当期におけるわが国経済は、政府の経済対策等に支えられた建設投資の増加に加え、設備投資の持ち直しや個人消費の増加等を背景とし、緩やかな回復の動きが見られた。
セメント業界においては、東日本大震災の復興需要に加え、全国的な防災・減災関連需要の増加等により官公需が押し上げられ、民間住宅投資・民間設備投資の増加により民需も増加したことから、セメント国内需要は、前期を7.0%上回る47,705千トンとなった。一方、輸出は、前期を11.7%下回った。この結果、輸出分を含めた国内メーカーの総販売数量は、前期を3.9%上回る55,455千トンとなった。
このような情勢の中で、当社グループは、セメントをはじめとする各種製品の安定供給を推進するとともに、持続的発展を目指し、グループを挙げてコスト削減等への取り組みに注力した。
以上の結果、当期の売上高は、セメント事業等で増収となったことから、235,078百万円と前期実績を7.3%上回った。
損益については、セメント事業等で増益となったことから、経常利益は、22,400百万円と前期に比べ7,788百万円の増益となり、また、当期純利益は、13,331百万円と前期に比べ5,870百万円の増益となった。
セグメントの業績は、次の通りである。
1. セメント
販売数量が前期を上回ったことから、売上高は、183,188百万円と前期に比べ7,342百万円(4.2%)増となった。また、営業利益は、リサイクル原燃料の利用拡大をはじめとする生産コスト等の削減により、16,575百万円と前期に比べ4,430百万円(36.5%)増となった。
2. 鉱産品
海外の鉄鋼向け石灰石及び骨材の販売数量が増加したことなどから、売上高は、12,937百万円と前期に比べ1,228百万円(10.5%)増となり、営業利益は、採掘コストが改善したことなどから、1,292百万円と前期に比べ357百万円(38.3%)増となった。
3. 建材
民間の地盤改良工事が増加したことに加え、コンクリート構造物補修・補強材等の販売数量が増加したことなどから、売上高は、20,468百万円と前期に比べ5,181百万円(33.9%)増となり、営業利益は、原材料費等のコスト削減により、1,793百万円と前期に比べ1,496百万円(502.9%)増となった。
4. 光電子
新伝送方式用光通信部品の販売数量が増加したことから、売上高は、6,545百万円と前期に比べ2,288百万円(53.8%)増となり、営業利益は、1,101百万円と前期に比べ1,120百万円増となった。
5. 新材料
高機能フィルム事業の見直しにより、PDP(プラズマディスプレイパネル)用フィルターの生産・出荷を終了したことなどから、売上高は、4,852百万円と前期に比べ982百万円(16.8%)減となったものの、半導体製造装置向け電子材料の販売数量が増加したことに加え、コスト削減に努めたことなどから、営業利益は、701百万円と前期に比べ126百万円(21.9%)増となった。
6. その他
エンジニアリング事業において電気設備工事が増加したことに加え、ソフトウエア販売事業において販売件数が増加したことなどから、売上高は、7,085百万円と前期に比べ937百万円(15.2%)増となったものの、電池材料事業において量産体制構築に伴う費用が発生したことなどから、営業利益は、51百万円と前期に比べ16百万円(24.9%)減となった。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によって32,537百万円増加し、また、投資活動によって17,950百万円減少し、財務活動によって7,967百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べて6,850百万円の増加となった。その結果、当連結会計年度末の資金残高は31,928百万円(前年同期比27.3%増)となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、32,537百万円(前年同期比8.4%の収入増加)となった。これは、税金等調整前当期純利益21,619百万円、減価償却費16,599百万円をはじめとする内部留保等によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、17,950百万円(前年同期比3.4%の支出増加)となった。これは、固定資産の取得による支出17,711百万円があったこと等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、7,967百万円(前年同期比47.5%の支出減少)となった。これは、長期借入れによる収入8,112百万円、長期借入金の返済による支出11,479百万円及び配当金の支払額3,121百万円があったこと等によるものである。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りである。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
セメント | 59,567 | 98.0 |
鉱産品 | 8,378 | 104.9 |
建材 | 3,363 | 96.5 |
光電子 | 4,677 | 139.8 |
新材料 | 2,359 | 70.1 |
その他 | 1,543 | 112.4 |
合計 | 79,890 | 99.4 |
(注) 1. 金額は製造原価ベースである。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次の通りである。
セグメントの名称 | 受注高 | 前期比(%) | 受注残高 | 前期比(%) |
建材 | 16,300 | 132.7 | 4,100 | 111.9 |
その他 | 2,546 | 69.0 | 1,112 | 64.9 |
合計 | 18,846 | 117.9 | 5,213 | 96.9 |
(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
2. 対象は、建材セグメントにおける各種工事、不動産・その他事業における各種ソフトウエア製作、各種電気工事等である。なお、上記以外のセグメントについては、受注生産形態をとらない製品がほとんどであるため、記載を省略した。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りである。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
セメント | 183,188 | 104.2 |
鉱産品 | 12,937 | 110.5 |
建材 | 20,468 | 133.9 |
光電子 | 6,545 | 153.8 |
新材料 | 4,852 | 83.2 |
その他 | 7,085 | 115.2 |
合計 | 235,078 | 107.3 |
(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
2. 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上となる取引先が存在しないため、記載を省略した。
当社グループの基幹事業であるセメント業界においては、民需は、民間住宅投資と民間設備投資の増加により堅調に推移することが見込まれる。さらに、官公需も、東日本大震災の復興需要等により増加すると予想されることから、内需は、増加するものと思われる。
当社グループは、このような情勢のもと、セメント事業においては、国内においては、需要の変動に対応した柔軟な生産・販売・物流体制の確立による安定供給の推進に引き続き注力するとともに、販売価格の適正化に努めていく。また、海外においては、新たな展開を図るため、成長が見込まれる地域への進出を模索していく。その他の事業においては、生産・販売の海外展開、経営資源の重点的な配分等、事業規模の拡大及び収益の向上のための諸施策を推進していく。
さらには、コンプライアンスの徹底を引き続き推進するとともに、当社グループにとって社会的使命であるリサイクル原燃料の活用による循環型社会構築への貢献及び環境負荷の低減並びに東日本大震災の災害廃棄物の受入・処理について、引き続き積極的に取り組んでいく所存である。
<会社の支配に関する基本方針>
(1) 基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましいと考えている。
もっとも、当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思に基づき決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考える。
しかしながら、当社株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、株主が買付けの条件等について検討したり、当社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、株主共同の利益を毀損するものもありえる。
このような大規模な買付行為や買付提案を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと判断する。
(2) 基本方針の実現に資する取組み
当社は、「私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。」という企業理念のもと、「セメント事業」及び関連する「鉱産品事業」・「建材事業」を通じて、社会資本整備や重厚産業に不可欠な基礎資材を提供している。また、独自技術の開発や外部技術の導入によって、「光電子事業」・「新材料事業」等を展開し、先端技術分野向けの部材や各種材料の供給を行っている。そして、これら5つの事業を効率的に運営することにより、経営の安定化と着実な成長を実現し、社会への貢献と株主の期待に応えてきた。
また、これら5つの事業に加え、現在、当社が事業拡大のため、注力している事業の一つが「電池材料事業」である。
「光電子事業」・「新材料事業」・「電池材料事業」の手がける分野は、市場ニーズの変化や、競争が激しいものの、今後とも市場の拡大が期待できる分野である。今後も、当社独自の技術力に加え、他社・各種研究機関との提携、共同研究を通じて、これら市場の拡大が期待できる分野において、より早く、より低コストで、より付加価値の高い製品を開発・供給することで、事業の拡大に努めるとともに、当社が長年培ってきた有形・無形の経営資源を活用し、全社的な安定収益構造を確立することで、企業価値を高めていく。また、株主、地域社会、取引先、従業員その他ステークホルダーとの信頼関係を維持するとともに、各ステークホルダーの信頼にこたえるべく努力していく。
また、当社は、「監査役設置会社」の形態を採用し、業務に精通した取締役と経営に対する監督機能の強化を図るために選任された独立役員である社外取締役からなる取締役会における審議等を通じて的確な判断を行い、業務の効率化に努めるとともに、監査役の監査機能の充実を図っている。
さらに、経営における意思決定・監督機能と執行機能の分離による各々の機能の強化や意思決定の迅速化と権限・責任の明確化により経営の効率化を図るため、「執行役員制度」を導入している。
(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、上記基本方針に基づき、平成20年6月27日開催の当社第145回定時株主総会において株主の承認をえて、当社株式の大規模買付行為への対応策を導入した。また、平成23年6月29日開催の当社第148回定時株主総会において株主の承認をえて、その内容を一部改定した上で、更新した(更新後の当社株式の大規模買付行為への対応策を、以下「旧プラン」という。)。その後、平成26年5月13日に開催された当社取締役会において、旧プランの内容を一部改定した上で更新すること(改定後のプランを、以下「本プラン」という。)を決定し、平成26年6月27日開催の第151回定時株主総会において、承認された。
本プランの概要については、以下の通りである。
① 本プランの対象となる当社株式の買付け
本プランの対象となる当社株式の買付けとは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者等」という。)とする。
② 特別委員会の設置
当社取締役会は、大規模買付ルールに則った手続の進行並びに当社の株主の利益及び当社の企業価値を守るために適切と考える方策を取る場合におけるその判断の合理性及び公正性を担保するため、当社取締役会から独立した機関として特別委員会を設置する。
③ 大規模買付ルールの概要
当社が設定する大規模買付ルールの概要は、以下の通りである。
1)大規模買付者等による意向表明書の当社への事前提出
大規模買付者等が大規模買付行為を行おうとする場合には、まず当社取締役会宛に、大規模買付ルールに従う旨の誓約及び大規模買付者の名称等を日本語で記載した意向表明書を提出する。
2)大規模買付者等による必要情報の提供
当社は、意向表明書受領後、大規模買付者等から当社取締役会に対して、株主の判断及び取締役会としての意見形成のために提供を求める必要かつ十分な情報(以下「大規模買付情報」という。)のリストを当該大規模買付者等に交付し、大規模買付者等は、本大規模買付情報のリストに従い、本大規模買付情報を当社取締役会に提出する。
3)取締役会による評価期間等
当社取締役会は、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者等が当社取締役会に対し大規模買付情報の提供を完了した後、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間を設定する。
④ 大規模買付行為が為された場合の対応方針
1) 大規模買付者等が大規模買付ルールを遵守した場合
当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置はとらない。
但し、大規模買付者等が大規模買付ルールを遵守した場合であっても、当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断する場合には、例外的に、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として必要かつ相当な範囲内で、新株予約権の無償割当て等、会社法その他の法律が認める対抗措置をとることがある。
2) 大規模買付者等が大規模買付ルールを遵守しない場合
大規模買付者等が大規模買付ルールを遵守しなかった場合で、かつ当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保するために必要であるときには、当社取締役会は、新株予約権の無償割当て等、会社法その他の法律が認める対抗措置をとり、大規模買付行為に対抗することとする。
3)対抗措置の発動の手続
対抗措置をとる場合には、その判断の合理性及び公正性を担保するために、まず当社取締役会は対抗措置の発動に先立ち、特別委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問し、特別委員会は十分検討した上で対抗措置の発動の是非について勧告を行うものとする。
当社取締役会は、対抗措置の発動の是非を判断するにあたり、特別委員会の勧告を最大限尊重する。
4)株主意思確認総会の開催
当社取締役会は、対抗措置の発動勧告について、特別委員会が対抗措置の発動に関してあらかじめ株主の意思を確認するべき旨の留保を付した場合であって、当社取締役会が、適切と判断する場合には、実務上可能な限りすみやかに株主総会(以下「株主意思確認総会」という。)を開催し、対抗措置の発動に関する株主の意思を確認することができるものとする。
株主意思確認総会を開催する場合には、当社取締役会は、株主意思確認総会の決議に従う。
⑤ 本プランの有効期間
本プランの有効期間については、平成26年6月27日開催の当社第151回定時株主総会の終結時から平成29年6月開催予定の第154回定時株主総会の終結時までとする。
(4) 上記(2)及び(3)の取組みが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
当社取締役会は、上記(2)の取組みは、当社の企業価値を継続的かつ持続的に向上させることを目的とするものであるから、上記(1)に記載した基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものではなく、また当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと判断している。
また、当社取締役会は、次の理由から上記(3)の取組みが上記(1)に記載した基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものではなく、また当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと判断している。
① 買収防衛策に関する指針等の要件を充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則をすべて充足している。また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」その他の買収防衛策に関する実務、議論を踏まえた内容となっており、合理性を有するものと考えている。更に、本プランは、株式会社東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則等の趣旨に合致するものである。
② 株主意思を重視するものであること
本プランは、平成26年6月27日開催の当社第151回定時株主総会での承認により発効しており、株主の意思が反映されている。
また、当社取締役会は、一定の場合に、本プランに定める対抗措置の発動の是非について、株主意思確認総会において株主の意思を確認することとしている。
更に、本プラン更新後、有効期間満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の意思が反映される。
③ 当社取締役の任期が1年とされていること
当社は、取締役の任期を1年としており、経営陣の株主に対する責任をより明確なものとしている。また、本プランは、株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとしていることから、取締役選任議案に関する議決権の行使を通じて、本プランに対する株主の意思を反映させることも可能となっている。
④ 特別委員会の判断の重視と情報開示
本プランにおける対抗措置の発動等の運用に際しての実質的な判断は、独立性の高い社外取締役及び社外有識者で構成される特別委員会により行われることとされている。
また、その判断の概要については株主に情報開示をすることとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に適うように本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されている。
⑤ 合理的な客観的要件の設定
本プランにおける対抗措置は、合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえる。
⑥ デッドハンド型買収防衛策ではないこと
本プランは、当社の株券等を大規模買付者等が指名し、株主総会で選任された取締役により、廃止することができるものとして設計されており、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではない。
有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
当社グループの基幹事業であるセメントの国内需要は、わが国の公共投資や民間設備投資等の動向に強く影響を受けている。そのため、国内の公共投資や民間設備投資が予測を上回る急激なスピードで減少した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、セメントは社会資本を整備する上で欠かすことのできないものであり、中長期的には一定規模以上の需要は安定的に確保されることが予想される。また、当社グループは当面の国内需要の減少を見据え、過年度においてセメント工場閉鎖による生産体制の見直しを行うとともにさまざまなコスト削減や販売価格の改善にも取り組んでいる。
当社グループの主力製品であるセメントの製造には、石灰石、粘土、石炭等さまざまな原燃料を使用している。そのため、それら原燃料の価格高騰はセメント製造コストの増加を招き、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、セメント製造の主原料である石灰石は長期にわたって当社グループの自社鉱山より安定して供給することができる体制が整っている。一方、セメント製造の主原燃料である石炭は、今後の情勢次第では高騰する可能性がある。当社グループは石炭の調達価格上昇によるコスト増加分は販売価格への転嫁に努め、業績への影響の軽減を図っている。
当社グループは、主力製品である各種セメントや生コンクリートについては建設業等の大口顧客やそれら建設業等の大口顧客を取引先とする販売店との取引を行っている。それら取引先等の業績が急激に悪化し、当社グループの債権について貸倒れによる損失が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。そのため、当社グループは「SS(セメント・サービス・ステーション)渡し」による売掛債権圧縮や取引先に対する流動性担保の確保等を推進し与信管理を強化している。
セメント産業は装置産業であり、当社グループのセメント工場は大型設備を有している。そのため、重大故障、火災、事故、自然災害、停電その他の予期せぬ事態により、工場操業に支障を来す事態が発生した場合、復旧するための時間やコストを浪費することになり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、当社グループは全ての工場において定期的な設備点検や災害防止パトロールを行い、生産計画に基づいた安定操業を図るべく万全の配慮を払っており、想定されるリスクが発生する可能性は低いものと考えている。また、当社グループは全国6拠点(当社4工場、関係会社2工場)にセメント工場を有しており、仮にどこか1つの工場で操業に支障を来す事態が発生した場合でも、セメント工場間の操業振替や業務提携先からの仕入等により取引先に対するセメント供給は安定して行うことが可能である。
固定資産減損会計の適用に伴い、固定資産が収益性の低下や市場価値の下落により投資額の回収が見込めないと判断された場合、将来の収益計画等に関する予測に基づき、固定資産の帳簿価格を回収可能価額まで減額する固定資産の減損処理が必要となる。現時点では、固定資産減損会計への対応は完了しているが、今後の地価の動向や事業環境の変化により、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績の状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。
該当事項なし。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、常に独創技術の開発を基本理念として、主力事業であるセメント・コンクリート、並びにその周辺分野である建設資材等に関する新技術・新製品の研究開発をはじめ、それらの基盤技術をベースとした新規事業である光電子・新材料事業分野における研究開発に至るまで、幅広く積極的な研究開発活動を行っている。
当社グループの研究開発体制は、セメント・コンクリート研究所、新規技術研究所、建材事業部、光電子事業部、新材料事業部、電池材料事業部より構成されており、研究開発スタッフは、約200名である。
なお、当連結会計年度における研究開発費は3,507百万円であり、各セグメントの研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次の通りである。
1. セメント
当社のセメント・コンクリート研究所が、セメント事業に係わるセメント、コンクリート及びその関連分野の研究、開発を行っている。なお、当事業に係る研究開発費は1,175百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りである。
①セメント・固化材の品質及び環境負荷低減に対応したセメント製造技術に関する研究
②資源循環型社会に向けたリサイクル資源の原燃料化に関する研究
③高機能・高性能コンクリートの開発
④接着接合型舗装用コンクリートの実用化
⑤土壌汚染対策技術の開発
2. 建材
当社のセメント・コンクリート研究所が、建材事業に係わるセメント関連製品の研究、開発を行い、建材事業部が、それをもとに商品化及び改良、用途開発を行い、新商品の初期事業化を行っている。また、建材事業部独自にて、電気防食、海洋製品の開発を手掛けている。なお、当事業に係る研究開発費は208百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りである。
①断面補修材・表面被覆材料の高性能化
②無機系、あと施工アンカー注入材
③新型陽極材
④イセエビ増殖礁
3. 光電子
当社の新規技術研究所が光電子分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに光電子事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っている。なお、当事業に係る研究開発費は732百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りである。
①100G伝送に用いられる小型LN変調器の開発
②LN変調器の広帯域化技術の開発と商品化
③次世代材料を用いた光デバイスの基盤技術開発
4. 新材料
当社の新規技術研究所が新材料分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに新材料事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っている。なお、当事業に係る研究開発費は986百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りである。
①シリコーンハイブリッド材料、化粧品用酸化亜鉛の商品開発推進
②次世代装置向け静電チャックの要素技術拡充
③高機能性粒子及び複合粒子材料の基盤技術開発
5. その他
当社の新規技術研究所が電池材料分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに電池材料事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っている。なお、当事業に係る研究開発費は403百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りである。
①二次電池正極材料車載用パワーモデルの開発
②二次電池正極材料高体積エネルギー密度モデルの開発
③新規電池(色素増感太陽電池、燃料電池)の商品開発
当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析は、以下の通りである。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
(1)経営成績(業績)の分析
当連結会計年度の経営成績の概況については、「1 業績等の概要の(1)業績」に記載している。
1 セメント需要、当社セメント販売数量の推移(最近5連結会計年度)
| 平成22年3月 | 平成23年3月 | 平成24年3月 | 平成25年3月 | 平成26年3月 |
セメント需要 |
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国内需要(千トン) | 42,731 | 41,613 | 42,650 | 44,577 | 47,705 |
輸出(千トン) | 11,054 | 9,967 | 10,006 | 9,632 | 8,503 |
当社販売数量 |
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国内(千トン) | 8,576 | 8,651 | 8,746 | 9,191 | 9,502 |
輸出(千トン) | 1,112 | 1,178 | 1,136 | 1,041 | 884 |
計(千トン) | 9,688 | 9,830 | 9,883 | 10,232 | 10,387 |
2 売上高、損益の推移(最近5連結会計年度)
| 平成22年3月 | 平成23年3月 | 平成24年3月 | 平成25年3月 | 平成26年3月 |
売上高(百万円) | 194,624 | 201,644 | 217,044 | 219,083 | 235,078 |
営業利益(百万円) | 2,776 | 6,738 | 8,136 | 13,959 | 21,504 |
経常利益(百万円) | 785 | 5,262 | 7,666 | 14,612 | 22,400 |
当期純利益又は純損失(△) | △1,002 | 920 | 3,645 | 7,460 | 13,331 |
総資産額(百万円) | 311,707 | 310,746 | 309,890 | 315,734 | 325,328 |
売上高経常利益率(%) | 0.4 | 2.6 | 3.5 | 6.7 | 9.5 |
総資産経常利益率(%) | 0.3 | 1.7 | 2.5 | 4.7 | 7.0 |
(2)財政状態(流動性及び資本の源泉)の分析
当連結会計年度末の総資産は325,328百万円となり、前連結会計年度末に比べて9,593百万円の増加となった。流動資産は101,425百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,909百万円の増加となった。固定資産は223,902百万円となり、前連結会計年度末に比べて、3,683百万円の増加となった。
流動資産増加の主な要因は、現金及び預金の増加等によるものである。固定資産増加の主な要因は、投資有価証券の増加等によるものである。
当連結会計年度末の負債の合計は170,507百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,250百万円の減少となった。流動負債は99,362百万円となり、前連結会計年度末に比べて8,988百万円の増加となった。固定負債は71,144百万円となり、前連結会計年度末に比べて11,239百万円の減少となった。
流動負債増加の主な要因は、1年以内返済予定の長期借入金の増加等によるものである。固定負債減少の主な要因は、長期借入金及び社債の減少等によるものである。
当連結会計年度末の純資産は154,821百万円となり、前連結会計年度末に比べて11,844百万円の増加となった。主な要因は、利益剰余金の増加等によるものである。
なお最近5連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローにより現金及び現金同等物(以下「資金」という)を確実に獲得し、その資金を設備投資に活用した。有利子負債の残高については、平成26年3月期には98,147百万円となった。
1 キャッシュ・フローの推移(最近5連結会計年度)
| 平成22年3月 | 平成23年3月 | 平成24年3月 | 平成25年3月 | 平成26年3月 |
営業活動によるキャッシュ・ | 24,555 | 21,548 | 23,243 | 30,015 | 32,537 |
投資活動によるキャッシュ・ | △21,525 | △15,048 | △16,314 | △17,362 | △17,950 |
財務活動によるキャッシュ・ | 1,765 | △10,991 | △6,111 | △15,173 | △7,967 |
現金及び現金同等物の期末残高(百万円) | 30,800 | 26,277 | 27,093 | 25,078 | 31,928 |
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は、「1 業績等の概要の(2)キャッシュ・フローの状況」に記載した通りである。
2 有利子負債の推移(最近5連結会計年度)
| 平成22年3月 | 平成23年3月 | 平成24年3月 | 平成25年3月 | 平成26年3月 |
有利子負債残高(百万円) | 129,870 | 120,576 | 116,209 | 102,810 | 98,147 |
純資産額(百万円) | 125,044 | 128,541 | 131,782 | 142,976 | 154,821 |
有利子負債/純資産(%) | 103.9 | 93.8 | 88.2 | 71.9 | 63.4 |
(注) 有利子負債残高は短期借入金、社債及び長期借入金の合計額である。
当社グループは、設備投資の選別及び資産の効率化推進並びに合理化等により、有利子負債の削減を進めている。今後においても、収益力の改善に努め、有利子負債の削減を継続していく方針である。