(1) 業績
当連結会計年度の連結業績は、次のとおりとなりました。
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売上収益 |
5,484億65百万円 |
(対前連結会計年度 |
510億25百万円減、 |
8.5%減) |
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営業利益 |
283億38百万円 |
( 同 |
380億60百万円減、 |
57.3%減) |
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税引前当期利益 |
258億75百万円 |
( 同 |
364億22百万円減、 |
58.5%減) |
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当期利益 |
434億53百万円 |
( 同 |
49億52百万円増、 |
12.9%増) |
売上収益については、グローバルブランド育成に向けた積極投資により、抗がん剤「ハラヴェン」、抗てんかん剤「Fycompa」及び肥満症治療剤「Belviq」が拡大しましたが、米国での独占販売期間満了によるプロトンポンプ阻害剤「Aciphex」(日本製品名「パリエット」)の減少と日本における薬価改定及びジェネリック医薬品との競合激化の影響により、減収となりました。領域別には、がん関連領域製品は、「ハラヴェン」及び制吐剤「Aloxi」が二桁成長を維持しましたが、前連結会計年度にDNAメチル化阻害剤「Dacogen」の米国での販売権を譲渡したことに伴い、がん関連領域全体では986億37百万円(前連結会計年度比2.1%減)となりました。また、てんかん領域製品は、「Fycompa」をはじめ「イノベロン」(米国製品名「Banzel」)などいずれも二桁成長を果たし、316億88百万円(同31.2%増)と大きく伸長しました。品目別には、「ハラヴェン」は353億14百万円(同22.6%増)、アルツハイマー型、レビー小体型認知症治療剤「アリセプト」は656億95百万円(同20.6%減)、「パリエット」は559億73百万円(同38.8%減)となりました。セグメント別では、中国医薬品事業が前連結会計年度より29.0%増加して高い成長を維持したほか、アジア医薬品事業においても、韓国などの伸長により大きく増加しました。また、EMEA医薬品事業は、「ハラヴェン」及び「Fycompa」をはじめとするてんかん領域製品の拡大により前連結会計年度から20.5%増と伸長しました。
*「パリエット」には、日本におけるヘリコバクター・ピロリ除菌用3剤組み合わせパック製剤「ラベキュアパック400/800」及び「ラベファインパック」の売上収益を含めています。
利益については、共同販促に係る提携費用の減少や構造改革による費用効率化の進展がありましたが、売上総利益の減少に加え、グローバルブランドの育成、重要開発テーマ推進に向けたプロダクトクリエーション活動、成長市場であるアジアや新規進出国での基盤強化への積極的資源投入を行った結果、営業利益は283億38百万円(前連結会計年度比57.3%減)となりました。また、日本及び米国における税金費用が減少し、当期利益は434億53百万円(同12.9%増)となりました。
基本的1株当たり当期利益は151円57銭(前連結会計年度より17円44銭増)となりました。
当期利益にその他の包括利益を加減した当期包括利益は、前連結会計年度末からの円安の影響で為替換算差額が増加した結果、1,142億30百万円(前連結会計年度比35.2%増)となりました。
[セグメントの状況]
(各セグメントの売上収益は外部顧客に対するものです)
当社グループは、セグメントを医薬品事業とその他事業に区分しており、医薬品事業を構成するリージョン等を報告セグメントとしています。当連結会計年度より、重要性が高まっている中国事業を従来のアジア医薬品事業から独立させ、医薬品事業の構成を変更しました。その結果、医薬品事業を構成する日本(医療用医薬品、ジェネリック医薬品、診断薬)、アメリカス(北米、中南米)、中国、アジア(韓国、台湾、香港、インド、アセアン等)、EMEA(欧州、中東、アフリカ、オセアニア)、薬粧-日本(一般用医薬品等)の6つの事業セグメントを新たな報告セグメントとしています。なお、本資料のセグメント情報に関する対前連結会計年度の数値は新たな報告セグメントに基づいて記載しています。
<日本医薬品事業>
売上収益は2,783億99百万円(前連結会計年度比10.5%減)、セグメント利益は1,215億29百万円(同21.3%減)となりました。売上収益の内訳は、医療用医薬品が2,455億39百万円(同12.8%減)、ジェネリック医薬品が268億83百万円(同14.8%増)、診断薬が前期とほぼ横ばいの59億78百万円です。
品目別売上収益は、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」は298億63百万円(同3.8%増)、ファイザー社と共同販促を展開している疼痛治療剤「リリカ」の共同販促収入は215億45百万円(同10.9%増)、不眠症治療剤「ルネスタ」は45億29百万円(同55.0%増)と伸長しました。一方、薬価改定の影響や市場の競合激化等により「アリセプト」は469億59百万円(同27.8%減)、「パリエット」は371億20百万円(同21.6%減)となりました。「ハラヴェン」は60億63百万円(同5.6%減)となりました。
2015年5月、抗がん剤「レンビマ」を新発売しました。
<アメリカス医薬品事業>
売上収益は1,198億22百万円(前連結会計年度比24.6%減)となりました。セグメント利益は、グローバルブランドである「ハラヴェン」、「Fycompa」、「Belviq」の育成に向けて積極的な販促投資を行ったことにより、148億84百万円(同61.9%減)となりました。抗てんかん剤「Zonegran」の米国における販売権譲渡に伴う収入は、売上収益に計上しています。
品目別売上収益は、がん関連領域では、「Aloxi」は498億20百万円(同16.1%増)、「ハラヴェン」は164億88百万円(同23.5%増)、「レンビマ」は3億78百万円の実績となりました。てんかん領域では、「Banzel」は104億29百万円(同36.4%増)、「Fycompa」は18億63百万円(同140.9%増)です。「Belviq」は54億36百万円(同115.4%増)となりました。一方、「Aciphex」は2013年11月の独占販売期間満了の影響を受け、117億27百万円(同68.9%減)となりました。
2014年11月、ブラジルにおいてラテンアメリカで初めての自社販売製品となる「ハラヴェン」、同年12月、米国において制吐剤「Akynzeo」、2015年2月、米国において抗がん剤「レンビマ」、同年4月、メキシコにおいて抗がん剤「ハラヴェン」及び「Gliadel」(日本製品名「ギリアデル」)を新発売しました。
<中国医薬品事業>
売上収益は410億19百万円(前連結会計年度比29.0%増)、セグメント利益は105億67百万円(同45.4%増)となりました。
品目別売上収益は、主力品である末梢性神経障害治療剤「メチコバール」が、173億27百万円(同25.1%増)と引き続き伸長しているほか、肝臓疾患用剤・アレルギー用薬「強力ネオミノファーゲンシー/グリチロン錠」は69億3百万円(同27.1%増)、「アリセプト」は47億18百万円(同22.8%増)、「パリエット」は28億64百万円(同29.1%増)とそれぞれ大きく拡大しました。
<アジア医薬品事業>
売上収益は308億94百万円(前連結会計年度比17.7%増)、セグメント利益は74億13百万円(同33.6%増)となりました。
品目別売上収益は、「アリセプト」は93億53百万円(同15.2%増)、「ヒュミラ」は80億58百万円(同18.5%増)、「パリエット」は36億71百万円(同5.6%増)、「メチコバール」は26億15百万円(同15.9%増)となりました。
2014年4月にタイ、同年12月にインドで前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬「ユリーフ」、同年11月、香港においてアジアで初めて「Fycompa」、同年12月、フィリピンにおいて分岐鎖アミノ酸製剤「Livamin」を新発売しました。
<EMEA医薬品事業>
売上収益は385億16百万円(前連結会計年度比20.5%増)、セグメント利益は、増収に伴う売上総利益の増加により、66億1百万円(同59.2%増)と大幅に伸長しました。
品目別売上収益は、「ハラヴェン」は115億69百万円(同35.8%増)となりました。てんかん領域では、「Zonegran」は81億15百万円(同22.7%増)、「Zebinix」は32億35百万円(同34.5%増)、「Fycompa」は23億97百万円(同85.5%増)、「イノベロン」は21億23百万円(同11.5%増)と伸長し、いずれもてんかん領域の拡大に貢献しています。
オーストラリアにおいて、2014年10月に同国で初めての自社販売製品となる「ハラヴェン」を、さらに同年11月には「Fycompa」を発売しました。
<薬粧-日本>
売上収益は170億19百万円(前連結会計年度比12.0%減)、セグメント利益は新製品への積極投資等により、22億22百万円(同47.9%減)となりました。
チョコラBBグループの売上収益は、103億50百万円(同15.4%減)となりました。
2014年4月、エナジードリンク「Joma(ジョマ)」を新発売しました。
(2)キャッシュ・フローの状況
営業活動から得たキャッシュ・フローは、760億22百万円(前連結会計年度より152億53百万円減)となりました。税引前当期利益は258億75百万円、減価償却費及び償却費は389億40百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、188億41百万円の支出(前連結会計年度は208億85百万円の収入)となりました。資本的支出等は156億12百万円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、597億42百万円の支出(前連結会計年度より553億67百万円減)となりました。借入金の返済(純額)に171億50百万円、配当金の支払に428億10百万円を支出しました。
以上の結果、現金及び現金同等物の残高は、1,733億35百万円(前連結会計年度末より194億14百万円増)となりました。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローから資本的支出等を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは604億10百万円(前連結会計年度より189億44百万円減)です。
[連結財務指標の推移]
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第101期 |
第102期 |
第103期 |
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親会社所有者帰属持分比率(%) |
48.0 |
54.0 |
56.8 |
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時価ベースの親会社所有者帰属 持分比率(%) |
118.7 |
117.7 |
231.3 |
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キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
4.3 |
2.8 |
3.2 |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
11.2 |
15.6 |
17.3 |
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(注1)各指標の算出方法 |
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親会社所有者帰属持分比率 |
:親会社の所有者に帰属する持分÷資産合計 |
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時価ベースの親会社所有者帰属持分比率 |
:株式時価総額÷資産合計 |
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キャッシュ・フロー対有利子負債比率 |
:有利子負債(社債、借入金、代理店預り金等)÷営業キャッシュ・フロー |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ |
:営業キャッシュ・フロー÷利払い(利息の支払額) |
(3) IFRSに準拠して作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」という。)に準拠して作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(のれんの償却)
日本基準では、のれんを償却していますが、IFRSでは非償却とし、毎年一定の時期及び減損の兆候がある場合にはその時点で、減損テストを実施しています。この結果、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が当連結会計年度において10,364百万円(前連結会計年度は9,458百万円)減少しています。
(1) 生産実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2014年4月 1日 至 2015年3月31日) |
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金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
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日本医薬品事業 |
200,353 |
90.5 |
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アメリカス医薬品事業(注4) |
69,936 |
65.4 |
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中国医薬品事業(注5) |
43,554 |
164.2 |
|
アジア医薬品事業 |
21,966 |
110.1 |
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EMEA医薬品事業 |
37,325 |
119.1 |
|
薬粧-日本 |
12,577 |
134.3 |
|
報告セグメント計 |
385,712 |
92.8 |
|
その他事業 |
2,251 |
106.3 |
|
合計 |
387,964 |
92.9 |
(注1) 金額は販売見込価格により算出し、セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2) 上記金額には消費税等を含めていません。
(注3) 当連結会計年度より、生産実績の集計方法を変更しました。前連結会計年度比の算定に使用する前連結会計年度の生産実績は、変更後の集計方法に基づき再計算しています。
(注4) 当連結会計年度のアメリカス医薬品事業において、生産実績が著しく減少しました。これは主に、前連結会計年度の米国での「Aciphex」の独占販売期間満了や「Dacogen」の譲渡等に伴う売上収益減少によるものです。
(注5) 当連結会計年度の中国医薬品事業において、生産実績が著しく増加しました。これは主に、「メチコバール」及び「強力ミノファーゲンシー/グリチロン錠」の売上収益増加によるものです。
② 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2014年4月 1日 至 2015年3月31日) |
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金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
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日本医薬品事業 |
54,178 |
102.7 |
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アメリカス医薬品事業 |
18,651 |
104.7 |
|
中国医薬品事業 |
736 |
187.1 |
|
アジア医薬品事業 |
6,949 |
136.9 |
|
EMEA医薬品事業 |
1,473 |
125.4 |
|
薬粧-日本 |
3,711 |
87.5 |
|
報告セグメント計 |
85,698 |
105.2 |
|
その他事業 |
5,069 |
88.0 |
|
合計 |
90,767 |
104.1 |
(注1) 金額は仕入価格により算出し、セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2) 上記金額には消費税等を含めていません。
(注3) 当連結会計年度より、商品仕入実績の集計方法を変更しました。前連結会計年度比の算定に使用する前連結会計年度の商品仕入実績は、変更後の集計方法に基づき再計算しています。
(2) 受注状況
当連結グループは販売計画に基づいた生産を行っているため、該当事項はありません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2014年4月 1日 至 2015年3月31日) |
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金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
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日本医薬品事業 |
278,399 |
89.5 |
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アメリカス医薬品事業(注2) |
119,822 |
75.4 |
|
中国医薬品事業 |
41,019 |
129.0 |
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アジア医薬品事業 |
30,894 |
117.7 |
|
EMEA医薬品事業 |
38,516 |
120.5 |
|
薬粧-日本 |
17,019 |
88.0 |
|
報告セグメント計 |
525,669 |
90.7 |
|
その他事業 |
22,796 |
112.7 |
|
合計 |
548,465 |
91.5 |
(注1) セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2) 当連結会計年度のアメリカス医薬品事業において、販売実績が著しく減少しました。これは主に、前連結会計年度の米国での「Aciphex」の独占販売期間満了や「Dacogen」の譲渡等によるものです。
(注3) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
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相手先 |
当連結会計年度 (自 2014年4月 1日 至 2015年3月31日) |
前連結会計年度 (自 2013年4月 1日 至 2014年3月31日) |
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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アルフレッサ ホールディングス㈱ |
71,282 |
13.0 |
78,873 |
13.2 |
|
㈱スズケン |
62,000 |
11.3 |
69,808 |
11.6 |
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㈱メディパル ホールディングス |
55,113 |
10.0 |
63,701 |
10.6 |
(注4) 上記金額には消費税等を含めていません。
当社グループは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献することを企業理念としています。この理念のもとですべての役員及び従業員が一丸となり、世界のヘルスケアの多様なニーズを充足し、いかなる医療システム下においても存在意義のあるヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業となることをめざしています。この基本的な考え方を定款に定め、株主の皆様と共有化をはかっています。
患者様とそのご家族の喜怒哀楽を知るためには、まず社員一人ひとりが患者様の傍らに寄り添い、患者様の目線でものを考え、言葉にならない想いを感じとることが重要であり、これがすべての企業活動の出発点となります。
当社グループでは、国内外のすべての従業員が、就業時間の1%を患者様とともに過ごすことを推奨しています。
当社グループは、このhhc理念の実現に向けて、主要なステークホルダーズである患者様と生活者の皆様、株主の皆様及び社員との信頼関係の構築につとめるとともに、コンプライアンス(法令と倫理の遵守)を日々実践し、企業価値の向上に取り組んでいます。
製薬企業を取り巻く環境は、大きく変化しています。グローバルに進展する高齢化や新興国・開発途上国の経済発展に伴って市場が拡大するとともに、iPS細胞などの再生医療や遺伝子治療、予防を超えた先制医療などの先端的な取り組みが進み、事業機会が拡大しています。
高齢化の進展による認知症の患者様の増加とそれに伴う様々な社会コストの増加は、グローバルに取り組むべき課題としてクローズアップされており、「G8認知症サミット」が開催されるなど、各国政府も最重要課題として取り組んでいます。当社グループは、「アリセプト」の創製以来、30年以上の認知症分野における創薬活動で培った経験・知識・ノウハウを活かし、認知症関連の創薬プロジェクトの充実に注力しています。
また、がん領域においては、遺伝子情報などを活用した新たな治療法が次々と誕生しているものの、未だ治療困難ながんも多く、大きなアンメット・メディカル・ニーズが存在しています。当社グループは、がん領域においても遺伝子情報などのヒューマンバイオロジーに基づき、低分子から抗体医薬まで様々なアプローチによる創薬に取り組んでいます。
当社グループは、コンプライアンスを尊重した適正かつ透明性の高い事業活動をめざすとともに、世界各国の患者様とそのご家族のベネフィット向上に貢献していきます。
(1) 革新的新薬の早期創出
① 神経領域
アルツハイマー型認知症の病因の一つとされているアミロイドベータ(Aβ)を標的とし、現在フェーズⅡ試験段階にあるBACE阻害剤「E2609」及び抗Aβプロトフィブリル抗体「BAN2401」の臨床開発では、より短期間で効果を検証できる試験デザインを採用し、自社開発した高感度の評価スケールを用いることで、開発期間の短縮や成功確度の向上をめざしています。また、「E2609」及び「BAN2401」については、Biogen社(米国)と共同開発・共同販促契約を締結し、同時にBiogen社の抗Aβ抗体「BIIB037」及び抗タウ抗体に対しては、共同開発・共同販促のオプション権を保有しています。今後、本提携の価値を最大に活かし、次世代アルツハイマー型認知症治療剤の早期開発をめざします。
自社創製の抗てんかん剤「Fycompa」については、すでに欧米を中心に各国で承認を取得している部分てんかんの併用療法に加えて、全般てんかん併用療法に係る追加適応について欧米で申請中です。さらに、日本においても、部分てんかん及び全般てんかんの併用療法に係る適応での新薬承認申請を2015年度第2四半期に予定しています。
② がん領域
転移性乳がんに係る適応で承認を取得している自社創製の抗がん剤「ハラヴェン」について、2015年度上期に日米欧で軟部肉腫に係る追加適応を申請する予定です。一方、自社創製の新規抗がん剤「レンビマ」は、甲状腺がんに係る適応で、米国で発売、日本で承認取得し、欧州では欧州医薬品庁の医薬品委員会より承認勧告を受領しています。承認国のさらなる拡大をはかるとともに、肝細胞がんや腎細胞がんなど複数のがんを対象に適応拡大をめざします。また、「ハラヴェン」ならびに「レンビマ」と抗PD-1抗体「ペンブロリズマブ」の併用療法について、Merck& Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.との研究提携契約に基づき、臨床試験を開始する予定です。
(2) 成長回帰への取り組み
① グローバル新製品群の拡大
「ハラヴェン」は、転移性乳がんに続き、軟部肉腫に適応を拡大することで化学療法の基幹療法としてのポジショニングを確立し、さらなる患者様貢献につなげます。新製品「レンビマ」については、2015年度中に、米国、日本に続き、欧州を含む20カ国以上で発売の予定です。「Fycompa」についても、米国、欧州で申請中の全般てんかん併用療法の適応追加により、成長加速をめざします。また、「Belviq」は米国においてテレビ広告(DR-TV)と患者様アクセスにフォーカスした効率的かつ効果的なプロモーションを展開し、処方拡大をはかります。
② 日本医薬品事業の成長確保
「アリセプト」のレビー小体型認知症ならびに「パリエット」の低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の適応追加によって、両製品を基盤製品として安定化させることをめざします。さらに「ハラヴェン」や新発売予定の「レンビマ」などの抗がん剤及びヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」、睡眠導入剤「ルネスタ」、疼痛治療剤「リリカ」の持続的拡大で成長につなげます。
③ 中国における高い成長性の維持
当社グループにおける中国事業の重要性が増していることから、中国事業を一つのリージョンとして独立させ、新たに中国リージョンの統括会社を設立しました。これにより、現地での事業機会に対する迅速な意思決定を可能とする自律的体制を確立する一方、都市及び病院に対するカバレッジのさらなる拡大をはかり、高い成長性を維持します。また、製品の安定供給体制の強化及び生産効率向上に向け、新工場用地に注射剤生産棟が竣工し、固体剤生産棟の建設も予定しています。
④ ストラテジックマーケットにおける早期採算化
カナダ、メキシコ、ブラジル、ロシア、オーストラリアの5カ国を、将来の成長を担うストラテジックマーケットと位置付け、「ハラヴェン」「Fycompa」「レンビマ」の申請及び発売を着実に進めています。これらの国々では、事業開始後の早い段階での利益貢献をめざし、他社との提携なども視野に入れて各国における最適なビジネスモデルを展開します。
⑤ 成長と投資のバランスをはかる費用管理の徹底
2015年度以降も引き続きイノベーションへの投資と成長ドライバーの育成に積極的な費用投入を行っていきます。特に、認知症治療剤や抗がん剤の開発による中・後期臨床開発費の増加が見込まれています。積極的な研究開発投資を維持しつつ事業採算性の改善がはかられるよう、成長と投資のバランスを重要な経営課題としてとらえ、生産、研究開発、販売、管理のあらゆるレベルにおいて抜本的な業務・費用構造の改革に取り組んでいきます。
(3) 医薬品アクセス改善に向けた取り組み
当社グループは、開発途上国及び新興国に蔓延する顧みられない熱帯病の一つであるリンパ系フィラリア症を制圧するために、その治療薬である「DEC(ジエチルカルバマジン)」22億錠を当社インド・バイザッグ工場で製造し、2020年まで世界保健機関(WHO)に「プライス・ゼロ(無償)」で提供する契約を締結しています。2015年3月現在、19カ国に約3億錠を供給しました。当社グループは、その他の顧みられない熱帯病、結核、マラリアに対する新薬開発にも取り組み、これらの領域を専門とする国際的な非営利団体や研究所などとのパートナーシップを積極的に推進しています。
(4) グローバルな事業活動の適正化と透明性の追求
当社グループの事業活動は、日米欧などの先進国だけでなく、アジアをはじめとする新興国・開発途上国に拡大しています。各国における法令やルールに従い、また、それらの変化に迅速に対応し、適正で透明性の高い事業活動の展開に向けて数々の取り組みを行っています。特に、新たなグローバル・ビジネス・マトリクス体制においては、hhcとコンプライアンスを根幹とする事業活動の基盤を強化しています。製薬企業の事業活動の適正性に対する社会的な要請が高まる中、当社グループはコンプライアンスと内部統制をさらに強化するとともに、役員・従業員の研修を徹底し、適正かつ透明性の高い事業活動とリスク管理につとめていきます。
(5) 株主価値創造に向けた資本政策
当社グループの資本政策は、「中長期的なROE経営」、「持続的・安定的な株主還元」、「成長のための投資採択基準」を軸に、成長投資と安定した株主還元を両立し、持続的な株主価値向上に努めています。
① 中長期的なROE経営
当社グループは、ROEを持続的な株主価値の創造に関わる重要な指標と捉えています。「中長期的なROE経営」では、売上収益利益率(マージン)、財務レバレッジ、総資産回転率(ターンオーバー)を常に改善し、中長期的に資本コストを上回るROEをめざしてまいります。
② 持続的・安定的な株主還元
株主還元は、取締役会で決議した「当社の株主還元に関する考え方」に基づき、健全なバランスシートをベースとし、連結業績、DOE及びフリー・キャッシュ・フロー等を総合的に勘案し、株主の皆様へ継続的・安定的に実施します。なお、健全なバランスシートの尺度として、親会社所有者帰属持分比率、負債比率(Net DER)の指標を採用しています。
③ 成長のための投資採択基準
成長投資による価値創造を担保するために、戦略投資に対する採択基準を設け、正味現在価値と内部収益率に基づき、投資を厳選しています。
(6) コーポレートガバナンス
当社は、常に最良のコーポレートガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組んでいます。当社は、株主の皆様の権利を尊重し、経営の公正性・透明性を確保するとともに、経営の活力を増大させることがコーポレートガバナンスの要諦であると考え、次の基本的な考え方に沿って、コーポレートガバナンスの充実を実現していきます。
① 株主の皆様との関係
・株主の皆様の権利を尊重する。
・株主の皆様の平等性を確保する。
・株主の皆様を含む当社のステークホルダーズとの良好・円滑な関係を構築する。
・会社情報を適切に開示し、透明性を確保する。
② コーポレートガバナンスの体制
・当社は指名委員会等設置会社とする。
・取締役会は、法令の許す範囲で業務執行の意思決定を執行役に大幅に委任し、経営の監督機能を発揮する。
・取締役会の過半数は、独立性のある社外取締役とする。
・執行役を兼任する取締役は、代表執行役CEO1名のみとする。
・経営の監督機能を明確にするため、取締役会の議長と代表執行役CEOとを分離する。
・指名委員会及び報酬委員会の委員は、全員を社外取締役とし、監査委員会の委員は、その過半数を社外取締役とする。
・指名委員会、監査委員会及び報酬委員会の各委員長は社外取締役とする。
・財務報告の信頼性確保をはじめとした内部統制の体制を充実する。
(7) 当社コーポレートガバナンスの特長
① 経営の監督と業務執行の明確な分離
当社のコーポレートガバナンスの機軸は、指名委員会等設置会社であることを最大限に活用した経営の監督機能と業務執行機能の明確な分離にあります。
過半数が社外取締役で構成される取締役会は、執行役に業務執行の意思決定権限を大幅に委任することで、経営の監督に専念しています。取締役会は、会社法にもとづき、「業務の適正を確保するための体制」に関する規則を決議し、執行役が整備・運用すべき内部統制を具体的に定めています。執行役は、本規則に定められた事項のみならず、自らが担当する職務範囲において内部統制を整備・運用することにより自律性を確保し、業務執行の機動性と柔軟性を高め、経営の活力を増大すべく取り組んでいます。
取締役会は、このような体制のもと、執行役の業務執行状況を確認するとともに、業務執行や意思決定のプロセスなど内部統制の状況について株主の皆様や社会の視点でその妥当性を点検しています。
さらに、経営の監督と業務執行を明確に分離するために、取締役会の議長を社外取締役とし、執行役を兼任する取締役は代表執行役CEOのみとしています。
② 社外取締役の独立性・中立性の確保
当社のコーポレートガバナンス体制を実効的に支えるのは、取締役会の過半数を占める独立性・中立性のある7名の社外取締役の存在です。当社の指名委員会は、自ら定めた「社外取締役の独立性・中立性の要件」(以下、「本要件」)を厳格に運用して選任を行っています。
また、本要件については、法令や証券取引所等の基準変更への対応や、コーポレートガバナンス向上の観点から毎年見直しを行っています。
③ 継続的なコーポレートガバナンス充実への検討の仕組み
(a) 取締役会の職務執行の自己レビュー
当社は、最良のコーポレートガバナンスを実現する指針として、コーポレートガバナンスガイドラインを制定し、取締役会は毎年、本ガイドラインにもとづき取締役会等の職務遂行の自己レビューを行うとともに、必要に応じて本ガイドラインの改正を行うことでコーポレートガバナンスの実効性を高めています。
(b) 社外取締役ミーティング
当社では、定期的に社外取締役のみで構成する社外取締役ミーティングを開催しています。当社のコーポレートガバナンスの状況や取締役会の運営について議論する場を設け、議論により導かれた執行部門に対する提案をフィードバックするなどして、取締役会等における実りの多い議論につなげています。
(c) 役員研修会等の実施
取締役を対象とした研修会等は、取締役会事務局が取締役からの要望等をふまえ、必要に応じて随時企画し、実施しています。新任の社外取締役については、当社取締役への就任に備えるために、会社概要、企業理念、経営状況、コーポレートガバナンスに関する事項及び各種規則等の説明を取締役会事務局が就任直前に行っています。さらに、就任後は当社への理解を深めることを目的に、当社の事業活動、医薬品業界の特徴や動向、当社の経営環境等について、研修会や見学会等を早期に実施しています。また、取締役及び執行役を対象としたコンプライアンス役員研修会をコンプライアンス・リスク管理推進部が定期的に実施しています。
なお、当社のコーポレートガバナンスガイドライン、取締役会規則、指名委員会規則、監査委員会規則、報酬委員会規則、及びコーポレートガバナンスシステムに関する状況を以下のホームページに掲載しています。(http://www.eisai.co.jp/company/governance/index.html)
また、「コーポレートガバナンス報告書」を東京証券取引所へ報告し、同取引所ならびに当社のホームページに掲載していますのでご参照ください。
(8) コンプライアンス・リスク管理
当社グループは、コンプライアンスを「法令と倫理の遵守」と定義し、経営の根幹に据えています。また、内部統制を「事業活動を適正かつ効率的に遂行するために、社内に構築され運用されている体制及びプロセス」と定義し、「内部統制ポリシー」をグループの役員及び全従業員で共有しています。あわせてチーフコンプライアンスオフィサー兼内部統制担当執行役を任命し、コンプライアンス及びリスクに対する意識向上と対応力強化をめざして、コンプライアンスと内部統制の整備をグローバルに推進しています。
① コンプライアンスの推進
コンプライアンス・リスク管理推進部が、世界の各リージョンの推進担当部署及び各部署、各ENW*1のコンプライアンス推進担当者と連携し、グローバルにコンプライアンスの推進活動を行っています。
当社グループのコンプライアンス推進活動は、国内外の弁護士やコンサルタント等社外専門家で組織されたコンプライアンス委員会により、客観的なレビューを定期的に受けています。また、コンプライアンス委員会はチーフコンプライアンスオフィサーに適切に助言及び勧告を行っています。
*1 ENW(Eisai Network Companies)とは、エーザイ㈱及びその関係会社で構成されている企業グループのことです。
② コンプライアンス意識の浸透
当社グループでは、役員及び従業員一人ひとりが、常にコンプライアンスに則った企業活動を行っていくことを確たるものとする上で、コンプライアンス意識の全役員及び従業員への浸透が不可欠であると考えています。
このため、ENW企業行動憲章、行動指針をとりまとめた「コンプライアンス・ハンドブック」をすべての役員及び従業員向けに作成し、18カ国語で発行しており、携帯用「コンプライアンス・カード」とあわせてグループ全役員及び従業員で共有しています。また、新任の組織長に対して、コンプライアンスに則った組織マネジメントの実践について研修を実施しています。
コンプライアンス研修会、e-ラーニング、メールマガジンの配信など、様々な媒体を駆使した教育研修を継続して実施し、コンプライアンス意識の醸成に取り組んでいます。
③ コンプライアンス・カウンターの活用
コンプライアンス・カウンターは、法律の解釈などコンプライアンスに関して判断に迷った場合や、自分自身の行動や上司、同僚の行動がコンプライアンスに則っているか疑問を感じた場合など、すべての役員及び従業員の身近な相談・連絡窓口として設置されています。ハラスメント、個人情報保護、著作権、公務員倫理規程、業界の自主規制など様々な分野の問い合わせ、相談に活用されています。また、弁護士による社外カウンターや社外相談員が運営する社外相談窓口を設置し、コンプライアンスを充実するための環境を整備しています。
④ 内部統制の整備・運用及びリスク管理の推進
内部統制担当執行役が定める内部統制ポリシーにもとづき、すべての執行役は、自らの責任範囲において内部統制を整備、運用しています。
コンプライアンス・リスク管理推進部では、各執行役が整備・運用する内部統制を支援することを目的とし、日常的な業務リスクの低減に取り組む仕組みとして、①執行役を対象にしたインタビューによる全社的な重要リスクの把握、及び②ENWの全組織長を対象にCSA(Control Self-Assessment:統制自己評価)を実施しています。CSA活動では、リスクマネジメントサイクル(事業目標の達成を阻害するリスクの識別、評価、対応、モニタリング)の活性化をはかり、組織レベルの内部統制全般の整備・運用、日常的な業務リスクの低減を支援しています。
また、日本、米州、欧州、アジア、中国にCSAを推進する組織もしくは担当者を設置し、リスク管理の支援を通じてグローバルに内部統制の推進を行っています。
(9) 危機管理に対する取り組み
当社グループでは、危機管理委員会を設け、危機管理に関する基本的な考え方と有事に対して備えるべき事項を「ENW危機管理方針」としてとりまとめています。有事の際にも、患者様への貢献活動を途絶えさせないための「ENW事業継続計画」を制定し、グローバルに共有しています。これらに基づき各機能や担当地域ごとに、それぞれの事業内容や地域特性に沿った危機管理体制を構築し、有事における従業員の安全確保を最優先とした初動対応に関する規程・マニュアルを策定しています。
また、有事の際には本社に危機対策本部を立ち上げ、各機能や担当地域と連携をはかりながら事業継続に向けた対応をとる体制を構築しています。2014年度に立ち上げた具体的事例としては、タイにおける政情不安への対応やインドのバイザッグ工場におけるサイクロン被害などがありました。なお、これらの体制や対策が有効に機能することを、年2回以上の各種防災訓練の中で検証し、必要に応じて、規程・マニュアル類を改定しています。
(10) 環境への配慮
当社グループでは、「ENW環境方針」にもとづく環境マネジメント体制のもと、すべての役員及び従業員が環境基本理念を共有しています。日本の主要生産拠点、蘇州工場(中国)及びバイザッグ工場(インド)にてISO14001認証を取得するなど、グループ全体で環境保全活動を展開しています。
そして、資源の投入と環境への負荷を定量的に把握するとともに、廃棄物削減とリサイクルの推進、化学物質の適正な管理と使用量削減、環境教育に取り組んでいます。また、ホームページ等を通じて、環境保全に関するマネジメント体制や具体的な管理活動実績等について公表しています。
(11) 社会貢献
当社グループでは、医学・薬学の歴史、健康科学に関する知識の普及などを目的とした日本初のくすりに関する総合的な資料館「内藤記念くすり博物館」(岐阜県)を無料で公開しています。あわせて、人類の疾病の予防と治療に関する自然科学の研究を奨励し、学術の振興や人々の福祉に寄与することを目的とした「公益財団法人 内藤記念科学振興財団」(東京都)、医療及び医薬品に関する経済学的調査・研究、医薬品等に関する研究開発・生産・流通などについての調査・研究を行い医療とその関連諸科学の学際的研究・調査を推進することでわが国の医療と福祉の発展をはかることを目的とした「公益財団法人医療科学研究所」(東京都)に対する運営の支援を行っています。
(12) 株式会社の支配に関する基本方針
<基本方針の内容等>
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を、以下の「当社企業価値・株主共同の利益の確保に関する対応方針」(以下、本対応方針)として定めております。
本対応方針は、2006年2月28日開催の取締役会において社外取締役独立委員会より提案され、導入されたものであります。その後、2011年8月に有効期間と一部記載事項の変更を行うものの、内容としては継続することが当社取締役会で決議されております。本対応方針については、毎年、定時株主総会後に、新たに選任された社外取締役全員で構成される社外取締役独立委員会で継続・見直し・廃止の審議を行うことになっております。
2014年度は、6月20日に開催された第102回定時株主総会終了後に、新任2名を含む社外取締役7名全員で構成される社外取締役独立委員会(委員長:鈴木修)を開催し、本対応方針が以下の仕組みを有しており、現行で継続することを当社取締役会に提案する旨、決議いたしました。
① 経営陣の恣意性が排除されている。
② 同方針は、毎年、継続・見直し・廃止が検討される。
③ 取締役選任議案をもって、同方針に対する株主の皆様のご意向を反映できる。
なお、2014年8月1日開催の取締役会において、社外取締役独立委員会より提案された本対応方針の継続が審議され、承認されています。
2015年3月開催の委員会においては、本対応方針に対する賛否を全委員に問い、全員賛成の意思表示が確認されました。
[当社企業価値・株主共同の利益の確保に関する対応方針]
1. 導入の理由
当社は、ヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業として、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを最優先の課題としておりますが、かかる企業価値・株主共同の利益の向上は、患者価値を創出することにより実現できるものと考えております。この患者価値を創出するためには、新薬の研究・開発の更なる推進、高品質な製品の生産・販売、医薬品の安全な使用を実現するための情報の管理・提供等が必要です。これらを実現するためには、長期的な視野のもとに大胆に企業施策を行わなければならず、また、株主価値を創出するためには、企業として安定的かつ継続的に成長していくことが不可欠の前提となります。さらに、当社は、企業としての社会的責任を全うしつつ、これらの課題を達成するため、2004年に委員会等設置会社に移行し、透明性の高いガバナンス体制を志向しております。
また、当社は長期的視点に立って策定された中期戦略計画をはじめとする諸施策を遂行・実施することにより、企業価値を高め、株主の皆様の価値を向上する所存であります。しかし、当社事業を取り巻く競争関係の激化、企業買収に対するわが国における法制度・企業文化の変化・変容等を踏まえると、当社の経営方針に重大な影響を与える買付が行われることも予想されます。特に、当社の発行済株式総数の15%以上に相当する株式の買付が行われると、当社経営に重大な影響が生じ、上記施策を遂行・達成することができなくなるおそれがあります。この15%以上に相当する株式の買付による影響については、次の事項からもその重大さは明らかであると考えられます。まず、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則による関連会社の基準に、議決権の15%以上、20%未満を所有し重要な影響を与え得ることが推測される事実の存在がある場合が含まれていることがあげられます。また、15%という株式の買付は、株主総会の特別決議の否決に関して、その定足数も考慮に入れた場合、非常に大きな割合を占めることになります。
もとより当社は、当社の株式を大量に取得したり、当社の経営に関与しようとする買付については、それが当社の企業価値を大きく向上させるものであれば、これを一概に否定するものではありません。しかし、株式を大量に取得する買付の中には、買付目的や買付後の経営方針等に鑑み、株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買付に応じることを株主に強要するような仕組みを有するもの、会社や株主に対して買付に係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えないもの、買付条件が当社企業価値・株主共同の利益の確保の観点から不十分又は不適切であるもの等の不適切な買付も少なくないと考えられます。更に、当社が患者価値の創出を実現し、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるためには、上述のとおり新薬の研究・開発体制、高品質製品の安定供給、薬剤の安全性と有効性の情報の管理・提供の確保が必要不可欠であり、これらが確保されなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が毀損されることになります。
そこで、当社は、上記に記載した買付類型を含む当社企業価値・株主共同の利益に反する買付を防止するためには、当社企業価値・株主共同の利益の確保に関する対応方針(以下「本対応方針」といいます。)を導入することが必要不可欠であると判断し、その導入を決定致しました。
本対応方針は、当社に対するかかる買付が行われる場合には、買付者又は買付提案者(以下、公開買付者又はその提案者も含め、併せて「買付者等」といいます。)に対し、事前に当該買付内容に関する情報の提供を求め、当社が、当該買付についての情報収集・検討等を行う期間を確保した上で、必要に応じて、株主の皆様に事業計画等を説明したり、代替案を提示するとともに、買付者等と交渉を並行して行っていくことを可能とすることを狙うものです。これに対し、買付者等がこうした事前の情報提供なく買付を行う場合や、当該買付が当社の企業価値・株主共同の利益を毀損しないものとは認められない場合には、後述のとおり、当該買付者等及びその一定の関係者による権利行使は認められないとの行使条件が付された新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)を、その時点の全ての株主に対して株主割当ての方法により発行します。本対応方針は、本新株予約権の発行により、当該買付者等の有する当社株式の議決権割合を相当低下させ、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する買付行為の阻止を図るものです。
もっとも、こうした対応方針の導入、実際に買付がなされた場合の当該買付の検討、必要に応じた買付者等との協議・交渉、その結果等を踏まえた本新株予約権の発行の必要性の有無の判断については、経営陣の自己保身に利用されることがないように特に客観性・合理性が要求されるところです。この点、当社の取締役会は、過半数が社外取締役によって構成されています。当社社外取締役7名は、いずれも、会社経営陣から独立した、経験と実績に富む会社経営者、経営学者、公認会計士、法律家であり、これらの者を過半数とし、かつ、社外取締役ではない4名も、業務執行に当たる取締役は1名のみであり、当社取締役会は、株主の皆様の利益を代表して上記の判断を客観的かつ合理的に行うことができるものと考えます。
本対応方針の導入に際しては、社外取締役のうち3名を構成員とする「特別委員会」を設置し、まず当該特別委員会にて、複数の外部専門家からもアドバイスを受け、検討致しました。その結果、特別委員会は、本対応方針が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する買付を防止するためには必要不可欠と判断しました。次に、本対応方針は社外取締役7名全員を構成員として設置された「社外取締役独立委員会」(その決議要件・決議事項等については(別紙1)「社外取締役独立委員会の概要」をご確認ください。)に対し提案され、社外取締役独立委員会は、本対応方針導入の可否を検討し、その結果本対応方針が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する買付を防止するためには必要不可欠と判断し、その導入を当社取締役会に提案致しました。取締役会は、審議の結果、本対応方針の導入を決定致しました。このように、本対応方針は当社の企業価値ひいては株主共同の利益のために、会社経営陣から独立した両委員会のイニシアティブにより採用されるに至ったものです。
加えて、本対応方針導入後においても、本対応方針の運用に際しての判断についてはその客観性・合理性が確保されるようにしております。実際に当社に対して買付がなされた場合には、社外取締役独立委員会が主体的に、下記4. に記載の各要件を満たすものであるか否かの判断を行います。
そして、社外取締役独立委員会は、当該買付が下記4. に記載のすべての要件を満たすと判断する場合を除き、原則として本新株予約権の発行を取締役会に提案いたします。取締役会は、これを受け本新株予約権の発行が必要であるかどうかを決議します。また、社外取締役独立委員会において、当該買付に対して本新株予約権を発行しない旨の決議をした場合には、取締役会では本新株予約権の発行に関する審議・決議は行いません。このように、本新株予約権を発行すべきか否かの判断に関しまして、経営陣の恣意的な判断を排除するとともに、本新株予約権の発行が容易にできない仕組みをとっております。
2. 本対応方針の対象となる買付
本対応方針においては、本新株予約権は、以下1)又は2)に該当する買付又はその提案(以下併せて「買付等」といいます。)がなされたときに、本対応方針に定められる手続に従い発行されることとなります。
1) 当社が発行者である株券等(1)について、保有者(2)の株券等保有割合(3)が15%以上となる買付その他
取得
2) 当社が発行する株券等(4)について、公開買付け(5)に係る株券等(6)の株券等所有割合(7)及びその特別関係者(8)の株券等所有割合の合計が15%以上となる公開買付け
(1) 金融商品取引法第27条の23第1項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。
(2) 金融商品取引法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。
(3) 金融商品取引法第27条の23第4項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。
(4) 金融商品取引法第27条の2第1項に定義されます。
(5) 金融商品取引法第27条の2第6項に定義されます。
(6) 金融商品取引法第27条の2第1項に定義されます。
(7) 金融商品取引法第27条の2第8項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。
(8) 金融商品取引法第27条の2第7項に定義されます。但し、同項第1号に掲げる者については、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第3条第2項で定める者を除きます。
3. 本新株予約権の発行のプロセス
1) 買付者等から社外取締役独立委員会に対する事前の情報提供
上記2. に定める買付等を行う買付者等には、買付等の実行に先立ち、当社社外取締役独立委員会宛に、(別紙2)に定める当該買付者等の買付等の内容の検討に必要な情報(以下「本必要情報」といいます。)及び買付者等が買付等に際して本対応方針に定める手続を遵守する旨を記載した書面(以下併せて「買付説明書」といいます。)を提出していただきます。
当社社外取締役独立委員会が、当該買付説明書の記載内容が本必要情報として不十分であると判断した場合には、当社社外取締役独立委員会は買付者等に対し、適宜回答期限を定めた上で、本必要情報を追加的に提出するよう求めることがあります。この場合には、当該期限までに、買付者等より追加の本必要情報の提供をしていただくこととします。
なお、当社社外取締役独立委員会は、引き続き買付説明書(本必要情報を含みます)の提出を求めて買付者等と協議・交渉等を行うべき特段の事情がある場合を除き、買付者等が本対応方針に定められた手続に従うことなく買付等を開始したものと認められる場合には、原則として、下記3. 3) (1)記載のとおり、当社取締役会に対して、本新株予約権を発行することを提案します。
2) 社外取締役独立委員会による当該買付者等の買付等の内容の検討・買付者等との交渉・株主の皆様への代替案の提示
当社社外取締役独立委員会は、買付者等から本必要情報が十分に記載された買付説明書及び社外取締役独立委員会から追加提出を求められた本必要情報が提出された場合、必要に応じ、当社の代表執行役CEOに対しても、社外取締役独立委員会が定める期間内に買付者等の買付等の内容に対する意見及びその根拠資料、代替案その他社外取締役独立委員会が適宜必要と認める情報・資料等を30日以内に提出することを求めます。
社外取締役独立委員会は、買付者等及び代表執行役CEOからの必要な情報・資料を受領後、原則として60日間(但し、下記3. 3) (3)に記載するところに従い、社外取締役独立委員会は当該期間について90日を限度として延長することができるものとします。)(以下「社外取締役独立委員会検討期間」といいます。)、買付者等の買付等の内容の精査・検討、当社代表執行役CEOが提出した代替案の精査・検討、買付者等と当社代表執行役CEOの事業計画等に関する情報収集・比較検討等を行います。また、社外取締役独立委員会は、必要があれば、直接又は間接に、当該買付者等と交渉を行い、また、株主の皆様に当社代表執行役CEOが提出した代替案の提示を行うものとします。
社外取締役独立委員会は、社外取締役独立委員会の判断が適切になされることを確保するために、自らの裁量により、当社の費用で、独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることができるものとします。
なお、買付者等は、社外取締役独立委員会検討期間が終了するまでは、上記2. に規定する買付等を実行することはできないものとします。
3) 社外取締役独立委員会の決議
社外取締役独立委員会は、買付者等が出現した場合において、以下の手続を行うものとします。
(1) 社外取締役独立委員会は、買付者等が上記3. 1)及び2)に規定する手続を遵守しなかった場合を含め、下記3. 3) (2)又は(3)のいずれにも該当しない限り、原則として、社外取締役独立委員会検討期間の開始又は終了の有無を問わず、当社取締役会に対して、本新株予約権を発行することを提案します。
但し、社外取締役独立委員会は、かかる提案の判断の前提となった事実関係等に変動が生じた場合には、本新株予約権の発行の中止を含む別個の判断を行うことができるものとします。
(2) 社外取締役独立委員会は、買付者等の買付等の内容の検討、買付者等との交渉の結果、当該買付者等による買付等が下記4. 1)から9)のいずれの要件も満たすと判断した場合には、社外取締役独立委員会検討期間の終了の有無を問わず、本新株予約権を発行しないことを決議いたします。この不発行の決議に関して、当社取締役会で本新株予約権の発行の有無について改めて審議等をすることはありません。
但し、社外取締役独立委員会は、かかる決議の判断の前提となった事実関係等に変動が生じた場合には、本新株予約権の発行の提案を含む別個の判断を行い、これを当社取締役会に提案することができるものとします。
(3) 社外取締役独立委員会が、当初の社外取締役独立委員会検討期間終了時までに、本新株予約権の発行又は不発行の決議を行うに至らない場合には、社外取締役独立委員会は、当該買付者等の買付等の内容の検討・当該買付者等との交渉・代替案の提出要求及び検討等に必要な範囲内で、社外取締役独立委員会検討期間を延長する旨の決議を行います(なお、当該期間延長後、更なる期間の延長を行う場合においても同様の手続によるものとします。)。
上記決議により社外取締役独立委員会検討期間を延長した場合、社外取締役独立委員会は、引き続き、買付者等の買付等の内容の検討・必要な場合には買付者等との交渉・代替案の提出要求及び検討等を行うものとし、延長期間内に本新株予約権の発行の提案又は不発行の決定や当社の株主の皆様に代替案の提示等を行うよう努めるものとします。
4) 取締役会の決議
当社取締役会は、社外取締役独立委員会から上記本新株予約権発行の提案を受けた場合、速やかに決議を行うものとします。
但し、取締役会は、かかる決議の判断の前提となった事実関係等に変動が生じた場合には、別個の判断を行うことができるものとします。
なお、当社社外取締役独立委員会が本新株予約権の不発行の決議をした場合には、上記3. 3) (2)に記載のとおり、社外取締役独立委員会の決議によるものとし、当社取締役会で本新株予約権の発行の有無について審議等をすることはありません。
5) 情報開示
当社は、本対応方針の運用に際しては、法令又は金融商品取引所の規程・規則等に従い、以下に掲げる本対応方針の各手続きの進捗状況並びに当社社外取締役独立委員会及び当社取締役会が適切と考える事項について、適時に情報開示を行います。
(1) 上記2. の1)又は2)に該当する買付がなされた事実
(2) 買付者等から買付説明書が提出された事実及び本必要情報その他の情報のうち社外取締役独立委員会が適切と判断する事項
(3) 社外取締役独立委員会が検討を開始した事実及び検討期間の延長が行なわれた事実(その期間と理由を含む)
(4) 社外取締役独立委員会が、本新株予約権の発行を提案した事実及びその概要並びに本新株予約権を発行すべきと判断した理由その他社外取締役独立委員会が適切と判断する事項
(5) 取締役会が、本新株予約権の発行の決議を行った事実及びその概要並びに当該決定の判断理由その他取締役会が適切と判断する事項
(6) 社外取締役独立委員会が、本新株予約権の不発行を決議した事実及びその概要並びに本新株予約権を不発行とすべきと判断した理由その他社外取締役独立委員会が適切と判断する事項
(7) 上記(4)又は(6)の決議の判断の前提となった事実関係等に変動が生じ、社外取締役独立委員会が本新株予約権の発行の中止又は本新株予約権の発行の提案を含む別個の判断を下した場合に社外取締役独立委員会が必要と認める事項
(8) 上記(5)の決議の判断の前提となった事実関係等に変動が生じ、取締役会が別個の判断を下した場合に取締役会が必要と認める事項
4. 本新株予約権を発行する基準
社外取締役独立委員会は、本対応方針の対象となる買付等が、以下の全ての要件を満たすと判断する場合を除き、原則として本新株予約権を発行することを取締役会に提案する予定としております。
1) 本対応方針に定める手続を遵守した買付等である場合
2) 下記に掲げる行為等により当社企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらす虞のある買付等ではない場合
(1) 株式を買い占め、その株式について当社に対して高値で買取りを要求する行為
(2) 当社の経営を一時的に支配して、当社の重要な資産等を廉価に取得する等当社の犠牲の下に買付者等の利益を実現する経営を行うような行為
(3) 当社の資産を買付者等やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する行為
(4) 当社の経営を一時的に支配して当社の事業に当面関係していない高額資産等を処分させ、その処分利益をもって、一時的な高配当をさせるか、一時的高配当による株価の急上昇の機会をねらって高値で売り抜ける行為
3) 強圧的二段階買付(最初の買付で全株式の買付を勧誘することなく、二段階目以降の買付条件を不利に設定し、あるいは明確にしないで、公開買付け等の株式買付を行うことをいいます。)等株主に株式の売却を事実上強要する虞のある買付等ではない場合
4) 当社に、当該買付等に対する代替案を提示するために合理的に必要な期間を与えない買付等ではない場合
5) 当社株主に対して、買付者等の概要(別紙2本必要情報1. の例示を含みます。)、買付等の価格の算定根拠(別紙2本必要情報3. の例示を含みます。)及び買付等の資金の裏付け(別紙2本必要情報4. の例示を含みます。)、買付等の後の経営方針、事業計画、資本政策及び配当政策等(別紙2本必要情報5. の例示を含みます。)の買付等の内容を判断するための情報が提供されない、又は提供された場合であっても当該買付者等の現在又は将来の株券等保有割合等に照らして提供された情報が不十分である買付等ではない場合
6) 買付等の条件(別紙2本必要情報2. 及び6. の例示を含みます。)が当社の本源的価値に鑑み不十分又は不適当である買付等ではない場合
7) 法令又は定款に違反する買付等ではない場合
8) 株主としての買付者等の行動が当社の経営に悪影響を及ぼし、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に重大な損害をもたらす虞のある買付等ではない場合
9) 買付等が行われる時点の法令、行政指導、裁判結果、証券取引所の規則により、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に重大な損害をもたらす虞のある買付等であると明らかに認められている買付等ではない場合
5. 本対応方針の有効期間
本対応方針の有効期間は、2016年6月30日までとします。
社外取締役独立委員会は、本対応方針導入後、毎年、定時株主総会開催後に、本対応方針の継続、見直し又は廃止について検討するものとします。その結果は、取締役会に提案され、取締役会で審議の上、本対応方針は継続、見直し又は廃止されるものとします。当社では、全取締役の任期を1年としており、取締役は、毎年6月の定時株主総会で選任されております。取締役の任期の期差別や解任制限等は存在しないことから、1回の株主総会により全取締役の選解任が可能であり、当該総会で選任された取締役により構成された取締役会において、社外取締役独立委員会の提案を受け、本対応方針を廃止する決議を行うことが可能であり、また社外取締役独立委員会において本新株予約権の発行を行わない旨の決議を行うことも可能であります。以上の点からして、本対応方針の継続、見直し又は廃止に関して当社の株主の皆様のご意向を十分に反映させることができるものと考えております。
なお、当社は、本対応方針の有効期間中であっても、社外取締役独立委員会の検討に基づき、必要に応じて、本対応方針を見直しもしくは変更し、又は別の買収防衛策を導入する場合があります。
6. 本新株予約権の主要な条件
本対応方針に基づき発行する予定の本新株予約権の主要な条件等は以下のとおりです。また、当社は、機動的な発行を目的として、本新株予約権について予め発行登録を行う予定でおります。
1) 割当対象株主
本新株予約権の発行決議(以下「本発行決議」といいます。)において、当社取締役会が割当期日と定める日(以下「割当期日」といいます。)の最終の株主名簿に記載又は記録された株主に対し、その所有株式(但し、当社の保有する当社株式を除きます。)1株につき本新株予約権1個の割合で割り当てます。
2) 本新株予約権の目的とする株式の種類及び数
本新株予約権の目的となる株式の種類は当社普通株式とし、本新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は1株又は本発行決議において当社取締役会が定める株数とします。
3) 本新株予約権の総数
割当期日における最終の発行済株式総数(但し、当社の保有する当社普通株式を除きます。)を上限とします。
4) 本新株予約権の発行価額
無償とします。
5) 本新株予約権の行使に際して払込をなすべき額
新株予約権1個当たり1円とします。
6) 本新株予約権の行使期間
本発行決議において当社取締役会が定める本新株予約権の発行日から、最短1カ月最長2カ月の間で、本発行決議において当社取締役会が定める期間とします。
7) 本新株予約権の行使条件
(1) ①割当期日又は本新株予約権の行使日において特定大量保有者(下記(ア)ないし(エ)の各号に記載される者を除き、(i)当社が発行者である株券等(9)の保有者(10)で、当該株券等に係る株券等保有割合(11)が15%以上となる者もしくは15%以上となると当社取締役会が認めた者、又は(ii)公開買付け(12)によって当社が発行者である株券等(13)の買付け等(14)を行う者で、当該買付け等の後におけるその者の所有(15)に係る株券等所有割合(16)及びその者の特別関係者(17)の株券等所有割合と合計して15%以上となる者)、②その共同保有者(18)(上記(i)に定めるとき)、③その特別関係者(上記(ii)に定めるとき)、④上記①ないし③記載の者から本新株予約権を当社取締役会の承認を得ることなく譲受もしくは承継した者、又は、⑤実質的に、上記の①ないし④記載の者が支配し、当該者に支配されもしくは当該者と共同の支配下にある者として当社取締役会が認めた者、もしくは当該者と協調して行動する者として当社取締役会が認めた者(以下、上記①ないし⑤を総称して「特定大量保有者等」といいます。)は、本新株予約権を行使することができません。
(ア)当社、当社の子会社(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第8条第3項に定義される。)又は当社の関連会社(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第8条第5項に定義されます。)
(イ)当社を支配する意図がなく上記(i)又は(ii)に該当することになった者である旨当社取締役会が認めた者であって、かつ、上記(i)又は(ii)に該当することになった後10日間(但し、当社取締役会はかかる期間を延長することができます。)以内にその保有する当社の株券等を処分することにより上記(i)及び(ii)に該当しなくなった者
(ウ)当社による自己株式の取得その他の理由により、自己の意思によることなく、上記(i)又は(ii)に該当することになった者である旨当社取締役会が認めた者(但し、その後、自己の意思により当社の株券等を新たに取得した場合を除きます。)
(エ)その者が当社の株券等を取得又は保有することが当社の利益に反しないと当社取締役会が認めた者(一定の条件の下に当社の利益に反しないと当社取締役会が認めた場合には、当該条件が満たされている場合に限ります。)
( 9) 金融商品取引法第27条の23第1項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。
(10) 金融商品取引法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。
(11) 金融商品取引法第27条の23第4項に定義されます。
(12) 金融商品取引法第27条の2第6項に定義されます。
(13) 金融商品取引法第27条の2第1項に定義されます。
(14) 金融商品取引法第27条の2第1項に定義されます。以下同じとします。
(15) これに準ずるものとして金融商品取引法施行令第7条第1項に定める場合を含みます。
(16) 金融商品取引法第27条の2第8項に定義されます。以下同じとします。
(17) 金融商品取引法第27条の2第7項に定義されます。但し、同項第1号に掲げる者については、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第3条第2項で定める者を除きます。以下同じとします。
(18) 金融商品取引法第27条の23第5項に定義されるものをいい、同条第6項に基づき共同保有者と見なされる者を含みます。
(2) 上記(1)の規定のほか、自己が特定大量保有者等ではないことを表明していない者、その他本発行決議において当社取締役会が定める事項を誓約する書面を提出していない者は、本新株予約権を行使することはできません。
8) 本新株予約権の消却
本新株予約権については、消却事由及び消却の条件は定めません。
9) 本新株予約権の譲渡
本新株予約権を譲渡するには当社取締役会の承認を要します。
上記6. 7)に基づき、特定大量保有者等は本新株予約権を行使することができないにも関わらず、特定大量保有者等において本新株予約権を自由に第三者に譲渡することができれば、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する買付行為の阻止を図るという目的が達成し得なくなります。従って、本新株予約権には譲渡制限が付されることになりますが、特定大量保有者等は、当社取締役会の承認する第三者には、本新株予約権を譲渡することができます。
7. 株主の皆様への影響
1) 本対応方針の導入時に株主の皆様に与える影響
本対応方針の導入時点においては、本新株予約権の発行自体は行われませんので、株主の皆様の権利・利益に直接具体的な影響が生じることはございません。
2) 本新株予約権の発行時に株主の皆様に与える影響
本新株予約権が発行される場合においては、取締役会の当該発行決議において別途設定する割当期日における株主の皆様に対し、その保有する株式1株につき1個の割合で本新株予約権が無償にて割り当てられます。仮に、株主の皆様が、権利行使期間内に、所定の行使価額相当の金銭の払込その他本新株予約権の行使に係る手続を経なければ、他の株主の皆様による本新株予約権の行使により、その保有する当社株式が希釈化することになります。
また、本新株予約権の発行は割当期日の4営業日前(割当期日を含む)において取り消し不能となります。割当期日において本新株予約権を取り消し不能とする理由は、買付者等以外の株主の皆様に損害を与えることとなる市場における混乱及び株式の流動性がなくなることを避けるためです。本新株予約権を取り消し不能とすることで、個々の株式に対して発生する希釈化の量及び時期に関する疑いが全くなくなります。個々の株式は希釈されますが、一人ひとりの株主の方は、少なくともその希釈化を相殺するに十分な株式を受領することになります。それぞれの株主の方の株券等保有割合は、変化しないか又はわずかに増加いたします。
なお、社外取締役独立委員会は、新株予約権の発行を決定した後でも、上記3. 3) (1)に記載のとおり、買付者等からの提案を判断する前提となった事実関係等に変動が生じた場合には、本新株予約権の発行の中止を含む別個の判断を行うことができます。本新株予約権の発行の中止を判断した場合には、当社1株あたりの価値の希釈化は生じませんので、こうした希釈化が生じることを前提に売買を行った投資家の皆様は、株価の変動により相応の損害を受ける可能性があります。
3) 発行に伴って株主の皆様に必要となる手続
(1) 名義書換の手続
当社取締役会において、本新株予約権を発行することを決議した場合には、当社は、本新株予約権の割当期日を公告いたします。割当期日における最終の株主名簿に記載又は記録された株主に本新株予約権の引受権が付与されますので、株主の皆様におかれては、当該割当期日に間に合うように名義書換を完了していただくことが必要となります。
(2) 本新株予約権の申込の手続
当社は、割当期日における最終の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様に対して、本新株予約権の引受権の付与通知及び本新株予約権の申込書を送付いたします。株主の皆様においては、本新株予約権の引受けについて、別途定める取締役会決議で決定された申込期間内に、申込書に必要な事項を記載し、捺印の上、申込取扱場所に提出することが必要となります。当該申込期間内に申込が行われない場合には、申込の権利を失い、本新株予約権を引き受けることができなくなります。
(3) 本新株予約権の行使の手続
当社は、申込期間内に本新株予約権の申込を行った株主の皆様に対し、本新株予約権の行使請求書(株主ご自身が特定大量保有者でないこと等の誓約文言を含む当社所定の書式によるものとします。)その他本新株予約権の権利行使に必要な書類を送付いたします。本新株予約権の発行後、株主の皆様においては、権利行使期間内に、これら当社所定の本新株予約権の行使請求書等を提出した上、本新株予約権1個当たり1円を払込取扱場所に払い込むことにより、1個の本新株予約権につき、1株又は発行決議において別途定められる数の当社普通株式が発行されることになります。
上記のほか、申込方法、名義書換方法及び払込方法等の詳細につきまして、本新株予約権発行決議が行われた後、株主の皆様に対し、公表又は通知致しますので当該内容をご確認ください。
本新株予約権の発行及び行使の手続は、原則として以上の通りですが、取締役会は、株主の皆様が新株予約権の引受け、行使をしないことによる不利益をさけるために、その時の法令等の許す範囲内で、別の発行及び行使の手続をとることがあります。この場合にも必要事項の詳細につきまして、株主の皆様に対し、公表又は通知致しますので当該内容をご確認ください。
8. 買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本対応方針は、経済産業省および法務省が2005年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める3原則(①株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)に沿うものです。また、本対応方針は、企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方について」も踏まえております。
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(別紙1) 社外取締役独立委員会の概要 |
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1. 構成員 当社社外取締役全員で構成される。 2. 決議要件 社外取締役独立委員会の決議は、原則として、社外取締役独立委員会の全員が出席し、その過半数をもってこれを行うものとする。但し、社外取締役独立委員会の全員が出席できない場合には、社外取締役独立委員会の決議は社外取締役独立委員会の過半数が出席し、その過半数をもってこれを行うものとする。 3. 決議事項その他 社外取締役独立委員会は、原則として以下の各号に記載される事項について決定し、その決定の内容をその理由を付して当社取締役会に提案するものとする。但し、本新株予約権の不発行の決議及び社外取締役独立委員会検討期間の延長については、取締役会への提案はせず、社外取締役独立委員会の決定によるものとする。なお、社外取締役独立委員会の各委員は、こうした決定にあたっては、企業価値ひいては株主共同の利益に資するか否かの観点からこれを行うことを要し、専ら自ら又は当社取締役、執行役の個人的利益を図ることを目的としては行わないものとする。 1) 本対応方針の対象となる買付等の決定 2) 買付者等及び代表執行役CEOが社外取締役独立委員会に提供すべき情報の決定 3) 買付者等の買付等の内容の精査・検討 4) 買付者等との交渉 5) 買付者等による買付等に対して代表執行役CEOが提出する代替案の検討及び当社株主への当該代替案の提示 6) 本新株予約権の発行もしくは不発行又は社外取締役独立委員会検討期間の延長に係る決定 7) 本対応方針の導入・維持・見直し・廃止 8) 本対応方針以外の買収防衛策の検討・導入 9) その他本対応方針又は本新株予約権に関連し、当社取締役会が判断すべき事項 また、社外取締役独立委員会は、適切な判断を確保するために、上記判断に際して、必要かつ十分な情報収集に努めるものとし、当社の費用で、独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることができる。 |
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(別紙2) 本必要情報 |
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1. 買付者等及びそのグループ(その共同保有者、その特別関係者及び(ファンドの場合は)組合員その他の構成員を含みます。)の概要(具体的名称、資本関係、財務内容を含み、(買付者等が個人である場合は)年齢と国籍、当該買付者等の過去5年間の主たる職業(当該個人が経営、運営又は勤務していた会社又はその他の団体(以下「法人」といいます。)の名称、主要な事業、住所等。)、経営、運営又は勤務の始期及び終期、(買付者等が法人である場合は)当該法人及び重要な子会社等について、当該法人の主要な事業、設立国、過去3年間の資本及び長期借入の財務内容、当該法人又はその財産にかかる主な係争中の法的手続、これまでに行った事業の概要、取締役、執行役等の役員の氏名を含み、(すべての買付者等に関して)過去5年間に犯罪履歴があれば(交通違反や同様の軽微な犯罪を除きます。)、その犯罪名、科された刑罰(その他の処分)、それに関係する裁判所、及び過去5年間に金融商品取引法、商法に関する違反等があれば、当該違反等の内容、違反等に対する裁判所の命令、行政処分等の内容を含みます。) 2. 買付等の目的、方法及びその内容(買付等の対価の価額・種類、買付等の時期、関連する取引の仕組み、買付等の方法の適法性、買付等の実行の蓋然性を含みます。) 3. 買付等の価格の算定根拠(算定の前提となる事実・仮定、算定方法、算定に用いた数値情報並びに買付等に係る一連の取引により生じることが予想されるシナジーの額及びその算定根拠を含みます。) 4. 買付等の資金の裏付け(買付等の資金の提供者(実質的提供者を含みます。)の具体的名称、調達方法、関連する取引の内容を含みます。) 5. 買付等の後の当社の経営方針、事業計画、資本政策及び配当政策(株式の売却、事業の売却、合併、分割、株式交換、株式移転、資産の売却、会社更生、清算、現在の資本・配当性向・配当政策・負債額・資本総額の変更、当社の現在の経営陣の変更、当社の会社構造・事業・経営方針・事業計画の変更、当社の証券の取得もしくは処分、上場廃止、当社の基本文書の変更、通例的でない取引を含みます。) 6. 買付等の後における当社の従業員、取引先、顧客、地域社会その他の当社に係る利害関係者に関する方針 7. 買付等に関連した必要な政府当局の承認、事業の承認、及び規制遵守対応、第三者から取得しなければならない同意、合意ならびに承認、独占禁止法、その他の競争法ならびにその他会社が事業活動を行っている又は製品を販売している国又は地域の重要な法律の適用可能性に関する状況 8. その他社外取締役独立委員会が合理的に必要と判断する情報 |
当社グループの連結業績を大幅に変動させる、あるいは投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは、次のとおりです。なお、これらのリスクは、有価証券報告書提出日現在において判断、予想したものです。
(1) 海外展開におけるリスク
当社グループは、米州、欧州、アジア等において製品の生産・販売活動を展開しています。グローバルな事業活動を展開するうえで、法的規制、政情不安や事業環境の不確実性などのリスクを完全に回避できる保証はありません。このようなリスクに直面した場合、当該国における収益が当初の見込みを達成できない可能性があります。
(2) 新薬開発の不確実性
医薬品候補化合物は、有効性や安全性の観点から開発を中止する可能性があります。また、臨床試験で良い結果が得られた場合であっても、製品開発中に施行される承認審査基準の変更により、承認が得られない可能性があります。開発の不確実性による新薬開発の遅延、中止などの理由で、将来に期待していた収益が得られない可能性があります。
(3) 他社とのアライアンスにおけるリスク
当社グループには、販売促進活動において、他社との業務提携を行っている製品があります。これら提携企業との良好な協力関係が保たれなくなった場合、売上収益が減少し業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、製品買収や製品・開発品の導入などに伴う不確実性により、将来に期待していた収益が得られない可能性があります。
(4) 医療費抑制策
日本では医療費抑制策の一環として、通常2年ごとの医療用医薬品の薬価引き下げや、ジェネリック医薬品使用促進などの施策がとられています。欧米、アジアの国々などにおいても、医薬品の薬剤費低減への圧力は年々高まっており、売上収益を減少させる要因となります。特に欧州においては、承認が得られた製品であっても、期待された薬価による医療保険償還がなされない場合があり、当初の見込んでいた収益が得られない可能性があります。
(5) ジェネリック医薬品に関するリスク
先発医薬品の特許には期限があります。通常、先発医薬品の特許が切れると同成分のジェネリック医薬品が発売されます。また、特許期間内であっても、米国のようにジェネリック医薬品の申請が可能な国もあります。ジェネリック医薬品の低価格での販売により、市場シェアが低下する可能性があります。
(6) 知的財産に関するリスク
特許の不成立や特許成立後の無効審判、または取得した特許を適切に保護できない場合、想定より早く他社の市場参入を招き、売上収益が減少する可能性があります。また、当社グループの事業活動が第三者の知的財産権に抵触した場合、当該第三者から権利行使を受け、これにより収益性の悪化、事業計画の変更等が生じ、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(7) 副作用発現のリスク
製品に重大な副作用が発現した場合、販売の停止、製品の回収等の措置により、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法規制に関するリスク
医薬品事業は、薬事規制や製造物責任等の様々な法規制に関連しており、法規制の制定や改定により業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。法規制に適合しない場合、製品の回収さらには製品の許認可の取り消し、あるいは賠償請求を受ける等の可能性があります。
(9) 訴訟に関するリスク
現在関与している訴訟または将来関与する訴訟の結果が、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(10) 工場の閉鎖または操業停止
技術上の問題、使用原材料の供給停止、インフルエンザ等のパンデミック、火災、地震、その他の災害等により工場が閉鎖または操業停止となる可能性があります。この場合、製品の供給が妨げられ、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(11) 使用原材料の安全性及び品質に関するリスク
使用する原材料の安全性及び品質に懸念が発生した場合、使用原材料の変更はもちろんのこと製品の回収、販売停止等を実施し、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(12) 外部への業務委託に関するリスク
当社グループでは研究や製造などの一部を外部へ業務委託しています。何らかの原因で業務委託先が操業停止し、当社グループへの業務の提供が妨げられることがあった場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(13) 環境に関するリスク
当社グループ所有の事業所が環境汚染の原因と判断された場合、事業所の閉鎖等の法的処置が講じられる可能性があります。また、周辺地域への補償責任や環境改善に要する費用は、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(14) ITセキュリティ及び情報管理に関するリスク
当社グループでは業務上、各種ITシステムを駆使しているため、システムの不備やコンピューターウィルス等の外部要因により、業務が阻害される可能性があります。また、個人情報を含め多くの情報を保有していますが、万が一の事故等によりその情報が社外に流出した場合、信用を大きく失うことで業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(15) 金融市況及び為替の動向に関するリスク
市場性のある株式等を保有しているため、株式市況の低迷によってはこれらの株式等の売却損や評価損が生じ、また、金利動向によって退職給付債務の増加など業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。さらに、輸出入取引及び海外の連結子会社業績の円換算において、外国為替変動が業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(16) 内部統制の整備等に関するリスク
当社グループは、金融商品取引法にもとづく財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準ならびに実施基準に準拠し、財務報告に係る有効な内部統制システムを整備し、その適正な運用につとめます。しかし、内部統制が有効に機能せず、あるいは予期しない内部統制上の問題により、多大な損失が発生した場合には、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(17) 災害等に関するリスク
地震、台風等の自然災害及び火災等の事故災害等、各種災害の発生により、事業所・営業所等が大規模な被害を受け、当社グループの活動に影響を及ぼす可能性があります。また、災害により損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(1) 技術導入等
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
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当社 |
富山化学工業㈱ |
1998年 9月30日 |
リウマチ治療剤「T-614」(製品名「ケアラム」、一般名:イグラチモド)の日本における共同開発・販売提携 |
契約締結日より販売開始後10年が経過する日または特許満了日のいずれか遅い日まで |
契約一時金他 |
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AbbVie Deutschland (ドイツ) |
1999年 6月16日 |
ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体注射剤「ヒュミラ」(一般名:アダリムマブ)の日本、台湾及び韓国における開発及び販売 |
契約締結日より販売承認後15年が経過する日まで |
契約一時金他 |
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Eurand (イタリア) |
2003年 5月2日 |
「ニトロールR」(一般名:硝酸イソソルビド)の輸入及びその製剤の製造・販売 |
契約締結日より10年間 以後2年毎の更新 |
── |
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Novartis (スイス) |
2004年 2月6日 |
てんかん治療剤「イノベロン」(一般名:ルフィナミド)の全世界における開発及び製造・販売に関するライセンス |
契約締結日より国ごとに特許満了日または販売開始後10年が経過する日のいずれか遅い日まで |
契約一時金他 一定料率のロイヤルティ |
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Sunovion (米国) |
2007年 7月26日 |
睡眠導入剤「ルネスタ」(一般名:エスゾピクロン)の日本における独占的な開発及び販売に関するライセンス |
契約締結日より販売承認後15年が経過する日または薬価収載後15年が経過する日のいずれか遅い日まで |
契約一時金他 一定料率のロイヤルティ |
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BioArctic Neuroscience AB (スウェーデン) |
2007年 12月3日 |
新規ヒト化モノクローナル抗体「BAN2401」の全世界におけるアルツハイマー病を対象とした研究・開発、製造・販売に関する独占的ライセンス |
契約締結日より国ごとに販売開始後15年が経過する日まで |
契約一時金他 一定料率のロイヤルティ |
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㈱ミノファーゲン製薬 |
2007年 12月18日 |
肝臓疾患用剤・アレルギー用薬「強力ネオミノファーゲンシー」(グリチルリチン酸、配合剤)及び「グリチロン錠」(グリチルリチン酸、配合錠)の日本及びユーロアジア地域の未発売国における独占的な開発・販売権ならびに中国を含むユーロアジア地域の既販売国における独占的な販売権の優先交渉権取得のライセンス |
契約締結日より日本での販売開始後15年が経過する日まで |
契約一時金他 |
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シンバイオ製薬㈱ |
2008年 8月18日 |
抗悪性腫瘍剤「トレアキシン」(一般名:ベンダムスチン)の日本における共同開発及び販売に係る独占的ライセンス |
契約締結日より販売開始後10年が経過する日まで |
契約一時金他 |
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
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当社 |
帝國製薬㈱ |
2011年 2月3日 |
アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」(一般名:ドネペジル)貼付剤の日本におけるライセンス |
契約締結日より帝國製薬㈱の特許満了日または日本における販売開始後15年が経過する日のいずれか遅い日まで |
契約一時金他 一定料率のロイヤルティ |
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Eisai Inc. (米国) |
Helsinn Healthcare SA (スイス) |
2001年 4月6日 |
制吐剤「Aloxi」(一般名:パロノセトロン)の米国・カナダにおけるライセンス(2008年1月28日付MGI PHARMA, INC.買収に伴う承継) |
契約締結日より2024年1月30日まで |
契約一時金他 一定料率のロイヤルティ |
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2010年 6月4日 |
ネツピタント(一般名)と制吐剤「Aloxi」(一般名:パロノセトロン)を含む制吐剤配合剤の米国におけるライセンス |
契約締結日より物質特許満了日または販売開始後12年が経過する日のいずれか遅い日まで |
契約一時金他 一定料率のロイヤルティ |
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FORMA Therapeutics (米国) |
2010年 11月15日 |
FORMA Therapeutics社の化合物ライブラリー及びスクリーニング・プラットフォームに関する研究提携と、その成果化合物に関するライセンス |
契約締結日より提携終了日またはロイヤルティ支払が終了する日のいずれか遅い日まで |
契約一時金他 一定料率のロイヤルティ |
(2) 技術導出等
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
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当社 |
Pfizer Inc. (米国) |
1994年 10月5日 |
アルツハイマー型認知症治療剤「E2020」(製品名「アリセプト」、一般名:ドネペジル)の包括的提携 |
契約締結日より2022年7月17日まで ただし、日本においては2012年12月31日に終了 |
契約一時金他一定料率のロイヤルティ |
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ゼリア新薬工業㈱ |
2014年 8月18日 |
プロトンポンプ阻害剤「E3710」の日本における開発・共同販促に関する独占的なライセンス及び製造に関する非独占的なライセンス |
契約締結日より製品の販売開始日から10年が経過する日、特許の存続期間が満了する日、または製品にかかる再審査期間が満了する日のいずれか遅い日まで |
契約一時金他一定料率のロイヤルティ |
(3) 販売契約等
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
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当社 |
杏林製薬㈱ |
2003年 7月30日 |
片頭痛治療剤「マクサルト」(一般名:リザトリプタン)の日本における販売 |
契約締結日より2017年1月31日まで |
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味の素製薬㈱ |
2005年 9月12日 |
骨粗鬆症治療剤「アクトネル」(一般名:リセドロネート)の日本における販売 |
契約締結日より2028年2月26日まで |
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Pfizer Inc. (米国) |
2009年 9月24日 |
疼痛治療剤「リリカ」(一般名:プレガバリン)の日本における共同販促 |
契約締結日より2022年7月17日まで |
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Eisai Inc. (米国) |
Pfizer Inc. (米国) |
2005年 9月27日 |
血液凝固阻止剤「Fragmin」(一般名:ダルテパリンナトリウム)の米国における販売 |
契約締結日より2015年3月31日まで (注1) |
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
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当社、 Eisai Inc. (米国) |
Arena Pharmaceuticals, Inc. (スイス) |
2010年 7月1日 |
肥満症治療剤「Belviq」(一般名:ロルカセリン)の韓国、台湾、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエルを除く全世界における独占的販売供給 |
契約締結日より国ごとに特許満了日または発売開始後12年が経過する日のいずれか遅い日以降で当社が終了の通知をするまで |
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Eisai Europe Ltd. (英国) |
Bial-Portela & Ca, S.A. (ポルトガル) |
2009年 2月19日 |
てんかん治療剤「Zebinix」(一般名:エシリカルバゼピン)の欧州における販売ライセンス及び共同販促 |
契約締結日より12年間 |
(注1) 2015年3月31日、Eisai Inc.(米国)は、Pfizer Inc.(米国)との血液凝固阻止剤「Fragmin」(一般名:ダルテパリンナトリウム)の米国における販売契約を終了しました。
(4) 合弁関係
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
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当社 |
Bracco Co., Ltd. (イタリア) |
1990年 11月30日 |
「イオメロン」(一般名:イオメプロール)他造影剤の日本における製造・販売に関する合弁事業 |
契約締結日より2024年12月31日まで |
── |
(5) その他
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
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当社 |
Elan Corporation plc. (アイルランド) |
2004年 3月30日 |
てんかん治療剤「Zonegran」(一般名:ゾニサミド)の北米及び欧州における戦略的製品買収(「Zonegran」に関する大日本住友製薬㈱とElan社とのライセンス契約の承継を含む) なお、米国及びプエルトリコにおける権利については、2014年9月にConcordia社(バルバドス)へ譲渡 |
── |
契約一時金他 |
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Quintiles (米国) |
2009年 10月29日 |
6種の抗がん剤候補化合物の開発に関する戦略的提携 |
契約締結日よりすべての予定された臨床試験が完了または終了する日まで |
開発費の一部負担 |
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SFJ Pharma, Ltd. (英領ケイマン諸島) |
2011年 9月1日 |
抗がん剤「E7080」(一般名:レンバチニブ)の甲状腺がんに係るフェーズⅢ試験に関する共同開発 |
契約締結日より開発が終了する日(注1) |
販売承認を取得した場合、知的財産権を購入 |
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世界保健機関 (WHO) (スイス) |
2012年 1月30日 |
リンパ系フィラリア症制圧プログラムへの支援のため、DEC(一般名:ジエチルカルバマジン)22億錠のWHOへの無償提供 |
2013年またはWHOによるDECの事前審査が終了した日のいずれか遅い日から7年間 |
―― |
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
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当社 |
Biogen Inc. (米国) |
2014年 3月4日 |
1. BACE阻害剤「E2609」及び抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体「BAN2401」に関する共同開発・共同販促 2. Biogen社が開発しているアルツハイマー型認知症治療剤抗Aβ抗体「BIIB037」及び抗tau抗体の共同開発・共同販促に関するオプション権の取得 |
対象化合物ごと及び国ごとに以下1)か2)のいずれか遅い方まで 「E2609」 2)特許満了日か後発品発売開始日の早い方 「BAN2401」 2)特許満了日か後発品発売開始日の早い方 |
契約一時金他 |
(注1) 2015年5月、当社はSFJ Pharma, Ltd. との抗がん剤「E7080」(一般名:レンバチニブ)の甲状腺がんに係るフェーズⅢ試験に関する共同開発契約を終了しました。
当社グループは、アンメット・メディカル・ニーズを充足する医薬品を一日も早く患者様にお届けするという使命を明確にし、研究開発活動をプロダクトクリエーション(製品創出活動)と定義しています。研究領域・技術基盤ごとに構成されたユニットでは、自律性と意思決定のスピードを重視したマネジメントが推進され、各ユニットが補完的に連携し新薬創出に向けて取り組んでいます。
プロダクトクリエーションの本質は、ヒューマンバイオロジーにもとづく治療仮説をつくり出す力と、その治療仮説を化合物創出につなげるためのモダンケミストリー力にあると考えており、これによりイノベーションを創出するディスカバリー力を向上してまいります。限られた経営資源をより効率的に配分する体制を構築し、新薬創出期間の短縮と承認確度のさらなる向上ならびに創薬イノベーションの活性化につなげてまいります。
当連結会計年度における研究開発費総額は、1,319億7百万円(前連結会計年度比3.2%減)、売上収益比率24.1%(前連結会計年度より1.3ポイント増)です。
なお、当連結グループは、研究開発費をグローバルに管理しているため、セグメントに配分していません。
[開発品の状況]
抗がん剤「ハラヴェン」(一般名:エリブリン)は、乳がんに係る適応で、各国で順次承認を取得し、2015年5月現在で承認取得国数は58カ国となりました。また、2014年6月、より早期の転移性乳がん(セカンドライン)への適応拡大に関して欧州委員会(European Commission: EC)より承認を取得し、2015年5月現在、同適応での承認国は40カ国となっています。米国では、HER2陰性乳がん化学療法のファースト/セカンドラインを対象としたフェーズⅢ試験が進行中です。中国においては、乳がん化学療法のサードラインを対象としたフェーズⅢ試験が進行中です。また、軟部肉腫について、米国、欧州、アジアで実施したフェーズⅢ試験で主要評価項目を達成し、2015年度上期中に日本、米国、欧州で適応拡大の申請を行う予定です。なお、米国、欧州、日本、アジアで実施していた非小細胞肺がんを対象としたフェーズⅢ試験では主要評価項目を達成せず、本適応に関する今後の開発方針を検討中です。
抗てんかん剤「Fycompa」(一般名:ペランパネル)は、12歳以上の部分てんかん併用療法の適応で、2012年7月に欧州、同年10月に米国で承認を取得し、2015年5月現在、承認取得国数は45カ国となりました。全般てんかんの併用療法については、米国、欧州、日本、アジアで実施した強直間代発作を対象とするフェーズⅢ試験において主要評価項目を達成し、2014年8月に米国、欧州で適応拡大に関する同時申請を行い、2015年5月に欧州では欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)より承認勧告を受領しました。さらに、部分てんかん併用療法について、日本、中国を含むアジアで実施したフェーズⅢ試験において主要評価項目を達成し、日本では部分てんかん及び全般てんかんの併用療法に係る適応で2015年度第2四半期中に新薬承認申請を行う予定です。また、部分てんかんの小児適応については、米国、欧州においてフェーズⅡ試験が進行中です。
抗がん剤「レンビマ」(一般名:レンバチニブ)について、甲状腺がんに係る適応で、2015年2月に米国、同年3月に日本、同年5月に欧州で承認を取得しました。その他7カ国で承認申請中です。本剤は、日本、米国、欧州の各当局より甲状腺がんに係る希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けています。また、肝細胞がんを対象として、日本、米国、欧州、中国、アジアにおいてフェーズⅢ試験が進行中です。腎細胞がんを対象として米国、欧州で実施していたフェーズⅡ試験では、主要評価項目を達成し、今後の開発計画を各国当局と協議する予定です。米国、欧州で実施した非小細胞肺がんを対象とするフェーズⅡ試験(単剤)では、主要解析、ならびにその後の探索的追加解析において、プラセボ投与群に対して主要評価項目である全生存期間を延長する傾向を示しました。この他、RET転座を有する非小細胞肺がん、子宮内膜がん等を対象としたフェーズⅡ試験が進行中です。なお、開発優先順位の観点から、グリオーマを対象とした開発を中止しました。
2014年9月、日本において、アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」(一般名:ドネペジル)について、新たにレビー小体型認知症に関する効能・効果の承認を取得しました。本剤は、レビー小体型認知症の効能・効果を有する世界で初めての薬剤となります。
2014年12月、日本において、プロトンポンプ阻害剤「パリエット錠10mg」(一般名:ラベプラゾール)について、新たに低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制に関する効能・効果の承認を取得しました。また、10mg錠と同一の効能・効果を有する5mg錠の剤形追加の承認を取得しました。
2015年2月、中国において、上部消化管機能改善剤「Cidine」(一般名:cinitapride)について、機能性ディスペプシアに係る適応で承認を取得しました。
2015年2月、米国において、抗てんかん剤「Banzel」(一般名:ルフィナミド)について、小児適応追加の承認を取得しました。
2015年2月、日本において、頻脈性不整脈治療剤「タンボコール」(一般名:フレカイニド)の小児投与に適した新剤形「タンボコール細粒10%」について、剤形追加の承認を取得しました。
2015年5月、日本において、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」(一般名:アダリムマブ)について、強直性脊椎炎に係る適応の承認条件となっていた使用成績調査(全例調査)に関し、厚生労働省から解除通達を受領しました。
2014年9月、日本において、中心循環系血管内塞栓促進用補綴材「ディーシー ビーズ」(高度管理医療機器)について、多血性腫瘍又は動静脈奇形の患者様に対する動脈塞栓療法に関する使用目的、効能・効果の追加申請を行いました。
2015年2月、中国において、アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」について、高度アルツハイマー型認知症に関する適応拡大申請を行いました。
2015年5月、日本において、高用量メコバラミン製剤について、筋萎縮性側索硬化症に関する新薬承認申請を行いました。
2015年5月、日本において、卵白リゾチーム製剤「ノイチーム」(一般名:リゾチーム)について、気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症に係る適応を対象とした再評価申請、ならびに慢性副鼻腔炎に係る効能・効果削除の一部変更承認申請を行いました。
糖尿病合併症治療剤「AS-3201」(一般名:ラニレスタット)について、当社が欧州、米国で実施していたフェーズⅡ/Ⅲ試験において、主要評価項目を達成しましたが、副次評価項目においては有意な改善が確認されませんでした。2014年9月、当社のポートフォリオ等を鑑み、今後の開発方針を検討した結果、本剤の開発を終了し、本剤に関わる大日本住友製薬株式会社(大阪府)とのライセンス契約を終結しました。
米国子会社Eisai Inc.とArena Pharmaceuticalsが共同で開発を進めているセロトニン2C受容体アゴニストlorcaserin(一般名、米国製品名:「Belviq」)について、禁煙補助に対するフェーズⅡ試験において主要評価項目を達成し、POC(創薬概念の検証)を確認しました。
アルツハイマー型認知症治療剤「E2609」(BACE阻害剤)について、フェーズⅡ試験を米国で開始し、進行中です。
アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」の高用量製剤(23mg)について、日本で実施したフェーズⅢ試験において主要評価項目を達成することができませんでした。この結果を受け、日本での高用量製剤の開発中止を決定しました。
抗がん剤「E7016」(ポリADPリボースポリメラーゼ阻害剤)について、開発優先順位の観点から、米国でフェーズⅡ試験段階にありましたメラノーマを対象とした開発を中止しました。
抗がん剤「MORAb-003」(一般名:ファルレツズマブ、ヒト化抗葉酸受容体αモノクローナル抗体)について、プラチナ感受性卵巣がんに係る適応を対象とした今後の開発方針を検討していましたが、日本、米国、欧州で新たなフェーズⅡ試験を開始しました。
(1) 重要な会計方針及び見積り
連結財務諸表作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しています。重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3. 重要な会計方針 4. 重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
(2) 経営成績の分析
① 売上収益、売上原価及び売上総利益
売上収益については、グローバルブランド育成に向けた積極投資により、抗がん剤「ハラヴェン」、抗てんかん剤「Fycompa」および肥満症治療剤「Belviq」が拡大しましたが、米国での独占販売期間満了によるプロトンポンプ阻害剤「Aciphex」(日本製品名「パリエット」)の減少と日本における薬価改定及びジェネリック医薬品との競合激化の影響により、減収となりました。領域別には、がん関連領域製品は、「ハラヴェン」及び制吐剤「Aloxi」が二桁成長を維持しましたが、前年度第4四半期にDNAメチル化阻害剤「Dacogen」の米国での販売権を譲渡したことに伴い、がん関連領域全体では986億37百万円(前連結会計年度比2.1%減)となりました。また、てんかん領域製品は、「Fycompa」をはじめ「イノベロン」(米国製品名「Banzel」)などいずれも二桁成長を果たし、316億88百万円(同31.2%増)と大きく伸長しました。品目別には、「ハラヴェン」は353億14百万円(同22.6%増)、アルツハイマー型、レビー小体型認知症治療剤「アリセプト」は656億95百万円(同20.6%減)、「パリエット」は559億73百万円(同38.8%減)となりました。セグメント別では、中国医薬品事業が前連結会計年度より29.0%増加して高い成長を維持したほか、アジア医薬品事業においても、韓国などの伸長により大きく増加しました。また、EMEA医薬品事業は、「ハラヴェン」及び「Fycompa」をはじめとするてんかん領域製品の拡大により前連結会計年度から20.5%増と伸長しました。
売上原価は、1,935億95百万円、前連結会計年度から10億64百万円、0.5%減少しましたが、米国「Aciphex」の売上収益の減少、国内薬価改定及びジェネリック医薬品浸透の影響による品目構成の変化等により、売上収益に占める割合は35.3%と前連結会計年度より2.8ポイント増加しました。
その結果、売上総利益は3,548億70百万円、前連結会計年度より499億62百万円、12.3%減少しました。
② 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,945億46百万円、前連結会計年度から87億89百万円、4.3%減少しました。その主な要因は、販促パートナーへの提携費用の減少、前連結会計年度に構造改革費用を計上したことによるものです。
③ 研究開発費
当連結会計年度の研究開発費は1,319億7百万円となりました。前連結会計年度に共同研究開発テーマ進捗に伴うマイルストンの支払いを計上したため、前連結会計年度から44億4百万円、3.2%減少しました。
④ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、販売費及び一般管理費において共同販促に係る提携費用の減少や構造改革による費用効率化の進展がありましたが、グローバルブランドの育成、重要開発テーマ推進に向けたプロダクトクリエーション活動、成長市場であるアジアや新規進出国での基盤強化に積極的資源投入を行いました。その結果、営業利益は283億38百万円、前連結会計年度より380億60百万円、57.3%減少しました。
⑤ 当期利益
当連結会計年度の当期利益は、日本及び米国における税金費用が減少し、434億53百万円となり、前連結会計年度より49億52百万円、12.9%増加しました。
⑥ 当期包括利益
当期利益にその他の包括利益を加減した当期包括利益は、前連結会計年度末からの円安の影響で為替換算差額が増加した結果、1,142億30百万円となり、前連結会計年度より297億33百万円、35.2%増加しました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「4 事業等のリスク」に記載しています。
(4) 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針については、「3 対処すべき課題」に記載しています。
(5) 翌連結会計年度の連結業績見通し
① 売上収益
グローバル新製品群である「ハラヴェン」、「レンビマ」、「Fycompa」及び「Belviq」の拡大、日本医薬品事業の成長確保、中国、アジア、EMEAにおける高い成長性の維持などにより米国における「Aloxi」の物質特許満了(小児延長含む)の影響を吸収し、連結売上収益は当連結会計年度から1.5%増の5,565億円を見込んでいます。
「ハラヴェン」は470億円(当連結会計年度比33.1%増)、「Fycompa」は100億円(同134.1%増)、「アリセプト」は610億円(同7.1%減)、「パリエット/Aciphex」は465億円(同16.9%減)を見込んでいます。
② 利益
グローバル新製品群の拡大による売上収益の増加に加え、生産、研究開発、販売、管理のあらゆるレベルにおける抜本的な業務・費用構造の改革に取り組み、収益性の改善を実現します。具体的には、米国における効率化を企図した構造改革、グローバル新製品群及びストラテジックマーケットへの効率的な費用投入、研究開発における認知症領域及びオンコロジー領域への集中などにより、成長と投資のバランスをはかります。この結果、営業利益は460億円(当連結会計年度比62.3%増)を見込んでいます。
当期利益は、当連結会計年度における日本、米国での一時的な税金費用減少の影響により当連結会計年度から37.9%減の270億円を見込んでいます。なお、これらの当連結会計年度の一時的な税金費用減少の影響を除く当期利益は増益を確保する見通しです。
(6) 財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、円安の影響による海外子会社資産の増加、販売権の取得に伴う無形資産の増加、日本における繰延税金資産の増加により、1兆538億18百万円、前連結会計年度末より799億95百万円増加となりました。
負債合計は、4,517億57百万円、前連結会計年度末より73億38百万円増加となりました。
資本合計は、前連結会計年度末からの円安に伴う為替換算差額の増加により6,020億61百万円(前連結会計年度末より726億57百万円増)、親会社所有者帰属持分比率は56.8%(同2.8ポイント増)となりました。負債比率(Net DER)は0.06倍(同0.08ポイント減)となりました。
*負債比率(Net DER)=(有利子負債(社債及び借入金)-現金及び現金同等物-3カ月超預金等)
÷親会社の所有者に帰属する持分
(7) 資金の流動性および資本の財源についての情報
① 資金の流動性
資金の流動性については、「1 事業の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
② 資本の財源
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、資産合計の16.4%を占める1,733億円です。当社グループは、主に営業活動から得た資金を財源とし、設備投資及び研究開発活動を行っています。
一方、短期借入金は2億円、1年以内償還予定の社債は300億円、長期借入金は2,058億円となりました。借入債務の通貨別の比率は85%が円建て、15%が米ドル建てとなっています。また、当連結会計年度末における社債および長期借入金の利率は0.29%~3.41%です。
当連結会計年度末現在における親会社所有者持分比率は56.8%となりました。
当社グループの財務戦略は、高い信用格付けを維持するとともに、安定した財務の健全性及び柔軟性を確保することを基本としています。
なお、当連結会計年度末における格付投資情報センターによる長期借入債務の格付けは、「AA-」です。