(1) 業績
当年度の業績は以下のとおりとなりました。
| 売上収益 | 17,778億円 | [前年度比 | 861億円 | ( 5.1%) | 増] |
| 研究開発費 | 3,821億円 | [ 〃 | 405億円 | ( 11.9%) | 増] |
| 営業利益(△は損失) | △1,293億円 | [ 〃 | 2,685億円 | (192.8%) | 減] |
| 当期利益(△は損失) (親会社の所有者帰属分) | △1,458億円 | [ 〃 | 2,524億円 | (236.7%) | 減] |
| EPS | △185円37銭 | [ 〃 | 320円47銭 | (237.2%) | 減] |
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| Core Earnings(注) | 2,883億円 | [ 〃 | 259億円 | ( 8.2%) | 減] |
| Core Net Profit(注) | 1,767億円 | [ 〃 | 335億円 | ( 15.9%) | 減] |
| Core EPS(注) | 224円73銭 | [ 〃 | 41円52銭 | ( 15.6%) | 減] |
(注)Core Earningsは、営業利益から企業買収に係る会計処理の影響や無形資産の償却費および減損などの一時的要因を控除して算定しております。また、Core Net Profitは、当期利益からCore Earnings算定上控除した項目と同様の性質を有する項目およびこれらに係る税金影響を控除した利益であり、Core EPSはCore Net Profitを基に算定した1株当たり利益であります。
(業績の分析については「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)当年度の経営成績の分析」参照)
(2) セグメント別の状況
(以下のセグメント別連結売上収益は、各セグメントの外部顧客に対する売上収益を表しております。)
医療用医薬品事業の売上収益は、前年度から854億円(5.6%)増収の16,145億円となり、営業利益は、前年度から2,910億円(259.6%)減益の1,789億円の営業損失となりました。
ヘルスケア事業の売上収益は、「アリナミン錠剤類」等の増収により、前年度から7億円(1.0%)増収の736億円となりました。営業利益は粗利率の改善による売上総利益の増益等により、8億円(4.9%)増益の172億円となりました。
その他事業の売上収益は、前年度からほぼ横ばいの897億円となりました。営業利益は有形固定資産売却益を計上したことなどにより、217億円(200.7%)増益の324億円となりました。
(セグメント別の業績の分析については「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)当年度の経営成績の分析」参照)
(3) キャッシュ・フローの状況
(「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)当年度の財政状態の分析」参照)
(4) IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前年度 (自2013年4月1日 至2014年3月31日) | 当年度 (自2014年4月1日 至2015年3月31日) |
(のれんの償却停止) 当社グループは、のれん及び負ののれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。 この影響により、当年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が436億円減少しております。 | (のれんの償却停止) 当社グループは、のれん及び負ののれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。 この影響により、当年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が462億円減少しております。 |
当年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
医療用医薬品事業 | 696,966 | △4.7 |
ヘルスケア事業 | 45,376 | 12.0 |
その他事業 | 57,277 | 42.2 |
合計 | 799,619 | △1.5 |
(注) 生産実績金額は、消費税等を除いた販売価格によっております。
当年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
医療用医薬品事業 | 172,431 | △9.6 |
ヘルスケア事業 | 19,417 | 6.1 |
その他事業 | 24,696 | 15.2 |
合計 | 216,544 | △6.0 |
(注) 商品仕入実績金額は、消費税等を除いた実際仕入額によっております。
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画をたてて生産しております。
一部の事業において受注生産を行っていますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
当年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
医療用医薬品事業 | 1,614,509 | 5.6 |
(国内) | 561,323 | △3.6 |
(海外) | 1,053,186 | 11.2 |
ヘルスケア事業 | 73,579 | 1.0 |
その他事業 | 89,736 | △0.0 |
連結純損益計算書計上額 | 1,777,824 | 5.1 |
(うち知的財産権収益) | (56,774) | (△26.7) |
(注) 1 販売実績は、外部顧客に対する売上収益を表示しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前年度 | 当年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
㈱メディパルホールディングスおよびそのグループ会社 | 270,575 | 16.0 | 259,673 | 14.6 |
3 販売実績金額は、消費税等を除いた金額であります。
当社は 「タケダイズム(誠実:公正・正直・不屈)」 を企業活動の根幹に据え、常に患者さんを中心に考え、社会との信頼関係を深めること、また、皆様よりご評価をいただくことを優先し、その上で、事業を発展させてまいります。
研究開発型製薬企業として、当社は 「優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する」 というミッションの実現を目指し、この想いを 「Better Health, Brighter Future」 という言葉に集約しています。
当社は、患者さんや医療関係の皆様を中心に考え、人材育成力、集中した世界レベルの研究開発力、財務規律の高さ、を併せもつグローバル組織として、機動的で 「ベスト・イン・クラス」、かつ、持続的で利益率の高い成長を遂げる企業を目指します。
<中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題>
2014年度は、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」や酸関連疾患治療剤「タケキャブ」などの新製品の上市やグローバル事業運営体制の再構築を実現し、ビジネスプロセスの刷新に取り組むなど、タケダの変革に向けた重要な一年となりました。Project Summitにおいては、5年間のコスト削減目標である1,200億円(2013-2017年度)の半分以上の削減を2年間で達成しました。
これらの成果により、次の重要なフェーズである2015年度からの戦略遂行を支える事業基盤が整備されました。当社は、米国の革新的な新薬と新興国におけるバリューブランド(ブランドジェネリック医薬品とOTC医薬品)を主な成長ドライバーとして、中期的に自律的な成長を遂げてまいります。
今後数年間、当社の売上成長を牽引するのは「エンティビオ」です。「タケキャブ」や高血圧症治療剤「アジルバ」、2型糖尿病治療剤「ザファテック」、大うつ病治療剤「ブリンテリックス」、肥満症治療剤「コントレイブ」などの新製品や多発性骨髄腫治療薬「ixazomib」をはじめとするパイプラインも、今後のさらなる売上成長に貢献してまいります。なお、2015年度は日本市場における後発医薬品のさらなる浸透に直面することになりますが、当社は、コスト効率の改善や研究開発の革新に取り組み、さらには投資効率を追求した戦略的投資を継続することなどにより、利益成長と株主価値の向上を目指した取り組みを推進してまいります。
当社は、昨年9月、グローバル企業として、より効率的で競争力のある新たなグローバル事業運営体制を再構築することを発表しました。この事業運営体制は、今後、中期的に大きな成長が期待される消化器系疾患(GI)とオンコロジー領域における革新的な新薬および新興国市場におけるバリューブランドを、グローバルに展開させるものです。
新体制における研究開発組織は、中枢神経系疾患(CNS)、代謝性・循環器系疾患(CVM)、消化器系疾患(GI)、オンコロジーの4つの疾患領域別組織(Therapeutic Area Unit)に再編し、販売組織は、日本(医療用医薬品)、米国、欧州・カナダ、新興国、日本(OTC医薬品)の5つのBusiness Unitに再編しました。また、オンコロジーとワクチンの2つのSpecialty Business Unitを設置しました。
日本
当社は、新製品であり主力製品である「タケキャブ」(2015年2月上市)、「ザファテック」(2015年3月承認)、「アジルバ」、2型糖尿病治療剤「ネシーナ」などの製品価値を最大化させることによって、日本市場でのリーディングポジションを堅持します。これら新製品を着実に伸長させることにより、価格の引き下げ影響や後発医薬品の市場浸透による影響を緩和、相殺してまいります。
米国
米国においては、「エンティビオ」、「ブリンテリックス」、「コントレイブ」などの新製品を通じて市場シェアを拡大するため、販売促進に向けた積極的な投資を行ってまいります。
欧州・カナダ
欧州・カナダにおいては、既存製品の売上の維持・拡大とともに、「エンティビオ」や悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」などの新製品に注力し、スペシャリティケア事業の強化を図ります。
新興国
新興国においては、ロシア、ブラジル、中国に注力するとともに、既存製品である高品質なバリューブランドの売上最大化に努め、各市場ニーズの高まりに応える革新的な新薬とワクチンの多様な製品を継続的に上市・浸透させていくことによって、約10%の売上成長を実現してまいります。
当社は、230年を超える長い歴史の中で培われた普遍の価値観である「タケダイズム(誠実:公正・正直・不屈)」を経営の根幹に据え、コーポレート・ガバナンスの充実とコンプライアンス※のさらなる徹底を図り、今後も、「優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する」というミッションの実現に向けて全社一丸となって事業に邁進してまいります。
※当社は、高血圧症治療剤「ブロプレス」の臨床研究(CASE-J試験)に関する当社をめぐる一連の問題について、第三者機関による調査に全面的に協力してまいりました。その結果、当社による「試験データへのアクセス」、「データの改ざんや捏造」、「解析作業への直接的関与」は、いずれも認められなかった一方、医師主導臨床研究である本試験に対して、当社による複数の関与や働きかけが存在し、これら関与や働きかけが本試験の公正性・独立性に疑義を生じさせかねないものであったことが本調査において認められました。
当社は、一連の問題を受けて、プロモーション資材の社内審査機関に、法務的観点、医師の視点で審査を行えるメンバーを新たに加え、審査体制を強化し、また、寄付金を評価・審査する委員会の体制も強化しました。本調査結果を踏まえ、当社は、社内処分を実施するとともに、今後二度とこのようなことを起こさないよう、引き続き社内各部門の役割の明確化とチェック体制の強化による透明性の確保、当社製品に関連する医師主導臨床研究への不関与の徹底など、再発防止と改善策を徹底しております。
なお、本件に関するプロモーション行為の一部が、日本製薬工業協会(JPMA)の定める「医療用医薬品プロモーションコード」違反に該当するという判断を受け、当社は、昨年4月より同協会副会長としての役職活動停止措置を受けています。本年6月には、CASE-J試験の結果などに基づく医療関係者向け広告資材について、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」で禁止されている誇大広告に該当するとして、厚生労働省より業務改善命令を受領しました。
当社は、経営幹部を含む従業員一人ひとりが、患者の皆様や医療関係者の皆様をはじめ、当社の医薬品を待ち望んでおられる方々のことを第一に考え、皆様からの更に高い信頼の獲得・維持に向けて、全社一丸となって努力してまいります。
<目標とする経営指標>
企業価値を持続的に向上させるためには、実際の事業活動のパフォーマンスを把握することが重要と考えています。当社では、為替影響や製品売却などの特殊要因による影響を控除した「実質的な成長」(Underlying Growth)が、実際の事業活動のパフォーマンスを表していると考えます。こうした考え方から、当社では「Underlying Revenue Growth」(実質的な売上収益の成長)、「Underlying Core Earnings(注)Growth」(実質的なコア・アーニングスの成長)および実質的な収益性を測る「Core EPS(注)」(コアEPS)を重要な経営指標としています。
(注) Core Earningsは、営業利益から企業買収に係る会計処理の影響や無形資産の償却費および減損などの一時的要因を控除して算定しております。また、Core EPSは、Core Earnings算定上控除した項目と同様の性質を有する項目およびこれらに係る税金影響を控除した利益であるCore Net Profitを基に算定した1株当たり利益です。
2015年度の業績予想 a)
売上収益 | 18,200億円 |
研究開発費 | 3,300億円 |
営業利益 | 1,050億円 |
当期利益(親会社の所有者帰属分) | 680億円 |
EPS | 86.53円 |
a) 為替レートは、1米ドル=120円、1ユーロ=130円を前提としています。
目標とする経営指標 - 実質的な成長率
売上収益 | 1桁台前半 |
Core Earnings | 売上収益より高い成長率 |
Core EPS | Core Earningsより高い成長率 |
当社の業績は、現在および将来において様々なリスクにさらされており、リスクの顕在化により予期せぬ業績の変動を被る可能性があります。以下では、当社が事業を展開していくうえで直面しうる主なリスクを記載いたします。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、可能な限り発生の防止に努め、また、発生した場合の的確な対応に努めていく方針です。
なお、本項目に含まれる将来に関する事項は、当年度末現在において判断したものです。
(1)研究開発に関するリスク
当社は、日米欧アの各極市場への一日も早い新製品の上市を目指し、効率的な研究開発活動に努めておりますが、医薬品は、自社創製化合物、導入化合物にかかわらず、所轄官庁の定めた有効性と安全性に関する厳格な審査により承認されてはじめて上市可能となります。
研究開発の途上において、当該化合物の有効性・安全性が、承認に必要とされる水準を充たさないことが判明した場合またはその懸念があると審査当局が判断した場合、その時点で当該化合物の研究開発を途中で断念、または追加の臨床試験・非臨床試験を実施せざるを得ず、それまでにかかったコストを回収できないリスクや製品の上市が遅延するリスク、および研究開発戦略の軌道修正を余儀なくされる可能性があります。
(2)知的財産権に関するリスク
当社の製品は、物質・製法・製剤・用途特許等の複数の特許によって、一定期間保護されております。
当社では特許権を含む知的財産権を厳しく管理し、第三者からの侵害にも常に注意を払っておりますが、当社の保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、期待される収益が失われる可能性があります。また、当社の自社製品等が第三者の知的財産権を侵害した場合には損害賠償を請求される可能性があります。
(3)特許権満了等による売上低下リスク
当社は、効能追加や剤型変更等により製品のライフサイクルを延長する努力をしておりますが、多くの製品について、特許が満了すれば、後発品の市場参入は避けられません。国内では、当局が後発品の使用促進を積極的に進め、また、長期収載品の価格引下げが、さらに売上を圧迫しています。これに加え、競合品の特許満了によるその後発品、および競合品のスイッチOTC薬の出現などによって、国内外、特に米国での競争環境は格段に厳しいものになってきており、その影響如何で当社製品の大幅な売上低下を招く可能性があります。
(4)副作用に関するリスク
医薬品は、世界各国の所轄官庁の厳しい審査を伴う製造・販売承認を得て発売されますが、市販後の使用成績が蓄積された結果、発売時には予期していなかった副作用が確認されることがあります。新たな副作用が確認された場合には、「使用上の注意」への記載を行う、使用方法を制限するなどの処置が必要となるほか、販売中止・回収等を余儀なくされることもあり得ます。また、このような場合において、当社は損失および債務を負う可能性があります。
(5)薬剤費抑制策による価格引き下げのリスク
最大市場である米国では、低価格の後発品の使用促進や、連邦・州政府およびマネジドケアの強い要請に伴うブランド品への価格引き下げ圧力が一層高まっています。日本においては、医療保険制度の薬価が、現在は2年に1度引き下げられていますが、今後、毎年の改訂となるリスクもあります。また、長期収載品の価格引下げ幅が、拡大しています。欧州においても、薬剤費抑制策や並行輸入の増加により、同様に価格引き下げが行われております。これら各国の薬剤費抑制策による価格引き下げは、当社の業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(6)為替変動による影響
当社の当期における海外売上収益は10,650億円であり、連結売上収益全体の59.9%を占めており、そのうち米国での売上収益は4,261億円にのぼり、連結売上収益全体の24.0%を占めております。従って、売上収益については円安は増加要因ですが、一方、研究開発費をはじめとする海外費用が円安により増加するため、利益に対する影響は双方向にあります。当社の業績および財務状況は、リスクを緩和することが出来ない為替レートの変動に大きな影響を受けます。
(7)企業買収に関わるリスク
当社は、持続的な成長のためにグローバルに事業展開し、その手段として企業買収も実施しております。世界各国における事業活動は、法令や規則の変更、政情不安、経済動向の不確実性、商慣習の相違その他のリスクに直面する可能性があり、その結果当初想定した買収効果や利益が実現されない可能性があります。また、企業買収などの投資活動にともなって取得した資産の価値が下落した場合、評価損発生などにより、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)進出国および地域におけるカントリーリスク
当社は、グローバルな事業展開に伴い、進出国や地域における政治不安、経済情勢の悪化、社会混乱等のリスクに対応する体制を構築しており、抑止策や発生時の対処法を検討する等のリスク管理に努めております。しかしながら、不測の事態が生じた場合には、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)安定供給に関するリスク
当社は、販売網の急速なグローバル化に確実に対応する供給ネットワークと品質保証体制を強化しております。しかしながら、当社の製造施設・物流施設等において、技術上もしくは法規制上の問題、または、火災その他の災害により、製商品の安定的供給に支障が発生する可能性があります。その動向によっては、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)訴訟等に関するリスク
当社の事業活動に関連して、現在関与している訴訟のほか、将来、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引等に関連し、訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)技術導出
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 技術の内容 | 対価の受取 | 契約期間 |
武田薬品工業㈱ | オリオン・コーポレーション・オリオン・ファルマ社 | フィン | リュープロライド徐放製剤に関する技術 | 契約一時金 | 1991.12~ |
武田薬品工業㈱ | シグマ・タウ社 | イタリア | ランソプラゾールに関する技術 | 契約一時金 | 1992.7~ |
武田薬品工業㈱ | アボット・ラボラトリーズ社 | アメリカ | ランソプラゾールに関する技術 | 一定料率の | 1994.3~ |
武田薬品工業㈱ | アストラゼネカ社 | スウェー | カンデサルタンに関する技術 | 一定料率の | 1994.9~ |
武田薬品工業㈱ | イーライ・リリー・エクスポート社 | スイス | ピオグリタゾンに関する技術 | 契約一時金 | 1999.8~ |
武田薬品工業㈱ | アボット・ラボラトリーズ社 | アメリカ | ピオグリタゾンに関する技術 | 契約一時金 | 2000.2~ |
武田薬品工業㈱ | セレクサ社 | アメリカ | 抗MRSAセファロスポリン系注射抗生剤に関する技術 | 契約一時金 | 2003.9~ |
武田ファーマシューティカルズUSA, Inc. (連結子会社) | イーライ・リリー・エクスポート社 | スイス | ピオグリタゾンに関する技術 | 契約一時金 | 1999.12~ |
武田薬品工業㈱ | トビラ社 | アメリカ | HIV感染症治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2007.8~ |
武田薬品工業㈱ | アッヴィ・エンドクリン社 | アメリカ | リュープロライド徐放製剤に関する技術 | 一定料率の | 2008.4~ |
武田 GmbH | サノビオン・ファーマシューティカルズ社 | アメリカ | 鼻炎・呼吸器疾患治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2008.1~ |
武田 GmbH | アストラゼネカ社 | イギリス | 慢性閉塞性肺疾患治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2009.8~ |
武田薬品工業㈱ | アーバー・ファーマシューティカルズ・アイルランド社 | アイルラ | 高血圧症治療剤に関する技術 | 契約一時金 | 2013.9~ |
(2)共同研究
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 共同研究の内容 | 契約期間 |
武田薬品工業㈱ | グラクソ・スミスクライン社 | イギリス | ヒト遺伝子に関する研究 | 1995.6~ |
武田薬品工業㈱ | グラクソ・スミスクライン社 | イギリス | コンビナトリアル・ケミストリーに関する研究 | 1996.6~ |
武田薬品工業㈱ | セージ・バイオネットワークス | アメリカ | 中枢神経疾患分野における創薬標的に関する研究 | 2010.11~2015.6 |
武田薬品工業㈱ | 京都大学 | 日本 | 中枢神経系制御に基づく肥満症治療薬および統合失調症治療薬に関する研究 | 2011.1~2016.3 |
武田薬品工業㈱ | ブリティッシュ・コロンビア・キャンサー・エージェンシー・ブランチ | カナダ | 遺伝子解析を利用した創薬標的探索に関する研究 | 2012.8~ |
武田薬品工業㈱ | アドビナス・セラピューティクス社 | インド | 炎症性・中枢神経系・代謝性疾患領域等における新規創薬標的に対する新薬候補化合物に関する研究 | 2012.10~ |
武田薬品工業㈱ | 京都大学 | 日本 | iPS細胞技術の臨床応用に関する研究 | 2015.4~ |
(3)技術導入
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 技術の内容 | 対価の支払 | 契約期間 |
武田薬品工業㈱ | 科研製薬㈱ | 日本 | 塩酸ブテナフィンに関する技術 | 契約一時金 | 1997.9~ |
武田薬品工業㈱ | 味の素製薬㈱ | 日本 | 骨粗鬆症治療薬に関する技術 | 一定料率の | 2002.5~2028.2 |
武田薬品工業㈱ | アンドレックス社 | アメリカ | 糖尿病治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2004.1~ |
武田薬品工業㈱ | ノルジーン社 | オランダ | 抗肥満薬に関する技術 | 契約一時金 | 2004.1~ |
武田薬品工業㈱ | スキャンポ・ | アメリカ | 機能性便秘・便秘型過敏性腸症候群治療薬に関する技術(対象地域:アメリカ・カナダ) | 契約一時金 | 2004.10~ |
武田薬品工業㈱ | プロノヴァ・ | ノルウェー | 高トリグリセリド血症治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2005.11~ |
武田薬品工業㈱ | ゼノン・ファーマシューティカルズ社 | カナダ | 鎮痛薬に関する技術 | 契約一時金 | 2006.9~ |
武田薬品工業㈱ | ゾーマ社 | アメリカ | 抗体医薬に関する技術 | 契約一時金 | 2006.11~ |
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 技術の内容 | 対価の支払 | 契約期間 |
武田薬品工業㈱ | バイオワ社 | アメリカ | 抗体活性増強に関する技術 | 契約一時金 | 2007.5~ |
武田薬品工業㈱ | ルンドベック社 | デンマーク | 気分障害・不安障害治療薬に関する技術(対象地域:アメリカ) | 契約一時金 | 2007.9~ |
武田薬品工業㈱ | ルンドベック社 | デンマーク | 気分障害・不安障害治療薬に関する技術(対象地域:日本) | 契約一時金 | 2007.11~ |
武田薬品工業㈱ | アムジェン社 | アメリカ | バイオ医薬に関する技術(対象地域:日本) | 契約一時金 | 2008.2~ |
武田薬品工業㈱ | (財)阪大微生物病研究会 | 日本 | セービン株不活性化ポリオワクチンに関する技術 | 契約一時金 | 2008.3~ |
武田薬品工業㈱ | アルナイラム社 | アメリカ | RNAi医薬に関する技術 | 契約一時金 | 2008.5~ |
武田薬品工業㈱ | ノバルティス社 | スイス | インフルエンザ菌b型ワクチンを含む混合ワクチンに関する技術 | 契約一時金 | 2009.5~ |
ミレニアム・ファーマシューティカルズ Inc.(連結子会社) | シアトルジェネティクス社 | アメリカ | リンパ腫治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2009.12~ |
武田薬品工業㈱ | オレキシジェン・セラピューティクス社 | アメリカ | 抗肥満薬に関する技術 | 契約一時金 | 2010.9~ |
武田薬品工業㈱ | バクスター・ヘルスケア社 | スイス | インフルエンザワクチンに関する技術 | 契約一時金 | 2010.12~ |
武田薬品工業㈱ | ジンファンデル・ファーマシューティカルズ社 | アメリカ | アルツハイマー病のバイオマーカーに関する技術 | 契約一時金 | 2010.12~ |
武田薬品工業㈱ | 大日本住友製薬㈱ | 日本 | 非定型抗精神病薬に関する技術 | 契約一時金 | 2011.3~ |
ミレニアム・ファーマシューティカルズ Inc.(連結子会社) | スネシス・ファーマシューティカルズ社 | アメリカ | 癌治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2011.3~ |
武田薬品工業㈱ | テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ社 | イスラエ | 多発性硬化症治療薬に関する技術 | 一時金 | 2013.3~ |
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 技術の内容 | 対価の支払 | 契約期間 |
武田薬品工業㈱ | ナトロジェン・セラピューティクス・インターナショナル社 | アメリカ | 炎症性腸疾患治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2013.12~ |
武田薬品工業㈱ | テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ社 | イスラエ | パーキンソン病治療薬に関する技術 | 一時金 | 2014.3~ |
武田薬品工業㈱ | マクロジェニクス社 | アメリカ | 自己免疫疾患治療薬に関する技術(対象:MGD010) | 契約一時金 | 2014.5~ |
武田薬品工業㈱ | マクロジェニクス社 | アメリカ | 自己免疫疾患治療薬に関する技術(対象:新規4化合物) | 一時金 | 2014.9~ |
武田ファーマシューティカルズ・インターナショナルGmbH | スキャンポAG | スイス | 慢性特発性便秘症等治療薬に関する技術(対象地域:アメリカ・カナダ・日本・中国以外の全世界) | 契約一時金等 | 2014.10~ |
ミレニアム・ファーマシューティカルズInc. | イミュノジェン社 | アメリカ | 抗体-薬物複合体技術 | 契約一時金 | ・対象技術についての独占的研究ライセンス契約の契約期間は、2015.3~契約所定の事由により解約されない限り2018.3まで(追加の対価支払いにより1年又は2年延長可能) |
(注)契約の解消につき決定し、2016.1に終了する。
(4)クロスライセンス
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 技術の内容 | 対価の支払 | 契約期間 |
武田薬品工業㈱ | グラクソ・スミスクライン社 | イギリス | グリタゾン製剤に関する技術 | 相互有償 | 2001.3~ |
(5)販売契約
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 契約内容 | 契約期間 |
武田薬品工業㈱ | キッセイ薬品工業㈱ | 日本 | 速効性食後血糖降下剤の日本における販売 | 2002.8~ |
武田薬品工業㈱ | ファイザー社、ワイス社およびファイザー㈱ | アメリカ | 関節リウマチ治療薬の日本における販売提携 | 2003.5~2025.12 |
武田薬品工業㈱ | グラクソ・スミスクライン社 | イギリス | インフルエンザ菌b型ワクチン(単体)の日本における開発・販売 | 2009.5~ |
武田薬品工業㈱ | ヤンセン・ファーマスーティカ社およびヤンセンファーマ㈱ | ベルギー | アルツハイマー型認知症治療薬の日本における販売提携 | 2010.3~ |
武田薬品工業㈱ | ジョンソン・エンド・ジョンソン㈱ | 日本 | OTC医薬品の日本における販売 | 2012.11~ |
武田薬品工業㈱ | 大正製薬㈱ | 日本 | ビオフェルミン製品の日本における販売 | OTC医薬品・医療用医薬品ともに2014.1.1~ |
武田薬品工業㈱ | 大塚製薬㈱ | 日本 | 酸関連疾患治療薬の日本における販売提携 | 2014.3~ |
武田薬品工業㈱ | あすか製薬㈱ | 日本 | カンデサルタンのオーソライズド・ジェネリックの日本における事業化 | 2014.5~ |
(6)その他
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 契約内容 | 締結年月 | 契約対象の 取引の実行年月 |
武田薬品工業㈱ | ファーマシューティカル・プロダクト・ディベロップメント社およびフューリエックス・ファーマシューティカル社 | アメリカ | 糖尿病治療薬の開発・販売権の持分譲受(開発・販売の進捗に応じた契約一時金及び売上高に応じた対価を支払う) | 2005.7 | 2005.7 |
武田アメリカ・ホールディングス Inc.ほか | URLファーマInc.および同社株主代表 | アメリカ | URLファーマInc.の全株式譲受による買収(契約一時金及びコルクリス事業の業績に応じた対価を支払う) | 2012.4 | 2012.6 |
武田アメリカ・ホールディングス Inc.ほか | インビラージェンInc.および同社株主代表 | アメリカ | インビラージェンInc.の全株式譲受による買収 | 2013.5 | 2013.5 |
武田薬品工業㈱ | 大正製薬㈱ | 日本 | ビオフェルミン製薬㈱の株式の一部譲渡 | 2013.7 | 2013.8 |
武田薬品工業㈱ | 武田バイオ開発センター㈱ | 日本 | 武田バイオ開発センター㈱の事業譲渡による統合 | 2013.8 | 2014.4 |
武田薬品工業㈱ | ナトロジェン・セラピューティクス・インターナショナル社 | アメリカ | ナトロジェン・セラピューティクス・インターナショナル社の買収オプション権の取得 | 2013.12 | オプション権行使時期は未定 |
武田薬品工業㈱ | ㈱住化分析センター | 日本 | ㈱武田分析研究所の全事業の譲渡 | 2014.3 | 2014.7 |
武田薬品工業㈱ | 三菱UFJ信託銀行㈱ | 日本 | 国内外のグループ上級幹部従業員向けインセンティブプランとしての株式付与ESOP信託の設定 | 2014.5 | (信託設定期間は2017年7月までの予定) |
武田薬品工業㈱ | サノフィ㈱ | 日本 | 糖尿病領域における啓発活動等に関する協力・提携 | 2014.6 | 2014.6~ |
武田薬品工業㈱ | 三菱UFJ信託銀行㈱ | 日本 | 国内在住の社内取締役向けインセンティブプランとしての株式付与BIP信託の設定 | 2014.8 | (信託設定期間は2017年7月までの予定) |
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 契約内容 | 締結年月 | 契約対象の 取引の実行年月 |
武田薬品工業㈱ | ㈱メディカルトリビューン | 日本 | ㈱日本臨牀社の株式の全部譲渡 | 2014.9 | 2014.9 |
武田ベンチャー投資Inc. | バイオモティブ社 | アメリカ | バイオモティブ社への投資ならびに同社が保有する免疫・炎症および代謝性・循環器疾患領域に関するプログラムに対する独占的権利の取得 | 2014.9 | 2014.9 |
武田薬品工業㈱ | アルフレッサ㈱ | 日本 | ワクチン安全管理㈱の株式の一部譲受 | 2014.10 | 2014.10 |
武田GmbH | ニューテック社 | トルコ | ニューテック社が保有するトプラムカリテ社の株式譲受により買収 | 2015.2 | 2015.5 |
武田薬品工業㈱ | 大阪ガスケミカル㈱ | 日本 | 水澤化学工業㈱の株式の全部譲渡 | 2015.4 | 2015.4 |
武田薬品工業㈱ | Neblett, Beard & Arsenault等原告和解検討委員会を構成する9つの法律事務所 | アメリカ | 米国で現に提起されるかまたは近々に提起されるアクトス膀胱がん製造物責任クレームを和解により解決することを目指す合意 | 2015.4 | 終期の定めなし。ただし、当社らは一定時期までに一定割合の参加が得られない場合、終了を選択することができる。 |
当社は、医薬事業を中心に、幅広い研究開発活動を展開しております。
当年度における全体の研究開発費は3,821億円であり、うち、医療用医薬品事業において 3,757億円、ヘルスケア事業において14億円を計上しております。当社では、全体にかかる研究開発費のほとんどを医療用医薬品の研究開発活動にあてております。
(医療用医薬品事業)
当社は、疾患領域と製品戦略の強化を図るとともに各疾患領域においてグローバルリーダーとしてのプレゼンスを確立し、患者さんのアンメットメディカルニーズに応えていくため、研究開発部門を「中枢神経系疾患(CNS)」、「代謝性・循環器系疾患(CVM)」、「消化器系疾患(GI)」、「オンコロジー」の4つの疾患領域別組織(Therapeutic Area Unit)で構成しています。また、オンコロジーとワクチンの事業領域については、管理・販売機能も備えた専門的なSpecialty Business Unitを設置しています。
当年度における研究開発活動の主な内容および成果は下記のとおりです。
①自社創製品に関する取り組み
・昨年5月、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ(一般名:ベドリズマブ)」について、米国食品医薬品局(FDA)より、販売許可を取得しました。同月、本剤について、欧州委員会(EC)から販売許可を取得しました。
・昨年5月、2型糖尿病治療剤「ネシーナ(一般名:アログリプチン)」について、厚生労働省より、効能・効果を「2型糖尿病」とする一部変更承認を取得しました。これにより、これまで併用効能が承認されていなかった速効型インスリン分泌促進薬を含め、本剤と実臨床において併用が想定される全ての経口血糖降下薬およびインスリン製剤との併用が可能となりました。
本年3月、本剤の心血管系への安全性を評価したグローバル試験であるEXAMINE試験の事後解析データが医学雑誌「The Lancet」に掲載されました。また、本年4月に開催されたFDAの内分泌・代謝薬諮問委員会(EMDAC)において、EXAMINE試験について、本剤の2型糖尿病患者における心血管リスクプロファイルは許容範囲であるとの見解が示されました。本年6月、第75回米国糖尿病学会学術集会(ADA)において、EXAMINE試験の事後解析データおよび追加の事後解析データを発表しました。
・昨年5月、酸関連疾患治療剤「タケキャブ(一般名:ボノプラザン)」について、米国消化器病週間(Digestive Disease Week)において、本剤の5つの臨床第3相試験結果を発表しました。昨年12月、本剤について厚生労働省より製造販売承認を取得しました。また、本年3月、「タケキャブ」を含むヘリコバクター・ピロリ除菌用パック製剤について、厚生労働省に製造販売承認申請を行いました。
・昨年6月、前立腺がん治療薬「TAK-700(一般名:オルテロネル)」について、2つの臨床第3相試験において、主要評価項目である全生存期間の改善がみられなかったこと、ならびに、前立腺がんに対して他の治療オプションが存在することを踏まえ、本薬のグローバルでの開発中止を決定しました。
・昨年8月、多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド(一般名:ボルテゾミブ)」について、FDAより、本剤による治療で奏効し、投与終了後少なくとも6ヶ月以降に再発した成人多発性骨髄腫患者に対する再治療についての効能を追加取得しました。また、昨年10月、FDAより、未治療のマントル細胞リンパ腫に対する効能を追加取得しました。
・昨年8月、2型糖尿病治療剤「アクトス(一般名:ピオグリタゾン)」などピオグリタゾン含有製剤について、市販後に課された10年間の疫学研究のデータをFDA、欧州医薬品庁(EMA)および日本の厚生労働省/医薬品医療機器総合機構など各国の規制当局に提出しました。この研究は、ペンシルベニア大学とKaiser Permanente医療保険グループ(KPNC)の研究部門により実施され、この研究の結果、過去にピオグリタゾン投与を受けたことがある患者において、膀胱がん発生リスクの統計学的に有意な増加は認められないことが報告されました。
・昨年9月、前立腺がん・閉経前乳がん治療剤「リュープリン(一般名:リュープロレリン)」の6ヶ月製剤について、厚生労働省に製造販売承認申請を行いました。
・昨年9月、2型糖尿病治療剤「ザファテック(一般名:トレラグリプチン)」について、第50回欧州糖尿病学会年次集会(European Association for the Study of Diabetes)において、本剤の臨床第3相試験結果を発表しました。また、本年3月、本剤について厚生労働省より製造販売承認を取得しました。
・昨年11月、経口プロテアソーム阻害薬「MLN9708(一般名:ixazomib)」について、再発・難治性の全身性ALアミロイドーシスの効能において、FDAよりBreakthrough Therapyの指定※を受けました。本薬は、他社製品を含め、プロテアソーム阻害薬およびALアミロイドーシス治療薬として同指定を受けた最初の薬剤であり、昨年12月、第56回米国血液学会年次総会(ASH)において、その根拠となったデータを発表しました。また、同学会では、導入療法として「MLN9708」、「レナリドミド」、「デキサメタゾン」を投与された多発性骨髄腫患者を対象として、「MLN9708」経口単独投与による維持療法の安全性および有効性を検証する臨床第2相試験の結果についても発表しました。本年2月、再発・難治性の多発性骨髄腫患者を対象として実施していた臨床第3相試験(TOURMALINE-MM1試験)の最初の中間解析速報結果を発表しました。本試験において、「MLN9708」と「レナリドミド」および「デキサメタゾン」を併用投与した群では、プラセボと「レナリドミド」および「デキサメタゾン」を併用投与した群に比し主要評価項目である無増悪生存期間が有意に延長しました。本年5月、一次治療に奏効し、自家造血幹細胞移植を受けていない初発の多発性骨髄腫患者を対象に、「MLN9708」の維持療法の役割を検証する臨床第3相試験(TOURMALINE-MM4試験)を開始したことを発表しました。
※Breakthrough Therapyの指定は、重篤もしくは致命的な疾患に対する新薬の開発および審査を加速することを企図して設けられた制度です。
・本年5月、オーロラAキナーゼ阻害薬「MLN8237(一般名:alisertib)」について、再発・難治性の末梢性T細胞性リンパ腫の臨床第3相試験を、中止することを発表しました。この決定は、本試験の中間解析結果に基づくものであり、本薬が標準治療に勝る有効性を示す可能性が低いと判断しました。
②導入品(アライアンス)等に関する取り組み
・昨年4月、当社は、イスラエル「テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ社」と、同社が保有するパーキンソン病治療薬「ラサジリン(一般名)」について、日本における製品化に関する契約を締結したことを発表しました。本契約に基づき、当社は、本薬の日本における開発および製造販売承認申請を行います。本年1月、当社は臨床第2/3相試験および臨床第3相試験を開始しました。
・昨年5月、当社は、米国「マクロジェニクス社」と、同社が保有する自己免疫疾患治療薬の新薬候補物質である「MGD010」について、開発・販売に関するオプション契約を締結しました。また、昨年9月、同社とさらに4つの新薬候補物質の開発・販売に関する契約を締結しました。
・昨年6月、デンマーク「ルンドベック社」より導入した大うつ病治療剤「ブリンテリックス(一般名:ボルチオキセチン)」について、米国臨床精神薬理学会年次総会において、本剤が、大うつ病治療に起因する性機能障害に与える影響を評価した臨床試験結果を発表しました。また、同月、国際神経精神薬理学会において、本剤が、認知機能に与える影響を評価した臨床試験結果を発表しました。
・昨年6月、米国「アフィマックス社」より導入した腎性貧血治療剤「オモンティス(一般名:ペギネサタイド)」について、重篤な過敏性反応の原因究明のための調査結果と両社間の協議に基づき、当社は、本剤の米国における新薬承認申請の取り下げと本剤に関する両社間の共同事業の解消を決定し、昨年9月をもって同社との契約を終了しました。
・昨年7月、当社と米国「ジンファンデル・ファーマシューティカルズ社」は、国際アルツハイマー病学会(Alzheimer’s Association International Conference)において、「AD-4833(一般名:ピオグリタゾン)/TOMM40」に関する臨床第3相試験(TOMMORROW試験)※の最新情報を含め、複数の発表を行いました。
※本試験では、認知機能が正常な高齢者を対象に、アルツハイマー病に起因する軽度認知機能障害の5年以内の発症リスクを予見するバイオマーカー(「TOMM40」遺伝子を含む)を用いた評価手法を検証するとともに、本評価手法により発症リスクが高いと診断された高齢者において、低用量「AD-4833」の投与による軽度認知機能障害の発症遅延効果を評価しています。
・昨年9月、カナダ「パラディン社」より導入したエチレングリコール・メタノール中毒用剤「ホメピゾール点滴静注1.5g『タケダ』(一般名:ホメピゾール)」について、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。
・昨年9月、米国「シアトルジェネティクス社」より導入した悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)」について、ホジキンリンパ腫患者に対し、自家造血幹細胞移植直後に本剤を地固め療法として投与した臨床第3相試験(AETHERA試験)の速報結果を発表し、昨年12月、第56回ASHにおいて、本試験結果を発表しました。また、同学会では、再発・難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫患者を対象とした臨床第2相試験の4年間の生存率データについても発表しました。
・昨年10月、米国「イントラセルラー・セラピーズ社」と2011年2月に締結した統合失調症に伴う認知機能障害の治療薬である「ITI-214」および関連するホスホジエステラーゼ(PDE)1阻害薬の共同開発・販売契約を終了し、関連する化合物の権利を同社に返還することについて合意しました。
・昨年11月、米国「アムジェン社」より導入したがん治療薬「AMG386(一般名:トレバナニブ)」について、再発卵巣がんを対象に、同薬および「パクリタキセル」併用群とプラセボおよび「パクリタキセル」併用群とを比較した臨床第3相試験(TRINOVA-1試験)の副次評価項目である全生存期間に関する試験の速報結果を発表しました。
・昨年11月、当社は、英国「GEヘルスケア社」と肝疾患の診断・治療において重要な要素である肝線維化の診断技術に関するアライアンス契約を締結したことを発表しました。これにより、治療薬のより早期の開発および新たな肝疾患診断技術の開発を目指します。
・昨年12月、当社は、イスラエル「テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ社」より導入した多発性硬化症再発予防薬「グラチラマー(一般名)」について、厚生労働省に製造販売承認申請を行いました。
・昨年12月、米国「エーマグ・ファーマシューティカルズ社」より導入した静注用鉄欠乏性貧血治療剤「フェルモキシトール(一般名)」について、欧州等を対象とした開発・販売契約を解消することについて同社と合意しました。
・本年2月、「TAK-361S(沈降精製百日せきジフテリア破傷風ワクチンにセービン株不活化ポリオワクチン※を混合した4種混合ワクチン)」について、自主的に開発中止を決定したことを発表しました。今般の決定は、公衆衛生上重要なワクチンに対し研究開発資源の最適投資を行う観点から、ワクチンポートフォリオを見直した結果によるものです。
※当社は、2008年に「財団法人日本ポリオ研究所(現 阪大微生物病研究会)」から、セービン株不活化ポリオワクチン用たねウイルスの分与を受けました。
・本年2月、米国「アムジェン社」より導入したがん治療薬「AMG706(一般名:モテサニブ)」について、進行性非小細胞肺がんを対象として実施していた臨床第3相試験(MONET-A試験)において、主要評価項目を達成しなかったことから本試験を中止することを発表しました。
・本年3月、当社は、「公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団」と締結していた「ヒト・パピローマウイルス・ワクチン」にかかる全世界における独占的実施権許諾に関するライセンス契約について、本契約に基づく全ての権利を「一般財団法人 化学及血清療法研究所」に承継しました。
・本年5月、当社は、「大日本住友製薬株式会社」より導入した非定型抗精神病剤「ラツーダ(一般名:ルラシドン)」について、欧州における共同開発・独占的販売契約が解消されることになり、同社への欧州の開発・販売権の返還ならびに事業の移管を適正に実行するため、具体的条件の協議を開始しました。
③共同研究に関する取り組み
・昨年12月、当社は、オーストラリア「モナッシュ大学」と、消化器系疾患領域におけるアンメットメディカルニーズの高い疾患に対する新薬の戦略的共同研究契約を締結しました。
・本年2月、当社は、英国「クイーンメアリー大学」と、消化器系疾患領域において、新たな知見を見出し新薬を創出することを目的とした共同研究契約を締結しました。
・本年4月、当社は、「京都大学iPS細胞研究所(CiRA)」と、心不全、糖尿病、神経疾患などにおけるiPS細胞技術の臨床応用に向けた10年間の共同研究契約を締結しました。T-CiRA(Takeda-CiRA Joint Program for iPS Cell Applications)と称する本提携において、iPS細胞技術を用いた創薬研究や細胞治療に関する複数の研究プロジェクトを実施いたします。
・本年4月、当社は、「慶応義塾大学医学部」および「新潟大学」と、湘南研究所において疾患関連RNA結合タンパク質の探索と機能解析に関する共同研究を実施する契約を締結したことを発表しました。
・本年4月、当社は、「国立研究開発法人国立がん研究センター」と、がんの研究開発提携に関する契約を締結しました。本契約に基づき、当社と同センターは、がんの基礎研究から臨床開発研究にわたる連携を実行に移すべく、必要な情報共有と協議を継続的に実施します。
④研究開発体制の整備・強化
・昨年4月、当社は、新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備に関する日本政府の財政支援事業(第二次実生産設備整備事業)の追加公募について、助成金交付先として選定されました。
・昨年9月、当社は、米国「バイオモティブ社」に対して戦略的投資を行い、革新的な新薬候補物質の同定・開発の強化に向け提携することを決定しました。
・本年3月、当社は、米国「イミュノジェン社」と同社が有する最先端の抗体-薬物複合体(ADC:antibody-drug conjugate)技術の独占的使用権を保有する契約を締結しました。
・本年6月、当社は、Vaccine Business Unitについて、ワクチン事業のさらなる成長および重要なワクチンの開発加速に向け、グローバルおよびリージョナル拠点を設置し、米国におけるワクチン事業運営を統合することを発表しました。今後、米国マサチューセッツ州ボストン/ケンブリッジ地域とスイス・チューリッヒがグローバル拠点となり、シンガポールとブラジルは引き続きリージョナル拠点として機能します。本体制の発足に伴い、米国モンタナ州ボーズマン、米国ウィスコンシン州マディソン、米国コロラド州フォートコリンズの3つの拠点を閉鎖し、現在米国イリノイ州ディアフィールドにある同ユニットの本部機能をボストン/ケンブリッジ地域に移します。この移転は2年をかけて実施し、2017年半ばに完了する予定です。
(ヘルスケア事業)
健康維持・増進に対する生活者の意識やニーズが高まる中で、常に生活者の立場から発想し、生活者のニーズに合った製品を提供し続けることを使命と考えております。
高付加価値を追求しながら、エビデンスに裏付けられた高品質かつ有効性・安全性の高い製品の開発を進めてまいります。
(1)当年度の経営成績の分析
①売上収益
当年度の売上収益は前年度から、861億円(5.1%)増収の17,778億円となりました。
・国内では高血圧症治療剤「アジルバ」や高脂血症治療剤「ロトリガ」の売上が前年度から大幅に伸長しました。米国では多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド」の伸長に加え、昨年に販売を開始した潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」が極めて順調に売上を伸ばしています。また、欧州では悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」が引き続き伸長しています。さらに、為替レートが円安になった影響は増加要因であった一方、高血圧症治療剤カンデサルタン(国内製品名:「ブロプレス」)、消化性潰瘍治療剤ランソプラゾール(国内製品名:「タケプロン」)をはじめとした大型製品の特許切れによる後発品の浸透や、国内における薬価改定による減収もあり、全体では861億円の増収となりました。
なお、対前年度での実質的な売上収益の成長率(注)は、+2.8%となりました。
(注)実質的な成長率: 為替影響および製品売却影響を控除した実質ベースの成長率
・医療用医薬品の主要品目の売上収益は下記のとおりです。
多発性骨髄腫治療剤 | 1,527億円 | 前年度比 | 214億円 | ( 16.3%) | 増 |
高血圧症治療剤 | 1,257億円 | 〃 | 314億円 | ( 20.0%) | 減 |
前立腺癌・乳癌・子宮内膜症治療剤 | 1,240億円 | 〃 | 28億円 | ( 2.2%) | 減 |
消化性潰瘍治療剤 | 1,037億円 | 〃 | 1億円 | ( 0.1%) | 増 |
消化性潰瘍治療剤 | 1,029億円 | 〃 | 168億円 | ( 14.0%) | 減 |
痛風治療剤 | 588億円 | 〃 | 69億円 | ( 13.3%) | 増 |
2型糖尿病治療剤 | 310億円 | 〃 | 57億円 | ( 15.6%) | 減 |
(注) 売上収益は知的財産権収益および役務収益を含めて表示しております。
・医療用医薬品事業
医療用医薬品事業の売上収益は、前年度から854億円(5.6%)増収の16,145億円となり、営業利益は、前年度から2,910億円(259.6%)減益の1,789億円の営業損失となりました。
このうち国内売上収益は、「アジルバ」、「ロトリガ」、「ネシーナ」をはじめとする2010年以降に発売した製品群の売上寄与がありましたが、薬価改定および後発品の浸透による減収を吸収できず、前年度から208億円(3.6%)減収の5,613億円となりました。
主な品目の国内売上収益は下記のとおりです。
「ブロプレス」(高血圧症治療剤) | 946億円 | 前年度比 | 312億円 | ( 24.8%) | 減 |
「リュープリン」 | 576億円 | 〃 | 69億円 | ( 10.7%) | 減 |
「タケプロン」(消化性潰瘍治療剤) | 525億円 | 〃 | 151億円 | ( 22.3%) | 減 |
「アジルバ」(高血圧症治療剤) | 454億円 | 〃 | 201億円 | ( 79.4%) | 増 |
「ネシーナ」(2型糖尿病治療剤) | 384億円 | 〃 | 4億円 | ( 1.0%) | 増 |
「ベクティビックス」(抗悪性腫瘍剤) | 183億円 | 〃 | 10億円 | ( 5.3%) | 減 |
「レミニール」 | 139億円 | 〃 | 16億円 | ( 13.2%) | 増 |
「ロトリガ」(高脂血症治療剤) | 132億円 | 〃 | 79億円 | (150.9%) | 増 |
「アクトス」(2型糖尿病治療剤) | 108億円 | 〃 | 47億円 | ( 30.3%) | 減 |
海外売上収益は、後発品の浸透による減収があったものの、米国における「ベルケイド」、「デクスラント」などの売上が好調に推移したほか、「ブリンテリックス」、「エンティビオ」をはじめとする新製品の寄与や為替レートが円安となった影響などにより、前年度から1,062億円(11.2%)増収の10,532億円となりました。
主な品目の海外売上収益は下記のとおりです。
「ベルケイド」(多発性骨髄腫治療剤) | 1,462億円 | 前年度比 | 163億円 | ( 12.6%) | 増 |
「パントプラゾール」(消化性潰瘍治療剤) | 1,037億円 | 〃 | 1億円 | ( 0.1%) | 増 |
「リュープロレリン」 | 664億円 | 〃 | 41億円 | ( 6.6%) | 増 |
「デクスラント」(逆流性食道炎治療剤) | 623億円 | 〃 | 120億円 | ( 23.9%) | 増 |
「コルクリス」(痛風治療剤) | 588億円 | 〃 | 69億円 | ( 13.3%) | 増 |
「ランソプラゾール」(消化性潰瘍治療剤) | 504億円 | 〃 | 17億円 | ( 3.2%) | 減 |
「カンデサルタン」(高血圧症治療剤) | 311億円 | 〃 | 2億円 | ( 0.5%) | 減 |
「エンティビオ」 | 278億円 | 〃 | ―億円 | ( ―%) |
|
「ピオグリタゾン」(2型糖尿病治療剤) | 202億円 | 〃 | 10億円 | ( 4.8%) | 減 |
(注) 売上収益は知的財産権収益および役務収益を含めて表示しております。
・ヘルスケア事業
ヘルスケア事業の売上収益は、「アリナミン錠剤類」等の増収により、前年度から7億円(1.0%)増収の736億円となりました。営業利益は粗利率の改善による売上総利益の増益等により、8億円(4.9%)増益の172億円となりました。
・その他事業
その他事業の売上収益は、前年度からほぼ横ばいの897億円となりました。営業利益は有形固定資産売却益を計上したことなどにより、217億円(200.7%)増益の324億円となりました。
②営業利益
前年度から2,685億円(192.8%)減益の1,293億円の営業損失となりました。
・売上収益の増加により売上総利益は554億円(4.6%)の増益となりました。
・販売費及び一般管理費は、米国における新製品の上市に伴う経費の増加等により564億円(10.1%)増加しました。
・研究開発費は、405億円(11.9%)増加し、3,821億円となりました。
・製品に係る無形資産償却費及び減損損失は、532億円の減損損失を計上したことなどにより増加しました。
・538億円のコルクリス事業の業績に応じて変動する条件付対価(注)の取り崩しを行ったことや、328億円の固定資産売却益の発生等により、その他の営業収益は大幅に増加しました。
(注)企業結合に起因して、将来の特定事象が発生した場合に、追加的に発生する取得対価の公正価値を負債計上したもの。
・米国における2型糖尿病治療剤「ピオグリタゾン(米国製品名:「アクトス」)を含有する製剤」に起因する膀胱がんを主張する製造物責任訴訟に関して、その大多数を解決する和解に向けた合意に至ったことに伴い、今回の和解に要する費用、本和解に参加しない原告による訴訟への対応費用およびその他のアクトス関連訴訟にかかる損失等につき27.0億ドル(3,241億円)を引当計上するとともに、製造物責任保険による支払いが概ね見込まれる保険金額(500億円)を金融資産として計上し、これらの純額をその他の営業費用として計上しました。
・為替変動影響等を排除した販売費及び一般管理費、および研究開発費の実質的な増減率は、それぞれ前年度から5.4%の増加(うち、一般管理費は0.7%の減少)、および1.0%の増加となりました。
③当期利益(親会社の所有者帰属分)
前年度から2,524億円(236.7%)減益の1,458億円の当期損失(親会社の所有者帰属分)となりました。
・営業利益が大幅に減益となったことに加え、前年度より金融資産の売却益が減少するなど金融損益が悪化し、さらに繰延税金資産の回収可能性の見直しと実効税率の変更影響により税金費用が増加したことで、当期利益(親会社の所有者帰属分)は大幅な減益となりました。
・基本的1株当たり当期利益(EPS)は、前年度から320円47銭(237.2%)減少し、185円37銭の当期損失となりました。
(2)当年度の財政状態の分析
当年度末における資産合計は、前年度末から2,730億円減少し、4兆2,962億円となりました。
償却および減損に伴い無形資産が減少したほか、社債の償還などによりその他の金融資産(流動)が減少しました。一方、アクトスに関する製造物責任訴訟の大多数の解決につき概ね合意に至る見通しとなったことに伴い、製造物責任保険によって補填されることが概ね確定している保険金額をその他の金融資産(流動)として計上しました。
当年度末における負債は2兆900億円となりました。償還により社債が減少しましたが、アクトスに関する製造物責任訴訟ならびに関連する訴訟の弁護士報酬その他の費用として3,241億円を引当計上したことにより、負債は前年度末から615億円増加しました。
当年度末における資本合計は2兆2,062億円となりました。配当金の支払に加え、当期損失の計上による大幅な減少により、前年度末から3,345億円減少しました。
親会社所有者帰属持分比率(注)は49.7%となり、前年度末から4.3ポイント減少しております。
(注)日本基準における自己資本比率に相当
当年度のキャッシュ・フローは108億円のマイナスとなりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは1,825億円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローは913億円のプラス、財務活動によるキャッシュ・フローは社債の償還などにより3,010億円のマイナスとなっております。
(3)将来の見通し
①売上収益の見通し
翌年度の売上収益は、「カンデサルタン」、「ランソプラゾール」をはじめとした大型製品の減収を、米国における「エンティビオ」や国内における「アジルバ」等の新製品の売上伸長、新興国での売上拡大ならびに前提とする為替レートの増収影響等により吸収し、当年度から増収となる見込みです。
②営業利益の見通し
翌年度の営業利益は、新製品の上市にかかる経費やグローバル事業運営体制の再構築にかかる費用が増加する見込みであることに加え、翌年度においては遊休不動産の売却益を見込んでいないことによる減益要因はあるものの、研究開発費の減少が見込まれるほか、当年度には米国「アクトス」の訴訟関連費用を計上していたことなどにより、当年度から大幅な増益となる見込みです。
③当期利益(親会社の所有者帰属分)の見通し
翌年度の当期利益(親会社の所有者帰属分)は、営業利益が増益となったことに加え、当年度には繰延税金資産の回収可能性の見直しや国内における実効税率の変更による一時的な税金費用の増加があったことから、当年度から大幅な増益となる見込みです。
④見通しの前提及び見通しに関する注意事項
翌年度の為替レートは、1米ドル=120円、1ユーロ=130円を前提としております。
本資料に記載の「業績予想」は、現時点で入手可能な情報と前提条件に基づく見込みであり、その実現を約束する趣旨ではございません。実際の業績は事業環境の変化や為替変動など様々な要因により変動し、異なる結果を招きうる不確実性を含んでいます。業績予想を修正すべき重大な要因が発生した場合には、速やかにご報告いたします。