※当社グループは当年度(2013年4月1日から2014年3月31日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、本書においては「日本基準」と明記している箇所を除き、文中の全ての財務情報をIFRSベースで記載しております。なお、前年度の数値はIFRSに則り組み替えて比較分析を行っております。
(1) 業績
国内および米国経済は緩やかな回復傾向が継続しており、欧州経済についても長く続いた景気低迷からの回復の兆しが見え始めましたが、新興国においては経済成長に減速傾向が見られるなど、世界経済の先行きは依然として不透明な状況にあります。
医薬品市場の動向をみると、大型製品の相次ぐ特許切れの影響に加え、各国で財政再建を背景とする医療費抑制策の強化が進んでいることなどにより、先進国を中心に成長が鈍化しております。また研究開発においても承認審査の厳格化や技術革新の壁に直面し、画期的な新薬の創出は困難となってきておりますが、再生医療技術の実用化や、アンメット・ニーズを満たす新薬の創出に繋がるイノベーションに大きな期待が寄せられています。
このような環境のもと、当社は、グローバルカンパニーとして、2020年のあるべき姿を示す「ビジョン2020」を昨春策定し、「革新的な医薬品に加え、高品質なブランドジェネリック医薬品(特許の切れた先発品)、ワクチン、一般用医薬品(OTC医薬品)をお届けすることで、少しでも早く、少しでも多くの人々の願いに応えていく」ことを当社の長期目標と定めました。
このビジョンの実現に向け、2013年度を起点とする中期成長戦略をスタートさせ、「グローバル化の推進(Globalization)」、「多様性の追求(Diversity)」、「革新への挑戦(Innovation)」を基本方針として、これまでの戦略の深化・発展に取り組んでおります。
特に、幅広い市場における多様な製品の浸透や新製品の早期の売上拡大、さらには、競争力の高い後期開発パイプラインの確実な進捗に取り組んでおり、また、これと並行して、事業のあらゆる面において競争力のある企業への変革を追求した全社的な取り組みであるProject Summitに、グローバルでの豊富な経験を有する人材が加わることによって、強靭かつ効率的なオペレーティングモデルの構築を進めております。
<販売関連>
先進国においては、製品ポートフォリオの革新的な新薬の速やかな立ち上げに注力しており、新興国においては、市場成長率を上回る成長の実現に向け、革新的な新薬の上市に加えて、各市場のニーズに合致した製品の獲得・販売に向けた取り組みを推進しております。
日本においては、重点戦略製品である2型糖尿病治療剤「ネシーナ」ファミリー、高血圧症治療剤「アジルバ」の売上最大化に注力しており、また、昨年7月には既存治療で効果不十分な成人の関節リウマチ治療剤「ゼルヤンツ」をファイザー株式会社と販売し、本年2月には乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」を、本年4月には悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」の販売を開始しました。営業体制については、本年4月より、一人のMR(医薬情報担当者)が全ての製品を担当するジェネラルMR、および、ワクチンを担当するワクチンMRの体制から、「循環器・糖尿病・代謝性疾患」「消化器・中枢・泌尿器・骨・免疫疾患」「オンコロジー(癌)」「ワクチン」のそれぞれの製品を担当する疾患領域担当MR体制に移行しました。これにより、当社MRは、医療関係者の多様なニーズに応え、幅広い疾患領域において増加する期待の新製品について、専門性を一層高めた情報活動を行うことが可能となります。さらに、製造販売承認申請中である酸関連疾患治療薬「TAK-438」の販売に関する共同プロモーション契約を、本年3月、大塚製薬株式会社と締結するなど、製品価値を早期に最大化する効果的・効率的な提携の取り組みを推進しております。
米国においては、昨年6月に販売を開始した2型糖尿病治療剤「ネシーナ」、「カザーノ(「ネシーナ」と「メトホルミン」の合剤)」、 「オセーニ(「ネシーナ」とチアゾリジン系の2型糖尿病治療剤「アクトス」の合剤)」の売上拡大に注力しております。「オセーニ」は、DPP-4阻害薬とチアゾリジン系薬剤の合剤としては、米国で初めての製品となります。また、昨年9月に販売許可を取得し、本年1月に販売促進活動を開始した大うつ病治
療剤「ブリンテリックス」は、大うつ病に対する新しい治療オプションを提供する薬剤であり、米国における臨床試験の結果から、高用量投与時により高い治療効果が示されたことから、患者さんの症状に応じた幅広い用量の処方が可能となります。
欧州においては、ナイコメッド社買収により重複する事業が存在した地域での販売子会社の整理・統合が年度の初めに終了しました。また、変化、発展する市場ダイナミクスと製品ポートフォリオに最適な販売体制を多くの国々において構築しました。さらに、スペシャリティケア事業の強化に取り組んだことで、販売開始1年目の悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」が急速な立ち上がりを示しました。
新興国においては、進出地域の市場成長を上回る事業成長を続けており、また、成長が見込まれる市場において新たに販売子会社を設立する等、営業基盤の拡大を継続的に図っております。
<研究開発関連>
当社の研究開発の意義は、世界中の人々のアンメットメディカルニーズに応えるために、経営資源を投入し、革新的な医薬品の創出に挑戦し続けることにあります。この考えに基づき、当社は充実した開発後期のパイプラインの早期承認取得に向けた活動に注力しております。なお、承認取得などの当期における重点領域ごとの主な成果は以下のとおりです。
「代謝性・循環器系疾患」領域
中国において、昨年7月、2型糖尿病治療剤「ネシーナ」の輸入販売許可を取得し、欧州においても、昨年9月、「ビピディーア(注1)」、「ビプドメット(注2)」および「インクリーシンク(注3)」について販売許可を取得しました。
(注1)日本・米国製品名「ネシーナ」、(注2)米国製品名「カザーノ」、(注3)日本製品名「リオベル」、米国製品名「オセーニ」
「癌」領域
日本において、本年1月、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」の製造販売承認を取得しました。
「中枢神経系疾患」領域
米国において、昨年9月、大うつ病治療剤「ブリンテリックス」の販売許可を取得し、さらに、非定型抗精神病剤「ラツーダ」について、昨年8月のスイス医薬品局(swissmedic)からの販売許可に続き、本年3月、欧州委員会(EC)より販売許可を取得しました。
「消化器・腎臓系・その他疾患」領域
クローン病・潰瘍性大腸炎治療薬「MLN0002(一般名:vedolizumab)」について、昨年12月の米国食品医薬品局(FDA)の諮問委員会および本年3月の欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)において、本薬の承認を推奨する見解が示されました。
「ワクチン」領域
昨年5月、米国「インビラージェン Inc.」を買収し、デング熱ワクチンなどのパイプラインを拡充しました。日本においては、本年3月、当社光工場で製造する新型インフルエンザワクチン「細胞培養インフルエンザワクチン H5N1「タケダ」1mL」および「細胞培養インフルエンザワクチン(プロトタイプ)「タケダ」1mL」について製造販売承認を取得しました。
今後も、当社は、自社研究開発のみならず、他社との研究アライアンス活動や共同研究等の事業開発を通じて、費用効率を改善しつつ、研究開発生産性のさらなる向上に努めてまいります。
臨床試験の進捗などを含む研究開発活動の詳細につきましては、6[研究開発活動]をご参照下さい。
なお、当社は、欧州をはじめとして、製造および研究開発拠点の統廃合を通じた事業運営体制の合理化を進めており、コスト削減のシナジー効果も確実に実現しております。
当社は、230年を超える長い歴史の中で培われた普遍の価値観である「タケダイズム(誠実:公正・正直・不屈)」を根幹に、さらなるコンプライアンス※の徹底を図り、今後も、「優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する」というミッションの実現に向けて邁進してまいります。
当社の中期成長戦略を含む「経営方針」については、3[対処すべき課題]をご参照下さい。
※当社は、高血圧症治療剤「ブロプレス」の臨床研究(CASE-J試験)に関するプロモーション行為の一部が、日本製薬工業協会(JPMA)の定める「医療用医薬品プロモーションコード」違反に該当するという判断を受け、当社の同協会副会長の活動を本年4月3日から6ヶ月間停止するという措置の連絡をJPMAから受領しました。また、当社は、本件にかかる当社をめぐる一連の問題について第三者機関による調査に全面的に協力してまいりました。その結果、医師主導臨床研究である本試験への、当社による複数の関与や働きかけが明らかとなり、本試験の公正性に疑義を生じさせかねないものであったことが本調査において認められました。一方で、当社による「試験データへのアクセス」、「データの改ざんや捏造」、「解析作業への直接的関与」は認められませんでした。
当社は、一連の問題を受けて、プロモーション資材の社内審査機関に、法務的観点、医師の視点で審査を行えるメンバーを新たに加え、審査体制を強化し、また、寄付金を評価・審査する委員会の体制も強化してまいりました。本調査結果を踏まえ、今後二度とこのようなことを起こさないよう、社内各部門の役割の明確化とチェック体制の強化による透明性の確保、当社製品に関連する医師主導臨床研究への不関与の徹底など、再発防止と改善策を徹底してまいります。
<ご参考> 2010年以降新たに発売した主要製品
[日本]
<2010年 発売>
2型糖尿病治療剤「ネシーナ錠(一般名:アログリプチン安息香酸塩)」
高血圧症治療剤「ユニシア配合錠(「ブロプレス」とカルシウム拮抗剤(アムロジピンベシル酸塩)の合
剤)」
抗癌剤「ベクティビックス点滴静注(一般名:パニツムマブ)」
不眠症治療剤「ロゼレム錠(一般名:ラメルテオン)」
2型糖尿病治療剤「メタクト配合錠(「アクトス」とビグアナイド系薬剤(メトホルミン塩酸塩)の合
剤)」
2型糖尿病治療剤「アクトスOD錠(口腔内崩壊錠)」
ヘリコバクター・ピロリ二次除菌用組み合わせ製剤「ランピオンパック(「タケプロン」、アモキシシリ
ン水和物およびメトロニダゾールの組み合わせ製剤)」
<2011年 発売>
アルツハイマー型認知症治療剤「レミニール(一般名:ガランタミン臭化水素酸塩)」 (「ヤンセンフ
ァーマ株式会社」からの導入品であり同社と共同販売を実施)
2型糖尿病治療剤「ソニアス配合錠(「アクトス」とスルホニルウレア系薬剤(グリメピリド)の合
剤)」
2型糖尿病治療剤「リオベル配合錠(「ネシーナ」と「アクトス」の合剤)」
<2012年 発売>
高血圧症治療剤「アジルバ錠(一般名:アジルサルタン)」
<2013年1月 発売>
高脂血症治療剤「ロトリガ粒状カプセル(一般名:オメガ-3脂肪酸エチル)」
<2014年4月 発売>
悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス点滴静注(一般名:ブレンツキシマブ・ベドチン)」
[北米]
(米国)
<2010年 発売>
2型糖尿病治療剤「アクトプラスメットXR(「アクトス」とビグアナイド系薬剤(メトホルミン徐放製
剤)の合剤)」
<2011年 発売>
高血圧症治療剤「イダービ(一般名:アジルサルタン メドキソミル)」
<2012年 発売>
高血圧症治療剤「イダーバクロー(「イダービ」とサイアザイド系利尿剤(クロルタリドン)の合剤)」
<2013年6月 発売>
2型糖尿病治療剤「ネシーナ(一般名:アログリプチン安息香酸塩)」
2型糖尿病治療剤「カザーノ(「ネシーナ」とビグアナイド系薬剤(メトホルミン塩酸塩)の合剤)」
2型糖尿病治療剤「オセーニ(「ネシーナ」と「アクトス」の合剤)」
<2014年1月 発売>
大うつ病治療剤「ブリンテリックス(一般名:ボルチオキセチン臭化水素酸塩)」
(カナダ)
<2010年 発売>
逆流性食道炎治療剤「デクスラント(一般名:デクスランソプラゾール)」
痛風・高尿酸血症治療剤「ユーロリック(一般名:フェブキソスタット)」
<2011年 発売>
慢性閉塞性肺疾患治療剤「ダクサス(一般名:ロフルミラスト)」
<2012年 発売>
鉄欠乏症貧血治療剤「フェラヘム(一般名:フェルモキシトール)」
[欧州]
<2010年 発売>
非転移性骨肉腫治療剤「メパクト(一般名:ミファムルチド)」
<2012年 発売>
高血圧症治療剤「イダービ(一般名:アジルサルタン メドキソミル)」
鉄欠乏症貧血治療剤「リエンゾ(一般名:フェルモキシトール)」
悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ・ベドチン)」
<2013年9月 発売>
非定型抗精神病薬「ラツーダ(一般名:ルラシドン塩酸塩)」
<2013年11月 発売>
2型糖尿病治療剤「ビピディーア(一般名:アログリプチン安息香酸塩)」
2型糖尿病治療剤「ビプドメット(「ネシーナ」とビグアナイド系薬剤(メトホルミン塩酸塩)の合
剤)」
2型糖尿病治療剤「インクリーシンク(「ネシーナ」と「アクトス」の合剤)」
[新興国のうち主なもの]
(ブラジル)
<2011年 発売>
慢性閉塞性肺疾患治療剤「ダクサス(一般名:ロフルミラスト)」
(ロシア)
<2012年 発売>
慢性閉塞性肺疾患治療剤「ダクサス(一般名:ロフルミラスト)」
(メキシコ)
<2011年 発売>
逆流性食道炎治療剤「デクスラント(一般名:デクスランソプラゾール)」
非転移性骨肉腫治療剤「メパクト(一般名:ミファムルチド)」
<2012年 発売>
高血圧症治療剤「イダービ(一般名:アジルサルタン メドキソミル)」
<2013年1月 発売>
慢性閉塞性肺疾患治療剤「ダクサス(一般名:ロフルミラスト)」
<2013年3月 発売>
高血圧症治療剤「イダーバクロー(「イダービ」とサイアザイド系利尿剤(クロルタリドン)の合剤)」
<2014年1月 発売>
悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ・ベドチン)」
(中国)
<2013年12月 発売>
2型糖尿病治療剤「ネシーナ(一般名:アログリプチン安息香酸塩)」
このような事業環境のもと、当年度の業績は以下のとおりとなりました。
| 売上収益 | 16,917億円 | [前年度比 | 1,347億円 | ( 8.6%) | 増] |
| 営業利益 | 1,393億円 | [ 〃 | 743億円 | (114.3%) | 増] |
| 当期利益 (親会社の所有者帰属分) | 1,067億円 | [ 〃 | 419億円 | ( 28.2%) | 減] |
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| Core Earnings(注) | 3,142億円 | [ 〃 | 287億円 | ( 10.1%) | 増] |
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(ご参考:日本基準) |
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| 売上高 | 16,919億円 | [前年度比 | 1,347億円 | ( 8.6%) | 増] |
| 営業利益 | 1,557億円 | [ 〃 | 332億円 | ( 27.1%) | 増] |
| 経常利益 | 1,307億円 | [ 〃 | 175億円 | ( 15.5%) | 増] |
| 当期純利益 | 903億円 | [ 〃 | 409億円 | ( 31.2%) | 減] |
(注)営業利益から、企業買収に係る会計処理の影響や無形資産の償却費および減損などの一時的要因を控除して算定しております。
(業績の分析については「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)当年度の経営成績の分析」参照)
(2) セグメント別の状況
(以下のセグメント別連結売上収益は、各セグメントの外部顧客に対する売上収益を表しております。)
医療用医薬品事業の売上収益は前年度から1,275億円(9.1%)増収の15,291億円、営業利益は前年度から780億円(229.0%)増益の1,121億円となりました。
ヘルスケア事業の売上収益は、「アリナミン錠剤類」、「アリナミンドリンク類」、「ベンザ類」等の増収により、前年度から60億円(8.9%)増収の729億円となりました。営業利益は増収に伴う売上総利益の増益等により、35億円(26.8%)増益の164億円となりました。
その他事業の売上収益は前年度から8億円(0.8%)増収の938億円、営業利益は有形固定資産の減損損失を認識したことなどにより、71億円(39.8%)減益の108億円となりました。
(セグメント別の業績の分析については「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)当年度の経営成績の分析」参照)
(3) キャッシュ・フローの状況
(「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)当年度の財政状態の分析」参照)
(4) 並行開示
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
(単位:百万円) | ||
| 前年度 | 当年度 |
資産の部 |
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流動資産 | 1,455,081 | 1,819,129 |
固定資産 |
|
|
有形固定資産 | 511,101 | 497,150 |
無形固定資産 | 1,689,735 | 1,796,255 |
投資その他の資産 | 299,682 | 262,284 |
固定資産合計 | 2,500,518 | 2,555,689 |
資産合計 | 3,955,599 | 4,374,818 |
負債の部 |
|
|
流動負債 | 613,632 | 763,651 |
固定負債 | 1,118,608 | 1,223,059 |
負債合計 | 1,732,240 | 1,986,710 |
純資産の部 |
|
|
株主資本 | 2,345,449 | 2,292,561 |
その他の包括利益累計額 | △186,443 | 25,074 |
新株予約権 | 934 | 1,546 |
少数株主持分 | 63,418 | 68,929 |
純資産合計 | 2,223,359 | 2,388,108 |
負債純資産合計 | 3,955,599 | 4,374,818 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
(単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2012年4月1日 至2013年3月31日) | 当年度 (自2013年4月1日 至2014年3月31日) |
売上高 | 1,557,267 | 1,691,930 |
売上原価 | 460,674 | 488,995 |
売上総利益 | 1,096,594 | 1,202,935 |
販売費及び一般管理費 | 974,088 | 1,047,194 |
営業利益 | 122,505 | 155,741 |
営業外収益 | 23,557 | 24,421 |
営業外費用 | 32,895 | 49,488 |
経常利益 | 113,168 | 130,674 |
特別利益 | 95,021 | 58,874 |
特別損失 | 78,482 | 32,574 |
税金等調整前当期純利益 | 129,707 | 156,974 |
法人税等合計 | △3,880 | 63,706 |
少数株主損益調整前当期純利益 | 133,587 | 93,268 |
少数株主利益 | 2,343 | 2,920 |
当期純利益 | 131,244 | 90,348 |
要約連結包括利益計算書
(単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2012年4月1日 至2013年3月31日) | 当年度 (自2013年4月1日 至2014年3月31日) |
少数株主損益調整前当期純利益 | 133,587 | 93,268 |
その他の包括利益合計 | 170,509 | 212,901 |
包括利益 | 304,095 | 306,169 |
(内訳) |
|
|
親会社株主に係る包括利益 | 299,407 | 301,864 |
少数株主に係る包括利益 | 4,689 | 4,305 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
(単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2012年4月1日 至2013年3月31日) | 当年度 (自2013年4月1日 至2014年3月31日) |
株主資本合計 |
|
|
当期首残高 | 2,366,446 | 2,345,449 |
当期変動額 | △20,997 | △52,888 |
当期末残高 | 2,345,449 | 2,292,561 |
その他の包括利益累計額合計 |
|
|
当期首残高 | △354,605 | △186,443 |
当期変動額 | 168,162 | 211,517 |
当期末残高 | △186,443 | 25,074 |
新株予約権 |
|
|
当期首残高 | 504 | 934 |
当期変動額 | 431 | 611 |
当期末残高 | 934 | 1,546 |
少数株主持分 |
|
|
当期首残高 | 59,522 | 63,418 |
当期変動額 | 3,897 | 5,510 |
当期末残高 | 63,418 | 68,929 |
純資産合計 |
|
|
当期首残高 | 2,071,866 | 2,223,359 |
当期変動額 | 151,492 | 164,750 |
当期末残高 | 2,223,359 | 2,388,108 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
(単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2012年4月1日 至2013年3月31日) | 当年度 (自2013年4月1日 至2014年3月31日) |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 307,709 | 140,102 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △111,376 | △151,989 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △150,559 | 103,052 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 45,558 | 29,303 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 91,333 | 120,468 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 454,247 | 545,580 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 545,580 | 666,048 |
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前年度 (自2012年4月1日 至2013年3月31日) | 当年度 (自2013年4月1日 至2014年3月31日) |
(会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更) 当社及び国内連結子会社は、法人税法の改正に伴い、当年度より、2012年4月1日以後に取得した有形固定資産について、改正後の法人税法に基づく減価償却の方法に変更しております。 これに伴う当年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に与える影響は軽微であります。 |
――― |
⑥ IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前年度 (自2012年4月1日 至2013年3月31日) | 当年度 (自2013年4月1日 至2014年3月31日) |
第5 経理の状況 [1連結財務諸表等]の[連結財務諸表注記]「36 初度適用」を参照ください。 | (のれんの償却停止) 当社グループは、のれん及び負ののれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。 この影響により、当年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が436億円減少しております。 |
当年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
医療用医薬品事業 | 731,221 | 4.3 |
ヘルスケア事業 | 40,505 | 5.6 |
その他事業 | 40,285 | 8.1 |
合計 | 812,010 | 4.6 |
(注) 生産実績金額は、消費税等を除いた販売価格によっております。
当年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
医療用医薬品事業 | 190,687 | 2.9 |
ヘルスケア事業 | 18,306 | △4.0 |
その他事業 | 21,442 | 0.6 |
合計 | 230,435 | 2.1 |
(注) 商品仕入実績金額は、消費税等を除いた実際仕入額によっております。
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画をたてて生産しております。
一部の事業において受注生産を行っていますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
当年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
医療用医薬品事業 | 1,529,073 | 9.1 |
(国内) | 582,103 | △1.0 |
(海外) | 946,970 | 16.4 |
ヘルスケア事業 | 72,857 | 8.9 |
その他事業 | 93,766 | 0.8 |
調整額 | △4,011 | △9.1 |
連結純損益計算書計上額 | 1,691,685 | 8.6 |
(うち知的財産権収益) | (77,420) | (71.3) |
(注) 1 販売実績は、外部顧客に対する売上収益を表示しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前年度 | 当年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
㈱メディパルホールディングスおよびそのグループ会社 | 275,902 | 17.7 | 270,575 | 16.0 |
3 販売実績金額は、消費税等を除いた金額であります。
当社は、「タケダイズム(誠実:公正・正直・不屈)」を全ての企業活動の根幹に位置付け、研究開発型の製薬企業として、継続的に新薬を創出し、世界中の患者さんにお届けすることで、「優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する」というミッションの実現を目指しております。
当社は、進出地域の拡大や製品の多様化といったビジネスモデルが急激に変化している状況において、タケダが目指す2020年の姿を示した「ビジョン 2020」を策定しています。その実現に向けてスタートした2013年度を起点とする中期成長戦略では、「Globalization(グローバル化の推進)」「Diversity(多様性の追求)」「Innovation(革新への挑戦)」の基本戦略を実行し、グローバル製薬企業に相応しい強靭で効率的なオペレーティングモデルへの変革を実現することで、持続的な成長をより確かなものとしてまいります。中長期の全社経営戦略およびグローバル経営に関わる重要な方針決定を担当するChief Executive Officer (CEO)と、業務執行全般の責任を担うChief Operating Officer (COO)がリードする新たな体制で臨む2014年度は、これまでの戦略のさらなる強化と、その展開の加速化に取り組んでまいります。
<ビジョン 2020>
「Better Health, Brighter Future」
“病気に苦しむ患者さんに、人生のかけがえのない時間を少しでも取り戻していただきたい” 創業から230年以上にわたり、タケダはその想いのもと、革新的な新薬の創出を通じて社会に貢献してきました。 そしてこれからも、世界のより多くの人々がそれぞれの人生を豊かに過ごせるよう予防から治療・治癒にわたる医療の多様なニーズに応える新しい解決方法を提供していくことが私たちタケダの使命です。
“世界の国々や地域に根を下ろし、それぞれ異なる真の医療ニーズを理解する” “つねに社会に奉仕する気持ちを忘れず、緊迫感とスピード感を持ち、どこよりも高い効率性を発揮して業界をリードする最適な答えを提供する” ダイバーシティが活きる組織の力を「Global One Takeda」として結集させ、医療の未来を変革する努力を、私たちタケダは続けていきます。
医療に対する飽くなき情熱と人々の生命に貢献するという揺るぎない信念を持ち、世界中の人々がより健康で明るく過ごせる新たな230年を切り拓いていきます。
・Our Business:すべては人々の健康のために
世界には、新しい医療の解決策を今か今かと待ち望んでいる人々が数多くいます。 “革新的な新薬、そして高品質なブランドジェネリック医薬品、ワクチン、OTC医薬品をお届けすることで、少しでも早く、少しでも多くの人々の願いに応えていきたい” それが私たちタケダの変わらぬ想いです。
・Our Organization:ダイバーシティを力に
世界中で働く私たちは「タケダイズム」という一つの価値観で繋がっています。 同時にタケダは、一人ひとりの多様な能力や考え方を大切にしています。 そうすることで世界各地の異なるニーズにこれまでにない新しい方法で応えていくことができると信じているからです。 働く一人ひとりの意思決定を尊重し、迅速に行動することで、人々のQuality of Lifeの向上を追求し続けます。
・Our People:情熱を原動力に
ともに働く仲間こそ、タケダの最大の財産です。 私たちは、もっと成長したい、もっと人々や社会に貢献したい、という強い想いに突き動かされ、確かな自信と偏見のない公正な心で、つねに新しい目標に向かって挑戦を続けます。 こうした情熱を原動力に、未来のより良い医療への変革をリードしていきます。
<中期成長戦略の基本戦略>
当社は、2014年度以降も引き続き「Globalization」「Diversity」「Innovation」の基本戦略を実行してまいります。
・Globalization
当社は、革新的な新薬を事業の中心に位置付け、世界中に事業基盤を有する強みを最大限に活用し、先進国と新興国の市場特性に合わせた競争力の高い製品ポートフォリオを構築し、最適な販売戦略のもと、グローバルでの成長を遂げてまいります。
先進国市場
先進国市場においては、疾患領域における最適なコマーシャルモデルを新たに構築することで、多様な新製品と今後も増加する有望なパイプラインの製品価値を早期に最大化します。
日本市場
戦略製品である糖尿病治療剤「ネシーナ」ファミリーと高血圧症治療剤「アジルバ」ファミリーを中心として、新製品と注力品の売上最大化を実現します。新たな疾患領域担当MR体制のもと、専門性を一層高めた情報活動を行うとともに、今後も増加することが見込まれる新製品の価値を早期に最大化する効果的・効率的な取り組みを推進することで、引き続き、国内No.1シェアを堅持します。
米国市場
糖尿病治療剤「ネシーナ」ファミリーと大うつ病治療剤「ブリンテリックス」をはじめ、今後承認が見込まれるクローン病・潰瘍性大腸炎治療薬と肥満症治療薬を加えた新製品の速やかな立ち上げと市場浸透を実現するため、積極的にマーケティング費用を投下します。また、痛風治療剤「コルクリス」、高尿酸血症治療剤「ユーロリック」、逆流性食道炎治療剤「デクスラント」などを含めた多様な製品の価値を最大化するため、疾患領域毎の最適な販売戦略の立案・実行とコマーシャルモデルの構築を一層推進します。
欧州市場
既存品の売上を維持・拡大するとともに、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」などの癌領域を含む新製品の早期市場浸透に注力することでスペシャリティケア事業を強化し、厳しい市場環境の中でも高い収益性と持続的成長を実現する事業体制を整備します。
新興国市場
ロシア・ブラジル・中国を中心に、ブランドジェネリック医薬品やOTC医薬品など、既存品の売上を最大化するとともに、市場ニーズの高まりに応える革新的な新薬やワクチンを含めた多様な新製品の上市および市場浸透を着実に進め、投資効率を追求した販売戦略を実行することで、市場の伸びを上回る成長を実現します。
・Diversity
当社は、様々な国の異なる背景や価値観を持つ多様な人材がお互いを尊重し、それぞれの能力を最大限に発揮できる環境を整備することで、継続して創造的な思考を生み出す企業文化を醸成します。
・Innovation
当社は、Innovationを、予防から治療・治癒にわたる医療の多様なニーズに応える新しい解決方法を提供する「Scientific Innovation」と、グローバル競争を勝ち抜くためのビジネスプロセスの改善や新しいビジネスモデルを創造する「Business Process Innovation」の2つに分類・定義しています。
Scientific Innovation
Scientific Innovationでは、世界中の人々のアンメットメディカルニーズに応えるために、「緊急性」、「イノベーション」、「パフォーマンス評価」、「連携」の研究開発における4つの行動原則に、「Quality of Thought(注1)」と「Operational Excellence(注2)」という2つの方針を加えた戦略的な取り組みにより、研究開発生産性を着実に向上させて革新的な医薬品の創出に挑戦し続けています。
(注1)思考の質
(注2)徹底した業務プロセスの改善により、オペレーションを最大限まで効率化させること
重点領域における競争力のあるパイプラインポートフォリオの構築
「代謝性・循環器系疾患」「癌」「中枢神経系疾患」「免疫・呼吸器系疾患」「消化器・腎臓系・その他疾患」「ワクチン」の6つの重点領域において、引き続き、医療ニーズが未だ十分に満たされない疾患領域の新薬およびワクチンの研究開発を推進するとともに、領域を跨る新たな価値を創造し、競争力のあるパイプラインポートフォリオを構築します。
研究開発生産性の向上
「充実した開発後期パイプラインの上市およびその価値最大化」
短期的な施策として、臨床第3相試験のプログラムへの注力を図り着実な承認取得に取り組み、さらにはライフサイクルマネジメントを含めた開発後期パイプラインの価値最大化に努めます。
「開発中期パイプラインの拡充」
中期的な施策として、研究開発の初期プログラムを迅速に進めるとともに、開発中期におけるPOC&C※試験準備段階にある新規化合物の導入や、既存化合物の新規効能・追加効能といった機会応用を追求します。
※POC&C(Proof of Concept and Competitiveness): ヒトにおける有効性・安全性、競合優位性が立証されたパイプラインの価値
「創薬研究能力の競合優位性、生産性の強化」
長期的な施策として、創薬研究の活性化につながる次世代の科学技術への投資を推進するとともに、研究機関やコンソーシアムとの連携を深めていきます。また、優れた研究者への権限委譲や研究早期に正しい判断を可能とする試験の実施などによる創薬能力の最大化、さらにはExperimental/Translational Medicine※の推進を図り、一層の研究開発生産性向上を図ります。
※Experimental Medicine: 新規治療法の有効性・安全性を実験的に検証する臨床研究
Translational Medicine: 基礎研究を実際の臨床応用に試みる医学研究
Business Process Innovation
Business Process Innovationでは、事業のあらゆる面において競争力のある企業への変革を追求した全社的な取り組みであるProject Summitを推進しています。また、グローバルでの豊富な経験を有する人材が加わり、強靭かつ効率的なオペレーティングモデルの構築をより一層力強く進めています。
具体的には、グローバルでブランドマーケティングを推進するとともに、グローバルからローカルまで販売活動を効率化することでマーケティングオペレーションの最適化を図ります。また、製造ネットワークの最適化とグローバルでの原材料調達を進め、生産関連のオペレーションを効率化します。研究開発においても拠点の統合を進め、さらなる生産性の向上を図るとともに、必要な研究開発の継続的な投資と両立します。さらに、財務・IT・人事などの一般管理機能および管理プロセスをグローバルで標準化することで効率的なオペレーションを推進します。
2014年度の業績予想 a)
売上収益 | 17,250億円 |
研究開発費 | 3,500億円 |
営業利益 | 1,500億円 |
当期利益(親会社の所有者帰属分) | 850億円 |
EPS | 107.67円 |
Core Earnings b) | 2,800億円 |
a) 為替レートは、1米ドル=100円、1ユーロ=140円を前提としています。
b) 営業利益から、企業買収に係る会計処理の影響や無形資産の償却費および減損などの一時的要因を控除して算定しております。
中期成長戦略期間における持続的成長目標
| 経営指標 | 目標 | |
成長性 | 売上収益 | 2013-2017年度 | 1桁台半ばの成長 |
効率性 | Core Earnings | 2013-2017年度 | 対売上収益比率を |
株主還元 | 一株当たり配当金 | 2013-2015年度 | 年間180円を維持 |
※ 営業利益の2013-2017年度年平均成長率20%以上で達成
当社は、運転資本の圧縮やキャッシュマネジメントの強化を含めたバランスシートの最適化を推進することでより一層の資金効率の向上に取り組み、継続的な成長投資と着実な有利子負債の返済および柔軟な財務戦略を立案・実行することで、中期成長戦略の遂行を支える健全で強固な財務基盤の維持・強化に努めます。
本格的なグローバル化に向けて事業構造が大きく転換する中にあっても、当社は、長い歴史の中で培われた普遍の価値観である「タケダイズム(誠実:公正・正直・不屈)」を経営の根幹に据え、コーポレート・ガバナンスの充実とコンプライアンスのさらなる徹底を図り、環境やCSRに配慮した経営に取り組み、引き続き全社一丸となって事業に邁進することで、「優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する」というミッションを実現してまいります。
当社の業績は、現在および将来において様々なリスクにさらされており、リスクの顕在化により予期せぬ業績の変動を被る可能性があります。以下では、当社が事業を展開していくうえで直面しうる主なリスクを記載いたします。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、可能な限り発生の防止に努め、また、発生した場合の的確な対応に努めていく方針です。
なお、本項目に含まれる将来に関する事項は、当年度末現在において判断したものです。
(1)研究開発に関するリスク
当社は、日米欧アの各極市場への一日も早い新製品の上市を目指し、効率的な研究開発活動に努めておりますが、医薬品は、自社創製化合物、導入化合物にかかわらず、所轄官庁の定めた有効性と安全性に関する厳格な審査により承認されてはじめて上市可能となります。
研究開発の途上において、当該化合物の有効性・安全性が、承認に必要とされる水準を充たさないことが判明した場合またはその懸念があると審査当局が判断した場合、その時点で当該化合物の研究開発を途中で断念、または追加の臨床試験・非臨床試験を実施せざるを得ず、それまでにかかったコストを回収できないリスクや製品の上市が遅延するリスク、および研究開発戦略の軌道修正を余儀なくされる可能性があります。
(2)知的財産権に関するリスク
当社の製品は、物質・製法・製剤・用途特許等の複数の特許によって、一定期間保護されております。
当社では特許権を含む知的財産権を厳しく管理し、第三者からの侵害にも常に注意を払っておりますが、当社の保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、期待される収益が失われる可能性があります。また、当社の自社製品等が第三者の知的財産権を侵害した場合には損害賠償を請求される可能性があります。
(3)特許権満了等による売上低下リスク
当社は、効能追加や剤型変更等により製品のライフサイクルを延長する努力をしておりますが、多くの製品について、特許が満了すれば、後発品の市場参入は避けられません。これに加え、競合品の特許満了によるその後発品、および競合品のスイッチOTC薬の出現などによって、国内外、特に米国での競争環境は格段に厳しいものになってきており、その影響如何で当社製品の大幅な売上低下を招く可能性があります。
(4)副作用に関するリスク
医薬品は、世界各国の所轄官庁の厳しい審査を伴う製造・販売承認を得て発売されますが、市販後の使用成績が蓄積された結果、発売時には予期していなかった副作用が確認されることがあります。新たな副作用が確認された場合には、「使用上の注意」への記載を行う、使用方法を制限するなどの処置が必要となるほか、販売中止・回収等を余儀なくされることもあり得ます。また、このような場合において、当社は損失および債務を負う可能性があります。
(5)薬剤費抑制策による価格引き下げのリスク
最大市場である米国では、低価格の後発品の使用促進や、連邦・州政府およびマネジドケアの強い要請に伴うブランド品への価格引き下げ圧力が一層高まっており、日本においても、医療保険制度により定められている薬価が現在2年に1度引き下げられていることに加え、後発品の使用促進が積極的に進められております。欧州においても、薬剤費抑制策や並行輸入の増加により、同様に価格引き下げが行われております。これら各国の薬剤費抑制策による価格引き下げは、当社の業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(6)為替変動による影響
当社の当期における海外売上収益は9,578億円であり、連結売上収益全体の56.6%を占めており、そのうち北米地域での売上収益は3,745億円にのぼり、連結売上収益全体の22.1%を占めております。当社の業績および財務状況は、リスクを緩和することが出来ない為替レートの変動に大きな影響を受けます。
(7)企業買収に関わるリスク
当社は、持続的な成長のためにグローバルに事業展開し、その手段として企業買収も実施しております。世界各国における事業活動は、法令や規則の変更、政情不安、経済動向の不確実性、商慣習の相違その他のリスクに直面する可能性があり、その結果当初想定した買収効果や利益が実現されない可能性があります。また、企業買収などの投資活動にともなって取得した資産の価値が下落した場合、評価損発生などにより、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)進出国および地域におけるカントリーリスク
当社は、グローバルな事業展開に伴い、進出国や地域における政治不安、経済情勢の悪化、社会混乱等のリスクに対応する体制を構築しており、抑止策や発生時の対処法を検討する等のリスク管理に努めております。しかしながら、不測の事態が生じた場合には、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)安定供給に関するリスク
当社は、販売網の急速なグローバル化に確実に対応する供給ネットワークと品質保証体制を強化しております。しかしながら、当社の製造施設・物流施設等において、技術上もしくは法規制上の問題、または、火災その他の災害により、製商品の安定的供給に支障が発生する可能性があります。その動向によっては、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)訴訟等に関するリスク
当社の事業活動に関連して、現在関与している訴訟のほか、将来、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引等に関連し、訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)技術導出
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 技術の内容 | 対価の受取 | 契約期間 |
武田薬品工業㈱ | オリオン・コーポレーション・オリオン・ファルマ社 | フィン | リュープロライド徐放製剤に関する技術 | 契約一時金 | 1991.12~ |
武田薬品工業㈱ | シグマ・タウ社 | イタリア | ランソプラゾールに関する技術 | 契約一時金 | 1992.7~ |
武田薬品工業㈱ | アボット・ラボラトリーズ社 | アメリカ | ランソプラゾールに関する技術 | 一定料率の | 1994.3~ |
武田薬品工業㈱ | アストラゼネカ社 | スウェー | カンデサルタンに関する技術 | 一定料率の | 1994.9~ |
武田薬品工業㈱ | イーライ・リリー・エクスポート社 | スイス | ピオグリタゾンに関する技術 | 契約一時金 | 1999.8~ |
武田薬品工業㈱ | アボット・ラボラトリーズ社 | アメリカ | ピオグリタゾンに関する技術 | 契約一時金 | 2000.2~ |
武田薬品工業㈱ | セレクサ社 | アメリカ | 抗MRSAセファロスポリン系注射抗生剤に関する技術 | 契約一時金 | 2003.9~ |
武田ファーマシューティカルズUSA, Inc. (連結子会社) | イーライ・リリー・エクスポート社 | スイス | ピオグリタゾンに関する技術 | 契約一時金 | 1999.12~ |
武田薬品工業㈱ | トビラ社 | アメリカ | HIV感染症治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2007.8~ |
武田薬品工業㈱ | アッヴィ・エンドクリン社 | アメリカ | リュープロライド徐放製剤に関する技術 | 一定料率の | 2008.4~ |
武田 GmbH | サノビオン・ファーマシューティカルズ社 | アメリカ | 鼻炎・呼吸器疾患治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2008.1~ |
武田 GmbH | フォレスト・ラボラトリーズ・ホールディングス社 | アメリカ | 慢性閉塞性肺疾患治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2009.8~ |
武田薬品工業㈱ | アーバー・ファーマシューティカルズ・アイルランド社 | アイルラ | 高血圧症治療剤に関する技術 | 契約一時金 | 2013.9~ |
(2)共同研究
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 共同研究の内容 | 契約期間 |
武田薬品工業㈱ | グラクソ・スミスクライン社 | イギリス | ヒト遺伝子に関する研究 | 1995.6~ |
武田薬品工業㈱ | グラクソ・スミスクライン社 | イギリス | コンビナトリアル・ケミストリーに関する研究 | 1996.6~ |
武田薬品工業㈱(当社) | セージ・バイオネットワークス | アメリカ | 中枢神経疾患分野における創薬標的に関する研究 | 2010.11~2014.11 |
武田薬品工業㈱(当社) | 京都大学 | 日本 | 中枢神経系制御に基づく肥満症治療薬および統合失調症治療薬に関する研究 | 2011.1~2016.3 |
武田薬品工業㈱(当社) | ブリティッシュ・コロンビア・キャンサー・エージェンシー・ブランチ | カナダ | 遺伝子解析を利用した創薬標的探索に関する研究 | 2012.8~ |
武田薬品工業㈱(当社) | アドビナス・セラピューティクス社 | インド | 炎症性・中枢神経系・代謝性疾患領域等における新規創薬標的に対する新薬候補化合物に関する研究 | 2012.10~ |
(3)技術導入
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 技術の内容 | 対価の支払 | 契約期間 |
武田薬品工業㈱ | ベーリンガー・ | ドイツ | カンデサルタンに関する技術 | 契約一時金 | 1994.1~ |
武田薬品工業㈱ | 科研製薬㈱ | 日本 | 塩酸ブテナフィンに関する技術 | 契約一時金 | 1997.9~ |
武田薬品工業㈱ | 味の素製薬㈱ | 日本 | 骨粗鬆症治療薬に関する技術 | 一定料率の | 2002.5~2028.2 |
武田薬品工業㈱ | 協和発酵キリン㈱ | 日本 | 抗体医薬に関する技術 | 契約一時金 | 2003.7~ |
武田薬品工業㈱ | アンドレックス社 | アメリカ | 糖尿病治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2004.1~ |
武田薬品工業㈱ | ノルジーン社 | オランダ | 抗肥満薬に関する技術 | 契約一時金 | 2004.1~ |
武田薬品工業㈱ | スキャンポ・ | アメリカ | 機能性便秘・便秘型過敏性腸症候群治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2004.10~2020.12 |
武田薬品工業㈱ | プロノヴァ・ | ノルウェー | 高トリグリセリド血症治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2005.11~ |
武田薬品工業㈱(当社) | アフィマックス社 | アメリカ | 腎性貧血・癌性貧血治療薬に関する技術(対象地域:日本) | 契約一時金 | 2006.2~ |
武田薬品工業㈱(当社) | アフィマックス社 | アメリカ | 腎性貧血・癌性貧血治療薬に関する技術(対象地域:日本以外の全世界) | 契約一時金 | 2006.6~ |
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 技術の内容 | 対価の支払 | 契約期間 |
武田薬品工業㈱(当社) | ゼノン・ファーマシューティカルズ社 | カナダ | 鎮痛薬に関する技術 | 契約一時金 | 2006.9~ |
武田薬品工業㈱(当社) | ゾーマ社 | アメリカ | 抗体医薬に関する技術 | 契約一時金 | 2006.11~ |
武田薬品工業㈱(当社) | バイオワ社 | アメリカ | 抗体活性増強に関する技術 | 契約一時金 | 2007.5~ |
武田薬品工業㈱(当社) | ルンドベック社 | デンマーク | 気分障害・不安障害治療薬に関する技術(対象地域:アメリカ) | 契約一時金 | 2007.9~ |
武田薬品工業㈱(当社) | ルンドベック社 | デンマーク | 気分障害・不安障害治療薬に関する技術(対象地域:日本) | 契約一時金 | 2007.11~ |
武田薬品工業㈱(当社) | アムジェン社 | アメリカ | バイオ医薬に関する技術(対象地域:日本) | 契約一時金 | 2008.2~ |
武田薬品工業㈱(当社) | (財)日本ポリオ研究所 | 日本 | セービン株不活性化ポリオワクチンに関する技術 | 契約一時金 | 2008.3~ |
武田薬品工業㈱(当社) | アルナイラム社 | アメリカ | RNAi医薬に関する技術 | 契約一時金 | 2008.5~ |
武田薬品工業㈱(当社) | ノバルティス社 | スイス | インフルエンザ菌b型ワクチンを含む混合ワクチンに関する技術 | 契約一時金 | 2009.5~ |
ミレニアム・ファーマシューティカルズ Inc.(連結子会社) | シアトルジェネティクス社 | アメリカ | リンパ腫治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2009.12~ |
武田薬品工業㈱ | エーマグ・ファーマシューティカルズ社 | アメリカ | 鉄欠乏性貧血治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2010.3~ |
武田薬品工業㈱ | オレキシジェン・セラピューティクス社 | アメリカ | 抗肥満薬に関する技術 | 契約一時金 | 2010.9~ |
武田薬品工業㈱ | (財)ヒューマンサイエンス振興財団 | 日本 | ヒト・パピローマウィルス・ワクチンに関する技術 | 契約一時金 | 2010.10~ |
武田薬品工業㈱ | バクスター・ヘルスケア社 | スイス | インフルエンザワクチンに関する技術 | 契約一時金 | 2010.12~ |
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 技術の内容 | 対価の支払 | 契約期間 |
武田薬品工業㈱ | ジンファンデル・ファーマシューティカルズ社 | アメリカ | アルツハイマー病のバイオマーカーに関する技術 | 契約一時金 | 2010.12~ |
武田薬品工業㈱ | イントラセルラー・セラピーズ社 | アメリカ | 統合失調症治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2011.2~ |
武田薬品工業㈱ | 大日本住友製薬㈱ | 日本 | 非定型抗精神病薬に関する技術 | 契約一時金 | 2011.3~ |
ミレニアム・ファーマシューティカルズ Inc.(連結子会社) | スネシス・ファーマシューティカルズ社 | アメリカ | 癌治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2011.3~ |
武田薬品工業㈱ | テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ社 | イスラエ | 多発性硬化症治療薬に関する技術 | 一時金 | 2013.3~ |
武田薬品工業㈱ | ナトロジェン・セラピューティクス・インターナショナル社 | アメリカ | 炎症性腸疾患治療薬に関する技術 | 契約一時金 | 2013.12~ |
武田薬品工業㈱ | テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ社 | イスラエ | パーキンソン病治療薬に関する技術 | 一時金 | 2014.3~ |
(4)クロスライセンス
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 技術の内容 | 対価の支払 | 契約期間 |
武田薬品工業㈱ | グラクソ・スミスクライン社 | イギリス | グリタゾン製剤に関する技術 | 相互有償 | 2001.3~ |
(5)販売契約
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 契約内容 | 契約期間 |
武田薬品工業㈱ | キッセイ薬品工業㈱ | 日本 | 速効性食後血糖降下剤の日本における販売 | 2002.8~ |
武田薬品工業㈱ | ファイザー社、ワイス社およびファイザー㈱ | アメリカ | 関節リウマチ治療薬の日本における販売提携 | 2003.5~2025.12 |
武田薬品工業㈱ | ノバルティス社 | スイス | インフルエンザ菌b型ワクチン(単体)の日本における開発・販売 | 2009.5~ |
武田薬品工業㈱ | ヤンセン・ファーマスーティカ社およびヤンセンファーマ㈱ | ベルギー | アルツハイマー型認知症治療薬の日本における販売提携 | 2010.3~ |
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 契約内容 | 契約期間 |
武田薬品工業㈱ | ジョンソン・エンド・ジョンソン㈱ | 日本 | OTC医薬品の日本における販売 | 2012.11~ |
武田薬品工業㈱ | 大正製薬㈱ | 日本 | ビオフェルミン製品の日本における販売 | OTC医薬品・医療用医薬品ともに2014.1.1~ |
武田薬品工業㈱ | 大塚製薬㈱ | 日本 | 酸関連疾患治療薬の日本における販売提携 | 2014.3~ |
(6)その他
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 契約内容 | 締結年月 | 契約対象の 取引の実行年月 |
武田薬品工業㈱ | ファーマシューティカル・プロダクト・ディベロップメント社およびフューリエックス・ファーマシューティカル社 | アメリカ | 糖尿病治療薬の開発・販売権の持分譲受(開発・販売の進捗に応じた契約一時金及び売上高に応じた対価を支払う) | 2005.7 | 2005.7 |
武田アメリカ・ホールディングス Inc.ほか | URLファーマInc.および同社株主代表 | アメリカ | URLファーマInc.の全株式譲受による買収(契約一時金及びコルクリス事業の業績に応じた対価を支払う) | 2012.4 | 2012.6 |
武田アメリカ・ホールディングス Inc.ほか | インビラージェンInc.および同社株主代表 | アメリカ | インビラージェンInc.の全株式譲受による買収 | 2013.5 | 2013.5 |
武田薬品工業㈱ | 大正製薬㈱ | 日本 | ビオフェルミン製薬㈱の株式の一部譲渡 | 2013.7 | 2013.8 |
武田薬品工業㈱ | 武田バイオ開発センター㈱ | 日本 | 武田バイオ開発センター㈱の事業譲渡による統合 | 2013.8 | 2014.4 |
武田薬品工業㈱ | ナトロジェン・セラピューティクス・インターナショナル社 | アメリカ | ナトロジェン・セラピューティクス・インターナショナル社の買収オプション権の取得 | 2013.12 | オプション権行使時期は未定 |
武田薬品工業㈱ | ㈱住化分析センター | 日本 | ㈱武田分析研究所の全事業の譲渡 | 2014.3 | 2014年度 |
武田薬品工業㈱ | 三菱UFJ信託銀行㈱ | 日本 | 国内外のグループ上級幹部従業員向けインセンティブプランとしての株式付与ESOP信託の設定 | 2014.5 | (信託設定期間は2017年7月までの予定) |
当社は、医薬事業を中心に、幅広い研究開発活動を展開しております。
当年度における全体の研究開発費は3,416億円であり、うち、医療用医薬品事業において 3,355億円、ヘルスケア事業において13億円を計上しております。当社では、全体にかかる研究開発費のほとんどを医療用医薬品の研究開発活動にあてております。
(医療用医薬品事業)
当社は、アンメットメディカルニーズが高く、当社の強みが発揮できる「代謝性・循環器系疾患」、「癌」、「中枢神経系疾患」、「免疫・呼吸器系疾患」、「消化器・腎臓系・その他疾患」、「ワクチン」を重点領域と位置付け、経営資源を投下し、画期的新薬の創出に挑戦しています。なお、研究開発の戦略を整合させつつ、強靭かつ効率的なオペレーティングモデルを構築するため、当社の100%子会社であるミレニアム社の癌領域に関する研究開発機能を、昨年5月、CMSO部門に統合しました。
当年度における研究開発活動の主な内容および成果は下記のとおりです。
①自社創製品に関する取り組み
・昨年4月、高血圧症治療剤「アジルバ(一般名:アジルサルタン)」とアムロジピンベシル酸塩の合剤について、製造販売承認申請を厚生労働省に提出し、本年3月、高血圧症治療剤「ザクラス配合錠」として製造販売承認を取得し、同年6月、日本にて販売を開始しました。
・昨年6月、多発性骨髄腫治療薬「MLN9708(一般名:ixazomib)」について、米国臨床腫瘍学会年次集会(ASCO)において、再発・難治性の多発性骨髄腫患者を対象とした単独投与の臨床第1相試験結果を発表しました。
昨年11月、グローバルで実施している再発・難治性の多発性骨髄腫患者を対象とした臨床第3相試験(TOURMALINE-MM1試験)への日本の参加を決定し、本試験を開始しました。
また、昨年12月、第55回米国血液学会年次総会(ASH)において、未治療の多発性骨髄腫患者を対象とした、「MLN9708」と「レナリドミド」および「デキサメタゾン」併用療法の臨床第1/2相試験について、第1相パートの最終結果と第2相パートの初期データを発表しました。
・昨年6月、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ(一般名:ベドリズマブ)」について、成人の中等度から重度の活動期クローン病および潰瘍性大腸炎を対象とした生物学的製剤承認申請を米国食品医薬品局(FDA)に提出し、昨年9月、潰瘍性大腸炎を適応症とした生物学的製剤承認申請がFDAより優先審査に指定されました。
昨年12月、FDAの消化器系用薬諮問委員会および医薬安全・リスク管理諮問委員会の合同委員会において、成人の中等度から重度の潰瘍性大腸炎およびクローン病の治療薬として、FDAでの承認を推奨するという見解が示され、本年5月、両適応症について、FDAより販売承認を取得し、同年6月、米国にて販売を開始しました。
本年3月、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)において標準治療薬もしくは抗TNFα抗体による治療に対し、効果不十分、効果が持続しない、もしくは不耐性である、成人の中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎またはクローン病の治療薬として、承認を推奨する見解が示され、同年5月、両適応症について、欧州委員会(EC)より販売許可を取得しました。
本年1月、日本における中等度から重度の潰瘍性大腸炎およびクローン病を対象とした2つの臨床第3相試験を開始しました。
なお、昨年8月、本剤の臨床第3相試験結果が医学雑誌「The New England Journal of Medicine」に掲載されました。
・昨年7月、2型糖尿病治療剤「ビピディーア(一般名:アログリプチン)」、「ビプドメット(「ビピディーア」と同治療剤「メトホルミン」の合剤)」、および「インクリーシンク(「ビピディーア」と同治療剤「アクトス」の合剤)」について、EMAのCHMPより販売承認を推奨する見解が示され、同年9月、ECより販売許可を取得しました。昨年7月、2型糖尿病治療剤「ネシーナ(一般名:アログリプチン)」について、中国国家食品薬品監督管理局(CFDA)より輸入販売許可を取得しました。
昨年9月、「アログリプチン」について、欧州心臓学会(ESC)において、心血管への安全性を評価した試験(EXAMINE試験)の結果概要を発表しました。なお、本試験結果については医学雑誌「The New England Journal of Medicine」に掲載されました。さらに、本年3月、米国心臓病学会(ACC)において、EXAMINE試験のサブ解析結果を発表しました。
本年5月、「ネシーナ」について、厚生労働省より、効能・効果を「2型糖尿病」とする一部変更承認を取得しました。これにより、これまで併用効能が承認されていなかった速効型インスリン分泌促進薬を含め、本剤と実臨床において併用が想定される全ての経口血糖降下薬およびインスリン製剤との併用が可能となりました。
・昨年10月、当社が現在開発中のノロウイルスワクチン(筋注、GI/GII の2価ワクチン)について、米国感染症学会週間(Infectious Disease Week 2013)において、臨床第1/2相試験の結果を発表しました。
・昨年12月、多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド(一般名:ボルテゾミブ)」について、第55回ASHにおいて、未治療の多発性骨髄腫患者を対象とした臨床第3相試験であるVISTA試験から得られた全生存期間に関する試験結果を発表しました。
・本年2月、酸関連疾患治療薬「TAK-438(一般名:ボノプラザンフマル酸塩)」について、製造販売承認申請を厚生労働省に提出しました。本年5月、米国消化器病週間(Digestive Disease Week)において、本薬の5つの臨床第3相試験結果を発表しました。
・本年3月、2型糖尿病治療薬「SYR-472(一般名:トレラグリプチンコハク酸塩)」について、製造販売承認申請を厚生労働省に提出しました。
・本年3月、消化性潰瘍治療剤「タケプロン(一般名:ランソプラゾール)」と低用量アスピリンの合剤である「タケルダ配合錠」について、厚生労働省より製造販売承認を取得し、同年6月、日本にて販売を開始しました。
・昨年12月、2型糖尿病治療薬「TAK-875(一般名:fasiglifam)」について、肝における安全性の懸念から、本薬のグローバルでの開発中止を決定しました。
・本年6月、前立腺がん治療薬「TAK-700(一般名:オルテロネル)」について、2つの臨床第3相試験において、主要評価項目である全生存期間の改善がみられなかった結果を踏まえ、他に前立腺がんに対して治療オプションが存在することも考慮し、本薬のグローバルでの開発中止を決定しました。
②導入品(アライアンス)等に関する取り組み
・昨年5月、デンマーク「ルンドベック社」より導入した大うつ病治療剤「ブリンテリックス(一般名:ボルチオキセチン臭化水素酸塩)」について、第166回米国精神医学会年次総会において、全般的なうつ症状の改善効果を評価した臨床第3相試験結果を発表しました。昨年9月、本剤について、FDAより、成人の大うつ病を適応症とした販売許可を取得しました。
本年6月、米国臨床精神薬理学会年次総会において、本剤が、大うつ病治療に起因する性機能障害に与える影響を評価した臨床試験結果を発表しました。また、同月、国際神経精神薬理学会において、本剤が、認知機能に与える影響を評価した臨床試験結果を発表しました。
・昨年6月、米国「シアトルジェネティクス社」より導入した悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ・ベドチン)」について、ASCOにおいて、小児の再発・難治性CD30陽性ホジキンリンパ腫患者または全身性未分化大細胞リンパ腫患者を対象とした臨床第1/2相試験の第1相パートの中間解析結果を発表しました。また、昨年12月、第55回ASHにおいて、再発・難治性ホジキンリンパ腫患者および再発・難治性全身性未分化大細胞リンパ腫患者を対象とした2つの臨床第2相試験の全生存期間に関する最新データを発表しました。
本年1月、本剤について、再発・難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫および再発・難治性のCD30陽性未分化大細胞リンパ腫を適応症として、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。
・昨年7月、当社と米国「ジンファンデル社」は、国際アルツハイマー病学会において、TOMM40遺伝子も加えたバイオマーカーを用いたアルゴリズムによるアルツハイマー病発症リスク評価のシミュレーションの結果を発表しました。昨年8月、「AD-4833(一般名:ピオグリタゾン)/TOMM40」について、臨床第3相試験(TOMMORROW試験)を開始しました。
・昨年8月、「大日本住友製薬株式会社」より導入した非定型抗精神病剤「ラツーダ(一般名:ルラシドン塩酸塩)」について、統合失調症を適応症として、スイス医薬品局(swissmedic)より販売許可を取得しました。また、本年1月、EMAのCHMPより、本薬の承認を推奨する見解が示され、本年3月、ECより、統合失調症を適応症として販売許可を取得しました。
・昨年9月、オランダ「ノルジーン社」より導入した肥満症治療剤「オブリーン(一般名:セチリスタット)」について、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。
・昨年9月、スイス「ノバルティス社」より導入したHibワクチン「TAK-816」について、製造販売承認申請を厚生労働省に提出しました。
・昨年12月、当社は、米国「ナトロジェン・セラピューティクス・インターナショナル社」と、同社が保有する潰瘍性大腸炎治療薬「Natura-alpha」(現在、臨床第2相試験の段階)に関し、当社が独占的開発権等とともに、同社買収のオプション権を取得する契約を締結しました。
・昨年12月、カナダ「パラディン社」より導入したエチレングリコール・メタノール中毒治療薬「ホメピゾール(一般名)」について、製造販売承認申請を厚生労働省に提出しました。本薬は、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」での検討を受け、「一般社団法人未承認薬等開発支援センター」より開発費の助成を受けています。
・本年3月、当社は、米国「トリアーニ社」と、同社が保有するモノクローナル抗体作製の基盤技術である「Trianniマウス」の使用権を獲得するライセンス契約を締結しました。当社は、「トリアーニ社」の有する次世代の遺伝子導入マウスの基盤技術を用いて、研究対象とする全ての疾患領域において、ヒト型モノクローナル抗体の作製が可能になります。
・本年3月、米国「バクスター・インターナショナル社」より導入した細胞培養技術を用いて当社光工場で製造する新型インフルエンザワクチン「細胞培養インフルエンザワクチンH5N1「タケダ」 1mL(一般名:細胞培養インフルエンザワクチン(H5N1株))」および「細胞培養インフルエンザワクチン(プロトタイプ※)「タケダ」1mL(一般名:細胞培養インフルエンザワクチン(プロトタイプ))」について、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。
※プロトタイプワクチンとは、H5N1以外のインフルエンザウイルスが流行した場合に迅速に対応するために開発するワクチンです。
・本年4月、当社は、イスラエル「テバ社」と、同社が保有するパーキンソン病治療薬「ラサジリン(一般名)」について、日本における製品化に関する契約を締結したことを発表しました。本契約に基づき、当社は、本薬の日本における開発および製造販売承認申請を行います。
・本年5月、当社は、米国「マクロジェニクス社」と、同社が保有する新薬候補物質である「MGD010」(現在、自己免疫疾患を対象に前臨床試験を実施)について、開発・販売に関するオプション契約を締結しました。
・本年6月、米国「アフィマックス社」より導入した腎性貧血治療剤「オモンティス(一般名:ペギネサタイド)」について、重篤な過敏性反応の原因究明のための調査結果と同社との協議に基づき、本剤の米国における新薬承認申請の取り下げと本剤に関する同社との共同事業を本年9月をもって解消することを決定しました
③共同研究に関する取り組み
・昨年9月、当社は、米国の「メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター」、「ロックフェラー大学」、「コーネル大学」およびこれら3つのアカデミア研究機関が共同で設立した「Tri-Institutional Therapeutics Discovery Institute (Tri-I TDI)」と共同研究に関する契約を締結しました。Tri-I TDIの目的は、基礎研究の成果を、特定の生体内反応と疾病の発症・進展の関係について医薬品候補化合物を用い検証する「プルーフ・オブ・コンセプト(POC)(注)」試験へ進めることにあります。
(注)ヒトにおける有効性・安全性の実証
・昨年12月、当社は、「一般社団法人グローバルヘルス技術振興基金(Global Health Innovative Technology Fund)」の第1回助成案件に選定されたMedicines for Malaria Venture (MMV)の抗マラリア薬「DSM265」の開発および「ELQ300」の製剤化について、MMVと共同研究開発を実施する契約締結を発表しました。
④研究開発体制の整備・強化
・昨年5月、ワクチン事業の強化を目的として、米国「インビラージェン Inc.」を買収しました。
・昨年8月、当社は、国内の癌領域開発体制の強化を目的として、当社の100%子会社である「武田バイオ開発センター株式会社」と、同社全事業に関する事業譲渡契約を締結するとともに、2014年4月に事業譲渡を完了し、その後同社を解散することを決定しました。
・本年4月、当社は、新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備に関する日本政府の財政支援事業(第二次実生産設備整備事業)の追加公募について、助成金交付先として選定されました。
(ヘルスケア事業)
健康維持・増進に対する生活者の意識やニーズが高まる中で、常に生活者の立場から発想し、生活者のニーズに合った製品を提供し続けることを使命と考えております。
高付加価値を追求しながら、エビデンスに裏付けられた高品質かつ有効性・安全性の高い製品の開発を進めてまいります。
(1)当年度の経営成績の分析
①売上収益
当年度の売上収益は前年度から、1,347億円(8.6%)増収の16,917億円となりました。
・国内では一昨年に販売を開始した高血圧症治療剤「アジルバ」の売上が前期から639.7%伸長しました。また、米国では多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド」、逆流性食道炎治療剤「デクスラント」の売上がそれぞれ前年度から30.5%および49.9%伸長したことに加え、一昨年6月に買収した「URLファーマ社」から獲得した痛風・高尿酸血症治療剤「コルクリス」の増収効果がありました。欧州では悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」が極めて順調に売上を伸ばしているほか、アジアを含む新興国では消化性潰瘍治療剤「パントプラゾール」などの販売が拡大しています。さらに、為替レートが円安となった影響(1,452億円のプラス)などもあり、主として米国において特許期間満了に伴い後発品が参入したことによる2型糖尿病治療剤「アクトス」の大幅な減収(862億円)を吸収し、全体では1,347億円の増収となりました。
また、Like-for-like(注)ベースの売上収益は、前年度から5.1%増加しました。
(注)Like-for-like:為替影響および除外項目を控除して算定しております。
除外項目:経常的なビジネスパフォーマンスを見る観点から除外した項目(M&A関連費用、事業の売却損益、特許満了影響、営業日数の差異等)
・医療用医薬品の主要品目の売上収益は下記のとおりです。
高血圧症治療剤 | 1,550億円 | 前年度比 | 146億円 | ( 8.6%) | 減 |
前立腺癌・乳癌・子宮内膜症治療剤 | 1,243億円 | 〃 | 79億円 | ( 6.8%) | 増 |
消化性潰瘍治療剤 | 1,184億円 | 〃 | 81億円 | ( 7.4%) | 増 |
消化性潰瘍治療剤 | 1,031億円 | 〃 | 251億円 | (32.2%) | 増 |
多発性骨髄腫治療剤 | 951億円 | 〃 | 222億円 | (30.5%) | 増 |
痛風・高尿酸血症治療剤 | 519億円 | 〃 | 184億円 | (54.8%) | 増(注) |
2型糖尿病治療剤 | 366億円 | 〃 | 862億円 | (70.2%) | 減 |
(注) 2012年6月の米国「URLファーマ社」買収に伴い獲得した「コルクリス」について、買収前の2012年4月から5月までの売上収益は前期比較の対象に含めておりません。
・医療用医薬品事業
医療用医薬品事業の売上収益は前年度から1,275億円(9.1%)増収の15,291億円となり、営業利益は前年度から780億円(229.0%)増益の1,121億円となりました。
このうち国内売上収益は、「ネシーナ」、「アジルバ」をはじめとする2010年以降に発売した製品群の寄与が「アクトス」および「ブロプレス」の減収や販売契約終了に伴う一部の仕入品の売上減少を吸収できず、61億円(1.0%)減収の5,821億円となりました。
主な品目の国内売上収益は下記のとおりです。
「ブロプレス」(高血圧症治療剤) | 1,258億円 | 前年度比 | 82億円 | ( 6.1%) | 減 |
「タケプロン」(消化性潰瘍治療剤) | 676億円 | 〃 | 14億円 | ( 2.1%) | 減 |
「リュープリン」 | 645億円 | 〃 | 15億円 | ( 2.3%) | 減 |
「ネシーナ」(2型糖尿病治療剤) | 380億円 | 〃 | 2億円 | ( 0.6%) | 増 |
「アジルバ」(高血圧症治療剤) | 253億円 | 〃 | 219億円 | (639.7%) | 増 |
「ベクティビックス」(抗悪性腫瘍剤) | 194億円 | 〃 | 5億円 | ( 2.8%) | 増 |
「アクトス」(2型糖尿病治療剤) | 155億円 | 〃 | 36億円 | ( 18.8%) | 減 |
海外売上収益は、米欧における「ピオグリタゾン」および「カンデサルタン」の後発品参入による大幅な減収があったものの、一昨年の「URLファーマ社」の買収による「コルクリス」の売上寄与およびアジアを含む新興国での増収に加え、為替レートが円安となった影響により、前年度から1,336億円(16.4%)増収の9,470億円となりました。
主な品目の海外売上収益は下記のとおりです。
「パントプラゾール」(消化性潰瘍治療剤) | 1,031億円 | 前年度比 | 251億円 | (32.2%) | 増 |
「ベルケイド」(多発性骨髄腫治療剤) | 951億円 | 〃 | 222億円 | (30.5%) | 増 |
「リュープロレリン」 | 599億円 | 〃 | 94億円 | (18.6%) | 増 |
「コルクリス」(痛風・高尿酸血症治療剤) | 519億円 | 〃 | 184億円 | (54.8%) | 増(注) |
「ランソプラゾール」(消化性潰瘍治療剤) | 507億円 | 〃 | 96億円 | (23.3%) | 増 |
「デクスラント」(逆流性食道炎治療剤) | 503億円 | 〃 | 176億円 | (53.6%) | 増 |
「カンデサルタン」(高血圧症治療剤) | 293億円 | 〃 | 64億円 | (17.9%) | 減 |
「ピオグリタゾン」(2型糖尿病治療剤) | 211億円 | 〃 | 826億円 | (79.7%) | 減 |
(注) 2012年6月の米国「URLファーマ社」買収に伴い獲得した「コルクリス」について、買収前の2012年4月から5月までの売上収益は前年比較の対象に含めておりません。
・ヘルスケア事業
ヘルスケア事業の売上収益は、「アリナミン錠剤類」、「アリナミンドリンク類」、「ベンザ類」等の増収により、前年度から60億円(8.9%)増収の729億円となりました。営業利益は増収に伴う売上総利益の増益等により、35億円(26.8%)増益の164億円となりました。
・その他事業
その他事業の売上収益は前年度から8億円(0.8%)増収の938億円、営業利益は有形固定資産の減損損失を認識したことなどにより、71億円(39.8%)減益の108億円となりました。
②営業利益
前年度から743億円(114.3%)増益の1,393億円となりました。
・売上収益の増加により売上総利益は1,083億円(9.9%)増益となりました。販売費及び一般管理費は、事業運営体制の合理化による経費削減効果があったものの、為替レートが円安となった影響等により433億円(8.4%)増加しました。また、研究開発費は、202億円(6.3%)増加し、3,416億円となりました。一方、減損損失の発生額が減少したことなどにより、製品に係る無形資産償却費及び減損損失は306億円(17.6%)減少しました。その結果、全体では営業利益は増益となりました。
・Like-for-likeベースでは、販売費及び一般管理費および研究開発費は、それぞれ前年度から8.1%および4.2%減少しました。
③当期利益(親会社の所有者帰属分)
前年度から419億円(28.2%)減益の1,067億円となりました。
・営業利益は増益となったものの、金融資産に係る売却益の発生額が減少したことや、前年度においては、過年度納付した日米間の移転価格税制に基づく追徴税の還付金(還付税金および還付加算金)を667億円(益)計上していたことなどにより、当期利益(親会社の所有者帰属分)は減益となりました。
・基本的1株当たり当期利益(EPS)は、前年度から53円11銭(28.2%)減少し、135円10銭となりました。
・親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は4.5%となり、前年度から2.3ポイント減少しました。
(2)当年度の財政状態の分析
当年度末における資産合計は4兆5,691億円となり、前年度末に比べ5,166億円増加しました。期末日レートが円安に推移したことによる海外資産の円換算額の増加や、「インビラージェン Inc.」の買収に伴うのれんおよび無形資産の増加などにより、非流動資産が1,555億円増加したことに加え、社債の発行および借入の実行に伴い、当座資産を中心に流動資産が3,611億円増加しました。
当年度末における負債は2兆285億円となりました。社債の発行および借入の実行などにより前年度末から3,142億円増加しました。
当年度末における資本合計は2兆5,406億円となりました。円安に伴い為替の換算差額が改善したことなどにより前年度末から2,023億円増加しました。
親会社所有者帰属持分比率(注)は54.1%となり、前年度末から2.0ポイント減少しております。
(注)日本基準における自己資本比率に相当
当年度のキャッシュ・フローは1,205億円のプラスとなりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは1,483億円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローは1,586億円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローは社債の発行および借入の実行等により1,014億円のプラスとなっております。
(3)将来の見通し
①売上収益の見通し
翌年度の売上収益は、「カンデサルタン」、「ランソプラゾール」をはじめとした大型製品の減収を、国内における「アジルバ」、米国における「ブリンテリックス」や「ネシーナ」の売上伸長ならびに新興国での売上拡大等により吸収し、当年度から増収となる見込みです。
②営業利益の見通し
翌年度の営業利益は、新製品の上市にかかる経費の増加や、ユーロの為替レートを当年度よりも円安に見込んだことによる無形資産償却費の増加等を、売上収益の増加やProject Summitの遂行による経費削減効果および遊休土地売却益の増加により吸収し、当年度から増益となる見込みです。
③当期利益(親会社の所有者帰属分)の見通し
翌年度の当期利益(親会社の所有者帰属分)は、営業利益は増益を見込んでいるものの、当年度に実施した有価証券の売却による金融収益が翌年度においては大きく減少することなどにより、当年度から減益となる見込みです。
④Core Earningsの見通し
翌年度のCore Earningsは、売上収益の増加による売上総利益の増加があるものの、研究開発費の増加や新製品の上市にかかる経費の増加影響等により、当年度から減益となる見込みです。
⑤見通しの前提及び見通しに関する注意事項
翌年度の為替レートは、1米ドル=100円、1ユーロ=140円を前提としております。
当社の業績は、事業環境の変化や為替変動による影響など、現在および将来において様々なリスクにさらされております。本資料に記載されている業績予想は、現時点で入手可能な情報に基づくものであり、実際の業績等は様々な要因により大きく変動し、異なる結果を招きうる不確実性を含んでいます。事業環境等の変化により、当社業績に重大な影響が生じると判断した場合には、速やかにご報告いたします。