文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「共存同栄」「有限の鉱業から無限の工業へ」を経営理念とし、グループ社員が価値観を共有しグループの進むべき方向を対外的にも明確にするため、グループビジョン「技術の翼と革新の心。世界にはばたく私たちのDNAです。フロンティアスピリットを胸に無限の技術で世界と共生するUBEグループは、モノづくりを通して次代の価値を創造し続けます。」を掲げております。
100年を超える歴史を持つ当社は、発祥の地・宇部で始めた石炭採掘事業以来、時代と産業構造の変化に対応し、常に新たな技術に挑戦し、自己変革を行ってきました。しかしその中で一貫して変わらなかったもの、それをこのグループビジョンでは「技術」と「革新」というキーワードで表わしています。
当社グループは、環境・社会・コーポレートガバナンスに関する情報開示(ESG情報)の充実に努めるとともに、経営理念で謳われた起業家精神=フロンティアスピリットを胸に、株主を始め顧客、取引先、従業員や地域社会等のすべてのステークホルダー、さらには地球環境との共生を図り、これらに貢献する価値創造企業であり続けます。
(2)経営戦略等
当社グループでは、10年後のありたい姿「顧客に価値を創出し続ける企業」の実現に向けた3ヵ年の行動計画と位置付ける中期経営計画「Change & Challenge 2018」において、下記の基本方針を掲げております。
①持続的成長を可能にする経営基盤の強化
◆各事業セグメントにおいて利益率を強く意識し、徹底したコストダウンにより既存商品の収益力向上を図る。
◆連結キャッシュ・フロー重視の経営方針のもと、成長のための設備投資・投融資を実施するとともに、投資案件の成果を確実に刈り取る。
◆海外拠点の拡充や国内外グループ会社の連携深化により、グローバルな事業環境の変化へのスピーディな対応力を高める。
◆化学セグメントの復活と更なる成長に向けて、当計画期間中に化学セグメントの業績を営業利益200億円レベルまで回復させ、次の成長ステージの出発点への到達を目指す。
②資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献
◆持続可能な社会の実現に向け、経済性に配慮しサプライチェーン全体でエネルギー使用量削減・廃棄物利用拡大による温室効果ガス削減や、環境負荷低減などに貢献する技術・製品の創出・拡大を推進する。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、当連結会計年度を2年目とする中期経営計画「Change & Challenge 2018」において、下記の数値目標を掲げています。
<主要項目>
|
|
2018年度目標 |
|
営業利益 |
500億円 |
|
経常利益 |
490億円 |
<経営指標>
|
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2018年度目標 |
|
売上高営業利益率(ROS) |
6.5%以上 |
|
自己資本当期純利益率(ROE) |
9.0%以上 |
(4)経営環境
当連結会計年度における世界経済は、米国では個人消費や設備投資などの増加により景気の拡大が継続し、欧州では緩やかな回復基調になるなど、総じて堅調に推移しました。国内経済は、企業収益や雇用情勢の改善などにより緩やかな回復基調が続きました。
今後の見通しについては、世界経済は引き続き緩やかな回復が続くものと見込まれますが、米国や欧州における政策の不確実性や、中国での構造改革による経済減速などが懸念されます。国内経済については、雇用・所得環境の改善が続くなかで緩やかな回復が続くと見込まれますが、世界経済の不確実性や、金融資本市場の変動の影響を受ける可能性があります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
(品質検査上の不適切行為について)
当社は、低密度ポリエチレン製品における品質検査上の不適切行為の判明を受けて、平成30年2月21日付で当社と利害関係のない弁護士及び社外取締役で構成される調査委員会を設置し、不適切行為の原因究明と再発防止策の妥当性検証等を進めてきました。この間調査委員会では、対象範囲をグループ会社にも拡大して調査を進めるとともに、当社は、調査委員会の調査に全面的に協力してまいりました。
平成30年6月5日、当社は、調査委員会より調査報告書を受領いたしました。調査報告書におきましては、低密度ポリエチレン製品及び石灰石骨材を含む16事案(のべ24製品)において品質に関する不適切行為が指摘されています。これらの事案につきましては、関連するお客様に対して、製品の品質や安全性に問題がないことを順次説明しており、製品の品質や安全性に関して問題があるとのご指摘は受けておりません。
当社は、平成30年6月6日開催の取締役会において以下の内容を骨子とする再発防止策を決議いたしました。当社は、この再発防止策を調査委員会に提示し、調査委員会からは、再発防止措置に係る委員会提言に即したものとして最終的に決定され、これが実施されることを強く望むとの見解を得ています。
今後は、この再発防止策を着実に実行し、当社グループにおけるガバナンスの向上と品質管理体制の強化を図るとともに、関係各位の信頼回復に努めてまいります。
再発防止策
Ⅰ.取締役会は品質に関わるガバナンスを強化する
Ⅱ.経営陣は、品質重視の姿勢を明確にし、意識改革に率先して取り組む
1)グループ経営方針の策定
2)継続的なトップメッセージの発信
3)役員に対する社外専門家による教育
Ⅲ.当社グループ構成員全員の「品質に対する意識」「お客様目線での判断」を植え付け、風土改革を図る
1)グループ経営方針の周知と「私達の行動指針」の改定、教育
2)コンプライアンス意識の向上
3)品質啓発活動
4)品質教育体系の整備と実施
5)品質保証を担う人材の計画的な育成
Ⅳ.当社グループの品質保証に関する統制と関連部署間の連携強化を図る(組織再編を含めた施策)
1)グループ品質統括責任者(役員)の配置及び品質統括部の新設
2)グループ品質委員会の新設
3)カンパニー等の組織体制の見直し
4)カンパニー等における目標管理の有効性の向上
5)品質に関わる監査の強化
6)品質に関わる通報・連絡体制の整備
7)グループ会社の統制
Ⅴ.品質に関する基盤の強化
1)人の関与を排した品質システムへの移行の促進
2)品質に関わる経営資源の確実な投入
(中期経営計画について)
当計画では、前述の基本方針のもと、徹底したコストダウンや国内外グループ会社の連携深化により、顧客に提供する価値の増大とともに各事業セグメントの収益力向上を推進しております。中でも事業環境が厳しさを増す建設資材セグメントでの対策を強化するとともに、業績回復に一定の目途がついた化学セグメントでは、この収益性をより強固なものとすることに加え、今後の新たな拡大・成長策の策定と実行に取り組んでまいります。
さらに、当社グループは、公正な企業活動や社会的責任を果たすための活動を推進し、経営理念である「共存同栄」の精神のもと、社会との共生を目指し、株主や資本市場をはじめ、顧客、取引先、従業員、地域社会等、すべてのステークホルダーからの信認を深めてまいります。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を下記のとおり記載いたします。
これらの事項は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性がありますが、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避・分散及び発生した場合の対応、リスクの移転、危機管理対策等に最大限努力する方針です。
下記事項には、将来に関するものが含まれますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、また、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
(1)原燃料の市況動向
化学事業における国際市況や原油・ナフサ価格の動向等の影響による主原料価格の上昇や、セメント製造用及び自家発電用として海外から購入している石炭の調達価格の高止まりの影響を製品価格にタイムリーに転嫁できない可能性があります。
(2)化学事業の収益
経済の変調等により需要が大幅に減少した場合、また他社の生産能力増強により供給が大幅に増加した場合には、製品の需給環境が悪化し、市況の低迷やスプレッド(製品と原料の値差)の大幅な縮小等が生じる可能性があります。
また、情報技術やデジタル家電関連分野等の世代交代の早い市場向けに供給している製品は、顧客の要求にタイムリーに応ずることができず販売が減少し、また情報技術関連製品特有の激しい市場変動の中で需要が減少する可能性があります。
(3)医薬事業の収益
医薬事業は、原薬や中間体を製薬会社から受託し製造する受託事業と自社単独または製薬会社との共同により新規医薬品の研究開発を行う創薬事業を内容としていますが、医薬品特有の、新薬の承認不可、承認の取り消し、特許切れによる後発品の上市などの影響を受ける可能性があります。
(4)セメントの国内需要
建設資材事業の主要製品であるセメントの国内需要は、当面の間、東京オリンピック・パラリンピック等の需要増があるものの、公共投資や民間設備投資等が急激なスピードで減少した場合、セメント販売量が減少し、収益の下押し要因となります。このため、当社グループでは輸出による操業度維持、セメント製造工程での資源リサイクル廃棄物(有償での受入)処理拡大、諸費用削減等の対応策を実施していますが、一定期間需要が減少を続けた場合は、影響を受ける可能性があります。
(5)機械事業の収益
機械事業では、成長の続く新興国を中心としたグローバル市場での収益拡大に取り組んでおりますが、競争激化による販売価格の低下や、また原材料・工事価格が高騰する可能性があります。
(6)金融市場の動向
為替や金利の変動については、為替予約や金利スワップ等のヘッジ取引により、一定限度までにリスクを低減していますが、予測を超えた金融市場の変動の影響を受ける可能性があります。
また、当社グループ海外会社は現地通貨で財務諸表を作成しているため、換算時の為替レートにより円換算額が影響を受けます。
(7)海外での事業活動
海外では、予期しない法律や規制の変更、経済的なリスク、社会的又は政治的リスクにより、事業活動に支障が生じる可能性があります。
(8)知的財産・製造物責任(PL)
知的財産を違法に侵害された場合、あるいは、第三者の知的財産権を侵害したとして係争が生じた場合、また、当社グループの製品の欠陥に起因して製品回収や損害賠償が生じた場合には、事業活動に支障が生じる可能性があります。
(9)産業事故および災害等
危険物や高圧ガスを取り扱う工場において、大きな産業事故あるいは災害による生産設備の大きな損壊等が発生した場合には、産業事故災害への対策費用、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償、更に社会的信用が失墜する等の可能性があります。
また、当社グループが供給を受けている主要な原材料等のサプライヤーにおける事故・災害等により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。
(10)公的規制
各国、地域の法令・規則等の変更、強化や新たな規制の適用が生じた場合には、当社グループの業務活動の制限、規則遵守のためのコスト増大、規制に従う会計・税務上の対応などが必要になる可能性があります。
(11)石綿
当社グループでは、過去に石綿含有製品の製造・販売を行っており、また工場施設に石綿含有建材等を使用しています。工場施設の石綿を除去するために全面的又は部分的交換に順次着手しており、交換が完了するまでの期間に亘って一定額の支出が予想されます。また、従業員(退職者を含む)や工場周辺住民の健康被害に関連して、労災認定者の大幅な増加、訴の提起、法規制の更なる強化等の可能性があります。
(12)訴訟
当社グループでは法令遵守に努めていますが、広範な事業活動のなかで訴を提起される可能性もあります。なお、現在係争中の主な訴訟事件は次のとおりです。これらの訴訟の最終的な結果やその時期については、現時点で予測することができません。
平成20年5月以降、建設作業等従事者及びその遺族らが国及びウベボード㈱(当社連結子会社)を含む建材メーカー40社余に対して、建設現場で使用されていた石綿含有建材の石綿粉じんを吸引して石綿関連疾患に罹患したとして、連帯して損害を賠償するように求めて訴えを提起しております。これまでの判決において、ウベボード㈱に対する請求はいずれも棄却されました。現在、最高裁判所の他、全国の裁判所に11件の訴訟が係属中で、その請求額は最大で合計230億円です。
(13)たな卸資産の収益性の低下による簿価切下げ
原燃料購入価格の上昇、製造固定費の増加、生産量の減少、製品販売価格の下落などが生じた場合には、たな卸資産の簿価を切り下げる可能性があります。
(14)固定資産の減損
保有する固定資産について、事業環境の著しい悪化による収益性の低下や不動産価格の下落が生じた場合には、減損損失が発生する可能性があります。
(15)有価証券
保有する有価証券の多くは上場株式であるため、株式相場の下落により、減損が発生する可能性があります。
(16)退職給付債務
退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される割引率の低下、年金資産の運用利回り悪化等により増加することがあります。
(17)繰延税金資産
繰延税金資産は、将来の課税所得等に関する予測に基づき回収可能性を検討し計上していますが、実際の課税所得が予測と異なる場合には、取崩が必要となる可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、前連結会計年度から3ヵ年の中期経営計画「Change & Challenge 2018」において、「持続的成長を可能にする経営基盤の強化」「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」を基本方針とし、各セグメントの収益力向上を推進するとともに、各事業課題の解決に向け取り組んでおります。
当連結会計年度においては、全般的に原燃料価格が上昇し、特に建設資材セグメントでは石炭市況高止まりの影響を大きく受けました。その一方で、堅調な需給を背景とした化成品の価格是正や機能化学品の拡販に加え、国内アンモニア工場の定期修理がなかったことなどによる化学セグメントの大幅な業績改善が牽引し、当社グループの連結業績は増収増益となりました。なお、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高益となりました。
この結果、当社グループの売上高は前連結会計年度に比べ790億1千1百万円増の6,955億7千4百万円、営業利益は152億9千万円増の502億5千万円、経常利益は173億8千万円増の507億2千8百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は74億9千5百万円増の316億8千万円となりました。
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項 目 |
売 上 高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属 する当期純利益 |
|
当連結会計年度 |
695,574百万円 |
50,250百万円 |
50,728百万円 |
31,680百万円 |
|
前連結会計年度 |
616,563百万円 |
34,960百万円 |
33,348百万円 |
24,185百万円 |
|
増 減 率 |
12.8% |
43.7% |
52.1% |
31.0% |
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
化学
ナイロン樹脂は、原料価格の上昇に応じた価格是正が進み、食品包装フィルム用途を中心に出荷も堅調に推移しました。ナイロン原料のカプロラクタムは、中国における環境規制等を背景として需給が堅調に推移し、市況回復が進展しました。工業薬品は、アンモニア工場の定期修理がなく、需要も堅調に推移したことから生産・出荷が増加しました。ポリブタジエン(合成ゴム)は、原料ブタジエン価格の上昇に応じた価格是正が進み、出荷も国内のタイヤ用途を中心に概ね堅調でした。
リチウムイオン電池材料は、競争が激化する中で、車載向けを中心とした需要拡大を背景に増販が進みました。ファインケミカル製品の出荷は総じて堅調に推移し、ポリイミドフィルムの出荷も回路基板用途向けを中心に増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ470億6千8百万円増の3,054億3千2百万円、営業利益は193億1千7百万円増の289億7千4百万円となりました。
|
項 目 |
売 上 高 |
営業利益 |
|
当連結会計年度 |
305,432百万円 |
28,974百万円 |
|
前連結会計年度 |
258,364百万円 |
9,657百万円 |
|
増 減 率 |
18.2% |
200.0% |
医薬
自社医薬品・受託医薬品ともに出荷は前連結会計年度並みに推移しましたが、自社医薬品の特許期間満了に伴いロイヤリティ収入が減少しました。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ7億6千2百万円減の102億1千3百万円、営業利益は3億8千9百万円減の21億7百万円となりました。
|
項 目 |
売 上 高 |
営業利益 |
|
当連結会計年度 |
10,213百万円 |
2,107百万円 |
|
前連結会計年度 |
10,975百万円 |
2,496百万円 |
|
増 減 率 |
△6.9% |
△15.6% |
建設資材
生コン製品の出荷は好調に推移しましたが、セメントの国内需要は前連結会計年度並みにとどまり、石炭価格上昇の影響も受けました。カルシア・マグネシア製品や建材製品は、全般的に堅調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ116億1千8百万円増の2,388億5千4百万円、営業利益は39億2千4百万円減の123億4千万円となりました。
|
項 目 |
売 上 高 |
営業利益 |
|
当連結会計年度 |
238,854百万円 |
12,340百万円 |
|
前連結会計年度 |
227,236百万円 |
16,264百万円 |
|
増 減 率 |
5.1% |
△24.1% |
機械
自動車産業向けを中心とする成形機も、運搬機等の産業機械も、ともに出荷は堅調でした。また、前連結会計年度に加わった射出成形機の連結子会社も業容拡大に寄与しました。各製品のサービス事業や製鋼事業は、堅調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ184億7千2百万円増の901億4千万円、営業利益は18億4千万円増の55億1千1百万円となりました。
|
項 目 |
売 上 高 |
営業利益 |
|
当連結会計年度 |
90,140百万円 |
5,511百万円 |
|
前連結会計年度 |
71,668百万円 |
3,671百万円 |
|
増 減 率 |
25.8% |
50.1% |
エネルギー・環境
石炭事業では、販売数量およびコールセンター(石炭中継基地)での預り炭の取扱量がともに増加しました。電力事業では、IPP発電所において隔年の定期修理を実施しました。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ115億7千9百万円増の713億6千1百万円、営業利益は5億5百万円減の23億5千万円となりました。
|
項 目 |
売 上 高 |
営業利益 |
|
当連結会計年度 |
71,361百万円 |
2,350百万円 |
|
前連結会計年度 |
59,782百万円 |
2,855百万円 |
|
増 減 率 |
19.4% |
△17.7% |
その他
その他の売上高は前連結会計年度に比べ77億2千3百万円減の47億9千7百万円、営業利益は1億1千8百万円増の8億7千2百万円となりました。
|
項 目 |
売 上 高 |
営業利益 |
|
当連結会計年度 |
4,797百万円 |
872百万円 |
|
前連結会計年度 |
12,520百万円 |
754百万円 |
|
増 減 率 |
△61.7% |
15.6% |
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益450億円、非資金項目である減価償却費353億5千3百万円、法人税等の支払額92億4千2百万円などにより、733億8千6百万円のキャッシュ・インとなりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは有形及び無形固定資産の取得による支出337億6千9百万円などにより、339億7千8百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは有利子負債の増減による支出155億7千万円、配当金の支払額66億5千5百万円、自己株式の取得による支出50億4千2百万円などにより、285億5千9百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ127億2千3百万円増加し485億2千9百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
化学 |
302,463 |
12.2 |
|
医薬 |
4,505 |
△15.3 |
|
建設資材 |
103,828 |
△1.6 |
|
機械 |
82,245 |
19.0 |
|
エネルギー・環境 |
12,527 |
15.8 |
|
合計 |
505,568 |
9.9 |
(注)1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における機械の受注実績を示すと、次のとおりです。
なお、機械を除くセグメントの製品については、受注生産は行っておりません。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
機械 |
88,582 |
55.8 |
75,182 |
28.1 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
化学 |
305,432 |
18.2 |
|
医薬 |
10,213 |
△6.9 |
|
建設資材 |
238,854 |
5.1 |
|
機械 |
90,140 |
25.8 |
|
エネルギー・環境 |
71,361 |
19.4 |
|
その他 |
4,797 |
△61.7 |
|
消去 |
△25,223 |
- |
|
合計 |
695,574 |
12.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告年度における収益・費用の数値に影響を与える将来に関する見積り及び仮定が必要であり、過去の実績やその他の様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高
売上高は前連結会計年度に比べ、790億1千1百万円(12.8%)増加し、6,955億7千4百万円となりました。この要因は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
売上原価
売上原価は前連結会計年度に比べ、594億5千8百万円(11.9%)増加し、5,601億円となりました。これは、主に化学セグメントにおける機能化学品販売数量増、建設資材セグメントにおける石炭価格上昇による影響、エネルギー・環境セグメントにおける販売炭・預り炭数量増によるものです。
販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ、42億6千3百万円(5.3%)増加し、852億2千4百万円となりました。これは、主に販売運賃諸掛の増加などによるものです。
営業利益
営業利益は前連結会計年度に比べ、152億9千万円(43.7%)増加し、502億5千万円となりました。これは、化学セグメントにおける化成品の価格是正や機能化学品の拡販に加え、国内アンモニア工場の定期修理がなかったことなどによるものです。
売上高営業利益率は、前連結会計年度に比べ、1.5ポイント上回り、7.2%となりました。
営業外損益
営業外損益は前連結会計年度に比べ、20億9千万円改善し、4億7千8百万円の利益となりました。これは、前連結会計年度に比べ、持分法による投資利益が15億9千1百万円増加、受取配当金が3億4千6百万円増加したことなどによるものです。
経常利益
経常利益は前連結会計年度に比べ、173億8千万円(52.1%)増加し、507億2千8百万円となりました。
特別損益
特別損益は前連結会計年度に比べ、53億1千3百万円悪化し、57億2千8百万円の損失となりました。これは、前連結会計年度に比べ、減損損失が30億8千1百万円悪化したことなどによるものです。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ、120億6千7百万円(36.6%)増加し450億円となり、法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ74億9千5百万円(31.0%)増加し、316億8千万円となりました。
総資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ、337億5千万円(4.8%)増加し、
7,431億2千9百万円となりました。
流動資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金、商品及び製品などのたな卸資産が増加したことなどにより283億5千9百万円(9.6%)増加し、3,234億円となりました。
固定資産は、有形固定資産が増加したことなどにより53億4千7百万円(1.3%)増加し、
4,195億7千3百万円となりました。
繰延資産は、社債発行費が増加したことにより4千4百万円増加し、1億5千6百万円となりました。
負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ、72億9千万円(1.8%)増加し、
4,062億6千8百万円となりました。
流動負債は、コマーシャル・ペーパーが減少しましたが、支払手形及び買掛金、未払金が増加したことなどにより、72億7千万円(3.0%)増加し、2,530億9千8百万円となりました。
固定負債は、前連結会計年度並みの1,531億7千万円となりました。
純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、264億6千万円(8.5%)増加し、
3,368億6千1百万円となりました。
株主資本は、剰余金の配当により63億6千2百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が316億8千万円増加したことなどにより232億8千6百万円(8.3%)増加し、
3,048億3千3百万円となりました。
その他の包括利益累計額は、為替換算調整勘定が増加したことなどにより54億6千7百万円
(108.2%)増加し、105億1千9百万円となりました。
非支配株主持分は、23億4千2百万円(△10.1%)減少し、208億3千7百万円となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度に比べ、2ポイント増加し42.4%となりました。
資本の財源及び資金の流動性
(財務政策)
当社グループは、財務構造の健全化及び資金の効率的調達・運用を基本方針として財務活動を行っております。資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー、社債等の発行等により行っております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、一部の取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。
(キャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ、199億6千8百万円増の733億8千6百万円となりました。これは前連結会計年度に比べ、税金等調整前当期純利益の増加や、運転資金増減額(売上債権、たな卸資産及び仕入債務の増減合計額)による支出が改善したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、68億5千1百万円減の339億7千8百万円となりました。これは前連結会計年度に比べ、有形及び無形固定資産の取得による支出が減少したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、108億7千3百万円増の285億5千9百万円となりました。これは、有利子負債の増減による支出、自己株式の取得による支出が増加したことなどによるものです。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額等を含め、前連結会計年度末に比べ、127億2千3百万円(35.5%)増の485億2千9百万円となりました。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、中期経営計画「Change & Challenge 2018」の基本方針のもと、最終年度の数値目標を営業利益500億円、経常利益490億円、売上高営業利益率(ROS)6.5%以上、自己資本当期純利益率(ROE)9.0%以上としております。
2018年度を最終年度とする当中期経営計画では「化学セグメントの復活とさらなる成長」を大命題として掲げ、将来の成長に向けた事業構造改革として事業ポートフォリオ経営を推進しています。その中間年度にあたる2017年度は、次の世代を担う「育成分野」の着実な進展や、「積極拡大事業」におけるスペインのナイロン工場と堺工場のセパレーター増設、「基盤事業」における宇部工場のカプロラクタム原料であるシクロヘキサノンの製法転換など、総じて予定通りの成果を上げることができました。
外部環境としては、カプロラクタムの市況好調によるスプレッドの拡大と、前連結会計年度に原料価格が上昇した分のタイムラグで合成ゴムのスプレッドが一時的に大きく拡大したことが、プラス要因として働きました。内部環境としては、「再生・再構築事業」の収益性の立て直しが計画以上に進捗したことも特筆すべき点として挙げられます。これらの結果、化学セグメントの営業利益は、最終年度に200億円という目標を1年前倒しで達成することができました。
数値目標の進捗状況は以下のとおりです。
<主要項目>
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2017年度実績 |
2018年度目標 |
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営業利益 |
502億円 |
500億円 |
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経常利益 |
507億円 |
490億円 |
<経営指標>
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2017年度実績 |
2018年度目標 |
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売上高営業利益率(ROS) |
7.2% |
6.5%以上 |
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自己資本当期純利益率(ROE) |
10.5% |
9.0%以上 |
(1)技術援助契約
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契約会社名 |
相手先 |
契約締結年月日 |
契約内容 |
有効期間 |
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宇部興産株式会社(当社) |
松下電工株式会社(現パナソニック株式会社) |
平成16年4月21日 |
2層フレキシブル銅張積層板製造技術のライセンス契約 |
終期の定めなし |
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エスユーマテリアルス,カンパニー・リミテッド |
平成23年9月23日 |
次世代ディスプレイ基板材料用のポリイミドに関するライセンス契約 |
終期の定めなし |
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アドバンスド・エレクトロライト・テクノロジーズ,エルエルシー |
平成23年12月7日 |
リチウムイオン電池用電解液に関するライセンス契約 |
契約締結から10年間または特許及びノウハウの有効期間満了のいずれか遅い日まで |
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常熟宇菱電池材料有限公司 |
平成30年1月1日 |
リチウムイオン2次電池用電解液に関するライセンス契約 |
終期の定めなし |
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ハイケム株式会社 |
平成24年6月22日 |
DMO(ジメチルオキサレート)及びMEG(モノエチレングリコール)の触媒製造技術に関するライセンス契約 |
実施料支払期間満了まで |
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黔希煤化工投資有限公司 |
平成22年11月10日 |
DMO(ジメチルオキサレート)及びMEG(モノエチレングリコール)の製造技術に関するライセンス契約 |
特許及びノウハウの有効期間満了まで
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錫林郭勒蘇尼特碱業有限公司 |
平成23年3月4日 |
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新疆天業(集団)有限公司(1期) |
平成23年5月31日 |
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内蒙古开滦化工有限公司 |
平成24年4月6日 |
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新疆天業(集団)有限公司(2期) |
平成25年5月7日 |
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内蒙古康乃尔化学工业有限公司 |
平成25年6月28日 |
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陽煤集団寿陽化工有限責任公司 |
平成25年12月11日 |
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中盐安徽红四方股份有限公司 |
平成27年4月24日 |
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新疆生产建设兵团天盈石油化工股份有限公司 |
平成27年5月8日 |
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陕西渭河彬州化工有限公司 |
平成28年4月4日
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利華益利津煤化有限公司 |
平成28年6月17日 |
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新疆天業(集団)有限公司(3期) |
平成29年7月7日 |
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湖北三寧化工股彬有限公司 |
平成29年7月18日 |
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山西沃能化工科技有限公司 |
平成30年2月1日 |
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中盐安徽红四方股份有限公司 |
平成27年4月25日 |
DMC(ジメチルカーボネート)の製造技術に関するライセンス契約 |
契約発効日から20年間 |
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契約会社名 |
相手先 |
契約締結年月日 |
契約内容 |
有効期間 |
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宇部興産株式会社(当社) |
中盐安徽红四方宇部新材料科技有限公司 |
平成29年9月25日 |
高純度DMC(ジメチルカーボネート)の製造技術に関するライセンス契約 |
契約発効日から20年間 |
(2)技術導入契約
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契約会社名 |
相手先 |
契約締結年月日 |
契約内容 |
有効期間 |
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宇部興産株式会社(当社) |
Industrial Copolymers, Ltd.(現Incorez Ltd.) |
平成19年8月20日 |
PUD(水系ポリウレタン・ディスパージョン)に関するライセンス契約 |
終期の定めなし |
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ウベ・アメリカ,インコーポレーテッド |
米国航空宇宙局(NASA) |
平成16年5月18日 |
高耐熱複合材料向けポリイミド樹脂「PETI-330」の製造及び販売に係るライセンス契約 |
最終特許の満了日 |
当社グループの研究開発活動は、既存事業の製造技術の高度化及び周辺や延長分野における事業拡大を図るとともに、新分野における新規事業の創出及び長期的な視野に立った基盤技術の強化を志向しております。
研究開発活動は、当社の研究開発本部並びに、化学生産部門及び各事業部門の開発部門で行っているほか、一部には連結子会社独自で行っているものもあります。当社及び連結子会社における研究開発スタッフは830名にのぼりますが、これは総従業員数の約8%に当たります。
当連結会計年度より、研究・開発・技術・営業の連携をより一層強化し、事業としての意思統一、責任体制の明確化および研究開発のスピードアップを図るために、研究開発本部で行っていた既存事業関連の研究を各事業部のもとに集約し、また、研究開発本部については新規事業創出に向けた研究開発に特化することになりました。
当連結会計年度における研究開発費の総額は132億6百万円であり、セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりです。
なお、当社においては、特定のセグメントに区分できない研究開発活動に要した研究開発費は各セグメントへ配賦しております。
化学
既存事業の強化、高度化を図るため、カプロラクタムやナイロン等の革新的プロセス開発及び独自技術による新規グレードや新製品の開発を行っています。合成ゴム関係ではメタロセン触媒を用いたポリブタジエンの製造技術開発や市場開発、タイヤ用途で省燃費性、耐久性に優れる新規の合成ゴムを開発中です。ナイロン関係では日本、タイ、スペインに設立した研究所を基点にして、グローバルなニーズに応える研究開発を進め、パラダイムシフトに対応した次世代の材料開発を行っています。また、リチウムイオン二次電池及び次世代蓄電池の材料(電解液、セパレータなど)の開発、ポリイミドフィルム及びワニス等関連製品の開発、窒化珪素セラミックスの開発、LEDを含む半導体分野向け有機金属化合物や高純度薬品の開発、新規高機能ガス分離膜の開発、次世代通信機器向け高周波デバイスの開発、航空宇宙材料(熱制御フィルム、チラノ繊維など)の開発、C1ケミカル及び二価フェノール誘導品の開発、環境型コーティング材料(水系ポリウレタンディスパージョン等)の開発等を行っています。主な成果としては、ポリイミド多孔質膜を用いた新規細胞培養技術を確立し、抗体医薬等のバイオ医薬品産生システムを構築したことなどがあげられます。当セグメントに係る研究開発費は76億8千6百万円です。
医薬
製薬会社などとの共同研究開発や独自に進めている創薬研究開発による新規医薬品の創製、受託医薬品原体の製造プロセスの開発などを行なっております。主な成果としては、参天製薬㈱と共同開発した緑内障・高眼圧症治療点眼剤DE-117の国内における製造販売承認の申請を行ったこと、㈱三和化学研究所との共同研究により見出した開発コード「SK-1405」について、難治性のそう痒症の一つである慢性腎不全に伴うそう痒症を対象とした第Ⅱ相試験を開始したことがあげられます。当セグメントに係る研究開発費は26億3千6百万円です。
建設資材
セメント・コンクリートおよび建材関連分野では、セメント工場での廃棄物・副産物の継続的な利用拡大に向けた研究開発、生コンや二次製品会社からのニーズに対応した商品の開発や技術サービス、セルフレベリング材・リニューアル・防水材関連商品の開発、環境資材等の新規事業分野の研究開発、そのほかカルシウムおよびマグネシウムの基礎材料を元とした複合系材料の研究開発などに取り組んでいます。主な成果としては、高強度・高耐久薄塗り補修剤「タフタッチ」、超速硬・速乾性セルフリベリング材「タフレベラーGプラス」を開発し、関東以北限定で販売を開始したことなどがあげられます。当セグメントに係る研究開発費は19億6千2百万円です。
機械
機械分野の研究開発は連結子会社の宇部興産機械㈱及びU-MHIプラテック㈱で行っております。
成形機事業では、自動車部品を製造するためのダイカストプロセスやプラスチック成形プロセスの開発、ならびにこれらのマシン開発を行っており、特に、自動車のEV化や軽量化に対応した技術開発に力を入れています。産機事業では、竪型ミルによるセメントミル技術、エア浮上コンベアーによる乾灰(フライアッシュ)搬送技術の開発を行っております。主な成果としては、中型電動射出成形機のHH(Dual H)シリーズを開発し、販売を開始したことがあげられます。当セグメントに係る研究開発費は5億8千2百万円です。
エネルギー・環境
当社燃料コストと環境コストの持続的低減と、「環境に配慮したエネルギー事業」の実現に貢献することを目指し、低品位燃料の利用拡大、低環境負荷燃料(低CO2負荷燃料)の利用拡大、省エネ・低CO2負荷プロセス構築の3つの視点から、再生可能エネルギーの導入拡大等のエネルギー政策に対応した新規バイオマス燃料の製造及び利用技術の開発などに取り組んでいます。主な成果としては、再生可能エネルギーの一つである木質バイオマスの利用を推進するため、石炭火力発電所において10%以上の比率(熱量比)で混焼可能な木質バイオマス炭化燃料(トレファイドペレット)を開発し、生産能力60,000t/年の実証設備の建設を決定しました。当セグメントに係る研究開発費は3億4千万円です。
全社共通
上記セグメントに属さない研究開発としては、モビリティ、環境・エネルギー、建築・インフラ、ヘルスケア、以上4つの事業ドメインで新規事業を創出すべく研究開発を行いました。