第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針・経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。但し、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針・経営戦略・経営指標等

当社グループの企業ビジョンは、KAYAKU spirit「最良の製品を不断の進歩と良心の結合により社会に提供し続けること」です。中期的な事業ビジョンとして「生命と健康を守り、豊かなくらしを支える最良の製品・技術・サービスを提供し続ける」を掲げ、KAYAKU spirit のもと、すべてのステークホルダーの信頼に応えるため、中期CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)アクションプランを策定しCSR経営に取り組みます。私たちは、中期CSRアクションプランの継続的な取り組みを、当社グループの「価値創造プロセス」と位置づけております。この価値創造プロセスの実践による経営資本の増大を通じて、企業価値の最大化と持続的な成長を図ることにより、事業ビジョンを達成するとともに持続可能な社会・環境に貢献してまいります。

当社グループの経営基本戦略は、「事業ビジョンの達成に向け、自社の得意な要素技術や経営資源を用いてニッチ市場をターゲットにスピーディに戦略を実行すること」であり、重点的に取り組む事業領域として「生命と健康を守り、豊かなくらしを支えるファインケミカル分野」を定めております。当社グループは、コーポレートスローガンとして「世界的すきま発想。」を掲げております。100年の歴史で培った要素技術を進化させながら、安全・環境に配慮し特徴のある製品を提供する「スマート ケミカルズ カンパニー」として社会に必要とされる存在であり続けることを目指しております。効率の良いモノづくりのノウハウや、優秀な人材、堅実な財務力等を複数の事業で共有することが当社グループの価値の源泉となっております。事業間、グループ会社間の融合を促進して一体的に経営することが、当社グループ企業価値の増大につながるものと考えており、中長期の数値目標として定めた、売上高2,000億円、ROE10%の早期達成に向けて挑戦してまいります。

2016年4月からはじまった3ヵ年中期事業計画をTake a New Step 2016 とし、成長のための重点テーマとして、①CSR経営の遂行、②研究開発の強化、③知的付加価値の創造・提供、④グローバル化、⑤経営資源の効率化、⑥社外との協業による事業強化、の6点を定めています。最終年となる2018年度においても引き続き各事業ともこれらの課題に取り組み、事業ビジョンの達成に向け注力してまいります。

  

(2) 経営環境及び対処すべき課題

当連結会計年度(2017年4月1日から2018年3月31日まで)の世界経済は、総じて緩やかな回復基調が続きました。米国では着実な個人消費と設備投資の増加が続き、欧州では輸出の増加等を下支えに回復基調を維持しました。中国では堅調な国内需要を受けて安定した成長が続きました。日本経済は、世界経済の回復を背景に企業収益の改善が持続するとともに雇用・所得環境の改善も持続し、緩やかな回復基調にありました。

機能性材料に関わる化学品産業においては、ビッグデータの活用やIoT時代の到来によって半導体メモリーや電子デバイス向けの材料市場が拡大しています。また印刷産業においては、高速で精細な産業用インクジェットプリンタが開発されデジタル化が進展しつつあり、印刷用の各種色素材料のニーズが高まってきています。更には、世界的な省エネルギー・省資源の流れの中で新たな高強度・軽量化構造材料や高耐熱材料が求められています。

医薬品産業においては、医療費が高騰する中で、ジェネリック医薬品の使用促進施策等により、後発医薬品市場は大きく成長しています。しかしながらジェネリック専業メーカーが規模を拡大し、外資メーカーの参入もあり競争が激化しています。また、高額なバイオ医薬品の後続品であるバイオシミラーが注目されています。

自動車産業においては、日本や米国に加えて、ASEAN等の新興国では伸び悩みがあったものの、欧州は堅
調に推移しました。また、中国では販売台数は大きく伸長しました。

 

Take a New Step 2016 では各事業の事業ビジョンを以下の通り定め、解決すべき課題に注力し成長を目指しております。

 

<機能化学品事業>

本事業の事業ビジョンは、「樹脂・色素・触媒をコア技術に、情報・通信、省エネルギー・省資源分野へ、特徴のある機能化学品材料を提供し、『超スマート社会』の実現に貢献する」ことです。IoT時代の到来と共に、日常生活ではあらゆる場所で情報のやり取りが行われるようになり、その手段としての電子デバイスや通信技術はこれからもさらに進化・拡大していきます。本中期事業計画においては、この成長著しい領域へ向けて、当事業のコア技術を基盤にした特徴のある製品の開発を進めてまいります。

 

<医薬事業>

本事業の事業ビジョンは、「得意技術によるイノベーションの推進、高品質な医薬品の安定供給により、医療の向上と医療費の効率化を通じて社会に貢献する」ことです。本中期事業計画においては、抗がん薬内包高分子ミセルの研究・開発、バイオシミラーの市場におけるポジションの確立とバイオ医薬品の国内製造に向けた事業基盤の整備、ジェネリック医薬品を含め、がん関連領域での製品ラインナップの拡充を3つの重点領域として、市場での優位性の確保に注力することにより社会に貢献してまいります。

 

<セイフティシステムズ事業>

本事業の事業ビジョンは、「火薬安全技術をコアコンピタンスとして、自動車安全部品を中心に、世界中のより多くの人々に安全を提供する」ことです。本中期事業計画においては、エアバッグ用インフレータやシートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ、点火用スクイブ等の新製品の開発に努めてまいります。また、日本・北米・欧州・中国・ASEANの5拠点体制でグローバルビジネスとして事業拡大を図ってまいります。

 

<その他>

アグロ事業の事業ビジョンは、「有効性、安全性、環境適合性に優れた農薬を、使いやすく且つ性能を活かす製剤技術と共に提供する」ことです。本中期事業計画においては、新規殺虫剤を上市予定であり、さらに市場環境や顧客ニーズに適合した農薬を提供し、安定した農業生産に寄与し続けることで事業を拡大してまいります。不動産事業は、顧客との関係を重視しつつ、安定的な収益の獲得を目指します。

 

KAYAKU spiritのもと、全員がベクトルを合わせ主体的に事業活動に取り組むことによって、企業価値の最大化を達成してまいります。また、女性の活躍促進を含めた人材の活用・育成とダイバーシティ&インクルージョンを推進する取り組み、エネルギー低消費型企業を目指した取り組みを進め、社員にとって働きやすく環境にも優れた事業運営を行ってまいります。併せて、コーポレートガバナンス・コードへの対応をはじめ、グループ経営の強化やコンプライアンスの徹底等内部統制の充実に努め、健全で透明性の高い経営を行うことで、企業の経済的責任、社会的責任、環境責任を果たし、すべてのステークホルダーの信頼に応えるCSR経営に取り組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループは、事業を運営していく限り伴う様々なリスクの発生防止、分散等によりリスクの軽減を図るよう努めております。

当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与えうるリスクには、以下のようなものがあります。但し、これらは当連結会計年度末現在において当社グループが判断したもので、予想を超える事態が発生する場合もあり、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

 

(1) 事業環境の変動に係るリスク

①事業全般

当社グループは、経営基本方針のもと様々な事業を営むことにより安定的な事業運営に努め、事業戦略、開発戦略等を定めて事業環境の変化に応じた経営を行っております。しかし、売上・営業利益の構成比率が高い機能化学品事業は、景気変動の影響を受けやすい事業であります。国内外の景気変動及び需要低迷・競合激化等々の事業環境の変動や事業構成の変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

②機能化学品事業

機能化学品事業は、中心分野である情報・通信領域の技術革新のサイクルが速く、製品のライフサイクルが短くなる傾向にあります。新技術・新製品の開発の遅れにより顧客ニーズを満足させる新製品をタイムリーに提供できないことや、他社による画期的な技術革新により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
 また、原料調達においては、中国原料メーカーの供給不安や価格高騰リスクがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

③医薬事業

医薬事業は、国内において、医療費抑制策の一環として薬価の引下げなどの薬価制度の改革と後発品の使用促進が行われております。そして、海外においても同様の環境にあります。また、原薬受託事業においては顧客の市場の販売動向及び生産量調整などによる影響を受けます。これら政府の医療費抑制策や顧客の市場環境等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 

④セイフティシステムズ事業

セイフティシステムズ事業では、自動車安全部品を販売しており、当社グループが製品を販売している国または地域における景気変動や経済政策の変更等による自動車需要の変動、また天災、事故等による自動車の生産に必要なサプライチェーンへの障害等により自動車生産台数に大幅な変更が発生すると、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

⑤その他

アグロ事業は、気象等の変動による作物の育成状況や病害虫の発生状況に大きな影響を受けます。また、食品の安全や環境への影響に関する公的規制等が強化されております。気象状況や公的規制等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(2) 金利に係るリスク

当社グループは、事業運営に必要な資金調達の手段・金額等を、財務状況及び金融環境を考慮して判断しております。将来、金利が上昇した場合に金利コストが増加したり、資金調達にも支障がでることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(3) 為替レート変動に係るリスク

当社グループは、海外での事業や輸出に関連した取引において、為替レートの急激な変動に対して外貨建の売買取引額のバランスを取る等によりリスクを最小限にすべく努めておりますが、為替差損が発生することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

また、在外連結子会社の財務諸表項目は、連結財務諸表作成のために円換算されているため為替レートの変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

(4) 退職給付に係るリスク

当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、数理計算された退職給付債務と年金資産の見込に基づき計上されております。退職金・年金制度の変更、数理計算での割引率等の変更、年金資産の時価の変動、運用環境の変動等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(5) たな卸資産在庫の評価に係るリスク

当社グループは、棚卸資産の評価に関する会計基準を適用しておりますが、たな卸資産の正味売却可能価額が帳簿価額を下回った場合には評価減が発生することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(6) 固定資産の減損に係るリスク

当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しておりますが、今後大幅な事業収益性の悪化や不動産価格の下落等があった場合には減損損失が発生することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(7) 有価証券の評価に係るリスク

当社グループは、主に取引先との関係維持のために株式を保有しておりますが、株式相場の大幅な下落、または株式保有先の財政状態の悪化により株式の評価が著しく下落した場合には株式の評価損が発生することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(8) 法令等の変更に係るリスク

当社グループは、事業を営む各国の法令等に従って、事業活動を行っております。将来における法令・規制、政策等の変更による当社グループの事業活動の制限やコストの増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(9) 海外事業展開に係るリスク

当社グループは、海外での事業活動の比率を拡大していく方向にありますが、各国での予期しない法令・規制や政策等の変更、テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(10) 訴訟に係るリスク

当社グループは、様々な事業活動を行っているなかで、訴訟、係争、その他の法律的手続きの対象となる可能性があります。重要な訴訟等が提起されることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(11) 知的財産権の侵害に係るリスク

当社グループは、特許等知的財産を厳重に管理しておりますが、第三者からの侵害を完全には防止できない可能性があるほか、当社グループの製品・技術の一部が、他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。これら知的財産権の侵害により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(12) 研究開発に係るリスク

当社グループは、研究開発を事業成長の原動力と捉え積極的な研究開発活動を行っております。医薬・アグロ事業においては、その有効性や安全性を確認するために研究開発期間が長期間にわたるため、一つの新製品開発には多額の費用を要します。従って、開発後期において開発を断念することになった場合には、多額な研究開発費用を回収できないこととなります。また、機能化学品事業やセイフティシステムズ事業においては、技術革新及び顧客ニーズの変化が極めて速く、新製品をタイムリーに開発・提供できない可能性があります。

 

このように研究開発活動が成果に結びつかないことにより、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(13) 原材料の調達に係るリスク

当社グループは、原材料の複数調達先の確保等で安定的な原材料の調達を行うよう努めておりますが、調達先からの原材料の供給停止などで生産活動に支障をきたす可能性があり、また原材料価格が高騰して大幅なコスト増となることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(14) 製品の品質に係るリスク

当社グループは、製造・販売する製品について品質保証体制を整備し、高い品質水準の確保に努めてまいります。しかしながら、すべての製品について欠陥が無く、問題が発生しないという保証はなく、大規模なリコールや、製造物責任が発生する可能性があります。製造物責任賠償に関しては、保険に入る等で万一に備えておりますが、賠償額を充分にカバーできる保証はありません。また、医薬・アグロ事業においては、これまで未知であった有害事象等が上市後明らかになることなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(15) 事故・災害に係るリスク

当社グループは、製造設備・物流で発生する事故、自然災害等による損害を防止するため、法令及び社内で定めた基準に従い定期的な点検、安全装置・消火設備の充実、各種安全活動・安全審査・環境安全診断を行う等の安全保持対策を実施すると共に、BCP(事業継続計画)を策定し有事に際してより適切な復旧活動に努めますが、事故・災害による影響を完全に防止・軽減できる保証はありません。事故等により、工場及びその周辺に物的・人的被害を及ぼした場合や顧客の生産に支障をきたし補償を請求された場合、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与えたり、また災害等で、得意先等がサプライチェーンの混乱等を起こし、得意先等への納入が出来ないことにより、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(16) 電力供給不安に係るリスク

日本国内は原発の稼働が制限され火力発電への依存度が高まっているため、電力炭酸ガス係数が大きくなっており、企業活動が更に活発化してエネルギー消費量が増加した場合、エネルギー由来炭酸ガス排出量が増加する恐れがあります。将来、地球温暖化ガス排出量について規制化された場合に、炭酸ガス排出権購入などの費用が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

また、電力会社の再生可能エネルギー発電電力の買い取りが増長し、再生可能エネルギー促進賦課金が増加することによる電気料金の増加の恐れがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(17) 土壌汚染に係るリスク

当社グループは、土壌汚染の防止のために、法令及び社内で定めた基準に従い、有害物質保管設備の定期的な点検、安全装置、各種安全活動(安全審査、環境安全診断)等を行うなど、漏洩防止に努めておりますが、事故・災害による影響を完全に防止・軽減できる保証はありません。また、現時点で、所有している土地全てについて調査を完了していませんので、自然由来によるものや当社が合併等により承継した企業の事業活動による汚染など、当社グループの事業活動以前に土中に有害物質が混入していたものが、後日、確認される可能性も否定できません。土壌汚染が確認された場合、当社グループの評価に重大な影響を与えたり、更に土壌汚染対策を実施した場合、多大なコストが発生することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

(18) 情報システムに係るリスク

当社グループは、基幹システムの機器を社外のデータセンターにハウジングして、システムの安全・安定運用の確保に努めております。また、ネットワークに関しても重要な拠点については回線の冗長化を図っておりますが、予期せぬ障害や大規模な災害によりシステムが停止する可能性は否定できません。システムが停止した場合、調達や生産、製品の出荷などの指示が不能または遅延し、得意先等への納入が出来ないことにより、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(19) 情報セキュリティに係るリスク

当社グループは、事業活動において取得する、財務情報、技術情報、個人情報等を、電子情報などの形式で蓄積・利用しております。これらの情報を管理するシステム、ネットワークについては、その都度必要な安全対策を施し、事業活動に従事する従業者に対しても、情報セキュリティ教育を行い、適切な情報の取り扱いを指導しております。しかしながら、ハッカーやコンピューターウィルスによる第三者からの攻撃、情報を管理するシステム及びネットワークにアクセスできる従業者等による不正使用・誤用等によって、情報の漏洩、業務の中断、法的な請求、訴訟、賠償責任等が発生する可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されていますが、その作成には経営者による会計方針の選択・適用と、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りにあたっては過去の実績等を勘案し合理的な判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性によりこれらの見積りと異なる場合があります。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当社グループは、前連結会計年度よりスタートさせました中期事業計画 Take a New Step 2016 の2年目にあたり、引き続き重点テーマと中長期重点課題に取り組み、研究開発の強化、重点事業への経営資源の最適配分、海外事業の拡大に加え、収益体質の強化を目指し、一層のコストダウンを推進しました。

 

この結果、当連結会計年度の連結売上高は、医薬事業が前連結会計年度を下回ったものの、機能化学品事業とセイフティシステムズ事業が前連結会計年度を上回ったことにより1,678億8千8百万円となり、前連結会計年度に比べ87億7千万円(5.5%)増加しました。当社の業績と比べると、当連結会計年度の連結売上高は当社の1.64倍となりました。

売上総利益は、機能化学品事業の需要の拡大による売上高の増加と販売品目構成の変化等により654億7百万円となり、前連結会計年度に比べ15億4千7百万円(2.4%)増加しました。

販売費及び一般管理費は、研究開発費の減少等により428億円となり、前連結会計年度に比べ14億1千2百万円(3.2%)減少しました。

連結営業利益は、セイフティシステムズ事業が前連結会計年度を下回ったものの、機能化学品事業、医薬事業が前連結会計年度を上回ったことにより226億6百万円となり、前連結会計年度に比べ29億6千万円(15.1%)増加しました。営業利益率は、前連結会計年度に比べ1.2ポイント上昇し、13.5%となりました。

営業外損益は、前連結会計年度に比べ4億3千6百万円減少し、1億3千5百万円の損失となりました。主な営業外費用の増加は環境対策引当金繰入額4億1千5百万円であります。連結経常利益は、224億7千1百万円と前連結会計年度に比べ25億2千4百万円(12.7%)増加しました。

特別利益は、前連結会計年度に比べ31億5千7百万円減少し、2百万円となりました。 主な減少は投資有価証券売却益24億9千9百万円であります。特別損失は、前連結会計年度に比べ2億8千8百万円減少し、4億2千1百万円となりました。 主な減少は固定資産処分損2億5千7百万円であります。税金等調整前当期純利益は、220億5千2百万円と前連結会計年度と比べ3億4千4百万円(1.5%)減少しました。

法人税等は、前連結会計年度に比べ1億6千5百万円減少し、58億5千4百万円となりました。法人税等の負担率は、前連結会計年度の26.88%から26.55%に減少しました。

非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1千6百万円減少し、7億2千5百万円となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は154億7千2百万円となり、前連結会計年度と比べ1億6千2百万円(1.0%)減少しました。 当社の業績と比べると、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は当社の1.22倍となりました。

 

なお、経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

  ①機能化学品事業

売上高は676億6千4百万円となり、前連結会計年度に比べ36億3千4百万円(5.7%)増加しました。

機能性材料事業は、半導体封止材用エポキシ樹脂が国内・海外向けともに前連結会計年度を上回り、機能性材料事業全体でも前連結会計年度を上回りました。

色素材料事業は、インクジェットプリンタ用色素が産業用途で伸長したことにより前連結会計年度を上回り、色素材料事業全体でも前連結会計年度を上回りました。

触媒事業は、海外向けが好調に推移し前連結会計年度を上回りました。

ポラテクノグループは、染料系偏光フィルム及びX線分析装置向け部材の販売が好調に推移し前連結会計年度を上回りました。

セグメント利益は、需要の拡大による各事業の売上高の増加等により86億1千万円となり、前連結会計年度に比べ18億2千4百万円(26.9%)増加しました。

②医薬事業

売上高は474億8千5百万円となり、前連結会計年度に比べ1億6千3百万円(0.3%)減少しました。

国内向け製剤は、バイオシミラーの「インフリキシマブBS点滴静注用」(抗体薬)、「フィルグラスチムBS注」(がん化学療法支持療法薬)が伸長しました。国内向け製剤全体では、ジェネリック医薬品への切り替えによる影響で、長期収載品が前連結会計年度を下回ったものの、「オキサリプラチン点滴静注液」(抗がん薬)、「テモゾロミド錠」(抗がん薬)等の新製品が寄与し、前連結会計年度を上回りました。

輸出は、エトポシド類(抗がん薬)が前連結会計年度を上回ったものの、ブレオ類(抗がん薬)、高薬理活性原薬が前連結会計年度を下回り、輸出全体では前連結会計年度を下回りました。

国内向け原薬及び診断薬は、前連結会計年度を下回りました。

セグメント利益は、販売費及び一般管理費の減少等により64億1百万円となり、前連結会計年度に比べ15億8千7百万円(33.0%)増加しました。

③セイフティシステムズ事業

売上高は439億3千7百万円となり、前連結会計年度に比べ51億5千5百万円(13.3%)増加しました。

国内事業は、エアバッグ用インフレータ、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータとも前連結会計年度を上回りました。

海外事業は、北米市場が伸び悩んだものの、欧州・中国市場が堅調だったことに加え、新興国における自動車安全部品への需要の拡大等により、エアバッグ用インフレータ、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ及びスクイブは前連結会計年度を上回りました。

セグメント利益は、労務費及び減価償却費の増加等により69億2千1百万円となり、前連結会計年度に比べ3億4千4百万円(4.7%)減少しました。

④その他

売上高は88億円となり、前連結会計年度に比べ1億4千3百万円(1.7%)増加しました。

アグロ事業は、輸出が前連結会計年度を下回ったものの、国内が前連結会計年度を上回り、アグロ事業全体では前連結会計年度を上回りました。

不動産事業他は、前連結会計年度を下回りました。

セグメント利益は、アグロ事業の主要原材料価格の高騰等により11億7千5百万円となり、前連結会計年度に比べ4億3百万円(25.6%)減少しました。

 

   (生産、受注及び販売の状況)

 a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

機能化学品事業

52,086

110.2

医薬事業

34,545

97.4

セイフティシステムズ事業

44,756

103.6

その他

4,864

95.9

合計

136,252

104.0

 

(注)1 生産金額は販売価格をもって算出しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2 上記の金額に消費税等は含まれておりません。

 

 

  b. 受注状況

当社グループ(当社及び連結子会社)では、受注生産によらず見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

機能化学品事業

67,664

105.7

医薬事業

47,485

99.7

セイフティシステムズ事業

43,937

113.3

その他

8,800

101.7

合計

167,888

105.5

 

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額に消費税等は含まれておりません。

 

   (中期事業計画の進捗)

  3ヵ年中期事業計画 Take a New Step 2016 の進捗状況は次のとおりであります。

1年目である前連結会計年度の連結売上高は、機能化学品事業の既存主力品の販売が低迷したことに加え、医薬事業の薬価改定の影響等もあり、計画を達成するには至りませんでした。2年目である当連結会計年度の連結売上高は、医薬事業は計画を下回ったものの、機能化学品事業及びセイフティシステムズ事業は、既存市場の回復や新興国向けの市場拡大等により、計画を上回りました。全体では、計画に対して6億円(0.4%)下回ったものの、前連結会計年度に比べ87億7千万円(5.5%)増加し過去最高となりました。

当連結会計年度の連結営業利益は、各事業とも低採算性品目の整理やコストダウン等に取り組み、計画に対して6億円(2.8%)上回りました。1年目、2年目ともに計画を上回る進捗となっております。

 (単位:億円)   

 

前連結会計年度(1年目)

当連結会計年度(2年目)

 

計画

実績

計画

実績

計画比

計画比(%)

連結売上高

1,685

1,591

1,685

1,679

△6

99.6

連結営業利益

180

196

220

226

6

102.8

 

 

(2) 財政状態

総資産は2,875億6千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ147億7千4百万円増加しました。主な増加は受取手形及び売掛金67億6千1百万円、有形固定資産29億9千8百万円、投資有価証券24億4千3百万円、退職給付に係る資産15億9千2百万円、たな卸資産12億円、のれん11億1千9百万円、有価証券9億4千9百万円であり、主な減少は現金及び預金21億8千5百万円であります。

負債は669億6千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ3千7百万円増加しました。主な増加は支払手形及び買掛金24億5千4百万円、繰延税金負債12億7千4百万円であり、主な減少は環境対策引当金15億4千万円、未払金10億8千8百万円、未払法人税等10億7千5百万円であります。

純資産は2,206億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ147億3千6百万円増加しました。主な増加は親会社株主に帰属する当期純利益154億7千2百万円、為替換算調整勘定28億1千5百万円、退職給付に係る調整累計額15億2千2百万円、非支配株主持分4億8千3百万円であり、主な減少は配当金の支払56億2千7百万円であります。

 

 セグメントの財政状態は次のとおりであります。

 

  ①機能化学品事業

セグメント資産は、売掛金の増加により955億6千7百万円となり、前連結会計年度に比べ64億8百万円増加しました。

  ②医薬事業

セグメント資産は、棚卸資産等の減少があったものの、売掛金の増加により601億3千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ4千8百万円増加しました。

  ③セイフティシステムズ事業

セグメント資産は、有形固定資産及び棚卸資産の増加により620億9千万円となり、前連結会計年度末に比べ116億3百万円増加しました。

  ④その他

セグメント資産は、現金及び預金の減少により206億2千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億6百万円減少しました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、201億2千1百万円の収入(前連結会計年度は313億9千万円の収入)となりました。これは主に売上債権の増加額が66億9千7百万円、法人税等の支払額が59億7百万円、環境対策引当金の減少額が15億4千万円あったものの、税金等調整前当期純利益が220億5千2百万円、減価償却費が116億5千6百万円あったことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、161億7千1百万円の支出(前連結会計年度は119億1千3百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が122億3百万円、投資有価証券の取得による支出が22億8千9百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が14億7千3百万円あったことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、62億4千1百万円の支出(前連結会計年度は141億3百万円の支出)となりました。これは主に長期借入れによる収入が50億円あったものの、配当金の支払額が56億1千4百万円、長期借入金の返済による支出が53億8千万円、建設協力金の返済による支出が7億4千8百万円あったことによるものです。

以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ12億5千2百万円減少し、505億3千2百万円となりました。

 

   (資本の財源および資金の流動性)

当社グループは、事業活動に必要な資金を確保するため、安定的な営業キャッシュ・フローの創出と幅広い資金調達手段の確保に努めております。必要な資金については、主に手元資金と営業活動からのキャッシュ・フローに加え、借入により調達しています。大型投資案件等の大規模な支出が必要な際には、当社グループの経営動向や財政状態及び市場環境等を考慮しながら、最適かつ最も効率的な方法により、資金調達を実施致します。

なお、今後1年間における資本的支出の内容は、主に設備の新設、改修に係る投資であり、その予定額は220億円であります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 技術導入契約

(契約会社名:日本化薬株式会社(当社))

契約品名

契約年月日

契約先

契約内容

パクリタキセル含有高分子ミセル抗がん剤

2002年6月12日

ナノキャリア㈱
(日本)

パクリタキセル含有高分子ミセル抗がん剤に関する特許実施権、ノウハウ実施権の導入。

(対価)マイルストーンと製品正味販売高につき一定期間一定料率のロイヤリティを支払う。

(契約期間)2002年3月31日から実施期間中。

黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)拮抗抗がん剤

2006年7月26日

エテルナゼンタリス社
(ドイツ)

黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)拮抗抗がん剤に関する特許実施権、ノウハウ実施権の導入。

(対価)マイルストーンと製品正味販売高につき一定期間一定料率のロイヤリティを支払う。

(契約期間)2006年7月26日から許諾特許の有効期間満了日又は許諾製品の発売後一定年数経過日の遅い日まで。

 

 
(2) 技術導出契約

(契約会社名:日本化薬株式会社(当社))

契約品名

契約年月日

契約先

契約内容

インフレータ、マイクロガスジェネレータ、ガス発生剤及びスクイブ

2012年11月14日

インデット セイフティ システムズ社
(チェコ)

インフレータ、マイクロガスジェネレータ、ガス発生剤及びスクイブに関するチェコでの製造及び全世界での販売に関する権利の許諾及び技術供与。

(対価)一時金と売上高につき一定期間一定料率のロイヤリティを支払う。

(契約期間)2013年1月1日から2022年12月31日まで。

インフレータ、マイクロガスジェネレータ、ガス発生剤及びスクイブ

2012年11月19日

カヤク セイフティシステムズ  デ メキシコ社
(メキシコ)

インフレータ、マイクロガスジェネレータ、ガス発生剤及びスクイブに関するメキシコでの製造及び全世界での販売に関する権利の許諾及び技術供与。

(対価)一時金と売上高につき一定期間一定料率のロイヤリティを支払う。

(契約期間)2013年1月1日から2022年12月31日まで。

インフレータ、マイクロガスジェネレータ、ガス発生剤、スクイブ及びエンハンサ

2013年6月21日

カヤク セイフティシステムズ マレーシア社
(マレーシア)

インフレータ、マイクロガスジェネレータ、ガス発生剤、スクイブ及びエンハンサに関するマレーシアでの製造及び全世界での販売に関する権利の許諾及び技術供与。

(対価)一時金と売上高につき一定期間一定料率のロイヤリティを支払う。

(契約期間)2013年6月21日から2018年12月31日まで。

インフレータ、マイクロガスジェネレータ及びガス発生剤

2017年11月15日

化薬(湖州)安全器材有限公司(中国)

インフレータ、マイクロガスジェネレータ及びガス発生剤に使用される製品に関する中国での製造及び全世界での販売に関する権利の許諾及び技術供与。

(対価)売上高につき一定期間一定料率のロイヤリティを支払う。

(契約期間)2017年11月15日から製造及び販売を全て中止するまで。

感熱関連製品、染料・染料助剤、インクジェットインク関連製品

2016年11月11日
2016年12月1日

上海化耀国際貿易有限公司
(中国)

感熱関連製品、染料・染料助剤、インクジェットインク関連製品に関する中国での製造及び全世界での販売に関する権利の許諾及び技術供与。

(対価)売上高につき一定期間一定料率のロイヤリティを支払う。

(契約期間)2016年12月1日から2026年11月30日まで。

 

(注) インデット セイフティ システムズ社は、2018年6月1日付でカヤク セイフティシステムズ ヨーロッパ社へ

   商号変更しております。

 

 

 

(3) 企業結合等に関する契約

連結子会社である株式会社ポラテクノは、2017年12月26日付けでレイスペック Ltd.の全株式を取得する契約を締結し、同日付けで株式を取得いたしました。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。

 
(4) その他の契約

(契約会社名:日本化薬株式会社(当社))

契約品名

契約年月日

契約先

契約内容

血管塞栓用ビーズ(医療機器)

2009年4月16日

バイオスフィア メディカル社
(米国)

血管塞栓用ビーズ2品目について日本における独占的開発、流通販売権の取得。

(対価)一時金の支払とマイルストーン。

(契約期間)2009年4月16日から一定年数経過日まで。

膀胱がん治療剤

2009年11月6日

スペクトラム社
(米国)

膀胱がん治療に関する日本及びアジア地域での開発権、製造権、販売権の取得。但し、韓国、北朝鮮での販売権は除く。

(対価)契約締結一時金、開発の進捗及び販売額に応じたマイルストーンと、製品正味販売高につき契約期間一定料率のロイヤリティを支払う。

(契約期間)2009年11月6日から、1)特許期間、2)優先販売期間、3)上市後10年間のいずれか長い方まで。

乳がん治療剤

2012年6月19日

オリオン社
(フィンランド)

乳がん治療剤に関する特許実施権、ノウハウ実施権、商標使用権の許諾に基づく日本における独占的流通販売権の取得。

(対価)一時金の支払。

(契約期間)2012年6月30日から2018年6月29日まで。

抗体医薬品

2016年12月28日

カルティベクス社

抗体医薬品について、製造工程の研究開発に係る業務の委託。

(対価)一時金の支払とマイルストーン。

(契約期間)2016年10月26日から2018年8月31日まで。

 

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、研究開発を事業成長の原動力と捉え積極的な研究開発活動を行っております。創立100周年を越えてこれまで培ってきた要素技術や基盤技術をさらに深化させ、新しい技術開発を加えて、生命と健康を守り、豊かな暮らしを支える新製品・新事業を創出し続けることで、社会に貢献し続けてまいります。

当連結会計年度における研究開発費は120億円であります。

当連結会計年度におけるセグメントごとの活動状況及び研究開発費は次のとおりであります。

 

(機能化学品事業)

機能化学品事業では、コア技術を活かして独自の素材開発とその複合化に注力しています。高耐熱性や難燃性を有する環境対応型エポキシ樹脂・マレイミド樹脂、基板向けの現像性・絶縁性を有するモノマー・オリゴマーなどの特徴ある素材を開発し、情報・通信分野、省エネルギー・省資源分野向けに展開しています。さらにこれら素材を複合化してディスプレイ分野や電子デバイス分野向けの各種機能性材料を開発しています。また、歴史ある染料技術に基づき、インクジェットプリンタ用色素や特殊な機能性色素材料の開発にも注力しています。加えてアクリル酸・メタクリル酸などの基礎化学品製造用の高性能触媒の開発を引き続き推進し、逐次市場へ投入しております。また新規市場向けに、光制御技術を活かして特定波長の光を反射・吸収する独自技術を応用し、車載用ディスプレイ分野やアイウェア分野へ提供できる高機能な特殊フィルムの開発にも精力的に取り組んでおります。

当事業に係る研究開発費は53億円であります。

 

(医薬事業)

医薬事業では、ナノテクノロジー技術による抗がん薬内包高分子ミセルが臨床試験段階にあり、研究開発を進めております。さらに、非常に高額なバイオ医薬品の後続品であるバイオシミラーの研究開発を推進し、すでに2製品を上市し、1製品の製造販売承認を取得しております。バイオ医薬品の製造拠点として三菱ガス化学株式会社と合弁で設立した株式会社カルティベクスでは2018年2月に抗体生産工場を竣工し、自社製造を目指した取り組みを進めております。また、抗がん薬のジェネリック医薬品の開発に取り組んでおります。原薬事業では、ジェネリック医薬品原薬製造、高薬理活性原薬などの受託製造、研究開発を通じた原薬事業の拡大を目指しております。診断薬事業では、がん領域及び糖尿病診断薬を中心とした事業に取り組んでおります。

当事業に係る研究開発費は37億円であります。

 

(セイフティシステムズ事業)

セイフティシステムズ事業では、当社の火薬技術を活かしたディスク型インフレータ(運転席、助手席エアバッグ用)、シリンダ型インフレータ(サイド、カーテン、シートクッション、ニーエアバッグ用)、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ、歩行者保護ボンネット跳ね上げ駆動装置用マイクロガスジェネレータの開発を推進しております。2018年度より、次世代ディスク型インフレータ及び次世代シリンダ型インフレータの量産を開始いたします。

当事業に係る研究開発費は14億円であります。

 

(その他)

アグロ事業では、安全で使いやすい農薬を提供するため、工夫製剤の開発、現製品の適用拡大を継続的に実施しております。また、2018年3月に農薬登録を取得した野菜や果樹用の新規殺虫剤の普及拡大に努めてまいります。

また、新製品・新事業の創出を目指した研究開発のうち、全社的な経営資源を戦略的に配分して、社内外の技術・知的財産などを融合することにより、当社グループの特長を活かしたコーポレート研究も進めており、将来の当社グループへの業績や社会に貢献し続けてまいります。

アグロ事業及びその他の研究開発費は14億円であります。