(1) 業績
当社グループの当連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)の売上収益は、1,236億円増収の1兆1,182億円(前連結会計年度比12.4%増)となりました。第一三共グループにつきましては、高血圧症治療剤オルメサルタン、抗血小板剤プラスグレル、抗潰瘍剤ネキシウム、アルツハイマー型認知症治療剤メマリー等が伸長いたしました。また、ドル・ユーロに対する円安の寄与(約537億円)もあり、当社グループ全体では増収となりました。
営業利益は、128億円増益の1,116億円(前連結会計年度比13.0%増)となりました。第一三共グループは増益となり、ランバクシーグループは減益となったものの、当社グループ全体で増益となりました。
税引前利益は、39億円増益の998億円(前連結会計年度比4.1%増)となりました。ランバクシーグループでインドルピーの対米ドルレート下落に伴い、金融費用が増加し減益となったものの、第一三共グループで増益となったことから、当社グループ全体では増益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、31億円減益の609億円(前連結会計年度比4.8%減)となりました。復興税廃止による税率変更で繰延税金資産を取り崩したこと等により、税金費用が増加いたしました。
なお、当社グループは当連結会計年度から従来の日本基準に替えて国際会計基準(以下「IFRS」という。)を適用しております。また、当連結会計年度と比較している前連結会計年度の諸数値につきましてもIFRSに準拠して作成しております。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、セグメント別の売上収益は、外部顧客に対するものであります。
第一三共グループ
第一三共グループの売上収益は、8,977億円(前連結会計年度比10.7%増)となりました。
① 日本
日本の売上収益は、5,545億円(前連結会計年度比4.9%増)となりました。
国内医薬では、オルメテックの堅調な推移をベースとして、ネキシウム、メマリーが大幅に伸長するとともに、2012年4月発売の癌骨転移治療剤ランマーク及び2013年6月発売の骨粗鬆症治療剤プラリアの拡大が寄与し、売上収益は4,814億円(前連結会計年度比4.7%増)となりました。
輸出医薬の売上収益は、218億円(前連結会計年度比17.4%増)となりました。
ヘルスケア(第一三共ヘルスケア㈱)の売上収益は、解熱鎮痛薬ロキソニンSの伸長等により、481億円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。なお、通信販売専用スキンケアシリーズ ダーマエナジーは、一部のお客様に肌トラブル発生が確認されたことにより、2013年12月に販売を中止いたしました。
<日本の売上構成>
(単位:億円)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2012年4月1日 至 2013年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) |
増減 |
|
国内医薬 |
4,599 |
4,814 |
215 4.7% |
|
輸出医薬 |
186 |
218 |
32 17.4% |
|
ヘルスケア |
474 |
481 |
7 1.5% |
<日本カンパニー主力品売上収益>
(単位:億円)
|
製品名 |
前連結会計年度 (自 2012年4月1日 至 2013年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) |
増減 |
|
オルメテック |
783 |
791 |
8 1.0% |
|
ロキソニン (うちロキソニンテープ) |
596 (335) |
593 (352) |
△3 △0.6% |
|
ネキシウム |
216 |
542 |
327 151.5% |
|
クラビット |
359 |
335 |
△24 △6.7% |
|
メマリー |
238 |
333 |
95 40.0% |
|
アーチスト 高血圧・狭心症・ 慢性心不全症治療剤 |
224 |
224 |
0 0.0% |
|
メバロチン |
258 |
215 |
△43 △16.8% |
(注)年間の売上収益200億円以上の製品を記載しております。
② 北米
北米の売上収益は、2,113億円(前連結会計年度比15.9%増)となりました。現地通貨ベースでは21億米ドル(前連結会計年度比3.9%減)となりました。
第一三共Inc.においては、トライベンゾール、ウェルコール、エフィエント等が増収となったものの、ベニカー/ベニカーHCT、エイゾール等が減収となり、同社の売上収益は前連結会計年度並みの17億米ドルとなりました。
一方、ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.は、ヴェノファーの売上が減少し、2013年8月の鉄欠乏性貧血治療剤インジェクタファーの発売寄与があったものの、売上収益は4億米ドル(前連結会計年度比14.9%減)となりました。
<第一三共Inc.主力品売上収益>
(単位:百万米ドル)
|
製品名 |
前連結会計年度 (自 2012年4月1日 至 2013年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) |
増減 |
|
ベニカー/ベニカーHCT |
881 |
857 |
△25 △2.8% |
|
エイゾール |
179 |
174 |
△5 △2.7% |
|
トライベンゾール |
82 |
90 |
8 9.7% |
|
ウェルコール ・2型糖尿病治療剤 |
399 |
422 |
23 5.8% |
|
エフィエント (共同販促収入) |
127 |
154 |
27 21.6% |
<ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.主力品売上収益>
(単位:百万米ドル)
|
製品名 |
前連結会計年度 (自 2012年4月1日 至 2013年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) |
増減 |
|
ヴェノファー |
284 |
248 |
△36 △12.6% |
③ 欧州
欧州の売上収益は、790億円(前連結会計年度比30.4%増)、現地通貨ベースでは5億9千万ユーロ(前連結会計年度比4.0%増)となりました。オルメテック/オルメテックプラス、セビカーHCTが増収に寄与いたしました。
<第一三共ヨーロッパGmbH主力品売上収益>
(単位:百万ユーロ)
|
製品名 |
前連結会計年度 (自 2012年4月1日 至 2013年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) |
増減 |
|
オルメテック/オルメテックプラス |
304 |
331 |
27 9.0% |
|
セビカー |
100 |
100 |
△0 △0.1% |
|
セビカーHCT |
44 |
57 |
13 29.9% |
④ その他の地域
その他の地域の売上収益は、529億円(前連結会計年度比33.8%増)となりました。
中国、韓国、ブラジル等で売上が伸長しております。
中国においては、オルメテック、メバロチン、鎮咳去痰剤アスメトンが伸長いたしました。また、2013年4月に排尿障害治療剤ユリーフを発売いたしました。
韓国、ブラジルでは、オルメサルタンを中心とする主力品が伸長いたしました。
ランバクシーグループ
ランバクシーグループは、会計期間を4月1日から翌年3月31日までに変更いたしました。これに伴い、当連結会計年度の会計期間は2013年1月1日から2014年3月31日までの15ヶ月間となっております。
売上収益は、2,206億円(前連結会計年度比371億円増)となりました。
北米はアトルバスタチン後発品の貢献があった前連結会計年度と対比して大幅な減収となったものの、ランバクシーグループとしては15ヶ月決算による加算及び新興国市場における売上伸長等により、増収となりました。
<ランバクシーグループ主要地域別売上収益>
(単位:百万インドルピー)
|
|
前連結会計年度 (自 2012年1月1日 至 2012年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2013年1月1日 至 2014年3月31日) |
増減 |
|
北米 |
53,336 |
42,003 |
△11,333 |
|
インド |
21,346 |
27,930 |
6,584 |
|
東欧・CIS |
13,160 |
19,980 |
6,820 |
|
西ヨーロッパ |
9,720 |
10,798 |
1,078 |
|
アフリカ・中東 |
10,188 |
12,966 |
2,778 |
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、81億円減少の1,831億円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、税引前利益998億円、減価償却費及び償却費515億円等の非資金項目のほか、法人所得税や米国司法省との和解費用の支払等による資金の減少により、373億円の収入(前連結会計年度比920億円減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、運用資産の取得や設備投資等により、1,614億円の支出(前連結会計年度比525億円の支出増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債及び借入金の増加や配当金の支払等により、1,003億円の収入(前連結会計年度比1,586億円の収入増加)となりました。
(3) 並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表
|
(単位:百万円) |
|
|
|
前連結会計年度 (2013年3月31日) |
当連結会計年度 (2014年3月31日) |
|
資産の部 |
|
|
|
|
流動資産 |
|
943,643 |
1,080,498 |
|
固定資産 |
|
|
|
|
有形固定資産 |
|
303,434 |
330,420 |
|
無形固定資産 |
|
223,455 |
218,583 |
|
投資その他の資産 |
|
173,537 |
184,451 |
|
固定資産合計 |
|
700,428 |
733,455 |
|
資産合計 |
|
1,644,071 |
1,813,954 |
|
|
|
|
|
|
負債の部 |
|
|
|
|
流動負債 |
|
436,111 |
463,675 |
|
固定負債 |
|
292,214 |
382,673 |
|
負債合計 |
|
728,326 |
846,349 |
|
|
|
|
|
|
純資産の部 |
|
|
|
|
株主資本 |
|
907,474 |
930,912 |
|
その他の包括利益累計額 |
|
△24,825 |
7,063 |
|
新株予約権 |
|
4,085 |
4,618 |
|
少数株主持分 |
|
29,010 |
25,010 |
|
純資産合計 |
|
915,745 |
967,605 |
|
負債純資産合計 |
|
1,644,071 |
1,813,954 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
要約連結損益計算書
|
(単位:百万円) |
|
|
|
前連結会計年度 (自 2012年4月1日 至 2013年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) |
|
売上高 |
|
997,852 |
1,118,764 |
|
売上原価 |
|
313,657 |
375,504 |
|
売上総利益 |
|
684,195 |
743,260 |
|
販売費及び一般管理費 |
|
583,678 |
627,356 |
|
営業利益 |
|
100,516 |
115,904 |
|
営業外収益 |
|
17,581 |
18,358 |
|
営業外費用 |
|
18,950 |
29,246 |
|
経常利益 |
|
99,147 |
105,016 |
|
特別利益 |
|
12,132 |
32,949 |
|
特別損失 |
|
19,184 |
28,672 |
|
税金等調整前当期純利益 |
|
92,095 |
109,294 |
|
法人税等 |
|
23,900 |
50,628 |
|
少数株主損益調整前当期純利益 |
|
68,195 |
58,666 |
|
少数株主利益又は少数株主損失(△) |
|
1,573 |
△6,984 |
|
当期純利益 |
|
66,621 |
65,650 |
要約連結包括利益計算書
|
(単位:百万円) |
|
|
|
前連結会計年度 (自 2012年4月1日 至 2013年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) |
|
少数株主損益調整前当期純利益 |
|
68,195 |
58,666 |
|
その他の包括利益 |
|
56,132 |
39,514 |
|
包括利益 |
|
124,327 |
98,180 |
|
(内訳) |
|
|
|
|
親会社株主に係る包括利益 |
|
119,838 |
102,305 |
|
少数株主に係る包括利益 |
|
4,489 |
△4,124 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2012年4月1日 至 2013年3月31日)
|
(単位:百万円) |
|
|
株主資本 |
その他の包括利益 累計額 |
新株予約権 |
少数株主持分 |
純資産合計 |
|
当期首残高 |
883,045 |
△78,104 |
3,495 |
24,312 |
832,749 |
|
当期変動額合計 |
24,428 |
53,279 |
589 |
4,697 |
82,995 |
|
当期末残高 |
907,474 |
△24,825 |
4,085 |
29,010 |
915,745 |
当連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
|
(単位:百万円) |
|
|
株主資本 |
その他の包括利益 累計額 |
新株予約権 |
少数株主持分 |
純資産合計 |
|
当期首残高 |
907,474 |
△24,825 |
4,085 |
29,010 |
915,745 |
|
当期変動額合計 |
23,437 |
31,888 |
532 |
△3,999 |
51,860 |
|
当期末残高 |
930,912 |
7,063 |
4,618 |
25,010 |
967,605 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書
|
(単位:百万円) |
|
|
|
前連結会計年度 (自 2012年4月1日 至 2013年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
|
129,247 |
36,349 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
|
△109,281 |
△160,355 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
|
△57,330 |
100,322 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
|
15,610 |
15,680 |
|
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
|
△21,754 |
△8,004 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
|
212,673 |
190,919 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
|
190,919 |
182,916 |
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更
前連結会計年度(自 2012年4月1日 至 2013年3月31日)
(有形固定資産の減価償却方法の変更)
従来、当社及び一部の国内連結子会社の有形固定資産の減価償却方法は定率法によっておりましたが、当連結会計年度より定額法に変更いたしました。
この変更は、当社グループ事業のグローバル化や海外売上比率の高まりを契機に海外連結子会社との減価償却方法の統一を検討した結果、製造設備・研究設備等について経済的に急激に劣化・陳腐化することが見込まれなくなっており、使用する有形固定資産が概ね耐用年数内で安定的に稼働し、投資効果が平均的に発生すると見込まれたことから、より費用収益の対応の適正化を図るために行うものであります。
これにより、従来と同じ方法によった場合と比較し、営業利益は4,339百万円、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ4,277百万円増加しております。
当連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
(退職給付に関する会計基準等の適用)
「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号 平成24年5月17日。以下「退職給付会計基準」という。)及び「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号 平成24年5月17日。以下「退職給付適用指針」という。)を、当連結会計年度末より適用し(ただし、退職給付会計基準第35項本文及び退職給付適用指針第67項本文に掲げられた定めを除く。)、退職給付債務から年金資産の額を控除した額を退職給付に係る負債として計上する方法に変更し、未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用を固定負債に計上しております。
退職給付会計基準等の適用については、退職給付会計基準第37項に定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度末において、当該変更に伴う影響額をその他の包括利益累計額に加減しております。
この結果、当連結会計年度末において、固定負債として7,456百万円計上されております。また、その他の包括利益累計額が4,804百万円減少しております。
(4) IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2012年4月1日 至 2013年3月31日)
「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 34.初度適用」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準では、のれんは、その効果が発現すると見積もられる期間で償却することとしておりました。IFRSでは、IFRS移行日以降、のれんは償却を行っておりません。この影響によりIFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が7,593百万円減少しております。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
第一三共グループ |
554,221 |
131.7 |
|
ランバクシーグループ |
220,973 |
120.7 |
|
合計 |
775,195 |
128.4 |
(注)1.金額は正味販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、主として消費税等は含めておりません。
(2) 受注状況
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を策定し、これにより生産を行っております。受注生産は一部の連結子会社で行っておりますが、受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
第一三共グループ |
897,681 |
110.7 |
|
ランバクシーグループ |
220,560 |
120.2 |
|
合計 |
1,118,241 |
112.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
アルフレッサ株式会社 |
130,587 |
13.1 |
135,386 |
12.1 |
|
マッケソン社 |
99,138 |
10.0 |
126,655 |
11.3 |
3.上記の金額には、主として消費税等は含めておりません。
当社グループは、中長期にわたって、世界の多様な医療ニーズに応えるとともに持続的成長力を備えたGlobal Pharma Innovatorを目指しており、2013年度を起点とする5年間の第3期中期経営計画(2013~2017年度)を策定し、目標達成に向けグループ一丸となって取り組んでおります。
当社は中長期的な成長にとって、新興国市場への事業展開が不可欠であると捉え、2008年にランバクシー・ラボラトリーズLtd.を連結子会社といたしましたが、今般、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.がランバクシー・ラボラトリーズLtd.を吸収合併し、当社がその対価としてサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.の株式を受領することを合意し、2014年4月6日に契約が成立いたしました。今後、当社はサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.とのパートナーシップを通じて、新興国市場での事業のさらなる発展を図ってまいります。
今回の決定を踏まえ、あるべき経営戦略を再検討し、当社グループの第3期中期経営計画の修正等も含め、あらためてご報告いたします。
現在、当社が対処すべき課題は次のとおりであります。
(1) オルメサルタンの維持拡大
欧米におけるオルメサルタンビジネスは、他剤との激しい競合下においてプロモーションの効率化を徹底するとともに、引き続き製品ポテンシャル拡大に努めます。
その他の地域では、配合剤を中心にさらなる拡大を目指します。
(2) エドキサバン、プラスグレルの大型製品への育成
次期主力品として期待する抗凝固剤エドキサバンにつきましては、心房細動(AF)に伴う脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、さらには、深部静脈血栓症、肺塞栓症患者における静脈血栓塞栓症(VTE)の治療及び再発抑制に関して、日米欧で承認申請を行いました。2014年度中の承認取得を念頭に置き、全地域においてスムーズな市場導入ができるよう鋭意準備を進めております。加えて、長期的な成長を目指し、適応拡大等、製品の価値を高めるようなライフサイクルマネジメントを推進してまいります。
また、2014年3月、抗血小板剤プラスグレルの国内製造販売承認を取得いたしました(製品名:エフィエント)。今後、多くの医療関係者への新たな治療提案に努め、早期に大型製品へと育成してまいります。
(3) 日本市場における伸長
今後、強力な製品ポートフォリオが構築される日本市場で、重点製品の売上拡大を中心に取り組みを強化し、グループ全体の収益力向上を図ります。
最主力品オルメテックは、低用量から高用量まで豊富なラインアップを揃え、降圧効果、持続性を訴求するプロモーションを継続して新規処方を獲得するとともに、効果不十分症例では配合剤レザルタスへの切替を推進し、市場での確固たる競争優位を築いてまいります。ネキシウムは、強い酸分泌抑制効果のさらなる訴求に努め、同薬効ナンバー1を目指してまいります。メマリーは、治療意義の理解を促すことによる新規処方獲得、及びドネペジル等との併用推進に努め、さらなる拡大を図ります。
また、北里第一三共ワクチン㈱、ジャパンワクチン㈱との協業によるワクチン事業の拡充、第一三共エスファ㈱を核とするジェネリック事業の拡充及び第一三共ヘルスケア㈱によるOTC事業の収益力向上を一層図ってまいります。
(4) 新興国市場への事業拡大
今後著しい成長が見込まれる新興国への事業展開に関しましては、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.とのパートナーシップを通じて、さらなる発展を図ってまいります。
加えて、当社グループの中国、ブラジル等新興国拠点での新製品の発売やプロモーション強化を推進してまいります。
(5) 研究開発の強化
Global Pharma Innovatorとして持続的な成長を実現するために、当社の強みの源泉である研究開発の強化を引き続き推進してまいります。
第3期中期経営計画においては、臨床初期段階から承認取得・上市に至るプロセスにおいて、定量的な目標を設定し、効率的かつ生産性の高い研究開発活動を目指しております。
抗凝固剤エドキサバンにつきましては、主要国での2014年度中の承認取得を目指しており、また今後の営業展開に貢献しうる追加適応取得を含むライフサイクルマネジメントを進めてまいります。
エドキサバンに続く大型新薬の候補の育成にも力を入れており、2014年度におきましては疼痛治療剤Mirogabalin(DS-5565)の第3相臨床試験の開始、癌領域プロジェクト群の進捗を計画しております。
また、より競争力を持った新薬パイプラインの創出を実現させるために、バイオベンチャーやアカデミアとの連携等、オープンイノベーションの取り組みを加速しております。
(6) 品質保証水準の向上
当社が2008年10月に連結子会社化いたしましたランバクシー・ラボラトリーズLtd.は、インド国内2工場の品質管理問題に関し、2012年1月に米国食品医薬品局(以下「FDA」という。)との同意協定書を締結し、品質保証の強化に取り組み、当社も支援してまいりました。しかし、2013年9月にはモハリ工場が、2014年1月には原薬工場であるトアンサ工場が米国向け輸出禁止措置の対象となりました。
また、米国ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.のシャーリー工場につきましては、2011年9月以来、FDAより品質管理上の課題を指摘されておりますが、2013年度は課題解決のための設備投資を行い、FDAの再査察への準備を進めてまいりました。同時に今後の生産能力拡大に向けた取り組みも推進しております。
当社は、このような状況にあることを真摯に受け止め、さらに品質保証水準を向上させるべく、当社グループの総力を挙げて取り組んでまいります。
(7) ワクチン事業における課題
当社のグループ会社である北里第一三共ワクチン㈱は、2011年8月に厚生労働省の「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業(第2次事業)」の「細胞培養法ワクチン実生産施設整備等推進事業」の事業者に採択され、2014年3月末までに、6ヶ月以内に4,000万人分のワクチン供給体制を構築する計画でありましたが、ワクチン抗原の精製過程における収率低下等の要因により、本供給体制を確立できない状況となりました。
今後、生産工程の見直しによる収率向上及び早期の供給体制確立という責務を果たし、わが国の医療に貢献すべく、当社グループの総力を挙げて取り組んでまいります。
(8) 収益力向上への取り組み
各部門、各地域において組織運営体制の最適化を推進するとともに、予算の効率運用徹底や調達機能の強化等により経費削減の成果を創出し、さらなる収益力向上に努めてまいります。
また、引き続き原価低減の推進、適正な卸在庫水準、グローバルサプライチェーン体制の構築等を進めてまいります。
(9) 株式の大量取得を目的とする買付けに対する基本的な考え方
当社は、株式の大量取得を目的とする買付けが行われる場合、それに応じるか否かは、株主の皆様の判断に委ねられるものと考えており、経営権の異動を通じた企業活動の活性化等の意義を否定するものではありません。したがって、当社は買収防衛策を予め定めておりません。
しかし、一般に高値売抜け等の不当な目的による企業買収の提案があり、それが当社の企業価値・株主共同の利益の向上に資さない場合には、当社としてその提案に対抗することは当然の責務と認識しております。そのため、当社は株式取引や株主の異動状況等を常に注視しており、実際に当社株式の大量取得を目的とした買付者が出現した場合には、社外の専門家を交えて買収提案の評価を行い、当社の企業価値・株主共同の利益への影響を慎重に判断し、これに資さない場合には、個別の案件に応じた適切な対抗措置を講じてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が判断したものであり、既知もしくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果とは乖離する可能性があります。
(1) ランバクシー・ラボラトリーズLtd.の事業活動に関するリスク
ランバクシー・ラボラトリーズLtd.は、インド国内工場の品質管理問題に関し、FDAとの同意協定書を締結し、品質保証の強化とデータの信頼性確保に取り組んでおり、当社も支援しております。
2014年12月末に予定されるサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.とランバクシー・ラボラトリーズLtd.との合併が完了するまでは、引き続き当社とランバクシー・ラボラトリーズLtd.が一体となって各工場における課題解決に努めてまいります。しかしながら各国薬事当局への対応状況等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。
(2) サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.とランバクシー・ラボラトリーズLtd.の合併に関するリ
スク
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.がランバクシー・ラボラトリーズLtd.を吸収合併し、その対価として当社がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.の株式を受領することについて、2014年4月6日にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間で契約を締結いたしました。
しかしながら、本合併の実行(以下「クロージング」という。)にはサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.及びランバクシー・ラボラトリーズLtd.両社の株主の承認や規制当局等の承認等の手続が必要になること等から、本合併の実行時期が遅延する又は本合併が実行されない等の可能性があります。
また、当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間の本合併に関する契約に基づき、ランバクシー・ラボラトリーズLtd.のクロージング前の品質問題等に関し、米国連邦政府又は州政府に支払う罰金及び損害等が、クロージング日から7年経過するまでの間にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.等に生じた場合、その63.5%について325百万米ドルを上限として補償する義務の履行を求められる可能性があります。
(3) 災害等の発生による事業活動に関するリスク
地震、水害、暴風雨等の自然災害、火災、原子力発電所の事故、長時間の停電等社会インフラの障害、戦争、テロ等の発生により、当社グループの工場、研究所、事業所等の施設の損壊もしくは事業活動の停滞等の損害が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは、2011年3月に発生した東日本大震災での経験を踏まえ、有事の際に速やかな業務復旧を図り、医療体制維持のため医薬品の品質確保と安定供給に努めるべく、事業継続計画(BCP)を刷新いたしました。新BCPにおいては、主力品を中心とした事業継続の観点及び緊急性のある薬剤や代替品のない薬剤といった社会的意義のある薬剤供給の速やかな実現という観点から、優先すべき品目の見直しを行いました。
また、サプライチェーンにおいては、東日本大震災時の復旧期間を参考にしつつ、地震の発生確率を加味した復旧期間のリスク評価を行い、予防策、支援策、代替策等も検討いたしました。
(4) 製造・仕入れに関するリスク
製品の一部は当社グループの工場において独自の技術により製造しており、また、商品及び原材料の一部には特定の取引先にその供給を依存している品目があります。このため、何らかの理由により製造活動や仕入れが遅延又は停止した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。医薬品は薬事法の規制の下で製造しておりますが、品質問題の発生により製品回収等を行うことになった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。
(5) 金融市況及び為替変動に関するリスク
株式市況の低迷により保有する株式の売却損や評価損が生じ、金利動向により退職給付債務の増加等が生じる可能性があります。また、為替相場の変動により、不利な影響を受ける可能性があります。当社グループはグローバルに事業を展開し、生産・販売・輸出入を行っておりますので、為替相場の変動は経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。
(6) 研究開発・他社とのアライアンス等に関するリスク
新薬候補品の研究開発には、多額の費用と長い年月が必要でありますが、その間に期待された有用性が確認できず研究開発を中止する可能性があります。また、臨床試験で良好な結果が得られても承認審査基準の変更により承認が得られなくなる可能性があります。さらに、第三者との研究開発に係る提携に関して契約条件の変更・解消等が起こった場合、研究開発の成否に悪影響を及ぼすことがあります。
(7) 副作用発現や他社競合等製品販売に関するリスク
予期していなかった副作用の発現、同領域の他社製品との競合や特許切れによる後発品の参入等は、売上を減少させる要因となり、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。販売及び技術導出入契約の満了、契約条件の変更・解消等が起こった場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。さらに先進諸国における後発品拡大の影響により、仮に製品として発売されても、研究開発投資に見合う売上・利益を確保できない可能性があります。
(8) 法規制、医療費抑制策等行政動向に関するリスク
国内医療用医薬品は、薬事行政の下、種々の規制を受けております。薬価基準の改定をはじめとして、医療制度や健康保険に関する行政施策の動向によっては、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。また、海外においても同様に、医薬品として各種の規制を受けており、行政施策の動向による悪影響を受けることがあります。
(9) 知的財産に関するリスク
当社グループの事業活動が他者の特許等知的財産権に抵触する場合、事業の断念や係争の可能性があります。一方、第三者が当社グループの特許等知的財産権を侵害すると考えられる場合は、その保護のため訴訟を提起する場合があり、それらの動向は経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。とくに先進諸国での後発品拡大を背景に、訴訟提起を含め、当社グループの知的財産に関するリスクが一層増大する可能性があります。
(10) 環境問題に関するリスク
医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質のなかには、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれております。当社では医薬品等の管理には万全を期しておりますが、万一、当社グループが、土壌汚染、大気汚染、水質汚濁等に関し環境に深刻な影響を与えていると判断された場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。
(11) 訴訟のリスク
公正取引に関する事案の他、事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題等に関し、訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。
(12) その他のリスク
上記のほか、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあるリスクとしては、ネットワークウイルス等によるコンピュータシステムの休止、機密情報の漏洩や役職員の不正、株価や金利の変動、資金調達のリスク等が考えられます。
(1) 技術導入
|
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
技術内容 |
対価 |
契約期間 |
|
第一三共㈱ (当社) |
アムジェン社 |
アメリカ |
抗RANKL抗体「デノスマブ」に関する技術 |
契約一時金及び 一定料率の実施料 |
自 2007年7月 至 2027年6月 |
|
第一三共㈱ (当社) |
イノマブ社 |
シンガポール |
ヒト化抗EGFRモノクロナール抗体抗癌剤「ニモツズマブ」に関する技術 |
契約一時金 |
自 2006年7月 至 上市後10年 (以後1年ごとの自動更新) |
|
シマブ社 |
キューバ |
||||
|
第一三共㈱ (当社) |
アーキュール社 |
アメリカ |
抗悪性腫瘍剤「ARQ197」に関する技術 |
契約一時金及び 一定料率の実施料 |
自 2008年12月 至 実施料の支払満了日 |
|
第一三共㈱ (当社) |
アンプリミューン社 |
アメリカ |
自己免疫疾患治療剤「AMP-110」に関する共同研究開発並びにグローバルにおける臨床開発、製造及び販売に関する独占的オプション権 |
契約一時金及び 研究開発費用負担並びにオプション対価等 |
自 2012年12月 至 オプション権の行使期限日 |
|
第一三共Inc. (連結子会社) |
ジェンザイム社 |
アメリカ |
高脂血症治療剤「ウェルコール」に関する技術 |
契約一時金及び 一定料率の実施料 |
自 1999年12月 至 対象特許の満了日 |
|
ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc. (連結子会社) |
バイフォー社 |
スイス |
貧血治療剤「ヴェノファー」に関する技術 |
契約一時金及び 一定料率の実施料 |
自 1997年12月 至 2030年12月 |
(注)当社とアーキュール社の抗悪性腫瘍剤「ARQ092」に関する技術導入契約は、2013年6月に終了しております。
(2) 技術導出
|
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
技術内容 |
対価 |
契約期間 |
|
第一三共㈱ (当社) |
イーライ・リリー社 |
アメリカ |
虚血性疾患治療剤「プラスグレル」に関する技術 |
契約一時金及び 一定料率の実施料 |
自 2001年6月 至 対象特許の満了日 |
|
プレキシコンInc. (連結子会社) |
ロシュ社 |
スイス |
転移性悪性黒色腫治療薬「Zelboraf(vemurafenib)」に関する技術 |
契約一時金及び 一定料率の実施料 |
自 2006年9月 至 対象特許の満了日又は上市後12年のうち何れか遅く到来する日 |
(3) 販売契約等(導入)
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
第一三共㈱ (当社) |
田辺三菱製薬㈱ |
日本 |
同社の血糖降下剤「テネリア」及び「カナグリフロジン」の日本国内における共同販売 |
自 2012年3月 至 上市後10年 (以後1年ごとの自動更新) |
|
第一三共㈱ (当社) |
メルツ・ファーマシューティカルズ社 |
ドイツ |
同社のアルツハイマー型認知症治療剤「メマリー」の日本国内における独占販売 |
自 1997年12月 至 上市後10年 |
|
第一三共㈱ (当社) |
アストラゼネカ社 |
スウェーデン |
同社のプロトンポンプ阻害剤「ネキシウム」の日本国内における独占販売及び共同販促 |
自 2010年10月 至 上市後10年 (以後は何れかが12ヶ月前通知により解約する日) |
|
第一三共㈱ (当社) |
㈻北里研究所、 北里第一三共ワクチン㈱ (連結子会社) |
日本 |
同社のワクチン類の日本国内における販売 |
自 2012年10月 至 2015年3月 |
|
第一三共㈱ (当社) |
ジーイー・ヘルスケア社 |
ノルウェー |
同社の非イオン性造影剤「オムニパーク」の日本国内における独占販売 |
自 1987年3月 至 販売終了の日 |
|
第一三共㈱ (当社) |
ユーシービージャパン㈱ |
日本 |
同社のアレルギー性疾患治療剤「ジルテック」の日本国内における販売 |
自 1998年7月 至 2025年3月 |
|
第一三共㈱ (当社) |
ゼリア新薬工業㈱ |
日本 |
α型ヒト心房性ナトリウム利尿ポリペプチド製剤「ハンプ」の日本国内における独占販売 |
自 2003年4月 至 2013年7月 (以後2年ごとの自動更新) |
|
第一三共㈱ (当社) |
キッセイ薬品工業㈱ |
日本 |
同社の排尿障害治療剤「ユリーフ」の日本国内における共同販売 |
自 2004年6月 至 販売中止日 |
|
第一三共㈱ (当社) |
エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社 |
スイス |
同社の高血圧症治療剤「アーチスト」の日本国内における独占販売 |
自 1989年7月 至 商標使用の終了日 |
|
第一三共㈱ (当社) |
サノフィ㈱ |
日本 |
同社のインフルエンザ菌b型による感染症予防小児用ワクチン「アクトヒブ」の日本国内における販売 |
自 2008年11月 至 2018年12月 (協議更新) |
(注)当社と興和㈱の高脂血症治療剤「リバロ」に関する販売契約(導入)は、2013年6月に終了しております。
(4) 販売契約等(導出)
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
第一三共㈱ (当社) |
第一三共Inc. (連結子会社) |
アメリカ |
血圧降下剤「ベニカー(オルメサルタン)」の米国内における販売 |
自 2006年4月 至 2021年3月 (以後1年ごとの自動更新) |
|
第一三共㈱ (当社) |
第一三共ヨーロッパGmbH (連結子会社) |
ドイツ |
血圧降下剤「オルメテック(オルメサルタン)」の欧州における販売 |
自 2006年4月 至 2021年3月 (以後1年ごとの自動更新) |
|
第一三共Inc. (連結子会社) |
フォレスト・ラボラトリーズ社 |
アメリカ |
血圧降下剤「ベニカー(オルメサルタン)」の米国内における共同販促 |
自 2001年12月 至 第三者が後発品を上市した日又は2014年4月の何れか早い日 |
|
第一三共ヨーロッパGmbH (連結子会社) |
メナリーニ社 |
イタリア |
血圧降下剤「オルメテック(オルメサルタン)」の欧州における共同販売 |
自 2001年6月 至 対象特許の満了日 |
|
ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc. (連結子会社) |
フレゼニウス・ユーエスエイ・マニュファクチャリング社 |
アメリカ |
貧血治療剤「ヴェノファー」の米国内における販売 |
自 2008年11月 至 2018年10月 |
(注)当社とアストラゼネカ社の癌骨転移による骨病変治療薬「ランマーク(デノスマブ)」に関する販売契約(導出)は、2013年12月に終了しております。
(5) 業務委託契約
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
第一三共㈱ (当社) |
㈱日立製作所 |
日本 |
IT業務の同社への委託 |
自 2010年10月 至 2014年3月 |
(注)当社と㈱日立製作所のIT業務に関する業務委託契約は、2014年4月1日において契約期間を2017年3月31日まで延長しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、1,912億円(前連結会計年度比3.7%増)となり、売上収益に対する研究開発費の比率は17.1%となりました。
なお、各セグメントの研究開発活動の状況は次のとおりであります。
(1) 第一三共グループ
当社は、競争力のある研究開発パイプラインを充実し、革新的医薬品の迅速かつ継続的な創出に向けた取り組みを推進しており、重点領域を循環代謝領域・癌領域・フロンティア領域と定め、ベストインクラス・ファーストインクラス品目の創出に注力しております。
またベンチャースピリットをグループ内に醸成させる取り組みとして、子会社のアスビオファーマ㈱、U3ファーマGmbH、プレキシコンInc.のさらなる活用に加え、2013年4月に新設した「ベンチャーサイエンスラボラトリー」の強化を進めております。
さらに、他社との提携やオープンイノベーションの拡充、バイオ医薬品事業への本格参入に向けた研究開発の強化も推進しております。
① 主な研究開発プロジェクト
(ⅰ) プラスグレル
日本においては、2014年3月に経皮的冠動脈形成術を伴う虚血性心疾患の適応で、製造販売承認を取得いたしました。さらに、虚血性脳血管障害患者を対象とした第3相臨床試験を推進しております。
(ⅱ) エドキサバン
2013年9月に、深部静脈血栓症、肺塞栓症患者における静脈血栓塞栓症(以下「VTE」という。)の治療及び再発抑制に関するHokusai-VTE試験の結果を欧州心臓病学会にて発表いたしました。また、2013年11月に、非弁膜症性心房細動(以下「AF」という。)に伴う脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制に関するENGAGE AF-TIMI 48試験の結果を米国心臓協会年次学術集会にて発表いたしました。両試験において、対照薬であるワルファリンに対して有効性で非劣性、安全性で優越性を示すことが確認され、主要評価項目を達成いたしました。
この結果に基づき、2013年12月に日本で、続いて2014年1月に欧米で、VTE及びAFに関する承認申請を行いました。
(ⅲ) デノスマブ
デノスマブは、骨代謝に関わる抗体医薬品であり、米国アムジェン社から日本における開発・販売権を取得しております。2012年4月にランマークの製品名で多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変の適応症で発売し、2013年6月にプラリアの製品名で骨粗鬆症治療剤として発売いたしました。
また、2013年8月に骨巨細胞腫を対象とした効能追加申請を行いました。
さらに、乳癌術後補助療法を対象としたグローバル第3相臨床試験、関節リウマチ患者を対象とした国内第3相臨床試験を推進しております。
②主な研究開発提携等
(ⅰ) 他社との提携
(a) 創薬標的研究に関するパートナーシップ
2013年11月、当社は、米国 Virtici, LLC 及び Celdara Medical, LLC との間で、新規創薬標的探索に関する研究パートナーシップを締結いたしました。両社が持つ米国アカデミアとの緊密なネットワークを通じて新たに見出されたファーストインクラスの創薬シーズについて、3社が共同で研究を実施いたします。
(b) ノロウイルスワクチンに関する共同研究契約
2014年2月、当社は、㈱UMNファーマとの間で、ノロウイルスワクチンの共同研究契約を締結いたしました。本契約により、㈱UMNファーマは、同社独自の製造プラットフォームを用いて製造した組換えノロウイルスVLP抗原を当社に提供し、当社は、新規投与デバイスを用いたノロウイルスワクチンの開発可能性を確認することを目的とした基礎研究を実施いたします。
(c) 化合物ライブラリーの相互利用に関する提携
2014年3月、当社は、アステラス製薬㈱との間で、それぞれが保有する化合物ライブラリーのうち、交換可能な約40万化合物を、相互に交換・利用する提携契約を締結いたしました。本提携により、両社それぞれの対象疾患戦略に基づき構築された質的に異なる化合物ライブラリーへの相互アクセスを可能とし、両社における革新的な新薬の創出を図ります。
(ⅱ) オープンイノベーション
(a) 創薬共同研究公募(TaNeDS)
当社は、オープンイノベーションの一環として、2011年度から創薬共同研究公募(TaNeDS)を日本国内アカデミアの研究者を対象に実施し、採択した研究テーマについては、現在共同研究を実施しております。2013年7月、さらなる創薬研究の可能性を求め、海外(ドイツ、スイス、オーストリア)においても、大学及び研究機関の研究者を対象に、創薬共同研究の公募(TaNeDS Global Program)を実施いたしました。
(b) 投資ファンドを活用したオープンイノベーション
当社と三菱UFJキャピタル㈱は、2013年9月に設立したOiDEファンド投資事業有限責任組合を通じて、新たなオープンイノベーション事業を行います。本事業では、まず、両社が日本の大学等から将来有望な創薬基盤技術となりうる研究成果(シーズ)を探索いたします。有望なシーズに対しては、同ファンド全額出資によるベンチャーを設立し、シーズ育成を全面的に支援いたします。
(c) UCSFとの神経変性疾患に関する創薬共同研究提携
2014年3月、当社は、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)神経変性疾患研究所との間で、複数の神経変性疾患に対する治療薬及び診断薬に関する共同研究契約を締結いたしました。本提携により、2013年4月に設立した当社ベンチャーサイエンスラボラトリーから一定数の研究員を派遣し、創薬研究体制を構築して、アルツハイマー病等の神経変性疾患に対する新規の治療薬と診断薬の創出を目指します。
当グループの研究開発費の金額は1,797億円(前連結会計年度比1.9%増)であります。
(2) ランバクシーグループ
ランバクシーグループでは、後発医薬品を中心に研究開発活動を行っており、研究開発費の金額は115億円(前連結会計年度比43.7%増)であります。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2014年6月23日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループは、積極的なグローバル事業の展開による企業価値の向上に資するために、基準とすべき会計及び財務報告のあり方を検討した結果、資本市場における財務情報の国際的な比較、グループ内での会計処理の統一、グローバル市場における資金調達手段の多様化等を目的として、2014年3月期よりIFRSを適用しております。
当社グループの連結財務諸表の作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としており、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上収益
売上収益は、前連結会計年度に比べ1,236億円(+12.4%)増収の1兆1,182億円となりました。第一三共グループにつきましては、高血圧症治療剤オルメサルタン、抗血小板剤プラスグレル、抗潰瘍剤ネキシウム、アルツハイマー型認知症治療剤メマリー等が伸長いたしました。また、ドル・ユーロに対する円安の寄与(約537億円)もあり、当社グループ全体では増収となりました。
② 売上原価
売上原価は、前連結会計年度に比べ638億円(+18.8%)増加の4,023億円となりました。主に売上収益増加に伴う増加であります。当連結会計年度についても、原価低減への取り組みを継続的に実施しております。
③ 販売費及び一般管理費、研究開発費
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ402億円(+10.8%)増加の4,132億円となりました。研究開発費は、前連結会計年度に比べ68億円(+3.7%)増加の1,912億円、対売上収益研究開発費比率は17.1%となりました。当社グループは、今後とも収益動向を踏まえた研究開発活動の効率化を進めると同時に、企業価値の向上と将来にわたる成長力獲得を目指した積極的な研究開発投資を実施してまいります。
④ 営業利益
これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べ128億円(+13.0%)増益の1,116億円、対売上収益営業利益率は10.0%となりました。
⑤ 税引前利益
税引前利益は、前連結会計年度に比べ39億円(+4.1%)増益の998億円となりました。
⑥ 法人所得税費用
法人所得税費用は、前連結会計年度に比べ165億円(+55.0%)増加の464億円となりました。
⑦ 親会社の所有者に帰属する当期利益
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べ31億円(△4.8%)減益の609億円となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
① 重要な製品の売上げ動向
当社グループでは、高血圧症治療剤オルメサルタン・フランチャイズ、抗血小板剤プラスグレル及び経口FXa阻害剤エドキサバンをグローバル戦略製品と位置付けております。競合激化、価格への圧力増大といった環境下においても、日本市場及び欧米市場での最大化を図ってまいります。その売上の動向は当社グループの経営成績に重要な影響を与えるものと考えております。
② 研究開発活動・ライセンス活動の動向
当社グループは、継続的に新製品を発売し成長を続けるために、グローバルに研究開発活動・ライセンス活動を推進しております。
後期開発段階においては、抗血小板剤プラスグレルについて、日本において2014年3月に経皮的冠動脈形成術を伴う虚血性心疾患の適応で製造販売承認を取得し、2014年5月にエフィエントの製品名で発売いたしました。さらに、虚血性脳血管障害患者を対象とした第3相臨床試験を推進しております。
経口FXa阻害剤エドキサバンについて、2013年9月に、深部静脈血栓症、肺塞栓症患者におけるVTEの治療及び再発抑制に関するHokusai-VTE試験の結果を欧州心臓病学会にて発表いたしました。また、2013年11月に、AFに伴う脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制に関するENGAGE AF-TIMI 48試験の結果を米国心臓協会年次学術集会にて発表いたしました。両試験において、対照薬であるワルファリンに対して有効性で非劣性、安全性で優越性を示すことが確認され、主要評価項目を達成いたしました。この結果に基づき、2013年12月に日本で、続いて2014年1月に欧米で、VTE及びAFに関する承認申請を行いました。
さらに、米国アムジェン社から日本国内の開発、販売に関して導入した抗RANKL抗体デノスマブについて、2012年4月にランマークの製品名で多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変の適応症で発売し、2013年6月にプラリアの製品名で骨粗鬆症治療剤として発売いたしました。また、2014年5月に骨巨細胞腫を対象とした効能追加承認を取得いたしました。さらに、乳癌術後補助療法を対象としたグローバル第3相臨床試験、関節リウマチ患者を対象とした国内第3相臨床試験を推進しております。
これらの開発品について、当局の審査動向によっては、将来の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、製品として発売するに至るまでには、相当額の投資が必要となります。収益動向等を踏まえ効率的な研究開発投資に努めておりますが、想定以上の投資が必要となり経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、臨床試験で新薬の候補品が期待通りの効果を得られなかった場合や、候補品の安全性に疑問が残る結果となった場合、開発期間の延長、開発の中断あるいは中止を行う場合があり、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③ 日本及び諸外国の薬価制度の動向
日本、米国及び欧州等の薬価基準及び薬剤の価格は、各国政府の規制、保護を受けておりますが、規制あるいは保護の制度変更等により、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④ サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.によるランバクシー・ラボラトリーズLtd.の吸収合併について
当社は、連結子会社ランバクシー・ラボラトリーズLtd.の軌道回復による企業価値の向上を検討してまいりましたが、今般、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.がランバクシー・ラボラトリーズLtd.を吸収合併し、その対価として当社がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.の株式を受領することが最善の方法であると判断し、2014年4月6日、3社において必要な契約を締結するに至りました。
本合併は、ランバクシー・ラボラトリーズLtd.及びサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.両社の株主並びに規制当局の承認その他必要な手続の終了後、2014年12月末までに完了する予定であります。合併後のサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.は、グローバルジェネリック企業としても、インドの製薬企業としても指折りの企業となります。当社にとっては、本合併完了時にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.の株式を約9%保有し、取締役1名を派遣する権利を有することとなり、より強力なインド製薬企業とのパートナーシップを通じたハイブリッドビジネスの新展開を図ることが可能となります。
ランバクシー・ラボラトリーズLtd.及びサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.の事業環境や競合状況の変化、各国薬事当局等に対する対応状況、各国の法規制等の遵守状況如何により、同社の事業計画遂行に支障が生じたり、同社の株式取得に際して当社が見込んでいたシナジーが実現できない可能性があり、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財政状態
当連結会計年度末における資本合計は1兆75億円(前連結会計年度末比690億円増加)、資産合計は1兆8,540億円(前連結会計年度末比1,691億円増加)、親会社所有者帰属持分比率は52.9%(前連結会計年度末53.8%)となりました。資本合計は、当期利益の計上やその他の資本の構成要素の増加等により、増加いたしました。資産合計は、社債及び借入金の増加等により、資本合計と比較して増加額は大きくなっております。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、期首に比べ81億円減少の1,831億円となりました。
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、税引前利益998億円、減価償却費及び償却費515億円等の非資金項目のほか、法人所得税や米国司法省との和解費用の支払等による資金の減少により、前連結会計年度に比べ920億円減少の373億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、運用資産の取得や設備投資等により、前連結会計年度に比べ525億円支出増加の1,614億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債及び借入金の増加や配当金の支払等により、前連結会計年度に比べ1,586億円収入増加の1,003億円の収入となりました。
③ 資金需要
当社グループでは、今後もグローバル市場での事業展開を加速するため、主に日本、米国及び欧州において研究開発活動、ライセンス活動を継続するとともに、自社販売体制をより一層拡充してまいります。当社グループは、引き続き財務の健全性を保ち、営業活動によるキャッシュ・フローの創出によって、当社グループの成長に必要な資金調達が可能であると考えております。