(1) 業績
当連結会計年度のわが国経済は、個人消費や輸出の持ち直しなどにより、企業収益に改善の動きがみられるなど、緩やかな回復基調が続いております。世界経済につきましては、米国では、個人消費が増加するなど景気回復が続いており、中国では、各種政策の効果もあって景気は持ち直しの動きがみられますが、今後は、米国および英国の政策の動向、中国や新興国等の経済の先行き、金融資本市場の変動の影響などに留意する必要があります。
医薬品業界では、国内外を問わず、増大する社会保障給付費を抑制するための動きとして、先発医薬品の価格抑制策や後発医薬品の使用促進策が次々と打ち出されることにより、事業の予見性が低下するなか、新薬開発の難度の高まり、研究開発費の高騰、国際競争の激化などにより、事業リスクも増大しております。
このような状況のもと、当社グループは、日本において、高血圧症治療剤「アイミクス」、パーキンソン病治療剤「トレリーフ」および非定型抗精神病薬「ロナセン」(一般名:ブロナンセリン)の戦略品3剤の売上拡大を図るとともに、平成27年度に販売を開始した2型糖尿病治療剤「トルリシティ」の早期市場浸透を図るべく情報提供活動に注力いたしました。
北米においては、サノビオン・ファーマシューティカルズ・インク(以下「サノビオン社」)が、グローバル戦略品である非定型抗精神病薬「ラツーダ」(一般名:ルラシドン塩酸塩)を中心とする主力製品のさらなる売上拡大に向けて事業活動を行いました。また、同社は、精神神経領域のパイプラインを獲得する目的で、昨年10月に、同領域の医薬品の開発に特化したカナダのベンチャー企業であるシナプサス・セラピューティクス・インク(以下「シナプサス社」)を買収いたしました。加えて、呼吸器領域の製品ラインアップ拡充を目的として、昨年12月に、ノバルティスグループ2社(以下「ノバルティス社」)から慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療剤3製品の米国における独占的販売権を獲得いたしました。
抗がん剤の分野では、ボストン・バイオメディカル・インク(以下「ボストン・バイオメディカル社」)が現在開発中であるナパブカシン(開発コード:BBI608)の米国での早期上市を最優先課題と位置付け、臨床開発を推進いたしました。また、当社は、当社全額出資の米国持株会社を通じて、本年1月に、がんおよび血液疾患領域における医薬品の研究開発に特化した米国のバイオベンチャー企業であるトレロ・ファーマシューティカルズ・インク(以下「トレロ社」)を買収いたしました。
当連結会計年度の連結業績は、日本では、昨年4月に実施された薬価改定や長期収載品の売上減少の影響が大きく、減収となりましたが、北米では、「ラツーダ」等主力品の売上が順調に拡大したことにより、大幅な増収となりました。これらの結果、売上高は4,116億38百万円(前連結会計年度比2.1%増)となりました。営業利益は、売上原価が減少したことに加え、日本における販売関連費用等の削減により販売費及び一般管理費が減少した結果、527億59百万円(前連結会計年度比42.9%増)となりました。経常利益は、外貨建て資産の円貨換算等による為替差益の計上等により、543億41百万円(前連結会計年度比54.3%増)となりました。また、特別利益として投資有価証券売却益を、特別損失として早期退職制度の実施に伴う事業構造改善費用等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は289億91百万円(前連結会計年度比17.4%増)となりました。
また、当連結会計年度におけるEBITDAは728億44百万円(前連結会計年度比30.6%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
① 日本
「アイミクス」、「トレリーフ」、「トルリシティ」等の売上は増加しましたが、薬価改定の影響や長期収載品の売上減少を補うには至らず、売上高は1,408億47百万円(前連結会計年度比3.9%減)となりました。セグメント利益は、研究開発費を除く販売費及び一般管理費は減少しましたが、薬価改定による売上総利益の減少の影響が大きく383億7百万円(前連結会計年度比7.8%減)となりました。
② 北米
「ラツーダ」の売上が引き続き大きく拡大したことに加え、長時間作用型β作動薬「ブロバナ」および抗てんかん剤「アプティオム」の売上が伸長したことにより、売上高は1,978億89百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。セグメント利益は、売上高の増加に加え、為替変動の影響等により売上原価が減少したため、832億88百万円(前連結会計年度比27.8%増)となりました。
③ 中国
主力品であるカルバペネム系抗生物質製剤「メロペン」の売上は、現地通貨ベースでは、堅調に推移しましたが、為替変動の影響により、売上高は176億24百万円(前連結会計年度比4.1%減)となり、セグメント利益は67億42百万円(前連結会計年度比15.6%減)となりました。
④ 海外その他
「メロペン」等の輸出や工業所有権収入が増加したことにより、売上高は115億66百万円(前連結会計年度比3.4%増)となりました。セグメント利益は、売上品目の構成の変化により売上総利益が増加したため、28億3百万円(前連結会計年度比14.6%増)となりました。
上記報告セグメントのほか、当社グループは、食品素材・食品添加物および化学製品材料、動物用医薬品、診断薬等の販売を行っており、これらの売上高は437億10百万円(前連結会計年度比3.4%増)、セグメント利益は24億7百万円(前連結会計年度比32.2%増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が増加したことに加え、仕入債務、未払金および引当金の増加等によるキャッシュの増加要因がありましたが、事業構造改善費用や法人税等の支払額が大きく増加したことにより、前連結会計年度に比べ277億90百万円収入が減少し、216億24百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、短期貸付金の回収や投資有価証券の売却による収入等がありましたが、シナプサス社およびトレロ社の買収に伴う子会社株式の取得により、前連結会計年度に比べ756億16百万円支出が増加し、597億29百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済と社債の償還がありましたが、買収に関連して短期借入を実施したことにより、前連結会計年度に比べ524億86百万円収入が増加し、98億81百万円の収入となりました。
上記のキャッシュ・フローに、現金及び現金同等物の為替換算による影響額を加えた結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,056億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ299億71百万円減少しました。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
日本 |
142,307 |
△2.3 |
北米 |
194,821 |
△6.3 |
中国 |
18,836 |
18.0 |
海外その他 |
9,169 |
△2.4 |
その他 |
94 |
△40.5 |
合計 |
365,229 |
△3.7 |
(注)1 金額は販売価格により換算したものであります。
2 セグメント間取引については相殺消去しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
日本 |
5,941 |
119.2 |
北米 |
2,108 |
21.1 |
中国 |
― |
― |
海外その他 |
― |
― |
その他 |
35,404 |
2.6 |
合計 |
43,454 |
11.5 |
(注)1 金額は仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 受注状況
当社グループの生産は見込生産で、受注生産は行っておりません。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
日本 |
140,847 |
△3.9 |
北米 |
197,889 |
7.0 |
中国 |
17,624 |
△4.1 |
海外その他 |
11,566 |
3.4 |
その他 |
43,710 |
3.4 |
合計 |
411,638 |
2.1 |
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
マッケソン社(米国) |
62,474 |
15.5 |
70,003 |
17.0 |
カーディナル社(米国) |
47,777 |
11.8 |
49,593 |
12.0 |
アメリソースバーゲン社(米国) |
42,168 |
10.5 |
45,783 |
11.1 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造により、広く社会に貢献することを企業理念とし、以下の経営理念を掲げております。
■ 顧客視点の経営と革新的な研究を旨とし、これからの医療と健やかな生活に貢献する
■ たゆまぬ事業の発展を通して企業価値を持続的に拡大し、株主の信頼に応える
■ 社員が自らの可能性と創造性を伸ばし、その能力を発揮することができる機会を提供していく
■ 企業市民として社会からの信用・信頼を堅持し、よりよい地球環境の実現に貢献する
これらの経営理念に基づいた事業活動を展開することにより、患者様やそのご家族、医療関係者、株主、取引先、社員、地域社会等のステークホルダーの皆様の信頼にお応えし、日本国内での存在感を高めるとともに、グローバルな事業展開を推進する先進的な研究開発型の製薬企業になることを目指しております。
当社は、企業理念を実現するために、「グローバルレベルで戦える研究開発型企業」および「最先端の技術で医療に貢献」とのビジョンを設定しました。そのビジョンの実現に向け、平成25年度から平成29年度までの5カ年の第三期中期経営計画(以下「第三期中計」)を策定しました。
現在、当社グループの収益の柱である「ラツーダ」につきましては、順調に伸長を続けておりますが、平成30年度に独占販売期間が満了となります。「ラツーダ」の独占販売期間満了は、当社グループの業績に対して大きな影響を及ぼすと見込んでおり、損益悪化を最小限にとどめるとともに、その後の再成長に向けた対策が経営上の最重要課題となっております。本対策の一環として、平成28年度にシナプサス社およびトレロ社を買収し、精神神経領域およびがん領域の後期開発品を中心に研究開発パイプラインを拡充させ、また、ノバルティス社から慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療剤3製品を導入し、米国での独占的販売権を獲得しました。
平成29年度も引き続き、後期開発品の開発に加え、導入、提携等の戦略的投資に積極的に取り組んでまいります。
当社は、売上高、営業利益に加え、キャッシュ・フローを重視していることから、EBITDAを第三期中計の経営目標として掲げております。平成28年5月に修正公表しました第三期中計の経営目標では、最終年度である平成29年度の経営目標を以下のとおりとしておりましたが、現在、これを上回る利益水準を目標として掲げ、収益拡大に努めてまいります。
|
|
(単位:億円) |
|
第三期中計 経営目標 |
業績予想 |
売上高 |
4,400 |
4,500 |
(うち医薬品事業) |
(3,950) |
(4,050) |
営業利益 |
500 |
550 |
EBITDA(注) |
750 |
750 |
(注)利息、法人税等、減価償却費および特別損益を控除する前の利益
当社グループの平成29年度の事業活動方針は次のとおりであります。
(1) 事業基盤の強化
当社グループが展開する各地域の事業環境および事業状況の変化に対し、機動的に事業構造を転換できるようにするため、引き続き、人件費および一般経費の最適化、資産効率の向上、意思決定の迅速化等により経営効率の向上を図り、事業基盤の強化と強い企業文化の構築に取り組んでまいります。
(2) 各地域セグメントにおける戦略および事業活動
日本では、「トレリーフ」、「ロナセン」、「アイミクス」、日本イーライリリー株式会社との提携品である「トルリシティ」および鳥居薬品株式会社とのプロモーション提携品であるそう痒症改善剤「レミッチ」の売上拡大を図りますが、長期収載品の売上については、後発医薬品の使用促進により減少することが見込まれます。平成28年度の早期退職制度の実施等により、事業運営体制を見直しましたが、引き続き、費用対効果に重点を置いた効率的な事業運営により、売上高および利益の維持に努めてまいります。
北米では、当社グループの売上高全体の30%以上を占める「ラツーダ」のさらなる伸長を図ります。また、平成30年度の「ラツーダ」の独占販売期間満了後の北米事業の利益確保に向けて、「アプティオム」および「ブロバナ」の売上拡大に努めるとともに、平成29年度に上市を計画しているグリコピロニウム臭化物およびノバルティス社から導入した3製品が早期に利益品目に成長できるよう、販売活動に注力してまいります。
中国では、引き続き「メロペン」の販売を中心に事業規模の維持に努めてまいります。
その他の地域では、欧州における「ラツーダ」の事業展開について、引き続き、新たなパートナーとの提携を含め、あらゆる選択肢の検討を進めるとともに、東南アジアにおいてアストラゼネカ・ユーケー・リミテッドから返還を受けた「メロペン」の事業の立ち上げを円滑に行うことにより、利益の拡大を図ります。
また、各地域セグメントの事業状況に応じて、買収、導入、導出、提携などを積極的に推進してまいります。
(3) 研究開発戦略
研究開発については、重点領域である精神神経領域、がん領域に加え、希少疾患などの治療薬のない疾患分野や再生医療・細胞医薬といった新規分野にも引き続き積極的に経営資源を投入し、なかでも、後期開発品の開発を最優先に進めてまいります。研究段階においては、革新的な医薬品の創出を目指して、自社研究に加えて国内外の研究機関等との共同研究等にも取り組んでまいります。また、限られた研究開発費の中で最大限の効果を発揮できるよう、最適な研究開発体制の構築と研究開発活動の効率化に引き続き取り組んでまいります。
精神神経領域では、米国において、dasotralineについて、注意欠如・多動症(ADHD)を対象とした承認申請を平成29年度中に行うべく申請準備を進めるとともに、過食性障害(BED)を適応とする平成30年度の追加承認申請を目指して開発を推進してまいります。また、アポモルヒネ塩酸塩水和物のパーキンソン病に伴うオフ症状を対象とした承認申請を平成29年度中に行うべく開発を行ってまいります。これらを計画どおり上市することにより、「ラツーダ」の独占販売期間が満了となった後も、サノビオン社を再び成長路線に乗せることができると考えております。日本においては、「トレリーフ」のレビー小体型認知症(DLB)に伴うパーキンソニズムの適応追加について、平成29年度中の承認申請を行うべく申請準備を着実に進めてまいります。また、「ロナセン」の経皮吸収型製剤については、平成30年度の承認申請を目指し、さらには、ルラシドン塩酸塩について、日本での統合失調症、双極Ⅰ型障害うつおよび双極性障害メンテナンスを対象とした平成31年度の承認申請を目指して、それぞれ開発を推進してまいります。
がん領域では、がん幹細胞性に対する阻害剤としてファースト・イン・クラスのナパブカシンについて、胃または食道胃接合部腺がんを対象とした米国および日本での平成30年度の承認申請を目指すとともに、同じくフェーズ3試験を実施中の結腸直腸がんおよび膵がんを対象とした開発にも最大限の注力をしてまいります。また、米国において急性骨髄性白血病(AML)を対象としたフェーズ2試験を実施中のalvocidibについて、平成30年度の承認申請を目指し、さらに、フェーズ1/2試験のフェーズ2段階にあるがんペプチドワクチンDSP-7888についても、積極的に開発を行ってまいります。
再生医療・細胞医薬については、早期の事業化を目指して複数の研究開発プロジェクトを推進してまいります。サンバイオ・インクから導入した慢性期脳梗塞を対象とした骨髄間質細胞由来のSB623について、北米でのフェーズ2試験を推進いたします。iPS細胞由来では、先駆け審査指定制度の指定品目となった「非自己iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞」について、京都大学iPS細胞研究所と共同で実用化に取り組んでおり、また株式会社日立製作所とも細胞培養に関する共同研究を推進してまいります。眼疾患領域では、世界初のiPS細胞を用いた製品の事業化を目指し、株式会社ヘリオスとの共同開発を推進し、併せて、当社と株式会社ヘリオスとの合弁会社である株式会社サイレジェンにおいて、生産および販売促進体制構築に向けた検討を推進してまいります。また、国立研究開発法人理化学研究所とiPS細胞由来立体網膜を用いた網膜変性疾患の再生医療の共同研究、さらには、慶應義塾大学および国立病院機構大阪医療センターとiPS細胞由来神経前駆細胞を用いた脊髄損傷の再生医療の共同研究などの取組を強化してまいります。これらの実用化に向けての最重要課題の一つである再生医療等製品の生産体制については、平成29年度中の稼働開始を目標に、当社の総合研究所に細胞生産設備を新設いたします。
(4) 株主還元および財務戦略
当社は、企業価値と株主価値の持続的かつ一体的な向上を基本方針としており、株主への還元については、安定的な配当に加えて、業績向上に連動した増配を行ってまいります。平成28年度の業績は、第三期中計の平成29年度経営目標である営業利益500億円を1年前倒しで達成するとともに、当社発足以来の最高益となりましたので、特別配当を実施いたしました。
財務状況については、順次有利子負債の返済を進めておりましたが、平成28年度におけるシナプサス社およびトレロ社の買収により、新たな借入を行いました。当社グループが持続的に成長していくためには、買収で得た開発品等への先行投資に加え、製品および開発品の導入ならびに国内事業、北米事業、新規事業等への投資をさらに積極的に進めていく必要があり、必要に応じてレバレッジの活用などにより資金を確保してまいります。
(5) リスクへの対応
これらの事業計画を進めるうえにおいては、コンプライアンス違反により社会的信用を失うリスク、新製品開発の遅延または中止のリスク、市販後に予期せぬ副作用が発生するリスク、訴訟に関わるリスク、操業停止のリスク等の様々なリスクがあります。
当社は、当社グループのリスクマネジメント推進体制の一層の強化を図るため、リスクマネジメントに関する基本方針を定めた「DSP Group Risk Management Policy」を制定し、その体制を整備しました。今後とも、リスク管理を強化し、リスクの未然防止および低減に努めてまいります。なお、これらのリスクが顕在化した場合には、機動的に対策を講じることにより、影響を最小限にとどめるように努めてまいります。
当社は、CSR経営を事業活動の基本に据え、コンプライアンスの徹底、実効性の高いコーポレートガバナンス体制および透明性の高い経営の追求、多様なステークホルダーとのコミュニケーション、国内外での社会貢献活動、働き方改革、女性の活躍などのダイバーシフィケーション等を推進し、持続的成長の礎を築いてまいります。
当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 新製品の研究開発に関わるリスク
当社グループは独創性の高い国際的に通用する有用な新製品の開発に取り組んでおります。開発パイプラインの充実と早期の上市を目指しておりますが、新薬開発の難度が高まる中、開発中の品目すべてが今後順調に進み発売に至るとは限らず、開発が遅延する場合や中止しなければならない事態になる場合も予想されます。このような場合、開発品によっては経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 副作用問題について
医薬品は開発段階において充分に安全性の試験を実施し、世界各国の所轄官庁の厳しい審査を受けて承認されておりますが、市販後に新たな副作用が見つかることも少なくありません。市販後に予期せぬ副作用が発生した場合に、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3) 医療制度改革について
国内においては、急速に進展する少子高齢化等により医療保険財政が悪化する中、先発医薬品の価格抑制や後発医薬品の使用促進などの医療費抑制策が図られ、さらなる医療制度改革の論議が続けられております。医療制度改革はその方向性によっては当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、海外においても医薬品は各種の規制を受けており、米国の医療保険制度改革等の行政施策の動向によっては、重要な影響を受ける可能性があります。
(4) 製品の売上に関わるリスク
当社グループが販売する医薬品に関して、同領域の他社製品との競合や特許満了等による後発医薬品の上市等により、当該製品の売上高の減少に繋がる要因が発生した場合、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(5) 知的財産権に関わるリスク
当社グループは研究開発において種々の知的財産権を使用しております。これらは当社グループ所有のもの、または適法に使用許諾を受けたものとの認識のうえで使用しておりますが、第三者の知的財産権を侵害する可能性がないとは言えません。知的財産権をめぐっての係争が発生した場合には当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(6) 提携解消について
当社グループは仕入商品の販売、合弁事業、共同販売、開発品の導入または導出、共同研究等さまざまな形で他社と提携を行っております。何らかの事情によりこれらの提携関係を解消することになった場合には、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(7) 主要な事業活動の前提となる事項について
当社グループの主な事業は医療用医薬品事業であり、国内においては、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等の薬事に関する法令に基づき、その研究開発および製造販売等を行うにあたり、「第一種医薬品製造販売業」、「第二種医薬品製造販売業」(いずれも有効期間5年)等の許可等を取得しております。また、海外においても医療用医薬品事業を行うにあたっては、当該国の薬事関連法規等の規制を受け、必要に応じて許可等を取得しております。
これらの許可等については、各法令で定める手続きを適切に実施しなければ効力を失います。また各法令に違反した場合、許可等の取消し、または期間を定めてその業務の全部もしくは一部の停止等を命ぜられることがある旨が定められております。当社グループは、現時点において、許可等の取消し等の事由となる事実はないものと認識しておりますが、将来、当該許可等の取消し等を命ぜられた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(8) 訴訟に関わるリスク
当社グループの事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引等に関連し、訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(9) 工場の閉鎖または操業停止に関わるリスク
当社グループの工場が、技術上の問題、使用原材料の供給停止、火災、地震、その他の災害等により閉鎖または操業停止となり、製品の供給が遅滞もしくは休止した場合、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(10) 金融市況および為替変動による影響について
株式市況の低迷によっては保有する株式の評価損や売却損が生じ、金利動向によっては借入金等の支払利息が増加するほか、金融市況の悪化によっては退職給付債務が増加するなど、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、為替相場の変動によっては、輸出入取引および連結子会社業績等の円換算において、重要な影響を受ける可能性があります。
(11) 固定資産の減損の影響について
当社グループは、事業用の資産やのれん等、さまざまな有形・無形の固定資産を保有しております。将来、大幅な業績の悪化や価値の低下等があった場合、減損処理の必要が生じ、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(12) 親会社との取引について
当社と親会社である住友化学株式会社との間で、大阪研究所、愛媛工場および大分工場の土地賃借、これらの事業所等で使用する用役や主に原薬を製造する際に使用する原料の購入契約を締結しております。当該契約等は、一般的な市場価格を参考に双方協議のうえ合理的に価格が決定され、当事者からの申し出がない限り1年ごとに自動更新されるものであります。このほか、親会社から出向者の受入を行っており、また、資金効率向上等の観点から親会社への短期貸付を実施しております。
今後も当該取引等を継続していく方針でありますが、同社との契約・取引内容等に変化が生じた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(13) 海外事業展開に関するリスク
当社グループは、北米、中国を中心にグローバルな事業活動を展開しておりますが、各国の規制・制度変更や外交関係の悪化、政情不安等のリスクが内在しており、このようなリスクに直面した場合、当社グループの事業計画が達成できず、経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(14) 情報管理に関するリスク
当社グループは、各種情報システムを使用しているため、システムの障害やコンピューターウィルス等により、業務が阻害される可能性があります。また、個人情報を含め多くの機密情報を保有しておりますが、これらが社外に漏洩した場合には、損害賠償、行政処分、社会的信用の毀損等により、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(15) コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、コンプライアンスの推進を全ての事業活動の土台と位置付け、法令および企業倫理の遵守に努めておりますが、コンプライアンスの精神に反するような事態が生じた場合には、企業グループとしての社会的信用の失墜等により、経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、上記以外にもさまざまなリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
(1) 技術導入
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
技術の内容 |
対価の支払 |
契約期間 |
大日本住友製薬 |
セルヴィエ社 |
フランス |
グリクラジドに関する技術 |
契約一時金 |
1974.3~1999.5 |
大日本住友製薬 |
アルミラル社 |
スペイン |
エバスチンに関する技術 |
一定料率のロイヤルティ |
1988.1~2012.12 |
大日本住友製薬 |
メイン・ |
オーストラリア |
硫酸モルヒネのポリマーコート徐放錠を含有した硬質ゼラチンカプセルに関する技術 |
契約一時金 |
1992.2~ |
大日本住友製薬 |
ワーナーチルコット社 |
アメリカ |
エチドロン酸 二ナトリウムに関する技術 |
一定料率のロイヤルティ |
1989.1~2000.12 |
大日本住友製薬 |
ギリアド社 |
アメリカ |
アムホテリシンBに関する技術 |
契約一時金 |
1996.9~ |
大日本住友製薬 |
シャイアー社 |
アメリカ |
アガルシダーゼアルファに関する技術 |
契約一時金 |
1998.7~ |
大日本住友製薬 |
メルク・サンテ社 |
フランス |
グルコファージに関する技術 |
契約一時金 |
2003.3~ |
大日本住友製薬 |
ノボ ノルディスク社 |
デンマーク |
レパグリニドに関する技術 |
契約一時金 |
2004.3~ |
大日本住友製薬 |
ブリストル・マイヤーズ スクイブ㈱ |
日本 |
イルベサルタンに関する技術 |
契約一時金 |
2006.7~ |
大日本住友製薬 |
ニューロクライン社 |
アメリカ |
インディプロンに関する技術 |
契約一時金 |
2007.10~ |
大日本住友製薬 |
インターセプト ファーマシューティカルズ社 |
アメリカ |
ファルネソイドⅩ受容体作動薬に関する技術 |
契約一時金 |
2011.3~ |
大日本住友製薬 |
バイオエレクトロン テクノロジー社 |
アメリカ |
EPI-743及びEPI-589に関する技術 |
契約一時金 |
2013.3~ |
大日本住友製薬 |
サンバイオ社 |
アメリカ |
SB623に関する技術 |
契約一時金 |
2014.9~ |
サノビオン社 |
ビアル・ポルテラ・アンド・シーエー社 |
ポルトガル |
エスリカルバゼピンに関する技術 |
契約一時金 |
2007.12~ |
サノビオン社 |
アストラゼネカ社(注)2 |
イギリス |
シクレソニドに関する技術 |
契約一時金 |
2008.1~ |
サノビオン・シーエヌエス・ディベロップメント・カナダ社 |
モノソル社 |
アメリカ |
APL-130277に関する製剤技術 |
契約一時金 |
2016.4~2024.12 |
トレロ社 |
サノフィ社 |
フランス |
アルボシジブに関する技術 |
契約一時金 |
2013.4~ |
(注)1 当連結会計年度において、商号が変更されております。
(注)2 当連結会計年度において、相手先がタケダ社からアストラゼネカ社に変更されております。
(注)3 以下の契約については、契約期間の満了に伴い、当連結会計年度において終了しました。
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
技術の内容 |
対価の支払 |
契約期間 |
大日本住友製薬 |
グラクソ・スミスクライン社 |
イギリス |
新種のナマルバ細胞を使用するインターフェロンに関する技術 |
契約一時金 |
1996.5~ |
(2) 技術導出
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
技術の内容 |
対価の受取 |
契約期間 |
大日本住友製薬 |
エーザイ㈱ |
日本 |
ゾニサミドに関する技術 |
契約一時金 |
1997.10~ |
大日本住友製薬 |
スニーシス社 |
アメリカ |
キノロン系抗癌剤に関する技術 |
契約一時金 |
2003.10~ |
大日本住友製薬 |
ファイザー社 |
アイルランド |
カルバペネム系抗生物質メロペネムに関する技術 |
契約一時金 |
1990.12~ |
大日本住友製薬 |
セルジーン社 |
アメリカ |
塩酸アムルビシンに関する技術 |
契約一時金 |
2005.6~ |
サノビオン社 |
エーザイ㈱ |
日本 |
エスゾピクロンに関する技術 |
契約一時金 |
2007.7~ |
(注)1 当連結会計年度において、相手先がアストラゼネカ社からファイザー社に変更されております。
(3) 販売契約等
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
契約内容 |
契約期間 |
大日本住友製薬 |
ヤンセン |
日本 |
ハロマンスに関する販売提携 |
2002.7~ |
大日本住友製薬 |
マイランEPD(同) |
日本 |
リズミックに関する販売提携 |
2002.12~2012.11 |
大日本住友製薬 |
塩野義製薬㈱ |
日本 |
アイミクス配合剤に関する並行販売 |
2012.6~ |
大日本住友製薬 |
鳥居薬品㈱ |
日本 |
レミッチに関するプロモーション提携 |
2015.3~ 特許満了日まで |
大日本住友製薬 |
日本イーライリリー㈱ |
日本 |
トルリシティに関する販売提携 |
2015.7~ 相手方と合意した期間の満了まで |
イーライリリー社 |
アメリカ |
|||
サノビオン社 |
ノバルティス社 |
スイス |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療剤3製品に関する米国における独占的な販売 |
2016.12~ |
DSファーマアニマルヘルス㈱ |
日本ヒルズ・コルゲート㈱ |
日本 |
サイエンス・ダイエットに関する販売提携 |
2017.1~2017.12 |
DSファーマアニマルヘルス㈱ |
日本ヒルズ・コルゲート㈱ |
日本 |
プリスクリプション・ダイエットに関する販売提携 |
2017.1~2017.12 |
(4) シナプサス社の株式取得
当社の米国子会社であるサノビオン社は、平成28年8月31日(米国東部時間)付で、同社の重点領域の1つである精神神経領域の開発パイプラインを一層強化することを目的として、パーキンソン病治療剤を開発するカナダのシナプサス社を、カナダ法上のプラン・オブ・アレンジメントによる手法を通じて、買収することについて合意し、平成28年10月21日(米国東部時間)付で、シナプサス社の株式およびワラントのすべてを取得し、同社の買収が完了しました。
なお、シナプサス社は、買収日における同社を含むAmalgamation(カナダ連邦のブリティッシュ・コロンビア州法上の組織再編)により組織統合され、サノビオン・シーエヌエス・ディベロップメント・カナダ社(現:連結子会社)が新たに設立されております。
株式取得の概要は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等、注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。
(5) トレロ社の株式取得
当社は、平成28年12月21日(日本時間)に開催された取締役会において、当社のがん領域のパイプラインを一層強化すること等を目的として、がんおよび血液疾患領域における医薬品の研究開発に特化した米国のバイオベンチャー企業であるトレロ社を、当社全額出資の米国持株会社であるダイニッポンスミトモファーマ アメリカホールディングス・インク(以下、「DSPA-H社」)を通じて、買収することについて決議し、平成29年1月25日(米国太平洋時間)にDSPA-H社を通じた同社の買収が完了しました。
株式取得の概要は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等、注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。
当社グループは、自社研究、技術導入、ベンチャーやアカデミアとの共同研究等、あらゆる方法で最先端の技術を取り入れて、研究開発活動に取り組んでおり、精神神経領域とがん領域を研究重点領域とし、革新的な医薬品の創製を目指しております。さらに、治療薬のない疾患分野や再生医療・細胞医薬といった新規分野において、世界に先駆けて事業展開を図ってまいります。
研究初期段階では、スーパーコンピューターを活用したインシリコ創薬技術、iPS細胞等の最先端サイエンスを創薬や再生医療・細胞医薬に応用する取組を進めております。また、国内外の大学を含む研究機関等との研究提携も積極的に推進しており、当連結会計年度においては、独創的な抗がん剤の創出を目指して、国立大学法人京都大学との協働研究(DSKプロジェクト)の第2期を開始いたしました。さらに、国内の研究機関および研究者を対象に当社の創薬研究ニーズと合致するアイデアを募集する公募型オープンイノベーション活動「PRISM」を平成27年度から実施しており、当連結会計年度においては、複数のアイデアについて共同研究契約を締結いたしました。
研究後期および開発段階では、研究重点領域および新規分野を中心に、グローバルな視点からグループ全体でのポートフォリオの最適化を行っております。加えて、製品価値の最大化を目指した剤形展開等の製品ライフサイクルマネジメントやドラッグ・リポジショニングにも積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度における主な開発の進捗状況は、次のとおりであります。
(1) 精神神経領域
① ブロナンセリン
中国において、統合失調症を適応とした承認を本年2月に取得いたしました。
② dasotraline(開発コード:SEP-225289)
米国において、小児の注意欠如・多動症(ADHD)を対象としたフェーズ2/3試験の主要評価項目を達成するとともに、並行して実施していたフェーズ3試験についても完了いたしました。また、過食性障害(BED)を対象としたフェーズ2/3試験の主要評価項目を達成し、新たに別のフェーズ3試験を開始いたしました。
③ SEP-363856
米国において、統合失調症を対象としたフェーズ2試験およびパーキンソン病に伴う精神病症状を対象としたフェーズ2試験を開始いたしました。
(2) がん領域
① ナパブカシン
米国、カナダ、日本等において、胃または食道胃接合部腺がんおよび結腸直腸がんを対象とした併用での国際共同フェーズ3試験を進めておりますが、これに加えて、米国において、膵がんを対象とした併用での国際共同フェーズ3試験を開始いたしました。また、カナダにおいて進めている膠芽腫を対象としたフェーズ1/2試験のフェーズ2段階を開始いたしました。
② DSP-7888
日本において進めている小児悪性神経膠腫を対象としたフェーズ1/2試験のフェーズ2段階を開始いたしました。
(3) 再生医療・細胞医薬
当社が京都大学iPS細胞研究所と共同して実用化に向けて取り組んでいる「非自己iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞」について、本年2月、厚生労働省より再生医療等製品の先駆け審査指定制度の指定品目に選定されました。
(4) その他領域
グリコピロニウム臭化物(開発コード:SUN-101)
米国において、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の長期維持療法を対象とした承認申請を昨年7月に行いました。
当社グループは、開発パイプラインの拡充を目指して買収および開発品の導入にも積極的に取り組んでおります。当連結会計年度においては、買収したシナプサス社のアポモルヒネ塩酸塩水和物(開発コード:APL-130277)およびトレロ社のalvocidibの開発をそれぞれ次のとおり実施しております。
① アポモルヒネ塩酸塩水和物
米国において、パーキンソン病に伴うオフ症状を対象としたフェーズ3試験を実施しております。
② alvocidib
米国において、急性骨髄性白血病(AML)を対象とした併用でのフェーズ2試験を実施しております。
上記以外にも、日本におけるルラシドン塩酸塩や米国、カナダおよび日本におけるamcasertib(開発コード:BBI503)の開発等を進めております。
このような研究開発活動の結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は808億19百万円となりました。なお、当社グループは、研究開発費をグローバルに管理しているため、セグメントに配分しておりません。
当社グループにおける開発状況は以下のとおりであります。
(平成29年5月11日現在)
開発段階 |
製品/コード名 |
一般名 |
予定適応症 |
国/地域 |
申請中 |
アプティオム |
eslicarbazepine acetate |
(新効能)てんかん(単剤) |
カナダ |
(新用法:小児)てんかん(単剤/併用) |
米国 |
|||
SM-13496 |
ルラシドン塩酸塩 |
統合失調症 |
中国 |
|
SUN-101 |
グリコピロニウム臭化物 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD) |
米国 |
|
フェーズ3 |
SM-13496 |
ルラシドン塩酸塩 |
統合失調症 |
日本 |
双極Ⅰ型障害うつ |
||||
双極性障害メンテナンス |
||||
BBI608 |
ナパブカシン |
胃または食道胃接合部腺がん |
米国・ |
|
結腸直腸がん(併用) |
||||
膵がん(併用) |
米国 |
|||
非小細胞肺がん(併用) |
||||
SEP-225289 |
dasotraline |
成人注意欠如・多動症(ADHD) |
米国 |
|
小児注意欠如・多動症(ADHD) |
||||
過食性障害(BED) |
||||
APL-130277 |
アポモルヒネ塩酸塩水和物 |
パーキンソン病に伴うオフ症状 |
米国 |
|
ロナセン |
ブロナンセリン |
(新用法:小児)統合失調症 |
日本 |
|
ロナセン |
(新剤形:経皮吸収型製剤)統合失調症 |
|||
トレリーフ |
ゾニサミド |
(新効能)レビー小体型認知症(DLB)に伴うパーキンソニズム |
日本 |
|
フェーズ 2/3 |
EPI-743 |
バチキノン |
リー脳症 (注) |
日本 |
(注) フェーズ2/3試験終了、今後の開発方針について検討中
開発段階 |
製品/コード名 |
一般名 |
予定適応症 |
国/地域 |
フェーズ2 |
BBI608 |
ナパブカシン |
結腸直腸がん(併用) |
米国・ |
DSP-1747 |
オベチコール酸 |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH) |
日本 |
|
DSP-6952 |
未定 |
便秘型IBS、慢性便秘 |
日本 |
|
BBI503 |
amcasertib |
腎細胞がん、尿路上皮がん(単剤) |
カナダ |
|
肝細胞がん、胆管がん(単剤) |
||||
消化管間質腫瘍(単剤) |
||||
卵巣がん(単剤) |
米国 |
|||
SB623 |
未定 |
慢性期脳梗塞 |
米国 |
|
EPI-589 |
未定 |
パーキンソン病 |
米国 |
|
筋萎縮性側索硬化症(ALS) |
||||
SEP-363856 |
未定 |
統合失調症 |
米国 |
|
パーキンソン病に伴う精神病症状 |
||||
alvocidib |
alvocidib |
急性骨髄性白血病(AML)(併用/バイオマーカー使用) |
米国 |
|
DSP-7888 |
未定 |
膠芽腫(併用) |
米国 |
|
フェーズ 1/2 |
BBI608 |
ナパブカシン |
固形がん(併用) |
米国・ |
悪性胸膜中皮腫(併用) |
日本 |
|||
膠芽腫(併用) |
カナダ |
|||
肝細胞がん(併用) |
米国 |
|||
固形がん(併用) |
||||
消化器がん(併用) |
米国・ |
|||
BBI503 |
amcasertib |
固形がん(単剤) |
米国・ |
|
肝細胞がん(併用) |
米国 |
|||
固形がん(併用) |
米国・ |
|||
DSP-7888 |
未定 |
骨髄異形成症候群(単剤) |
日本 |
|
小児悪性神経膠腫(単剤) |
||||
WT4869 |
未定 |
骨髄異形成症候群(単剤) |
日本 |
開発段階 |
製品/コード名 |
一般名 |
予定適応症 |
国/地域 |
フェーズ1 |
WT4869 |
未定 |
固形がん(単剤) |
日本 |
WT2725 |
未定 |
固形がん、血液がん(単剤) |
米国 |
|
固形がん(単剤) |
日本 |
|||
DSP-2230 |
未定 |
神経障害性疼痛 |
英国・米国 |
|
SEP-363856 |
未定 |
統合失調症 |
日本 |
|
BBI608 |
ナパブカシン |
膵がん(併用) |
米国 |
|
血液がん(単剤・併用) |
||||
肝細胞がん(併用) |
日本 |
|||
BBI503 |
amcasertib |
固形がん(単剤)、肝細胞がん(併用) |
日本 |
|
BBI608+BBI503 |
ナパブカシン |
固形がん(併用) |
米国 |
|
DSP-7888 |
未定 |
固形がん、血液がん(単剤) |
米国・ |
|
DSP-1200 |
未定 |
治療抵抗性うつ |
米国 |
|
DSP-1958 |
チオテパ |
造血幹細胞移植の前治療(単剤) |
日本 |
|
DSP-6745 |
未定 |
パーキンソン病に伴う精神病症状 |
米国 |
|
TP-0903 |
未定 |
固形がん(単剤) |
米国 |
(1) 財政状態
資産については、流動資産は、現金及び預金が増加しましたが、有価証券や短期貸付金の減少により、前連結会計年度末に比べ451億30百万円減少しました。固定資産は、保有株式の一部を売却したことにより減少しましたが、シナプサス社およびトレロ社の買収に伴いのれんや仕掛研究開発が大きく増加したことから、前連結会計年度末に比べ1,313億65百万円増加しました。これらの結果、総資産は前連結会計年度末に比べ862億35百万円増加し、7,939億50百万円となりました。
負債については、長期借入金の返済や社債の償還に加え、未払法人税等が減少しましたが、売上割戻引当金や買収に関連して短期借入金、繰延税金負債や条件付取得対価に係る公正価値が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ720億50百万円増加し、3,332億93百万円となりました。
純資産については、その他有価証券評価差額金等は減少しましたが、主として利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に比べ141億84百万円増加し、4,606億56百万円となりました。
なお、当連結会計年度末の自己資本比率は58.0%となりました。
(2) 経営成績
「1 業績等の概要 (1) 業績」をご参照ください。
(3) キャッシュ・フローの状況
「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。