第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

1. 業績

 

当連結会計年度の売上高は、ディスプレイ広告の売上が増加したことに加え、前連結会計年度にアスクル(株)を連結子会社化したことが寄与し、前連結会計年度比で30.9%の増収となりました。

営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度と比較して減益となりました。これは、前第2四半期連結会計期間にアスクル(株)の企業結合に伴う再測定益を596億円計上したことに加え、当第4四半期連結会計期間に同社の物流センターにおいて発生した火災に伴う損害額を130億円計上した影響によるものです。

以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高8,537億円(前連結会計年度比30.9%増)、営業利益1,920億円(前連結会計年度比14.6%減)、税引前利益1,934億円(前連結会計年度比14.6%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,365億円(前連結会計年度比20.4%減)となりました。

 

(1) マーケティングソリューション事業

「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)」の売上が増加を続けたことに加え、「Yahoo!プレミアムDSP」の売上も増加したことなどにより、ディスプレイ広告の売上が前連結会計年度比で増加しました。検索連動型広告の売上は、デバイスシフトの影響があったものの、継続的な機能改善や一部広告出稿主の需要増加により、前連結会計年度比で横ばいとなりました。

以上の結果、当連結会計年度のマーケティングソリューション事業の売上高は2,815億円(前連結会計年度比4.9%増)、営業利益は1,619億円(前連結会計年度比9.8%増)となり、全売上高に占める割合は33.0%となりました。

 

・「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)」では、継続的な機能向上や表示回数の増加により、売上が前連結会計年度比で増加しました。

・「Yahoo!プレミアムDSP」の売上は、前連結会計年度比で増加しました。

・検索連動型広告の売上は、デバイスシフトの影響があったものの、継続的な機能改善や一部広告出稿主の需要増加により、前連結会計年度比で横ばいとなりました。

・広告売上高のうち、スマートフォン経由(※)の比率は前連結会計年度比で拡大し、初めて50%を超えました。

(※) タブレット広告売上高の一部を含みます。 

 

(2) コンシューマ事業

「ヤフオク!」「Yahoo!プレミアム」における料金改定や、「Yahoo!ショッピング」における広告売上の増加に加え、前連結会計年度にアスクル(株)を連結子会社化したことなどにより、コンシューマ事業の売上は前連結会計年度比で大きく増加しました。また、eコマース国内流通総額(※1)は、前連結会計年度比で23.0%増の1兆8,529億円となりました。うち、アスクル(株)単体におけるBtoB事業インターネット経由売上高(取扱高、20日締め)は、2,126億円となりました。

この結果、当連結会計年度のコンシューマ事業の売上高は5,117億円(前連結会計年度比1.5倍)、全売上高に占める割合は59.9%となりました。

また、当連結会計年度の営業利益は649億円となり、前連結会計年度比で45.1%の減益となりました。これは前第2四半期連結会計期間に計上したアスクル(株)の企業結合に伴う再測定益596億円に加え、当第4四半期連結会計期間に計上した同社の物流センターにおいて発生した火災に伴う損害額130億円の影響によるものです。

 

・オークション関連取扱高が引き続き増加したことに加え、落札システム利用料を改定したことなどにより、「ヤフオク!」の売上が前連結会計年度比で増加しました。

・「Yahoo!ショッピング」は、商品数が引き続き増加したことや自社サービスからの送客を強化したことに加え、ソフトバンクのスマートフォンユーザーへのTポイント還元施策などが寄与し、「Yahoo!ショッピング」と「LOHACO」(アスクル(株)におけるLOHACO事業の売上高(取扱高、20日締め))の合計の取扱高が、前連結会計年度比23.0%増と大きく拡大しました。加えて、ショッピング広告売上高(※2)も大幅に増加しました。

・「ヤフオク!」「Yahoo!ショッピング」取扱高のうち、スマートフォン経由の取扱高が、前連結会計年度比で引き続き増加しました。

・2017年3月末の月額有料会員ID数(※3)は、1,773万IDとなりました。月額有料会員ID数の増加に加えて、「Yahoo!プレミアム」の会員費を改定したことも売上の増加につながりました。

 

(※1) ショッピング関連取扱高、オークション関連取扱高、アスクル(株)単体におけるBtoB事業インターネット経由売上高(取扱高、20日締め)を含みます。

(※2) ヤフー(株)単体におけるショッピング広告売上高、バリューコマース(株)が「Yahoo!ショッピング」出店ストアに販売している「Yahoo!ショッピング」の広告商品「ストアマッチ」等の売上高、「Yahoo!ショッピング」出店ストアが出稿している検索連動型広告、YDN等の売上高の合計値です。
「Yahoo!ショッピング」出店ストアが出稿している検索連動型広告、YDN等の売上高はマーケティングソリューション事業の広告売上高に計上しています。

(※3) Yahoo!プレミアム会員、Yahoo! BB利用者、Yahoo! JAPANおよび提携企業(「Yahoo!ウォレット」を通じた決済分のみ)が提供するデジタルコンテンツ・サービス等の月額有料会員の合計値です。1IDで複数のサービスを利用した場合は、重複カウントしています。

 

2. キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ93,902百万円増加し、543,067百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の納付およびクレジットカード事業にかかる債権の増加があったものの、主に税引前利益の計上により127,023百万円の収入となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産および無形資産の取得により57,047百万円の支出となりました。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いがあったものの、主に借入れおよび社債の発行により23,996百万円の収入となりました。

 

3. 並行開示情報

IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。 

 

当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)

 

(1) 連結の範囲

アスクル(株)については、議決権の45.3%を所有しているため、日本基準では持分法適用関連会社ですが、IFRSでは議決権の分散状況および過去の株主総会の投票パターン等を勘案した結果、当社がアスクル(株)を実質的に支配していると判断し、同社を子会社化しています。

上記の影響により、IFRSでは日本基準に比べて資産合計が231,938百万円増加、負債合計が125,605百万円増加、資本合計が106,332百万円増加しています。また、売上高が333,175百万円増加、営業利益が9,373百万円減少、親会社の所有者に帰属する当期利益が976百万円減少しています。

 

(2) 売上高の純額表示

日本基準では検索連動型広告などの売上に応じて支払うTraffic Acquisition Costおよび決済手数料の一部について純額で表示していますが、IFRSでは総額で表示しています。

上記の影響により、IFRSでは日本基準に比べて売上高が42,089百万円増加しています。

 

(3) のれんの償却

日本基準ではその効果の及ぶ期間を見積り、その期間で償却することとしていますが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しています。

上記の影響により、IFRSでは日本基準に比べて営業利益が9,487百万円増加、親会社の所有者に帰属する当期利益が9,449百万円増加しています。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループはインターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、また受注生産形態をとらない事業も多いため、セグメント毎に生産の規模および受注の規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
 なお、販売の状況については、「1 業績等の概要 1. 業績」における各セグメントの業績に関連づけて示しています。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末において、当社グループが判断したものです。

 

1. 会社の経営の基本方針

当社グループは、設立当初より、楽しく便利なインターネットサービスを利用者に提供することを主眼に事業を運営してきました。現在ではパソコンに加え、スマートデバイス等接続機器の多様化、普及拡大にともない、インターネットは時間と場所を選ばず利用されるようになり、利用者数、利用頻度および利用時間が大きく増加しています。そのような中、当社グループがインターネットサービス提供会社として果たす社会的役割は一段と重要性を増しています。
 当社グループは、情報技術で人々や社会の課題を解決する「課題解決エンジン」であり続けるという基本理念のもと、インターネットの利便性、公共性、社会性、将来性を認識して、利用者の求めるサービスを提供し続けていきます。
 当社グループは中長期的かつ持続的な企業価値の向上を目指しており、そのためには、将来の成長を見据えたサービスへの先行投資や設備投資、資本業務提携を積極的に行うことが重要だと認識しています。同時に、利益還元を通じて株主の皆さまに報いることが上場会社としての責務ととらえています。
 当社グループはこれからも、将来の成長のための投資を継続しながら、株主の皆さまへの適切な利益還元を行うことにより、企業価値の向上を目指していきます。

 

2. 目標とする経営指標

当社グループは主要財務指標として、全社および各事業の売上高、営業利益およびその成長率、1株当たり当期利益およびその成長率を重視しています。また利用者による当社グループサービスの利用状況を、事業展開の上での重要な構成要素ととらえています。具体的には、全社および各サービスの閲覧状況を示すデイリーユニークブラウザー(DUB)数を特に重視しており、その他、ページビュー(PV)数、各月中にログインしたYahoo! JAPAN ID数であるアクティブユーザーID数、利用時間等の動向を注視しています。また有料サービスの利用状況を示す月額有料会員ID数および「ヤフオク!」、「Yahoo!ショッピング」等のeコマース国内流通総額等を重要な事業上の指標としています。

 

3. 中長期的な会社の経営戦略

昨今のインターネット利用環境は、スマートデバイスによる利用が急激に拡大する一方で、パソコンの利用機会が徐々に減少しています。そのような環境を踏まえ、当社グループでは、スマートデバイスにおけるインターネットの利用時間と利用シーンの拡大を推進しています。
 生活インフラとも呼ぶべきYahoo! JAPANトップページ、ニュースや天気等のサービスをスマートデバイス向けに最適な形で提供すること、また地図やカーナビ等、スマートデバイスならではの機能を活用した多数のサービスを、ブラウザーに加えてアプリでも提供することにより、スマートデバイスにおいても当社グループサービスの利用を着実に増やしてまいりました。その結果、デイリーユニークブラウザー数とページビュー数の半数超がスマートフォン経由となっており、当社グループのサービス利用におけるスマートフォンへのシフトは順調に進んでいます。今後はスマートフォンアプリを通じたサービスの提供をより強化するとともに、さらなる収益機会の拡大を目指していきます。
 また、特にスマートフォンという表示領域の限られたデバイスを通じたサービスの提供にあたっては、利用者の様々なニーズにあわせてサービス提供内容を最適化することが、利用者にとって最も使いやすいサービスの実現につながるという考えから、当社では、プライバシーポリシーに基づいて利用者による当社サービスの利用データを収集・蓄積・分析し、利用者のニーズに適した情報や広告の配信を行う等、サービスの改善に努めていきます。

 

4. 会社の対処すべき課題

当社グループは、社会と調和し持続可能な成長を実現するために、利用者のニーズを満たすコンテンツやサービスを提供することで、当社グループの競争優位性を維持するとともに、新たな市場や顧客を開拓し、収益を増大させる必要があると考えています。インターネット業界は現在、スマートフォンの利用拡大が進み、新たな利用者のニーズ、競争要因、競合企業が次々と生まれてくる状況にあります。こうした環境において、当社グループはこれまで築き上げてきた基盤や競争優位性をベースに、新たな施策を次々と打ち出していくことが不可欠であると考えます。
 また、インターネットは生活やビジネスに欠かせないインフラであり、当社グループの担う公共的な責任も増しているため、突発的な事件や自然災害などに対する施設面・業務面でのリスクマネジメントの徹底に努めています。加えて当社グループでは、個人情報の保護を筆頭にセキュリティの強化を最優先に図っていますが、今後も当社グループが提供するサービスを安全にかつ安心してご利用いただけるよう対策を講じています。
 こうした課題の解決には、組織力・人財開発を強化していく必要があるため、当社グループは日本一の人財開発企業を目指し、社員の才能と情熱を解き放つための様々な取り組みを進めています。加えて企業の社会的責任を果たすための取り組みや、企業経営のリスクに対応するための内部統制システムの構築についても、さらに強化していきます。
 当社グループは、役員、社員全員がワンチームとなり、さらなる成長を目指すとともに、情報技術で人々や社会の課題を解決する「課題解決エンジン」として、社会のさらなる発展に貢献していきます。

 

 

4 【事業等のリスク】

 当社グループの業績は、今後起こり得る様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。

 以下には、本書提出時点での事業展開上のリスクとなる可能性がある主な事項を記載してあります。また当社グループがコントロールできない外部要因や、事業上のリスクとして具体化する可能性は必ずしも高くないとみられる事項を含め、投資家の投資判断上重要と考えられる事項については積極的に開示しています。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の予防および発生時の対応に努力する方針です。また、経営状況および将来の事業についての判断は、以下の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えています。なお、以下の記載は当社への投資に関連するリスクすべてを網羅するものではありません。

 

(1) 市場動向・競合環境に係わるリスク

① 経済・市場・ユーザー動向に係わるリスク

a. 当社グループの事業の発展はインターネット関連市場の拡大と同調する側面があります

 日本におけるインターネットの普及は1995年頃から本格化し、ブロードバンドの進展やスマートデバイスの進歩によりユーザー数および利用時間は継続的に増加しています。当社グループの事業は直接間接にインターネットに関連しているため、インターネット上の情報の流通または商業利用が今後も広く普及し、ユーザー数および利用時間が増加するとともにユーザーにとって快適な利用環境が実現・維持されることが、事業の発展にとっての基本的な条件となります。
 しかし、将来的にユーザー数や利用時間の伸びの鈍化の可能性、インターネット利用を制約する規制やユーザーへの新たな負担が増える可能性、ユーザー数の増加や利用水準の高度化に対応した新しいプロトコルや技術標準の開発・適用等が適切に行われない可能性等、インターネット関連市場の継続的な拡大には、不透明な面があります。

b. インターネットが広告媒体としての地位を維持・拡大できるかどうかは不確実です

 インターネットの広告ビジネスは、日本国内においては当社の事業開始とともに本格化しました。(株)電通の発表によると、2016年における年間のインターネット広告費は広告市場全体の20.8%を占めています。
 当社グループでは、媒体としての価値を高めるため、各サービスの内容を充実させるとともに、主に広告事業においては、広告主や広告会社等各種関係者のインターネット広告に関する理解・評価を高められるよう、定期的にセミナーを開催する等の方法により啓発活動を実施し、広告主層の拡大・安定化に努めています。また、主にプロモーション広告(スポンサードサーチ、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)など)については、ユーザーの求めている情報と掲載される広告内容とのマッチング精度の向上に努め、ユーザーおよび広告主双方にとってメリットのある媒体となるよう努めています。
 しかしながら、今後市場が期待以上に成長しない可能性や、成長のスピードが遅くなる可能性があり、期待した広告収入を得ることができず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

c. インターネットの広告媒体は短期的に、景気動向、ユーザーの動向の影響を受ける可能性があります

 広告ビジネスは一般的に景気動向、ユーザーの動向の影響を非常に受けやすいこと、広告主との契約による広告掲載期間は通常比較的短期間であること、また、インターネットの利用には潜在的に短期変動することから、特に景気が悪化した場合、各企業は広告に係わる支出を優先的に削減する傾向があります。求人や不動産などのインターネットでの情報掲載ビジネスも、景気動向の影響を強く受けます。
 その一方で、費用は人件費、賃借料等の固定的なものが多く、売上変動に応じた費用の調整が困難であるため、当社グループの利益は潜在的に変動性が高いといえます。

d. インターネットの広告ビジネスは、大手広告主や広告会社の媒体別広告予算配分の影響を受ける可能性があります

 大手広告主による広告の出稿の多くは広告会社を経由して行われ、インターネットやテレビ、新聞などの各媒体にどのように広告予算を配分するかは、広告主の意向や広告会社の裁量に依るところが大きくなっています。当社グループとしては広告媒体としての魅力を向上させるとともに、広告効果向上のための各種施策を実施していますが、これらの予算配分の動向が、当社グループの広告売上に影響を及ぼす可能性があります。

e. 当社グループがモバイル広告の領域において、パソコンと同等の地位を獲得できるかは確実ではありません

 近年、スマートデバイス等への広告配信が増加しています。当社グループとしてもスマデバファーストを掲げ、スマートデバイス向けサービスをパソコン向けサービスよりも優先して、これに対応していますが、スマートデバイスでの利用がさらに拡大した場合、ユーザー数や利用時間においてパソコンと同等の地位を獲得できず、全体として当社グループのシェアが低下する可能性があります。その場合、広告主からの出稿の伸びが鈍化し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

f. 当社グループの収益は、有料会員サービスのユーザー数の変化の影響を受ける可能性があります

 ユーザーは、ブロードバンドの進展により急速に増加し、それに伴い有料会員サービスの市場も拡大しました。しかしながら、将来的には、ユーザーの増加が頭打ちになることが予想されます。当社グループではそのような状況に備えるべく、日頃より各種サービスの顧客満足度を向上させ、利用度を高めるような様々な施策を実施していますが、様々な特典を享受できる「Yahoo!プレミアム」をはじめとする有料会員数の伸びが鈍化するおそれがあり、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。

g. インターネットの様々な有料サービスが継続的に利用されない、または、当社グループが提供する有料サービスが利用されない可能性があります

 当社グループでは、映像やゲームなど、ユーザーのニーズに合った様々な有料コンテンツを配信しています。今後もユーザーの増加とともに、インターネットによる有料コンテンツの利用が増加していくものと思われますが、インターネット上での有料コンテンツ配信がユーザーの生活に浸透しない可能性があります。

② 競合環境に係わるリスク

a. 当社グループの各サービスには競合が存在するため、今後もインターネット業界において優位性を発揮し続けられるかどうかは不確実です

 当社グループのサービスはポータルサイトとしての位置づけを主軸に、検索をはじめ、ニュースなどの各種情報提供、メールなどのツールの提供、ショッピングなどのEC(eコマース)、決済関連など、インターネットを通じ多数のサービスを提供しており、それぞれのサービスにおいての競合は多数存在しています。
 このような環境のもと、当社グループが当業界において優位性を発揮し、一定の地位を確保・維持できるか否かについては不確実な面があります。また、価格競争や、顧客獲得に係わる費用の増大に伴う利益の減少の可能性があるほか、広告会社や情報提供者に対して支出する販売手数料や情報提供料等の増加を余儀なくされる可能性があり、これらが当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 また、当業界においては、設立間もない企業による新興サービスがユーザーの支持を集め急速に広まることがあります。当社グループでは、ユーザーの意見や動向を捉え、ユーザーの支持を集めることができるサービスを提供していく所存ですが、新興企業のサービスが当社グループのサービスに対する競合となる可能性や、競争優位性を発揮するための新規サービスの開発に費用がかかり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

③ 社会インフラや他社製品・サービスに係わるリスク

a. 当社グループのサービスは、電力やインターネット回線等の社会インフラ、サーバー等の設備機器、ユーザーの情報端末やソフトウェアなどの他社の製品やサービスに依存しています

 当社グループがサービスを提供するために必要な電力やインターネット回線等の社会インフラおよび、接続プロバイダ、サーバー等の設備機器、ユーザーのインターネット情報端末やソフトウェアなどは他社の製品やサービスであり、これらが良好に供給され稼動する事が、当社グループがサービスを適切に提供するための前提条件となっています。
 特に、サーバー等の設備機器の稼動をはじめとして、当社グループのサービスの適切な提供は、電力の安定的な供給に大きく依存しています。停電や使用制限等で供給が不安定になる場合に備え、データセンターの二重化や自家発電設備の整備を進めるとともに、停電や使用制限等の発生時には、速やかにかつ適切に全社的対応を行うよう努めています。しかしながら、何らかの理由により事故発生後の業務継続、復旧がうまくいかず、当社グループのサービスが影響を受ける可能性があります。また、電気料金の変動が当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。
 ブラウザーや、インターネットへ接続できるパソコンやスマートデバイス、テレビ、ゲーム機、カーナビなどの情報端末は、多種の製品が存在しています。しかしながら、一部の情報端末やソフトウェアには当社グループのサービスが未対応な場合があります。また、情報端末やソフトウェアの使用方法や設定内容などによっては、当社グループが発信する情報を適切に受けることができない場合があります。また、それらの機器やソフトウェア、サービスの仕様変更や料金変動、供給不足などにより、当社グループが発信する情報を適切に受けることができなくなる可能性や、ユーザーの利用頻度が減少したり、当社グループのサービス内容や収益に影響を及ぼしたりする可能性があります。

④ 技術動向に係わるリスク

a. 当社グループが提供するサービスは、当社グループが保有・利用するインターネット関連技術に依存し、新技術の登場や技術革新によって大きな影響を受ける可能性があります

 インターネット関連業界は参入者も多く競争の激しい市場であるとともに、新技術の登場や技術革新のスピードが速く、提供するサービスのライフサイクルが短いといった特徴を有しています。
 インターネット関連業界での競争力を維持するために、当社グループはサービス内容の充実や新技術への対応を進めていますが、提供するサービスが陳腐化したり新技術への対応が遅れたりした場合、競合他社に対する競争力が低下する可能性があります。

(2) 法的規制・制度動向に係わるリスク

① 法的規制に係わるリスク

a. 法令の制定や改正により、当社グループおよび当業界に影響が及ぶ可能性があります

 当社グループの事業に関連し、様々な法的規制がかかっています。
 当社グループは、各種法令を遵守するとともに、関係各所と協力し様々な施策や啓発活動等を実施しています。しかしながら、日本国内においては事件や事故等の発生に対して報道がなされた場合、何らかの法的規制をかけようとする動きが見られます。
 法令の制定や改正により、当社グループの事業への影響や、法令を遵守するための費用が増加する可能性があり、また、インターネット業界の発展に影響を与える可能性があります。

 

b. 当社グループはプロバイダ責任制限法を遵守する義務があり、今後の法改正の動向によっては事業が制約される可能性があります

 「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(プロバイダ責任制限法)は民法上の不法行為責任の範囲を明確にしたものに過ぎず、インターネット上で情報の流通を仲介する事業者の責任を加重するものではありません。しかしながら、今後、情報の仲介者に対してより積極的に責任を追及すべきだという社会的な動きが生じた場合は、法改正および新たな法律の制定、または業界団体などによる自主規制等が行われることにより、当社グループの事業が制約される可能性があります。

 

c. 当社グループは電気通信事業法を遵守する義務があり、今後の法改正の動向によっては事業が制約される可能性があります

 当社グループが運営するインターネットを利用した情報通信サービスの中には、電気通信事業法および関連する省令等を遵守する義務を負うものがあり、これらの法令が改正された場合には当社グループの事業が制約される可能性があります。

 

d. 青少年インターネット環境整備法の成立により、インターネット業界の発展に影響が生じる可能性があります

 当社グループでは、設立当初よりインターネットの健全な発展に貢献するよう各種対策等を行ってきており、未成年者を有害情報から保護する目的で、「Yahoo!きっず」の運営等の対策を行ってきました。2009年4月より「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(青少年インターネット環境整備法)が施行されましたが、この法律の内容と当社グループのビジネス内容から、事業への影響は軽微です。しかしながら、この法律は表現の自由への制約やフィルタリングの発展の阻害などへの課題が多く、日本国内のインターネット業界の発展に影響を与える可能性があり、結果的に当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

e. EC(eコマース)に対して法的規制が行われた場合、当社グループの収益に影響を与える可能性があります

 「ヤフオク!」においては、違法な物の出品や詐欺等が報告されることがあります。既に当社グループは、ブランド品出品者に対し、特定商取引法上の事業者に該当すると判断した場合、事業者としての表示義務を遵守するよう誘導し、遵守されない場合には、IDの削除措置を取っています。また他のインターネットオークション事業者と共同で「インターネットオークション自主ガイドライン」を策定し実施しているほか、「インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会」の幹事会社として対策を積極的に行っています。またユーザー向けの啓発ページとして「知的財産権保護ガイド」を設置し、著作権、肖像権、商標権について解説することで、出品者だけでなく落札者への啓発活動も行っています。
 また、出店者が増加している「Yahoo!ショッピング」においても、ガイドラインや利用規約に違反した出店者が増加したり、購入者からの取引上の被害報告が増加したりする可能性がありますが、こちらについても「ヤフオク!」の不正防止のノウハウやオペレーションを活用し、被害防止に努めています。
 しかしながら、これらの施策が功を奏さず、今後も違法出品や詐欺等が報告されるようであれば、インターネット上の取引そのものを規制するような法律が制定される可能性があり、その内容によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

f. ソーシャルメディア型サービスに対して法的規制が行われた場合、当社グループの各サービスに対して影響を与える可能性があります

 ソーシャルメディア型サービスは、ユーザーからの投稿によって、コンテンツの掲載やコミュニケーションが行われるため、他人の知的財産権、名誉、プライバシーその他の権利等の侵害が生じる可能性があります。当社グループでは、これらの権利等の侵害に係わる投稿を禁止しており、著作権保護等の観点からパトロールによる違法コンテンツのチェックや、ユーザーからの違法コンテンツの報告、権利者からの削除依頼などを速やかに受け付け、対応を行っています。
 しかしながら、これらの施策が功を奏さず、今後違法投稿が多数報告され、社会問題等になるようであれば、インターネット上のユーザー投稿サービスを規制するような法律が制定される可能性があり、その内容によっては、当社グループの各サービスに影響を与える可能性があります。

g. 金融系サービスに係わる新たな法律の制定、または改正が行われた場合、当社グループの各サービスに対して影響を与える可能性があります

  当社が運営する「Yahoo!マネー」において「資金決済法」の適用を受けています。そのため、資金決済法に基づき関東財務局に「資金移動業者」ならびに前払式支払手段における「第三者型発行者」として登録を行っています。
 また、(株)ジャパンネット銀行との協業においては、関東財務局の許可を受けて、銀行代理業者として、円普通預金口座開設の媒介を行っています。
 また、連結子会社であるワイジェイカード(株)において、クレジットカードおよびローンカードの発行を行っており、クレジットカードのリボルビング払い取引等については「割賦販売法」の適用を、クレジットカードのキャッシング取引やローンカードについては「貸金業法」、ならびに「利息制限法」の適用を受けています。このためワイジェイカード(株)は割賦販売法に基づき九州経済産業局に割賦販売業登録を、貸金業法に基づき、福岡財務支局に貸金業登録を行っています。なお、貸金業法の上限金利を利息制限法の上限金利まで引き下げる法改正により、利息制限法に定められた利息の上限金利を超過する部分に対して、不当利得として返還を請求される場合があり、ワイジェイカード(株)においては、保守的に見積もった引当金を積み立てているものの、返還請求が収益に影響を与える可能性があります。
 これらの規制が改定される場合には、コンプライアンス体制やシステム対応の強化、再整備等により費用が増加し、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。

 

h. 当社グループは旅行業法を遵守する義務があり、今後の法改正の動向によっては事業が制約される可能性があります

 当社グループが運営する「Yahoo!トラベル」の中には、旅行業法および関連する省令等を遵守する義務を負うものがあり、これらの法令が改正された場合には当社グループの事業が制約される可能性があります。

 

i. 当社グループのビジネスは、法的規制に限らず、政府や省庁、地方自治体等からの指導や要請等の影響を受ける可能性があります

 前述の法的規制の適用に限らず、政府や省庁、地方自治体等が行う指導や要請等に基づき、業界各社がインターネット上での情報流通やビジネスを自主規制することにより、当社グループのサービスや業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

j. Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)などの広告において、行動履歴情報の収集や分析に制約が生じた場合、サービス内容に影響を与える可能性があります

 Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)などは、ユーザーの行動履歴情報を分析したり、広告したい商品やサービスに興味・関心をもつグループに対して広告を配信すること等により、広告主・ユーザー・インターネットメディア全てにとって効果的な広告となることを目指す広告商品です。
 当社グループにおける行動履歴情報の収集や分析においては、ユーザーのプライバシー保護を重視しています。Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)などにおいては、ユーザー(厳密にはそのユーザーが使用するブラウザー)がYahoo! JAPANのどのようなサービスを閲覧したか、どのようなキーワードで検索したか、表示された広告とクリックの有無などの行動履歴情報を分析し、興味・関心の近いユーザー(ブラウザー)をグループ化するためだけに使用しており、特定のユーザーの興味・関心を分析しているわけではありません。
 このように当社グループではユーザーのプライバシーを保護するための現在考えうる十分な施策を講じていますが、行動履歴情報の収集や分析に対してユーザーからの反発などが起こる可能性や、法的な規制が行われる可能性は皆無ではなく、その際には当社グループのブランドイメージが低下したり、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)などの広告が販売できなくなったりする事により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 訴訟等によるリスク

a. 当社グループは検索サービスに表示される情報等について、情報の表示を望まない関係者等から損害賠償を請求される可能性があります

 当社グループは、検索サービスに表示される情報について、「検索結果とプライバシーに関する有識者会議」において「表現の自由」や「知る権利」とプライバシーをいかにバランスよく実現するかを検討しました。その結果当社は検索結果の非表示措置の申告を受けた場合の対応について、2015年3月に自主基準を公表しました。この自主基準に基づき、検索サービスに表示される情報に対して申告を受けた場合には適切に対処することで、サービスの改善を図り、リスクの軽減に努めています。しかしながら、これらの施策が功を奏さず、当社グループが関係者より損害賠償等を求められる可能性があり、その場合には当社グループに相応の費用が発生したり、ブランドイメージが損なわれたりする等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

b. 当社グループはオークション詐欺の被害者から、損害賠償を請求される可能性があります

 当社グループでは、より健全なオークションサイトを目指し、安全性の向上を目的とした対応として、2001年5月から有償での本人確認制度の導入、2004年7月から郵便物の送付による出品者の住所確認の導入、2005年11月から不正利用検知モデルを導入しました。また、違法出品の排除を行うパトロールチームの設置や、警察関係機関・著作権関係団体との提携を通じて、常に犯罪に係わる情報の提供やサービスの改善を図り、リスクの軽減に努めています。
 「ヤフオク!」では、代金を送金したのに商品が届かなかったとして集団訴訟を起こされましたが、最高裁が上告を棄却したため、「ユーザー間のトラブル事例を紹介するなど注意喚起していた」とした当社の勝訴判決が2009年10月に確定しました。
 しかしながら、今後も違法行為が発生し、当社グループの責任の有無にかかわらず、当社グループに対して訴訟を起こされる可能性があります。さらに、違法行為防止のためのシステム開発や管理体制を整えるための費用が増大し収益に影響がでる可能性もあります。
 また、ユーザーが違法行為等により損害を被った場合には、一定金額までのお見舞金を当社グループが被害を受けたユーザーに支払うお見舞制度を実施しています。これにより、費用が増加する可能性があります。

c. インターネット上の広告内容やリンク先ホームページ等について、関係者や行政機関等から当社グループに対してクレームや勧告、損害賠償を請求される可能性があります

 当社グループは、広告内容および広告バナーのリンク先ホームページに関して、独自の掲載基準である「広告審査基準」を設定し、日本国内の法令に抵触しないよう自主的な規制を行っています。また、広告主との間で適用される約款によって、広告内容に関する責任の所在が広告主にあることを確認しています。また、ユーザーが自由に情報発信できる掲示板やブログ、オークション等のサービスについては、違法または有害な情報の発信の禁止と全責任がユーザーに帰属する旨を約款に明記するとともに、削除の権利を当社グループで持ち、約款に違反した情報を発見した場合には削除をしています。
 以上のように、当社グループは自主的な規制によって違法または有害な情報の流通禁止やプライバシー保護について配慮しています。また、当社グループのサービスのユーザーに対して、インターネットの閲覧やインターネット上への情報発信はユーザーの責任において行うべきものであり、ホームページ等の閲覧や利用に伴う損害に関して当社グループは責任を負わない旨を掲示しています。しかし、これらの対応が十分であるとの保証はなく、当社グループが掲載する広告、リンク先の登録ホームページの内容、掲示板への投稿内容、オークションへの出品に関して、サービスのユーザーもしくはその他の関係者、行政機関等から、クレームや勧告を受けたり、損害賠償を請求されたりする可能性があります。その場合、ユーザーからの信頼が低下してユーザー数や利用時間が減少したり、サービスの停止を余儀なくされたりする可能性があります。

d. 当社グループが他社から調達しているコンテンツの内容について、利害関係者から当社グループに対して損害賠償を請求される可能性があります

 当社グループは、ニュース、気象情報、株価等の情報サービスや、映像、ゲーム等のコンテンツを他社から調達し、ユーザーに提供しています。2016年2月に「Yahoo! JAPAN メディアステートメント」を制定し、コンテンツ提供元とも「Yahoo! JAPAN メディアステートメント」が示す基本方針を共有することにより信頼性と品質の維持を図っています。コンテンツの内容についてはコンテンツ提供元が責任を負う契約とするとともに、利害関係者から指摘があった場合はコンテンツ提供元と速やかに検討の上対処しています。しかしながら、これらの施策を実施しているにもかかわらず、本来専らコンテンツ提供元の責任に帰すべき事項について、当社グループが利害関係者から損害賠償等を求められる可能性があり、その場合には当社グループに相応の費用が発生したり、ブランドイメージが損なわれたりすること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

e. 当社グループが制作に関与しているコンテンツの内容について、利害関係者から当社グループに対して損害賠償を請求される可能性があります

 当社グループは、ニュース等の情報サービスの一部において、当社グループ自らが制作に関与したコンテンツをユーザーに提供しています。コンテンツの内容については、人権に配慮するとともに、社会規範や品位を守り、良質で信頼できる情報の提供を目指し、不正確な情報や、過剰に扇動的な表現、誤解を招く情報を届けることのないよう努めています。利害関係者から指摘があった場合は速やかに対処しています。しかしながら、これらの施策を実施しているにもかかわらず、当社グループが利害関係者から損害賠償等を求められる可能性や、損害賠償等を求められるに至らないまでも、当社グループに相応の費用が発生したりブランドイメージが損なわれたりすること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

f. 第三者の責任に帰すべき領域に関して、当社グループが損害賠償請求等を求められる可能性があります

 ユーザーとの関係においては、「当社グループと提携する第三者の提供するサービス領域」および「当社グループの提供するサービス領域」についてユーザーが錯誤・混同することのないよう、利用規約や約款等を当社グループサイト上に掲載することにより、ユーザーの理解と同意を求める等の施策をとっています。しかしながら、これらの施策が功を奏さず、本来第三者の責任に帰すべき領域について当社グループがユーザーより損害賠償等を求められる可能性があり、その場合には当社グループに相応の費用が発生したりブランドイメージが損なわれたりする等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 「ヤフオク!」においては、出品される商品・サービスの選択、掲載の可否、入札の当否、売買契約の成立および履行等についてはすべてユーザーの責任で行われ、当社が責任を負わない旨を掲示しています。また同様に「Yahoo!ショッピング」においても、各ストアの活動内容、各ストアの取扱商品・サービスおよび各ストアページ上の記載内容、各ユーザーの各ストア取扱商品・サービスの購入の可否ならびに配送に関する損害、損失、障害については当社グループが責任を負わない旨を掲示しています。これらのサービスの内容に関して、サービスのユーザーおよび関係者からのクレームや損害賠償等の訴訟を起こされる可能性があり、その結果として、金銭的負担の発生や当社グループのブランドイメージが損なわれる等の理由により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。さらに、国際裁判管轄に関する条約により、国外のユーザーとの関係で、国外での法的紛争に発展する可能性があります。

g. 他社の保有する特許権・著作権等の知的財産権を侵害したとして、他社からクレームを受けたり損害賠償を請求される可能性があります

 当社グループでは知的財産を重要な経営資源と考えており、専門の部署を設置し特許の調査や出願、社内への啓発活動などを行っています。
 特許権は範囲が不明確であることから特許紛争の回避のために行う当社グループ自身の特許管理の費用が膨大となり、当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。また、インターネット技術に関する特許権の地域的な適用範囲については不明確であり、国内の特許のみならず、海外の特許が問題となる可能性は否定できません。
 また、当社グループが提供するサービスが他社の著作権等の知的財産権を侵害したり、当社グループ内において業務で使用するソフトウェア等が他社の権利を侵害したりすることについて、社内規則や社内教育などにより防止に努めています。しかしながら、結果的にこうした問題が起きてしまう可能性があります。その場合、損害賠償等の訴訟を起こされたり、多額のロイヤルティの支払いを余儀なくされたり、サービスの一部を提供できなくなる可能性があります。

h. プロモーション広告において、不正クリック等による過剰請求に対し、損害賠償を請求される可能性があります

 検索連動型広告やYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)などのプロモーション広告では、クリック数で広告料金や報酬が決定されることを悪用し、不正にクリック数を増やし、広告主に過剰な広告料金等を負担させるという問題が起こる可能性があります。米国では、その被害に遭った広告主が、集団でこのような広告商品を提供している企業に対して訴訟を提起するという事態が発生しています。当社グループでは、不正クリックをシステム的、または一部手作業にて調査・判別し、不正が疑われるクリックは広告料金や報酬の対象外とするなどの対策を行っていますが、今後、当社グループに対し、同様の訴訟を起こされる可能性や、これらの詐欺行為により当社グループのブランドイメージが損なわれ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ その他法制度に係わるリスク

a. 当社グループではシステム開発やコンテンツ制作等を業務委託や外注している場合があり、労働者派遣法、下請法に抵触するような事態が発生した場合、当社グループに対する信用が失墜する可能性があります

 当社グループでは労働者派遣法、下請法について従業員の入社時および入社後も定期的に研修を実施し、これらの法令を遵守し業務・取引を行うよう教育活動を行っています。しかしながら、これらの取り組みにもかかわらずこれらの法令に抵触する事態が発生した場合、当社グループに対する信用が失墜し業績に影響を与える可能性があります。

b. 会計基準および税制の変更が行われた場合、当社グループの損益に影響がでる可能性があります

 近年、会計基準に関する国際的なルール整備の流れがある中で、当社は基準の変更などに対して適切かつ速やかな対応を行ってきました。しかしながら、将来において会計基準や税制の大きな変更があった場合には、当社グループの損益に影響がでる可能性があります。

(3) 災害・有事に係わるリスク

① 災害等によるリスク

a. 災害等により、当社グループの業務が中断ないしは継続不能となる可能性があります

 当社グループの事業は、地震、火災等の自然災害や大規模事故、それらに伴う建造物の破損、停電、回線故障等の二次被害、また広範囲に発生する伝染病の影響を受けやすく、また当社グループのネットワークのインフラおよび人的資源は、大部分が東京に集中しています。当社グループでは、事故の発生やアクセスの集中にも耐えうるようにシステムの冗長化やデータセンターの二重化、分散化などの環境整備を進めるとともに、こうした事故等の発生時には、速やかにかつ適切に全社的対応を行うよう努めています。しかしながら、事前に想定していなかった原因・内容の事故等である場合や、広告主の事情による広告出稿の取り止め・出稿量減少が発生した場合、ユーザーが当社グループの有料サービスを利用できなくなった場合等、何らかの理由により、事故等が発生した後の業務継続、復旧がうまく行かず、当社グループの事業、業績、ブランドイメージ等に影響がでる可能性があります。また、当社グループが所有する建物に起因する火災等の災害発生時には、その再建や、周辺への補償等を含めた対策のため、業績等に影響がでる可能性があります。

② 有事に係わるリスク

a. 有事の際には、当社グループの業務が中断ないしは継続不能となる可能性があります

 通常の国際政治状況・経済環境の枠組みを大きく変えるような国際紛争・テロ事件等の勃発といった有事には、当社グループの事業に大きな影響があるものと考えられます。
 具体的には、これら有事の影響により、当社グループサイトの運営が一時的に制限されてその結果広告配信が予定通り行えない状況となったり、広告主の事情による広告出稿の取止め・出稿量減少が発生した場合や、アクセスインフラが断絶状態に陥ったり、ユーザーが当社グループの有料サービスを利用できなくなった場合は、売上が減少する可能性があり、また特別の費用負担を強いられる可能性があります。また、米国やその他の国・地域との通信や交通に障害が発生した場合には、それらの国・地域の業務提携先との連携に支障が生じる等の理由により、事業運営ならびに収益に影響を与えるリスクがあります。また、事業所が物理的に機能不全に陥るような事態となったり、当社グループの事業に関連が高い企業(インターネット接続、データセンター等に関連する企業)が同様の状況に陥ったりするようなことがあれば、当社グループのいくつかのサービスの継続が不可能となる可能性もあります。

(4) 事業運営に係わるリスク

① 経営方針・事業戦略に係わるリスク

a. 当社グループの戦略が、マーケットニーズ等の変化に応じて迅速かつ柔軟に策定・推進できない場合、競争上の優位性が損なわれる可能性があります

 当社グループでは、目標とする経営指標のうち、特にユーザー数とユーザー1人当たりの利用時間の増加を目指しスマートデバイスを中心とした戦略を推進しています。これらの戦略はマーケットやパートナーのニーズ、技術や競合の動向の変化に応じて迅速かつ柔軟に変更していく所存です。
 しかしながら、これらの戦略が迅速かつ適切に変更できない、もしくは、戦略の推進が遅延する等の理由により、競争上の優位性が損なわれる可能性があります。

② 技術開発・改良に係わるリスク

a. 新たな戦略やビジネスを開発し、ユーザーのニーズを満たすため研究開発に取り組んでいますが、的確にユーザーのニーズを捉えられない可能性や、研究開発の失敗、遅延の可能性があります

 当社グループは、ユーザーの増加・多様化に対応するため、新たなビジネスを戦略的に開発し、ユーザーのニーズを満たすコンテンツやサービスを提供することで、当社グループの競争優位性を維持していきたいと考えています。その一環として2007年4月にYahoo! JAPAN研究所を設立しました。これらには、一定の研究開発費用が発生していますが、予想以上に費用が発生してしまう可能性や、開発までに要する時間等の面で競争力の低下を招く可能性があります。
 インターネット関連業界は参入者も多く競争の激しい市場であるとともに、技術革新が常態である、変化のスピードが速い、提供するサービスのライフサイクルが短い等の特性を有しています。そのため、当社グループとしては、専門知識・技術を有する従業員の採用や、実績のある外部業者との協業により、業務の効率化を図り、常に市場ニーズの変化に迅速に対応可能となるようサービス企画・システム開発体制を整備していく所存です。しかしながら、研究開発が失敗・遅延する、予想以上に費用が発生する、ユーザーのニーズを捉えられず効果が見込めない等により、期待通りの利益を得られない可能性や、これらの開発に資源が集中することにより、他サービスの開発・運営に支障をきたす可能性があります。また、技術上・運営上の問題に対して、当社グループに対し損害賠償が求められる可能性があります。

b. 提供しているサービスの継続的な改善が適切に行われない場合、当社グループのサービスが陳腐化する可能性があります

 インターネット業界は技術や市場の変化が激しく、新しいサービスも次々と誕生してきています。そのような状況の中、当社グループのサービスが競争優位性を維持向上していくためには、ユーザーエクスペリエンスを絶えず向上することが重要と考えています。ユーザーエクスペリエンスの向上には、ユーザーとサービスの接点である表示や操作に係わる視認性やデザイン、操作性の向上に始まり、検索や情報サービスなどの応答結果がユーザーの求めている情報や好みにどれだけ近いかという情報のマッチング精度の向上、結果の応答速度やフィーリングの向上など多岐にわたる継続的な改善を必要とします。
 当社グループではこれらのサービスの改善に対する投資を継続的に行う必要があり、これらの投資が適切に行われない場合には、サービスの競争優位性やブランドイメージの低下につながる可能性や、サービス改善への費用の増加に伴い、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、サービスの改善やリニューアルにあたっては、それによる効果について事前に十分な調査やテストを行っていますが、期待していた効果とは逆にユーザーの減少やページビューの低下を引き起こす可能性もあり、広告販売等への影響から業績に影響を及ぼす可能性があります。

c. 設備投資の計画策定や実行が適切に行われなかった場合、サービスの品質が低下したり、逆に過剰投資で費用が増加する可能性があります

 当社グループでは、今後予想される事業規模の拡大に伴い、ユーザーのニーズに合った良質なサービスを提供していくために、継続的な設備計画を有しています。インターネットのユーザー層がさらに拡大し、デバイスの多様化が促進され、場所や端末の制約が無くなっていくことによって、より多くのアクセスの集中や短時間での大量のデータ送受信に十分に対応可能なネットワーク関連設備を逐次整備充実していく必要があります。当社グループでは大規模データセンターを保有することで、安定的、効率的なサーバーの運用とコストダウンを進めています。
  また大量の通信トラフィックをスムーズにコントロールするためのシステムやネットワークの構築、決済機能や顧客情報の管理のためのセキュリティ面の強化、ユーザーからの問い合わせの増加・多様化に適切に対応するためのシステムの強化充実、ビッグデータの活用等、今後は従来にも増して大規模な設備投資をタイミングよく実施していく必要性がより高まるものと予想されます。加えて、業容拡大に必要なオフィススペースの確保・拡充のための設備投資も継続的に必要となるものと勘案されます。
 これらの設備投資の実行に関しては、中長期的な費用対効果の検証を十分に行い、システム開発ならびに機器購入にかかる費用の適正化に注力することにより、必要以上の資金支出を発生させないよう留意します。
 当社グループは今後の業績拡大により、かかる費用ならびに資金支出の増加を吸収するのに十分な利益を計上し営業キャッシュフローを獲得できるものと考えていますが、設備投資の効果が十分に得られない場合には、当社グループの利益ならびにキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。またインターネット関連業界では技術革新やユーザーのニーズの変化が著しいことから、投資した設備の利用可能期間も当初想定より短くなってしまう可能性があり、その結果、償却期間が短縮され、年度当たりの減価償却費負担が現状よりも高水準で推移することや、既存設備の除却等により通常の水準を超える一時的な損失が発生する可能性があります。

d. 多様なインターネット接続端末のそれぞれに適切にサービスを提供できなかった場合、当社グループの事業の発展に影響がでる可能性があります

 近年、インターネットにアクセスできる情報端末の種類は増え、パソコンをはじめ、スマートデバイス、ゲーム機、テレビ、カーナビなど、パソコン以外の情報端末によるインターネットへの接続環境がさらに拡大しています。それに伴い当社グループのサービスへの接触機会を増やし、サービスの利用度を高めていく施策として、様々な情報端末からのインターネット利用を促進しています。これに伴って、次のようなリスクが存在すると考えられます。
 様々な情報端末へ当社グループのサービスを提供するためには、それらの情報端末を開発している企業との協力のもと、情報端末への情報伝達の規格に当社グループが参入できる必要があります。よって、その規格への参入ができなかった場合には、その情報端末に対してのサービス提供ができなくなる可能性があります。
 各情報端末から当社グループサイトへの接続の容易さは競争力の重要な要素の一つです。様々な情報端末において接続性を確保できるよう各社と協力していく所存ですが、接続性を確保できない場合、当社グループの競争力が低下する可能性があります。また、接続性の確保において予想以上の費用がかかることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
  加えて、それぞれの情報端末には固有の特徴、例えば画面表示の大きさや入力装置の違いなどがあります。当社グループでは、情報端末に応じて当社グループサイトを最適化し、情報提供を行っていますが、最適化に予想以上の時間を要する可能性や、各情報端末専用に構築された他社のサービスに比べ見劣りしてしまうことで、競争力が低下する可能性があります。また、その最適化に予想以上の費用がかかることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

e. 広告商品の多様化に適切に対応できない場合、広告売上に影響を与える可能性があります

 インターネットメディアにおいては、様々な広告手法による新たな広告商品が出現しています。当社グループでは、掲載期間や掲出インプレッション数を保証した広告商品や映像と音声で表現されるビデオ広告、マウスオンなどユーザーのアクションによる表示領域のエキスパンドなど、多彩な広告表現が可能なリッチ広告、Yahoo! JAPANのマルチビッグデータとメディアをフル活用することができるYahoo!プレミアムDSP、Yahoo! JAPANをはじめとした主要提携サイトに広告を掲載し、効果的にアプローチできるプロモーション広告(スポンサードサーチ、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)他)など、広告主のニーズに合わせた各種広告商品を開発し販売しています。また、ユーザーの行動履歴や検索キーワード、属性、配信地域等の情報を加味して広告配信を行う「ターゲティング広告」や、広告掲載場所のページ内容に、前述の行動履歴等の情報や、配信時間等を加味して広告配信を行う「インタレストマッチ」、各媒体の広告スペースを合わせて配信し各媒体単体では到達できない広いリーチをもった広告商品である「アド・ネットワーク」などの広告手法による商品も開発し、販売しています。
 しかしながら、今後のさらなるインターネット広告手法の進化に対応できない場合、広告収入の減少が見込まれるほか、新たな広告商品の開発費用の負担や、新しい手法による広告商品を取扱っている企業との提携による費用がかさみ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

③ 新規事業、新規サービスに係わるリスク

a. 当社グループは事業やサービスの多様化を進めていますが、これらの新規事業やサービスが収益に貢献しない可能性があります

 当社グループでは、その事業基盤をより強固なものとし、良質なサービスを提供することを目的として、今後も事業内容の多様化や新規事業への取り組みをさらに進めていく予定ですが、これらを実現するためには、人材の採用・設備の増強・研究開発費の発生等の追加的な支出が発生する可能性があります。
 また、これらの事業が安定して収益を生み出すにはしばらく時間がかかることが予想されるため、結果として当社グループ全体の利益率が一時的に低下する可能性があります。さらに、これらの事業が必ずしも当社グループの目論見通りに推移する保証はなく、その場合には追加的な支出分についての回収が行えず、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。

④ 提供しているサービスに係わるリスク

a. 検索サービスのシステム等は、グーグル・インク等に開発・運用・保守を委託しています

 現在、当社グループではグーグル・インクの検索エンジンと検索連動型広告配信システムを利用しています。
 今後当社グループとグーグル・インクとの関係の変動やグーグル・インクのサービス運営に何らかの支障が生じた場合、当社グループの業績やサービスの継続自体に影響を与える可能性があります。

 

b. グーグル・アジア・パシフィック・プライベート・リミテッドとの業務提携契約の変更等が行われた場合には当社グループの事業に影響を与える可能性があります

 当社は、検索エンジン(技術)や検索連動型広告配信システム(技術)等のサービスを提供するために、グーグル・アジア・パシフィック・プライベート・リミテッドとの間で次の内容の契約を締結しています。検索サービスは当社グループの重要な収益の柱の一つであるため、当該契約内容の変更等が行われた場合には、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。

契約の名称

  サービス提供契約

 

  (GOOGLE SERVICES AGREEMENT)

契約締結日

  2014年10月21日

契約期間

  2019年3月31日まで

契約相手先

  グーグル・アジア・パシフィック・プライベート・リミテッド

主な内容

① 相手方による検索技術および検索連動型広告配信技術の非独占的提供

 

 相手方は、検索技術および検索連動型広告配信技術を非独占的にヤフー(株)に提供し、ヤフー(株)は、これらを用いて自らのブランドにてサービスを提供する。

 

② 検索サービスの差別化

 

 両者は、検索サービスによる検索結果について差別化するための付加的な機能を自由に開発・運用することができる。
ヤフー(株)は、相手方が提供する検索結果を自らの判断で表示するか否かを決定することができる。

 

③ ヤフー(株)の相手方に対するサービスフィーの支払い

 

 ヤフー(株)が提供を受けたサービスの対価は、ヤフー(株)のサイトから得られる金額を基準に年次に応じて定められた計算式によって算出される金額および所定の期間にヤフー(株)のサイトから得られる売上が一定金額を超過した場合に当該超過分を基準に計算式によって算出される金額の合計とする。ヤフー(株)がパートナーのサイトで利用したサービスの対価は、パートナーのサイトから得られる売上に年次毎に定められたレートを乗じた金額とする。

 

c. 一部の広告商品では掲載インプレッション数等を保証しており、それを満たせなかった場合には補填等を行う必要があります

 当社グループの広告商品には、掲載期間とインプレッション数を保証しているものがあり、その期間の長さや掲出頻度などにより広告料金を設定しています。しかしながら、インターネットとの接続環境に問題が生じたような場合や、システムに支障が生じた場合など、広告を掲載するのに必要なインプレッション数を確保できない場合は、掲載期間延長や広告掲載補填等の措置を講じなければならない等、当社グループの広告売上に影響を及ぼす可能性があります。
 また、広告主の出稿ニーズはあるもののそれに合わせたサービスを提供できない場合、当社グループの収益獲得機会の損失につながると同時に広告主の出稿意欲の減退を招くことになり、当社グループの広告売上に影響を与える可能性があります。

d. 動画系サービスや大容量広告の利用増加により、インターネット回線費用やインフラ設備投資が増加する可能性があります

 当社グループでは「GYAO!」などの映像を配信するサービスを行っています。動画系サービスは文字と静止画像だけのサービスに比べインターネット回線の容量を多量に消費します。また、広告においてもブランドパネルやビデオ広告は、インタラクティブな広告を配信することが可能であり、同様にインターネット回線の容量を多量に消費します。これらのサービスは今後ますます利用が増加すると考えており、それに伴いインターネット回線に対する費用の増加や、配信に必要なサーバー等の設備に対する投資が増加する可能性があります。

⑤ コンプライアンスに係わるリスク

a. コンプライアンス対策が有効に機能する保証はなく、コンプライアンス上の問題が発生する可能性があります

 当社グループでは、企業価値の持続的な増大を図るにはコンプライアンスが重要であると認識しています。そのため当社グループでは、コンプライアンスに関する諸規程を設け、全役員および全従業員が法令、定款などを遵守するための規範を定め、その徹底を図るため、イントラネット上に諸規程を明示し、定期的な社内研修を実施しています。
 しかしながら、これらの取り組みにもかかわらずコンプライアンス上のリスクを完全に回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループのブランドイメージならびに業績に影響を与える可能性があります。

⑥ 管理・運営体制に係わるリスク

a. 業容拡大に伴い適切に人的資源が確保できない場合、または過剰に確保した場合、当社グループの事業の発展に影響がでる可能性があります

 当社グループでは、今後の業容拡大による広告営業や技術開発のための人員増強・体制強化に加えて、各種サービスの運用や品質向上のためのサポート、ならびに有料サービスについての課金管理・カスタマーサポート等、業務の多様化に対応するための増員も必要になります。
 このような業務の拡大に対して適切かつ十分な人的・組織的な対応ができない場合は、当社グループのサービスの競争力の低下ならびにユーザーや「Yahoo!ショッピング」、「ヤフオク!」等の各ストア等とのトラブル、事業の効率性等を低下させる支障が発生する可能性があります。
 また、人員の増強については業績等を勘案し注意深く行っていますが、これに伴い、人件費や賃借料等固定費が増加し、利益率の低下を招く可能性があります。

b. 社内のキーパーソンが退職した場合、当社グループの事業の発展に一時的な影響がでる可能性があります

 当社グループの事業の発展は、役職員、特にキーパーソンに依存している部分があります。キーパーソンには、執行役員をはじめ、各部署の代表者が含まれており、それぞれが業務に関して専門的な知識・技術を有しています。これらのキーパーソンが当社グループを退職した場合、適格な後任者の任命や採用に努めていますが、事業の継続、発展に一時的な影響が生じる可能性があります。
 また、当社グループの人事施策の一環として採用しているストックオプションは、一部の役職員に付与されていますが、有効に作用しなかった場合、役職員のモチベーション低下、さらには人材の流出を招く可能性があります。

c. 競争優位性を確保するために知的財産権の保護を推進していますが、その効果が十分ではない可能性があります

 当社グループでは、特許や著作権、デザイン、商標やドメインネームなど知的財産を重要な経営資源であり、競争上の優位性を発揮するための重要な要素の一つであると考え、適切に保護していく必要があると考えています。しかしながら、特許等の出願、特許権等の登録・維持には、人的資源の確保を含めて多額の費用と多くの時間を要します。また、特許等の出願に対して権利が付与されない場合や、特許権等に対して無効審判請求等がなされる場合があり、十分な保護が受けられない可能性があります。特許権等の知的財産権を保有していたとしても、これらの権利により競争上の優位性が直ちに保証されるわけではありません。当社グループが事業展開する領域での技術的革新は非常に速いため、特許権等の知的財産権による保護が限定的となる可能性があります。これらのような問題が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

d. 当社グループは多数の個人・法人のユーザーとの直接取引を行っているため、決済処理や問い合わせ対応等で費用が増加する可能性があります

 当社グループの事業規模の拡大や、プロモーション広告・有料会員サービス・有料課金コンテンツ等への取り組みの強化により、当社グループでは、不特定多数の個人・法人のユーザーからの直接収益の機会が大きくなってきています。これら不特定多数のユーザーへの対応として、専門の担当部署を設置による管理体制の強化や、新たなシステムの導入による業務の効率化等の手段をとっています。しかしながら、これらの施策にもかかわらず、小口債権の増加とこれに伴う未回収債権の増加、クレジットカード決済に伴うトラブルの増加、債権回収コストの増加等、決済ならびに債権回収に関するリスクが増加する可能性があります。
 また、ユーザーからの問い合わせも、サービス利用に関するもの、代金支払に関するもの、サービスや商品の返品・交換に関するもの、当社グループから第三者に委託している内容(物流・決済等)に関するもの等と、多岐にわたっています。当社グループでは、これらユーザーからの問い合わせに適切に対応できるよう、従業員の増強、組織管理体制の強化充実、業務の標準化・システム化の推進による効率化等を常に進めています。しかしながら、これらの施策充実に伴う費用の増大により、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。加えて、これらの施策にもかかわらずユーザーの満足が十分に得られない可能性も否定できず、その場合にはブランドイメージが損なわれる等の理由により、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。

(5) 関連当事者との関係に係わるリスク

① 主要株主に係わるリスク

a. 親会社の方針転換や、主要株主の構成変更により、当社グループの事業に影響を与える可能性があります

 当社はソフトバンクグループ(株)を親会社として、ヤフー・インクの提供する「Yahoo!」ブランドでのインターネットポータルサービスの日本における事業を行っています。ソフトバンクグループ(株)やヤフー・インク等の関連当事者との関係は良好です。今後とも、関連当事者各社とは良好な関係を続けていく所存ですが、各社の事業戦略方針の変更や、重要な関連当事者(とりわけ親会社をはじめとする資本上位会社)の変更等に伴い、当社グループのサービスや各種契約内容への影響や、関連当事者間の関係に変化が生じる可能性があり、その場合、当社グループのビジネスに影響を及ぼす可能性があります。
 なお、主要株主であるソフトバンクグループ(株)とヤフー・インクの間で株主間契約が結ばれており、当社の株式の売買等においては、一定の制限等が設けられています。

b. ソフトバンクグループ内の企業と当社グループの間で事業の競合がおこる可能性があります

 当社はソフトバンクグループ(株)と共同で移動体通信事業や「Yahoo! BB」などの事業を行っていますが、ソフトバンクグループ(株)が当社のサービスと競合する会社に出資、提携した場合には、将来ソフトバンクグループ内において事業が競合することも考えられます。当社グループとしては、それらの会社との連携を検討するなどの対応を行っていきますが、当社グループの事業に何らかの影響を及ぼす可能性があります。

 

c. ヤフー・インクとのライセンス契約は、当社グループの事業にとって重要な契約であり、契約内容の変更等が行われた場合には当社グループの事業に影響を与える可能性があります

 当社は、設立母体のひとつであるヤフー・インクとの間に次の内容の契約を締結しています。当社グループが提供する情報検索サービス等に関連する商標、ソフトウェア、ツール等(以下、商標等)のほとんどはヤフー・インクが所有するものであり、当社グループはヤフー・インクより当該商標等の利用等の許諾を得て事業を展開しています。従って、当該契約は当社グループの事業の根幹に係わる重要な契約と考えられ、当該契約内容の変更等が行われた場合には、当社グループの事業や収益に影響を与える可能性があります。

契約の名称

  ヤフージャパン ライセンス契約

  (YAHOO! JAPAN LICENSE AGREEMENT)

契約締結日

  1996年4月1日

契約期間

  1996年4月1日~(期限の定めなし)

但し、当事者の合意による場合、一方当事者の債務不履行、若しくは破産等を原因として本契約が解除される場合、ヤフー・インクが競合するとみなす企業等によりヤフー(株)の株式の3分の1以上が買収された場合、または合併、買収等によりヤフー・インクおよびソフトバンクグループ(株)がヤフー(株)において議決権の過半数を維持できない場合(但し、ヤフー・インクの同意がある場合を除く)においては本契約は終了する。

契約相手先

  ヤフー・インク

主な内容

① ヤフー・インクのヤフー(株)に対する下記のライセンスの許諾

・日本市場のためにカスタマイズされローカライズされたヤフー・インクの情報検索サービス等(以下、日本版情報検索サービス等という)の使用複製等に係る非独占的権利

・ヤフー・インクの商標等の日本における利用等にかかる非独占的権利

・ヤフー・インクの商標等の日本における出版に関する利用等にかかる独占的権利

・日本版情報検索サービス等の開発、商業利用、プロモーション等に係る全世界における独占的権利

② ヤフー(株)が追加する日本固有のコンテンツのヤフー・インクに対する全世界における利用にかかる非独占的権利の許諾(無償)

③ ヤフー(株)のヤフー・インクに対するロイヤルティの支払い

(注) ロイヤルティの計算方法は、売上総利益から販売手数料を差し引いた金額の3%を支払金額としておりましたが、2005年1月から、計算方法の見直しにより、下記に記載の計算式により支払金額を算定しています。
ロイヤルティの計算方法

{(連結売上高)-(広告販売手数料)-(取引形態の異なる連結子会社における売上原価等)}×3%

広告販売手数料は連結ベース

 

 

d. 「Yahoo!」ブランドは世界展開をしているため、当社グループは事業展開等において制約を受ける場合があります

 当社グループでは「Yahoo! JAPAN」ブランドの確立と普及が、ユーザーと広告主をひきつけ当社グループの事業の拡大を図るうえで重要であると考えています。インターネットサービスの増加および参入障壁の低さから、ブランド認知度の重要性は今後一層増加していくと思われます。特に他社との間で競争が激しくなってきた場合、「Yahoo! JAPAN」ブランドを確立し認知度を高めるための支出をより増やすことが必要となる可能性があります。
 ブランド確立のための努力は海外のYahoo!グループ各社と協調し世界的に進めている部分がありますが、当社グループでは海外グループ各社の努力の成否について保証することはできません。海外グループ会社がブランドの確立・普及に失敗した場合、それに影響を受け当社グループのブランド力が弱まる可能性もあります。また、当社グループは海外グループ会社との契約の中で、排他的条項を認めているものがあります。その有効期間中、当社グループが特定の広告等を掲載できないことがあります。また、ブランドに関する権利の中核となる商標については全世界的にヤフー・インクが出願、登録、維持を行っており、当社グループが日本で独自に必要とする分野において商標登録がなされていない可能性があります。
 また、ドメイン名についても当社グループが必要とするドメイン名が第三者に取得され、希望するドメイン名が使用できない可能性や、「Yahoo! JAPAN」もしくは当社グループの提供しているサービス名に類似するドメイン名を第三者に取得され不正競争や嫌がらせ目的で使用される可能性があり、その結果、当社グループのブランド戦略に影響を与えたり、ブランドイメージが損なわれたりする可能性もあります。

e. ヤフー・ネザーランズ、ヤフー・インクとの業務提携契約の変更等が行われた場合には当社グループの事業に影響を与える可能性があります

 当社は、検索連動型広告等のサービスを提供するために、ヤフー・ネザーランズ、ヤフー・インクとの間に次の内容の契約を締結しています。当該契約内容の変更等が行われた場合には、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。

契約の名称
 

  サービス提供契約

  (ADVERTISER AND PUBLISHER SERVICES AGREEMENT)

契約締結日

  2010年7月27日(当初契約日2007年8月31日)

契約期間

  2007年8月31日から2017年8月30日まで(10年間)

契約相手先

  ヤフー・ネザーランズ、ヤフー・インク

主な内容

① ヤフー・ネザーランズによる対象サービスの独占的提供

広告関連サービスのうち契約で定められた手続きを経て対象サービスとなったものについて(検索連動型広告配信技術を除く)、ヤフー(株)およびヤフー(株)が50%超の議決権を有するヤフー(株)の子会社が日本国内において独占的に提供を受ける。但しヤフー(株)は、ヤフー・ネザーランズからの検索連動型広告配信技術の提供に拘束されることなく、第三者の検索技術、検索連動型広告配信技術を自由に選択、導入することができる。

 

② ヤフー(株)のヤフー・ネザーランズに対するサービスフィーの支払い

 ヤフー(株)はヤフー・ネザーランズに対し、対象サービス(第三者から提供されるものも含む)を利用することで、ヤフー(株)もしくはヤフー(株)が20%以上の議決権を有する関連会社に発生したグロス売上に年次毎に定められたレートを乗じた金額を支払う。

 

③ ヤフー(株)のオプション権

 ヤフー(株)が希望する場合には、別途協議のうえヤフー・インクとマイクロソフト社との契約に基づき、ヤフー・インクが提供権を有する検索技術、検索連動型広告配信技術をヤフー・インクはヤフー(株)に非独占的に提供する。

 

④ 移行

 ヤフー(株)がヤフー・インクまたはマイクロソフト社以外の技術の採用をした場合には、ヤフー・ネザーランズは顧客データの移行等についてヤフー(株)に協力する。

 

 

② 連結グループに係わるリスク

a. 当社の連結グループ運営が適切に行えない場合、業績に影響を与える可能性があります

 当社の子会社・関連会社については、その規模は様々で、内部管理体制の水準もその規模等に応じて様々なものとなっています。各社ともに、現状の業容の拡大に応じて適宜必要な人員の確保・組織体制の強化を図っていく方針ですが、これが適時に実現できない場合、当社グループの業績に支障をきたす可能性があります。
 また、各社サービスの運営にあたっては、当社のサービスならびにネットワークシステムとの連携、当社からの人的支援等が不可欠となっており、現在は当社の関連する部門が各社との連携を密にしてその支援を実施していますが、当社ならびに子会社・関連会社各社の業容拡大等によりこれらの連携・支援を十分に行うことが困難な状況となる可能性もあり、その場合には各社の業務運営に影響を及ぼす可能性があります。

b. 当社グループが営む外国為替証拠金取引事業にかかるリスクについて

(a) 法的規制等について

当社は、2013年1月31日に、外国為替証拠金取引事業を営むワイジェイFX(株)を完全子会社化しました。ワイジェイFX(株)は、金融商品取引法に基づき、金融商品取引業者としての登録を受けており、金融商品取引法、関連政令、府令等の法令等の規制に従って業務を遂行しています。
 しかしながら、これらの規制に抵触する事態が発生した場合は、業務停止や登録抹消等の行政処分を受ける可能性があります。また、今後これらの規制が強化された場合にはコンプライアンス体制やシステム対応の強化、再整備等により費用が増加し、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(b) 外国為替証拠金取引について

当社グループが取扱う外国為替証拠金取引は、お客様がレバレッジコースごとに当社グループの定める所定の金額以上の証拠金を当社グループに預け入れることにより、取引を行うことができます。これにより、お客様は実際に預け入れた資金以上の金額の外国為替証拠金取引を行うことができることから、高い投資収益が期待できる半面、多大な投資損失を被る可能性があります。当社グループは、取引証拠金が証拠金維持率50%を下回った際に、損失の拡大を防ぐために、当社グループの所定の方法により、強制的にお客様の保有するポジション(建玉)の全部を反対売買して決済する制度を設け、お客様の資産の保護に努めていますが、お客様が預け入れた資金以上の損失(超過損失)が発生し、お客様が不足分を支払うことができない場合、当社グループはお客様に対する債権の全部または一部について貸倒の損失を負う可能性があります。このような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(c) カウンターパーティについて

当社グループが取扱う外国為替証拠金取引は、お客様と当社グループの相対取引ですが、お客様との取引から生じるリスクの減少を目的として、実績のある銀行、証券会社等複数の金融機関との間でカバー取引を行っています。しかしながら、当該金融機関による業務・財務状況の悪化等によりカバー取引が困難となった場合は、お客様に対するポジションのリスクヘッジが実行できない可能性があります。また、当該金融機関の経営破綻等により、当社グループが担保金として差し入れている資金の回収ができない可能性があります。このような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(d) 顧客資産の分別管理について

金融商品取引業者は、顧客資産が適切に維持されるよう、お客様から預かっている資産を自己の固有の財産と分別して管理することが義務付けられています。当社グループは、お客様から預かっている資産を大手金融機関に預け、当社グループの固有財産と区分して信託財産として管理し顧客資産を保全する体制を整えています。しかしながら、システム障害等による正しい資産の算出が不能となった場合、または不測の事態により分別管理ができない事態が生じた場合、業務停止や登録抹消等の行政処分が行われることがあり、当社グループの業績、財政状態および今後の事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(e) コンピューターシステム障害について

 当社グループが取扱う外国為替証拠金取引は、システムの安定稼動および強化に努めていますが、何らかの要因によりシステム障害や不正アクセスが発生し、約款等に定める免責事項では補完できない損失がお客様に発生した場合、お客様の機会損失、当社グループの信用低下や損害賠償義務の負担等により、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
 また、当社グループで利用している外国為替証拠金取引に関するシステムに含まれるソフトウェアの中には当社グループがその著作権を保有していないものも存在していますが、当該著作権の利用に関して使用許諾を受けることで、事業運営に支障がない体制を構築、維持しています。万が一、当該使用許諾に関する契約の終了、当該著作権を保有する会社の経営破綻、その他何らかの理由で当該ソフトウェアが利用できなくなった場合には、当社グループの業績、財政状態および今後の事業展開に影響を与える可能性があります。

 

 

(f) 外国為替市場の変動について

当社グループが取扱う外国為替証拠金取引は、為替相場の変動がお客様の売買損益に多大な影響を及ぼします。従って、相場変動が当社グループのお客様に不利に働きお客様の損失が増大することにより、お客様の投資意欲の減退を招き、外国為替取引高が減少する可能性があります。当該事業の収益は外国為替取引高に依拠しているため、このような状況が長期化した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、急激な為替変動により当社グループがカウンターパーティに対して、お客様のポジションのカバー取引が実行できない可能性があります。このような想定外の事態が発生した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(g) 適合性の原則、取引開始基準等について

金融商品取引業者は、金融商品取引法上、お客様の実情に適合した取引を行うことが義務付けられており、当社グループが取扱う外国為替証拠金取引は、お客様の取引開始時に適正なチェックを行っていますが、チェック不備等によりお客様が実情に適合していない取引を行った結果、行政当局からの処分等を受けるまたはお客様から訴訟を提起される可能性があります。

 

(h) 犯罪による収益移転防止に関する法律について

2008年3月1日より、犯罪による収益の移転防止に関する法律が施行され、従来、金融機関が独自に行っていたお客様の本人確認および記録の保存を法律上の義務とし、顧客管理体制の整備を促すことにより、テロ資金や犯罪収益の追跡のための情報確保とテロ資金供与およびマネー・ロンダリング等の利用防止が定められています。
 当社グループが取扱う外国為替証拠金取引は、同法に基づき所定の書類等をお客様から徴収し、本人確認を実施するとともに本人確認記録および取引記録を保存しています。しかしながら、当社グループの業務管理が同法に適合していないという事態が発生した場合、もしくは今後新たな法的規制が設けられた場合には、当社グループの業績および今後の事業展開に影響を与える可能性があります。

 

③ その他の関連当事者に係わるリスク

a. ソフトバンク(株)との業務提携契約の変更等が行われた場合には当社グループの事業に影響を与える可能性があります

 当社は、ソフトバンクグループ(株)の子会社であるソフトバンク(株)との間で、「Yahoo! BB」を始めとする各種通信関連サービスに係わるビジネスについて業務提携契約を締結しています。当該契約内容の変更等が行われた場合には、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。

b. 「Yahoo! BB」を始めとする各種通信関連サービスはソフトバンク(株)へ依存しているため、当社グループはソフトバンク(株)のサービス品質の影響を受ける可能性があります

当該各種通信関連サービスにおいては、ソフトバンク(株)が業務を担当する部分が、間接的に当社グループの業績に影響する可能性があります。ソフトバンク(株)による工事期間が遅延することにより、申込者へのサービスが提供できず、結果として売上の計上が遅れたりキャンセルにより売上機会を逸失したりする可能性があります。また、インフラ構築の失敗やサービス品質の問題により不具合があった場合に、一度獲得した会員が短期にサービスを解約してしまい当社グループの収益に影響を与える可能性もあります。

(6) 財務・投融資に係わるリスク

① 資金調達・金利変動に係わるリスク

a. 「Yahoo!かんたん決済」においては、立替金を回収するまでの間、資金調達を行う可能性があります

 「Yahoo!かんたん決済」は、「ヤフオク!」における商品売買取引後の当事者間での決済を、出品者(販売者)および落札者(購入者)の委託に基づき、当社が代行して行うものです。
 当サービスにおいては、落札者がクレジットカードないしインターネットバンキングでの支払いを行った翌営業日~3営業日後に当社から出品者へ立替払いを実施するため、カード会社を束ねる取りまとめ金融機関との精算により当該立替分を回収するまでの間の資金調達が必要となる可能性があります。またサービスの拡大ペースが現在想定しているペースを大幅に上回る場合、必要資金を適切なコストで調達できない可能性があります。さらに立替総額が相応の規模となった場合、金利上昇に伴う金融機関等への支払利息額の増加が発生し、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

b. 「Yahoo!カード」においては、立替金を回収するまでの間、資金調達を行っています

 「Yahoo!カード」は、当社がクレジットカードの発行主体となるサービスで、クレジットカード申込者に対し信用供与を行うものです。クレジットカード会員がカード決済した代金について、クレジットカード加盟店に対し立替払いを行います。クレジットカード会員からの資金回収が月1回であるのに対し、クレジットカード加盟店に対しては月3回程度の立替払いを行うため、立替資金が必要になります。今後、事業拡大に伴い、調達方法の多様化等について検討を進めますが、立替払いに必要な資金を適切なコストで調達できない可能性があります。

② 出資に係わるリスク

a. 当社グループは他社に出資や融資を行う場合がありますが、それに見合ったリターンが得られない場合や、資金の回収が滞る可能性があります

 当社グループでは、事業上の結びつきを持って、もしくは将来的な提携を視野に入れて投資を実行していますが、これらの投資による出資金等が回収できなくなる可能性が高まっていくことも考えられます。
 また、投資先のうち既に株式公開をしており、評価益または評価損が発生している企業がありますが、これらの評価益が減少したり、評価損が拡大したりする可能性があります。
 さらに、当社グループでは、一般的な会計基準に即した社内ルールを適切に運営して保有有価証券の減損処理等必要な措置を適宜とることにより、投資先企業の事業成績が当社グループの業績に適切に反映されるよう最大限の注意を払っています。しかしながら、投資先企業の今後の業績や株式市場の動向などによっては、将来的に当社グループの損益にさらなる影響を及ぼす可能性もあります。
 今後も当社グループでは、事業上のシナジー効果の追求や業容の拡大を目的とした、他社への資本参加、合弁事業への拠出、新会社設立等の形での新規投資の実行や、子会社・関連会社の資金ニーズに適切に対応するための融資の実行等が予想されます。その実施にあたっては、十分な事前審査と社内手続きを経て当該投融資に付帯するリスクを吟味のうえで行っていきますが、これらの新規の投融資により当初計画していた水準の利益が獲得できなかったり、最悪の場合にはその回収が滞るなどして、将来的に当社グループの財務状況に影響を及ぼしたりする可能性があります。

(7) 他社およびパートナーとの関係に係わるリスク

① 業務提携・契約に係わるリスク

a. 当社グループはパートナーシップの構築を推進していますが、パートナーシップに関してはいくつかのリスクが存在します

 当社グループでは、他のサイトとパートナーシップを組むことで当社グループ以外のサイトのユーザーとの接点を増やし、パートナーサイトを含めたネットワーク全体としての利用度を拡大するために、法人および個人のインターネットメディアとのパートナーシップの構築を積極的に進めています。
 広告においては、他のインターネットサイトとの広告掲載スペースの提携により、「アド・ネットワーク」等の広告ネットワークの拡大に努めています。ネットワーク化することで、リーチの少ない他のインターネットサイトの媒体価値を高めることができ、また広告主にとっても、広告ネットワーク全体を通じて、自社のターゲットとなる顧客層により広くアプローチすることが可能となります。広告サービスを当社グループのみならず他の提携パートナーサイトとも共同で広告主に提供し、高い実績を上げています。そのほかにも、オンライン決済代行サービス「Yahoo!ウォレット」など各種サービスのパートナーサイトへの提供をしています。これらのパートナーシップ構築を進めることで、パートナーサイトの利便性や安全性、効率性、集客、収益を向上させ、ユーザーの求める多様なインターネットサービスを、当社グループならびにパートナー全体で提供することを目指しています。
 これらを推進するにあたり、次のようなリスクが存在すると考えられます。
 パートナーシップ構築においては双方ともにメリットのある関係となることを目指し各種取り決めをしていますが、パートナーの売上およびトラフィックが期待値に満たない、もしくは他社との競合の結果、パートナーシップの構築が遅滞する可能性や、パートナー獲得における費用の増加を余儀なくされる可能性、また、パートナーシップ契約を解除される可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。
 パートナーへのサービスは、当社ないしは当社グループの関連会社、提携会社のシステムにより提供しています。これらシステムの障害などによりパートナーが損害を被った場合、当社グループのブランドイメージが低下したり、損害賠償を請求されたりする可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。
 パートナーのサービスの品質や評判が、当社グループの評判や信用に影響し、当社グループのブランドイメージに影響を及ぼす可能性があります。

b. 検索連動型広告におけるパートナーが、当社グループとのパートナーシップを解消するなどした場合、当社グループの収益に影響がでる可能性があります

 検索連動型広告は、当社グループだけでなく国内の大手サイトなどパートナー各社とも提携を行っています。当社グループとしては引き続き提携パートナーの拡充や、新しいサービスの創出に努力をしていく所存ですが、これらのパートナーとの提携の解消などがあった場合、当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。

c. 当社グループは多数のコンテンツを他社から調達しており、コンテンツの調達に支障がでる場合があります

 当社グループは、ニュース、気象情報、株価等の情報サービスや、映像、ゲーム等のコンテンツをユーザーに提供しています。今後も、ユーザーが有用と考えるような良質の情報やコンテンツを継続的に確保していく所存ですが、予定通り情報やコンテンツが集まらなかったり、その確保に想定以上の費用がかかったりした場合、ユーザーによる当社グループのサービスの利用度が低下し、期待通りの収益を上げられない可能性があります。

d. 当社グループは他社との業務提携を進めていますが、業務提携先または当社グループに予期しない事態等が発生した場合、事業計画の推進に支障が生じる可能性があります

 当社グループでは、業務提携によってもサービスの拡大を進めています。その際は当社グループのガイドラインに沿ってサービスを提供していますが、業務提携先の情報管理体制の不備による個人情報の流出、システム障害によるサービス提供の一時停止、開発の遅延等が発生した場合等には当初計画していたサービスを目論見通りに提供できない可能性があります。
 また上記とは逆に、当社グループ側の原因により業務提携先が目論見通りにサービスを提供できなくなる可能性もあり、その場合、業務提携先から損害賠償等を求められる可能性があります。これらの結果、サービスのユーザー数や当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 取引先の信用に係わるリスク

a. 取引先の与信状況に応じた取引をしていますが、売上債権等の回収に支障をきたす場合があります

 当社グループでは、広告商品その他の販売にあたっては、社内規程に則って販売先の与信状況等を十分に吟味し、取引金額の上限を定めたり、前払い決済とするなどの対策や、販売代理店を経由したりクレジットカード等の決済方法をとったりすることにより、売上債権の回収に支障をきたさないよう十分な注意を払っています。しかしながら、景気の変動などによる取引先の経営状況の悪化等の影響により、今後売上債権の回収が滞ったり、回収不能分が発生したりする可能性が高まることも考えられます。

b. 「Yahoo!カード」において、個人会員からの立替金が回収できない場合があります

 「Yahoo!カード」においては、個人会員の与信判断の厳格化や利用状況のモニタリング等により貸倒れの発生を抑制していますが、クレジットカード会員の信用状況の悪化に伴う貸倒れ等により、立替金が回収できない可能性があります。

③ 他社との関係に係わるリスク

a. 当社グループの各事業は特定の販売先や仕入先に依存している場合があります

 当社グループでは、各事業において特定の販売先等に依存している場合があります。
 広告売上の一部においては、広告会社を用いた営業活動を行っている関係上、特定の広告会社やメディアレップに依存しています。また、その他広告以外の事業においても、販売先等の中には取引規模の大きな特定の事業会社もあり、これらとの取引が当社グループの売上に占める割合も高くなってきています。
 これらの販売先等との取引関係に変動があった場合や、相手先の経営状況の悪化やシステム不良等のトラブルが起こった場合には、当社グループの業績やサービスの継続自体に影響を与える可能性があります。

b. 他社との共同出資による合弁事業は、将来的にこれら他社との間で提携関係に支障をきたす場合があります

 子会社・関連会社の中には、第三者との間で合弁事業として設立・運営しているものがあり、その業務運営を合弁パートナーである当該第三者に大きく依存しています。現時点においては、各合弁パートナーとの関係は良好であり、パートナーとの協力関係は各社の業務運営上効果的に機能していますが、将来的にこれらパートナーとの間で何らかの理由により協業・提携関係に支障をきたすような事態が発生した場合、各社の業績に影響を与える可能性があり、最悪の場合、子会社・関連会社によってはその事業運営の継続が不可能になる可能性があります。

c. サービスの開発や運営を特定の他社に依存している場合があります

 当社グループのサービスの中には、運営に不可欠なシステムの開発・運営を特定の第三者に委託している例、またはサービスの運営にあたって第三者との連携が前提となっている例があります。これらの第三者の選定に関しては、当社グループは過去の業績等から判断して相応水準の技術力・運営力を有していることを基準として選定しています。また、当社グループでは、関連各部署との連携を密にする等により、サービス運営に支障をきたさないよう常に注意を払っています。しかしながら、管理不能な当該委託先の事情によりシステムの開発に遅延が発生したり、運営に支障をきたす事態となったり、連携先のシステムの停止等が発生したりする可能性は否定できません。その場合には販売機会の喪失、サービス競争力の低下等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があり、最悪の場合にはサービス運営そのものの継続ができなくなる可能性もあります。また、商品の配送関連サービスなど、第三者がユーザーとの接点を担っている場合があり、それらのサービスにおける不手際により、当社グループのブランドイメージの低下につながる可能性があります。

d. その他にも外部の他社等へ依存しているサービス等があります

 当社グループでは、上記に限らず、外部の第三者に業務を委託したり、また第三者からの情報や役務の提供に依存したりして、サービスを運営する面が多々あります。これら第三者の経営状況やサービスの質の悪化等の理由により、当社グループの事業運営上支障が生じ、結果として業績に影響を与える可能性があります。

(8) 情報セキュリティに係わるリスク

① 情報セキュリティ全般に係わるリスク

a. 情報セキュリティが侵害された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります

 当社グループでは、安全に安心して利用できるサービスをユーザーに提供するため、中長期的な視点で全社を挙げて情報セキュリティに取り組んでいます。
  しかしながら、これらの取り組みが及ばず、業務上の人為的ミスや故意による不法行為、災害などによるシステム障害、マルウェア感染や標的型攻撃などのサイバー攻撃、システムや製品等の脆弱性などにより、情報漏洩、データの破壊や改ざん、サービスの停止などの被害等が発生した場合、当社グループの業績に影響を与えるだけでなく、当社グループの信用失墜につながる可能性があります。

b. 当社の子会社・関連会社の情報セキュリティが侵害された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります

 当社は、子会社・関連会社の情報セキュリティを支援しています。具体的には、情報セキュリティ対策の仕組みの共有や導入支援、脆弱性情報など情報セキュリティに関する情報の共有、各社の求めに応じて情報セキュリティ対策の相談対応などを行っています。
 さらに、子会社に対しては当社と同等の情報セキュリティ対策を行うための規程の提供や第三者認証取得支援などの支援を行っています。
 しかしながら、想定以上にサイバー攻撃などの脅威が発生した場合には追加費用が発生し、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。

c. サイバー攻撃などの脅威が想定以上に増加・高度化した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります

 当社グループでは、日々高度化するサイバー攻撃などの脅威に備え、必要かつ前衛的な対策を取るべく必要十分な費用の確保に努めています。
 しかしながら、想定以上にサイバー攻撃などの脅威が発生した場合には追加費用が発生し、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。

② パーソナルデータに係わるリスク

a. パーソナルデータの情報セキュリティが侵害された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります

 当社グループではプライバシーポリシーをユーザーに公開し、サービスを通じお預かりしたパーソナルデータをプライバシーポリシーに準拠し利用しています。
 パーソナルデータは、アクセスする権限を持つ担当者を必要最小限に絞る、隔離された居室でのみ取り扱うなど複数の対策を組み合わせ保護しています。
 しかしながら、これらの対策が及ばず、情報セキュリティが侵害された場合、サービスの停止または縮退により、当社グループの業績に影響を与えるだけでなく、当社グループの信用失墜につながる可能性があります。
 さらに、パーソナルデータのうち「個人情報」の情報セキュリティが侵害された場合、上記リスクに加え、法的紛争に発展する可能性があります。
 ユーザー自身の個人情報の照会・変更・削除等は、ユーザー自身がシステムから行うようにしています。問い合わせに回答するためにやむを得ない場合等を除き、役員、従業者等が個人情報を参照できない対策を導入しています。
 また、個人情報を社外に業務委託する場合は、個人情報委託先選定基準を定め、一定水準以上の情報セキュリティ対策を実施できる業務委託先に限定して委託し、委託中は個人情報委託先の監督・監査を定期的に行っています。
 しかしながら、これらの対策が及ばず、情報漏洩、情報破壊や改ざんなどの被害等が発生した場合、信用の低下や損害賠償請求等の法的紛争が発生する可能性があります。

b. 銀行口座番号、クレジットカード番号等が漏洩した場合、ブランドイメージが低下したり、法的紛争に発展したりする可能性があります

 当社グループでは「Yahoo!ウォレット」などの決済金融系サービスやユーザーの本人確認のために銀行口座番号、クレジットカード番号等をお預かりし、または利用しています。
 これらの情報が第三者に悪用された場合、ユーザーに経済的被害を直接与える可能性があるとの認識のもと、当社では、さらに隔離したシステムでこれらの情報を機微な個人情報として厳重に管理しています。
 クレジットカード情報については、それらを取り扱う決済金融系サービス「Yahoo!ウォレット」と当社におけるほぼ全てのクレジットカード決済の加盟店管理業務において、クレジットカード決済に関する会員情報や取引情報および決済プロセス等におけるグローバルスタンダードのセキュリティ基準である「PCI DSS」のなかでも最も厳しい「レベル1」の認定を取得しています。
 しかしながら、これらの施策によっても情報セキュリティが完全に保たれる保証はなく、万が一情報漏洩等の諸問題が発生した場合、当社グループの業績に影響を与えるだけでなく、当社グループの信用失墜につながる可能性があります。

c. 個人情報が「Yahoo!ショッピング」、「ヤフオク!」などの出店ストアから情報漏洩した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります

 「Yahoo!ショッピング」や「ヤフオク!」などのBtoC取引では、購入者が入力した個人情報は、商品を販売したストアに送られ、各ストアが個人情報の収集主体として責任をもって管理しています。また、購入者のプライバシー情報がストアから別の個人や団体に開示されることがないように、ストアに対して、購入者の個人情報およびプライバシー情報について商品の送付や販促目的以外に利用をすることを固く禁じており、適切な管理をするよう適宜指導を行っています。なお、ストアのクレジットカード決済にあたっては、ストアにて当社グループの運営する決済手段を利用するか、直接カード会社と決済契約を締結するかいずれかの方法をとっています。当社グループの決済サービスを利用しているストアの場合、購入者が入力したクレジットカード番号等は当社グループを通じてカード会社に送信されますので、各ストアに保存されることはありません。一方、直接カード会社と決済契約をしているストアについては、購入者が入力したクレジットカード番号等の管理に関して、他の個人情報と同様に厳重な指導と注意喚起を行っています。
 しかしながら、これらの対策が及ばず、情報漏洩の被害等が発生した場合、当社グループの責任の有無にかかわらず、信用失墜によるユーザーの減少に伴い、当社グループ業績に影響を与える可能性があります。

③ 通信の秘密に係わるリスク

a. 通信の秘密が侵害された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります

 当社グループは、「Yahoo!メール」等のサービスにおいて、通信内容等の通信の秘密に該当する情報を取り扱っています。これらの取扱いにおいては電気通信事業法に則り、情報セキュリティに対する取り組みのもと、適切な取扱いを行っています。
 しかしながら、これらの情報がYahoo!メール等のサービスを提供するシステムの不具合や、マルウェア等の影響、通信設備等への物理的な侵入、当社グループの関係者や業務提携・委託先などの故意または過失等によって侵害された場合、当社グループのブランドイメージの低下や法的紛争に発展し、ユーザーの減少やサービスの停止や縮退に伴う損害賠償や売上減少などによる業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 不正利用に係わるリスク

a. 当社グループのサービスが外部の悪意ある第三者に不正利用された場合、業績に影響を及ぼす可能性があります

 悪意ある第三者が、他人のYahoo! JAPAN IDとパスワード、クレジットカード情報などをフィッシング等で不正に入手し、当社グループやパートナーサイトの各種サービスで他人になりすます行為や、「Yahoo!カード」を不正利用し支払いを行うなどの可能性があります。一例として、「ヤフオク!」で他人になりすまして不正な商品を出品する、「Yahoo!ウォレット」や「Yahoo!かんたん決済」を利用して他人の支払いで決済を行う、「Yahoo!メール」で他人になりすましてメールを送信する、などが考えられます。
 当社グループではYahoo! JAPAN IDとパスワードを守る機能の提供や、ユーザーを含む日本のインターネットユーザーへ安全なID管理についての啓発を行うとともに、一定の不正利用を事前に想定した対策を行っています。しかしながら、不正利用により立替金の回収に支障をきたす可能性や不正利用の被害に対する想定外の補償や再発防止対策費用により、収益に影響を及ぼし、当社グループのブランドイメージが低下する可能性があります。

 

⑤ 社内経営情報に係わるリスク

a. 会社の経営・財務など投資判断に影響を及ぼすような未公表の重要事実(インサイダー情報)や非公開の社内経営情報の情報セキュリティが侵害された場合、業績に影響を及ぼす可能性があります

 当社グループでは、出願前の特許情報、公開前のM&Aまたは業務提携に関わる情報、取引先・株主・従業員の個人情報、監査資料、およびその他の営業資料などの社内経営情報をユーザーからお預かりしたパーソナルデータなどとは分離し、適切なアクセス制御のもとで管理しています。
  しかしながら、これらの情報が漏洩・改ざんまたは利用できない事態が発生した場合、株主・取引先・従業者などの利害関係者への直接的な影響、市場優位性の低下、法令違反に発展した場合の業務停止、ブランドイメージの低下などの可能性があります。

⑥ 遺伝子解析事業について

 当事業では、ユーザーから提供された試料を検査し、解析した結果得られる個人の遺伝子に関する情報を機微な個人情報として取り扱います。当該遺伝子情報の取扱いにあたりセキュリティ確保には万全を期していますが、万一情報漏洩等が生じた場合には、信用の低下や損害賠償請求等の法的紛争が発生する可能性があります。

 

 

(9) コーポレートガバナンスに係わるリスク

① コーポレートガバナンスに係わる体制について

a. コーポレートガバナンスのための体制が有効に機能せず、業務運営への影響や、運営費用が増大する可能性があります

 当社グループでは、業務上の人為的ミスやその再発、内部関係者の不正行為等による不具合の発生などが起きることのないよう、より一層厳格な内部管理・運用の基準を作成し行動に移すなどの対策をとっており、社内の独立した組織として社長直属の内部監査室を設置し運営することにより、適法かつ適正なコーポレートガバナンスの強化を図っています。
 また、インターネット業界においてスピード感を持った迅速な経営判断が行える「攻めのガバナンス」と、コーポレートガバナンス・コードが目指している「透明・公正かつ迅速・果断な意思決定」のための体制とを両立させるため、2015年6月より監査等委員会設置会社へ移行しました。
 監査等委員3名のうち2名を独立社外取締役としているほか、経営の意思決定・業務執行の監督(取締役会)と業務執行(執行役員)を分離するなど、意思決定の迅速化と経営監視機能を確保した体制を構築しています。
 しかしながら、これらの体制が有効に機能しない場合、業務上の人為的ミスやその再発、内部関係者の不正行為等による不具合、などの発生率が高まる可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

1. 技術受入契約

契約会社名

ヤフー株式会社

契約相手先

ヤフー・インク

締結年月日

1996年4月1日

契約期間

1996年4月1日~(期間の定めなし)

(注) 但し、当事者の合意による場合、一方当事者の債務不履行若しくは破産等を原因として本契約が解除される場合、ヤフー・インクが競合するとみなす企業等によりヤフー(株)株式の3分の1以上が買収された場合、または合併、買収等によりヤフー・インクおよびソフトバンク株式会社がヤフー(株)において議決権の過半数を維持できない場合(但し、ヤフー・インクの同意がある場合を除く)においては本契約は終了する。

主な内容

ヤフージャパン ライセンス契約(YAHOO! JAPAN LICENSE AGREEMENT)

① ヤフー・インクのヤフー(株)に対する下記のライセンスの許諾

  ・日本市場のためにカスタマイズされローカライズされたヤフー・インクの情報検索サービス等(以下、日本版情報検索サービス等という)の使用複製等に係る非独占的権利

  ・ヤフー・インクの商標等の日本における利用等に係る非独占的権利

  ・ヤフー・インクの商標等の日本における出版に関する利用等に係る独占的権利

  ・日本版情報検索サービス等の開発、商業利用、プロモーション等に係る全世界における独占的権利

② ヤフー(株)が追加する日本固有のコンテンツのヤフー・インクに対する全世界における利用に係る非独占的権利の許諾(無償)

③ ヤフー(株)のヤフー・インクに対するロイヤルティの支払い

 

(注)ロイヤルティの計算方法は、売上総利益から販売手数料を差し引いた金額の3%を支払金額としておりましたが、2005年1月から、計算方法の見直しにより、下記に記載の計算式により支払金額を算定しております。

  ロイヤルティの計算方法

  {(連結売上高)-(広告販売手数料*)

            ―(取引形態の異なる連結子会社における売上原価等)}×3%

  *広告販売手数料は連結ベース

 

 

 

2. サービス提供契約

契約会社名

ヤフー株式会社

契約相手先

ヤフー・ネザーランズ、ヤフー・インク

締結年月日

2010年7月27日(当初契約日2007年8月31日)

契約期間

2007年8月31日から2017年8月30日まで(10年間)

主な内容

サービス提供契約(ADVERTISER AND PUBLISHER SERVICES AGREEMENT)

① ヤフー・ネザーランズによる対象サービスの独占的提供

広告関連サービスのうち契約で定められた手続を経て対象サービスとなったものについて(検索連動型広告配信技術を除く)ヤフー(株)およびヤフー(株)が50%超の議決権を有するヤフー(株)の子会社が日本国内において独占的に提供を受ける。ただし、ヤフー(株)は、ヤフー・ネザーランズからの検索連動型広告配信技術の提供に拘束されることなく、第三者の検索技術、検索連動型広告配信技術を自由に選択、導入することができる。

 

② ヤフー(株)のヤフー・ネザーランズに対するサービスフィーの支払い

 ヤフー(株)はヤフー・ネザーランズに対し、対象サービス(第三者から提供されるものも含む)を利用することでヤフー(株)もしくはヤフー(株)が20%以上の議決権を有する関連会社に発生したグロス売上に年次毎に定められたレートを乗じた金額を支払う。

 

③ ヤフー(株)のオプション権

 ヤフー(株)が希望する場合には、別途協議のうえヤフー・インクとマイクロソフト社との契約に基づきヤフー・インクが提供権を有する検索技術、検索連動型広告配信技術をヤフー・インクはヤフー(株)に非独占的に提供する。

 

④ 移行

 ヤフー(株)がヤフー・インクまたはマイクロソフト社以外の技術の採用をした場合には、ヤフー・ネザーランズは顧客データの移行等についてヤフー(株)に協力する。

 

 

3. サービス提供契約

契約会社名

ヤフー株式会社

契約相手先

グーグル・アジア・パシフィック・プライベート・リミテッド

締結年月日

2014年10月21日(当初契約日2010年7月27日)

契約期間

2019年3月31日まで

主な内容

サービス提供契約(GOOGLE SERVICES AGREEMENT)

① 相手方による検索技術および検索連動型広告配信技術の非独占的提供

相手方は、検索技術および検索連動型広告配信技術を非独占的にヤフー(株)に提供し、ヤフー(株)は、これらを用いて自らのブランドにてサービスを提供する。

 

② 検索サービスの差別化

 両当事者は、検索サービスによる検索結果について差別化するための付加的な機能を自由に開発・運用することができる。
ヤフー(株)は、先方が提供する検索結果を自らの判断で表示するか否かを決定することができる。
 

 

③ ヤフー(株)の相手方に対するサービスフィーの支払い

 ヤフー(株)が提供を受けたサービスの対価は、ヤフー(株)のサイトから得られる売上を基準に年次に応じて定められた計算式によって算出される金額および所定の期間にヤフー(株)のサイトから得られる売上が一定金額を超過した場合に当該超過分を基準に計算式によって算出される金額の合計とする。
ヤフー(株)がパートナーに提供したサービスの対価は、パートナーのサイトから得られる売上を基準に計算式によって算出される金額とする。
 

 

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発費は389百万円であり、主に次世代インターネット技術の研究に係るものです。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1. 財政状態に関する分析

(1) 資産

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて191,413百万円(14.3%増)増加し、1,534,212百万円となりました。

 

主な増減理由は以下のとおりです。

・現金及び現金同等物は、主に配当金の支払いによる減少があったものの、営業活動による資金の増加および社債の発行等の資金調達により前連結会計年度末と比べて増加しました。

・営業債権及びその他の債権は、主にクレジットカード事業の取扱高増加により前連結会計年度末と比べて増加しました。

・その他の金融資産(流動)は、主に本社移転による敷金の返還および外国為替証拠金取引におけるデリバティブ資産の減少により前連結会計年度末と比べて減少しました。

・無形資産は、主にソフトウェアの取得により前連結会計年度末と比べて増加しました。

・その他の金融資産(非流動)は、主に投資有価証券の取得により前連結会計年度末と比べて増加しました。

 

(2) 負債

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べて105,467百万円(24.5%増)増加し、535,502百万円となりました。

 

主な増減理由は以下のとおりです。

・営業債務及びその他の債務は、主に「Yahoo!マネー」提供開始に伴う預り金の増加およびふるさと納税にかかる未払金の増加により前連結会計年度末と比べて増加しました。

・有利子負債(流動)は、主にワイジェイカード(株)の借入金の増加により前連結会計年度末と比べて増加しました。

・有利子負債(非流動)は、主に社債の発行およびワイジェイカード(株)やアスクル(株)の借入金の増加により前連結会計年度末と比べて増加しました。

 

(3) 資本

当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末と比べて85,945百万円(9.4%増)増加し、998,709百万円となりました。

 

主な増減理由は以下のとおりです。

・利益剰余金は、配当金の支払いによる減少があったものの、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により前連結会計年度末と比べて増加しました。

 

(4) 流動性および資金の源泉

当連結会計年度末における流動比率は232.3%(前年同期220.3%)、親会社所有者帰属持分比率は60.7%(前年同期62.9%)となりました。

当連結会計年度における資金の主な増減要因については、「第2 事業の状況 1業績等の概要 2. キャッシュ・フローの状況」に記載していますが、投資有価証券の取得や恒常的な支出であるサーバー等ネットワーク設備への設備投資等につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉としています。

 

 

2. 経営成績に関する分析

(1) 売上高

当社グループにおける売上項目の内容

報告セグメント

主な事業の内容

マーケティング
ソリューション事業

・検索連動型広告やディスプレイ広告などの広告関連サービス

コンシューマ事業

・「ヤフオク!」や「Yahoo!ショッピング」、「ASKUL」、「LOHACO」などのコマース関連サービス
・「Yahoo!プレミアム」や「Yahoo! BB」などの会員向けサービス
・「Yahoo!不動産」などの情報掲載サービス

 

 

当連結会計年度の売上高は、853,730百万円と前年同期比201,403百万円(30.9%増)増加しました。これは、主にアスクル(株)の連結子会社化および広告売上の増加によるものです。

 

(2) 売上原価、販売費及び一般管理費

当連結会計年度の売上原価は、373,513百万円と前年同期比126,141百万円(51.0%増)増加しました。これは、主にアスクル(株)の連結子会社化および広告売上の増加によるものです。

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、277,430百万円と前年同期比37,769百万円(15.8%増)増加しました。

販売費及び一般管理費の主な増減理由は以下のとおりです。

人件費は、75,258百万円と前年同期比10,785百万円(16.7%増)増加しました。これは、主にアスクル(株)の連結子会社化によるものです。

業務委託費は、38,566百万円と前年同期比10,541百万円(37.6%増)増加しました。これは、主にアスクル(株)の連結子会社化によるものです。

販売促進費は、34,404百万円と前年同期比7,078百万円(17.1%減)減少しました。これは、販促活動の効率化によるものです。

減価償却費及び償却費は、34,098百万円と前年同期比6,917百万円(25.4%増)増加しました。これは、主にアスクル(株)の連結子会社化によるものです。

 

  上記以外の主なものは、本社移転に伴う一時的な増加およびアスクル(株)の連結子会社化に伴い賃借料・水道光熱費が19,268百万円と前年同期比6,416百万円(49.9%増)増加、アスクル(株)の連結子会社化に伴い荷造運賃が16,817百万円と前年同期比8,339百万円(98.4%増)増加、TVCM出稿減少に伴い広告宣伝費が4,291百万円と前年同期比2,373百万円(35.6%減)減少しました。

 

(3) 企業結合に伴う再測定益

前連結会計年度の企業結合に伴う再測定益は、アスクル(株)の連結子会社化によるものです。

 

(4) 災害による損失

当連結会計年度の災害による損失は、アスクル(株)の物流センター火災によるものです。

 

(5) その他の営業外収益、その他の営業外費用

当連結会計年度のその他の営業外収益の主なものは、投資有価証券売却益1,934百万円、その他の営業外費用の主なものは、投資有価証券評価損1,341百万円です。

 

 

(6) 法人所得税

当連結会計年度の法人所得税は、60,841百万円となり、税引前利益に対する法人所得税の負担率は31.5%となりました。

 

(7) 当期利益

当期利益は、132,634百万円と前年同期比39,858百万円(23.1%減)減少しました。親会社の所有者に帰属する基本的1株当たり当期利益は23円99銭となりました。また、親会社の所有者に帰属する希薄化後1株当たり当期利益は23円99銭となりました。