当社グループは、当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)から従来の日本基準に替えてIFRSを適用しております。IFRSへの移行日は2013年4月1日であり、前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)についても、IFRSに準拠して表示しております。日本基準とIFRSとの差異の概要は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 35.初度適用」をご参照下さい。
2014年度の日本経済は、政府・日銀の積極的な経済・金融政策を背景に、企業収益の改善、雇用の持ち直しや賃金の上昇などにより、緩やかな回復基調で推移しました。一方、世界的には、米国経済は堅調に推移しているものの、新興国における成長率の鈍化や相次ぐ政情不安により先行き不透明な状況が続きました。
2014年(暦年)の「日本の広告費」(当社調べ)は、6兆1,522億円(前年比2.9%増)と、3年連続で前年実績を上回りました。消費税率引き上げ前の駆け込み需要やソチオリンピック2014などで伸長した後、消費税率引き上げによるマイナス要因などがあったものの、2014FIFAワールドカップ ブラジル大会などにより緩やかに成長を続け、通年では6年ぶりに6兆円を超えました。
また、当社の海外子会社でメディア・コミュニケーション・エージェンシーであるCarat(カラ)が、2015年3月に取りまとめた2014年(暦年)の世界の広告費成長率は前年比4.6%増、地域別では、ヨーロッパ、中東およびアフリカ(以下「EMEA」)が同2.6%増、米州(以下「Americas」)が同5.2%増、アジア太平洋(日本を除く。以下「APAC」)が同6.2%増となっております。
こうした環境下、当期における当社グループの業績は、国内事業においては、売上総利益が前期に比べ1.7%増加しました。消費税率引き上げの影響があったものの、2014FIFAワールドカップ ブラジル大会や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のスポンサーシップ・セールスなどの貢献もあり、前期を上回ることができました。また、当期における海外事業の売上総利益のオーガニック成長率は、新規クライアントの貢献もあり、前期比10.3%増と二桁の伸びを記録しました。地域別に見ても、EMEA(同9.7%増)、Americas(同7.9%増)、APAC(同14.4%増)と、いずれも前期を上回りました。
この結果、当連結会計年度の収益は7,286億26百万円(前期比10.4%増)、売上総利益は6,769億25百万円(同10.1%増)、調整後営業利益は1,319億37百万円(同5.1%増)、営業利益は1,323億5百万円(同23.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は798億46百万円(同20.1%増)となりました。
調整後営業利益は、会計上の営業利益から、買収に伴う無形資産の償却、減損、固定資産の売却損益、M&Aに伴う費用などの一時的要因を排除した定常的なビジネスのパフォーマンスを測る利益指標です。
当連結会計年度における報告セグメントの業績は、次のとおりです。
国内事業の売上総利益は3,339億95百万円(前期比1.7%増)、調整後営業利益は797億35百万円(同2.8%増)となりました。
海外事業の売上総利益は3,432億32百万円(前期比19.6%増)、調整後営業利益は526億18百万円(同9.6%増)となりました。
連結業績には、当社単体の業績が大きく影響しております。当社単体の業績(日本基準)は、売上高が1兆5,351億5百万円(前期比1.3%増)、売上総利益は2,231億65百万円(同1.7%増)、営業利益は524億21百万円(同3.6%増)、経常利益は764億58百万円(同9.7%増)、当期純利益は639億50百万円(同36.2%増)となりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、3,653億79百万円(前連結会計年度末2,533億54百万円)となりました。営業活動および財務活動による収入が、投資活動による支出を上回ったため、前連結会計年度末に比べ1,120億25百万円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果により得た資金は、前連結会計年度に比べ204億2百万円増加し、1,123億88百万円の収入となりました。主に税引前利益が増加したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果支出した資金は、前連結会計年度に比べ2,856億37百万円減少し、256億10百万円となりました。主に子会社の取得による支出が減少したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果により得た資金は、前連結会計年度に比べ2,091億45百万円減少し、83億91百万円となりました。主に長期借入による収入が減少したことによるものです。
連結財務諸表規則(第7章および第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
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| (単位:百万円) |
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| 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) |
資産の部 |
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| 流動資産 | 1,368,385 | 1,662,220 | ||||||||
| 固定資産 |
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| 有形固定資産 | 249,320 | 238,279 | ||||||||
| 無形固定資産 | 818,340 | 879,972 | ||||||||
| 投資その他の資産 | 202,273 | 294,556 | ||||||||
| 固定資産合計 | 1,269,933 | 1,412,808 | ||||||||
| 資産合計 | 2,638,319 | 3,075,028 | ||||||||
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負債の部 |
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| 流動負債 | 1,253,263 | 1,478,306 | ||||||||
| 固定負債 | 476,560 | 539,208 | ||||||||
| 負債合計 | 1,729,824 | 2,017,514 | ||||||||
純資産の部 |
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| 株主資本 | 715,828 | 741,155 | ||||||||
| その他の包括利益累計額 | 167,289 | 284,992 | ||||||||
| 新株予約権 | ― | 48 | ||||||||
| 少数株主持分 | 25,377 | 31,317 | ||||||||
| 純資産合計 | 908,495 | 1,057,513 | ||||||||
負債純資産合計 | 2,638,319 | 3,075,028 | |||||||||
要約連結損益計算書
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| (単位:百万円) |
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| 前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) |
売上高 | 2,309,359 | 2,419,278 | |||||||||
売上原価 | 1,715,287 | 1,762,824 | |||||||||
売上総利益 | 594,072 | 656,454 | |||||||||
販売費及び一般管理費 | 522,581 | 583,758 | |||||||||
営業利益 | 71,490 | 72,695 | |||||||||
営業外収益 | 22,593 | 22,310 | |||||||||
営業外費用 | 11,545 | 12,428 | |||||||||
経常利益 | 82,538 | 82,578 | |||||||||
特別利益 | 7,795 | 28,452 | |||||||||
特別損失 | 9,161 | 12,482 | |||||||||
税金等調整前当期純利益 | 81,172 | 98,549 | |||||||||
法人税等 | 39,741 | 47,983 | |||||||||
少数株主損益調整前当期純利益 | 41,430 | 50,565 | |||||||||
少数株主利益 | 2,629 | 4,746 | |||||||||
当期純利益 | 38,800 | 45,818 | |||||||||
要約連結包括利益計算書
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| (単位:百万円) |
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| 前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) |
少数株主損益調整前当期純利益 | 41,430 | 50,565 | |||||||||
その他の包括利益 | 163,263 | 120,360 | |||||||||
包括利益 | 204,694 | 170,925 | |||||||||
(内訳) |
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| 親会社株主に係る包括利益 | 201,246 | 165,082 | ||||||||
| 少数株主に係る包括利益 | 3,448 | 5,842 | ||||||||
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
(単位:百万円) |
| 株主資本 | その他の包括利益 | 新株予約権 | 少数株主持分 | 純資産合計 |
当期首残高 | 570,419 | 14,076 | ― | 24,141 | 608,637 |
当期変動額合計 | 145,408 | 153,213 | ― | 1,235 | 299,858 |
当期末残高 | 715,828 | 167,289 | ― | 25,377 | 908,495 |
当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
(単位:百万円) | |||||
| 株主資本 | その他の包括利益 | 新株予約権 | 少数株主持分 | 純資産合計 |
当期首残高 | 715,828 | 167,289 | ― | 25,377 | 908,495 |
当期変動額合計 | 25,327 | 117,702 | 48 | 5,940 | 149,018 |
当期末残高 | 741,155 | 284,992 | 48 | 31,317 | 1,057,513 |
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| (単位:百万円) |
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| 前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 97,540 | 114,751 | |||||||||
投資活動によるキャッシュ・フロー | △318,087 | △28,494 | |||||||||
財務活動によるキャッシュ・フロー | 226,526 | 12,197 | |||||||||
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 13,569 | 15,095 | |||||||||
現金及び現金同等物の期首残高 | 207,578 | 227,128 | |||||||||
現金及び現金同等物の期末残高 | 227,128 | 340,678 | |||||||||
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号 2012年5月17日。以下「退職給付会計基準」という。)および「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号 2012年5月17日。以下「退職給付適用指針」という。)を、当連結会計年度末より適用し(ただし、退職給付会計基準第35項本文および退職給付適用指針第67項本文に掲げられた定めを除く。)、退職給付債務から年金資産の額を控除した額を退職給付に係る負債(ただし、年金資産の額が退職給付債務を超える場合には退職給付に係る資産)として計上する方法に変更し、未認識数理計算上の差異および未認識過去勤務費用を退職給付に係る負債に計上いたしました。
退職給付会計基準等の適用については、退職給付会計基準第37項に定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度末において、当該変更に伴う影響額をその他の包括利益累計額の退職給付に係る調整累計額に加減しております。
この結果、当連結会計年度末において、退職給付に係る資産が5,841百万円、退職給付に係る負債が56,301百万円計上されております。また、その他の包括利益累計額が8,277百万円減少しております。また当連結会計年度の1株当たり純資産額が、28.71円減少しております。
「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号 2012年5月17日。以下「退職給付会計基準」という。)および「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号 2015年3月26日。以下「退職給付適用指針」という。)を、退職給付会計基準第35項本文および退職給付適用指針第67項本文に掲げられた定めについて当連結会計年度より適用し、退職給付債務および勤務費用の計算方法を見直し、退職給付見込額の期間帰属方法を期間定額基準から給付算定式基準へ変更するとともに、割引率の決定方法を割引率決定の基礎となる債券の期間について従業員の平均残存勤務期間に近似した年数とする方法から、退職給付の支払見込期間ごとに設定された複数の割引率を使用する方法へ変更いたしました。
退職給付会計基準等の適用については、退職給付会計基準第37項に定める経過的な取扱いに従って、当連結会計年度の期首において、退職給付債務および勤務費用の計算方法の変更に伴う影響額を利益剰余金に加減しております。
この結果、当連結会計年度の期首の投資有価証券が138百万円増加し、投資その他の資産のその他が5,841百万円、退職給付に係る負債が3,097百万円、利益剰余金が1,617百万円それぞれ減少しております。また、当連結会計年度の営業利益、経常利益および税金等調整前当期純利益に与える影響は軽微です。
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 35.初度適用」をご参照ください。
(のれんの償却)
日本基準の下ではのれんをその効果が発現すると合理的に見積もられる期間にわたり規則的に償却しておりましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が31,864百万円減少しております。
当連結会計年度におけるセグメントの販売実績(売上高)は次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
国内事業 | 1,785,368 | 101.5 |
海外事業 | 2,857,022 | 118.2 |
計 | 4,642,390 | 111.1 |
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 売上高は当社グループが顧客に対して行った請求額および顧客に対する請求可能額の総額(割引および消費税等の関連する税金を除く)であり、IFRSに準拠した開示ではありません。
当社グループは、2013年3月に完了したAegis Group plc(以下、「イージス社」。2013年3月26日付でDentsu Aegis Network Ltd.に商号変更。商号変更後の同社を指す場合は、以下「電通イージス・ネットワーク社」)買収により、本格的なグローバル・ネットワークへと変貌を遂げました。これを機に、2013年度を初年度とする中期経営計画「Dentsu 2017 and Beyond」を策定いたしました。
近年、さまざまな技術革新が進展し、消費者の行動様式が様変わりする中、多くの企業において、それぞれのマーケティング活動における個々の施策を有機的に結び付けなければ、十分な成果を上げることが困難になりつつあります。こうしたマーケティング・コンバージェンスが進展する中、当社グループは、あらゆる顧客の企業価値向上に貢献する、世界で最も先端的なグローバル・ネットワークへの進化を目指してまいります。
この基本方針のもと、現行の中期経営計画では、以下に掲げる4つの戦略骨子を定めました。
・ グローバルでのポートフォリオ多極化
・ デジタル領域の進化と拡大
・ ビジネスプロセスの革新と収益性の向上
・ コア・コンピタンスである日本市場での更なる事業基盤強化
2017年度の数値目標を以下のとおり設定いたしました。
・ 売上総利益のオーガニック成長率 3~5%(年平均成長率)
・ 売上総利益に占める海外事業構成比 55%以上
・ 売上総利益に占めるデジタル領域構成比 35%以上
・ 調整後オペレーティング・マージン 20%以上
(注)調整後オペレーティング・マージン=調整後営業利益÷売上総利益
なお、当期から従来の日本基準に替えてIFRSを適用しております。これに伴い、オペレーティング・マージンについては、従来の「のれん等償却前営業利益」に替えて、「調整後営業利益」をもとに算出することといたしました。目標数値については変更しておりません。
また、2015年度から当社および決算日が12月31日以外の子会社の決算日を12月31日に変更する予定です。したがって、2015年12月期は、当社および決算日が12月31日以外の子会社は2015年4月1日から2015年12月31日までの9ヶ月決算、決算日が12月31日の子会社は従前どおり2015年1月1日から2015年12月31日までの12ヶ月決算となる予定です。
①グローバルでのポートフォリオ多極化
当期における海外事業の売上総利益のオーガニック成長率は10.3%と、前期に引き続き競合他社を上回る成果を達成することができました。これにより売上総利益に占める海外事業構成比は、前期より4.0ポイント上昇し、50.7%となりました。
この力強い成長の背景には、
・当社グループにおける海外事業独自のビジネスモデル「One P&L」によって、各グループ会社が、共通の事業目標を掲げ、シームレスな連携を実現し、優位性の高い統合的なクライアント・サービスを提供できていること
・これに基づき、異なる機能を有する各グループ会社が協力、連携し、一丸となってクライアントのニーズに対応したサービスをワンストップで提供することにより、既存クライアントからのビジネス拡大に加え、新規アカウント獲得が堅調に進んでいることがあると考えています。
今後も、当社とイージス社がこれまでに築いてきた顧客基盤を足がかりに、デジタル領域やスポーツ・コンテンツ・ビジネスでの強みをグローバル展開すると同時に、M&Aの活用によって全世界において競争力を有するグローバル・ネットワークの整備、拡充に努めてまいります。
②デジタル領域の進化と拡大
当期の日本におけるデジタル領域の売上総利益は、前期比12%増と二桁成長を続けています。
海外においては、当期もさまざまなデジタル領域でのM&Aを実施しました。通年で行ったM&Aのうち、約半数の11件がデジタル領域におけるものでした。近年、デジタル領域の成長を加速させているのが、プログラマティック・トレーディングです。プログラマティック・トレーディングとは、さまざまなデータに基づき、広告主のニーズに応じ、ユーザーの関心度に合わせて、種々のメディアの広告枠を自動的に買い付ける取引方式です。当社グループでも、海外においてこの領域の事業を手掛けるAMNETは、当期の売上高が前期に比べ倍増いたしました。M&Aと内部成長の結果、海外事業のデジタル比率は、前期から2ポイント増加し、43%となっております。
これにより、当社グループ全体でのデジタル比率は、2017年度目標の35%に向けて、前期から3ポイント上昇し、30%に達しております。
デジタル領域においては、今後もM&Aを積極的に活用し、ケーパビリティとサービス品質の向上に努めてまいります。
③ビジネスプロセスの革新と収益性の向上
当期の調整後オペレーティング・マージンは、前期を下回る計画を立てておりました。これは、海外事業において、ITとファイナンス分野のサービス向上を目的としたインフラの強化、シェアードサービス導入に向けた先行投資を進めるためです。この海外事業におけるインフラ強化に向けた一連の投資は、費用の大きな上振れもなく、当初の予定通り順調に進行しました。
また、国内事業においても、原価低減に向けた取り組みが着実に進行しており、継続的なコスト・コントロールの成果もあり、国内事業の調整後オペレーティング・マージンは23.9%と、前期比0.2ポイント改善させることができました。
国内・海外ともにトップラインの成長を図ると同時に、中期経営計画の目標の一つとして定める「調整後オペレーティング・マージン20%以上」の恒常的な実現に向けて、引き続き業務効率の改善とコスト・コントロールに取り組み、グループ全体の収益性を高めてまいります。
④コア・コンピタンスである日本市場での更なる事業基盤強化
当社グループの最大の強みは、日本における強固な事業基盤であることに変わりありません。当期の国内事業は、消費税増税後の消費の落ち込みや増税前の駆け込み需要の反動減が懸念される中、前期の高い伸びにもかかわらず、プラス成長を達成しました。
日本においてもマーケティング・コンバージェンスは一層進展しております。当社グループは、こうした環境変化を踏まえ、既にCRM、ビジネス・インテリジェンス、ECといった領域においても、ケーパビリティの強化を図っております。
こうした領域におけるビジネスの一層の拡大と、プロモーションやクリエーティブ領域でのさらなるサービス品質の向上、さらには、マスメディア・ビジネスにおける競争力を一層強化し、クライアントの成功を多面的に支援する「パートナー」へ進化するべく、より多様な領域において、課題解決力と収益創出力を高めてまいる所存です。
また、当社は、昨年、一般財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会から、同組織委員会のマーケティング専任代理店として指名されました。これにより当社は、マーケティングプランの策定やスポンサーセールスなどを支援しております。スポンサーセールスについては、当期中に9社のゴールドスポンサーが決定するなど、順調に進んでおり、引き続き、同組織委員会のマーケティング・パートナーとして、その務めを果たしてまいります。
日本においては、好調な企業業績や賃金上昇、雇用改善を背景に、少しずつ個人消費の回復の兆しが見えてまいりました。こうした経済環境も追い風に、市場の伸びを上回る成長を実現していきたいと考えております。
⑤グローバル・ネットワークとしてのCSR活動の推進
当社グループは、2013年にCSRの国際規格であるISO26000をベースに、全世界の電通グループの経営者および従業員が社会的な責任を果たすための行動内容を示すCSR基本理念「電通グループ行動憲章」を制定しました。そして当憲章のもと、コーポレート・ガバナンス、人権の尊重、労働環境の整備、環境保全、公正な事業慣行、消費者課題の解決、コミュニティ発展への寄与の「7つの重点領域」を基本フレームにCSR活動に取り組んでいます。
また、国際的な枠組みでの活動を視野に入れて2009年から参加している国連グローバル・コンパクトでは、ジャパン・ネットワーク幹事社の一翼を担い、他業種のメンバー企業とともにグローバルな視点から社会課題の抽出・検討などの活動を進めています。
当期は、イージス社が2010年に発表した中期CSR計画「Future Proof」をグローバル規模で継続的に展開する電通イージス・ネットワーク社との連携を深め、チャリティー・プログラムや環境負荷低減の取り組みなど共同で活動を展開しました。
今後は、グローバル・ネットワーク全体でCSR課題に対してより高い意識の向上を図るとともに共通のCSR中期計画を策定し、コミュニケーション領域におけるグローバル・リーディンググループとして、サステナブルな社会の実現を目指し、事業領域と自主的な活動の双方において、より積極的なCSR活動を推進していきます。
個別活動の詳細については「電通CSRレポート」(http://www.dentsu.co.jp/csr)をご参照ください。
当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
当社グループを含めた広告会社の業績は、市場変化や景気の影響を受けやすい傾向があります。市場変化や景気によって広告支出を増減させる広告主が多いためです。
当社グループは、サービス内容や事業を行う地域の多様化を進めるなど、景気の影響を受けにくい事業構造の形成に努力しております。しかし、国内マクロ経済の動向および広告支出額の大きい国内主要産業部門における事業環境の変化が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、海外景気の減速や為替変動等が、国内景気に悪影響を与える場合もあります。
2017年4月には消費税率が8%から10%に引き上げられることが予定されております。かかる消費税引き上げが個人消費を始めとする国内景気に悪影響を与え、当社グループの提供するサービスに対する需要を減少させ、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
2011年3月に発生した東日本大震災は、サプライチェーンの寸断、電力不足その他の事由により、日本経済に大きな悪影響を与えました。その後、国内の経済および事業環境は改善しましたが、将来において地震その他の大きな自然災害等が再び生じた場合には事業環境に悪影響を与える可能性があります。
また、当社は2013年3月に、英国の大手広告会社イージス社を買収しました。これにより当社グループの売上総利益に占める海外比率は大幅に増加し、2014年度では50.7%となりました。この結果、当社グループが事業を行う海外の主要な市場における経済環境や事業環境の悪化が、当社グループ全体の業績にさらに悪影響を与える可能性があります。
当社グループの事業は技術革新およびメディアの構造変化による影響を受けています。2014年日本の広告費(当社発行)によれば、インターネット広告費は1996年の調査開始以来、伸長を続けており、マス四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビの4つのマス媒体に掲出される広告費)のうち新聞、雑誌、ラジオの広告費を上回る規模になっております。
当社グループは、インターネット等を活用した広告手法の発達は、マス四媒体広告と、インターネット広告の連携による相乗効果をより高め、将来にわたって広告市場全体の拡大に貢献するものと考えます。既に当社グループはマス四媒体広告のみならずインターネット広告においても主導的な地位を占めており、さらなる事業機会の発掘と拡大に取り組んでおります。
しかしながら、当社グループが急速な技術革新とこれに伴うメディアの構造変化に適切に対応できなければ当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
2013年5月17日発表の当社グループの中期経営計画「Dentsu 2017 and Beyond」において、当社グループは2017年度までの財務目標等を設定しています。また、その実現に向けて、イージス社の買収により形成された新たなグローバル・ネットワークを強化・拡大することにより、海外事業からの収益割合をさらに増加させていく予定です。しかしながら、これらの計画は、世界の広告費の伸び、外国為替相場および金利ならびに当社グループが事業を行う国々の経済成長率等の様々な前提に基づいて設定されており、かかる前提が実際と異なる場合には、当社グループの設定した財務目標等の実現に至らない可能性があります。また、当社の経営陣が中期経営計画を成功裏に実行できない可能性もあります。
当社グループは、国内においては、広告主の倒産等の場合に、広告主から広告料金の支払を受けられないにもかかわらず、メディア会社等に対して支払債務を負担する可能性があります。広告主による未払いが増加した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。広告業界においては、様々な事情により、広告計画や内容に、突然の変更が生じることが少なくありません。当社グループでは、主要取引先と基本契約を締結するなど、取引上のトラブルを未然に回避する努力を行っておりますが、不測の事故または紛争が生じる可能性があります。
海外においては、欧米を中心に、広告会社が同一業種に属する複数の広告主を担当しない「一業種一社制」と呼ばれる慣行があります。しかし、わが国では、このような慣行は一般的でなく、当社グループも、同一業種に属する複数の主要企業を顧客としています。仮にわが国の慣行が変化し、それに対する当社グループの対応が適切さを欠いた場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内外において広告会社間における激しい競合にさらされております。
わが国においては国内広告会社間の事業統合や再編、外国広告会社による日本市場への更なる参入は業界構造を変化させ、競争を激化させる可能性があります。将来、顧客獲得をめぐる競合がさらに激しくなった場合、または、外国広告会社の日本市場への参入に伴う業界構造や取引慣行の変化に当社グループが適応できない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、海外においては、当社グループは、広い地域において事業を運営し、豊富な財務、人材その他の経営資源を有する巨大な外国広告会社や、1またはいくつかの国または地域に特化した小規模な広告会社との間の競合にさらされています。かかる競合において、当社グループが競争力および主要な顧客を維持できない場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループの事業領域が拡大するにつれて、総合商社、コンサルティング会社など隣接業種との競合が生じる機会も増加しております。さらにインターネット関係やソーシャル・ネットワーク・メディア関係の事業等においては新規参入企業も多く、これら企業と当社グループは、新規事業の開発等において競合する関係にあります。今後、これらの事業領域において当社グループがサービス面またはコスト面で顧客の要求に適切に応えることができない場合、または新規企業の参入により広告の取引慣行が急激に変化した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、わが国の主要広告主と取引関係を有しており、これら広告主の大半と長年にわたり安定的な取引関係を維持しております。
また、当社グループは、マスメディア各社の事業運営および営業活動を通じ、社業発展の基礎を作ってまいりました。このような活動により、当社グループは、広告主・メディア会社との間でのニーズ調整と円滑な取引を実現しております。
しかしながら、当社グループが、既存または新規の広告主またはメディア会社に対して、そのニーズに合致したサービスを提供できない場合には、取引関係の終了・解消、受注の減少または取引条件の変更等が生じる可能性があり、その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
近年、広告主は、コスト削減の必要から、発注先の広告会社を1社に集中するなどの方法により、効率的な広告サービス提供の要求を強めています。そのため、マスメディア広告取引における収益性が低下する傾向が継続する場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、広告主による広告およびマーケティング支出の効果を実証的に検証するための情報処理技術や、データベース等の研究開発に取り組んでおり、これらの活動を通じて潜在的な需要を掘り起こすとともに、国内広告市場における当社グループのシェア拡大を目指しております。しかし、これら研究開発活動の成果が商品化・実用化される時期は未定であり、今後広告主ニーズの変化や、技術的な困難等によって、当社グループの研究開発活動が、予定した成果をあげられない可能性があります。
当社グループでは、メディア広告市場における地位を強固にするため、マス四媒体、OOHメディア(交通広告・屋外広告等のアウト・オブ・ホームメディア)および衛星メディア(BS放送およびCS放送)などへの投資、ならびにそれに関連するリサーチや事業開発プロジェクトに対する投資を行ってきております。しかし、メディア広告に対する需要が低迷した場合や競争が激化した場合等には、研究開発や事業化に要した投資に応じた収益や予定した成果をあげられない可能性があります。
また、インターネット広告の領域においては、当社グループはクロスメディア型キャンペーン提案(複数のメディアや広告表現を消費者の行動に合わせて効果的に掛け合わせたキャンペーン提案)の積極化はもちろんのこと、運用型広告(膨大なデータを処理するプラットフォームにより、広告の最適化を自動的もしくは即時的に支援する広告手法)等多様な広告手法や広告主の裾野の広がりに対応すべく、大手専門エージェンシーとのアライアンスや、その他専門会社や技術への積極的な投資を行っています。しかしながら、インターネット広告分野の技術やサービスの急速な進化に対し、当社グループの対応が適切でなかった場合は予定した成果があげられない可能性があります。
広告主にとってプロモーション施策の重要性が高まっており、市場も拡大しています。当社グループはこの機会を捉え、店頭マーケティング専門会社、チラシ制作専門会社、ダイレクトビジネス専門会社、顧客アクセス専門会社などを設立し、プロモーション領域における事業拡大を図っています。しかしながら、広告主の需要が拡大しない場合、あるいは当社グループが競合会社に対する競争力を維持できない場合には、計画どおりの事業拡大ができない可能性があります。
当社グループでは、映画、テレビ番組、スポーツイベントおよび音楽等に関する権利の獲得、制作への投資を活発に行っており、映画やその他のコンテンツの製作・配給・販売、ライセンシングおよびスポンサーシップ権や放送権の販売、ならびに映画、その他のコンテンツに関する広告の販売から収入を得ています。しかし、これらの中には、事業計画が多年度にわたる場合、または多額の取得コストや財務的コミットメントを必要とする場合があります。また、昨今ではコンテンツを供給するメディアも多様化しております。しかも、コンテンツ事業の成否を左右する生活者の反応を確実に予測することは、困難であります。これら事業が計画どおりに進捗しない場合、また、予定した投資効果が得られなかった場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、2013年3月26日に、約3,164百万ポンドの対価により、イージス社の買収を完了しました。欧州市場でリーディングポジションを有し、他の海外市場でも強固なポジションを有するイージス社の買収は、海外市場での成長を目指す当社グループの戦略の不可欠な一部ですが、同社との事業の統合を通じて、この投資を回収できるという保証はありません。特に、イージス社の買収により期待した効果およびシナジーが得られるか否は、とりわけ以下の事由に左右されます。
・ イージス社とのインフラ・マネジメント・情報システムの統合に関する課題
・ 当社グループの経営陣が統合に注力することによる他の経営目標達成への悪影響
・ 社内基準、管理、手続、会計その他のポリシーや事業環境および報酬体系等の統合に関する課題
・ イージス社の主要な顧客の流出
・ イージス社の主要な人材の流出
・ 欧州、米国および新興国市場におけるイージス社のネットワークを活用した当社グループの
シェア拡大の失敗
当社グループは、成長戦略の一部として、引き続きグローバルに選択的な事業買収を目指してまいりますが、これらの買収から期待した効果が得られない場合、減損を認識する必要が生じ、投資を回収できなくなる可能性があり、これにより当社グループの財政状態または業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
イージス社の買収により、当社グループは、現在海外120カ国以上において事業を行っておりますが、海外での事業遂行に関しては、とりわけ以下の追加的なリスクを伴います。
・ 多数かつ広範な国・地域での事業を管理し、調整することの困難さ
・ グローバル経済の変動から受ける影響
・ 資本規制・外国為替規制を含む、外国の法令、規制、政策等に関するリスク
・ 当社グループが事業を行う様々な国・地域における税制の差異・矛盾
・ 当社グループの海外子会社による送金その他の支払いに課される源泉徴収税等の賦課・増税を
含む税制の変更
・ 外国為替相場の変動
・ 契約や知的財産権の執行不可能性または労務管理上の制約を含む、法律・規制・ビジネス文化に
おける様々な基準・実務慣行
・ 貿易規制および関税制度の変更
・ 政情不安に関するリスクおよび事業環境の不確実性
・ 当社グループが事業を行う国・地域と日本との間の政治・経済的関係の変化
・ テロ行為、戦争、疫病その他の社会不安要因
・ 現地の労務管理および提携先の不適切行為を防止することの困難さ
上記のいずれかの事由により、当社グループの費用が増加し、収益が減少し、または業務に支障を来し、これにより当社グループの事業、財政状態または業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、イージス社の買収に伴い、多額ののれんおよびその他無形資産を計上しました。今後当該資産の価値が回復不能な程度に損なわれたと判断された場合には、減損を認識しなければならない可能性があり、当社グループの事業、財政状態または業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの成長力および競争力は、優秀な人材の確保とその育成に大きく依存します。人材の確保に関しては、新卒者の安定的採用や専門的知識・経験を持ち即戦力となる中途採用により確保を図っております。それとともに、本人の職務や能力に応じた教育研修等により、人材の育成を図っています。しかしながら、何らかの理由により人材の確保が困難になる可能性および優秀な人材が流出する可能性もあります。このような事態が生じた場合、当社グループの成長力と競争力に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、文化的・地理的に多様な背景を有する多数の従業員を有し、かかる人材の管理に関する課題に対処しています。特に、イージス社の買収によって新たに加わった多数の海外従業員との融合が課題となります。当社グループが有能な人材を確保し、十分に活用できず、これらの課題に適切に対処できない場合、当社グループの財政状態、業績または競争上の地位に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、取引の執行、業績の報告および広告主のマーケティングまたは広告に関する情報の管理を含む当社グループの事業の管理のために、情報システムおよび情報インフラに依存しています。当社グループの情報システムは、システム障害やネットワークの寸断、システムへの不法な侵入および無差別攻撃に晒される可能性があります。同様に、従業員またはその他の者による許可を受けたうえでのまたは無許可の当社グループのシステムへのアクセスを通じたデータセキュリティの事故および侵害により、機密情報が無権限者または公衆に晒される可能性があります。また、当社グループは、データの保存、通信または処理について第三者を利用しています。当社グループはデータおよび情報システムを保護するために周到な対策を講じていますが、当社グループの取組みが当社グループまたは当社グループが利用する第三者のシステムにおけるシステム障害もしくはネットワークの寸断またはセキュリティ侵害を防止するという保証はなく、これらの事象が生じた場合には当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、下請代金支払遅延等防止法、個人情報保護法等の法令および諸規制の適用を受けておりますが、いずれも現状では当社グループの事業に悪影響を及ぼす懸念はありません。しかしながら、今後、新たに広告主の広告活動、広告の形式および内容等に影響を及ぼす法令や、各種規制が採用もしくは強化された場合、または法令および各種規制の解釈が変化した場合には、広告業界および当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは事業遂行上、広告主の情報や個人情報等を取得することがあります。当社グループでは情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格を取得するなど、情報管理には万全を期しておりますが、万一情報漏えい等の事故が発生した場合には、当社グループの信頼性を著しく損なう可能性があり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、広告の内容および表現等当社グループの事業遂行に関連して提起される、取引先、各種団体、消費者または各種知的財産権の保有者等による訴訟に、直接または間接的に関与する可能性があります。
該当事項はありません。
当連結会計年度における研究開発費の金額は、国内事業における情報サービス業の9億38百万円です。
国内事業である㈱電通国際情報サービスを中心とする情報サービス業では、同社グループの中期経営計画の基本方針の一つである「競争優位分野への集中」を推進するため、各種技術研究に加え、独自ソリューションの開発・強化を実施しました。主な研究開発活動の概要は以下のとおりです。
金融ソリューションの研究開発活動の金額は55百万円です。
主な活動内容は、「BANK・R」中国版の開発です。
エンタープライズソリューションの研究開発活動の金額は2億85百万円です。
主な活動内容は、製品や生産設備の故障を、高度なデータ解析技術を駆使して予測し、生産・保全計画を改善する知的保全ソリューションの研究、ならびに革新的なものづくり手法MBD(モデルベース開発)の実現を支援するソリューションの強化・拡充に関する研究です。
コミュニケーションITの研究開発活動の金額は1億52百万円です。
主な活動内容は、当社グループにおける協業ビジネスの基盤となるマーケティングプラットフォーム「iPLAss」の開発です。
上記に属さない研究開発活動の金額は4億44百万円です。
主な活動内容は、オープンイノベーション研究所によるスポーツ中心の街づくりに関する研究や、技術統括本部が推進する各種開発技術の研究です。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
当社の連結財務諸表は、国際会計基準審議会により公表されたIFRSに基づき作成されております。
また、当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値および偶発債務等オフバランス取引の開示、報告期間における財政状態および経営成績について影響を与える見積りを行わなければなりません。経営陣は、例えば、投資、退職金、法人税等、偶発事象や訴訟等に関する見通しや判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行い、その結果は、資産・負債の簿価、収益・費用の報告数字についての根拠となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
当社は、特に以下の重要な会計方針について、当社グループの財政状態および経営成績に特に影響を与える、あるいは、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りにより、大きな影響を受けると考えております。
当社グループの収益の内訳は、主に各種メディアへの広告出稿によって得られる手数料、およびクリエーティブ・サービスを含む広告制作や各種コンテンツサービス等サービスの提供に対する広告主等からの報酬であります。
広告制作やその他の広告サービスによる収益は、当社グループがこれらサービスに対する報酬として広告主およびその他のクライアントから受領する対価から原価を控除した純額、あるいは定額または一定の報酬対価により計上しております。
手数料による収益については、メディアに広告出稿がなされた時点で収益に計上し、その他の収益については、サービスの提供が完了し、対価の測定が合理的に可能となり、経済的便益が流入する可能性が高くなった時点で計上しております。
なお、広告業以外の事業に係る取引は収益および原価を総額表示しております。
連結損益計算書に開示している売上高は当社グループが顧客に対して行った請求額および顧客に対する請求可能額の総額(割引および消費税等の関連する税金を除く)であり、IFRSに準拠した開示ではありません。
当社グループは決算日において、棚卸資産および繰延税金資産を除く非金融資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額に基づき減損テストを実施しております。のれんおよび耐用年数の確定できない無形資産は償却を行わず、減損の兆候の有無にかかわらず年に一度、または減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。資産の回収可能価額は資産または資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としており、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、当該資産は回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。使用価値の算定に際しては、資産の耐用年数や将来キャッシュ・フロー、成長率、割引率等について一定の仮定を用いております。
これらの仮定は過去の実績や当社経営陣により承認された事業計画等に基づく最善の見積りと判断により決定しておりますが、事業戦略の変更や市場環境の変化等により影響を受ける可能性があり、仮定の変更が必要となった場合、認識される減損損失の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは有価証券やデリバティブ等の金融資産を保有しており、当該金融資産の評価に当たり一定の仮定を用いております。公正価値は、市場価格の他、マーケット・アプローチ等の算出手順に基づき決定しております。具体的には、株式およびその他の金融資産のうち活発な市場が存在する銘柄の公正価値は市場価格に基づいて算定し、活発な市場が存在しない銘柄の公正価値は観察可能な市場データを用いて算定した金額若しくは観察不能なインプットを用いて主としてマーケット・アプローチで算定した金額で評価しております。
当社経営陣は金融商品の公正価値の評価は合理的であると判断しておりますが、予測不能な前提条件の変化等により見積りの変更が必要となった場合、認識される公正価値の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
確定給付制度債務および退職給付費用は、年金数値計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、死亡率等が含まれます。
当社経営陣はこれらの前提条件は合理的であると判断しておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、認識される費用および計上される債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、過去の事象の結果として現在の法的または推定的債務を有しており、債務の決済を要求される可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に引当金を認識しております。貨幣の時間価値の影響が重要である場合、引当金は当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。
これらの引当金は、決算日における不確実性を考慮した最善の見積りにより算定しておりますが、予測不能な事象の発生や状況の変化等により影響を受ける可能性があり、実際の結果が見積りと異なる場合、計上される債務の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除および将来減算一時差異のうち、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は毎決算日に見直し、税務便益の実現が見込めないと判断される部分について減額しております。
当社グループは、将来の課税所得および慎重かつ実現性の高い継続的なタックス・プランニングの検討に基づき繰延税金資産を計上しており、回収可能性の評価に当たり行っている見積りは合理的であると判断しておりますが、見積りは予測不能な事象の発生や状況の変化等により影響を受ける可能性があり、実際の結果が見積りと異なる場合、認識される費用および計上される資産に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 電通イージス・ネットワーク社およびその管轄会社の報告期間
当社グループの海外広告事業の運営主体である電通イージス・ネットワーク社およびその管轄会社(以下、電通イージス・ネットワーク)の決算日は12月31日であり、2014年1月1日から2014年12月31日までを当連結会計年度に連結しております。
そのため、電通イージス・ネットワークの決算期と当社決算期との間には3ヶ月の期間差がありますが、報告期間の不一致が当社グループの連結財政状態および経営成績に与える影響は限定的であります。なお、当該期間差における重要な取引または事象については必要な調整を行い、財務諸表利用者が当社グループの連結財政状態および経営成績を適切に理解・把握するための適切な処置を行っております。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (5) 電通イージス・ネットワーク社およびその管轄会社の報告期間」をご参照ください。
なお、2015年度から当社および決算日が12月31日以外の子会社の決算日を12月31日に変更いたします。当該決算日の変更に伴い、報告期間の差異は解消いたしますが、2015年12月期は、当社および国内事業に属する主な子会社は2015年4月1日から2015年12月31日までの9ヶ月決算、海外事業に属する子会社は2015年1月1日から2015年12月31日までの12ヶ月決算となります。
当連結会計年度における当社グループの収益は、7,286億円(前連結会計年度比10.4%増)、売上総利益6,769億円(同10.1%増)となりました。
売上総利益のうち、国内事業は、3,339億円(同1.7%増)となりました。消費税率引き上げの影響があったものの、2014FIFAワールドカップ ブラジル大会や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のスポンサーシップ・セールスなどの貢献もあり、前期を上回ることができました。
海外事業の売上総利益は3,432億円(同19.6%増)となりました。また、海外事業の売上総利益のオーガニック成長率は、新規クライアントの貢献もあり、前期比10.3%増と二桁の伸びを記録しました。地域別に見ても、EMEA(同9.7%増)、Americas(同7.9%増)、APAC(同14.4%増)と、いずれも前期を上回りました。
当連結会計年度における当社グループの販売費及び一般管理費は、5,720億円(前連結会計年度比11.9%増)となりました。主に海外事業での人件費、営業費の増加によるものです。
また、その他の収益は391億円(同243.8%増)、その他の費用は116億円(同56.0%増)となりました。その他の収益、その他の費用の主な増加要因は当連結会計年度に行った固定資産の売却にかかわるものです。
これらの結果、当連結会計年度における営業利益は1,323億円(同23.3%増)となりました。
当連結会計年度の持分法投資利益は71億円(前連結会計年度比51.3%増)、金融収益から金融費用を減じた金融損益は△51億円となり、この結果、税引前利益は1,342億円(同21.2%増)となりました。
以上に、法人所得税費用を加減した当期利益のうち、親会社の所有者に帰属する当期利益は798億円(同20.1%増)となりました。
当社グループの収益は、主にマス四媒体やインタラクティブメディア、OOHメディアなどの広告に係るサービスおよびそれに関連するクリエーティブ・サービスによるものであり、広告枠の販売に係るメディア会社からのコミッションが大半を占めます。特にマス四媒体の広告枠の販売に係るコミッションが当社グループにとって重要な収益となっています。
マス四媒体の広告に関連して、収益に影響を及ぼす主な要因は次のとおりです。
ア 広告費(景況全般、技術革新、規制緩和および競争激化等、産業に影響を与える情勢により変動)
イ 広告業界における当社グループの競争力
ウ 広告枠に対してメディア会社に支払う料金
エ 広告主の媒体ニーズの変化
近年、インターネットの普及が進み、すでに家庭内のメディア接触時間では、インターネットがテレビに次ぐメディアとなっています。こうしたメディア環境の変化に伴い、広告主においても、マス四媒体とインターネットやモバイルなどのインタラクティブ・メディアを組み合わせた効果的かつ効率的なメディア・プランニングの提供、広告効果の検証など、ニーズの高度化が進んでいます。当社グループでは、こうしたクライアント・ニーズに的確に応えるため、付加価値の高いクロスメディア・キャンペーンの提供に努めています。
最近の傾向として、このような幅広い領域にわたる一貫したサービス、コスト効率や広告効果の検証ツール等に対するニーズの高まりから、広告主が大手広告会社との取引を増やす傾向にあると思われます。
当社グループでは、プロモーションなどのサービスを、マス四媒体の広告と関連して提供することも多く、例えば、プロモーションの場合、クライアントは消費者による商品およびサービスの購入を促進するため、マス四媒体の広告キャンペーンをPOP(ポイント・オブ・パーチェス)および販促イベント、その他の方法と組み合わせて展開するのが一般的です。これらのサービスに対する需要はマス四媒体の広告への需要とは別に変動することもありますが、マス四媒体の広告の需要に影響を与える要因は同時にマス四媒体の広告以外のサービスの需要にも影響を与えます。
当社グループはまた、エンタテインメントおよびスポーツマーケティングに係るサービスからも収益を得ています。具体的には、映画、スポーツ・イベント、音楽等のメディア・コンテンツについて、制作、マーケティング、協賛社獲得、スポンサーシップ・放映権・その他諸権利の販売・仲介を行っています。これらのサービスによる収益の内訳は、メディア・コンテンツに関する諸権利の純売買益または取扱手数料、メディア・コンテンツに含まれる諸権利および使用権からの収益、そして諸サービスに対する報酬です。収益は、イベントの開催場所や開催時期、当社グループが諸権利を得る条件、メディア・コンテンツに対する消費者の需要や関心度、広告主および放送局等の当該諸権利に対する需要の度合いなどの要因によって異なります。
さらに、当社グループは、CRM(顧客管理サービス)、e-マーケティングサービスおよびシステム構築サービスなどのソリューション事業の提供による収益も得ています。このサービスによる収益は、広告サービスによる収益に影響を与える要因のほか、システム開発にかける設備投資額の市場トレンドにも影響されます。
収益に影響を与える要因は、国ごとの景況、特定産業の発展、広告業界における当社グループ各社のポジション、サービスに対する報酬に関する市場慣習、広告主のメディアごとの需要の変化などによって、当社グループが事業展開する国々における収益トレンドが異なる可能性があります。また、当社グループの報告通貨である円と、当社グループが展開する海外諸国の通貨間の為替レートの変動も、海外における広告サービスによる収益に影響を与えます。
「3 対処すべき課題」をご参照下さい。
当連結会計年度末は、前連結会計年度末と比べ、現金及び現金同等物や営業債権及びその他の債権が増加したことから、資産合計で4,736億1百万円の増加となりました。一方、営業債務及びその他の債務や長期借入金が増加したことから、負債合計で2,882億59百万円の増加となりました。また、当期利益の計上等により、資本合計は1,853億41百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、3,653億79百万円(前連結会計年度末2,533億54百万円)となりました。営業活動および財務活動による収入が、投資活動による支出を上回ったため、前連結会計年度末に比べ1,120億25百万円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果により得た資金は、前連結会計年度に比べ204億2百万円増加し、1,123億88百万円の収入となりました。主に税引前利益が増加したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果支出した資金は、前連結会計年度に比べ2,856億37百万円減少し、256億10百万円となりました。主に子会社の取得による支出が減少したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果により得た資金は、前連結会計年度に比べ2,091億45百万円減少し、83億91百万円となりました。主に長期借入による収入が減少したことによるものです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、広告作業実施のための媒体料金および制作費の支払等ならびに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。
また、近年においては既存の広告取引とは異なる事業機会を発掘するため、デジタル領域およびグローバル事業への投資に係る資金需要が生じております。
当社グループは、運転資金につきましては、内部資金、コマーシャル・ペーパーまたは短期借入金により調達することとしております。流動資産から流動負債を控除した運転資本については、当社グループでは流動資産が上回っています。前連結会計年度および当連結会計年度における当社グループの運転資本は、それぞれ1,024億円および1,706億の超過となっております。
当社は、資金の短期流動性を確保するため、シンジケーション方式による極度額500億円の銀行融資枠を設定しています。また、電通イージス・ネットワーク社およびその子会社においては、緊急時対応として、500百万ポンド(約890億円)の銀行融資枠を設定しています。さらに、グループ内の資金効率の向上を図るべく、日本においては、資金余剰状態にある国内子会社から当社が資金を借り入れ、資金需要が発生している国内子会社に貸出を行うキャッシュ・マネジメント・システム(以下CMS)を導入しております。電通イージス・ネットワークでは、海外の資金をロンドンに集約させるグローバルCMSを導入しています。
当社は、格付機関である㈱格付投資情報センター(R&I)から長期格付AA-、短期格付a-1+を取得しております。
「3 対処すべき課題」をご参照下さい。