金額(百万円) |
製鉄 | 4,380,786 | 5,452,942 |
エンジニアリング | 255,506 | 265,548 |
化学 | 173,298 | 223,693 |
新素材 | 36,485 | 30,291 |
システムソリューション | 141,958 | 149,880 |
合計 | 4,988,035 | 6,122,356 |
(注) 1 金額は製造原価による。
2 上記の金額には、グループ向生産分を含む。
当連結会計年度における受注状況をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
エンジニアリング | 270,480 | 332,712 | 300,000 | 320,000 |
システムソリューション | 181,616 | 186,733 | 78,416 | 85,196 |
合計 | 452,096 | 519,445 | 378,416 | 405,196 |
(注) 1 上記の金額には、グループ内受注分を含む。
2 「製鉄」、「化学」及び「新素材」は、多種多様な製品毎に継続的且つ反復的に注文を受けて生産・出荷する形態を主としており、その受注動向は、生産実績や販売実績に概ね連動していく傾向にあり、また、需要動向等についても本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」において記載していることから、金額又は数量についての記載を省略している。
当連結会計年度における外部顧客に対する販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 前連結会計年度 金額(百万円) | 当連結会計年度 金額(百万円) |
製鉄 | 3,745,491 | 4,827,826 |
エンジニアリング | 248,215 | 284,803 |
化学 | 188,442 | 223,082 |
新素材 | 42,211 | 37,241 |
システムソリューション | 134,388 | 143,225 |
合計 | 4,358,749 | 5,516,180 |
(注) 1 前連結会計年度及び当連結会計年度における輸出販売高及び輸出割合は、次のとおりである。
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
輸出販売高(百万円) | 輸出割合(%) | 輸出販売高(百万円) | 輸出割合(%) |
1,592,971 | 36.3 | 2,192,805 | 39.8 |
(注) 輸出販売高には、在外子会社の現地販売高を含む。
2 主な輸出先及び輸出販売高に対する割合は、次のとおりである。
輸出先 | 前連結会計年度(%) | 当連結会計年度(%) |
アジア | 69.6 | 67.0 |
中近東 | 5.4 | 6.4 |
欧州 | 5.0 | 5.2 |
北米 | 8.4 | 9.9 |
中南米 | 7.0 | 6.6 |
アフリカ | 1.8 | 2.9 |
大洋州 | 2.8 | 2.0 |
合計 | 100.0 | 100.0 |
(注) 輸出販売高には、在外子会社の現地販売高を含む。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりである。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
住友商事㈱ | 497,184 | 11.3 | 942,147 | 17.1 |
日鉄住金物産㈱ | 543,230 | 12.4 | 761,844 | 13.8 |
㈱メタルワン | 553,905 | 12.6 | 566,522 | 10.3 |
(注) 日鐵商事㈱は、平成25年10月1日をもって、住金物産㈱を吸収合併し、日鉄住金物産㈱に商号変更している。
なお、生産、受注及び販売等に関する特記事項については、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」等に記載しております。
(次期の見通し)
世界経済は、中国経済の先行きの不透明感やアセアン経済の成長鈍化があるものの、欧州景気は底打ち後の回復傾向にあり、米国においては景気回復が継続していることから、全体として緩やかな成長が続くと見込まれます。
日本経済は、消費税増税により一時的に停滞しつつも、企業の設備投資や、雇用環境及び所得の改善を受けた個人消費が底堅く推移することが期待され、回復基調を維持する見込みです。
国内鉄鋼需要は、消費税増税による一時的な反動減影響があるものの、第2四半期以降の持ち直しの動きも見え始めています。海外鉄鋼需要は、世界経済の回復により堅調に推移すると見込まれるものの、東アジア地域における鋼材需給の緩和が継続しています。
足下のアジア市況の動向については底打ちの兆しも見え始めていますが、引き続き鋼材需給動向、原料価格動向等に注意を払うとともに、最大限のコスト改善を実行してまいります。そのうえで、需要家への提案力の強化や、海外における供給体制の充実を図るとともに、鋼材価格の改定につきまして、需要家の皆様に御理解いただけるよう丁寧な対応を継続していく所存です。
平成26年度の業績見通しにつきましては、主原料価格及び鋼材価格の動向が不透明であること等から、平成26年5月9日決算発表時点では当社として合理的な算定・予想を行うことができません。従いまして、平成26年度の業績予想は未定とし、合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示致します。
当社グループは、「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」の早期実現に向けて、中期経営計画に掲げた各種施策を着実に実行し、その早期完遂を目指して引き続き取り組んでまいります。
(注) 上記次期の見通しには、平成26年5月9日決算発表時点の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測や目標が含まれている。実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性がある。
(財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に関する事項)
当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を次のとおり定めております。
<当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容>
当社グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献することを企業理念に掲げ、この理念に基づき具体的経営戦略を立案・遂行し、競争力・収益力を向上させることにより、企業価値ひいては株主共同の利益の向上を目指しております。
この企業理念、経営戦略が当社株式の大量買付け行為等によってゆがめられ、結果として株主共同の利益が損なわれることのないよう、当社は、必要な措置を講じることと致します。即ち、第三者から当社株式の大量買付け行為等の提案(以下、「買収提案」)がなされた場合、これを受け入れるか否かの最終的な判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきものと考えており、株主の皆様が買収提案について必要な情報に基づき相当な検討期間をもって適切な判断を行えるよう、必要なルール及び手続きを定めております。
<基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要>
当社は、平成18年3月開催の取締役会において全会一致で決議し、「当社株式の大量買付け等」を行おうとする者が具体的買付行為を行う前に経るべき手続きを明確かつ具体的に示した『株式の大量買付けに関する適正ルール(買収防衛策)』(以下、「適正ルール」)を導入しており、この適正ルールの更新条項に基づき、平成24年3月開催の取締役会において当該ルールの更新を全会一致で決議しております。また、当社は、適正ルールに基づく新株予約権について発行登録を行っております。なお、平成26年3月開催の取締役会において、適正ルールの規定に従い当該ルールの見直し検討を行い、特段の変更を行わないことを全会一致で決議しております。
適正ルールは、当社取締役会が買収提案を検討するために必要な情報と相当な期間を確保することにより、株主の皆様が買収提案に関し、インフォームド・ジャッジメント(必要な情報と相当な検討期間に基づいた適切な判断)を行えるようにすること、加えて、当社の企業価値及び株主共同の利益を損なうこととなる悪質な株券等の大量買付けを阻止することを目的としております。
当社の株券等を15%以上取得しようとする者(以下、「買収提案者」)がいる場合に、買収提案が適正ルールに定める要件(買収提案者による必要情報の提出及び検討期間の満了)を満たすときは、その時点における株主の皆様が、対抗措置である新株予約権の無償割当ての可否に関し直接判断を下す仕組みとなっております。新株予約権の無償割当ては、①買収提案者が適正ルールに定める手続きを無視した場合、②買収提案者が裁判例上悪質と特定されている4類型のいずれかに該当し、その買収提案が株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるものと判断される場合(当該判断は、国際的評価を得ている法律事務所及び投資銀行の助言等に基づいて行われます。)、及び③株主の皆様が新株予約権の無償割当てに賛同した場合に限られます。
なお、当社の適正ルールは、当社ホームページに掲載しております。
<上記取組みについての取締役会の判断及びその判断に係る理由>
適正ルールは、買収提案がなされた場合に、対抗措置(新株予約権の無償割当て)を発動するか否かを、株主の皆様に、必要な情報と相当な検討期間に基づき判断していただくためのルール及び手続きを定めたものです。適正ルールは、買収提案を受け入れるか否かの最終的な判断を当社株主の皆様に委ねることにより、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を図る目的のものであり、当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。以上から、当社取締役会は、適正ルールが上記「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」に沿うものであると判断しております。
本報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、下記各項のものがあります。
なお、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況」の他の項目、「第一部 企業情報 第5 経理の状況」の各注記、その他においても個々に記載しておりますので、併せて御参照ください。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)鋼材需給の変動等
当社グループの売上高の8割超は製鉄事業によるものであり、国際的な鉄鋼需給の変動が業績に影響を与える可能性があります。また、国内外の鉄鋼メーカー等と厳しい競争状態にあるなかで、技術・コスト・品質等において当社グループの競争力に変化があった場合には、業績に影響が生じる可能性があります。
当社の製鉄事業の需要家は、商品に加工して販売する等を前提に鋼材を大量・定期的に購入することが多く、主要な需要家の購買方針の変更は業績に影響を与える可能性があります。
なお、鋼材等の販売先である商社・需要家等において与信リスクが顕在化した場合には、業績に影響が生じる可能性があります。
(2)原燃料価格の変動
鉄鉱石、石炭、合金、スクラップ等、主に製鉄事業に用いる原燃料の価格やその海上輸送にかかる運賃は、国際的な資源需給に連動しております。今後も、経済情勢や鋼材生産等を反映した鉄鋼原料の需給バランス等に応じた価格の変動が業績に影響を与える可能性があります。
(3)借入金、社債等の金利の変動、その他金融市場の変動
当期末における当社グループの連結有利子負債残高は2兆2,963億円であり、金利情勢、その他金融市場の変動が業績に影響を与える可能性があります。
(4)有価証券等の保有資産(年金資産を含む。)価値の変動
当期末における当社グループの有価証券及び投資有価証券残高は1兆8,442億円であり、投資先の業績不振、証券市場における市況の悪化等により、評価損が発生する可能性があります。
また、上記の投資有価証券の他に年金資産(退職給付信託資産を含む。)が当社単独分4,085億円あり、この資産を構成する国内外の株式、債券等の価格変動や金利情勢の変動が業績に影響を与える可能性があります。
(5)為替相場の変動
当社グループは、製品等の輸出及び原料等の輸入において外貨建取引を行っていること並びに外貨建の債権・債務を保有していることから、為替相場の変動が業績に影響を与える可能性があります。
(6)事業活動にかかる環境規制
今後、当社グループが事業活動を行う国においてCO2の排出に対する数量規制、その他の環境規制が強化・導入された場合には、製鉄事業を中心に当社グループの事業活動が制約を受けることにより、業績に影響が生じる可能性があります。
(7)海外の主要市場における関税引上げ、輸入規制等
これまで当社グループにおける一部の鋼材の輸出取引において、米国等から反ダンピング税を賦課されております。将来、海外の主要市場国において関税引上げ、特殊関税(反ダンピング税等)の賦課、数量制限等の輸入規制が課せられた場合には、輸出取引が制約を受けることにより、業績に影響が生じる可能性があります。
(8)重大な災害、事故、訴訟等
製鉄所をはじめとする当社グループの各事業所及び需要家をはじめとする取引先が、大規模な台風、地震等の自然災害に見舞われた場合、又は新型インフルエンザ等の感染症が全国的かつ急速に蔓延した場合等には、事業活動が制約を受けることにより、業績に影響が生じる可能性があります。また、重大な労働災害、設備事故、環境事故、品質問題等が発生した場合、又は重要な訴訟において当社に不利な判断がなされた場合には、事業活動の停止・制約、補償等により、業績に影響が生じる可能性があります。
契約会社名 | 相手方当事者 | 国名 | 内容 | 契約年月日 | 契約期限 |
当社 | POSCO | 韓国 | 基礎的技術開発、第三国における合弁事業、IT等に係る協力関係の構築に関する戦略的提携契約 | 平成12年8月2日 | 平成27年8月1日 |
当社 | ArcelorMittal | ルクセンブルク | 自動車鋼板分野等におけるグローバル戦略提携契約 | 平成13年 1月22日 | 平成33年1月22日 |
当社 | 宝山鋼鉄株式有限公司 | 中国 | 中国における冷延及び溶融亜鉛めっき鋼板製造・販売に関する合弁事業 | 平成15年 | 合弁会社設立から20年が経過する日 |
当社 | ㈱神戸製鋼所 | 日本 | 鉄源設備共同活用に関する協定 | 平成17年 6月17日 | 平成45年5月14日 |
当社 | POSCO | 韓国 | 連携深化と株式追加取得に関する契約 | 平成18年10月20日 | 平成27年8月1日 |
当社 | VALLOUREC & MANNESMANN TUBES SAS | フランス | ブラジルにおける高級シームレスパイプの製造に関する合弁事業 | 平成19年7月19日 | 合弁会社設立から30年が経過する日 |
当社 |
日本ウジミナス㈱
Ternium Investments 等 *1 |
日本
ルクセンブルク | Usinas Siderúrgicas de Minas Gerais S.A. – USIMINAS に関する株主間協定 | 平成23年 11月27日 但し、平成24年1月16日に発効 | 平成43年11月6日 |
当社 | BlueScope Steel | 豪州 | 東南アジア・米国における建材薄板事業に関する合弁事業 | 平成25年3月28日 | 定めなし |
当社 | ㈱神戸製鋼所 | 日本 | 提携施策の検討継続及び買収提案を受けた場合の対応に関する覚書 | 平成25年3月29日 | 平成29年11月14日 |
当社 | 日鉄住金鋼管㈱ | 日本 | 株式交換契約 | 平成25年4月26日 | 定めなし |
当社 | ArcelorMittal USA LLC | 米国 | 米国における熱延鋼板、冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造・販売に関する合弁事業 | 平成25年 | 定めなし |
*1 議決権比率が10%未満の相手方当事者については、記載していない。
*2 平成25年10月1日の住友鋼管㈱と日鉄鋼管㈱の合併に伴い、相手方当事者の商号が住友鋼管㈱から日鉄住金鋼管㈱に変更された。
*3 日鉄住金鋼管㈱(住友鋼管㈱(当時))との株式交換について
当社及び住友鋼管㈱(*2記載のとおり、平成25年10月1日をもって、日鉄住金鋼管㈱に商号変更。以下、「住友鋼管」)は、平成25年4月26日開催のそれぞれの取締役会において、同年8月1日を効力発生日として、当社を株式交換完全親会社、住友鋼管を株式交換完全子会社とする株式交換(以下、「本株式交換」)を行うことを決議し、両社の間で株式交換契約(以下、「本株式交換契約」)を締結した。
本株式交換の効力発生日に先立ち、住友鋼管の普通株式は㈱東京証券取引所(以下、「東京証券取引所」)市場第一部において同年7月29日に上場廃止(最終売買日は同年7月26日)となった。
なお、当社、住友鋼管及び日鉄鋼管㈱(以下、「日鉄鋼管」)は、本株式交換の効力発生後、更なる競争力強化を目指し、住友鋼管と日鉄鋼管が同年10月1日を効力発生日として合併することを中心とした、三社が営む機械構造用及び一般構造用等電気抵抗溶接管事業(以下、「電縫管事業」)を再編することについて基本合意に達し、同年4月26日に基本合意書を締結した。
本株式交換の概要は、下記のとおりである。
1.本株式交換の目的
当社グループは、更なる連結企業価値の向上を目指し、グループ全体での収益力と競争力を一層強化していく必要があるとの認識の下、これまでも子会社の完全子会社化やグループ会社の統合・再編等、グループ事業戦略の共有化・実施の体制整備を推進してきた。
当社と住友鋼管は、協議の上、当社グループの製鉄事業において電縫管事業を中核的に営む住友鋼管を、株式交換により、当社の完全子会社とすることに合意した。
これは、今後、住友鋼管が、当社グループの経営資源を有効活用し、当社グループとより一体となった経営を志向することを通じて、お客様の生産・販売のグローバル展開の加速や自動車の軽量化をはじめとするニーズに応じた技術開発の強化、国内生産基盤の効率化に対応することが、当社及び住友鋼管の国内外での競争力強化と質・量の両面での成長のためには不可欠との判断によるものである。
この施策により、当社グループの経営資源の最適かつ効率的な活用、両社間での事業戦略の一層の共有化、グループ経営の機動性の向上等が図られ、当社及び住友鋼管の両社の収益力と競争力を一層強化し、両社の企業価値向上に資するものと考えている。
2.本株式交換の要旨
(1)本株式交換の方式
当社を株式交換完全親会社、住友鋼管を株式交換完全子会社とする株式交換とした。本株式交換は、当社については、会社法第796条第3項に基づき、株主総会の承認を必要としない簡易株式交換の手続きにより、また住友鋼管については、平成25年6月27日開催の同社株主総会において本株式交換契約の承認を受けたうえで、同年8月1日を効力発生日として行われた。
(2)株式交換比率(住友鋼管の株式1株に対して交付した当社の株式の割当比率)
| 当社 | 住友鋼管 |
株式交換比率 | 1 | 3.75 |
(注1)当社が保有する住友鋼管の普通株式18,681,875株(平成25年7月31日現在)については、本株式交換による株式の割当ては行っていない。
(注2)当社は、本株式交換により、当社の普通株式52,481,628株を割当て交付したが、交付した株式については、保有する自己株式を使用し、新たに株式の発行は行っていない。
3.株式交換比率の算定根拠等
(1)算定の基礎
株式交換比率については、その算定にあたって公正性・妥当性を確保するため、当社及び住友鋼管は、それぞれ個別に独立した第三者算定機関に株式交換比率の算定を依頼することとし、当社はSMBC日興証券㈱を、住友鋼管は大和証券㈱を、株式交換比率の算定に関する第三者算定機関としてそれぞれ選定した。
(2)算定の経緯
当社及び住友鋼管は、それぞれの第三者算定機関から提出を受けた株式交換比率の算定結果を参考に慎重に検討し、両社間で交渉・協議を重ねた。その結果、当社及び住友鋼管は、それぞれ上記2.(2)の株式交換比率は妥当であり、それぞれの株主の利益を損ねるものではないとの判断に至ったため、同株式交換比率により本株式交換を行うことにつき、平成25年4月26日に開催された当社及び住友鋼管の取締役会の決議に基づき、両社間で本株式交換契約を締結した。
(3)公正性を担保するための措置
本株式交換の検討にあたって、当社は住友鋼管の総株主の議決権の57.20%を保有していることから、本株式交換における株式交換比率の公正性を担保するため、本株式交換の実施に当たり、両社は、上記3.(1)に記載のとおり、それぞれ第三者算定機関に株式交換比率の算定を依頼し、その算定結果を参考として、交渉・協議を行い、上記2.(2)記載の株式交換比率により本株式交換を行うことを、平成25年4月26日開催のそれぞれの取締役会で決議した。
また、本株式交換の法務アドバイザーとして、当社は東京八丁堀法律事務所を、住友鋼管は長島・大野・常松法律事務所を選任し、それぞれ本株式交換の諸手続き及び取締役会の意思決定の方法・過程等について、法的助言を得ている。
(4)利益相反を回避するための措置
住友鋼管においては、当社が住友鋼管の総株主の議決権の57.20%を保有しており、住友鋼管が当社の連結子会社に該当することから、利益相反を回避する観点から、住友鋼管の取締役のうち、当社の従業員である川端廣己氏は、平成25年4月26日開催の住友鋼管の取締役会における本株式交換に関する審議及び決議に参加しておらず、住友鋼管の立場で当社との本株式交換についての協議及び交渉にも参加していない。
また、住友鋼管の監査役のうち、当社の従業員である高橋郁夫氏は、上記の取締役会の審議には参加せず、意見表明を行っていない。住友鋼管の立場で当社との本株式交換についての協議及び交渉にも参加していない。
当該取締役会においては、上記1名を除く住友鋼管の取締役及び上記1名を除く監査役(内、社外監査役1名)が出席の上、本株式交換契約の締結を決議し、住友鋼管の監査役2名(内、社外監査役1名)が本株式交換契約の締結について異議がない旨の意見を表明している。
さらに、住友鋼管は、本株式交換を検討するに当たり、支配株主である当社と利害関係を有しない住友鋼管の社外監査役であり、東京証券取引所に独立役員として届け出ている尾﨑達夫氏に対し、東京証券取引所の定める規則に基づき、本株式交換に関する住友鋼管の決定が住友鋼管の少数株主にとって不利益なものでないか否かに関する検討を依頼し、平成25年4月26日付で、同氏より、本株式交換の目的、本株式交換に係る交渉過程の手続き、本株式交換比率の公正性及び住友鋼管の企業価値向上などの観点から総合的に検討し本株式交換に関する住友鋼管の決定が住友鋼管の少数株主にとって不利益なものではないと判断する旨を内容とする住友鋼管取締役会宛の意見書を取得している。
住友鋼管は、以上の住友鋼管における取締役会決議の方法その他の利益相反を回避するための措置に関して、住友鋼管の法務アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から、法的助言を受けている。
(5)本株式交換の効力発生日
平成25年8月1日
4.本株式交換後の会社の資本金・事業の内容等(平成25年9月30日現在)
商号 | 新日鐵住金株式会社 (英文名:NIPPON STEEL & SUMITOMO METAL CORPORATION) |
本店の所在地 | 東京都千代田区 |
代表者の氏名 | 代表取締役会長 兼 CEO 宗岡 正二 代表取締役社長 兼 COO 友野 宏 |
資本金の額 | 4,195億円 |
純資産の額 | 30,727億円(連結ベース) |
総資産の額 | 70,289億円(連結ベース) |
事業の内容 | 製鉄事業(鉄鋼の製造・販売)等 |
*4 当社は、ArcelorMittal USA LLC(以下「AM社」)との間で、ThyssenKrupp Steel USA,LLCを共同で買収したうえで同社を当社及びAM社が50%ずつ出資し運営する合弁会社とすることについて合意し、平成26年2月26日にその手続きを完了した。
当社は、需要家のニーズや環境・エネルギー問題等の社会的ニーズが多様化するなかで、「技術先進性」の拡大による利益成長に資する研究開発分野に対し、重点的に経営資源を投入しています。鉄鋼研究所、先端技術研究所及びプロセス研究所の3中央研究組織と各製鉄所に配置した技術研究部が強固な連携体制を図り、「リサーチ・アンド・エンジニアリング」の理念のもと、基礎基盤研究から、応用開発、エンジニアリングまでの一貫した研究開発を推進しています。当社の強みは、①研究開発とエンジニアリングの融合による総合力及び開発スピード、②需要家立地の研究開発体制、③需要家のニーズに対する的確なソリューション提案力、④製鉄プロセス技術を基盤とした環境・エネルギー問題への対応力、⑤産学連携、海外アライアンス、需要家との共同研究です。これらの強みを活かし、鉄を中心とした新しい機能商品をはじめ、革新的生産プロセスの創出と迅速な実用化を図っています。
当連結会計年度における当社及び連結子会社全体の研究開発費は644億円です。各セグメントの研究主要課題、成果及び研究開発費は次のとおりです。
(製鉄)
当セグメントに係る研究開発費は544億円です。
当期は、中期経営計画の早期達成に向け、3つの研究開発センター(富津、尼崎、波崎)を軸に、①鉄鋼研究所では鉄鋼材料・商品と利用技術・ソリューション研究開発、②先端技術研究所では共通基盤技術研究及び、新素材事業を中心とした製鉄以外のセグメント事業支援開発、③プロセス研究所では設備エンジニアリングと設備保全技術開発を担当する設備・保全技術センターと密接な連携を図りながら製鉄プロセス関連の研究開発に取り組んでおります。旧両社が個別に進めてきた研究課題への取り組み強化や類似課題の再構築により、開発の短期化・効率化を目指し、鉄源コストの削減、基幹ラインの生産性の抜本的向上などの研究開発の加速化を進めてまいりました。
<薄板>
・スズキ㈱の新型「スペーシア」のフロアサイドメンバーに、当社が開発した強度1.2 GPa級合金化溶融亜鉛めっき高張力鋼板(ハイテン)が、自動車骨格部品として初採用されました。この鋼板により、自動車におけるハイテンの適用範囲が広がり、自動車の衝突安全性の向上と軽量化に、より一層寄与することができます。
・当社とユニプレス㈱は、冷間プレス成形が難しい高強度材に対して、直水冷方式によるホットプレス加工技術を共同開発しました。今回の技術で世界トップクラスの生産性が実現可能となります。
<厚板>
・当社が開発した7%ニッケル鋼板が、ガス工作物の技術基準に適合するとともに9%ニッケル鋼板と同等性能を有していると経済産業省より評価され、大阪ガス㈱泉北第一工場(堺市)内容量230,000㎥の世界最大級のLNGタンク(5号タンク)に採用されました。
・当社では統合を機に旧両社の技術・商品のシナジー効果を発揮すべく、高機能耐摩耗鋼ABREX®(アブレックス)を商品化しました。普通鋼の5~6倍の世界最高クラスの硬度やマイナス40℃環境下での使用に対応した商品もラインアップしています。これらは、世界各地の鉱山機械やダンプトラック等に使用されています。
<鋼管>
・当社が開発した高合金油井管SM2535-140TMが、NACE(National Association of Corrosion Engineers) Internationalの機関誌「Material Performance」よりMP’s 2014 Corrosion Innovation Award of the Year を受賞しました。同賞は、現行の技術を大きく超える躍進を遂げたソリューションに与えられるもので、腐食・防食に関連する先進的革新的な開発が評価されました。
<土木建材>
・当社が開発した止水性に優れたハット形鋼矢板と剛性の高い鋼管杭を組み合わせて、機能性と経済性に優れる壁体構造を構築する工法「コンビジャイロ工法®」は、㈱技研製作所が開発した専用圧入機を用いることで、ハット形鋼矢板と鋼管杭の圧入を1台の機械で行うことができ、振動・騒音が少なく、排土がほとんど発生しない工法です。
<建築建材>
・鉄骨系プレハブ住宅の梁材を中心に使用されてきた溶接軽量H形鋼(スマートビーム®)が、従来アルミ材が多く用いられてきた建物の外装材であるルーバー材として初めて採用されました。アルミ材に比べ、断面積あたりの強度、剛性が高いことから、階の途中で支持することなくロングスパンのルーバーが実現できます。
<チタン・ステンレス>
・当社直江津製造所に新型電子ビーム式溶解炉(EB炉)を導入しました。従来のVAR炉(真空アーク式溶解炉)では溶解が困難だったチタンスクラップが利用可能となり、先端的な金属であるチタンのリサイクルによる有効活用を図るとともに、チタン製造の競争力向上に寄与します。
・当社は、エッチング加工やレーザー加工などの精密加工分野で使用される板厚0.1mm前後の極薄ばね用の世界最小の超微細結晶粒を有する18Cr-8Niステンレス鋼「SUS304 H-SR3」を開発しました。また、ガスケットに加工されたステンレス薄鋼板の疲労強度を簡便かつ適切に評価する方法を開発しました。本技術と疲労強度に優れたガスケット材の開発と併せて日本ばね学会より技術賞を受賞しました。
<交通産機品>
・車体の振動を検知して、振動を打ち消すようにコンピュータで制御する当社の動揺防止制御装置(アクティブサスペンション)が、近畿日本鉄道㈱の観光特急「しまかぜ」の全車両、九州旅客鉄道㈱のクルーズトレイン「ななつ星in九州」のラウンジカーに採用されました。また、本技術は平成26年4月に「平成25年度第46回市村産業賞 貢献賞」を受賞しました。
<製鉄プロセス等>
・当社と新日鉄住金エンジニアリング㈱は、東日本大震災の津波による堆積物を建設資材として利用可能な良質土に再生するカルスピン®工法を共同開発しました。処理スピードの速さと安全性、津波堆積物の有効利用による復旧・復興事業の加速が期待できることが高く評価され、平成24年度地盤工学会賞(地盤環境賞)を受賞しました。本工法は津波堆積物に混入するがれきの分別性能も優れていることから、分別がれきを減らすことによる処分費の削減も期待でき、岩手県釜石市での災害廃棄物処理事業に本格採用されました。
・製鋼分野では、「高効率・高品質・低環境負荷を同時に実現できる新製鋼プロセスの開発」で平成25年度第5回ものづくり日本大賞 特別賞(製造・生産プロセス部門)を受賞し、環境分野では「コークス炉による廃プラスチックの再資源化技術の開発」で平成26年4月に文部科学大臣表彰 科学技術表彰(開発部門)を受賞しました。
(エンジニアリング)
当セグメントに係る研究開発費は42億円です。
新日鉄住金エンジニアリング㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・製鉄プラント分野 既存商品の拡大展開や先進的製鉄プロセスを目指した開発
・環境分野 溶融炉のLCC削減とCO2排出量削減に向けた開発
・エネルギー分野 オンサイトエネルギー供給の熱回収高効率化の開発
・海洋分野 海底パイプライン敷設の自動化・高速化・高品質化の開発
・建築分野 低炭素化社会のニーズに対応しうる省エネルギー技術、免震デバイス商品の開発
・陸上パイプライン分野 施工コストダウンの開発
(化学)
当セグメントに係る研究開発費は34億円です。
新日鉄住金化学(株)における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・人造黒鉛電極用高耐久性ニードルコークス、ディスプレイ向け有機EL材料、液晶CF材料および回路基板材料向二層CCL、HFエポキシ樹脂材料等の開発
(新素材)
当セグメントに係る研究開発費は7億円です。
新日鉄住金マテリアルズ㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・金属箔、メタル担体、CMPドレッサー、HIP、炭素繊維及び複合材、ボンディングワイヤ、ハンダボール、球状フィラー、SiC事業化開発等の分野に関わる研究開発
(システムソリューション)
当セグメントに係る研究開発費は14億円です。
新日鉄住金ソリューションズ㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・企業情報システムのアーキテクチャの追求、知的作業支援、コミュニケーション・コラボレーション分野での研究開発、システム開発・運用における差別化技術の強化と生産性向上などの研究開発
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、工事損失引当金、役員退職慰労引当金、特別修繕引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。但し、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当期の事業の状況につきましては、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりであります。
当期の連結業績につきましては、土木・建築向けや、自動車等製造業向けを主体とした鉄鋼需要の増加及び統合効果を含めたコスト改善等により、売上高は5兆5,161億円(前年同期は4兆3,899億円)、営業利益は2,983億円(前年同期は201億円)、経常利益は3,610億円(前年同期は769億円)、当期純利益は2,427億円(前年同期は当期純損失1,245億円)となりました。
また、中核事業である製鉄事業の全体に占める割合は、売上高で8割超となっており、連結経常利益は、生産出荷が前年より伸びたことや最大限のコスト改善を実施したことなどにより、対前期で2,797億円の増益となりました。
(3)当期末の財政状態及びキャッシュ・フローの分析
当期末の資産、負債、純資産の状態及びキャッシュ・フローにつきましても、当期の経営成績と同様、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりです。
(4)次期(平成26年度)の見通し
次期(平成26年度)の業績見通しにつきましても、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりです。
(注) 上記次期の見通しには、平成26年5月9日決算発表時点の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測や目標が含まれている。実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性がある。