(1) 業績
当社グループの当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)の売上収益は、前連結会計年度に比べ、313億円減収の9,551億円(前連結会計年度比3.2%減)となりました。日本・欧州・アジアにおいて主力品が伸長したものの、オルメサルタンの減収及び円高の進行による為替の影響等により、減収となりました。
営業利益は、415億円減益の889億円(前連結会計年度比31.8%減)となりました。売上総利益は、売上収益の減収に加え、当連結会計年度の売上原価としてワクチン事業の有形固定資産及び無形資産の減損損失206億円を計上したこと等から、621億円減益の6,058億円(前連結会計年度比9.3%減)となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度末までに実施した営業体制再編による経費削減効果及び為替による減少影響等により、263億円減少の3,025億円(前連結会計年度比8.0%減)となりました。研究開発費は、為替による減少影響があったものの、研究開発プロジェクトの進行に伴い、57億円増加の2,143億円(前連結会計年度比2.7%増)となりました。なお、営業利益に係る為替の減益影響額は、35億円となりました。
税引前利益は、346億円減益の878億円(前連結会計年度比28.3%減)となりました。前連結会計年度の金融費用にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.株式売却手数料が含まれていたこと等から、営業利益に比べ、小幅な減益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、288億円減益の535億円(前連結会計年度比35.0%減)となりました。
当期包括利益は、74億円増益の323億円(前連結会計年度比29.5%増)となりました。前連結会計年度のその他の包括利益にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.株式の売却損215億円(税効果考慮後)が含まれていたこと等から、当期包括利益は増益となりました。
地域別の売上収益は次のとおりであります。
① 日本
日本の売上収益は、5,959億円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。
国内医薬では、薬価改定やジェネリック医薬品の処方拡大による影響があったものの、リクシアナ、テネリア、イナビル、エフィエント、プラリア、メマリー、ネキシウム、ランマーク等の主力品の伸長により、売上収益は5,111億円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。この売上収益には、第一三共エスファ㈱が取り扱うジェネリック事業、並びに北里第一三共ワクチン㈱及びジャパンワクチン㈱等が取り扱うワクチン事業の売上収益が含まれております。なお、2016年8月に抗てんかん剤ビムパット(一般名:ラコサミド)を新発売いたしました。適応症は、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作に対する抗てんかん薬との併用療法です。販売は当社が単独で行い、プロモーションはユーシービージャパン㈱と共同で実施しております。さらに、同年8月にてんかん患者の部分発作に対する単剤療法の効能・効果を追加する承認申請を行っております。また、第一三共エスファ㈱は、2017年2月にオルメテックOD錠、ミカルディス錠、ミカムロ配合錠、ミコンビ配合錠、クレストール錠を含む複数のオーソライズド・ジェネリック製品の製造販売承認を取得いたしました。さらに、2017年3月に田辺三菱製薬㈱が申請中の2型糖尿病治療用配合剤MT-2412(テネリアとカナグルの配合剤)について、同社と販売提携契約を締結いたしました。当社が販売を行い、プロモーションは両社共同で実施する予定です。
高血圧症治療剤オルメサルタンや合成抗菌剤レボフロキサシンを中心とした輸出医薬の売上収益は、154億円(前連結会計年度比17.4%減)となりました。
ヘルスケアの売上収益は、第一三共ヘルスケア㈱が取り扱うスキンケア領域のミノンシリーズ等の伸長に加え、通信販売の事業基盤強化のために2015年11月に全株式を取得した㈱アイムの寄与により、667億円(前連結会計年度比25.0%増)となりました。なお、2016年8月にロキソニンS外用薬シリーズを新発売いたしました。
<日本の主な売上構成>
(単位:億円)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
増減 |
|
国内医薬 |
4,991 |
5,111 |
120 2.4% |
|
輸出医薬 |
187 |
154 |
△32 △17.4% |
|
ヘルスケア |
534 |
667 |
134 25.0% |
<国内医薬主力品売上収益>
(単位:億円)
|
製品名 |
前連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
増減 |
|
ネキシウム |
824 |
840 |
16 1.9% |
|
オルメテック |
739 |
694 |
△44 △6.0% |
|
メマリー |
424 |
469 |
44 10.4% |
|
ロキソニン (うちロキソニンテープ) |
481 (318) |
374 (249) |
△107 △22.3% |
|
テネリア 2型糖尿病治療剤 |
165 |
242 |
76 46.1% |
|
リクシアナ 抗凝固剤 |
130 |
250 |
120 92.6% |
|
レザルタス 高血圧症治療剤 |
182 |
175 |
△6 △3.5% |
|
プラリア 骨粗鬆症治療剤 |
125 |
180 |
55 44.1% |
|
ランマーク がん骨転移による骨病変治療剤 |
124 |
139 |
15 12.4% |
|
イナビル 抗インフルエンザウイルス剤 |
140 |
196 |
55 39.3% |
|
クラビット |
184 |
151 |
△33 △17.8% |
|
オムニパーク 造影剤 |
169 |
142 |
△27 △15.9% |
|
ユリーフ 排尿障害治療剤 |
118 |
114 |
△4 △3.4% |
|
アーチスト 高血圧・狭心症・ 慢性心不全症治療剤 |
151 |
106 |
△44 △29.3% |
|
メバロチン |
134 |
104 |
△30 △22.2% |
|
エフィエント 抗血小板剤 |
49 |
104 |
55 112.7% |
② 北米
北米の売上収益は、2,284億円(前連結会計年度比17.1%減)、現地通貨ベースでは21億7百万米ドル(前連結会計年度比8.1%減)となりました。
第一三共Inc.では、エフィエント、モバンティック、ウェルコール、サベイサが増収となったものの、オルメサルタン及び配合剤(米国製品名:ベニカー/ベニカーHCT、エイゾール、トライベンゾール)が減収となりました。なお、第一三共Inc.は、米国Inspirion Delivery Sciences, LLCが保有する乱用防止特性を備えたオピオイド鎮痛薬2剤(米国承認取得済のモルヒネ徐放性製剤モルファボンドを含む)について、同社から米国における商業化の独占的実施権の許諾を受けるライセンス契約を2016年10月に締結いたしました。第一三共Inc.が販売し、同社と共同でプロモーションを実施する予定であります。
ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.では、インジェクタファーが伸長いたしました。
<第一三共Inc.主力品売上収益>
(単位:百万米ドル)
|
製品名 |
前連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
増減 |
|
ベニカー/ベニカーHCT※ |
661 |
430 |
△232 △35.0% |
|
エイゾール |
164 |
103 |
△61 △37.4% |
|
トライベンゾール |
103 |
79 |
△24 △23.3% |
|
ウェルコール ・2型糖尿病治療剤 |
403 |
420 |
17 4.2% |
|
エフィエント (共同販促収入) |
173 |
205 |
32 18.7% |
|
サベイサ 抗凝固剤 |
4 |
17 |
14 362.1% |
|
モバンティック (共同販促収入) |
17 |
38 |
22 129.2% |
※オルメサルタンのオーソライズド・ジェネリックを含む。
<ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.主力品売上収益>
(単位:百万米ドル)
|
製品名 |
前連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
増減 |
|
ヴェノファー |
260 |
263 |
3 1.0% |
|
インジェクタファー 鉄欠乏性貧血治療剤 |
155 |
221 |
66 42.5% |
③ 欧州
欧州の売上収益は、710億円(前連結会計年度比4.9%減)、現地通貨ベースでは5億9千8百万ユーロ(前連結会計年度比6.0%増)となりました。オルメサルタン及び配合剤(欧州製品名:オルメテック/オルメテックプラス、セビカー)が減収となったものの、リクシアナ及びエフィエントが伸長いたしました。
<第一三共ヨーロッパGmbH主力品売上収益>
(単位:百万ユーロ)
|
製品名 |
前連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
増減 |
|
オルメテック/オルメテックプラス |
248 |
184 |
△64 △25.7% |
|
セビカー |
124 |
104 |
△20 △16.3% |
|
セビカーHCT |
73 |
75 |
3 4.0% |
|
エフィエント (共同販促収入) |
41 |
67 |
26 65.0% |
|
リクシアナ 抗凝固剤 |
12 |
81 |
70 598.0% |
④ その他の地域
その他の地域の売上収益は、598億円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。韓国において、抗凝固剤リクシアナ等の主力品が伸長したものの、その他の地域通貨全般に対する円高進行による為替の影響等により、減収となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、239億円増加の2,461億円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益878億円、減価償却費及び償却費474億円、及び減損損失265億円等の非資金項目のほか、法人所得税の支払等による資金の減少により、1,362億円の収入(前連結会計年度は1,743億円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資等により、968億円の支出(前連結会計年度は60億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入があった一方で、自己株式の取得、配当金の支払及び借入金の返済等により、150億円の支出(前連結会計年度は1,229億円の支出)となりました。
(3) IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(のれんの償却)
日本基準では、のれんは、その効果が発現すると見積もられる期間で償却することとしておりましたが、IFRSでは、IFRS移行日以降、のれんの償却を行わず、毎期減損テストを行っております。この結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、日本基準に比べて60億円減少しております。
(無形資産)
日本基準では、技術導入契約の一時金等の支出は、費用として認識しておりましたが、IFRSでは、IAS第38号による無形資産の定義を満たすものについては資産化しております。この結果、当連結会計年度の研究開発費は、日本基準に比べて202億円減少しております。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
医薬事業 |
517,475 |
92.6 |
|
合計 |
517,475 |
92.6 |
(注)1.金額は正味販売価格によっております。
2.上記金額には消費税等を含めておりません。
(2) 受注状況
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を策定し、これにより生産を行っております。受注生産は一部の連結子会社で行っておりますが、受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
医薬事業 |
955,124 |
96.8 |
|
合計 |
955,124 |
96.8 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
アルフレッサホールディングス 株式会社及びそのグループ会社 |
182,593 |
18.5 |
190,637 |
20.0 |
|
マッケソン社 |
164,957 |
16.7 |
109,800 |
11.5 |
|
カーディナルヘルス社 |
121,245 |
12.3 |
85,464 |
8.9 |
2.上記金額には消費税等を含めておりません。
当社グループにおける経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が判断したものであります。
(1) 2025年ビジョン
当社グループは、「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」となることを2025年ビジョンとして掲げております。
具体的には、2025年にがん事業を中心とするスペシャルティ領域※1が中核事業となっており、各国市場に適合したリージョナルバリュー製品※2を豊富に持ち、SOC※3を変革する先進的な製品・パイプラインが充実し、同時に効率的な経営による高い株主価値を実現した姿を目指しております。
※1 スペシャルティ領域:病院・専門医で主に処方される医薬品。
※2 リージョナルバリュー製品:各国・各地域の事業戦略に適合した製品。
※3 SOC:スタンダードオブケアの略。現在の医学では最善とされ、広く用いられている治療法。
(2) 第4期中期経営計画
2016年度から2020年度までの第4期中期経営計画を2025年ビジョンに向けた転換を実現するための5カ年計画と位置付け、「2017年度パテントクリフの克服」とその後の「持続的成長基盤の確立」という2つの経営課題に取り組んでおります。
① 経営課題1:2017年度パテントクリフの克服
主力製品である高血圧症治療剤オルメサルタン等のパテントクリフを克服し、2017年度の売上収益9,300億円、営業利益1,000億円の確保を目指して参ります。
売上収益の目標達成に向けて、グローバル主力品の抗凝固剤エドキサバンに加え、日本の主力製品及び米国ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.事業の成長加速を図って参ります。
また、2016年度までに実施した構造改革による利益創出力の強化に加え、さらなるコスト削減及び資産の適正化に取り組み、営業利益1,000億円の確保を目指して参ります。
② 経営課題2:持続的成長基盤の確立
持続的成長基盤を確立し、2020年度の売上収益1兆1,000億円、営業利益1,650億円、ROE 8%以上の目標達成を目指して参ります。また、2020年度時点で5年以内に市場投入しかつピーク時売上収益1,000億円以上を期待できる後期開発品を3~5品目保有することを目指して参ります。
持続的成長基盤を確立するため、次の6つの戦略目標を掲げ、その達成に向けた取り組みを進めて参ります。
(ⅰ) 戦略目標
(a) エドキサバンの成長
グローバルな上市戦略の着実な展開、確立された製品特性の継続的訴求、製品力強化を目的とした新規エビデンスの創出を進めて参ります。日本では製品力と質の高い営業力によってNo.1製品に育成し、欧州では提携会社との協業も利用し、欧州全域で本格的に展開を図り、エドキサバンの成長を加速し、2020年度の売上収益1,200億円以上の主力品に育てて参ります。
|
[2016年度に取り組んだ主な課題] ・日本、ドイツ及び韓国における売上収益の拡大、並びに新規の経口抗凝固剤市場におけるシェアの伸長 ・欧州及びアジアにおける上市・承認国の拡大 ・新規エビデンス創出の加速 |
|
(b) 日本No.1カンパニーとして成長
日本No.1カンパニーとして、イノベーティブ医薬品事業の強みを活かし、そこにワクチン事業、ジェネリック医薬品事業、OTC医薬品関連事業の3つの事業を加え、予防、セルフメディケーション、治療までの様々な社会的ニーズ、医療ニーズへ的確に対応することにより、名実ともにNo.1カンパニーとして成長することを目指して参ります。
|
[2016年度に取り組んだ主な課題] ・主力6製品(ネキシウム、メマリー、プラリア、ランマーク、エフィエント及びテネリア)の売上収益の拡大 ・MR評価No.1の獲得 ・ビムパットの発売、効能追加申請及びバイオシミラー9品目の導入等による製品ポートフォリオの拡充 ・オルメサルタン及び他社品の製造販売承認の取得によるオーソライズド・ジェネリック事業の強化 ・医療用医薬品市場における売上収益シェアの伸長 |
|
(c) 米国事業の拡大
第一三共Inc.では、モバンティック、CL-108、ミロガバリンによって、疼痛領域での事業拡大を図り、2020年度の売上収益1,000億円以上を目指して参ります。
ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.では、鉄注射剤のインジェクタファーとジェネリック注射剤を伸長させ、2020年度の売上収益1,500億円を目指して参ります。
|
[2016年度に取り組んだ主な課題] ・乱用防止特性を備えたオピオイド鎮痛薬2剤の導入等による疼痛領域事業の強化(第一三共Inc.) ・インジェクタファーの成長加速及び鉄注射剤市場における売上収益シェアの伸長(ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.) |
|
(d) がん事業の立上げ・確立
後期開発品の上市によってがん事業を立上げ、初期開発品の着実な開発推進、外部資源の獲得による製品・開発品の充実、新組織によるがん研究開発の加速を図り、売上収益を2020年度400億円以上、2025年度3,000億円規模の事業に育てて参ります。
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[2016年度に取り組んだ主な課題] ・がん領域の研究開発体制の一元化及び豊富な経験と実績を兼ね備えた開発責任者の採用 ・優先的に資源配分を行うフランチャイズの設定(抗体薬物複合体と急性骨髄性白血病) ・当社独自の抗体薬物複合体技術を活用したパイプラインの充実(DS-8201の有望な臨床試験データの獲得と同技術を応用した開発候補品目の拡充) ・バイオ医薬品の開発体制の強化及び大型設備投資 |
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(e) SOCを変革する先進的新薬の継続的創出
疾患のターゲットとして、がんを重点領域と定め、疼痛、中枢神経系疾患、心不全・腎障害、希少疾患を次世代領域と位置付け、研究組織をバイオベンチャーモデルへ転換するとともに、パートナリング、オープンイノベーション、トランスレーショナルリサーチを利用してSOCを変革する先進的新薬創出を目指して参ります。また、核酸医薬や細胞治療等先進的技術の治療応用実現を進めて参ります。
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[2016年度の主な進捗及び成果] ・先進的技術の導入(虚血性心不全の細胞治療薬ハートセル及びがん領域における細胞治療薬KTE-C19等) ・共同研究開発及びオープンイノベーションの推進(肺がん治療薬、がん免疫薬、バイスペシフィック抗体、バイオマーカー、疼痛治療に向けた新規低分子治療薬、及び毛細血管幹細胞等) |
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(f) 利益創出力の強化
利益創出力の強化として2015年度までに実施した取り組みに加え、今回の中期経営計画期間中に、グローバルレベルでの生産体制の最適化及び調達機能の強化を進めて参ります。同時にグループ全体に亘る大幅なコスト削減・効率化を行い、売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費の見直しを進め、利益創出力の強化を図って参ります。
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[2016年度に取り組んだ主な課題] ・グローバル生産体制の最適化(第一三共ケミカルファーマ㈱の平塚工場の生産終了、及び米国ベツレヘム工場の売却) ・フランスを中心とした欧州営業体制の再編 ・グローバル研究開発体制の再編(ドイツ子会社U3ファーマGmbHの閉鎖、及びインド子会社第一三共インドLTD.と国内子会社アスビオファーマ㈱の閉鎖決定) ・原材料等の仕入、設備投資及び支出経費全般に亘るコスト削減 |
|
(ⅱ) キャッシュの創出と成長投資等への配分
第4期中期経営計画期間中は、成長投資を優先しつつ、株主還元も充実していく方針であります。
2015年度末における手元流動性約7,000億円に、今後研究開発費控除前のフリー・キャッシュ・フローと資産スリム化によって生みだすキャッシュを加えた約2兆2,000億円が5カ年計画の原資となります。成長投資として研究開発に9,000億円、事業開発に5,000億円、残りを株主還元、設備投資、運転資金に充当する考えであります。
|
[2016年度に取り組んだ主な課題] ・超長期無担保社債の発行による長期安定資金の確保 ・政策保有株式の圧縮 |
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(ⅲ) 株主還元方針
株主還元策としては、総還元性向※4を期間中100%以上、配当金は普通配当を年間70円以上とする方針であります。配当は安定的に行い、自己株式取得を機動的に実施して参ります。
※4 総還元性向:(配当金の総額+自己株式の取得総額)/親会社の所有者に帰属する当期利益
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[2016年度の実績] ・1株当たり70円の普通配当の実施(1株当たり35円の中間配当の支払、及び1株当たり35円の期末配当の支払予定) ・自己株式の取得(約500億円、約2,025万株) |
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有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が判断したものであり、既知もしくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果とは乖離する可能性があります。
(1) 特定製品への依存に関するリスク
当連結会計年度において、オルメサルタンの売上収益は、当社連結売上収益の22.8%を占めております。オルメサルタンについて、独占販売期間終了後のジェネリック医薬品の市場浸透等により、売上が減少した場合には、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 訴訟に関するリスク
当社グループの事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題及び公正取引に関する問題等に関し、訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社、第一三共Inc.及び第一三共U.S.ホールディングスInc.並びにForest Laboratories, LLC(本社:米国ニューヨーク州)及びその関係会社は、オルメサルタンメドキソミルを含有する製剤(米国製品名「ベニカー」等)の服用により、スプルー様腸疾患(重症下痢等を主な症状とする疾患)等が発現したと主張する方々から、米国連邦裁判所及び州裁判所において複数の訴訟を提起されております。
上記の訴訟の結果によっては、当社及び当社の連結子会社に損害が生じる可能性がありますが、現時点で金額を合理的に見積ることはできません。
(3) 法規制、医療費抑制策等の行政動向に関するリスク
国内医療用医薬品は、薬事行政の下、種々の規制を受けております。薬価基準の改定をはじめとして、医療制度や健康保険に関する行政施策の動向によっては、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外においても同様に、医薬品として各種の規制を受けており、行政施策の動向による悪影響を受ける可能性があります。
第一三共Inc.は、主力品のプロモーション活動の一環として行った医師講演施策に関し、米国司法省より調査を受け、同省及びその他政府機関との間で和解に至りました。本和解に基づき、第一三共Inc.は、2015年3月期に約39百万米ドルの和解金を支払うと共に、保健福祉省監察総監室との間で法令遵守に関する協定(Corporate Integrity Agreement)を締結し、コンプライアンス研修の実施等により、コンプライアンス体制を強化しており
ます。
(4) 企業買収等に関するリスク
当社グループは、研究開発等における事業展開の一環として、企業買収又は資本提携等を実施することがあります。これらの企業買収等にあたり、当社グループはデューデリジェンスを行い、当該企業買収等の効果やリスクを算定するよう努めております。しかし、対象会社の経営環境や事業の変化、デューデリジェンスにおいて判明しなかった情報等に起因して、当該企業買収等において期待されていた買収効果が実現されない可能性があり、その場合、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.がランバクシー・ラボラトリーズLtd.を吸収合併し、その対価として当社がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.の株式を受領することについて、2014年4月にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間で契約を締結し、2015年3月24日(クロージング日)に完了いたしました。
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間の本合併に関する契約に基づき、ランバクシー・ラボラトリーズLtd.のクロージング日前の品質問題等に関し、米国連邦政府又は州政府に支払う罰金及び損害等が、クロージング日から7年経過するまでの間にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.等に生じた場合、その63.5%について325百万米ドルを上限として補償する義務の履行を求められる可能性があります。なお、当社は取得したサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.株式を2015年4月にすべて売却しておりますが、上記契約は継続しております。
(5) 研究開発・他社とのアライアンス等に関するリスク
新薬候補品の研究開発には、多額の費用と長い年月が必要でありますが、その間に期待された有用性が確認できず研究開発を中止する可能性があります。また、臨床試験で良好な結果が得られても承認審査基準の変更により承認が得られなくなる可能性があります。さらに、第三者との研究開発に係る提携に関して契約条件の変更・解消等が起こった場合、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
北里第一三共ワクチン㈱は、2011年に厚生労働省の「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業(第2次事業)」の「細胞培養法ワクチン実生産施設整備等推進事業」の事業者に採択され、2014年3月末までに、6ヶ月以内に4,000万人分のワクチンを供給できる体制を構築する計画でありましたが、ワクチン抗原の精製過程における収率低下等の要因により、本供給体制を達成できていない状況にあります。製造工程の見直し、工程操作の厳密な管理等により収率改善を図り、本供給体制の構築及び事業完了を目指しております。
(6) 製造・仕入れに関するリスク
製品の一部は当社グループの工場において独自の技術により製造しており、また、商品及び原材料の一部は特定の取引先にその供給を依存しております。このため、何らかの理由により製造活動や仕入れが遅延又は停止した場合、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。医薬品は医薬品医療機器法の規制の下で製造しておりますが、品質問題の発生により製品回収等を行うことになった場合、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 副作用発現や他社競合等製品販売に関するリスク
予期していなかった副作用の発現、同領域の他社製品との競合や特許切れによるジェネリック医薬品の参入等は、当社グループの医薬品の売上を減少させる要因となり、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。販売及び技術導出入契約の満了、契約条件の変更・解消等が起こった場合、及び主力品の海外発売国における保険適用等に関する交渉結果次第では、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産に関するリスク
当社グループの事業活動が他者の特許等知的財産権に抵触する場合、事業の断念や係争の可能性があります。一方、第三者が当社グループの特許等知的財産権を侵害すると考えられる場合は、その保護のため訴訟を提起する場合があり、それらの動向は経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。特に先進諸国でのジェネリック医薬品拡大を背景に、訴訟提起を含め、当社グループの知的財産に関するリスクが一層増大する可能性があります。
(9) 海外における事業展開に関するリスク
当社グループは、医薬品の開発、販売等の分野で、海外においても積極的に事業を展開しており、このような海外事業においては、当該地域における政治不安や経済情勢の悪化等の地政学的な要因、当該地域の法規制に抵触するリスク、現地の労使関係等に関するリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 災害等の発生による事業活動に関するリスク
地震、水害、暴風雨等の自然災害、火災、原子力発電所の事故、長時間の停電等社会インフラの障害、戦争、テロ等の発生により、当社グループの工場、研究所、事業所等の施設の損壊又は事業活動の停滞等の損害が発生した場合、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) 環境問題に関するリスク
医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれております。当社グループでは医薬品等の管理には万全を期しておりますが、万一、土壌汚染、大気汚染、水質汚濁等に関し環境に深刻な影響を与えていると判断された場合、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12) 金融市況及び為替変動に関するリスク
株式市況の低迷により保有する株式の売却損や評価損が生じ、金利動向により退職給付債務の増加等が生じる可能性があります。また、為替相場の変動により、不利な影響を受ける可能性があります。当社グループはグローバルに事業を展開し、生産・販売・輸出入を行っておりますので、為替相場の変動は経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13) その他のリスク
その他のリスクとして、ネットワークウイルスの感染、サイバー攻撃他によるコンピュータシステムの休止等、機密情報の漏洩や役職員の不正、金融危機の発生による資金調達環境の悪化、及び当社グループ製品の偽造医薬品流通による信頼性低下等が考えられます。これらの事象が発生した場合、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 技術導入
|
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
技術内容 |
対価 |
契約期間 |
|
第一三共㈱ (当社) |
Amgen Inc. |
アメリカ |
抗RANKL抗体「デノスマブ」に関する技術 |
契約一時金 マイルストーン 一定料率の実施料 |
自 2007年7月 至 2027年6月 |
|
第一三共㈱ (当社) |
Amgen Inc. |
アメリカ |
バイオ後続品に関する技術 |
マイルストーン |
自 2016年7月 至 製品毎に商業化の終了日 |
|
第一三共㈱ (当社) |
Celixir Ltd. |
イギリス |
虚血性心不全の細胞治療薬「ハートセル」に関する技術 |
契約一時金 マイルストーン 一定料率の実施料 |
自 2016年4月 至 商業化の終了日 |
|
第一三共㈱ (当社) |
InnoCIMAb Pte Ltd. |
シンガポール |
ヒト化抗EGFRモノクロナール抗体抗がん剤「ニモツズマブ」に関する技術 |
契約一時金 マイルストーン |
自 2006年7月 至 上市後10年 (以後1年ごとの自動更新) |
|
CIMAB S.A. |
キューバ |
||||
|
第一三共㈱ (当社) |
Kite Pharma EU B.V. |
オランダ |
悪性リンパ腫の細胞治療薬「KTE-C19」に関する技術 |
契約一時金 マイルストーン 一定料率の実施料 |
自 2017年1月 至 開発又は販売の中止日 |
|
第一三共㈱ (当社) |
LOCL Pharma, Inc. |
アメリカ |
制吐剤配合麻薬性鎮痛剤「CL-108」に関する技術 |
契約一時金 マイルストーン 一定料率の実施料 |
自 2014年8月 至 開発又は販売の中止日 |
|
第一三共㈱ (当社) |
MedImmune LLC |
アメリカ |
鼻腔噴霧インフルエンザ弱毒生ワクチンに関する技術 |
契約一時金 マイルストーン |
自 2015年9月 至 上市後10年 |
|
第一三共㈱ (当社) |
Translational Sciences Inc. |
アメリカ |
血栓溶解剤「TS23」に関する技術 |
契約一時金 マイルストーン 一定料率の実施料 |
自 2015年9月 至 対象特許の満了日 |
|
第一三共Inc. (連結子会社) |
Genzyme Corporation |
アメリカ |
高脂血症治療剤「ウェルコール」に関する技術 |
契約一時金 マイルストーン 一定料率の実施料 |
自 1999年12月 至 対象特許の満了日 |
|
ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc. (連結子会社) |
Vifor (International) Inc. |
スイス |
貧血治療剤「ヴェノファー」に関する技術 |
製品購入価格 |
自 1997年12月 至 2030年12月 |
(2) 技術導出
|
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
技術内容 |
対価 |
契約期間 |
|
第一三共㈱ (当社) |
Eli Lilly and Company |
アメリカ |
虚血性疾患治療剤「エフィエント(プラスグレル)」に関する技術 |
契約一時金 マイルストーン 一定料率の実施料 |
自 2001年6月 至 対象特許の満了日 |
|
プレキシコンInc. (連結子会社) |
F. Hoffmann-La Roche Ltd. |
スイス |
転移性悪性黒色腫治療薬「ゼルボラフ(ベムラフェニブ)」に関する技術 |
契約一時金 マイルストーン 一定料率の実施料 |
自 2006年9月 至 対象特許の満了日又は上市後12年のうち何れか遅く到来する日 |
(3) 販売契約等(導入)
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
第一三共㈱ (当社) |
Astrazeneca AB |
スウェーデン |
同社のプロトンポンプ阻害剤「ネキシウム」の日本国内における独占販売及び共同販促 |
自 2010年10月 至 上市後10年 (以後は何れかが12ヶ月前通知により解約する日) |
|
第一三共㈱ (当社) |
F. Hoffmann-La Roche Ltd. |
スイス |
同社の高血圧症治療剤「アーチスト」の日本国内における独占販売 |
自 1989年7月 至 商標使用の終了日 |
|
第一三共㈱ (当社) |
GE Healthcare AS |
ノルウェー |
同社の非イオン性造影剤「オムニパーク」の日本国内における独占販売 |
自 1987年3月 至 販売終了の日 |
|
第一三共㈱ (当社) |
Merz Pharmaceuticals GmbH |
ドイツ |
同社のアルツハイマー型認知症治療剤「メマリー」の日本国内における独占販売 |
自 1997年12月 至 上市後10年 |
|
第一三共㈱ (当社) |
UCB Biopharma Sprl |
ベルギー |
同社のてんかん治療薬「ビムパット」の日本国内における独占販売及び共同販促 |
自 2014年11月 至 上市後10年 |
|
第一三共㈱ (当社) |
キッセイ薬品工業㈱ |
日本 |
同社の排尿障害治療剤「ユリーフ」の日本国内における共同販売 |
自 2004年6月 至 販売中止日 |
|
第一三共㈱ (当社) |
サノフィ㈱ |
日本 |
同社のインフルエンザ菌b型による感染症予防小児用ワクチン「アクトヒブ」の日本国内における販売 |
自 2008年11月 至 2018年12月 (協議更新) |
|
第一三共㈱ (当社) |
田辺三菱製薬㈱ |
日本 |
同社の血糖降下剤「テネリア」の日本国内における独占販売及び共同販促 |
自 2012年3月 至 上市後10年 (以後1年ごとの自動更新) |
|
第一三共㈱ (当社) |
田辺三菱製薬㈱ |
日本 |
同社の血糖降下剤「カナグル」の日本国内における共同販促 |
自 2012年3月 至 上市後10年 (以後1年ごとの自動更新) |
|
第一三共㈱ (当社) |
田辺三菱製薬㈱ |
日本 |
同社の2型糖尿病治療用配合剤「MT-2412」の日本国内における独占販売及び共同販促 |
自 2017年3月 至 上市後10年 (以後1年ごとの自動更新) |
|
第一三共Inc. (連結子会社) |
Astrazeneca UK Limited |
イギリス |
オピオイド(麻薬性鎮痛薬)誘発性便秘薬「モバンティック」の米国内における共同販促 |
自 2015年3月 至 年間販売額が一定基準を下回ったとき |
|
第一三共Inc. (連結子会社) |
Inspirion Delivery Sciences, LLC. |
アメリカ |
オピオイド鎮痛薬「モルファボンド」を含む2剤の米国内における独占販売及び共同販促 |
自 2016年10月 至 対象特許の満了日又は2031年10月のうち何れか遅く到来する日 |
|
第一三共ヨーロッパGmbH (連結子会社) |
Nektar Therapeutics |
アメリカ |
抗がん剤「オンジールド」の欧州における独占販売 |
自 2016年5月 至 対象特許の満了日又は上市後10年のうち何れか遅く到来する日 |
(4) 販売契約等(導出)
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
第一三共㈱ (当社) |
Servier Canada inc. |
カナダ |
抗凝固剤「リクシアナ(エドキサバン)」のカナダにおける独占販売 |
自 2016年6月 至 対象特許の満了日、データ保護期間の満了日又は2031年6月のうち何れか遅く到来する日 |
|
ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc. (連結子会社) |
Fresenius USA Manufacturing, Inc. |
アメリカ |
貧血治療剤「ヴェノファー」の米国内における販売 |
自 2008年11月 至 2018年10月 |
|
第一三共ヨーロッパGmbH (連結子会社) |
Menarini International Operations Luxembourg S.A. |
ルクセンブルク |
血圧降下剤「オルメテック(オルメサルタン)」の欧州における共同販売 |
自 2001年6月 至 2020年12月 |
|
第一三共ノーザンヨーロッパGmbH (連結子会社) |
Merck & Co., Inc. |
アメリカ |
抗凝固剤「リクシアナ(エドキサバン)」の欧州一部地域における独占販売 |
自 2016年2月 至 2026年2月又は対象特許の満了日のうち何れか遅く到来する日 |
(5) 業務委託契約
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
第一三共㈱ (当社) |
㈱日立製作所 |
日本 |
IT業務の同社への委託 |
自 2014年4月 至 2017年3月 |
(注)当社と㈱日立製作所のIT業務に関する業務委託契約は、2017年4月1日において契約期間を2020年3月31日まで
延長しております。
当社グループは、「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」を2025年ビジョンとして掲げております。
2025年ビジョンの達成に向け、重点領域である、がん領域の研究開発を加速するため、研究と臨床開発の組織をグローバルに一体化したオンコロジーRDサブユニットを2016年4月に新設いたしました。さらに、新組織の責任者として豊富な経験と実績を兼ね備えた人材を採用しております。
新たな体制のもと、抗体薬物複合体と急性骨髄性白血病をがん領域の2つのフランチャイズとして設定し、戦略的な研究開発活動に取り組んでおります。
重点領域と定めたがんに加えて、疼痛、中枢神経系疾患、心不全・腎障害、希少疾患を次世代領域と位置付け、研究スピードの加速と生産性の向上に取り組んでおります。
研究から初期開発段階では、パートナリング、オープンイノベーション、トランスレーショナルリサーチを利用して、標準治療を変革する先進的新薬創出を目指した活動を進めております。
後期開発段階では、がん領域と循環代謝領域に加え、疼痛領域の製品等の開発を進めております。
さらに、ライフサイクルマネジメントにおいては、当社の強みの領域である循環代謝領域を中心に継続した取り組みを実施しております。
なお、研究開発の生産性向上への取り組みとして、研究開発組織の運営コストを低減し、開発プロジェクトへ再配分することを目的としたグローバル研究開発体制の見直しを実施しております。その取り組みの一環として、当社の欧州子会社であるU3ファーマGmbHを2016年10月に閉鎖いたしました。さらに、当社のインド子会社である第一三共インドLTD.及び国内子会社であるアスビオファーマ㈱の閉鎖を決定しております。
当連結会計年度の研究開発費は、2,143億円(前連結会計年度比2.7%増)となり、売上収益に対する研究開発費の比率は、22.4%となりました。
主な研究開発プロジェクトの進捗状況は、次のとおりであります。
(1) 主な研究開発プロジェクト
① プラスグレル
日本では、2014年より経皮的冠動脈形成術を伴う虚血性心疾患の適応症で製品名エフィエントとして販売しております。
なお、虚血性脳血管障害患者を対象とした国内フェーズ3試験(PRASTRO-I試験及び PRASTRO-II試験)を2016年10月に完了いたしました。年齢75歳未満及び体重50kg超の虚血性脳血管障害患者を対象としたPRASTRO-I試験では、主要評価項目を達成しませんでした。一方、年齢75歳以上又は体重50kg以下の虚血性脳血管障害患者を対象としたPRASTRO-II試験では、所期の目的を達成いたしました。
また、米国で実施していた小児鎌状赤血球症患者を対象としたフェーズ3試験結果を米国食品医薬品局(以下「FDA」という。)に提出しておりましたが、2016年6月に180日間の独占販売期間延長が認められました。
② エドキサバン
日本では、2011年より下肢整形外科手術患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制の適応症で製品名リクシアナとして販売しており、2014年に非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、並びに静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺塞栓症)の治療及び再発抑制の両効能を追加取得しております。
海外では、当期末時点で、米国、スイス、英国、ドイツ、アイルランド、オランダ、韓国、台湾、イタリア、スペイン、ベルギー、香港、オーストリア、ポルトガル、タイ等においても順次販売を開始するとともにトルコで承認を取得しております。また、現在ブラジル、中国等において承認申請中であります。
また、ライフサイクルマネジメントの取り組みとして実施した、電気的除細動を受ける予定の非弁膜症性心房細動患者を対象とした欧米におけるENSURE-AF試験の結果が2016年8月に欧州心臓病学会で発表されました。さらに、以下の無作為化比較試験及び実臨床エビデンスを創出するための臨床研究を開始しております。
(ⅰ)無作為化比較試験
・非弁膜症性心房細動を有し既存の経口抗凝固剤の投与が困難と判断された80歳以上の患者を対象とした日本におけるELDERCARE-AF試験(2016年8月開始)
・経皮的冠動脈血管形成術を施行した非弁膜症性心房細動患者を対象とした欧州、韓国、台湾等におけるENTRUST-AF PCI試験(2017年2月開始)
・非弁膜症性心房細動を有するカテーテルアブレーション施術後の患者を対象とした欧州、カナダ、アジアにおけるELIMINATE-AF試験(2017年3月開始)
(ⅱ)実臨床エビデンスを創出するための臨床研究
・非弁膜症性心房細動を有する後期高齢者を対象とした日本における企業主導大規模臨床研究「ANAFIE Registry」(2016年10月開始)
・がん患者を対象とした静脈血栓塞栓症に関する日本における企業主導大規模臨床研究「Cancer-VTE Registry」(2017年3月開始)
③ デノスマブ
日本で2012年より多発性骨髄腫による骨病変及び固形がん骨転移による骨病変、また2014年より骨巨細胞腫の適応症で、製品名ランマークとして販売しております。さらに、2013年より骨粗鬆症に対する国内製造販売承認を取得し、プラリアの製品名で販売しております。
なお、関節リウマチの患者を対象とした国内フェーズ3試験を完了し、2016年9月に効能追加の承認申請を行いました。また、乳がん術後補助療法に関しては、グローバル・フェーズ3試験を実施しております。
④ キザルチニブ
欧米及びアジアでFLT3-ITD変異を有する急性骨髄性白血病の二次治療の適応取得を目的としたフェーズ3試験を推進しております。
また、欧米及びアジアで同疾患の一次治療の適応取得を目的としたフェーズ3試験を2016年10月に開始いたしました。
⑤ ペキシダルチニブ
2015年10月にFDAより腱滑膜巨細胞腫(以下「TGCT」という。)の治療における画期的治療薬(Breakthrough Therapy)に指定されており、欧米でTGCT患者を対象としたフェーズ3試験に取り組んでおります。なお、非致死性の重篤な肝障害症例が2例報告されたことを受け、2016年10月に独立データモニタリング委員会より受領した勧告に従い、新規患者登録を中断し、安全措置を講じた上で、既登録患者(126名の患者登録計画に対して121名)にて試験を継続しております。
また、抗PD-1抗体を含む他剤との併用での進行性固形がん患者を対象としたフェーズ1/2a試験を実施しております。
⑥ パトリツマブ
欧米で局所進行性又は転移性の非小細胞肺がん患者におけるエルロチニブとパトリツマブの併用効果を評価することを目的としたHER3-Lung試験を実施しておりましたが、事前に設定した有効性の基準を達成しなかったため、2016年5月に本試験の中止を決定いたしました。
なお、欧州で実施中のパトリツマブ、セツキシマブ及び白金系製剤の併用による再発又は転移性の頭頸部がん患者を対象としたフェーズ2試験は、継続して取り組んで参ります。
⑦ チバンチニブ
欧米でMET高発現の肝細胞がんの二次治療の適応取得を目的としたフェーズ3試験を実施しておりましたが、主要評価項目を達成しなかったため、2017年3月に当社が権利を有していた本剤の欧米での開発の中止を決定いたしました。
⑧ DS-8201
前治療としてT-DM1を含む抗がん剤治療を受けたHER2陽性の転移性乳がん患者等を対象としたフェーズ1試験パート1(用量漸増試験)の結果が2016年10月に欧州臨床腫瘍学会(ESMO)のLate Breaking Sessionで発表されました。
本結果を踏まえて、2016年12月にFDAよりHER2陽性の転移性乳がん治療を対象として、優先承認審査(Fast Track)指定を受けました。
なお、現在、日本と米国で4つの異なるHER2陽性がん患者群を対象に安全性と有効性をさらに評価するフェーズ1試験パート2(症例拡大試験)を実施しております。
⑨ DS-3032
再発性又は難治性の急性骨髄性白血病、及び高リスクの骨髄異形成症候群を有する患者を対象とした米国における単剤でのフェーズ1試験(用量漸増試験)の結果が2016年12月に米国血液学会(ASH)で発表されました。
⑩ U3-1402
日本でHER3陽性の難治性の転移性乳がん患者を対象としたフェーズ1/2試験を2016年12月に開始いたしました。
⑪ DS-1001
日本でIDH1変異のある悪性脳腫瘍(神経膠腫/グリオーマ)患者を対象としたフェーズ1試験を2017年1月に開始いたしました。
⑫ エサキセレノン(CS-3150)
日本で本態性高血圧症患者を対象としたミネラロコルチコイド受容体拮抗薬エサキセレノンのフェーズ3試験を2016年9月に開始いたしました。
⑬ ミロガバリン
欧米で線維筋痛症患者を対象としたフェーズ3試験を推進しており、日本・アジアでは、糖尿病性末梢神経障害性疼痛患者及び帯状疱疹後神経痛患者を対象としたフェーズ3試験を推進しております。
⑭ CL-108
当社の米国子会社である第一三共Inc.が米国Charleston Laboratories, Inc.から導入し、FDAに承認申請した制吐剤配合麻薬性鎮痛剤CL-108について、FDAから2017年1月末付けの審査完了報告通知を受領いたしました。現状の申請内容では承認されず、課題解決のためのガイダンスが示されました。現在、指摘事項の解決に向けた対応を進めております。
⑮ 経鼻弱毒生インフルエンザワクチン
2015年9月に米国MedImmune LLCから導入した経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(米国製品名FluMist Quadrivalent)について、2016年6月に国内製造販売承認申請を行いました。
(2) 主な研究開発提携及びオープンイノベーション等
① Celixir Ltd.からの虚血性心不全の細胞治療薬ハートセルの導入
当社は、英国Celixir Ltd.(旧社名 Cell Therapy Ltd.)が開発中の虚血性心不全の細胞治療薬ハートセルについて、同社から日本における開発及び販売の独占的実施権の許諾を得るライセンス契約を2016年5月に締結いたしました。
② Amgen Inc.からのバイオ後続品の導入
当社は、米国Amgen Inc.が開発中のバイオ後続品9品目(後期開発ステージにあるアダリムマブ、ベバシズマブ、トラスツズマブを含む)について、日本における商業化に関する独占契約を2016年7月に締結いたしました。開発及び製造は同社が実施し、日本での販売承認申請、並びに流通と販売は当社が実施する予定であります。また、同社は共同プロモーションの権利を持ちます。
③ がん領域細胞治療薬の研究開発パイプラインに関するKite Pharma, Inc.との包括提携契約の締結
当社は、米国Kite Pharma, Inc.が保有するがん領域における細胞治療薬の研究開発パイプラインに関して、日本におけるKTE-C19(遺伝子改変自家Tリンパ球を用いた細胞治療薬)の開発、製造及び販売の独占的実施権、並びにその他の開発品目と今後3年以内に臨床開発に入る開発候補品目の導入オプション権を同社から取得する契約を 2017年1月に締結いたしました。
④ 健康成人を対象としたバイオマーカーのデータ基盤構築に関する共同研究契約の締結
当社、アステラス製薬㈱及び武田薬品工業㈱は、健康成人におけるバイオマーカーの基礎データを網羅的に取得・解析する共同研究契約を2016年5月に締結いたしました。本共同研究により、これまで個別の製薬企業では難しかった網羅的なバイオマーカーのデータ基盤構築が可能になるとともに、トランスレーショナルリサーチのアプローチを用いた、より効果的な創薬活動にもつながります。
⑤ バイスペシフィック抗体に関するZymeworks Inc.との共同探索研究及びクロスライセンス契約の締結
当社は、がん免疫治療薬の研究開発の加速を目的として、カナダZymeworks Inc.とのバイスペシフィック抗体(二重特異性抗体)に関する共同探索研究及びクロスライセンス契約を2016年9月に締結いたしました。
⑥ がん免疫に関するAgonOx, Inc.との共同研究及びオプション契約の締結
当社は、米国AgonOx, Inc.と特定のがん免疫薬に関する共同研究及びオプション契約を2016年10月に締結いたしました。当社と同社は、特定のがん免疫薬に関する非臨床試験を共同で実施いたします。また、当社は、非臨床試験結果の評価後、全世界における同がん免疫薬の研究、開発、製造及び商業化に関する権利を取得できる独占的オプション権を獲得いたしました。
⑦ 肺がんに関するDana-Farber Cancer Institute, Inc.との研究提携契約の締結
当社は、米国Dana-Farber Cancer Institute, Inc.と肺がんの非臨床試験に関する研究提携契約を2016年10月に締結いたしました。当社は、同社と連携し、同社が開発した独自の動物実験モデルを活用し、当社が保有する肺がん治療候補薬のトランスレーショナル非臨床薬理試験を実施いたします。
⑧ がん領域におけるDarwinHealth, Inc.との研究開発提携契約の締結
当社は、米国DarwinHealth, Inc.とがん領域における研究開発提携契約を2016年12月に締結いたしました。同社の各種薬剤に対するバイオマーカー及び適応がん種を予測する新規技術を当社が保有するがん領域の研究開発パイプラインの開発戦略決定と優先度付けに活用いたします。
⑨ 血中循環がん細胞解析法構築に関する基本合意書の締結
当社、シスメックス㈱及びアステラス製薬㈱は、血中循環がん細胞の解析法構築に関する基本合意書を2016年12月に締結いたしました。本合意書に基づき、3社は、リキッドバイオプシーを活用した診断薬や医薬品の研究開発に加え、臨床検査における標準化を視野に入れた新たな血中循環がん細胞解析法の確立に取り組みます。
⑩ 疼痛治療に向けた新規低分子治療薬に関するHeptares Therapeutics Limitedとの研究開発提携契約の締結
当社は、英国Heptares Therapeutics Limitedと疼痛緩和に重要な役割をもつGタンパク質共役受容体(以下「GPCR」という。)を標的とした新薬研究及び研究技術ライセンスに関する契約を2017年3月に締結いたしました。
同社はGPCR結晶化技術を活用して、ヒット化合物の獲得及びリード化合物の最適化を実施し、当社は同社と共同で化合物の探索及び動物実験での安全性と有効性の評価を実施いたします。
⑪ 毛細血管幹細胞CapSCsに関するオープンイノベーション研究の開始
当社と国立大学法人旭川医科大学(以下「旭川医科大学」という。)は、旭川医科大学心血管再生・先端医療開発講座川辺淳一特任教授が発見した新規幹細胞である毛細血管幹細胞(以下「CapSCs」という。)に関するオープンイノベーション研究を2016年4月に開始いたしました。本研究では、CapSCsの各種疾患に対する治療効果の検証とともに、細胞治療ソースとしての実用化に向けた検討を進めて参ります。
なお、本研究を行うために、2013年9月に当社と三菱UFJキャピタル㈱が共同で設立したOiDEファンド投資事業有限責任組合(以下「OiDE ファンド」という。)から共同研究等に必要な資金を全額出資し、OiDE CapiSEA㈱を設立しております。
⑫ 新規がん免疫治療に関するオープンイノベーション研究の開始
当社と国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所は、新規がん免疫治療に関するオープンイノベーション研究を2017年3月に開始いたしました。本研究により、がん領域における新しい創薬シーズを育成して参ります。
なお、本研究を行うために、OiDE ファンドから共同研究等に必要な資金を全額出資し、OiDE Adjubilee㈱を設立しております。
(3) バイオ医薬品の開発体制の強化
2017年4月にバイオ医薬品の研究開発と生産技術開発の機能を集約化したバイオロジクス本部を新設いたしました。
バイオ医薬品の創薬、治験薬供給及び商業生産準備に亘るシームレスな連携体制を構築し、種類、量ともに増加するモダリティ(低分子を除く全ての化合物)の製造技術開発基盤の確立、及び抗体薬物複合体DS-8201をはじめとするバイオ医薬品の開発スピードの加速化を図って参ります。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2017年6月19日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループは、積極的なグローバル事業の展開による企業価値の向上に資するために、基準とすべき会計及び財務報告のあり方を検討した結果、資本市場における財務情報の国際的な比較、グループ内での会計処理の統一、グローバル市場における資金調達手段の多様化等を目的として、2014年3月期よりIFRSを適用しております。
当社グループの連結財務諸表の作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としており、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上収益
売上収益は、前連結会計年度に比べ313億円(△3.2%)減収の9,551億円となりました。日本・欧州・アジアにおいて主力品が伸長したものの、オルメサルタンの減収及び円高の進行による為替の影響等により、減収となりました。
② 売上原価
売上原価は、前連結会計年度に比べ308億円(+9.7%)増加の3,494億円となりました。当連結会計年度の売上原価としてワクチン事業の有形固定資産及び無形資産の減損損失(206億円)を計上したこと等から、増加いたしました。当連結会計年度についても、原価低減への取り組みを継続的に実施しております。
③ 販売費及び一般管理費、研究開発費
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ263億円(△8.0%)減少の3,025億円となりました。前連結会計年度末までに実施した営業体制再編による経費削減効果及び為替による減少影響等により、減少いたしました。
研究開発費は、前連結会計年度に比べ57億円(+2.7%)増加の2,143億円、対売上収益研究開発費比率は22.4%となりました。為替による減少影響があったものの、研究開発プロジェクトの進行に伴い、増加いたしました。当社グループは、今後とも収益動向を踏まえた研究開発活動の効率化を進めると同時に、企業価値の向上と将来にわたる成長力獲得を目指した積極的な研究開発投資を実施して参ります。
④ 営業利益
これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べ415億円(△31.8%)減益の889億円、対売上収益営業利益率は9.3%となりました。
⑤ 税引前利益
税引前利益は、前連結会計年度に比べ346億円(△28.3%)減益の878億円となりました。
⑥ 法人所得税費用
法人所得税費用は、前連結会計年度に比べ17億円(△4.0%)減少の403億円となりました。
⑦ 親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ288億円(△35.0%)減益の535億円となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財政状態
当連結会計年度末における資本合計は1兆1,714億円(前連結会計年度末比621億円減少)、資産合計は1兆9,150億円(前連結会計年度末比145億円増加)、親会社所有者帰属持分比率は61.4%(前連結会計年度末64.8%)となりました。資本合計は、当期利益の計上があった一方で、自己株式の取得等により、減少いたしました。資産合計は、その他の金融資産の増加等により、増加いたしました。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、期首に比べ239億円増加の2,461億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益878億円、減価償却費及び償却費474億円及び減損損失265億円等の非資金項目のほか、法人所得税の支払等による資金の減少により、1,362億円の収入(前連結会計年度は1,743億円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資等により、968億円の支出(前連結会計年度は60億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入があった一方で、自己株式の取得、配当金の支払及び借入金の返済等により、150億円の支出(前連結会計年度は1,229億円の支出)となりました。
③ 資金需要
当社グループでは、今後もグローバル市場での事業展開を加速するため、グローバルにおいて研究開発活動、ライセンス活動を継続するとともに、自社販売体制をより一層拡充して参ります。当社グループは、引き続き財務の健全性を保ち、営業活動によるキャッシュ・フローの創出によって、当社グループの成長に必要な資金調達が可能であると考えております。