当社は当連結会計年度から決算期(事業年度の末日)を3月31日から12月31日に変更しています。決算期変更の経過期間となる当連結会計年度は、連結対象期間(当社及び国内連結子会社:平成26年4月1日~同年12月31日、海外連結子会社:平成26年1月1日~同年12月31日)が前連結会計年度と異なるため、前連結会計年度との比較増減を記載しておりません。なお、経過期間の措置として、海外連結子会社の平成26年1月1日から同年3月31日までの損益については、連結貸借対照表における株主資本の利益剰余金に直接加減しています。
(1) 業績
当連結会計年度においては、世界経済は、欧州では緩やかな持ち直しの動きが見られた一方、一部地域をめぐる地政学的リスクや原油安の影響などもあり予断を許さぬ状況が続きました。米国では、堅調な雇用情勢や個人消費の増加などにより、景気回復が進みました。また、中国では景気に減速感が見られたものの、引き続き安定した成長を維持しました。国内経済は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動の影響を受けつつも、雇用の改善や堅調な株式市況などを背景に緩やかに回復しました。
このような中、当社グループ(当社及び連結子会社)においては、販売面では、電子・情報用ガラスは、主力の液晶ディスプレイ(LCD)用基板ガラスが需要回復の一方で製品価格が下落し、販売は低調に推移しました。モバイル端末用カバーガラスは、採用機種や販路の拡大に成果が見られたものの、ハイエンド機種の需要減速の影響を受け伸び悩みました。電子デバイス用ガラスは、イメージセンサ用カバーガラスの販売がデジタルカメラ市場の不振により低迷しました。一方、光関連ガラスは、通信インフラ需要の拡大を背景に好調な販売が続きました。太陽電池用基板ガラスは、概ね堅調でした。なお、プラズマディスプレイ用基板ガラスは、顧客の撤退により第2四半期連結会計期間(平成26年7月1日~同年9月30日)をもって販売を終了し、ブラウン管用ガラスは、市場縮小の影響により第3四半期連結会計期間(平成26年10月1日~同年12月31日)をもって成形生産を終了しました(一部在庫品の加工・販売は継続)。その他用ガラスでは、ガラスファイバは、自動車部品向け高機能樹脂用が北米を中心とする自動車市場の拡大を背景に、また、セメント強化用が海外を中心に受注を増やし、それぞれ販売が増加しました。建築用ガラスは、国内の大型物件や海外物件の受注が増加し販売が回復しました。耐熱ガラスは、景気回復の動きに沿って緩やかに持ち直しました。医薬用管ガラスは、海外向けの販売を中心に概ね堅調に推移しました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,926億92百万円となりました。
損益面では、生産性改善や費用削減などにおいて一定の成果があったものの、製品価格の下落や原燃料コストの上昇、電気硝子(Korea)株式会社の新設備の稼働に係る費用、開発コストなどが利益を下押しし、営業利益は52億23百万円となりました。一方、主として、円安による為替差益が寄与し、経常利益は68億83百万円となりました。また、ガラス溶解炉の修理予定がなくなったことに伴い特別修繕引当金を戻入したことなどにより、当期純利益は59億38百万円となりました。
なお、当社グループのセグメントは、ガラス事業単一です。
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) キャッシュ・フローの状況
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
税金等調整前当期純利益は低調でした。近年の設備投資により減価償却費が高い水準でした。また、電気硝子(Korea)株式会社の第2期投資設備の生産開始などにより仕入債務が増加しました。これらにより、営業活動によって得られた資金は388億37百万円となりました。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
主として、電気硝子(Korea)株式会社の第2期投資に係る固定資産の取得による支出があったため、投資活動に使用した資金は292億64百万円となりました。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
社債の償還や長期借入金の返済及び配当金の支払いがあった一方で、新たな社債の発行による収入があり、財務活動によって得られた資金は16億98百万円となりました。
上記に、現金及び現金同等物に係る換算差額10億45百万円、及び、決算期変更に伴う現金及び現金同等物の減少額63億81百万円を合わせ、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、1,298億23百万円となりました。
(1) 生産実績
当連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成26年12月31日)における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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ガラス事業 |
189,235 |
- |
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合計 |
189,235 |
- |
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(注)1.当社は当連結会計年度から決算期を3月31日から12月31日に変更しています。決算期変更の経過期間となる当連結会計年度の連結対象期間は前連結会計年度と異なるため、前連結会計年度との比較増減は記載しておりません。
2.生産金額は、平均販売価額により算出したものです。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
基本的に見込み生産を行っています。なお、当連結会計年度において特記すべき事項はありません。
(3) 販売実績
当連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成26年12月31日)における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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ガラス事業 |
192,692 |
- |
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合計 |
192,692 |
- |
|
(注)1.当社は当連結会計年度から決算期を3月31日から12月31日に変更しています。決算期変更の経過期間となる当連結会計年度の連結対象期間は前連結会計年度と異なるため、前連結会計年度との比較増減は記載しておりません。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成26年12月31日) |
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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LGディスプレイ㈱ |
95,489 |
37.8 |
60,895 |
31.6 |
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(1) 対処すべき課題に対する基本方針
激しい国際企業間競争に加えて、社会構造の変化に伴い求められる製品ニーズの変化や技術の高度化、製品ライフの短命化など、当社グループを取り巻く環境は大きく変化しています。こうした変化に迅速・的確に対処しつつ強固な経営体質と経営基盤を構築し、将来に亘る事業の存続・発展を期すると同時に、コンプライアンスをはじめ「環境保全」、「障害者雇用の促進」、「地元貢献」を重点テーマに据えて、企業の社会的責任の履行を通じて企業価値の向上を図ることを経営の基本方針に置いています。
また、当社グループの中長期的な経営戦略として、以下のものを掲げています。
①バランスの取れた事業構造の構築と持続的成長の実現
―「ディスプレイを強く、ノンディスプレイを大きく」を旗印に推進 ―
○「ディスプレイを強く」
ディスプレイ用ガラス事業においては、国内事業場は最先端の製造技術開発を担うマザー工場として、また、海外事業場はそれらの技術をベースとした最新鋭設備による高効率の量産工場としての機能に重点を置き、生産性向上とコスト低減による収益力の強化、並びに成長市場における積極的な事業展開を図り、安定して利益を創出できる体制を構築します。同時に、ディスプレイの更なる高精細化・高機能化などに対応した製品や新たな技術の開発、育成にも注力し、様々なディスプレイの進化に迅速・的確に対応します。
○「ノンディスプレイを大きく」
社会や人々の生活の発展に伴い成長が期待される以下の分野を中心に、ノンディスプレイ用ガラス事業を拡大します。これにより、ディスプレイ用ガラス事業とあわせ、バランスの取れた盤石な事業構造を構築し、持続的かつ安定的な成長を実現します。
・モビリティ
自動車、鉄道等、モビリティ産業の進化とともに、快適性能、環境性能の向上に資する様々なガラス製品の需要増加が期待されます。車両の軽量化、低燃費化に貢献する高機能樹脂用ガラスファイバの需要拡大については、グローバルな供給体制で積極的に対応します。また、電気・電子制御系部品、各種センサー、車載表示装置や情報通信機器、車載カメラなどにおいて、次世代車両や次世代運行システムの実現に向けた新たな製品を開発し、市場に投入します。
・情報通信
人々の生活や企業活動、社会インフラなどにおける情報通信技術の発展に伴い、通信量が世界中で飛躍的に増大することが見込まれています。こうした中、通信の更なる高速化を可能とする通信デバイスなど情報通信技術の進化とともに、通信基地局や大容量のデータセンター等、通信インフラの需要が急速に拡大しています。光関連ガラスや電子デバイス用ガラスにおいて、これら最先端の情報通信技術に対応した製品を開発するとともに、通信機器、通信設備関連の需要拡大に的確に応えます。
・医療
優れた耐薬品性を持つ医薬用管ガラスや、コンピューター断層複合画像(PET/CT)と磁気共鳴画像(MRI)の同時診断を可能にする放射線・電磁波同時遮へい用ガラスなど、先端医療に係るガラス製品を提供するとともに、検査器具や検査診断装置の機能向上に役立つ製品の開発にも注力します。これらにより高度医療の進展に貢献するとともに、新興国を中心とした医療需要の拡大に対応します。
・照明
LED照明の普及を機に、省エネ性やデザイン性、機能性を重視した新たな照明のニーズが広がっています。より高出力のLEDや半導体レーザー等の照明に最適な蛍光体ガラスにより、これらの照明デバイスが持つ優位性を引き出し、用途の拡大を図ります。また、有機EL照明については、ガラスの優れた特性を活かし、高輝度・フレキシブル・長寿命などの高機能を実現する製品を開発し、有機EL照明の特長である“面光源”の用途拡大が期待される市場において積極的に事業を展開します。
・エネルギー
低炭素社会の実現など、地球環境保全への意識の高まりを背景に、太陽光や太陽熱などの自然エネルギーの活用が拡大しており、関連技術の開発が進んでいます。次世代の太陽電池や太陽熱発電システム、電池材料などに貢献するガラス製品を開発するとともに、様々な生活分野や産業分野における省エネルギー、省資源等にも資する製品を開発、育成し、エネルギー関連産業の成長や省エネ社会の進展に沿って事業を伸ばします。
・社会インフラ
建築物や交通基盤など、社会インフラにおける耐久性と安全性の更なる向上が求められています。セメント材料を構造材とする建物やトンネルなどでは、経年劣化による剥落等が問題化しており、セメント強化用ガラスファイバは、これらのインフラ整備に貢献できる有望な材料です。耐熱衝撃性・透視性を持つ防火設備用ガラス、安全や軽量化の観点で多様な製品展開が期待される“超薄板ガラス-樹脂 積層体”(ガラスと樹脂を接着・積層した複合材料)などとあわせ、「安全・安心」に対する社会のニーズを取り込み、事業を拡大します。
②次代を担う製品の開発と事業の育成
ガラスはそのユニークな特性や機能に加え、結晶化や精密加工、薄膜・樹脂・金属との複合化などにより新たな機能を付加することができる優れた素材です。当社が持つ広範な基盤技術(材料設計技術・製造プロセス技術・評価技術)をベースに、ガラス本来の特性と複合化等による高機能化を徹底的に追求した研究開発でこれまでにない新たな製品を創出、育成します。同時に、基礎研究や新規材料開発の推進、製品の付加価値向上や開発品の迅速な事業化を図るべく、外部との連携等についても積極的に推進します。
③経営・財務体質の強化
経営全般の一層の効率化を追求するとともにキャッシュ・フロー重視の経営により、事業環境の変化に耐え得る強固な経営・財務体質を目指します。
(2) 対処すべき課題の内容
①業績反転に向けた取り組み
業績の低下に歯止めをかけ、再び成長軌道を取り戻すため、以下の取り組みを実行します。
(ディスプレイ用ガラス)
・海外生産の強化と収益性の改善
液晶ディスプレイ(LCD)用基板ガラスについては、順次、生産(溶融・成形)能力の海外移管を進めていきます。最大市場の韓国では、電気硝子(Korea)株式会社へ約25%の能力移管が完了しました。加えて、今後大きな成長が見込まれる中国においては、電気硝子(厦門)有限公司(LCD用では中国初の溶融・成形拠点)を平成27年末に、また、電気硝子(南京)有限公司(中国第三の加工拠点)を平成28年第2四半期連結会計期間(平成28年4月~同年6月)に稼働させる予定です。これらによりコストの低減と販売量の確保、並びに海外拠点において最新鋭設備による高効率な生産を実現し競争力を上げ、収益性を改善します。
・モバイル端末用カバーガラス(化学強化専用ガラス)の拡販
モバイル端末用カバーガラスは、当社ブランド「Dinorex」の浸透を図りつつ、既存顧客への拡販、新たな顧客の獲得、採用機種の拡大に取り組みます。あわせて、より高性能なカバーガラスの開発にも注力します。
・高精細化、薄型軽量化への対応
ディスプレイ市場における高精細化、薄型軽量化の動きに対応するべく、新製品や新技術の開発を推進します。
(ノンディスプレイ用ガラス)
ガラスファイバは、平成27年4月にマレーシア子会社において自動車部品向け高機能樹脂用の新たな製造設備を稼働させます。セメント強化用とあわせ、企業基盤の安定化に資するよう事業の拡大に取り組みます。光関連ガラス・電子デバイス用ガラスは、通信、自動車、家電など様々な産業分野の技術的進化と成長を取り込み、事業を拡大します。医薬用管ガラスは、耐薬品性の高い医薬用ガラス容器の需要が高まる中国市場への拡販に注力します。放射線遮へい用ガラスは、国内外の高度医療施設向けの需要開拓を推進します。いずれも、医療の進歩に応じた新製品を開発し、いち早く市場へ投入することにより事業の拡大を図ります。照明用蛍光体ガラスについては、特に自動車分野において利用拡大が見込まれており、これらの需要に的確に対応します。この他、太陽電池用ガラス、耐熱ガラス、建築用ガラスなどについても、市場の動向に的確に対応していきます。
また、超低反射膜付ガラス「見えないガラス」や“超薄板ガラス-樹脂 積層体”「Lamion」、ゼロ膨張ガラス「ZERO」、サンゴバングループとの合弁事業である有機EL照明用IEL(Internal Extraction Layer : 内部光取出層)付ガラス基板など、新製品・新技術の育成にも力を入れ、ノンディスプレイ用ガラスの事業領域を広げます。
②研究開発の強化
持続的成長を期するためにも、既存の事業領域はもとより、中長期的な観点から新たな成長事業を見出し、研究開発を進めていくことが重要です。広範な基盤技術と複合化をベースとした当社独自の取り組みはもちろんのこと、国内外の大学や研究機関との共同研究を推進するとともに、他企業との協業・連携などについても積極的な活動を展開します。これらを通じ、新たなガラス組成の開発や新規開発品の事業化の促進、既存製品の高付加価値化などを加速し、様々な生活・産業分野において高機能なガラス製品を提供していきます。
③有利子負債削減とキャッシュ・フロー重視の事業運営
当社グループは、柔軟な財務・投資戦略の実行、並びに事業環境急変への備えのため、財務体質強化の施策として、有利子負債(長短借入金、社債及びコマーシャル・ペーパー)について対連結売上高比率を将来的に20%とする事を基本に、継続的にその削減に取り組んできました。当連結会計年度末においては、有利子負債金額は1,091億40百万円(前連結会計年度末は994億92百万円)となりましたが、当社グループとしては、今後も有利子負債の管理・削減に努めると同時に、資金の効率的運用を徹底し、キャッシュ・フロー重視の事業運営を推進していきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重大な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがありますが、これらに限定されるものではありません。なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在(平成27年3月30日)において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 需要及び市場構造の急変
当社グループの主要事業分野である電子・情報用ガラスにおいては、技術革新によってデバイスや部品、材料の転換が急速に進む可能性があります。当社は、広範かつ高度な特殊ガラス技術の蓄積を背景に新規のニーズへの対応に努めていますが、新規のデバイス等への転換によって既存製品の需要が急激に縮小に転じ、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、需給バランスの悪化、競合他社との競争の激化等により製品価格又は供給量が大幅に変動した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 設備投資に関するリスク
当社グループでは、ディスプレイ用を中心に特殊ガラス製品を製造していますが、これらの生産設備の新設には多額の資金と相当の期間を要します。また、既設の設備についても生産性改善等のために継続的な改良が必要です。
当社グループでは、適時かつ適切な生産設備の新設と継続的な改良に努めていますが、需要予測に大きな変化が生じた場合、生産性等所期の設備能力が得られなかった場合、あるいは主要設備部材の価格が市況により急激に変動した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 一部製品の販売に関するリスク
当社グループでは、一部製品の販売については特定の主要顧客に依存しており、このような製品については、当該顧客の投資・販売計画及び資材調達の方針等が当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 資材等の調達に関するリスク
当社グループの生産活動においては、原燃料の海外依存度が高く、また、一部調達先が限られる特殊な原料、資材等を使用するため、これらについて供給の逼迫や遅延、価格の高騰等が生じた場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 電力不足に関するリスク
当社グループが所在する地域で、電力供給の制限がなされた場合又は電力需給の逼迫等により停電が発生した場合、一部又は全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 法的規制等に関するリスク
当社グループが事業を行っている国及び地域では、投資に関する許認可や輸出入規制のほか、商取引、独占禁止、製造物責任、環境、労務、特許、租税、為替等の各種関係法令の適用を受けています。当社グループは、こうした法令及び規制を遵守し公正な企業活動に努めていますが、万一法令・規制違反を理由とする訴訟や法的手続きにおいて、当社グループにとって不利な結果が生じた場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、過去にブラウン管用ガラスをブラジルに少量輸出したことがあり、現在、同国競争法当局から調査を受けています。調査の結果、当社グループに違法な行為があったと判断された場合、課徴金等が課される可能性があります。
(7) 知的財産権に関するリスク
当社グループでは、現在の事業活動及び将来の事業展開に有用な知的財産権取得に努める一方、他社の知的財産権の調査を行い、問題発生の防止を図っていますが、当社グループが知的財産権に関連する争訟に巻き込まれた場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 環境に関するリスク
当社グループは、資源とエネルギーを大量に使用する環境負荷の高いガラス事業を主に行っています。そのため、環境に配慮した製品のさらなる開発を行うほか、環境への影響を低減するための設備や管理体制の充実を図る一方、生産効率すなわち資源やエネルギーの原単位向上や3R(Reduce、Reuse、Recycle)の推進を行うなど、環境負荷の低減に取り組んでいますが、今後環境に関する規制や社会が求める環境責任が厳しくなることにより、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 為替及び金利等の変動リスク
当社グループでは、日本国内及びアジア地域を中心に世界の市場を対象に事業活動が行われているため、為替予約などにより為替相場の変動に伴うリスクの軽減に努めていますが、当社グループの業績及び財務状況は、為替相場の変動によって影響を受けます。
また、金利情勢や証券市場の変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 海外活動に伴うリスク
当社グループの事業活動は、日本国内及びアジア地域を中心に世界の市場を対象に行われています。これら海外における事業活動には以下に掲げるようなリスクが内在しています。
・予期しない法令又は規制の変更
・移転価格税制等の国際税務リスク
・特有の取引慣行
・政治及び社会情勢の変化
・テロ、戦争、感染症、その他の要因による社会的混乱
(11) 人材の確保
当社グループは、人材戦略を事業活動における重要課題の一つとして捉えており、今後の事業展開には適切な人材の確保・育成が必要と認識しています。適切な人材を十分に確保できなかった場合、当社グループの事業遂行に制約を受け、又は機会損失が生じるなど当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 固定資産の減損会計
当社グループでは、既存事業に係る設備について、今後の事業の収益性や市況等の動向によっては、固定資産の減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、その他一部遊休の固定資産についても、順次、整理・売却・転用を進めていますが、今後の地価動向や景気動向などによっては、固定資産の減損会計の適用に伴う損失処理が発生する可能性があります。
(13) 情報管理に関するリスク
当社グループは、事業の過程で顧客又はその他団体や個人(従業員を含む)に関する機密的な情報を入手することがあります。これらの情報の管理には細心の注意を払っており、情報管理委員会を設置し、情報の漏洩が生じないように対策を講じていますが、これらの情報が外部に漏洩する可能性は否定できません。
情報が外部に漏洩した場合には、被害を受けた者から損害賠償請求を受ける可能性及び当社グループの企業イメージが損なわれる可能性があります。また、顧客や従業員等の情報と同様、新技術に関する機密情報が、何らかの事情で漏洩した場合も、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 自然災害、事故災害に関するリスク
地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの拠点の設備等の損壊や電力、ガス、水の供給困難により、一部又は全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、ハイテクガラスの創造を通して、環境との調和を図りつつ、持続可能な社会の発展に貢献していくことを基本理念とし、研究開発活動を行っています。ハイテクガラスは、時代のニーズに最適の特性や形状、高い品質を追求したガラスです。
基礎的研究開発については、ライン部門(各事業部)と密接に連携をとりながら主としてスタッフ機能部門(技術統括部、製造技術統括本部、事業戦略部)が担当しています。技術統括部は新材料・新技術の研究開発や、それらを進める上で基盤となる分析・評価の研究開発を行っています。製造技術統括本部は製造プロセス技術(溶融・成形・加工)の研究開発等を行っています。事業戦略部は事業戦略の企画立案や情報分析を行い、研究開発活動の推進を支援しています。
既存の事業領域に係る新製品の研究開発については、スタッフ機能部門と密接に連携をとりながら主としてライン部門(各事業部)が担当しています。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は55億26百万円となりました。
なお、当社グループのセグメントは、ガラス事業単一です。
〔基礎的研究開発〕
基礎的研究開発は、材料設計、製造プロセス技術、評価技術といったコア技術の開発・改良、コア技術をベースにガラスの特徴を最大限に活かしガラスのより高い機能を発現させる製品設計のほか、中長期に亘り社会や産業界の要望に応える次世代のガラスの創出を主たる目的としています。
コア技術では、ガラス基礎物性の研究に基づく材料設計、ガラス溶融における消費エネルギーの削減技術やシミュレーション研究による製造プロセス技術、高度分析技術を用いた評価技術の研究開発に取り組んでいます。
コア技術を活かした製品設計では、超高精細ディスプレイ用ガラスやモバイル端末用カバーガラス(化学強化専用ガラス)の研究開発に取り組んでいます。
次世代のガラスとしては、太陽電池や二次電池などのエネルギー分野に用いられる材料や新照明用材料として車載用などハイパワー化するLEDやLD光源の発展に貢献できる蛍光体ガラス、有機EL照明の輝度向上に貢献するガラス、高度医療に対応する医療用ガラスなどの研究開発に取り組んでいます。
加えて、新技術の導入やコア技術の更なる進化など基礎的研究開発の活性化を目的に、国内外の大学や研究機関との共同研究やネットワーク構築に積極的に取り組んでいます。
これらの結果、基礎的研究開発費は18億73百万円となりました。
〔新製品の研究開発〕
既存の事業領域に係る新製品の研究開発として、製造プロセス技術の研究開発や、その技術を活かしてガラスの高機能化を徹底的に追求した取り組みを行っています。
製造プロセス技術の研究開発では、超高精細ディスプレイ用ガラスやモバイル端末用カバーガラス、極限まで薄いガラスや電子デバイスなどに使用される精密ガラスの製造を可能にする溶融・成形・加工・検査技術などの高度化に取り組んでいます。
ガラスの高機能化を目指した取り組みでは、「見えないガラス」に応用された超低反射機能のほか、防眩や反射防止、汚れ防止など様々な機能を持たせた膜をガラスに付与する成膜技術の研究開発を行っています。太陽光発電用の透明導電膜や超薄型軽量ミラーなど創エネルギーに寄与する研究開発にも取り組んでいます。さらに、ガラスを金属・セラミックス・樹脂などの有機材料と組み合わせることでガラスの枠組みを超える複合化技術の研究開発を行っています。
これらの結果、新製品の研究開発費は36億53百万円となりました。
具体的な状況は次のとおりです。
(電子・情報用ガラス)
ディスプレイ用ガラスについては、超高精細ディスプレイの需要に対応するため、得意先の製造工程での寸法変化を極力小さくする材料及び技術開発に取り組んでいます。モバイル端末用カバーガラス「Dinorex」についても高い耐傷性を持つ高強度なガラスを短時間で均一に化学強化する技術や、強化後に個片切断が可能となる生産性の高いタッチセンサ一体型のカバーガラスの研究開発に取り組んでいます。
また、ガラスの機能そのままに極限まで薄いフィルムのような柔軟性を持つ超薄板ガラス「G-Leaf」のロール巻き量産技術や、その切断・成膜といった応用的な研究開発に取り組み、成長期待分野であるフレキシブルディスプレイやフレキシブル照明などの次世代製品の創出に注力しています。
さらに、超薄板ガラスと樹脂を組み合わせる“超薄板ガラス-樹脂 積層体”「Lamion」は、ガラスと樹脂双方の優れた特徴を有する材料として様々な分野への応用が期待され、軽さと割れに対する安全性を活かしデジタルサイネージの保護パネル用として実用化されています。
光関連ガラス・電子デバイス用ガラスについては、高度な溶融・成形・加工・検査技術を用いて、蛍光体ガラス「ルミファス」や有機EL照明用基板など新照明分野における新製品の研究開発のほか、高機能粉末ガラス、ゼロ膨張結晶化ガラス「ZERO」、石英ガラスと同等の熱膨張係数をもつ結晶化ガラス「VitroQuartz」、赤外線吸収フィルター、レンズ部品や光通信用ガラスなどの光学部材、ガラスリボンとガラスペーストを組み合わせたレーザー封止材料、液晶レンズなどの様々な新製品の研究開発に取り組んでいます。
(その他用ガラス)
ガラスファイバについては、複合化技術を用いて、自動車の省エネ化やハイブリッド車等の市場拡大に対応した自動車部品向け高機能樹脂用や、建築・土木分野でのセメント強化用として最適な機能性ガラスの研究開発に取り組んでいます。
建築用及び耐熱ガラスについては、透明で耐衝撃安全性にも優れた防火設備用ガラスや、熱膨張係数が極めて小さく熱衝撃に強い超耐熱結晶化ガラスを用いて、洗練されたデザインや形状の調理器用トッププレートやストーブ窓の研究開発に取り組んでいます。
医療分野においては、医療従事者を放射線から保護しメンテナンス性にも配慮した放射線遮へい用ガラス「LXプレミアム」など高度医療に対応する医療用各種ガラスの研究開発に取り組んでいます。
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して241億63百万円増加し、7,311億84百万円となりました。
流動資産は164億98百万円増加しました。新たな社債発行などにより現金及び預金が増加しました。また、販売回復などにより受取手形及び売掛金が増加しました。
固定資産は76億64百万円増加しました。電気硝子(Korea)株式会社の第2期投資の完工により建物及び構築物が増加する一方、建設仮勘定が減少しました。また、株式市況の回復に伴う投資有価証券の増加などにより投資その他の資産が増加しました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して123億94百万円増加し、2,086億7百万円となりました。
流動負債は42億68百万円減少しました。電気硝子(Korea)株式会社の第2期投資設備の生産開始などにより支払手形及び買掛金が増加する一方、1年内償還予定の社債を償還しました。
固定負債は、166億62百万円増加しました。新たに社債を発行した一方、ガラス溶解炉の修理予定がなくなったことに伴う特別修繕引当金の取り崩しがありました。
なお、当社グループでは、柔軟な財務・投資戦略の実行、並びに事業環境急変への備えのため、財務体質強化の施策として、有利子負債(長短借入金、社債及びコマーシャル・ペーパー)について対連結売上高比率を将来的に20%とする事を基本に、継続的にその削減に取り組んでいます。当連結会計年度末の有利子負債残高は、新たな社債の発行などにより1,091億40百万円(前連結会計年度末は994億92百万円)となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して117億69百万円増加し、5,225億77百万円となりました。株式市況の回復によりその他有価証券評価差額金が、また、主要な通貨において円安に振れたことから為替換算調整勘定がそれぞれ増加しました。
これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は前連結会計年度末の71.2%から1.0ポイント低下し、70.2%となりました。
(注)当連結会計年度末:当社及び国内・海外連結子会社(平成26年12月31日)
前連結会計年度末:当社及び国内連結子会社(平成26年3月31日)、海外連結子会社(平成25年12月31日)
(2) 経営成績
ディスプレイ用ガラス分野では、主力の液晶ディスプレイ(LCD)用基板ガラスの出荷が増加したものの、製品価格の下落が継続し、厳しい事業環境が続きました。こうした中、当社グループでは、韓国及び中国へ生産能力の移管を進め、最新鋭設備による高効率の生産とコスト低減による収益性の改善、並びに成長市場における積極的な事業展開を図っています。
一方、ノンディスプレイ用ガラス分野においては、自動車市場の成長に伴い高機能樹脂用ガラスファイバの販売が拡大したほか、光関連ガラスや建築用ガラスなどの販売も好調に推移し、全体として損益も改善傾向を示しました。
当連結会計年度においては、世界経済は、欧州では緩やかな持ち直しの動きが見られた一方、一部地域をめぐる地政学的リスクや原油安の影響などもあり予断を許さぬ状況が続きました。米国では、堅調な雇用情勢や個人消費の増加などにより、景気回復が進みました。中国では景気に減速感が見られたものの、引き続き安定した成長を維持しました。国内経済は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動の影響を受けつつも、雇用の改善や堅調な株式市況などを背景に緩やかに回復しました。
当連結会計年度の業績については、売上面では、ガラスファイバや光関連ガラスなど複数の事業で好調な需要を背景に出荷が増加したものの、主力のLCD用基板ガラスの製品価格の下落や、モバイル端末用カバーガラスの需要減速の影響を受け売上が伸び悩み、売上高は1,926億92百万円となりました。損益面では、生産性改善や費用削減などにおいて一定の成果があったものの、製品価格の下落や原燃料コストの上昇、電気硝子(Korea)株式会社の新設備稼働に係る費用、開発コストなどが利益を下押ししました。一方、主として円安による為替差益が経常利益を、また、ガラス溶解炉の修理予定がなくなったことに伴う特別修繕引当金の戻入が当期純利益をそれぞれ押し上げました。
売上総利益は279億97百万円となり、営業利益は52億23百万円となりました。この結果、売上高営業利益率は2.7%となりました。また、経常利益は68億83百万円となりました。
特別利益は、前述の特別修繕引当金の戻入などにより61億90百万円となり、特別損失は、減損損失などにより38億90百万円となりました。この結果、特別利益から特別損失を差し引いた純額は23億円となりました。
これらによって、税金等調整前当期純利益は91億83百万円となりました。これに法人税、住民税及び事業税24億57百万円及び法人税等調整額などを計上した結果、当期純利益は59億38百万円となりました。なお、1株当たりの当期純利益金額は、11円94銭(前連結会計年度は24円99銭)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当社グループにおいては、需要動向に対応した稼働、在庫の適正化、費用の削減などキャッシュ・フロー重視の事業運営により、事業環境の変化に耐え得る強固な経営・財務体質を目指しています。
当連結会計年度における当社グループのキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、税金等調整前当期純利益が低調であった一方で、近年の設備投資により減価償却費が高い水準でした。また、電気硝子(Korea)株式会社の第2期投資設備の生産開始などにより仕入債務が増加しました。これらにより、営業活動によって得られた資金は388億37百万円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、主として電気硝子(Korea)株式会社の第2期投資に係る固定資産の取得による支出があったため、投資活動に使用した資金は292億64百万円となりました。
これらにより、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は95億72百万円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、社債の償還や長期借入金の返済及び配当金の支払いがあった一方で、新たな社債の発行による収入があり、財務活動によって得られた資金は16億98百万円となりました。
上記に、現金及び現金同等物に係る換算差額10億45百万円、及び、決算期変更に伴う現金及び現金同等物の減少額63億81百万円を合わせ、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、1,298億23百万円となりました。
(注)上記(2) 経営成績及び(3) キャッシュ・フローの状況については、当連結会計年度の連結対象期間が前連結会計年度と異なるため比較増減を記載しておりません。