第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

 

(1) 業績

 

売上高

 

(百万円)

営業利益

 

(百万円)

経常利益

 

(百万円)

親会社株主に
帰属する
当期純利益

(百万円)

1株当たり
当期
純利益

(円)

潜在株式調整後1株当たり
当期純利益

(円)

当連結会計年度

1,005,062

80,437

80,327

22,749

56.95

56.87

前連結会計年度

850,306

36,780

37,174

32,101

80.41

80.30

増減率

18.2%

118.7%

116.1%

△29.1%

△29.2%

△29.2%

外貨増減率

16.0%

 

 

当連結会計年度の国内における景況感は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復基調が続きました。国内化粧品市場も同様に回復基調が継続したことに加え、増加傾向が続く訪日外国人によるインバウンド需要もあり、堅調に推移しました。海外化粧品市場は、国によりばらつきがみられる欧州は弱い成長にとどまり、米州は成長が鈍化しているものの、中国やアジアでは堅調な成長が継続しました。

資生堂グループは2015年度に、100年先も輝き続ける企業となるため中長期戦略VISION 2020をスタートさせました。日本発のグローバルビューティーカンパニーとして競争に勝ち抜くため、すべての活動をお客さま起点とし、グローバルでブランド価値向上に取り組んでいます。2015年度からの最初の3カ年を、次期3カ年の飛躍のための事業基盤再構築の期間と位置づけ、積極的な投資を行うとともに、成長加速に向けた基盤の確立を進めました。

当連結会計年度においては、プレステージ、デジタル・Eコマースなど、今後の売上成長が期待できる領域への投資をさらに強化しました。2016年にM&Aにより取得したメイクアップを中心に展開するプレステージブランド「Laura Mercier」、ライセンス契約を締結したフレグランスを中心に展開するブランド「Dolce&Gabbana」についても、成長に向けてマーケティング投資を拡大しました。また、日本、中国、トラベルリテールを一つの市場と捉え、主に中国のお客さまを対象としてアジア全域でボーダレスマーケティングを展開しました。収益性改善に向けては、事業やブランドごとの利益管理の徹底、売上・利益への貢献度が低い商品の削減などに取り組みました。さらに、グローバルでの事業・ブランドポートフォリオの再構築に取り組み、北米子会社のZotos International Inc.(以下、ゾートス社)の譲渡などを進めました。

この結果、当連結会計年度の現地通貨ベースの売上高は、戦略的に投資強化を続けているプレステージ領域がグローバルで伸長したほか、前連結会計年度より当社グループに加わった新ブランドが上乗せとなったことなどから前連結会計年度比16.0%増となりました。円換算後では円安による為替影響により、前連結会計年度比18.2%増の1,005,062百万円となりました。

営業利益は、売上増に伴う差益増に加え、マーケティング投資効率の改善やコスト構造改革効果などにより、前連結会計年度比118.7%増の80,437百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、ゾートス社の株式及び関連事業資産の譲渡益を特別利益に計上した一方、一部商品の自主回収費用に加え、米国のBare Escentuals, Inc.(以下、ベアエッセンシャル社)に係る無形固定資産等の減損損失を特別損失として計上したことなどが影響し、前連結会計年度比29.1%減の22,749百万円となりました。

ベアエッセンシャル社については、2010年の買収以降、当該ブランドの顧客接点拡大、商品開発の強化など様々な取り組みを進めてきたものの、当初、計画していたブランドの成長拡大を実現できていませんでした。当期はVISION 2020における事業基盤再構築の最終年度であり、「現実を直視する」という経営方針のもとで課題を先送りにせず迅速に対応するため、一歩踏み込んで事業・ブランドの将来性を検証しました。マーケティング改革と構造改革の内容及びその内容を反映した達成可能な収益計画について取締役会で慎重に議論した結果、一連の無形固定資産の評価プロセスの中で、減損損失を計上するに至りました。

なお、個別業績については、ベアエッセンシャル社の減損損失に伴い関係会社株式評価損を計上したことから、55,232百万円の当期純損失となりました。

 

当連結会計年度の連結売上高営業利益率は8.0%、連結ROE(自己資本利益率)は5.6%となりました。当連結会計年度における財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替換算レートは、1ドル=112.2円、1ユーロ=126.7円、1中国元=16.6円です。

 

 

各報告セグメントの業績は次のとおりです。なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分方法を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分方法に基づいています。

 

売上高(外部顧客への売上高)

 

 

当連結会計年度
(百万円)

構成比

(参考)
前連結会計年度
(百万円)

構成比

増減
(百万円)

増減率

 

外貨
増減率

日本事業

431,026

42.9%

381,232

44.8%

49,793

13.1%

 

13.1%

中国事業

144,266

14.3%

118,087

13.9%

26,179

22.2%

 

20.1%

アジアパシフィック事業

54,169

5.4%

45,593

5.4%

8,576

18.8%

 

11.2%

米州事業

140,413

14.0%

127,499

15.0%

12,913

10.1%

 

6.6%

欧州事業

128,418

12.8%

94,138

11.1%

34,280

36.4%

 

30.0%

トラベルリテール
事業

44,495

4.4%

24,811

2.9%

19,683

79.3%

 

73.8%

プロフェッショナル事業

47,959

4.8%

44,947

5.3%

3,012

6.7%

 

4.3%

その他

14,314

1.4%

13,997

1.6%

316

2.3%

 

2.3%

合計

1,005,062

100.0%

850,306

100.0%

154,756

18.2%

 

16.0%

 

(注) 報告セグメントごとの売上高は外部顧客への売上高です

 

    営業利益

 

 

当連結会計年度
(百万円)

売上比

(参考)
前連結会計年度
(百万円)

売上比

増減
(百万円)

増減率

 

 

日本事業

83,154

18.0%

56,356

14.1%

26,797

47.6%

 

 

中国事業

11,329

7.8%

3,629

3.1%

7,700

212.2%

 

 

アジアパシフィック事業

5,745

10.3%

1,064

2.3%

4,680

439.5%

 

 

米州事業

△10,288

△6.5%

△12,799

△9.4%

2,510

 

 

欧州事業

△3,181

△2.3%

△6,712

△6.8%

3,531

 

 

トラベルリテール
事業

12,361

27.6%

5,368

21.6%

6,993

130.3%

 

 

プロフェッショナル事業

2,958

6.1%

1,103

2.4%

1,854

168.1%

 

 

その他

△12,926

△13.9%

△11,940

△20.5%

△986

 

 

89,154

7.8%

36,071

3.9%

53,082

147.2%

 

 

調整額

△8,716

708

△9,425

 

 

合計

80,437

8.0%

36,780

4.3%

43,657

118.7%

 

 

 

(注) 1  営業利益又は損失における売上比は、セグメント間の内部売上高を含めた売上に対する比率です。

2  当連結会計年度より、当社グループ内の経営管理体制に合わせ、報告セグメントの区分方法を見直し「日本事業」「中国事業」「アジアパシフィック事業」「米州事業」「欧州事業」「トラベルリテール事業」及び「プロフェッショナル事業」に変更しています。

3  「その他」は、本社機能部門、生産事業、フロンティアサイエンス事業(化粧品原料、医療用医薬品、美容医療用化粧品、精製・分析機器などの製造・販売)及び飲食業などを含んでいます。

 

4  営業利益又は損失の調整額は、主にセグメント間取引消去の金額です。

5  従来、「米州事業」に計上していたU.K.における「bareMinerals」及び「NARS」などについては、マトリクス組織の考え方に則り管理体制を変更したことから当連結会計年度より「欧州事業」へ計上しています。

6  従来、「欧州事業」に計上していたラテンアメリカのフレグランス事業については、上記の管理体制の変更に伴い当連結会計年度より「米州事業」へ計上しています。

 

①  日本事業

  日本事業は、マーケティング投資を強化してきた中高価格帯のブランドが好調を継続し、日本のお客さまの売上が拡大してきたことに加え、訪日外国人向けのインバウンド需要を大きく獲得してきたことなどから、市場を大きく上回る成長となりました。持続的な成長に向けて、当社が強みを持つスキンケア、ベースメイクアップ、サンケアの“肌3分野”に注力し、いずれの領域でも大幅にシェアが向上しました。課題であったパーソナルケア領域は、注力ブランドとカテゴリーを絞り込み、お客さまとの接点強化を中心に取り組んだ結果、売上が回復し収益性も大幅に改善しました。

  また、2017年4月より、有効成分純粋レチノールを用いた画期的なしわ改善技術を核に、女性たちが本来もつ豊かな表情を応援する取り組みとして「資生堂 表情プロジェクト」を展開しました。第1弾商品として、6月にしわを改善する「エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリーム S」を発売し、第2弾商品として、11月には「SHISEIDO」より、しわ改善と美白の2つの効果を併せ持つ「バイタルパーフェクション リンクルリフト ディープレチノホワイト4」を発売しました。これら合計で、170万個を超える売上実績となりました(中国、アジア、トラベルリテールを含む)。

   以上のことから、売上高は前連結会計年度比13.1%増の431,026百万円となりました。営業利益は、売上増に伴う差益増に加え、コスト構造改革効果やマーケティング投資効率の改善などにより、前連結会計年度比47.6%増の83,154百万円となりました。

 

②  中国事業
  中国事業では、「SHISEIDO」、「クレ・ド・ポー ボーテ」、「IPSA」などのプレステージブランドが“メイド・イン・ジャパン”の強みを活かして高成長を持続したほか、パーソナルケアブランドもEコマース売上が牽引して大きく伸長しました。Eコマースは、従来、売上の大半がパーソナルケアの商品でしたが、お客さまの購買行動の変化に合わせてプレステージやコスメティクスの商品を積極展開してきたことに加え、デジタルを活用したマーケティングの展開や、中国のネット通販大手とのマーケティングにおける協業の強化などにより、大きく成長しました。また、“メイド・イン・ジャパン”の製品価値を高く評価するお客さまが増えている市場環境を踏まえ、日本発ブランドの「エリクシール」を戦略ブランドと位置づけ、現地のお客さまのライフスタイルや嗜好に合わせて展開を強化しました。課題としていたコスメティクスブランドについては、「AUPRES」ではリニューアルの実施により前期を上回る売上水準となったほか、「Za」や「PURE & MILD」のセルフ販売チャネルを強化するなど収益性改善に向けた取り組みを進めました。
 以上のことから、売上高は現地通貨ベースで前連結会計年度比20.1%増、円換算後では前連結会計年度比22.2%増の144,266百万円となりました。営業利益は、売上増に伴う差益増に加え、マーケティング投資効率の改善などにより、前連結会計年度比212.2%増の11,329百万円となりました。

 

③  アジアパシフィック事業

アジアパシフィック事業では、韓国、タイ、台湾を中心に「クレ・ド・ポー ボーテ」や「NARS」などのプレステージブランドがいずれも大きく成長しました。「クレ・ド・ポー ボーテ」は、特にシンガポールにオープンした直営店が好調に推移しました。コスメティクス・パーソナルケアの領域では、国や地域ごとに異なるお客さまの嗜好や生活習慣に合わせたマーケティングを強化している「SENKA(専科)」や、取り扱いチャネルを拡大した日焼け止めブランド「Anessa(アネッサ)」の売上が伸長しました。

  以上のことから、売上高は現地通貨ベースで前連結会計年度比11.2%増、円換算後では前連結会計年度比18.8%増の54,169百万円となりました。営業利益は、売上増に伴う差益増やプロダクトミックスの改善などにより、前連結会計年度比439.5%増の5,745百万円となりました。

 

 

④  米州事業

  米州事業では、「NARS」や「SHISEIDO」などのプレステージブランドが成長を継続しました。また、前連結会計年度に取得した「Laura Mercier」については、成長に向けてマーケティング投資を強化しました。一方、ブランドの再構築に取り組んでいる「bareMinerals」は、大手百貨店の閉店影響やスペシャルティストア(企業型専門店)での競争激化などにより、売上が前連結会計年度を下回りました。

  グループの可能性を広げる最先端のテクノロジー・人材を獲得するため、スマートフォンのアプリによる肌色測定で一人ひとりの肌色にあったファンデーションを提供するMATCHCo.と、AI(人工知能)を応用したパーソナライゼーション技術を持つGiaran,Inc.を買収しました。

  以上のことから、売上高は現地通貨ベースで前連結会計年度比6.6%増、円換算後では前連結会計年度比10.1%増の140,413百万円となりました。「bareMinerals」の減収影響に加え、センター・オブ・エクセレンスの費用増、「Laura Mercier」やデジタルマーケティングへの先行投資が発生した一方、「NARS」や「SHISEIDO」の増収効果に加え、費用の効率運用などにより、営業損失は前連結会計年度に対し2,501百万円減の10,288百万円となりました。

 

⑤  欧州事業

 欧州事業では、前連結会計年度にライセンス契約を締結した「Dolce&Gabbana」を中心にマーケティング投資を強化し、ブランド価値向上を図りました。また、これまで別々に事業を展開していた化粧品とフレグランスの組織統合をはじめ、バックオフィスや物流システムの統合など構造改革を推進し、収益性向上の基盤づくりに取り組みました。
  「Dolce&Gabbana」については、第3四半期までは供給問題などが発生していたものの、第4四半期に大きく成長性を回復することができました。
  今後の持続的な成長性拡大には、引き続きマーケティング投資強化が必要であり、ブランドの再生が完了すれば、確実に収益性を拡大できると考えています。

  売上高は、「NARS」やフレグランスブランドの「narciso rodriguez」が牽引し既存ブランドが着実に成長したことに加え、「Dolce&Gabbana」が上乗せになったことなどにより、現地通貨ベースで前連結会計年度比30.0%増、円換算後では前連結会計年度比36.4%増の128,418百万円となりました。マーケティング投資を強化した一方、売上増に伴う差益増などにより、営業損失は前連結会計年度に対し3,531百万円減の3,181百万円となりました。

 

⑥  トラベルリテール事業

トラベルリテール事業(空港免税店等での化粧品の販売)は、旅行者の増加に伴いアジアを中心に市場が拡大しています。当社は同事業について成長余地が大きいことから、グローバルプレステージ領域でのポジションを一層強化することをねらいに、最重要事業の一つとして積極的に取り組んでいます。
  当期は、世界各地の空港での広告宣伝などマーケティング活動を積極的に展開したほか、トラベルリテール専用商品の導入や大手オペレーターとの関係強化にも努めました。

  この結果、空港免税店の1店舗あたりの売上が拡大し、韓国、中国、タイなどアジアの売上が前年を大きく上回ったことから、売上高は現地通貨ベースで前連結会計年度比73.8%増、円換算後では前連結会計年度比79.3%増の44,495百万円となりました。営業利益は、売上増に伴う差益増に加え、1店舗あたりの生産性向上などにより、前連結会計年度比130.3%増の12,361百万円となりました。

 

 

⑦  プロフェッショナル事業

  プロフェッショナル事業は、ヘアサロン向けのヘアケア、スタイリング剤、ヘアカラー剤やパーマ剤などの技術商材を販売しているほか、日本とタイでは直営美容室も展開しています。当期は、中国・アジアにおける成長加速をめざし、商品やマーケティングの強化に取り組みました。

  この結果、売上高は現地通貨ベースで前連結会計年度比4.3%増、円換算後では前連結会計年度比6.7%増の47,959百万円となりました。営業利益は売上増に伴う差益増などにより、前連結会計年度比168.1%増の2,958百万円となりました。

  なお、グローバルでの事業・ブランドポートフォリオの再構築の中で、2017年12月に、米州を中心にヘアケア事業を展開している子会社のゾートス社の株式及び関連資産をドイツのHenkel AG & Co. KGaAに譲渡しました。

 

 (2) キャッシュ・フローの状況

(百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

営業活動によるキャッシュ・フロー

59,129

95,392

投資活動によるキャッシュ・フロー

△70,640

△1,061

財務活動によるキャッシュ・フロー

22,378

△53,117

現金及び現金同等物 期末残高

113,122

156,834

 

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ43,711百万円増加し、156,834百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益(38,555百万円)に減価償却費(39,614百万円)、のれん償却額(4,235百万円)、減損損失(70,922百万円)などの非資金支出費用や、仕入債務の増加(22,082百万円)があった一方、売上債権の増加(25,447百万円)、たな卸資産の増加(13,287百万円)、事業譲渡益(36,787百万円)などにより、95,392百万円の収入となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、事業譲渡による収入(53,549百万円)があった一方、有形固定資産の取得による支出(36,015百万円)、無形固定資産の取得による支出(8,618百万円)、長期前払費用の取得による支出(6,581百万円)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出(5,226百万円)などにより、1,061百万円の支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入(10,000百万円)があった一方、長期借入金の返済による支出(45,762百万円)、配当金の支払額(8,977百万円)などにより、53,117百万円の支出となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当連結会計年度より報告セグメントの区分方法を変更しており、当連結会計年度の比較は変更後の区分方法に基づいています。

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を報告セグメントごとに示すと次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

増減率(%)

日本事業

中国事業

4,065

△13.2

アジアパシフィック事業

3,805

6.6

米州事業

21,360

82.8

欧州事業

29,755

52.2

トラベルリテール事業

プロフェッショナル事業

12,547

9.5

その他

130,169

11.7

合計

201,704

20.5

 

(注) 1  セグメント間取引については相殺消去しています。

2  金額は製造原価によっています。

3  上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2) 受注状況

当社グループ製品については受注生産を行っていません。また、OEM(相手先ブランドによる生産)等による受注生産を一部実施しているものの金額は僅少です。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を報告セグメントごとに示すと次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

増減率(%)

日本事業

431,026

13.1

中国事業

144,266

22.2

アジアパシフィック事業

54,169

18.8

米州事業

140,413

10.1

欧州事業

128,418

36.4

トラベルリテール事業

44,495

79.3

プロフェッショナル事業

47,959

6.7

その他

14,314

2.3

合計

1,005,062

18.2

 

(注) 1  セグメント間取引については相殺消去しています。

2  上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の記載内容のうち、歴史的事実でないものは、有価証券報告書提出日(2018年3月27日)現在における当社グループの将来に関する見通し及び計画に基づいた将来予測です。これらの将来予測には、リスクや不確定な要素などの要因が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。

 

(企業理念)

Our Mission, Values and Wayは、国・組織・ブランドを問わず、資生堂グループで働く全員で共有する資生堂グループ企業理念です。Our Missionでは、資生堂の使命として“美しい生活文化の創造”を定めています。Our Valuesは、Our Missionを実現するために資生堂グループで働く一人ひとりが共有すべき心構えです。そしてOur Wayは、Our Missionを実現するために、資生堂グループで働く一人ひとりがとるべき行動を定めたものです。資生堂はこの企業理念体系に加え、“Think Global, Act Local”の考えのもと、変化する世界中のお客さまとともに美しい生活文化を創造し、美しさを通じて人々が幸せになるサステナブルな社会を実現することで、持続的に企業価値を向上させていきます。

 

[Our Mission]

 

We cultivate relationships with people

私たちは、多くの人々との出会いを通じて、

We appreciate genuine, meaningful values

新しく深みのある価値を発見し、

We inspire a life of beauty and culture.

美しい生活文化を創造します

 

 

[Our Values]

 

In Heritage, Excellence

伝統は、優位を築く基となり

In Diversity, Strength

多様性は、人材と組織を強め

In Innovation, Growth

そして革新こそが成長を生み出します

 

 

[Our Way]

 

All members of Shiseido Group pursue

資生堂グループ全社員は、

shared and sustainable growth with all stakeholders.

持続的発展を目指して行動します

 

 

With Consumers

お客様とともに

With Business Partners

取引先とともに

With Employees

社員とともに

With Shareholders

株主とともに

With Society and the Earth

社会・地球とともに

 

 

(中長期戦略  VISION 2020)

2014年に策定した6年間の中長期戦略「VISION 2020」の実現に向け、前半3カ年となる2015年~2017年を「事業基盤の再構築」の期間と位置づけ、国内外の各事業の構造課題を徹底的に解決し、積極的なマーケティング投資を実行しました。その結果、2020年に目標としていた売上高1,000,000百万円超を2017年に達成し、営業利益も過去最高の実績となりました。2030年に向けて、日本・アジアでの高いプレゼンスを維持しながら、グローバルプレステージ化粧品市場3位以内のポジション獲得に向けて、2018年から始まる後半3カ年は、「成長加速の新戦略」の実行期間としています。プレステ―ジブランド事業を核としながらデジタル化の加速、M&Aにより当社に加わったブランドやテクノロジーとのシナジーを最大限に発揮しながら、さらなる投資も強化していくことで、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」へと進化していきます。

 

 

(新3カ年計画の目標)

中長期戦略「VISION 2020」の第2フェーズである新3カ年計画では、各地域のお客さまニーズに対応したブランド戦略を徹底し、積極的なマーケティング投資を継続しながら、デジタライゼーションの加速や新事業開発、さらにイノベーションによる新価値創造を進めていきます。そして、すべての価値を生み出す人材こそが成長の源泉と考え、人材への投資を積極的に行っていきます。さらに、グローバル経営体制の進化を通じ、3カ年売上高CAGR8%超を達成することにより、最終年である2020年に売上高1,200,000百万円超、営業利益120,000百万円超、ROE14%超をめざします。

 

(新3カ年計画で取り組む重点戦略~Building for the Future~)

(1)ブランド事業のさらなる「選択と集中」

プレステージファースト戦略を軸に、成長性の維持・拡大とコスメティクス・パーソナルケアブランド事業のアジアにおける成長を加速します。さらなる飛躍に向け、2017年に対して3年間累計で約120,000百万円規模でのマーケティング投資を強化します。

 

①プレステージファースト戦略

世界のプレステージ市場において、当社の強みであるスキンケア商品の売上成長によって収益基盤を強固なものとしながらシェア拡大を実現するため、メイクアップやフレグランスの売上成長を図ります。画期的な新製品の導入、既存流通と協働した商品展開、店頭カウンターの刷新、ブランドショップの展開の強化、そして、SNSなどを活用したデジタルでの情報発信を通じ、ブランドを体感していただく機会をさらに増やしていきます。また、主に中国のお客さまを対象として、これまではアジア全域で展開してきたクロスボーダーマーケティングを、今後は全世界に拡大していきます。

 

②コスメティクス・パーソナルケアブランドのアジア戦略

アジア市場ではプレステージブランドに加え、現在日本を中心に展開している「エリクシール」「アネッサ」「SENKA」「インテグレート」の4つのブランドを中国やその他アジア地域でも注力していきます。各地域のお客さまのニーズをとらえるために研究開発を拡充し、付加価値の高い商品開発や流通との協働を通じ一層ブランド力を高めていきます。

 

供給体制の再構築を目的に、生産体制の強化、新工場の建設、サプライヤー各社との協業強化など、マーケティング投資とは別に3年間累計で130,000百万円の設備投資を実施します。

 

(2)デジタライゼーションの加速・新事業開発

Eコマース(EC)においては、全世界で主要ECサイトとの連携を強化するとともに、店頭における顧客データとの統合を実現し、CRM(カスタマー リレーションシップ マネジメント)を進めます。
 ビジネスオペレーション基盤の整備のために、社員の専門能力開発に取り組みながら、各地域本社間のビジネスプロセスとの連動、ITプラットフォームの統合やデータの一元管理を進め、3年間累計で約27,000百万円を投資します。新事業開発では、お客さまの一人ひとりのニーズに合わせた価値提供を実現するため、パーソナライゼーションへの対応を強化していきます。優れたデジタル技術(IoTなど)と既存ビジネスを掛け合わせることによって、新しい商品・消費者体験を生み出していきます。

 

(3)イノベーションによる新価値創造

これまで培ってきた当社の知見と、M&Aなどによるブランドやテクノロジー、専門性の高い人材との融合により、イノベーションを生み出し、化粧品のみならず、人工皮膚、毛髪・皮膚再生、先端美容など新領域を創出し、革新的なビジネスモデルを構築します。研究開発領域では、2020年には売上高に占める研究開発費比率3%、研究所員数を1,500人に増やします。また、グローバルレベルでの研究開発力の最大化に向け、世界中のイノベーションセンターの拠点となる「グローバルイノベーションセンター」が横浜・みなとみらい21地区に2018年12月より稼働する予定です。

 

 

(4)世界で勝つ、人材・組織の強化~PEOPLE FIRST~

将来を担うグローバル人材の育成に向けて若手を対象としたMBAプログラムの実施、マネジメント人材育成のためのリーダーシップ研修プログラムの強化、2018年10月より取り組む英語公用語化に向けた研修の実施などに加え、全世界の社員を対象とした研修施設を各地域本社に開設していきます。3年間累計で約14,000百万円を投資する予定です。同時に、国内外のオフィス環境も刷新します。さらに、組織の多様性を加速するために、人材データベースを世界統一基準で整備し、グローバルモビリティを推進していきます。また、当社のビジネス特性を鑑み、2020年に国内の女性管理職比率40%をめざします。

 

(5)グローバル経営体制のさらなる進化

2016年より、6つの地域とブランドカテゴリーを掛け合わせたマトリクス型組織のグローバル経営体制がスタートしました。同時に、スキンケアは日本、メイクアップとデジタルは米州、フレグランスは欧州といった各カテゴリーで世界に影響力を持つ地域で戦略立案・商品開発をリードする「センター・オブ・エクセレンス(COE)」を整えました。さらに2018年からは、新たなビジネスモデルの構築やデジタライゼーションをスピーディーに実現させるために「テクノロジーイノベーションセンター」をアメリカ・ボストンに設置するなど、それぞれで得た知見を各ブランドや全世界でのマーケティングに活かしていきます。

 

(2018年12月期 通期連結業績予想数値)

連結売上高は、前年比2.8%増の1,033,000百万円を見込んでいます。なお、2017年12月期に事業譲渡したゾートスインターナショナルInc.などの特殊要因を除く実質外貨前年比は8%増を見込んでいます。また、営業利益は、売上増に伴う差益増などにより、90,000百万円、経常利益は90,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、54,000百万円を見込んでいます。

 

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に
帰属する
当期純利益

1株当たり
当期純利益

発表予想(A)

百万円
1,033,000

百万円
90,000

百万円
90,000

百万円
54,000

円  銭
135.16

(ご参考)
2017年度実績(B)

1,005,062

80,437

80,327

22,749

56.95

増減額(A-B)

27,937

9,562

9,672

31,250

増減率(%)

2.8

11.9

12.0

137.4

 

 

 

(サステナビリティ戦略)

当社は、100年先も社会とともに持続的に成長し、世界中のステークホルダーから支持され、必要とされるグローバルビューティーカンパニーとなることをめざしています。当社を取り巻く世界の社会課題・環境問題、特に国連が主導する「持続可能な開発目標(SDGs)」に積極的に取り組み、長期的に健全な社会を形成していくことは、当社の持続的成長にとって非常に重要であると捉えています。
  当社のサステナビリティ戦略は、社会課題・環境問題の解決と、事業の成長拡大の両立をめざす成長戦略と位置づけています。当社がめざしている「美しさを通じて人々が幸せになるサステナブルな社会の実現」には、一人ひとりのお客さま、そのお客さまが属している社会、人々の暮らしを支えている地球環境が全て持続可能であることが重要であると考えています。

 

(環境問題への取り組み)

人々の暮らしを支える地球環境の保全と持続可能なモノづくりの推進は、美しい地球を次世代に受け継ぐための取り組みだと考えています。当社では、単なる環境対応にとどまらず、お客さまの心を動かす新価値を付加することで、バリューチェーンにおける環境負荷の最小化と事業における成長をめざします。また、こうした魅力ある商品やサービスを提供するとともに、環境に負荷を与えない消費行動の啓発と定着にも取り組んでいきます。

  近年、原材料を調達する過程における労働者への人権侵害や環境への配慮に対するステークホルダーの関心が高まっています。

当社では、昨年、「資生堂グループ人権方針」を定め、「英国現代奴隷法」に対応した取り組みを開始し、原料産地まで遡ったバリューチェーン全体の調達過程における人権、労働環境、安全衛生、環境保護に関する課題を可視化し、サプライヤーと協力して課題解決に取り組んでいます。

 

(ダイバーシティのさらなる推進と女性活躍支援)

当社は、国籍、性別、年齢、障がいの有無などあらゆる多様性(ダイバーシティ)を推進し、多様な考え方や価値観を持った社員が混じりあうことで、新たな価値を創造し、持続的成長につなげていきたいと考えています。なかでも、女性の社会的地位の向上や活躍支援について主導的な役割を果たしていくことを重要な使命の一つと捉えており、女性活躍を推進するためのさまざまな施策に取り組んできました。その結果、2017年1月には、日本国内における目標であった女性管理職比率30%を達成しました。2018年は、組織体制の変更に伴い比率が低下しましたが、引き続き女性の活躍支援を一段と進め、2020年までにこの比率を40%に高めることをめざします。

また、当社は社会に対しても女性の活躍を支援するさまざまな取り組みをグローバルに進めています。国連組織であるUN Womenが推進するジェンダー平等(男女平等)のためのキャンペーンに賛同し、昨年10月には、この課題の解決策を学生が提言するイベント“HeForShe(注)全ての人が輝く社会を目指して~Generation Zからの提言~”をUN Womenとの共催で開催しました。今後も当社は、このようなイベントを通じてこれからの社会を担う若い世代と共にジェンダー平等を推進し、全ての人が自らの人生を選択し能力を発揮できる社会の実現をめざします。

日本では、早期発見や治療技術の進歩により、がんと向き合って生きる期間が長くなる傾向があり、就労しながら通院しているがん患者の方も増えています。

当社は、老若男女を問わず、がん患者が自分らしくいきいきと日常を過ごせるよう、外見変化をメイクアップでカバーする方法の提供や、セミナー等を通じて、がん治療と就労の両立に向けた支援を行っています。

 

(注)UN Womenが2014年からグローバルに展開しているジェンダー平等のための連帯イニシアチブ。ジェンダー平

等の社会を実現するためには、男性を含め、全ての人が立ち上がらなければならないとの考え方から始まったもの。

 

 

(文化・スポーツ支援活動への貢献)

当社の新たな価値を創造するという精神は、芸術文化支援活動に活かされています。次代を担う新進の芸術家の支援を目的に、初代社長の福原信三が 1919 年に開廊した資生堂ギャラリー(東京都 中央区)や、1978 年に開館した資生堂アートハウス(静岡県 掛川市)等で、さまざまな作品の展示や情報発信を通じて、時代に先駆けた美の提案を行ってきました。

2017年7月に、当社は、「資生堂 presents チームラボかみさまがすまう森のアート展」(主催:御船山楽園(佐賀県 武雄市)、チームラボ)に、初めて協賛しました。会場では、プロジェクションマッピングなどのテクノロジーや光・音を駆使したアート作品と、ブランド「SHISEIDO」の新スキンケアライン「WASO」(ワソウ)の「自然からくる美しさをストレートに伝える」というコンセプトを融合させたコラボレーション作品を展示しました。
  また、人々に感動と共感を与えるスポーツへのサポートを通じて、世界中の人々のアクティブで美しい生き方を応援しています。屋外でスポーツする際も美しい肌を守るための日焼け止めや美白商品および関連美容情報を開発してきました。1979年より女子陸上部「資生堂ランニングクラブ」を運営し、2016年より、「東京マラソン」に、女性たちが美しさを保ちながら、レジャー・スポーツを思いきり楽しむことをサポートする「アネッサ」ブランドで協賛を行っています。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えています。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年3月27日)現在において当社グループが判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。

 

(1) お客さま対応

当社グループは、お客さまとの関係を重視しています。企業理念「Our Mission, Values and Way」の「Our Way」及び「資生堂グループ倫理行動基準」で、お客さまの満足と信頼が得られるように行動する旨を明示し、周知徹底を図っています。しかしながら、お客さまの満足や信頼を損なうこととなる不測の事態が生じた場合には、当社グループのブランド価値が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 品質管理

当社グループは、高品質で、高い安全性を持つ製品の提供を通じ、お客さまにご満足いただくことを何よりも重要と考えて活動しています。法令遵守はもとより、当社グループ共通ルールとして「品質保証の基本指針」「グローバル品質ポリシー・ガイダンス」を定めて品質の維持・管理に努めています。開発段階では、国内外の安全性保証ガイドラインを考慮した当社独自の厳しい安全性保証基準を設定しています。生産段階では、ISO22716 化粧品GMP(優良製造規範)を遵守し、徹底した品質管理のもとで製品を生産しています。しかしながら、想定外の重大な品質トラブルの発生、あるいは新たに得られた科学的知見に基づく安全性の懸念等、製品に関して不測の事態が生じた場合、当社グループの社会的信用が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 戦略的投資

当社グループは、戦略市場への投資、M&A及び新規事業・新規市場への事業拡大等の戦略的投資の推進に際して、意思決定のために必要かつ十分な情報収集をした上で検討を実施し、合理的な意思決定を行っています。しかしながら、予期し得ない種々の環境変化等により、当初意図した成果が得られない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 情報セキュリティに関するリスク

当社グループが保有する顧客情報や機密情報等の情報資産の保護については、さまざまな対策を講じています。具体的には、日本国内においては「個人情報保護規程」「個人番号及び特定個人情報取扱規程」「機密情報管理規程」及び「情報システム管理規程」を定め、これらの遵守を徹底し、お客さまの個人情報を慎重に取り扱い、各種情報資産の保護を行っており、海外においても当該国の法令に基づいた規程等を定めています。しかしながら、予期し得ない不正アクセスによる情報漏洩等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 化粧品業界の競争環境

当社グループの属する化粧品業界は、グローバル規模で競争が激しくなっています。成熟した国内市場での同業他社との競争激化や他業界からの新規参入など競争環境はますます厳しくなってきています。また、海外市場でも当社グループが成長戦略の柱として位置付ける中国を含むアジア市場等において、グローバルコンペティターが積極的なM&Aやマーケティング活動を展開し、消費者の認知度を高め市場シェアの拡大を図るなど、競争環境が一層厳しくなってきています。したがって、当社グループがこの競争環境に的確に対処できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 市場ニーズへの適合

新製品・新ブランドの開発・育成及びマーケティング活動が市場ニーズに適合しているかどうかが当社グループの売上及び利益に大きな影響をもたらします。当社グループでは、市場ニーズに応えるため、魅力的な新製品・新ブランドの開発、マーケティング活動による新製品・新ブランド及び現行主力品・既存ブランドの強化・育成、市場ニーズに応えられなくなった既存品・既存ブランドの撤退を継続的に行っています。しかしながら、当該活動はその性質上、さまざまな要因による不確実性が伴うため、当初意図した成果が得られない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、研究開発活動に関する詳細は、「第2 事業の状況 6 研究開発活動」に開示しています。

 

(7) 特定の取引先

小売・流通チャネルにおける変化に対する当社グループの対応が的確ではなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 運営リスク

従業員やビジネスパートナーなど当社グループの事業運営に係る者または第三者により、詐欺やその他の不正行為が行われた場合、直接的または間接的に当社グループの社会的評価が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 優秀な人材の確保及び育成

当社グループは、多様な人材の採用強化や社員の能力を引き出す研修プログラムを開発し、優秀な人材の確保・育成に取り組んでいます。また、社員が快適に業務を遂行できる職場環境の維持に努めています。しかしながら、必要な人材の確保・育成が計画通りに進まない場合や当社グループの予想を大幅に上回るような人材の流出が生じた場合には、競争力の低下や事業拡大の妨げとなり、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 環境・人権への配慮

当社グループでは、環境に配慮した企業活動を行っており、関連する各種環境法令を遵守しています。また、近年高まりを見せている、原材料の調達過程における労働者への人権侵害等への配慮に対するステークホルダーの関心に対応し、原料産地まで遡ったバリューチェーン全体の調達過程における環境配慮、人権、労働環境及び安全衛生に関する課題を可視化し、サプライヤーと協力して課題解決に取り組んでいます。しかしながら、事業拠点やサプライチェーンにおいてこれらの課題に適切に対応できなかった場合、当社グループの社会的信用が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 重要な訴訟等

当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されていませんが、将来、重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 法規制等に関するリスク

当社グループは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律をはじめとする法規制や、品質に関する基準、環境に関する基準、会計基準や税法等、事業展開している国内外のさまざまな法規制等の適用を受けています。当社グループはコンプライアンス(法令遵守)とCSRに基づく倫理的行動に万全を期していますが、今後、これらの法規制等が変更された場合、また予測できない法規制等が新たに設けられた場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(13) 原材料価格変動のリスク

当社グループ製品の原材料は、国際市況の影響を受け、地政学的リスク、新興国の需要増加や投機資金の流入に伴う需給バランス、天候不順、為替レートの変動等に伴い市況価格が変動します。当社グループでは、原材料価格の上昇に対する継続的な原価低減活動などにより、その影響を軽減する努力を続けています。しかしながら、予想を超える市況価格の変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 為替変動のリスク

当社グループは、輸出入取引等を行うことに伴う外貨建て決済について、為替レートの変動リスクを負っています。当社グループでは、原則販売地域に対応する生産体制を築くことや、適切な為替予約等を付すことなどにより、為替変動に対するヘッジを行っていますが、リスクが完全に回避されるわけではありません。また、海外連結子会社及び持分法適用関連会社の現地通貨建ての報告数値は、連結財務諸表作成時に円換算することから、収益が費用を上回っている状況では、円高が進むと経営成績にマイナス影響を与えます。さらに、当社の海外連結子会社及び持分法適用関連会社への投資は、円高が進行すると為替換算調整勘定を通じて自己資本を減少させます。不測の為替変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 株価変動のリスク

当社グループは、当連結会計年度末時点で時価のある株式を保有しており、株価の変動リスクを負っています。株価の動向次第では評価損益の増減及び減損のリスクがあります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を時価のある株式で運用しており、株価の下落は年金資産の目減りを通じて年金費用を増加させ経営成績にマイナス影響を与えます。不測の事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、有価証券に関する詳細は、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等 注記事項 (有価証券関係)」に開示しています。

 

(16) 地政学に関するリスク

事業活動において、予期し得ない経済的・政治的・社会的な突発事態の発生、テロ・戦争・内乱の勃発、伝染病の流行などによる社会的・経済的混乱、自然災害、異常気象や天候不順等が、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) 災害・事故等

当社グループでは、大規模な地震の発生など災害・事故発生時の生産・物流及び販売の中断による損失を最小化するため、生産拠点、物流拠点、情報システム及び本社を事業継続の重要拠点と位置付け、事業継続計画(BCP)の構築を行っています。しかしながら、想定を超える災害・事故等の発生により、製造・物流及び販売の中断が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) ブランド価値の低下

当社グループでは、保有するブランドの価値向上に努めていますが、上記に掲げたリスクの他にも不測の事態によるブランド価値の低下が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、さまざまな技術の融合により画期的な製品、サービスの提供を行うことで、世界中のお客さまの「美と健康」の実現を目指しています。横浜市のリサーチセンター(グローバルイノベーションセンター)をはじめ、米国、フランス、中国、シンガポールの各拠点において、研究開発を推進しています。海外の研究拠点では、現地でのマーケティングと連携しながら、現地のお客さまの肌や化粧習慣の研究、その地域特性にあった製品開発に取り組んでいます。

当社グループは、1世紀以上も前から、最新の皮膚科学と処方開発技術にもとづいた高品質な製品を開発してきました。その研究開発力は外部から高い評価を受け、2017年も化粧品科学領域で最も権威のある研究発表会である「IFSCC(国際化粧品技術者会連盟)Conference」において最優秀賞を受賞しました。

当社グループは、世界中のお客さまに向けた安全・安心、高品質な商品の創出に向けた技術の積み重ねにより、世界の化粧品業界をリードしていきます。

 

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は24,230百万円(売上高比2.4%)であり、商品カテゴリー別の研究成果は、以下のとおりです。なお、研究開発活動については、特定のセグメントに関連付けられないため、セグメント別の記載は行っていません。

 

(1) スキンケア

女性がしわを気にせず思い切り笑い、豊かな表情で自分らしくいきいきと輝くことを願い、約30年間に及ぶレチノール研究の基盤技術をもとにエイジングケア研究を進め、レチノールによる「しわを改善する」効能効果の承認を厚生労働省から受けました。レチノールはヒアルロン酸の産生を増加させ、皮膚に柔軟性を与えてしわを改善します。この技術を核に、表情あふれる美しい世界の創造に貢献していく、ブランドを横断した「資生堂 表情プロジェクト」を展開し女性たちを本来の豊かな表情へと解放しさらに輝き続けることを応援しています。「エリクシール」向けにプロジェクト対象の第1弾商品を開発し、さらに「SHISEIDO」向けに、美白効果を併せ持つ第2弾商品を開発しました。

また、D-アミノ酸の一種「D-グルタミン酸」によるバリア機能回復ソリューションを「アクアレーベル」へ採用しました。D-アミノ酸は資生堂が高感度な分析方法を開発したことによって研究が飛躍的に進み、肌への有効性が注目されるアミノ酸です。D-グルタミン酸が幼児の肌に多く20代以降急激に減少することを発見し、さらに肌のうるおいを守る角層のバリア機能の回復を促す効果があることを、世界で初めてヒトの肌で実証しています。

 

(2) メイクアップ

美意識が高く本物の高品質を求める女性は、自分史上最高レベルの美しい肌に出会うことを常に望んでいます。肌そのものを活かして美しく見せる新次元の肌づくりを追求し、ブラー効果による仕上がり技術(半透明のオイルゲル基剤の中で光がランダムに広がり、肌悩みをぼかす効果とつや効果を実現)、スキンケア感覚の使用感をもたらす乳化技術(スキンケアオイルの安定配合、スキンケア処方とファンデーション処方の融合により、なめらかでなじみの良い使用性と肌効果を実現)を「クレ・ド・ポー ボーテ」へ採用し、「類まれなる体験を実現する」ラグジュアリーファンデーションを開発しました。

アイシャドウの購入理由1位が目を大きく見せるためである一方で、 約半数の方が現状のアイシャドウでは満足していないことが調査により分かりました。アイシャドウが瞳の色と同化することで自然に瞳を大きく見せられる効果があることから、女性の瞳の色(虹彩色)を計測したところ、同じブラウン系でもその明るさや鮮やかさに個人差があることを発見しました。得られた知見を「マキアージュ」へ応用し、瞳の色の研究から得られた分布に沿って5種のブラウンを配置、開発しました。

 

(3) ヘアケア

30-40代の女性の主な髪悩みはパサつきで、トリートメントでケアしたいと思っているものの、毎日忙しくてなかなかケアできないというギャップに悩んでいることが分かりました。3ステップのトリートメントの浸透・持続技術(髪の美容成分の通り道(CMC)を広げる、美容成分を深く浸透させる、美容成分を髪内部にとどめて密封する)を「ツバキ」に採用し、忙しい女性でも自宅で手間ひまかけずにサロン帰りのような美しい髪を実現するヘアマスクを開発しました。

 

(4) ヘルスケア

ヘルスケア領域では、美と健康をつなぐ食品や一般用医薬品の研究開発を進めています。食品では、継続して進めているコラーゲン研究の成果を「ザ・コラーゲン」へ応用しました。

 

(5) フロンティアサイエンス

敏感な肌に適用する医科向け化粧品「ドゥーエ」、先進の美容皮膚医療用化粧品「ナビジョン」をはじめ、化粧品・医薬品原料など、化粧品開発技術を応用した商品開発を進めています。

また、ユニークなキラルアミノ酸分析技術を基盤とした産官学連携により、健康分野へ貢献する新しいR&D 領域・ビジネスモデルの創生を目指しています。

 

(6) プロフェッショナル

ケミカルダメージによる髪の扱いにくさの原因が髪のこわばりにあることに着目し、髪の内部を柔軟成分で満たすとともに髪の表面のダメージを補修しながらこわばりをほぐし柔軟にすることで、軽やかで扱いやすい髪へと導く「フローモーションテクノロジー」をサロン専用製品の「ザ・ヘアケア エアリーフロー」へ採用しました。

 

その他の活動としては、最先端の皮膚科学研究や美容技術の知見にデジタルテクノロジーを掛けあわせることで、スキンケアのパーソナライゼーションを実現する新しいIOT(Internet of Things)スキンケアシステム「Optune」を開発しました。専用マシンが一人ひとり、その時どきの肌環境に適したセラムとモイスチャライザーを抽出・提供します。2018年春にβ版のテスト販売を開始し、改良・開発を進めたうえで早期の本格導入を目指します。また、スマートフォンでの肌測定と肌の状態に基づくパーソナルな美容アドバイスにより生活者の美肌づくりをサポートするアプリケーションソフト「肌パシャ」を無料公開しました。最適なスキンケアアイテムの提案に加え、具体的な商品カタログページへ繫がる機能も搭載しています。今後も、パーソナライズド・ビューティーの提案に取り組んでいきます。

当社開発の育毛有効成分アデノシンについては、この成分が配合された育毛剤を発売後も、ヒトに対する有効性のエビデンス収集を継続的に進めてきました。その成果が専門学会(日本皮膚科学会)によるガイドラインの改訂においてはより推奨度の高い治療法として再評価され、推奨度C1から推奨度B「行うよう勧められる」に位置づけが変更になりました。また、毛髪再生医療の事業化に向け研究を進めています。共同研究先の東京医科大学と東邦大学大橋病院において、2017年に臨床研究が実施されました(当社は細胞培養加工を担当)。今後、安全性、有効性の解析を進めていく予定です。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析は次のとおりです。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。

 

①  有形固定資産

当社グループでは、有形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無を判定しています。この判定は、事業用資産についてはグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて、遊休資産については個別に比較可能な市場価格に基づいて行っています。経営者は将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えていますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。

 

②  のれん、商標権及びその他の無形固定資産

当社グループでは、のれん、商標権及びその他の無形固定資産について、減損の判定を行っています。のれん、商標権及びその他の無形固定資産の公正価値の見積りや減損判定に当たっては、外部専門家などによる評価を活用しています。公正価値の見積りは、主に割引キャッシュ・フロー方式により行いますが、この方式では、将来キャッシュ・フロー、割引率など、多くの見積り・前提を使用しています。これらの見積り・前提は、減損判定や認識される減損損失計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。経営者は、当該判定における公正価値の見積りは合理的であると判断していますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、公正価値が下落し、減損損失が発生する可能性があります。

 

③  有価証券

当社グループでは、その他有価証券のうち、取得原価に比べ時価又は実質価額が著しく下落したものについては、回復可能性があると判断される場合を除き、減損処理を行っています。時価のあるものについては、決算日現在の時価が取得原価に比べて50%以上下落した場合には回復可能性はないものと判断し、30%以上50%未満下落した場合には当該有価証券の発行会社の財政状態及び経営成績を勘案し、回復可能性を判断しています。時価のないものについては、発行会社の財政状態の悪化により、実質価額が取得原価に比べて50%以上下落した場合には、回復可能性があると判断できる場合を除き、減損処理を行っています。経営者は、回復可能性の判断が適切なものであると判断していますが、回復可能性ありと判断している有価証券についても、将来、時価の下落又は投資先の財政状態及び経営成績の悪化により、減損損失が発生する可能性があります。

 

④  繰延税金資産

当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は各社、各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されています。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断していますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う各社、各納税主体の経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定する可能性があります。

 

⑤  退職給付費用及び債務

当社グループの主要な退職給付制度は、日本における企業年金制度及び退職一時金制度です。従業員の退職給付費用及び債務は、割引率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等を含む前提条件に基づいて算出されています。これらの前提条件は年に一度見直しています。割引率と長期期待運用収益率は、退職給付費用及び債務を決定する上で、重要な前提条件です。割引率は一定の格付けを有し、安全性の高い長期社債の期末における市場利回りを基礎として決定しています。長期期待運用収益率は年金資産の種類ごとに期待される収益率の加重平均に基づいて決定しています。経営者は、これらの前提条件は適切であると考えていますが、実際の結果との差異や前提条件の変更が将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

①  概要

当連結会計年度の経営成績の概要については、「1  業績等の概要  (1)業績」に記載しています。

 

②  売上高

当連結会計年度の連結売上高の分析については、「1  業績等の概要  (1)業績」に記載しています。

 

③  売上原価、販売費及び一般管理費
(売上原価)

売上原価は、前連結会計年度比11.5%増の231,327百万円となりました。売上高に対する比率は前連結会計年度より1.4ポイント改善され、23.0%となりました。これは、主にプレステージブランドの売上伸長によるプロダクトミックスの改善やコスト構造改革の効果によるものです。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比14.4%増の693,298百万円となりました。その内訳は次のとおりです。

(イ) マーケティングコスト

マーケティングコストの売上高に対する比率は、事業基盤再構築に向けた成長投資や新ブランドの投資強化を進めていますが、マーケティング投資効率の改善効果により、35.7%と前連結会計年度比0.6ポイント減少しました。

 

(ロ) ブランド開発費・研究開発費

  ブランド開発費・研究開発費の売上高に対する比率は、前連結会計年度比0.8ポイント増の5.4%となりました。

 

(ハ) 人件費

人件費の売上高に対する比率は、前連結会計年度比0.7ポイント減の12.5%となりました。

 

(二) 経費

経費(その他の費用)の売上高に対する比率は、前連結会計年度比1.8ポイント減の15.4%となりました。

 

販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は24,230百万円となり、売上高に対する比率は2.4%となりました。なお、研究開発活動についての詳細は、「6  研究開発活動」に記載しています。

 

 

④  営業利益

営業利益の分析については、「1  業績等の概要  (1)業績」に記載しています。

 

⑤  営業外損益

営業外損益は、前連結会計年度に対し504百万円減の110百万円の損失となりました。

 

⑥  経常利益

経常利益は、営業利益が増加したことから、前連結会計年度比116.1%増の80,327百万円となりました。

 

⑦  特別損益

特別損益は、米国のBare Escentuals, Inc.に係る減損損失の計上等により、41,771百万円の損失となりました。

 

⑧  税金等調整前当期純利益

税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比22.7%減の38,555百万円となりました。

 

⑨  法人税等(法人税等調整額を含む)

法人税等は、前連結会計年度比17.2%減の13,200百万円となりました。

 

⑩  非支配株主に帰属する当期純利益

非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比42.9%増の2,606百万円となりました。

 

⑪  親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益の分析については、「1  業績等の概要  (1)業績」に記載しています。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「4  事業等のリスク」に記載しています。

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

①  資金調達と流動性マネジメント

当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を常にめざし、安定的な営業キャッシュ・フローの創出、幅広い資金調達手段の確保に努めています。成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資・投融資資金は、主に手元のキャッシュと営業活動からのキャッシュ・フローに加え、借入や社債発行により調達しています。資金調達に関しては、有利な条件で調達が可能な財務体質を維持すべく、ベンチマークとなる有利子負債比率は25%を目安としており、大型投資案件による資金調達が必要となった場合には、経営動向や財務状況及び市場環境などを勘案して、最適な方法でタイムリーに実施します。

手元流動性については、連結売上高の1.5カ月程度を一つの目安としています。当連結会計年度末の現金及び預金、有価証券の総額は174,479百万円となり、手元流動性は連結売上高(2017年1月1日から2017年12月31日までの期間)の2.1カ月分となりました。

一方、当連結会計年度末現在の有利子負債残高は140,615百万円となっています。国内普通社債の発行登録枠の未使用枠140,000百万円、当社及び欧米子会社2社を発行体とするプログラム型シンジケート・ローンの未使用枠300百万米ドル、並びに米国子会社のCPプログラムの未使用枠100百万米ドルなどを有し、資金調達手段は分散化されています。

当連結会計年度末現在において、当社グループの流動性は十分な水準にあり、資金調達手段は分散されていることから、財務の柔軟性は高いと考えています。

 

②  格付け

当社グループは、流動性及び資本政策に対する財務の柔軟性を確保し、資本市場を通じた十分な資金リソースへのアクセスを保持するため、一定水準の格付けの維持が必要であると考えています。当社グループは、グローバルな資本市場から円滑な資金調達を行うため、ムーディーズ・ジャパン株式会社(以下「ムーディーズ」)及びスタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社(以下「S&P」)の2社より格付けを取得しています。

 

2018年2月28日現在の債券格付けの状況(長期/短期)は以下のとおりです。

 

 

ムーディーズ

S&P

長期

A2(見通し:安定的)

A-(見通し:安定的)

短期

P-1

A-2

 

 

③  資産及び負債・純資産
(資産)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比1.6%増の949,425百万円となりました。

流動資産は、現金及び預金や受取手形及び売掛金の増加などにより、前連結会計年度末比21.8%増の526,245百万円となりました。

固定資産は、ベアエッセンシャル社の減損に伴うのれんや商標権等の減少などにより、前連結会計年度末比15.8%減の423,179百万円となりました。

(負債)

当連結会計年度末の負債は、長期借入金や退職給付に係る負債の減少などにより、前連結会計年度末比3.3%減の503,552百万円となりました。

有利子負債の詳細は、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  ⑤連結附属明細表」に記載しています。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末比7.7%増の445,872百万円となりました。

1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に対し75.71円増の1,059.84円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末比2.6ポイント増の44.6%となりました。

 

 

キャッシュ・フローについては、「1  業績等の概要  (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しています。

 

(キャッシュ・フロー指標の推移)

 

 

2013年
3月期
第113期

2014年
3月期
第114期

2015年
3月期
第115期

2015年
12月期
第116期

2016年
12月期
第117期

2017年
12月期
第118期

自己資本比率(%)

40.1

42.2

47.0

48.4

42.0

44.6

時価ベースの自己資本比率(%)

73.8

90.3

103.3

124.8

126.9

229.2

債務償還年数(年)

4.4

1.8

3.3

1.4

3.0

1.5

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

22.5

47.5

24.2

71.7

70.5

35.1

 

(注) 1  自己資本比率  :  (純資産の部合計-新株予約権-非支配株主持分)/総資産

    時価ベースの自己資本比率  :  株式時価総額/総資産

    債務償還年数  :  有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー

    インタレスト・カバレッジ・レシオ  :  営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い

2  各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。

3  株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。

4  有利子負債は、連結貸借対照表上に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しています。

5  第114期より、「従業員給付」(国際会計基準第19号 2011年6月16日改訂)を一部の連結子会社において適用し、確定給付負債の純額の変動の認識方法の変更等を行っています。当該会計方針の変更は遡及適用され、第113期の関連する主要な経営指標等については遡及処理後の数値を記載しています。

6  第116期より当社及び3月決算であった連結対象会社は、決算日を3月31日から12月31日に変更しました。この変更に伴い、当社とすべての連結対象会社の決算日が統一され、第116期においては、当社及び3月決算であった連結対象会社は4月1日から12月31日までの9カ月間、12月決算である連結対象会社は1月1日から12月31日までの12カ月間を連結対象期間としています。

7  第118期より表示方法を一部変更しており、第117期の繰延税金資産及び繰延税金負債に対して組み替えを行っています。なお、詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(表示方法の変更)」に記載しています。これに伴い、第117期の関連する主要な経営指標等については、組み替えを反映させた数値を記載しています。