(1)業績
①当連結会計年度の状況
当連結会計年度(平成25年4月1日から平成26年3月31日まで)におけるわが国の経済は、政府による経済対策や、金融政策の効果などを背景に、緩やかに回復しました。
また、国内の住宅市場においては、低金利や所得環境の改善、これに伴う消費者マインドの改善に加え、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要もあって、新設住宅着工の増加傾向などが見られました。
このような事業環境の中、当社グループは、引き続き創立100周年を迎える平成29年(2017年)に向けた長期経営計画「TOTO Vプラン2017(以下Vプラン2017という)」及び、平成24年度からスタートさせた3ヵ年の中期経営計画に基づき、「国内住設事業」「海外住設事業」「新領域事業」の各事業領域での活動を推進しました。
その結果、当連結会計年度の業績は、連結売上高に関しては5,534億4千8百万円(前連結会計年度比16.2%増)となりました。
一方、利益面では、連結営業利益が471億8千1百万円(前連結会計年度比101.8%増)、連結経常利益が504億1千1百万円(前連結会計年度比93.3%増)となりました。
また、事業再編費用及び環境対策費等を特別損失として計上した結果、連結当期純利益が441億2千2百万円(前連結会計年度比160.2%増)となりました。
②セグメント別の状況
a.国内住設事業
当連結会計年度の業績は、従来から取り組んできた新築及びリモデル分野に対する販売戦略と商品力によるシェアアップ、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要などにより、売上高が4,455億7千4百万円(前連結会計年度比12.4%増)となりました。
営業利益については、原材料調達から生産・物流面における高速サプライチェーンの構築を図ると共に、幅広い商品においてプラットフォーム化(標準化・共通化)等のコストリダクションを推進したことなどによって、361億1千3百万円(前連結会計年度比66.6%増)となりました。
新築分野においては、戸建物件が大幅に伸長しました。
リモデル分野においては、戸建及びマンション物件におけるリモデルと共に、各種ビルなどのパブリック物件におけるリモデルが伸長しました。
商品面においては、平成24年に発売した「ネオレスト ハイブリッドシリーズ」や「ウォシュレット(※)アプリコット」の販売が好調に推移すると共に、システムバスルームの「サザナ」、マンションリモデルバスルームの販売が大きく伸長しました。
(※「ウォシュレット」はTOTOの登録商標です)
また、TOTO、DAIKEN、YKK AP(以下TDYという)では、引き続き「グリーンリモデル診断(住宅に関わる環境評価基準を参考にした客観的な住まいの診断)」を活用し、トイレ・バス・キッチン・洗面の各空間におけるリモデル提案を行うことによって、環境に貢献するリフォーム「グリーンリモデル」を推進しました。
・平成25年4月から8月にかけて、TDYでは、3社共同で「グリーンリモデルフェア2013」を全国4箇所(東京、名古屋、大阪、福岡)で開催しました。ここでは、TDYが提唱する快適さと環境配慮を両立するリフォーム「グリーンリモデル」のコンセプトに賛同する住宅関連メーカー及びエネルギー会社とコラボレーションし、省エネ性能や耐久性、清掃性などが更に向上した空間の訴求を図りました。
・平成25年9月、国内最大級規模の福祉機器の展示会「第40回 国際福祉機器展」に出展しました。この展示会では、高齢者施設・高齢者住宅向けの商品群「スマイルパートナー」シリーズや、同月発売の新商品「ベッドサイド水洗トイレ」などを展示しました。この「ベッドサイド水洗トイレ」は、居室のベッドサイドに後付けで設置できるため、要介護者の自立促進や介助者の負荷軽減が期待できる商品として、戸建住宅や高齢者施設などで採用をいただいています。TOTOでは、今後も、高齢社会において安心して暮らし続けられる水まわりの在り方を提案していきます。
・平成25年12月に開催された「エコプロダクツ2013」などの環境展示会に出展しました。この展示会では、環境ビジョン「TOTO GREEN CHALLENGE」のもと、環境に配慮した商品として「エアインシャワー」「ネオレスト ハイブリッドシリーズ」「エコシングル水栓」などの展示を行い、環境ブランドイメージの向上を図りました。
b.海外住設事業
当連結会計年度の業績は、売上高が1,347億2千8百万円(前連結会計年度比38.7%増)、営業利益が157億4千7百万円(前連結会計年度比94.0%増)となりました。
世界経済は、一部で弱さが見られるものの、全般には緩やかな回復が続きました。
このような環境の中、海外住設事業においては、各国・各エリアでの経済動向や社会動向を注視しつつ、Vプラン2017及び中期経営計画に基づいた着実な成長戦略を推進しています。
<米州>
当連結会計年度の業績は、売上高が245億7百万円(前連結会計年度比36.9%増)、営業利益が12億4千5百万円(前連結会計年度比277.5%増)となりました。
米国では、市況の回復は依然として緩やかですが、当社グループにおいては、中高級市場におけるトップクラスのメーカーとしての商品優位性や価値伝達によって、ブランドの価値を高め、競合他社との差別化を図っています。
また、米州事業においては、成長市場の中南米エリアも包括した販売網の構築を進めています。
・平成24年度に発売した、除菌効果のある「きれい除菌水」機能を搭載したウォシュレットの新商品やウォシュレット一体形便器「ネオレスト」の積極的なプロモーションによって、販売が好調に推移しました。
・平成25年4月、ニューオーリンズで開催された水まわり設備の国際見本市「KBIS(Kitchen & Bath Industry Show)」に出展しました。この展示会では、光触媒の技術を活用し、見えない汚れまできれいに分解する世界初の最先端技術「アクティライト」を搭載したウォシュレット一体形便器「ネオレスト」シリーズや、浴び心地や節水を追求した新しいシャワー商品を中心とした展示により、商品力、技術力を訴求しました。
・平成26年3月には、サンパウロで開催されたラテンアメリカ最大級の建材・水まわり設備の展示会「Expo Revestir」に出展し、TOTO商品の品質・機能の価値訴求により、継続的なブランド認知活動を図りました。
<中国>
当連結会計年度の業績は、売上高が725億6千3百万円(前連結会計年度比42.0%増)、営業利益が124億6千1百万円(前連結会計年度比58.4%増)となりました。
中国では、経済の緩やかな回復の動きがあるものの、政府の不動産抑制政策の市況への影響が続いています。このような環境の中、当社グループにおいては、内陸部における市場の拡大や、大都市から周辺都市への成長市場の移行など、市場環境の変化を注視して対応しつつ、高級ブランドとしての強みを活用し、現地のお客様に支持される事業活動を推進しています。
また、中国国内の長期的な市場成長による需要増に対応するため、効率的な生産・最適な供給体制の構築を引き続き推進しています。
・平成25年5月、中国の上海で開催されたアジア最大規模の水まわり設備の国際見本市「Kitchen & Bath China 2013」に出展しました。この展示会では、「アクティライト」を搭載したウォシュレット一体形便器「ネオレスト」シリーズや、浴び心地や節水を追求した新しいシャワー商品の展示やプレゼンテーションが、多くの関心を集めました。
・ブランド力の更なる強化や、販売力の強化のために、市場が拡大している大都市の周辺都市への大規模ショールームの出店や、主要都市の既存ショールームのグレードアップを継続しています。当連結会計年度においては、北京、新疆、無錫、天津で旗艦ショールームの出店や改装を行いました。
<アジア・オセアニア>
当連結会計年度の業績は、売上高が338億7千8百万円(前連結会計年度比33.0%増)、営業利益が28億4千6百万円(前連結会計年度比244.8%増)となりました。
アジア・オセアニア地域では、世界の供給基地としてタイ、インドネシアでの生産体制を強化すると共に、新興国市場での販売力を強化しています。インドネシア、台湾、ベトナムでは、高級ブランドとしての地位を築きつつあります。
インドにおいては、平成23年に現地法人を設立し、販売網を構築しており、また、今後の需要拡大に対応する為、衛生陶器工場を着工し、平成26年の本格稼働を目指して建設を進めています。
・ベトナムでは、平成25年6月に、ホーチミンで開催されたベトナム最大の建築資材の展示会「VIETBUILD」に出展しました。この展示会では、ベトナムで人気の商品群に加え、「アクティライト」を搭載したウォシュレット一体形便器「ネオレスト」シリーズや最新のシャワー技術、世界のデザイントレンドの紹介などを行い、高い評価を得ました。
また、ベトナムでは、国内販売網の拡大強化を図っており、平成25年10月には、高級物件需要の取り込みなどを目的として、ハノイの代理店ショールームの改装を行いました。
・台湾では、平成25年7月に、「きれい除菌水」機能を搭載したウォシュレットの新商品や、浴び心地と節水を追求したシャワー商品の品揃えを追加するなど、高品質なブランドイメージ浸透を図りました。
・シンガポールでは、平成25年5月に、テクニカルセンターを開設しました。この施設では代理店に対する商品教育や技術訴求に取り組んでいます。
・平成25年7月、タイにおいて1980年代より続けてきました建材メーカーThe Siam Cement Public Company Limitedとの資本・販売提携を、両社それぞれのブランド価値を訴求するために発展的に解消いたしました。
なお、当該提携解消後も、製品の調達(OEM)は継続し、良好な関係を維持しています。
また、タイでは、この資本・販売提携解消を踏まえて、新たな販売及び生産体制の構築を進めています。
<欧州>
当連結会計年度の業績は、売上高が37億8千万円(前連結会計年度比40.4%増)、営業損失が8億5百万円(前連結会計年度は営業損失9億6百万円)となりました。
欧州では、ドイツ、フランス、イギリスを中心に、販売チャネルの構築を進めており、代理店のショールームでは、TOTO商品の展示が進んでいます。また、「ネオレスト」などの節水性能とデザイン性の高い商品を市場投入することによって他社との差別化を図り、欧州のみならず、グローバルでTOTOブランドの存在感をアピールしています。
・欧州市場では、TOTOの強みである「ウォシュレット」文化の浸透に取り組んでいます。平成25年3月、フランクフルトで開催された世界最大規模の衛生・厨房・空調の見本市「ISH2013(International Sanitary and Heating 2013)」において発表した、「アクティライト」を搭載したウォシュレット一体形便器「ネオレスト」シリーズが、ホテルなどからの引合いを受けると共に、世界のデザイン界で権威のある「iFプロダクトデザイン賞」を受賞するなど、独自の技術や機能、洗練されたデザインが高く評価されました。
・ドイツの衛生陶器、洋食器メーカーVilleroy & Boch 社(ビレロイ&ボッホ株式会社)に対して、TOTOのウォシュレットの供給をスタートしました。これは、欧州市場におけるVilleroy & Boch社の販売ルートにおいて、TOTOのウォシュレットの技術を駆使したVilleroy & Bochブランドの温水洗浄便座に「powered by TOTO」を付して販売する業務提携に基づくものです。
c.新領域事業
当連結会計年度の業績は、売上高が196億6千4百万円(前連結会計年度比30.7%増)、営業損失が15億5千3百万円(前連結会計年度は営業損失35億9千9百万円)となりました。
TOTOのオンリーワン技術を活かした「セラミック事業」、環境浄化技術「ハイドロテクト」による建材や塗料などを展開する「環境建材事業」等を「新領域事業」として、Vプラン2017及び中期経営計画達成に向けた事業活動を推進しています。
<セラミック事業>
当連結会計年度の業績は、売上高が90億6千4百万円(前連結会計年度比73.4%増)、営業損失が6億4千5百万円(前連結会計年度は営業損失20億8千4百万円)となりました。
オンリーワン技術を活かした構造部材、静電チャックなどの高精度精密セラミックス部品や光通信部品に特化し、全社横断の革新活動「ものづくり革新」活動を推進することにより、最適な生産体制の整備を進めています。
当連結会計年度の業績は、半導体市場の回復や光通信市場が活況であることなどを背景に、各商品の売上が大幅に伸長しました。また、製造部門で進めてきた体質強化の効果によって損失幅を縮小しました。
・販路の拡大とグローバル展開加速のため、国内、海外の展示会に積極的に出展しています。当連結会計年度では、日本、米国、台湾の展示会に出展しました。これらの展示会では、半導体製造装置に使用される独自の素材や、次世代の技術トレンドを取り入れた静電チャックの提案などを行い、シリコンウエハーサイズの大型化や3次元ICなどが進化する半導体マーケットに対してオンリーワン技術を発信しました。
<環境建材事業>
当連結会計年度の業績は、売上高が106億円(前連結会計年度比8.0%増)、営業損失が9億7百万円(前連結会計年度は営業損失15億1千4百万円)となりました。
「ハイドロテクト」は、光触媒を利用し光や水の力で地球も暮らしもきれいにする環境浄化技術であり、技術ブランドです。既に多くのお客様にご活用いただいており、建物の外壁から室内の壁や床までさまざまな製品に利用されています。また、事業戦略を国内中心から海外へと拡大させ、業種を横断したパートナーシップ「ハイドロテクトの輪」をグローバルに広げ、「ハイドロテクト」の普及と共に環境貢献を進めています。
当連結会計年度の業績は、新設住宅着工の持ち直しを背景にハウスメーカーにおけるハイドロテクト商品の販売が好調だったことなどに加え、従来から取り組んできた革新活動による生産性の向上などによって、売上が伸長すると共に損失幅を縮小しました。
・内装用の大型陶板建材「ハイドロセラ」シリーズは、病院・高齢者施設や商業施設、交通施設などにおいて、優れた抗菌・防汚・防臭機能と耐久性が認められ採用が進んでいます。また平成26年2月には、新たな品揃えを追加するなど、商品ラインナップを拡充しました。
・「ハイドロテクト」のライセンス契約締結会社数は、日本国内、北米、欧州を中心に100社を超えていますが、「ハイドロテクトの輪」の更なるグローバル展開のため、引き続き国内外の建材メーカー、塗料メーカーとのパートナーシップの構築を進めています。
当連結会計年度においては、米国や、欧州のタイルメーカーなどが新たなパートナーに加わりました。
<燃料電池>
燃料電池の心臓部である発電モジュールにおいて、当社のオンリーワン技術であるセラミック製発電セル(SOFC)及び発電モジュールの製造・開発を推進し、早期事業化を目指しています。
・高い発電効率を実現し、実作動環境下での性能確認のため、実証試験を継続して進めています。また、燃料電池システムメーカー、ガス会社、研究機関などと連携して、実用化に向けて更なる耐久性の向上に重点を置いて開発に取り組んでいます。
・成長が期待される国内市場に対応するべく量産技術開発を推進すると共に、海外市場も意識し、グローバル展開を視野に入れた事業活動を推進しています。
③その他
<首都圏にあるオフィスの移転集約について>
平成25年6月、東京都内にある複数のオフィスを、東京都港区の「汐留ビルディング」に移転集約しました。このオフィス集約により、資産の効率的利用による財務体質の改善・スリム化を図ると共に、当社グループ内のコミュニケーション強化、業務効率化、強固なインフラ構築(災害への対応力強化、セキュリティ対策強化)を進めました。
なお、現在、当社グループで保有している首都圏の不動産については、売却を含めて有効活用を進めています。
<社外からの評価について>
TOTOは、事業活動とCSR活動の戦略的な統合を進める企業として、社会的責任投資(※1)の銘柄に組み入れられるなど、外部機関から評価をいただいています。
・エティベル投資ユニバース
平成25年5月、フォーラム・エティベルより、持続可能な有力株式銘柄として、「エティベル投資ユニバース(ファンドが運用に組み入れることのできる銘柄グループ)」において「EXCELLENCE」及び、「PIONEER」として選定されました。
フォーラム・エティベルはベルギーに拠点を置く非営利組織で、ヨーロッパにおいて社会的責任投資と企業の社会的責任を推進している団体です。
・ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス
平成25年9月、「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス」に選定されました。今回は3年連続であると共に、「Building Products(建設製品)」の産業分野で最高得点を獲得することができました。このインデックスは、米国S&Pダウ・ジョーンズ社とスイスの社会的責任投資に関する調査専門会社のロベコSAM社が提携して開発した指標で、経済・環境・社会の3つの側面から企業を分析し、企業の持続可能性に優れた上位約10%の会社を選定するものです。今年度は約2,500社の中から、333社(内、日本企業は21社)が選ばれました。
・クライメート・ディスクロージャー・リーダーシップ・インデックス
平成25年11月、CDPが実施している「CDP ジャパン500 気候変動レポート2013」において、気候変動情報開示に優れた企業として「クライメート・ディスクロージャー・リーダーシップ・インデックス(以下「CDLI」)」に2年連続で選定されました。
CDPは機関投資家と連携し、全世界で約5,000社、日本では大手企業500社(以下、ジャパン500)に対して、気候変動への戦略や温室効果ガスの排出量に関する情報開示の質問書を送付しており、その回答内容を基に気候変動レポートを作成、特に情報開示に優れた企業を「CDLI」として公表しています。今年度はジャパン500から24社が選定されました。
CDP(旧名称:カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)は、企業や都市の重要な環境情報を測定・開示・管理・共有するための唯一のグローバルシステムを提供している国際NPOです。・ロベコSAM CSR格付
平成26年1月、社会的責任投資の評価会社ロベコSAM 社による格付において、「Building Products(建設製品)」部門で「ゴールドクラス」に認定されました。これは、ESG(環境・社会・ガバナンス)視点で企業活動を推進し、特に地球温暖化防止への取り組みや人財(※2)育成、地域社会への貢献などが評価されたものです。「ゴールドクラス」の認定を受けた日本企業は全部門で5社でした。
Robeco SAM 社は、世界の企業約2,500社を対象に経済・環境・社会面から企業の持続可能性について評価を行い、特に優秀な企業を「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」の3クラスに認定し、「The Sustainability Yearbook」に掲載しています。
(※1)社会的責任投資とは、投資を行う際に、従来の財務分析による投資基準に加え、社会・環境・コーポレートガバナンスといった企業の社会的責任も重視して投資をする方法のこと。
(※2)TOTOグループでは、TOTOグループで働く人々を“次世代を築く貴重な財産”と考え、「人財」と表記しています。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、前連結会計年度末の557億2千万円に比べ、281億5千3百万円増加し、838億7千4百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の増加は、480億1千5百万円(対前連結会計年度△35億1千7百万円)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益569億7千1百万円、退職給付に係る負債の増加額264億7百万円、減価償却費149億2千2百万円等による資金の増加と、退職給付引当金の減少額321億8千2百万円、売上債権の増加額161億2千6百万円等による資金の減少によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、40億3千3百万円(対前連結会計年度+189億3千7百万円)となりました。
これは、有形固定資産の取得による支出192億1千7百万円、無形固定資産の取得による支出39億5百万円等による資金の減少と、有形固定資産の売却による収入114億8千1百万円、関係会社株式の売却による収入81億6千6百万円等による資金の増加によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、233億2千8百万円(対前連結会計年度△211億5千万円)となりました。
これは、コマーシャル・ペーパーの償還による支出400億円、長期借入金の返済による支出179億7千3百万円等による資金の減少と、コマーシャル・ペーパーの発行による収入400億円等による資金の増加によります。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
国内住設事業 |
367,800 |
13.1 |
|
米州 |
13,650 |
17.9 |
|
中国 |
78,581 |
37.7 |
|
アジア・オセアニア |
34,185 |
23.3 |
|
欧州 |
1,639 |
23.1 |
|
海外住設事業計 |
128,056 |
31.1 |
|
セラミック事業 |
8,551 |
72.3 |
|
環境建材事業 |
8,982 |
7.3 |
|
新領域事業計 |
17,533 |
31.5 |
|
報告セグメント計 |
513,391 |
17.7 |
|
その他 |
- |
- |
|
合計 |
513,391 |
17.7 |
(注)1.金額は、売価換算値で表示しています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)受注状況
当社グループは概ね見込生産方式を採っていますので、受注の状況については記載を省略しました。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
国内住設事業 |
445,574 |
12.4 |
|
米州 |
24,507 |
36.9 |
|
中国 |
72,563 |
42.0 |
|
アジア・オセアニア |
33,878 |
33.0 |
|
欧州 |
3,780 |
40.4 |
|
海外住設事業計 |
134,728 |
38.7 |
|
セラミック事業 |
9,064 |
73.4 |
|
環境建材事業 |
10,600 |
8.0 |
|
新領域事業計 |
19,664 |
30.7 |
|
報告セグメント計 |
599,967 |
18.0 |
|
その他 |
385 |
△45.2 |
|
内部売上消去等 |
△46,904 |
- |
|
合計 |
553,448 |
16.2 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
前連結会計年度、当連結会計年度共に販売実績が総販売実績の100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しました。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(1)当社グループは、平成21年7月に、創立100周年を迎える平成29年(2017年)までに「真のグローバル企業」となることを目指す長期経営計画「Vプラン2017」を策定しました。
その戦略フレームは、企業活動のベースとなるコーポレート・ガバナンスの強化、「国内住設」、「海外住設」、「新領域」の3つの事業軸と、全社最適視点で横串を通す4つの全社横断革新活動の推進です。これらの事業活動を、「TOTOグローバル環境ビジョン」を推進エンジンとして、グループを挙げて取り組んでいます。
「Vプラン2017」に基づき、平成22年度、平成23年度と全社最適の視点で基盤の整備に取り組み、平成24年度からは3ヵ年の中期経営計画を策定し推進してまいりましたが、その目標を一年前倒しで達成できたことから、平成26年4月に平成26年度から平成29年度にかけての中期経営計画を新たに策定いたしました。
これに伴い、「Vプラン2017」の最終年度における数値目標を見直しました。
平成29年(2017年)の経営計画目標は、連結売上高6,500億円、連結営業利益610億円、ROA10%以上、ROE10%以上です。
<全社横断革新活動について>
全社最適の商品戦略を進める「マーケティング革新」
全社最適視点での商品企画を行うと共に、超高齢社会・低炭素社会といった市場環境の変化に対する研究テーマの選択と集中を推進し、当社のオンリーワン技術をもって、お客様にとって魅力ある商品開発を進めています。
また、日本で開発したコアテクノロジーを共通基盤技術とし、地域特性に応じた商品を開発・生産し、他社を凌駕するTOTOらしいグローバルな商品戦略を推進しています。
強いコスト競争力を生み出す「サプライチェーン革新」
「サプライチェーン革新」活動では「生産体制革新」「物流革新」「購買革新」の3つの革新活動を展開しています。「原材料の調達から生産・物流を経てお客様に商品をお届けするまでの流れ」を一本と捉える「高速サプライチェーン」の構築を行い、コスト競争力を高め、強固な経営体質の実現を目指しています。
(当期までの主な進捗状況)
・「生産体制革新」では「生産、販売、物流、購買、情報の一体行動」「総合リードタイムの徹底短縮」「市況変化に即応する体制作り」の3つの基本方針のもと、棚卸資産、納期乖離、サプライチェーンコストの極小化などの課題に取り組みました。
・「物流革新」においては、クリナップロジスティクス株式会社とシステムキッチンの共同配送の全国展開を進めると共に、調達物流においても事業部門を横断した効率化を推進しています。また、商品包装について、モジュールの見直しやコンテナ積載方法の改善等を推進しました。
・「購買革新」では、開発購買による新商品のコスト削減、原材料や間接材の集中購買などを推進しました。また、TOTO、DAIKEN、YKK APの3社による「TDYアライアンス」においては、購買面におけるコラボレーションを生産材にまで拡大しました。
既成概念を超えたものづくりを進める「ものづくり革新」
「次世代生産設備の開発」「材料革新」「プラットフォーム化(標準化・共通化)の推進」「生産拠点の再編」など、全社最適の生産技術開発体制により、既成概念を超えた新たな発想によるものづくりを進めています。
(当期までの主な進捗状況)
・「プラットフォーム化の推進」として、平成24年8月に投入したシステムバスルームの新床構造「機能分割型のレイヤー構造」の更なる展開を進め、開発期間の短縮や、部品の共通化による生産性向上などの効率化を推進しました。
・TOTOグループの製造会社が一体となって行っている製造革新活動では、労働時間における付加価値作業比率を向上させるための現場力診断などを行い、生産性の向上に取り組んでいます。
業務のムダをなくし、積極的な人財(※)登用を進める「マネジメントリソース革新」
「マネジメントリソース革新」を通じた「コスト構造改革」により、売上に左右されにくい「強固な企業体質」の実現に向けて間接業務の効率を高め、戦略業務への人財投入を図り、成長戦略を達成できる強い企業体質へと変化させていきます。
「人財戦略」では、企業の総合力を向上させるために「多様で強い人財の育成」と「チャレンジする企業風土」の実現を目指しています。
(※)当社グループで働くすべての人々は「次世代を築く貴重な財産である」という考えから、「人材」ではなく「人財」と表記しています。
(当期までの主な進捗状況)
・「コスト構造改革」では主に業務見直しやグループ企業の業務集約(シェアード化)を積極的に推進し、間接部門における業務の削減と戦略業務への人財の重点投入を図りました。
・「人財戦略」では、障がい者の計画的採用、女性の管理職への積極的登用、定年再雇用制度の戦略的見直しなどによるダイバーシティ推進と、研修の強化・拡充による、強い人財の育成を進めました。
<TOTOグローバル環境ビジョンについて>
地球環境の保全については、平成22年度に「TOTO GREEN CHALLENGE」を策定し、創立100周年にあたる平成29年(2017年)に向けて、「商品・サービス」「ものづくり」「社会貢献」の3つの貢献軸と、それを支える基盤としての「ひとづくり」において、企業活動と環境との関わりを検証し、数値目標を設定し推進しています。
平成26年4月には、平成26年度から平成29年度にかけての中期経営計画の策定に合わせて、これまで取組んできた活動を更にグローバルに展開するため、その推進フレームを改編し、新たに「TOTOグローバル環境ビジョン」という枠組みを設けることにいたしました。この枠組みでは、事業活動にも連動して「水使用量」を追加したグローバル共通の環境目標を設定し、各地域で取り組みを進めていきます。
(当期までの主な進捗状況)
「商品・サービス」
「TOTOグリーン商品」の進化によって、平成25年度の住宅における商品使用時のCO2削減率は、2017年度目標である50%に迫る、48%(平成2年度比)となりました。
これは、節水便器「GREEN MAX」における節水性能や、ウォシュレットにおける省エネ性能、「エコシングル水栓」、「エアインシャワー」、「水ほうき水栓」などの節湯水栓における節湯性能の進化によるものです。なかでも節湯水栓は、住宅の中でもエネルギー消費量が大きく、CO2発生源となっているお湯の使用量を無理なく削減することができるため、それらを組込んだシステムバスなどの新商品を幅広く展開することによって、CO2排出量を大きく削減することができました。また、各商品でLED照明の採用を進めていることもCO2削減に貢献しました。
「ものづくり」
平成25年度の国内のCO2総排出量削減目標41%(平成2年度比)に向け、高効率機器への更新や電力の見える化システムの導入拡大を図った結果、総排出量は41.5%削減となり、目標を達成しました。一方、海外の生産拠点においては、原単位向上目標2%(平成24年度比)に向け、各拠点独自或いは他拠点の削減施策を展開した結果、生産効率の向上も合わせ、原単位7.7%向上を達成しました。
また、ネオレストなど、トイレの腰掛便器の主力製品を生産する省エネモデル工場として建設した滋賀工場新西棟が、「最先端の省エネ技術を導入したモデル工場プロジェクト」として、「平成25年度 省エネ大賞・省エネ事例部門」において、最高賞の「経済産業大臣賞」を受賞しました。これは、大幅な省エネとCO2排出量削減を実現、窯業分野の製造工場のモデル事例としても高く評価されたものです。
「社会貢献」
社員の環境意識の向上、社外のステークホルダーへの参加呼びかけなどの効果もあり、地球環境に貢献するボランティア活動「グリーンボランティア」の平成25年度の参加人数は目標の35,000人を大きく上回りました。
市民の水に関わる環境への取り組みを支援するための活動「TOTO水環境基金」においては、社員のボランティア活動実績や、お客様に前年度に購入していただいたTOTOの節水商品の節水効果を金額に換算して助成金算出のベースとするなど、ステークホルダーの皆様の環境貢献への関わりが増すほど、助成金が増えていくように仕組みを一新しました。これによって、社会全体との協働を通した環境貢献を目指していきます。
「ひとづくり」
グループ社員が、自ら環境に関する知識を得て、意識を持って行動する「ひとづくり」を目指して、全員を対象としたeラーニング、階層別教育など、環境知識習得の場を体系化しています。習得した知識は、日々の業務のみにとどまらず、各地域における「グリーンボランティア」活動への参加、ショールームや工場での親子エコ教室、学校への出張授業などにおいて、実践しています。
(2)株式会社の支配に関する基本方針について
当社は、会社法及び会社法施行規則に基づき、会社の支配に関する基本方針について取締役会において次のとおり決議いたしております。
①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの事業特性、並びに当社の企業価値の源泉を十分理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させることができる者であることが必要と考えております。
当社は、大正6年の創業以来、一貫して「社会の発展への寄与」を理念とする経営を行ってまいりました。水まわりを中心とした豊かで快適な生活文化創造にあたっては、たゆまぬ研究開発と市場開拓を行い、必要な設備や人財育成に長期的投資を行うことによって、日本市場の中で、「環境配慮」を実現する節電・節水技術の開発、「清潔・快適」「ユニバーサルデザイン」を実現する素材開発、「安心・信頼」を実現するビフォア・アフターサービス体制等、総合的な事業活動による価値の創造と提供を図ってまいりました。現在では、日本市場で築いた事業モデルを活かし、米国・アジアをはじめとする世界の水まわり市場の積極開拓により、一層の価値向上を図る一方、日本の水まわり市場において確固たる地位を築いたことによる供給責任にも応えています。創業以来90余年にわたり、広く社会の発展に寄与し続けたことが、現在の当社の企業価値ひいては株主共同の利益につながっています。
当社は、公開会社として、当社株券等を保有する株主の皆様をはじめとするステークホルダーの皆様の期待に応え続けるためにも、これまでに築いた当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうことなく、長期にわたって持続的に向上させていくことが必要と考えております。
そこで、特定の者又はグループによって当社株券等の大量買付行為が行われた場合には、これまで当社の企業価値を支えていただいた株主の皆様のために、当該大量買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するか否かの判断材料の提供と検討期間を確保すると共に、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないと判断される場合には一定の対抗措置を講じることができるように大量買付行為に関する対応方針を定めておくことが必要と考えています。
②基本方針の実現に資する取組み
(ⅰ)社是・企業理念及び中長期経営計画
当社グループは、社是「愛業至誠:良品と均質 奉仕と信用 協力と発展」とTOTOグループ企業理念「私たちTOTOグループは、水まわりを中心とした、豊かで快適な生活文化を創造し、お客様の期待以上の満足を追求し続けることで、社会の発展に貢献します。」に基づき、広く社会や地球環境にとって有益な存在であり続けることを目指して企業活動を推進しております。当社の企業価値の源泉は、①高品質な製品を提供し続けてきた高度な生産技術力、②ユニットバス・ウォシュレット等の新たな生活文化の創造に寄与する商品やネオレスト・ハイドロテクト等の環境配慮商品を創造してきた研究開発力、③お客様の多様なニーズにきめ細やかに対応できる高品質かつ豊富な商品群、④お客様に安心・安全・信頼の証として認知された企業ブランド、⑤取引先との良好かつ長期的なパートナーシップに基づく販売力、⑥前記①~⑤の維持・発展を担う従業員等にあります。
当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させるため、創立100周年を迎える平成29年(2017年)における当社の目指す姿と、その実現に向けた戦略フレームを示した長期経営計画「TOTO Vプラン2017」を策定し、グループを挙げて取り組みを推進しております。
「TOTO Vプラン2017」では、当社が目指す姿として、『「世界中のお客様」に新しい「まいにち」を提供し、これからも必要とされ続ける存在として「真のグローバル企業」になる』ことを掲げています。
戦略フレームにつきましては、国内住設事業、海外住設事業、新領域事業の3つの事業領域と、それらにまたがる「マーケティング革新」「サプライチェーン革新」「ものづくり革新」「マネジメントリソース革新」の4つの全社横断の革新活動をあわせて強力に推進することで経営目標達成に取り組むと共に、環境配慮の取り組みやコーポレート・ガバナンスを強化しています。
更に、「TOTO Vプラン2017」に基づき、全社最適の視点で各事業に取り組んだ結果、基盤の整備が進んだことから、平成24年度から平成26年度にかけての中期経営計画を策定しました。この計画では、改革の継続と加速を図り、「TOTO Vプラン2017」を成長軌道に乗せることを狙いとして、成長市場での事業確立や積極的な投資を行うと共に、TOTO環境ビジョン2017「TOTO GREEN CHALLENGE」の実現に向けて、事業活動そのものが環境貢献となる各種取り組みを推進してまいります。
(ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、経営の客観性・透明性を高め経営責任を明確にすることによって、ステークホルダーの皆様の満足を実現し企業価値を永続的に拡大することが企業経営の要であると考えています。そのために、以下のとおりコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。
(a)取締役及び取締役会
取締役全員で構成する取締役会は、全社・全グループ最適視点の意思決定を行うことは勿論のこと、ステークホルダー最適視点の意思決定、及び取締役相互の職務執行監督を行っています。
取締役は部門最適に陥ることのないよう全社・全グループ最適視点、ステークホルダー最適視点の意思決定を行うと共に、自らの業務執行を実践していくために、取締役会議長及び社外取締役以外の取締役は執行役員を兼任しています。また、取締役の責任を明確にするため、取締役の任期を1年としています。
社外取締役には当社グループが目指す経営を実践している先進企業の経営経験者を2名招聘しています。社外取締役は経験豊富な経営者としての高い知見に基づき、経営全般についてさまざまな助言・提言を行っています。なお、社外取締役は2名とも独立役員です。
(b)監査役及び監査役会
社外監査役2名を含む監査役4名全員で構成する監査役会は、取締役の職務執行に関して適法性並びに妥当性の観点から監査を行っており、取締役会をはじめとする重要会議への出席、代表取締役との定期的な意見交換など、監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制を整備しております。なお、社外監査役は2名とも独立役員です。
(c)指名諮問委員会・報酬諮問委員会
イ)指名諮問委員会
当社役員人事に関する審議・確認等の活動を通じて、当社の経営の客観性並びに透明性の確保に資することを目的として設置しています。取締役会によって選任された委員をもって構成し、社外委員は1名以上の独立役員より選任し、社内委員は代表取締役を委員としています。
ロ)報酬諮問委員会
取締役の報酬の妥当性・客観性確保に資するため報酬諮問委員会を設置し、取締役会は報酬体系及び配分バランスが、定款、株主総会決議事項及び社外に開示している「取締役報酬基本方針」に沿ったものであることを報酬諮問委員会を通じて確認したうえで、報酬を決定しています。なお、報酬諮問委員会は取締役会によって選任された委員及び委員長によって構成されており、委員には独立役員を含む社外委員と、代表権を持たない取締役から選任される社内委員があります。委員の過半数は社外委員とし、委員長は社外委員から選任することとしています。
なお、当社では「独立役員基準」を設けて社外に開示しており、社外取締役及び社外監査役の候補者がその基準を満たす者であることを指名諮問委員会で確認した上で選任しております。
③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
大量買付行為に際して、株主の皆様が当社株式の売却、すなわち大量買付行為を受け入れるか否かの判断を適切に行っていただくためには、大量買付者から提供される情報のみならず、当該行為が当社に与える影響や、大量買付者が当社の経営に参画した場合の経営方針、事業計画の内容等の必要かつ十分な情報、及び当該大量買付行為に対する当社取締役会の評価・意見等も含めた十分な情報が提供されることが不可欠であると考えております。
そこで、当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保に資するため、「当社株式の大量買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」(以下、“本プラン”といいます)を導入しております。
本プランは、大量買付者が大量買付行為を行うにあたり、所定の手続に従うことを要請すると共に、係る手続に従わない大量買付行為がなされる場合や、係る手続に従った場合であっても当該大量買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合には、係る大量買付行為に対する対抗措置として、新株予約権の無償割当て(会社法第277条以下に規定されています。)の方法により、当社取締役会が定める一定の日における株主に対して新株予約権を無償で割り当てるというものです。
本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)には、(ⅰ)大量買付者及びその関係者による行使を禁止する行使条件や、(ⅱ)当社が本新株予約権の取得と引き換えに大量買付者及びその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されております。
④本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて
当社取締役会は、以下の理由から上記③の取り組みが当社の上記①の基本方針及び企業価値ひいては株主共同の利益の確保に資するものであり、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
(ⅰ)買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していると考えられること
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」、「事前開示・株主意思の原則」、「必要性・相当性の原則」)を完全に充足しており、また株式会社東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則の趣旨に合致したものです。なお、本プランは、平成20年6月30日に公表された、経済産業省の企業価値研究会の報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も勘案しております。
(ⅱ)当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としていること
本プランは、当社株券等に対する大量買付行為がなされた際に、当該大量買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、また当社取締役会が株主の皆様のために代替案を提示し、大量買付者と交渉を行うこと等を可能とするために必要な情報や時間を確保することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し向上させることを目的とするものです。
(ⅲ)株主意思を重視するものであること
(a)本プランの更新にあたっては、定時株主総会において株主の皆様の承認をお諮りします。また、本プランの有効期間の満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることとなります。
(b)本プランは、本プランに基づく対抗措置の発動又は不発動の決定を株主の皆様が取締役会に委ねる前提として、当該対抗措置の発動条件を個別の場合に応じて具体的に設定し、株主の皆様に示すものです。加えて、当社取締役会は、本プランに従い対抗措置を発動するか否かの判断を行うにあたり、株主の皆様の意思を尊重する趣旨から必要かつ相当であると判断した場合には、株主総会を開催し、株主の皆様の意思を確認することとしています。
(ⅳ)独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示
当社は、当社取締役会の判断の合理性及び公正性を担保するために、取締役会から独立した機関として、特別委員会を設置します。なお、特別委員会は、当社社外取締役、社外監査役又は社外有識者により構成されます。
加えて、当社取締役会が特別委員会の勧告を最大限尊重した上で決定を行うことにより、当社取締役会が恣意的に本プランに基づく対抗措置の発動を行うことを防ぐと共に、特別委員会の判断の概要については適時かつ適切に株主の皆様等に情報開示することとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるべく本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。
(ⅴ)合理的な客観的要件の設定
本プランは、予め定められた合理的かつ客観的な要件が充足されなければ発動できないように設定されており、取締役会による恣意的な発動を防止できる仕組みを確保しています。
(ⅵ)外部専門家等の意見の取得
本プランにおいては、大量買付者が出現した場合、取締役会及び特別委員会が、当社の費用で、外部専門家等の助言を得ることができることとされています。これにより、取締役会及び特別委員会による判断の公正性及び客観性がより強く担保される仕組みが確保されています。
(ⅶ)デッド・ハンド型やスロー・ハンド型の買収防衛策ではないこと
本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会によりいつでも廃止することができることとしており、デッド・ハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は、取締役任期を1年としており、期差任期制度を採用していないため、本プランは、スロー・ハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができずその発動を阻止するのに時間が掛かる買収防衛策)でもありません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)経営環境に関するリスク
①経済状況の変動
当社グループの製品・サービスに対する需要は、その販売を行っている国又は地域の経済状況の影響を受けるため、世界の市場における景気後退及びこれに伴う需要の減少は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
②為替相場の変動
国際取引や外貨建てで取引している海外での生産、販売等の営業活動取引、また、連結財務諸表作成のため海外連結子会社の資産及び負債等は円換算されるため、為替相場の変動は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
③株価の下落
当社グループは、投資有価証券として株式を保有していますが、当該株式の時価が帳簿価格を著しく下回ることとなった場合、当該株式の評価損の計上が必要となり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
④金利の変動
金利の変動は営業費用、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑤市場環境の変動
当社グループが主たる事業活動を行う住宅関連分野での需要の大幅な変動は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(2)事業活動に関するリスク
①競合他社との競争
当社グループは、多岐にわたる製品の開発・生産・販売・サービスを行っており、さまざまな企業と競合しています。当社グループは、今後とも競争力の維持・強化に向けた様々な取り組みを進めてまいりますが、将来にわたって優位に展開できなくなる可能性があります。
②急激な製品価格の下落
当社グループは、高付加価値商品の開発やコストリダクション活動などに積極的に取り組んでいますが、国内外の市場において激しい競争に晒されており、企業努力を上回る価格下落圧力が生じた場合は、当社グループの利益の確保に深刻な影響を受ける可能性があります。
③海外事業活動における障害
当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略の一つとしています。しかしながら、海外では為替リスクに加え、政情不安、経済動向の不確実性、宗教や文化の相違、商習慣に関する障害、更には投資・海外送金・輸出入・外国為替などの規制の変更や税制の変更等様々な政治的、経済的もしくは法的な障害を伴う可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。
④技術革新の重要性
当社グループの継続的成長及び競争力向上には、新技術や新製品開発のための技術革新が重要となりますが、将来の市場ニーズの変化に適切に対応できなかった場合などにおいては、当社グループの将来の成長や収益性に影響を受ける可能性があります。
⑤企業買収及び他社との業務提携等
当社グループは、経営の効率化と競争力強化のため、企業買収及び資本参加を含む投資、他社との業務提携等による事業の拡大を行うことがあります。新しい製品やサービスを提供するにはこのような経営戦略が不可欠となりますが、活動が円滑に進まない、あるいは当初期待した効果が得られない可能性があります。また、他社が事業戦略を変更した場合には、当社グループは資本参加、業務提携関係等を維持することが困難になる可能性もあります。
⑥原材料等の調達
当社グループの製造事業にとって、高品質の原材料及び部品等を安定的かつタイムリーに入手することは不可欠であり、そのために信頼のおける購入先を選定し調達活動を推進しています。しかし、購入先からの供給が中断した場合や業界内での需要が急増した場合、もしくは需給環境の変化等によりその調達価格が高騰する可能性もあります。このような場合には、購入先の変更や追加、あるいは他の原材料や部品の切り替え等がタイムリーに行うことができず、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。
⑦情報システムに関するリスク
当社グループは、ほとんど全ての業務において情報通信システムのサポートを受けています。また、情報通信システムも年々、複雑化・高度化しています。当社グループは、信頼性向上のため様々な対策を実施し、業務を継続的に運営できる体制を整備していますが、テロ、自然災害、ハッキング等の外的要因や人為的ミス、コンピュータウィルス等により情報通信システムの不具合、故障が生じる可能性があります。業務が一時的に中断し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。
⑧代理店等の財政状況
当社グループの販売取引先は、当社グループとの契約に基づき、代金後払いで製品・サービスを購入している場合があります。
万一、当社グループが多額の売掛債権を有する販売取引先の財政状態が悪化し、契約条件どおりの支払いを受けられない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。
⑨有能な人財確保
当社グループは、人材は最も重要な財産の1つと捉え、グループ内では『人財』と表現しています。
当社グループの将来の永続的な成功は、人財がその能力を高め、会社に継続的に貢献し続けることと考え、経営理念に共感する人財を計画的に確保し、自律人財の育成に注力しています。従って、有能な人財の継続的な確保・育成ができない場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。
(3)中長期経営計画等に関するリスク
①中長期経営計画等の目標達成
当社グループは、創立100周年を迎える平成29年(2017年)に、真のグローバル企業となることを目指す「TOTO Vプラン2017」を推進しています。しかし、当社グループの計画達成に向けた取り組みにもかかわらず、事業環境のさらなる悪化などの要因により、全ての目標達成又は期待される成果の実現に至らない可能性もあります。
②事業構造改革
当社グループは、継続的な成長と収益力のさらなる向上を目指すため、事業の選択と集中を進め、経営の効率化を図ってまいります。しかしながら、これらの事業再編や事業構造改革推進の過程において、費用の増加等によって当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。
(4)法的規制及び訴訟等
①製品の欠陥
当社グループは、厳格な独自品質基準に基づき、製品の品質確保に細心の注意を払っています。しかしながら製品に欠陥が生じた場合、欠陥に起因する直接的・間接的損害に対して、当社グループは製造物賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用の支出が生じる可能性があります。また当該問題に関する報道により、当社グループのブランドイメージの低下、顧客の流出などを招き、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②知的財産権による保護
当社グループは、事業の優位性を確保するため、開発する製品及び技術について知的財産権による保護に努めていますが、出願する特許に対して権利が付与されない場合もあり、知的財産権による十分な保護が得られない可能性があります。また、知的財産権により保護されている第三者の技術を利用したい場合などには、その技術が利用できない、又は不利な条件で利用せざるを得ない場合もあります。加えて、当社グループが知的財産権に関し、第三者より訴訟を提起されたり、当社グループが自らの知的財産権保全のために訴訟を提起しなければならないことがあります。その場合において、多額の訴訟費用が費やされる可能性もあり、また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとの申し立てが認められた場合には、当社グループが特定の技術を利用できない可能性や多額の損害賠償責任を負う可能性もあります。
③会計基準及び税制等の変更
新たな会計基準の適用や新たな税制の導入・変更によって、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、税制等の改正や税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。
④環境に関する規制
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染、有害物質の取扱い・除去、廃棄物処理などを規制する様々な環境関連法令の適用を受けています。当社グループはこれら法令に細心の注意を払い事業活動を行っていますが、過去・現在及び将来の事業活動において、環境に関する費用負担の増加や賠償責任が発生する可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤気候変動に関する規制
気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策などの法令等の規制が強まっています。当社グループにおいて、これら規制の強化に伴い、新たな税負担、事業活動における諸資材・燃料の変更、設備の変更等の対応費用が増加することで、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥情報の流出
当社グループは、事業活動において顧客等のプライバシーや信用に関する情報(顧客等の個人情報を含む)を入手したり、他企業等の情報を受け取ることがあります。当社グループは、これらの情報の秘密保持に細心の注意を払い、情報の漏えいが生じないよう最大限の管理に努めていますが、不測の事態により情報が外部に流出する可能性があります。この場合には、損害賠償等の多額な費用負担が生じたり、当社グループの事業活動やブランドイメージに影響が及ぶ可能性があります。また当社グループの事業上の重要機密が第三者に不正流用される恐れもあり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦その他の法的規制等
当社グループは、日本及び諸外国・地域の様々な規制に従って事業活動を行っています。これらの法規制や許認可制度等が従来よりも厳格になることにより、当社グループの事業活動が制限を受けたり、法規制等に適合するための費用が増加する可能性があります。また、当社グループが、不適切な対応や重大な違反をした場合には、当社グループの事業やブランドイメージに影響が及ぶ可能性があります。
(5)災害等に関するリスク
当社グループの事業拠点は、日本をはじめ世界各地に展開しています。大地震や大津波、台風、洪水などの自然災害やサイバー攻撃、戦争、テロ行為等の事象に伴う惨事、電力等のインフラ停止などの混乱状態に陥る可能性があります。また、重大な労働災害又は強毒化した新型インフルエンザなどの感染症が世界的に流行した場合には、当社グループの設備の損害だけでなく貴重な人的資源に重大な影響を与え当社グループの事業活動の一部又は全体に大きな支障をきたす可能性があります。
この為に、事業拠点の移転や損害を被った設備等の修復の為に多額の費用が発生し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に大きな影響が及ぶ可能性があります。
(6)風評に関するリスク
当社グループは、法令遵守違反などの不適切な行為が発覚した場合は、速やかに適切な対応を図って参りますが、当社グループに対する悪質な風評が、マスコミ報道やインターネット上の書き込み等により発生・流布した場合は、それが正確な事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループの社会的信用が毀損し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(7)その他のリスク
①年金債務
当社及び一部のグループ会社では外部積立による退職年金制度を設けています。今後、金利の低下により退職給付債務に関する割引率を引き下げる必要が生じる可能性や、株価の下落により年金資産の目減りをもたらす可能性があり、その結果、数理計算上の差異(損失)が増加し、将来にわたる退職給付費用が増加する可能性があります。
②固定資産の減損
当社グループでは、固定資産の減損に係る会計基準等に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し減損損失の認識・測定を行っています。その結果、固定資産の減損損失を計上することも予測され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③繰延税金資産
繰延税金資産の計算は、将来の課税所得など様々な予測・仮定に基づいており、経営状況の悪化や税務調査の結果等により、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。従って、将来の課税所得の予測・仮定に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)技術供与契約
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契約会社名 |
契約相手先名称 |
国名 |
契約内容 |
対価の受取 |
契約期間 |
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TOTO㈱ (当社) |
厦門和利多衛浴科 |
中国 |
便座・便蓋・排水弁等の製造技術等の提供 |
一定料率のロイヤルティ |
平成19年1月1日から平成28年12月31日まで |
(2)資本・販売提携の解消
当社は、平成25年5月29日開催の取締役会において、タイにおけるThe Siam Cement Public Company Limited(以下、SCC)との資本・販売提携を解消することを決議いたしました。
1.提携解消の理由
当社とSCCは、それぞれのブランド価値を訴求することを目的として、資本・販売提携を発展的に解消することといたしました。なお、当該提携解消後も、製品の調達(OEM)は継続し、良好な関係を維持してまいります。
2.提携解消の内容
タイ国内における衛生陶器及び水栓金具の生産・販売に関して、合弁会社の資本関係及び販売提携を終了いたしました。
これに伴い、当社とSCCの合弁会社であるSiam Sanitary Ware Co.,Ltd.,(衛生陶器の生産・販売会社)及びThe Siam Sanitary Fittings Co.,Ltd.,(水栓金具の生産・販売会社)の株式の当社保有分すべてをSCCに売却いたしました。
また、当社の完全子会社であるTOTO Asia Oceania Pte. Ltd(統括・販売会社)は、同社とSCCの合弁会社であるTOTO Manufacturing(Thailand) Co., Ltd(衛生陶器・水栓金具の生産・販売会社。以下、TMT)の株式のSCC保有分すべてを購入し、TMTを完全子会社化いたしました。
3.提携解消の相手会社の名称
The Siam Cement Public Company Limited
4.提携解消の日程
平成25年7月2日 資本・販売提携解消
「TOTO Vプラン2017」で目標に掲げた「真のグローバル企業」の実現のため、グローバル5極体制のもと、日本で開発したオンリーワン技術をベースに、地域特性に応じた商品の研究開発を進めています。
また、多様なニーズに対応して、多品種を効率的に生産していくための研究開発を行っています。併せて、組み立てやすい部品の設計やコスト削減、生産リードタイムの短縮を図るために部材のプラットフォーム化を推進しています。
高齢化した社会では、より使いやすく快適で安全な商品や空間が求められており、当社グループでは、年齢や性別、身体的状況、国籍、言語、知識、経験などの違いに関係なくすべての人が快適、安全に使える商品のデザインを行う「ユニバーサルデザイン(UD)」を推進しています。現在では、UD研究所にて、商品開発者がモニターの方々との対話や観察・検証を繰り返し、より使いやすく快適で安全な商品開発を行っています。
燃料電池の発電モジュールとして開発しているセラミック製発電セル(SОFC)は、エネルギー消費量を抑制してCO2の削減に大きく貢献する次世代のエネルギーとして注目されている技術です。これまで当社が培ってきたセラミック技術を応用した研究開発を行っており、高い発電性能と耐久性をもつ発電モジュールの開発に特化し、早期の事業化を目指しています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は174億2千8百万円です。
当連結会計年度におけるセグメント別の活動内容、及び研究開発費は次の通りです。
なお、各セグメントに配賦できない研究開発費が18億1千4百万円あります。
a.国内住設事業
日本市場においては、毎日の暮らしの中でお客様が快適に過ごしながらも、知らず知らずのうちに地球環境を守ることのできる商品の研究開発を進めています。レストルーム商品では、便器のきれいが長持ちする「きれい除菌水(次亜塩素酸水)」、浴室・キッチン・洗面商品では、快適な浴び心地と節水を両立させた「エアインシャワー」のバリエーションを追加・販売し、使いやすさや快適さの向上と共に、環境負荷の低減を実現しています。
また、高齢化した社会に対応した商品として、10年以上にわたり介護の現場の声を反映しながら改善・改良を重ねた「ベッドサイド水洗トイレ」を平成25年9月に発売開始しました。これは、今まで設置が困難であった戸建住宅や高齢者施設の居室内のベッドサイドに後付けで設置でき、要介護者の排泄における自立促進や、介助者の負荷軽減が期待できる商品です。
当セグメントに係る研究開発費は130億1千6百万円です。
b.海外住設事業
海外市場においては、世界的な課題である節水やCO2の削減、大気浄化などの環境配慮を軸に、日本で開発したコアテクノロジーをもとに、高機能・高品質を維持しながら、各国の規制や基準を満たした商品開発を行い、それぞれの地域に合ったデザイン設計を進めています。平成25年度には、建材で培った光触媒技術を衛生陶器用に特化・発展させた「Actilight(アクティライト)」を搭載した「NEOREST AC」を欧州で先行発売すべく研究開発に取り組みました。なお、各生産拠点では、最新技術を導入すると共に、日本で培った技術を伝承し、技術者の育成も進めています。
海外住設事業に係る研究開発費は、合計で9億5千1百万円であり、各セグメントに係る研究開発費は、それぞれ米州が5億9百万円、中国が3億2千万円、アジア・オセアニアが7千4百万円、及び欧州が4千7百万円です。
c.新領域事業
オンリーワン技術を活かした新領域事業の創出に向けて、さまざまな研究開発を行っています。
環境浄化技術「ハイドロテクト」は、当社グループによって、世界で初めて実用化に成功した技術で、内外装タイル建材・塗料・コーティング材等の光触媒層に光が当たると「分解力」と「親水性」が発生し、大気汚染物質(NOx)を除去する空気浄化効果や建物の外観をきれいに保つセルフクリーニング効果、抗ウィルス性・抗菌性等を有しています。また、「ハイドロテクト」を大型セラミックス陶板に施した「ハイドロセラ」シリーズは、高い耐久性によって、各種ビルなどのパブリック物件において信頼を獲得しています。「ハイドロテクト」は、自社製品への応用にとどまらず、パートナー企業と共に多様な建材を通じてさらなる普及を目指しており、国内外で広く環境保全に貢献しています。
セラミック事業においては、半導体の製造装置の分野で、エアスライド、静電チャック、ボンディングキャピラリーなどといった高品質・高精度セラミック製品の研究開発を進めています。また、エアロゾルディポジション(AD)法を用いた緻密で密着力の高い「AD膜」の商材を増やし、幅広く採用いただいています。
新領域事業に係る研究開発費は、合計で16億4千6百万円であり、各セグメントに係る研究開発費は、それぞれセラミック事業が12億9百万円、環境建材事業が4億3千7百万円です。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や合理的な方法等で処理していますが、引当金や資産の収益性の低下等による評価減等については、財政状態及び経営成績に影響を与える見積り額にて計上しています。なお、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果とこれらの見積り額が異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、低金利や所得環境の改善、これに伴う消費者マインドの改善に加え、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要もあって、新設住宅着工戸数の増加傾向などが見られ、売上高は前連結会計年度比16.2%増の5,534億4千8百万円となりました。
利益面では、原材料調達から生産・物流面における高速サプライチェーンの構築を図ると共に、幅広い商品においてプラットフォーム化(標準化・共通化)等のコストリダクションを推進したことなどにより、営業利益は前連結会計年度比101.8%増の471億8千1百万円、経常利益は前連結会計年度比93.3%増の504億1千1百万円となりました。
事業再編費用及び環境対策費等を特別損失として計上した結果、当期純利益は前連結会計年度比160.2%増の441億2千2百万円となりました。
(3)当連結会計年度の財政状態の分析
①流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は、2,588億円(前連結会計年度末は2,054億8千5百万円)となり、533億1千5百万円増加いたしました。
前連結会計年度からの主な増減要因については、現金及び預金が208億1千7百万円の増加、受取手形及び売掛金が182億3千万円の増加となっています。
②固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は、2,175億8千6百万円(前連結会計年度末は2,029億6千9百万円)となり、146億1千7百万円増加いたしました。
前連結会計年度からの主な増減要因については、建設仮勘定が99億9百万円の増加、投資有価証券が41億5千万円の増加、機械装置及び運搬具が30億6千9百万円の増加、土地が48億4千8百万円の減少となっています。
③負債
当連結会計年度末における負債の残高は、2,197億9千万円(前連結会計年度末は1,950億4千3百万円)となり、247億4千7百万円増加いたしました。
前連結会計年度からの主な増減要因については、退職給付に係る負債が371億3千1百万円の増加、長期借入金が160億9千8百万円の増加、支払手形及び買掛金が115億2千4百万円の増加、未払金が59億6千7百万円の増加、未払費用が46億5千8百万円の増加、退職給付引当金が321億8千2百万円の減少、短期借入金が229億4千万円の減少となっています。
④純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は、2,565億9千6百万円(前連結会計年度末は2,134億1千万円)となり、431億8千5百万円増加いたしました。
前連結会計年度からの主な増減要因については、当期純利益441億2千2百万円による利益剰余金の増加、為替換算調整勘定150億1千万円の増加、その他有価証券評価差額金44億6千4百万円の増加、自己株式の消却99億4千5百万円による利益剰余金の減少、退職給付に係る調整累計額66億3千5百万円の減少、配当金未払61億1千6百万円による利益剰余金の減少となっています。
(4)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載の通りです。