第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループにおける経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が判断したものであります。

 

(1) 2025年ビジョン

当社グループは、「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」となることを2025年ビジョンとして掲げております。

具体的には、2025年にがん事業を中心とするスペシャルティ領域(注1)が中核事業となっており、各国市場に適合したリージョナルバリュー製品(注2)を豊富に持ち、SOC(注3)を変革する先進的な製品・パイプラインが充実し、同時に効率的な経営による高い株主価値を実現した姿を目指しております。

(注)1スペシャルティ領域:病院・専門医で主に処方される医薬品。

2.リージョナルバリュー製品:各国・各地域の事業戦略に適合した製品。

SOC:スタンダードオブケアの略。現在の医学では最善とされ、広く用いられている治療法。

 

(2) 第4期中期経営計画

2016年度から2020年度までの第4期中期経営計画を2025年ビジョンに向けた転換を実現するための5カ年計画と位置付け、高血圧症治療剤オルメサルタンのパテントクリフ(注4)の克服とその後の持続的成長基盤の確立という2つの経営課題に取り組んでおります。

2020年度の定量目標としては、売上収益1兆1,000億円、営業利益1,650億円、ROE 8%以上を目指しております。また、2020年度時点で、5年以内に市場投入し、かつピーク時売上収益1,000億円以上を期待できる後期開発品を3~5品目保有することを目指しております。

持続的成長基盤を確立するために掲げた6つの戦略目標と、目標達成に向けた2017年度の主な取り組み課題と実績は、次のとおりであります。

(注)4.パテントクリフ(特許の崖):特許満了による売上と利益の減少。
 

① 戦略目標

(ⅰ) エドキサバンの成長

グローバルな上市戦略の着実な展開、確立された製品特性の継続的訴求、製品力強化を目的とした新規エビデンスの創出を進めて参ります。日本では製品力と質の高い営業力によってNo.1製品に育成し、欧州では提携会社との協業も利用し、欧州全域で本格的に展開を図り、エドキサバンの成長を加速し、2020年度の売上収益1,200億円以上の主力品に育てて参ります。

 

[2017年度の主な取り組み課題と実績]

・日本で口腔内崩壊錠(製品名:リクシアナOD錠)を新発売いたしました。

・日本、ドイツ及び韓国で売上収益と市場シェアを大幅に拡大いたしました。

・欧州、アジア及び中南米で上市・承認国を拡大いたしました。

新規の無作為化比較試験、ENVISAGE-TAVI AF試験を開始いたしました。さらに、米国血液学会でHokusai-VTE CANCER試験の結果を発表いたしました。

 

 

 

 

 

(ⅱ) 日本No.1カンパニーとして成長

日本No.1カンパニーとして、イノベーティブ医薬品事業の強みを活かし、そこにワクチン事業、ジェネリック医薬品事業、OTC医薬品関連事業の3つの事業を加え、予防、セルフメディケーション、治療までの様々な社会的ニーズ、医療ニーズへ的確に対応することにより、名実ともにNo.1カンパニーとして成長することを目指して参ります。

 

[2017年度の主な取り組み課題と実績]

・主力6製品(ネキシウム、メマリー、プラリア、ランマーク、エフィエント及びテネリア)の売上収益を拡大いたしました。

プラリアの関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制の効能・効果追加の承認を取得いたしました。

2型糖尿病治療用配合剤カナリア、高血圧症治療剤オルメサルタンOD錠を含む複数のオーソライズド・ジェネリック製品を新発売いたしました。

・高血圧症治療剤エサキセレノン及び神経障害性疼痛治療剤ミロガバリンの製造販売承認申請を実施いたしました。

・医療現場からのMR評価No.1(6年連続)を獲得いたしました。

 

 

 

 

(ⅲ) 米国事業の拡大

第一三共Inc.では、疼痛領域での事業拡大を図り、2020年度の売上収益1,000億円以上を目指して参ります。

ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.では、鉄注射剤のインジェクタファーとジェネリック注射剤を伸長させ、2020年度の売上収益1,500億円を目指して参ります。

 

[2017年度の主な取り組み課題と実績]

第一三共Inc.

乱用防止特性を備えたオピオイド鎮痛薬モルファボンド(モルヒネ徐放性製剤)を新発売するともに、ロキシボンド(オキシコドン速放性製剤)の商業化を決定いたしました。

疼痛領域での事業拡大の中核品目と位置付けていた制吐剤配合麻薬性鎮痛剤CL-108の開発を中止いたしました。また、ミロガバリンの線維筋痛症患者を対象とした臨床試験において、主要評価項目が未達となったことを受け、同適応症での製造販売承認申請を断念いたしました。

ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.

インジェクタファーの売上収益と鉄注射剤市場シェアを拡大いたしました。

 

 

 

 

 

(ⅳ) がん事業の立上げ・確立

後期開発品の上市によってがん事業を立上げ、初期開発品の着実な開発推進、外部資源の獲得による製品・開発品の充実を図り、売上収益を2020年度400億円以上、2025年度3,000億円規模の事業に育てて参ります。

 

[2017年度の主な取り組み課題と実績]

DS-8201が米国食品医薬品局(以下「FDA」という。)から再発・転移性乳がん治療を対象とした画期的治療薬(Breakthrough Therapy)の指定制度(注5)の対象品目と認定されました。また、厚生労働省から再発・進行性胃がん治療を対象とした先駆け審査指定制度(注6)の対象品目と認定されました。

DS-8201の良好な臨床試験結果を獲得し、欧米の臨床腫瘍学会等で発表いたしました。

抗体薬物複合体(注7)(以下「ADC」という。)フランチャイズについて複数の新規臨床試験を開始いたしました。(乳がん・胃がん・大腸がん患者を対象としたDS-8201のフェーズ2試験及び非小細胞肺がん患者を対象としたU3-1402とDS-1062のフェーズ1試験の開始)

・ADCの製造設備投資を推進し、生産体制の拡充を図りました。

ADC及び急性骨髄性白血病(以下「AML」という。)フランチャイズの戦略的提携活動を推進いたしました。(併用療法に関する他社との研究開発提携の開始等)

 

 

 

 

 

(注)5.画期的治療薬の指定制度:重篤な疾患を対象に、既存の治療薬よりも高い治療効果を示す可能性のある薬剤について米国での開発と審査を促進し、患者さんにより早く新薬を届けるために定められた制度。

6.先駆け審査指定制度:世界に先駆けて日本での革新的医薬品等の早期実用化を促すため、臨床試験や承認手続を優先して受けられる制度

7.抗体薬物複合体:抗体医薬と薬物(低分子医薬)を適切なリンカーを介して結合させた医薬群で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体医薬を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつ、がん細胞への攻撃力を高めた薬剤

 

(ⅴ) SOCを変革する先進的新薬の継続的創出

疾患のターゲットとして、がんを重点領域と定め、疼痛、中枢神経系疾患、心不全・腎障害、希少疾患を次世代領域と位置付け、研究組織をバイオベンチャーモデル(注8)へ転換するとともに、パートナリング(注9)、オープンイノベーション(注10)、トランスレーショナルリサーチ(注11)を利用してSOCを変革する先進的新薬創出を目指して参ります。また、核酸医薬や細胞治療等先進的技術の治療応用実現を進めて参ります。

(注)8.バイオベンチャーモデル:バイオベンチャー会社のように、外部との提携を積極的に活用し、自由な発想により研究テーマを進め、自ら意思決定を行い、より効率的な投資で限られた時間内に成果を出す事業形態

9.パートナリング:企業、大学、研究機関等が互いの強みを活かすことで新たな価値を生み出すための連携。

10.オープンイノベーション:外部の開発力やアイデアを活用することで自社の課題を解決し、革新的で新しい価値を生み出す手法。

11.トランスレーショナルリサーチ:前臨床における基礎的な研究成果を臨床現場での検証を通じて新規の医薬品や医療技術として実用化に繋げたり、臨床現場で確認した有効性・安全性を新たな基礎研究に応用する橋渡し研究過程。

 

[2017年度の主な取り組み課題と実績]

・心不全治療薬iPS細胞由来心筋シートの販売オプション権を取得いたしました。

がん治療用ウイルスG47Δ(DS-1647)が厚生労働省からの希少疾病用再生医療等製品の指定を獲得いたしました。

デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤DS-5141が先駆け審査指定を獲得いたしました。

 

 

 

 

 

(ⅵ) 利益創出力の強化

利益創出力の強化として2015年度までに実施した取り組みに加え、今回の中期経営計画期間中に、グローバルレベルでの生産体制の最適化及び調達機能の強化を進めて参ります。同時にグループ全体に亘る大幅なコスト削減・効率化を行い、売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費の見直しを進め、利益創出力の強化を図って参ります。

 

[2017年度の主な取り組み課題と実績

・米国の営業体制再編を決定いたしました。(第一三共Inc.の人員削減の決定)

・国内の研究開発体制再編を推進いたしました。(2018年4月1日付でアスビオファーマ㈱を吸収合併)

 

 

 

 

キャッシュの創出と成長投資等への配分

第4期中期経営計画期間中は、成長投資を優先しつつ、株主還元も充実していく方針であります。

2015年度末における手元流動性約7,000億円に、今後研究開発費控除前のフリー・キャッシュ・フローと資産スリム化によって生みだすキャッシュを加えた約2兆2,000億円が5カ年計画の原資となります。成長投資として研究開発に9,000億円、事業開発に5,000億円、残りを株主還元、設備投資、運転資金に充当する考えであります。

 

[2017年度の主な取り組み課題と実績]

・政策保有株式を売却し、144億円のキャッシュを創出いたしました。

・がん領域への優先的な研究開発投資を行い、がん事業の立上げ・確立の加速化を推進いたしました。

 

 

 

 

株主還元方針

株主還元策としては、総還元性向(注12)を期間中100%以上、配当金は普通配当を年間70円以上とする方針であります。配当は安定的に行い、自己株式取得を機動的に実施して参ります。

(注)12.総還元性向:(配当金の総額+自己株式の取得総額)/親会社の所有者に帰属する当期利益

 

[2017年度の実績]

・1株当たり35円の中間配当を実施いたしました。期末配当35円と合計で1株当たり年間70円の配当といたしました。

・約1,573万株の自己株式を約500億円で取得いたしました。

 

 

 

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が判断したものであり、既知もしくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果とは乖離する可能性があります。

 

(1) 他社競合・ジェネリック医薬品等製品販売に関するリスク

当社グループ製品と同領域の他社製品との競合、当社グループ製品の特許切れ後のジェネリック医薬品の参入等は、当社グループの医薬品の売上を減少させる要因となり、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、販売及び技術導出入契約の条件変更・終了等、及び主力品の海外発売国における保険適用等に関する交渉結果等により、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 訴訟に関するリスク

当社グループの事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題及び公正取引に関する問題等に関し、訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社、第一三共Inc.及び第一三共U.S.ホールディングスInc.並びにAllergan Sales, LLC(旧Forest Laboratories, LLC)及びその関係会社は、オルメサルタンメドキソミルを含有する製剤(米国製品名「ベニカー」等)の服用により、スプルー様腸疾患(重症下痢等を主な症状とする疾患)等が発現したと主張する方々から、米国連邦裁判所及び州裁判所において複数の訴訟を提起されておりますが、2017年8月、原告側と和解契約を締結し、2018年3月に和解内容を一部変更する契約を締結しております。なお、当該訴訟については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (2)その他 ②訴訟」に記載しております。

 

(3) 法規制、医療費抑制策等の行政動向に関するリスク

国内医療用医薬品は、薬事行政の下、種々の規制を受けております。薬価基準の改定をはじめとして、医療制度や健康保険に関する行政施策の動向によっては、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外においても同様に、医薬品として各種の規制を受けており、行政施策の動向による悪影響を受ける可能性があります。

第一三共Inc.は、主力品のプロモーション活動の一環として行った医師講演施策に関し、米国司法省より調査を受け、同省及びその他政府機関との間で和解に至りました。本和解に基づき、第一三共Inc.は、2015年3月期に約39百万米ドルの和解金を支払うと共に、保健福祉省監察総監室との間で法令遵守に関する協定(Corporate Integrity Agreement)を締結し、コンプライアンス研修の実施等により、コンプライアンス体制を強化しております。

 

(4) M&A等に関するリスク

当社グループは、研究開発等における事業展開の一環として、M&A又は資本提携等を実施することがあります。これらのM&A等にあたり、当社グループはデューデリジェンスを行い、当該M&A等の効果やリスクを算定したり、当社の負担するリスクを限定するよう努めております。しかし、対象会社の経営環境や事業の変化、デューデリジェンスにおいて判明しなかった情報等、または買収後に被買収企業の経営方針、コーポレート・カルチャー、コーポレート・ガバナンス等の相違のために両社の協業が円滑に進まないことに起因して、当該M&A等において期待されていた効果が実現されない可能性や、M&A等に関する契約に基づき相手方に対して補償責任を負う可能性があり、その場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.がランバクシー・ラボラトリーズLtd.を吸収合併し、その対価として当社がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.の株式を受領することについて、2014年4月にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間で契約を締結し、2015年3月24日(クロージング日)に完了いたしました。

当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間の本合併に関する契約に基づき、ランバクシー・ラボラトリーズLtd.のクロージング日前の品質問題等に関し、米国連邦政府又は州政府に支払う罰金及び損害等が、クロージング日から7年経過するまでの間にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.等に生じた場合、その63.5%について325百万米ドルを上限として補償する義務の履行を求められる可能性があります。なお、当社は取得したサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.株式を2015年4月にすべて売却しておりますが、上記契約は継続しております。

 

(5) 研究開発・他社とのアライアンス等に関するリスク

新薬候補品の研究開発には、多額の費用と長い年月が必要でありますが、その間に期待された有用性が確認できず研究開発を中止する可能性があります。また、臨床試験で良好な結果が得られても承認審査基準の変更により承認が得られなくなる可能性があります。さらに、第三者との研究開発に係る提携に関して契約の条件変更・終了等が起こった場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、重点領域であるがん領域について、DS-8201をフラグシップアセットと位置づけ、開発の拡大・加速化に取り組んでおりますが、研究開発・上市の遅延あるいは期待した有効性・安全性が得られない事象等が生じた場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

北里第一三共ワクチン㈱は、2011年に厚生労働省の「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業(第2次事業)」の「細胞培養法ワクチン実生産施設整備等推進事業」の事業者に採択され、2014年3月末までに、6ヶ月以内に4,000万人分のワクチンを供給できる体制を構築する計画でありましたが、ワクチン抗原の精製過程における収率低下等の要因により、本供給体制を達成できていない状況にあります。製造工程の見直し、工程操作の厳密な管理等により収率改善を図り、本供給体制の構築及び事業完了を目指しております。

 

(6) 製造・仕入れに関するリスク

製品の一部は、当社グループの工場において独自の技術により製造しており、また、商品及び原材料の一部は、特定の取引先にその供給を依存しております。このため、何らかの理由により製造活動や仕入れが遅延又は停止した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。医薬品は医薬品医療機器法の規制の下で製造しておりますが、品質問題の発生により製品回収等を行うことになった場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 副作用発現に関するリスク

予期していなかった副作用の発現等の問題が発生した場合は、当社グループの医薬品の売上が減少するとともに、製品回収や販売中止等に係る多額の費用が発生するなど、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 知的財産に関するリスク

当社グループの事業活動が他者の特許等知的財産権に抵触する場合、事業の断念や係争の可能性があります。一方、第三者が当社グループの特許等知的財産権を侵害すると考えられる場合は、その保護のため訴訟提起等をする場合があり、それらの動向は経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼすことがあります。特に先進諸国でのジェネリック医薬品拡大を背景に、訴訟提起等を含め、当社グループの知的財産に関するリスクが一層増大する可能性があります。

 

(9) 海外における事業展開に関するリスク

当社グループは、医薬品の開発、販売等の分野で、海外においても積極的に事業を展開しており、このような海外事業においては、当該地域における政治不安や経済情勢の悪化等の地政学的な要因、当該地域の法規制に抵触するリスク、現地の労使関係等に関するリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 災害等の発生による事業活動に関するリスク

地震、水害、暴風雨等の自然災害、火災、原子力発電所の事故、長時間の停電等社会インフラの障害、戦争、テロ等の発生により、当社グループの工場、研究所、事業所等の施設の損壊又は事業活動の停滞等の損害が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 環境問題に関するリスク

医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれております。当社グループでは医薬品等の管理には万全を期すべく努めておりますが、万一、土壌汚染、大気汚染、水質汚濁等深刻な環境問題が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 金融市況及び為替変動に関するリスク

株式市況の低迷により保有する株式等の売却損や評価損が生じ、金利動向により退職給付債務の増加等が生じる可能性があります。また、為替相場の変動により、不利な影響を受ける可能性があります。当社グループはグローバルに事業を展開し、生産・販売・輸出入を行っておりますので、為替相場の変動は経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) IT セキュリティ及び情報管理に関するリスク

当社グループは、業務上、各種ITシステムを利用しており、また、個人情報を含む多くの機密情報を保有しております。ネットワークウイルスの感染、サイバー攻撃他によるコンピュータシステムの休止等、及び機密情報の漏洩を防止するため、情報管理に関する規程等を整備して従業員へ情報管理の重要性を周知徹底するとともに、セキュリティシステムの導入等の対応策を実施しておりますが、これらの事象が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 財務報告に係る内部統制の整備等に関するリスク

当社グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用及び評価のための体制整備に努めております。しかし、内部統制が有効に機能しなかった場合、または財務報告に係る内部統制の不備又は開示すべき重要な不備が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) その他のリスク

その他のリスクとして、役職員の不正、金融危機の発生による資金調達環境の悪化、及び当社グループ製品の偽造医薬品流通による信頼性低下等が考えられます。これらの事象が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月18日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、積極的なグローバル事業の展開による企業価値の向上に資するために、基準とすべき会計及び財務報告のあり方を検討した結果、資本市場における財務情報の国際的な比較、グループ内での会計処理の統一、グローバル市場における資金調達手段の多様化等を目的として、2014年3月期よりIFRSを適用しております。

当社グループの連結財務諸表の作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としており、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」に記載しております。

 

(1) 業績等の概要

当社グループの当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)の売上収益は、前連結会計年度比51億円(0.5%)増収の9,602億円となりました。独占販売期間の満了に伴いオルメサルタンが減収となったものの、エドキサバン等の主力品の伸長及び為替影響(140億円)により、増収となりました。

営業利益は、前連結会計年度比126億円(14.2%)減益の763億円となりました。売上総利益は、84億円(1.4%)増益の6,142億円となりました。販売製品の構成比の変化に伴う売上原価の増加影響があったものの、前連結会計年度に売上原価としてワクチン事業の有形固定資産及び無形資産の減損損失(206億円)を計上していたこと等により、増益となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度並みの3,018億円となりました。研究開発費は、制吐剤配合麻薬性鎮痛剤CL-108に関する無形資産の減損損失(278億円)を計上したこと等から、217億円(10.1%)増加の2,360億円となりました。営業利益に係る為替の増益影響は19億円となりました。

税引前利益は、前連結会計年度比68億円(7.7%)減益の810億円となりました。外貨建資産等に係る為替差損益が改善したこと等から、営業利益に比べ、小幅な減益となりました。

親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比68億円(12.7%)増益の603億円となりました。米国における税率引下げに伴う法人所得税費用の減少影響等により、増益となりました。

当期包括利益合計額は、前連結会計年度比296億円(91.4%)増益の619億円となりました。金融資産評価差額金が改善したこと等から、前連結会計年度に比べ、大幅な増益となりました。

 

地域別の売上状況は次のとおりであります。

 

① 日本

日本の売上収益は、前連結会計年度比397億円(6.9%)増収の6,129億円となりました。

 

[国内医薬事業]

国内医薬事業では、オルメテックの減収やジェネリック医薬品の処方拡大による長期収載品の減収影響があったものの、リクシアナ、イナビル、プラリア、ネキシウム、エフィエント、テネリア、メマリー、ランマーク等の主力品の伸長、及び新発売したオーソライズド・ジェネリック(注1)製品の寄与等により、売上収益は335億円(6.6%)増収の5,400億円となりました。なお、この売上収益には、第一三共エスファ㈱が取り扱うジェネリック事業、並びに北里第一三共ワクチン㈱及びジャパンワクチン㈱等が取り扱うワクチン事業の売上収益が含まれております。

当社は、ヒドロモルフォン塩酸塩を主成分とする癌疼痛治療剤ナルラピド錠(即放性製剤)及びナルサス錠(徐放性製剤)を2017年6月に新発売いたしました。また、2型糖尿病治療用配合剤カナリア(テネリアとカナグルの配合剤)を2017年9月、経口抗凝固剤リクシアナOD錠(口腔内崩壊錠)を2017年11月に新発売いたしました。

抗てんかん剤ビムパットについて、てんかん患者の部分発作に対する単剤療法が2017年8月に承認されました。さらに、9月に厚生労働省の告示に基づく投薬期間制限が解除されました。

第一三共エスファ㈱は、オルメサルタンOD錠を含む複数のオーソライズド・ジェネリック製品を2017年6月以降、順次新発売いたしました。

(注)1.オーソライズド・ジェネリック:先発医薬品メーカーからの許諾を受けて製造される後発医薬品

 

[ヘルスケア事業]

ヘルスケア事業の売上収益は、第一三共ヘルスケア㈱が取り扱うミノンシリーズ等の伸長により、62億円(9.3%)増収の729億円となりました。

 

<日本の主な売上構成>

 (単位:億円)

区分

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

増減

国内医薬事業(注)2

5,066

5,400

335

6.6%

ヘルスケア

667

729

62

9.3%

(注)2.ジェネリック事業、ワクチン事業を含む

 

<国内医薬主力品売上収益>

(単位:億円)

製品名

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

増減

ネキシウム
抗潰瘍剤

840

865

26

3.0%

メマリー
アルツハイマー型認知症治療剤

469

486

17

3.6%

オルメテック
高血圧症治療剤

694

446

248

35.8%

リクシアナ

抗凝固剤

250

453

203

81.4%

ロキソニン
消炎鎮痛剤

374

365

10

2.6%

テネリア

2型糖尿病治療剤

242

263

21

8.8%

プラリア

骨粗鬆症治療剤・関節リウマチに伴う
骨びらんの進行抑制剤

180

232

52

29.1%

レザルタス

高血圧症治療剤

175

168

8

4.4%

ランマーク

がん骨転移による骨病変治療剤

139

154

15

10.6%

エフィエント

抗血小板剤

104

128

24

23.2%

イナビル

抗インフルエンザウイルス剤

196

253

57

29.2%

クラビット
合成抗菌剤

151

127

24

16.1%

ユリーフ

排尿障害治療剤

114

111

3

△2.7%

オムニパーク

造影剤

142

140

2

1.6%

メバロチン
高コレステロール血症治療剤

104

86

18

△17.6%

 

② 北米

北米の売上収益は、前連結会計年度比502億円(21.8%)減収の1,802億円、現地通貨ベースでは、5億米ドル(23.5%)減収の16億2千5百万米ドルとなりました。この売上収益には、第一三共Inc.とルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.の売上収益が含まれております。

第一三共Inc.では、オルメサルタン及び配合剤、ウェルコール並びにエフィエントが減収となりました。

第一三共Inc.は、乱用防止特性を備えた麻薬性鎮痛薬2剤の米国における商業化の独占的実施権の許諾を受けるライセンス契約を2016年10月に米国Inspirion Delivery Sciences, LLCと締結いたしました。本契約に基づき、モルヒネ徐放性製剤モルファボンドを2017年10月に新発売いたしました。また、承認取得済のオキシコドン速放性製剤ロキシボンドの商業化を2017年5月に決定し、上市に向けた準備を進めております。

なお、第一三共Inc.では、米国における製品群及びがん領域のパイプライン(新薬候補群)を踏まえ、営業組織オペレーションの一層の効率化を図ると共に、がん領域の将来的な新製品上市に備えるため、営業部門約280名の人員削減を含む組織再編を実施することを2018年3月に決定いたしました。

ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.では、インジェクタファー及びヴェノファーが増収となりました。

 

<第一三共Inc.主力品売上収益>

(単位:百万米ドル)

製品名

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

増減

オルメサルタン(注)3
高血圧症治療剤

612

192

△420

△68.5%

ウェルコール
高コレステロール血症治療剤

・2型糖尿病治療剤

420

306

△114

27.1%

エフィエント
抗血小板剤

205

96

△109

△53.0%

サベイサ

抗凝固剤

17

20

2

13.0%

モバンティック
オピオイド誘発性便秘薬

38

42

4

9.9%

(注)3.ベニカー/ベニカーHCT、エイゾール、トライベンゾール及びオルメサルタンのオーソライズド・ジェネリック

 

<ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.主力品売上収益>

(単位:百万米ドル)

製品名

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

増減

ヴェノファー
鉄欠乏性貧血治療剤

263

279

17

6.3%

インジェクタファー

鉄欠乏性貧血治療剤

221

310

89

40.1%

 

③ 欧州

欧州の売上収益は、前連結会計年度期比85億円(12.0%)増収の794億円、現地通貨ベースでは1千5百万ユーロ(2.6%)増収の6億1千3百万ユーロとなりました。オルメサルタン及び配合剤が減収となったものの、リクシアナが伸長したこと等により、増収となりました。

 

<第一三共ヨーロッパGmbH主力品売上収益>

(単位:百万ユーロ)

製品名

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

増減

オルメサルタン(注)4
高血圧症治療剤

363

258

△105

△28.9%

エフィエント
抗血小板剤

67

62

△5

△7.6%

リクシアナ

抗凝固剤

81

208

127

155.7%

(注)4.オルメテック/オルメテックプラス、セビカー及びセビカーHCT

 

④ アジア・中南米

アジア・中南米の売上収益は、前連結会計年度期比82億円(11.4%)増収の804億円となりました。なお、この売上収益には、海外ラインセンシーへの売上収益等が含まれております。

中国では、合成抗菌剤クラビット等の主力品が増収となりました。

韓国では、抗凝固剤リクシアナ等の主力品が増収となりました。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

医薬事業

509,213

98.4

合計

509,213

98.4

 (注)1.金額は正味販売価格によっております。

2.上記金額には消費税等を含めておりません。

 

② 受注実績

当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を策定し、これにより生産を行っております。受注生産は一部の連結子会社で行っておりますが、受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

医薬事業

960,195

100.5

合計

960,195

100.5

 (注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

アルフレッサホールディングス

株式会社及びそのグループ会社

190,637

20.0

199,809

20.8

株式会社スズケン及びそのグループ会社

88,539

9.3

98,603

10.3

マッケソン社

109,800

11.5

62,276

6.5

2.上記金額には消費税等を含めておりません。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」となることを2025年ビジョンとして掲げ、研究開発活動、ライセンス活動に取り組んでおります。当社グループでは、引き続き財務の健全性を保ち、営業活動によるキャッシュ・フローを創出すること等によって、必要な資金調達が可能であると考えております。

 

① 財政状態

当連結会計年度末における資本合計は1兆1,330億円(前連結会計年度末比384億円減少)、資産合計は1兆8,978億円(前連結会計年度末比172億円減少)、親会社所有者帰属持分比率は59.7%(前連結会計年度末61.4%)となりました。資本合計は、当期利益の計上があった一方で、配当金の支払による減少及び自己株式の取得等により、減少いたしました。資産合計は、その他の金融資産(非流動資産)が増加した一方、無形資産の減少等により、減少いたしました。

 

② キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、期首に比べ1,117億円増加の3,577億円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益810億円、減価償却費及び償却費467億円及び減損損失367億円等の非資金項目のほか、法人所得税の支払等による資金の減少により、1,084億円の収入(前連結会計年度は1,362億円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資や無形資産の取得による支出があった一方で、定期預金の払戻による収入等により、1,086億円の収入(前連結会計年度は968億円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得及び配当金の支払等により、1,018億円の支出(前連結会計年度は150億円の支出)となりました。

 

(4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2020年度の定量目標として、売上収益1兆1,000億円、営業利益1,650億円、ROE 8%以上を目指しております。また、2020年度時点で、5年以内に市場投入し、かつピーク時売上収益1,000億円以上を期待できる後期開発品を3~5品目保有することを目指しております。

当連結会計年度においては、売上収益9,602億円、営業利益763億円、ROE5.2%となりました。なお、目標達成に向けた主な取り組み課題と実績については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

(5) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。

(のれんの償却)

 日本基準では、のれんは、その効果が発現すると見積もられる期間で償却することとしておりましたが、IFRSでは、IFRS移行日以降、のれんの償却を行わず、毎期減損テストを行っております。この結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、日本基準に比べて61億円減少しております。

(無形資産)

 日本基準では、技術導入契約の一時金等の支出は、費用として認識しておりましたが、IFRSでは、IAS第38号による無形資産の定義を満たすものについては資産化しております。当連結会計年度において、過年度に計上済みの無形資産について減損損失を計上したことにより、当連結会計年度の研究開発費は、日本基準に比べて338億円増加しております。

4【経営上の重要な契約等】

(1)北里第一三共ワクチン㈱の完全子会社化

 当社は、第一三共グループにおけるワクチン事業の基盤強化を目的として、当社の連結子会社である北里第一三共ワクチン㈱を持株比率100%の完全子会社とするために、学校法人北里研究所との間で、同研究所が保有する北里第一三共ワクチン㈱の全株式を取得する契約を2017年11月30日付で締結し、同日付で北里第一三共ワクチン㈱を完全子会社化いたしました。

 

(2)アスビオファーマ㈱の吸収合併

 当社は、当社の研究機能を強化し、更なる生産性向上を図る目的で、当社の連結子会社であるアスビオファーマ㈱を吸収合併するために、2018年4月1日を効力発生日として、当社がアスビオファーマ㈱の権利義務の全てを承継する吸収合併契約を2017年11月30日付で締結いたしました。

 なお、アスビオファーマ㈱は、当社の100%連結子会社であることから、本合併による新株式の発行及び金銭等の割当てはありません。

 

(3) 技術導入

契約会社名

相手先

国名

技術内容

対価

契約期間

第一三共㈱

(当社)

Amgen Inc.

アメリカ

抗RANKL抗体「デノスマブ」に関する技術

契約一時金

マイルストーン

一定料率の実施料

自 2007年7月

至 2027年6月

第一三共㈱

(当社)

Amgen Inc.

アメリカ

バイオ後続品に関する技術

マイルストーン

自 2016年7月

至 製品毎に商業化の終了日

第一三共㈱

(当社)

Celixir Ltd.

イギリス

虚血性心不全の細胞治療薬「ハートセル」に関する技術

契約一時金

マイルストーン

一定料率の実施料

自 2016年4月

至 商業化の終了日

第一三共㈱

(当社)

Kite Pharma EU B.V.

オランダ

悪性リンパ腫の細胞治療薬「KTE-C19」に関する技術

契約一時金

マイルストーン

一定料率の実施料

自 2017年1月

至 開発又は販売の中止日

第一三共㈱

(当社)

MedImmune LLC

アメリカ

鼻腔噴霧インフルエンザ弱毒生ワクチンに関する技術

契約一時金

マイルストーン

自 2015年9月

至 上市後10年

第一三共Inc.

(連結子会社)

Genzyme Corporation

アメリカ

高脂血症治療剤「ウェルコール」に関する技術

契約一時金

マイルストーン

一定料率の実施料

自 1999年12月

至 対象特許の満了日

ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.

(連結子会社)

Vifor (International) Inc.

スイス

貧血治療剤「ヴェノファー」に関する技術

製品購入価格

自 1997年12月

至 2030年12月

 (注)1.第一三共㈱とLOCL Pharma, Inc.の制吐剤配合麻薬性鎮痛剤「CL-108」に関する技術導入契約は、2017年11月に終了しております。

2.第一三共㈱とInnoCIMAb Pte Ltd.及びCIMAB S.A.のヒト化抗EGFRモノクロナール抗体抗がん剤「ニモツズマブ」に関する技術導入契約は、2018年3月に終了しております。

3.第一三共㈱とTranslational Sciences Inc.の血栓溶解剤「TS23」に関する技術導入契約は、2018年1月に終了しております。

 

(4) 技術導出

契約会社名

相手先

国名

技術内容

対価

契約期間

第一三共㈱

(当社)

Eli Lilly and Company

アメリカ

虚血性疾患治療剤「エフィエント(プラスグレル)」に関する技術

契約一時金

マイルストーン

一定料率の実施料

自 2001年6月

至 対象特許の満了日

プレキシコンInc.

(連結子会社)

F. Hoffmann-La Roche Ltd.

スイス

転移性悪性黒色腫治療薬「ゼルボラフ(ベムラフェニブ)」に関する技術

契約一時金

マイルストーン

一定料率の実施料

自 2006年9月

至 対象特許の満了日又は上市後12年のうち何れか遅く到来する日

 

(5) 販売契約等(導入)

契約会社名

相手方の名称

国名

契約の内容

契約期間

第一三共㈱

(当社)

AstraZeneca AB

スウェーデン

同社のプロトンポンプ阻害剤「ネキシウム」の日本国内における独占販売及び共同販促

自 2010年10月

至 上市後10年

(以後は何れかが12ヶ月前通知により解約する日)

第一三共㈱

(当社)

Cheplapharm Arzneimittel GmbH

ドイツ

同社の高血圧症治療剤「アーチスト」の日本国内における独占販売

自 1989年7月

至 商標使用の終了日

第一三共㈱

(当社)

GE Healthcare AS

ノルウェー

同社の非イオン性造影剤「オムニパーク」の日本国内における独占販売

自 1987年3月

至 販売終了の日

第一三共㈱

(当社)

Merz Pharmaceuticals GmbH

ドイツ

同社のアルツハイマー型認知症治療剤「メマリー」の日本国内における独占販売

自 1997年12月

至 上市後10年

第一三共㈱

(当社)

UCB Biopharma Sprl

ベルギー

同社のてんかん治療薬「ビムパット」の日本国内における独占販売及び共同販促

自 2014年11月

至 上市後10年

第一三共㈱

(当社)

キッセイ薬品工業㈱

日本

同社の排尿障害治療剤「ユリーフ」の日本国内における共同販売

自 2004年6月

至 販売中止日

第一三共㈱

(当社)

サノフィ㈱

日本

同社のインフルエンザ菌b型による感染症予防小児用ワクチン「アクトヒブ」の日本国内における販売

自 2008年11月

至 2018年12月

(協議更新)

第一三共㈱

(当社)

田辺三菱製薬㈱

日本

同社の血糖降下剤「テネリア」の日本国内における独占販売及び共同販促

自 2012年3月

至 上市後10年

(以後1年ごとの自動更新)

第一三共㈱

(当社)

田辺三菱製薬㈱

日本

同社の血糖降下剤「カナグル」の日本国内における共同販促

自 2012年3月

至 上市後10年

(以後1年ごとの自動更新)

第一三共㈱

(当社)

田辺三菱製薬㈱

日本

同社の2型糖尿病治療用配合剤「カナリア」の日本国内における独占販売及び共同販促

自 2017年3月

至 上市後10年

(以後1年ごとの自動更新)

第一三共Inc.

(連結子会社)

AstraZeneca UK Limited

イギリス

オピオイド(麻薬性鎮痛薬)誘発性便秘薬「モバンティック」の米国内における共同販促

自 2015年3月

至 年間販売額が一定基準を下回ったとき

第一三共Inc.

(連結子会社)

Inspirion Delivery Sciences, LLC

アメリカ

オピオイド鎮痛薬「モルファボンド」を含む2剤の米国内における独占販売及び共同販促

自 2016年10月

至 対象特許の満了日又は2031年10月のうち何れか遅く到来する日

 (注)第一三共ヨーロッパGmbHとNektar Therapeuticsの抗がん剤「オンジールド」の欧州における独占販売契約(導入)は、2018年2月に終了しております。

 

(6) 販売契約等(導出)

契約会社名

相手方の名称

国名

契約の内容

契約期間

第一三共㈱

(当社)

Servier Canada inc.

カナダ

抗凝固剤「リクシアナ(エドキサバン)」のカナダにおける独占販売

自 2016年6月

至 対象特許の満了日、データ保護期間の満了日又は2031年6月のうち何れか遅く到来する日

ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.

(連結子会社)

Fresenius USA Manufacturing, Inc.

アメリカ

貧血治療剤「ヴェノファー」の米国内における販売

自 2008年11月

至 2018年12月

第一三共ヨーロッパGmbH

(連結子会社)

Menarini International Operations Luxembourg S.A.

ルクセンブルク

血圧降下剤「オルメテック(オルメサルタン)」の欧州における共同販売

自 2001年6月

至 2020年12月

第一三共ノーザンヨーロッパGmbH

(連結子会社)

Merck and Company, Incorporated

アメリカ

抗凝固剤「リクシアナ(エドキサバン)」の欧州一部地域における独占販売

自 2016年2月

至 2026年2月又は対象特許の満了日のうち何れか遅く到来する日

 

(7) 業務委託契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約の内容

契約期間

第一三共㈱

(当社)

㈱日立製作所

日本

IT業務の同社への委託

自 2017年4月

至 2020年3月

 

(8) その他

契約会社名

相手方の名称

国名

契約の内容

契約期間

第一三共㈱

(当社)、

第一三共Inc.

(連結子会社)、

第一三共U.S.ホールディングスInc.

(連結子会社)

Plaintiffs’ Negotiating Committee

アメリカ

オルメサルタンメドキソミルを含有する製剤の服用によりスプルー様腸疾患等が発現したと主張する原告等との和解に向けた合意

自 2017年8月

至 終期を定めず

 

 

5【研究開発活動】

当社グループは、「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」を2025年ビジョンとして掲げております。

2025年ビジョンの達成に向けて、重点領域であるがん領域については、ADCフランチャイズ、AMLフランチャイズ及びブレークスルー・サイエンス(注1)を3つの柱として設定し、戦略的な研究開発活動に取り組んでおります。

また、疼痛、中枢神経系疾患、心不全・腎障害、希少疾患を次世代領域と位置付け、研究の加速化を進めております。

研究から初期開発段階では、パートナリング、オープンイノベーション、トランスレーショナルリサーチを利用して、標準治療を変革する先進的新薬創出を目指した活動を進めております。

後期開発段階では、がん領域と循環代謝領域等の製品の開発を進めております。

ライフサイクルマネジメント(注2)では、循環代謝領域を中心に継続した取り組みを実施しております。

2017年4月にバイオ医薬品のモダリティ研究(注3)と生産技術研究開発の機能を集約化したバイオロジクス本部を新設いたしました。

研究機能強化の取り組みの一環として、2018年4月1日に当社の国内子会社であるアスビオファーマ㈱を吸収合併いたしました。

(注)1ブレークスルー・サイエンス:革新的な科学技術を応用した、がん治療法に抜本的な変革をもたらす新規治療モダリティ。

2.ライフサイクルマネジメント:適応症の拡大や用法・用量の改善等により、医薬品の製品価値を一層高め、長期間にわたりその価値を医療現場に提供するための取り組み。

3.モダリティ研究:抗体、抗体薬物複合体、ペプチド及び核酸等、低分子を除く全ての化合物の創薬技術研究。

当連結会計年度の研究開発費は、2,360億円(前連結会計年度比10.1%増)となり、売上収益に対する研究開発費の比率は、24.6%となりました。

主な研究開発プロジェクトの進捗状況は、次のとおりであります。

 

(1) がん領域

① DS-8201(抗HER2 ADC)

 2016年12月にFDAよりHER2陽性の転移性乳がん治療を対象として、優先承認審査(Fast Track)指定されております。さらに、2017年8月にFDAよりHER2陽性の再発・転移性乳がん治療を対象として、画期的治療薬(Breakthrough Therapy)の指定制度の対象品目と認定されました。また、2018年3月に厚生労働省より、がん化学療法後に増悪したHER2過剰発現が確認された治癒切除不能な再発・進行性胃がん患者に対する治療として、先駆け審査指定制度の対象品目と認定されました。

 HER2陽性がん患者を対象としたフェーズ1試験パート2(症例拡大試験)を日本及び米国で実施しております。その途中経過を2017年6月開催の米国臨床腫瘍学会(ASCO)及び2017年9月開催の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表いたしました。さらに、HER2陽性及びHER2低発現の乳がん患者を対象とした安全性と有効性に関する最新データを2017年12月に米国サンアントニオ乳がんシンポジウムで発表するとともに、HER2陽性の胃がん患者を対象とした安全性と有効性に関する最新データを2018年1月に米国臨床腫瘍学会の消化器癌シンポジウム(ASCO-GI)で発表いたしました。

 HER2陽性の再発・転移性乳がん患者を対象としたグローバル・フェーズ2試験を2017年8月に開始いたしました。

 HER2陽性の再発・進行性胃がん患者を対象とした日本及び韓国でのフェーズ2試験を2017年11月に開始いたしました。

 HER2陽性の再発・進行性大腸がん患者を対象としたグローバル・フェーズ2試験を2018年2月に開始いたしました。

(ⅰ) DS-8201の研究開発提携

・当社は、米国Bristol-Myers Squibb Co.とHER2陽性の乳がん及び膀胱がん患者を対象とした、免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(製品名:オプジーボ)との併用療法を評価する臨床試験の共同実施に関する契約を2017年8月に締結いたしました。

・当社は、米国Puma Biotechnology, Inc.及び米国Memorial Sloan Kettering Cancer CenterとHER2変異固形がん患者を対象としたチロシンキナーゼ阻害剤ネラチニブ(米国製品名:NERLYNX)との併用療法を評価する前臨床試験の共同実施に関する契約を2017年12月に締結いたしました。

② U3-1402(抗HER3 ADC)

 HER3陽性の難治性の転移性乳がん患者を対象としたフェーズ1/2試験を日本及び米国で実施しております。

 EGFRチロシンキナーゼ阻害剤を投与中に病勢進行したEGFR変異のある非小細胞肺がん患者を対象とした米国でのフェーズ1試験を2018年2月に開始いたしました。

③ DS-1062(抗TROP2 ADC)

 再発・進行性の非小細胞肺がん患者を対象とした日本及び米国でのフェーズ1試験を2018年2月に開始いたしました。

④ キザルチニブ

 欧米及びアジアで、FLT3-ITD変異を有するAMLの二次治療及び一次治療の適応取得を目的としたフェーズ3試験を実施しております。

⑤ DS-3201

 再発・難治性の非ホジキンリンパ腫患者を対象としたフェーズ1試験を日本で実施しております。その途中経過を2017年12月に米国血液学会(ASH)で発表いたしました。

 再発・難治性のAML及び急性リンパ性白血病患者を対象としたフェーズ1試験を米国で実施しております。

⑥ ペキシダルチニブ

 2015年10月にFDAより腱滑膜巨細胞腫(以下「TGCT」という。)の治療における画期的治療薬(Breakthrough Therapy) の指定制度の対象品目と認定されております。

 欧米でのTGCT患者を対象としたフェーズ3試験において、主要評価項目を達成したことを2017年10月に発表いたしました。

⑦ DS-1647

 東京大学医科学研究所 藤堂具紀教授と共同で国内フェーズ2試験を実施しているがん治療用ウイルスG47Δ(DS-1647)が2016年2月に悪性神経膠腫を対象として、先駆け審査指定制度の対象品目と認定されております。さらに、2017年7月に同疾病を対象として、希少疾病用再生医療等製品に指定されました。

⑧ デノスマブ

 日本で、2012年より多発性骨髄腫による骨病変及び固形がん骨転移による骨病変、また2014年より骨巨細胞腫の適応症で、製品名ランマークとして販売しております。さらに、2013年より骨粗鬆症に対する国内製造販売承認を取得し、プラリアの製品名で販売しております。

 プラリアについて、関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制の効能・効果追加の承認を2017年7月に取得いたしました。

 米国Amgen Inc.と共同で実施するランマークの乳がん術後補助療法に関するグローバル・フェーズ3試験の結果概要を2018年2月に発表いたしました。主要評価項目である無骨転移生存期間の延長は達成できませんでした。なお、新たな安全性上の懸念は認められませんでした。

(ⅰ) 主な研究開発提携等

(a) Glycotope GmbHとのADCに関するオプション契約の締結

・当社は、ドイツGlycotope GmbHががん治療薬として開発中のPankoMab-GEX(抗TA-MUC1抗体)を、当社のADC技術を活用してADC化した薬剤の事業化に係るオプション契約を2017年10月に同社と締結いたしました。

・本契約の下、当社はADC化したPankoMab-GEXの薬効を確認する予備的試験を実施後、同薬剤に関する全世界での独占的開発及び商業化権利を取得することができます。

(b) MD Anderson Cancer CenterとのAML治療の研究開発提携に関する契約の締結

・当社の米国子会社である第一三共Inc.及びプレキシコンInc.は、米国テキサス大学 MD Anderson Cancer CenterとAML治療の研究開発提携に関する契約を2017年9月に締結いたしました。

・本契約の下、当社AMLフランチャイズの複数の開発品の併用効果(当社薬剤間及び他社薬剤との併用効果)を評価するとともに、非臨床試験や新規バイオマーカー(注4)の探索等のトランスレーショナルリサーチを実施いたします。

(注)4.バイオマーカー:患者さんの層別化、医薬品の作用機序解明及び有効性・安全性の指標。

(c) Max Planck Innovation GmbHとのがん領域における研究開発提携契約の締結

・当社は、ドイツMax Planck Innovation GmbH及びその探索研究機関であるLead Discovery Center GmbH(以下「LDC」という。)とがん領域における共同研究を実施し、LDCが探索する新規リード化合物(注5)の開発及び販売の独占的実施権を取得できるオプション契約を2017年7月に締結いたしました。

・本契約の下、がん細胞の転写と増殖を阻害する新規化合物の最適化を行うための共同研究を実施いたします。

(注)5.リード化合物:創薬過程の出発点となる化合物で、その化学構造を修飾することで、活性、毒性、薬物動態等の改善が期待できる化合物。

(d) Boston Pharmaceuticals Inc.とのDS-5010に関するライセンス契約の締結

・当社は、米国Boston Pharmaceuticals Inc.と当社が保有する選択的RETキナーゼ阻害剤DS-5010の全世界での研究開発、製造及び商業化の権利を同社に導出する契約を2017年8月に締結いたしました。

(e) 新規がん温熱療法に関するオープンイノベーション研究の開始

・当社は、公立大学法人名古屋市立大学、学校法人中部大学 中部大学、三菱UFJキャピタル㈱(以下「三菱UFJキャピタル」という。)と、新規がん温熱療法に関するオープンイノベーション研究を2018年3月に開始いたしました。

・本研究を行うために、2013年に当社と三菱UFJキャピタルが共同設立したOiDEファンド投資事業有限責任組合から共同研究等に必要な資金を全額出資し、OiDE RYO-UN㈱を設立しております。

・新規の創薬基盤技術研究の産学連携を推進し、新たな治療法の開発を目指して参ります。

 

(2) スペシャルティメディスン領域(注6)

(注)6.スペシャルティメディスン領域:がん以外の領域。循環代謝、疼痛、中枢神経系疾患、心不全・腎障害、希少疾患等の領域を含む。

① エドキサバン

 日本では、2011年より下肢整形外科手術患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制の適応症で製品名リクシアナとして販売しており、2014年に非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、並びに静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺塞栓症)の治療及び再発抑制の両効能を追加取得しております。

 海外では、米国、欧州及びアジア等、20カ国以上で販売承認を取得しております。

 経カテーテル大動脈弁置換術を施行した心房細動患者を対象とした欧米での無作為化比較試験(ENVISAGE-TAVI AF試験)を2017年4月に開始いたしました。

 がんを合併した静脈血栓塞栓症患者を対象とした欧米でのHokusai-VTE CANCER試験の結果を2017年12月に米国血液学会(ASH)のlate breaking sessionで発表いたしました。

② エサキセレノン

 糖尿病性腎症の患者を対象とした国内フェーズ3試験を2017年9月に開始いたしました。

 本態性高血圧症の患者を対象とした国内フェーズ3試験において、主要評価項目を達成した試験結果概要を2017年9月に発表いたしました。

 本試験結果に基づき、2018年2月に高血圧症に係る国内製造販売承認申請を行いました。

③ ミロガバリン

 疼痛患者を対象とした2つのフェーズ3試験の結果概要を2017年6月に発表いたしました。日本及びアジアでの帯状疱疹後神経痛の患者を対象とした試験は、主要評価項目を達成しました。一方、欧米での線維筋痛症の患者を対象とした試験は、主要評価項目を達成しませんでした。

 日本及びアジアでの糖尿病性末梢神経障害性疼痛の患者を対象としたフェーズ3試験において、主要評価項目を達成した試験結果概要を2017年8月に発表いたしました。

 日本及びアジアでのフェーズ3試験結果に基づき、2018年2月に末梢性神経障害性疼痛に係る国内製造販売承認申請を行いました。

④ DS-5141

 ㈱Orphan Disease Treatment Instituteと共同で国内フェーズ1/2試験を実施しているデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤DS-5141が2017年4月に先駆け審査指定制度の対象品目と認定されました。

⑤ CHS-0214

 日本で、米国Coherus BioSciences, Inc.と共同開発中の関節リウマチ等の自己免疫疾患治療薬エタネルセプトバイオ後続品CHS-0214について、安定供給を可能とする製法を確立できなかったことから、2017年7月に開発中止を決定いたしました。

(ⅰ) 主な研究開発提携等

(a) Translational Sciences, Inc.とのTS23に関するライセンス契約の解約

・当社は、研究開発パイプラインの優先順位付けにより、米国Translational Sciences, Inc.との血栓溶解剤TS23に関する開発及び商業化に関する権利を解約することを2017年10月に決定いたしました。

(b) Charleston Laboratories Inc.とのCL-108に関する開発及び販売契約の解約

・当社及び当社の米国子会社である第一三共Inc.は、米国の疼痛市場並びに当社ポートフォリオを再評価した結果、米国Charleston Laboratories Inc.との制吐剤配合麻薬性鎮痛剤CL-108に関する開発及び販売契約を解約することを2017年8月に決定いたしました。

(c) クオリプス㈱とのiPS細胞由来心筋シートの商業化に関する契約の締結

当社は、大阪大学発ベンチャー企業であるクオリプス㈱への出資及び同社が開発するiPS細胞由来心筋シートの全世界での販売オプション権を取得する契約を2017年8月に締結いたしました。

・本契約の下、iPS細胞由来心筋シートを用いた重症心不全治療薬の実用化を目指します。