(1) 業績
① 全般の状況
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当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減 |
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売上高 |
3,334億円 |
3,406億円 |
△71億円 |
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営業利益 |
361億円 |
517億円 |
△156億円 |
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経常利益 |
295億円 |
495億円 |
△199億円 |
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当期純利益 |
158億円 |
300億円 |
△141億円 |
◎ 当連結会計年度の売上高は、主力製品の持続型赤血球造血刺激因子製剤「ネスプ」の堅調な推移やArchimedes社の買収に加えて、為替の円安進行などの増収要因がありましたが、4月に実施された薬価基準の引下げの影響や技術収入の減少及び研究開発費の増加により、売上高及び営業利益は減少しました。
◎ 経常利益は、営業利益の減益に加えて持分法投資損失の増加等により、当期純利益は、前連結会計年度に計上した関係会社株式売却益等がなくなった影響もあり、それぞれ減少しました。
◎ 医薬事業を取り巻く環境は、国内での後発医薬品の使用促進策により、長期収載品が想定を超えるスピードで後発医薬品に置き換えられるなど、一層厳しくなっております。新製品上市のハードルがますます高くなるなか、国内においては9月にレオ ファーマ社から導入した尋常性乾癬治療剤「ドボベット」、11月に持続型G-CSF製剤「ジーラスタ」を新発売しました。また、8月にはProStrakan社が、疼痛・がん・クリティカルケア領域に強みのあるArchimedes社を買収しました。当社のグローバル戦略製品である抗CCR4ヒト化抗体KW-0761(日本製品名「ポテリジオ」)では、製品価値の最大化に向けて、アストラゼネカ社(英国)、ファイザー社(米国)、小野薬品工業㈱/ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(米国)と固形がんを対象とした腫瘍免疫療法に関する開発提携契約を締結しました。
◎ バイオケミカル事業では、医薬・医療用途を中心とする主力のアミノ酸・核酸関連物質等が堅調に推移しました。また、ヘルスケア通信販売事業では引き続き「オルニチン」が順調でした。海外売上高比率の高いバイオケミカル事業は円安の影響もあり、営業利益が大幅に増加しました。
② セグメント別の概況
セグメントの業績は、次のとおりであります。
医薬事業
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当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減 |
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売上高 |
2,530億円 |
2,610億円 |
△79億円 |
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営業利益 |
290億円 |
461億円 |
△170億円 |
◎ 国内の医療用医薬品は、4月に実施された薬価基準の引下げの影響等により前連結会計年度を下回りました。
・主力製品の持続型赤血球造血刺激因子製剤「ネスプ」は堅調に推移しました。一方、抗アレルギー剤「アレロック」、抗アレルギー点眼剤「パタノール」は花粉飛散量が少なかったことに加えて、「アレロック」については薬価基準の引下げの影響や後発医薬品の浸透が進んだ影響もあり、売上高が前連結会計年度を下回りました。また、高血圧症・狭心症治療剤「コニール」、好中球減少症治療剤「グラン」、抗てんかん剤「デパケン」など、その他の長期収載品についても売上高は減少しました。
・パーキンソン病治療剤「ノウリアスト」、カルシウム受容体作動薬「レグパラ」、癌疼痛治療剤「アブストラル」、経皮吸収型持続性疼痛治療剤「フェントス」、潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」、2型糖尿病治療剤「オングリザ」等は順調に伸長しました。
・9月にレオ ファーマ社と共同で発売した尋常性乾癬治療剤「ドボベット」は、順調に市場に浸透しました。
・11月に持続型G-CSF製剤「ジーラスタ」を発売しました。
◎ 医薬品の輸出及び技術収入は、輸出が堅調に推移したものの、技術収入の減少により、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
◎ ProStrakan社は、癌疼痛治療剤「Abstral」等の主力製品が順調に伸長しました。なお、8月5日にArchimedes社を買収したため、当連結会計年度の業績には、同社及びその子会社12社の8月5日から12月31日までの業績が含まれております。その結果、ProStrakan社(Archimedes社連結後)の売上高は313億円(前連結会計年度比34.6%増)、営業損失(のれん等償却後)は22百万円(前連結会計年度は2億円の営業利益)となりました。
バイオケミカル事業
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当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減 |
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売上高 |
839億円 |
829億円 |
10億円 |
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営業利益 |
72億円 |
56億円 |
16億円 |
(国内)
◎ 医薬・医療領域の売上高は前連結会計年度を上回りました。
・医薬・医療領域では、医薬品原薬が伸長しました。
◎ ヘルスケア領域の売上高は前連結会計年度並みとなりました。
・ヘルスケア領域では、「オルニチン」をはじめとする通信販売事業が順調に伸長しました。11月には従来よりも高含有量のサプリメント「発酵コエンザイムQ10EX」を発売しました。
・飲料・食品用原料の売上高は、夏場の天候不順で飲料用途が伸び悩んだこともあり、前連結会計年度を下回りました。
(海外)
◎ 海外事業の売上高は為替の円安進行もあり、前連結会計年度を上回りました。
・米国ではサプリメント向けのアミノ酸が伸長したこともあり、売上高は前連結会計年度を上回りました。
・欧州では輸液用アミノ酸が前連結会計年度並みの数量にとどまりましたが、医薬用原料等他の用途の製品が伸長しました。為替の円安進行の影響もあり売上高は前連結会計年度を上回りました。
・アジアでは、中国での輸液用アミノ酸で顧客の薬事規制対応による生産の減少や、前連結会計年度に急増した需要が一服したことにより販売数量が減少しましたが、為替の円安の影響で売上高は前連結会計年度を上回りました。
(2) キャッシュ・フロー
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当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
193億円 |
568億円 |
△375億円 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
168億円 |
△771億円 |
939億円 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△371億円 |
△125億円 |
△246億円 |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
170億円 |
192億円 |
△22億円 |
◎ 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の192億円に比べ22億円減少し、当連結会計年度末には170億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
◎ 営業活動によるキャッシュ・フローは、193億円の収入(前連結会計年度比65.9%減)となりました。主な収入要因は、税金等調整前当期純利益272億円、減価償却費238億円、のれん償却額128億円等であります。一方、主な支出要因は、退職給付信託の設定額190億円、法人税等の支払額168億円、たな卸資産の増加額120億円等であります。
◎ 投資活動によるキャッシュ・フローは、168億円の収入(前連結会計年度は771億円の支出)となりました。主な支出要因は、有形・無形固定資産の取得による支出346億円、Archimedes社買収に伴う子会社株式の取得による支出145億円等であります。一方、主な収入要因は、短期貸付金の純減少額683億円等であります。
◎ 財務活動によるキャッシュ・フローは、371億円の支出(前連結会計年度比195.6%増)となりました。主な支出要因は、Archimedes社買収等に伴う短期借入金の純減少額234億円、配当金の支払額136億円等であります。
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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医薬 |
161,327 |
109.9 |
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バイオケミカル |
66,410 |
100.9 |
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合計 |
227,737 |
107.1 |
注1.金額は販売価格によっております。
2.当社グループ内において原材料等として使用する中間製品については、その取引額が僅少であるため相殺消去等の調整は行っておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
該当事項はありません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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医薬 |
251,882 |
97.0 |
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バイオケミカル |
81,564 |
100.7 |
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合計 |
333,446 |
97.9 |
注1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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アルフレッサ㈱ |
45,352 |
13.3 |
42,663 |
12.8 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、2013-2015年中期経営計画で掲げた、「グローバル・スペシャリティファーマへの挑戦」をテーマに、「カテゴリー戦略による国内競争力の更なる強化」、「グローバル・スペシャリティファーマを目指した欧米/アジアでの事業基盤拡充」、「バイオケミカル事業の収益基盤の強化」の3つの最重要課題の達成に取り組んでいます。
当該計画においては、最終年度(2015年12月期)の経営目標修正ガイダンスを、売上高3,550億円、営業利益550億円としておりましたが、想定していた技術収入の未達や開発品の進捗に伴う研究開発費の増加等で、2015年12月期の目標値については、売上高3,540億円、営業利益415億円としております。
国内外共に新薬創出の成功確率の低下や承認審査の厳格化、医療費抑制策の進展など、医薬品産業を取り巻く環境は、大きく、そして急速に変化しており、一段と厳しい状況が続いております。特に国内においては、後発医薬品の使用促進策により、長期収載品が想定を超えるスピードで後発医薬品に置き換えられています。国内における医薬品市場の伸びが鈍化するなかで後発医薬品のシェアは着実に増加しており、研究開発志向型の製薬企業は、その収益の源泉を、従来の長期収載品依存から新薬へ、国内依存からグローバルへ、転換を進めなければなりません。
このような環境下、当社は「カテゴリー戦略」を推進し、国内競争力の一層の強化を図り、グローバル展開や持続的な成長を支えていきます。腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経の4つのカテゴリーで、研究開発から製造・販売まで一貫した各機能の連携を強化し、豊富なパイプラインからの新薬の着実な上市に加え、高い専門性を活かした効果的な営業体制を構築し、売上の最大化、医療現場での信頼獲得を目指します。
新製品上市のハードルがますます高くなるなか、国内において9月にはレオ ファーマ社から導入した尋常性乾癬治療剤「ドボベット」、11月には持続型G-CSF製剤「ジーラスタ」を新発売しました。また、すでに発売している製品の価値最大化を目指し、1月には、よりきめ細かな腎性貧血治療が可能になることが期待される「ネスプ注射液5μgプラシリンジ」を、5月には、小児や高齢者など錠剤を飲みにくいてんかん患者さんに対しても服用しやすく、服薬アドヒアランス(注1)向上が期待される抗てんかん剤「トピナ細粒10%」を発売しました。当社では、今後とも、カテゴリー戦略を基軸に医療現場のアンメット医療ニーズを適確に把握し、新薬開発や育薬に努めてまいります。
4月1日に研究本部及び開発本部を統合、再編し、研究から開発までを一貫して担当する研究開発本部を設置しました。カテゴリー別の研究開発部門を設置し、カテゴリーの創薬研究、臨床開発、育薬研究に一貫した体制で取り組みます。この組織改革により、研究開発のスピードアップや成功確率の向上、さらには、医療現場のニーズをとらえた新薬の創出、育薬による製品価値最大化が加速されると考えております。
当社が強みのある抗体医薬品では、国内外における臨床開発の進展や提携による価値最大化を着実に進めております。また、当社の保有する知識や技術と外部との融合、いわゆるオープンイノベーションによる創薬の強化には引き続き注力し、アンメット医療ニーズに応えていきます。
海外では、「グローバル・スペシャリティファーマを目指した欧米/アジアでの事業基盤拡充」に取り組んでいます。8月にはProStrakan社を通じて、疼痛・がん・クリティカルケア(注2)領域に強みのあるArchimedes社を買収し、欧州事業をさらに強化しました。ProStrakan社のビジネスモデルである後期開発品や上市品の導入を引き続き積極的に推進するとともに、今後は、当社初の抗体医薬品「ポテリジオ」をはじめとしたグローバル開発品の上市にあわせて、米国における販売体制を構築してまいります。
アジアでは、中国における将来の安定的な成長へ向けた事業基盤の再構築を進めることを最重要の課題と位置付けます。また、韓国、台湾、シンガポール、タイなど経済成長の続く各国・地域の現地法人がそれぞれの国情・情勢に応じた事業戦略を進めています。
富士フイルム㈱との合弁事業であるバイオシミラー事業は、市場環境の変化にも注意を払いつつ、高信頼性・高品質でコスト競争力にも優れた医薬品の世界市場への展開を目指し、鋭意、開発を進めております。
診断薬事業は、協和メデックス㈱を通じて、各種疾患の治療に必要な先進の診断薬/診断機器を提供し、国内事業の強化とともに、中国市場での基盤作りを進めております。診断薬事業は、個別化医療や予防医療が進展していくなかで、今後ますますその重要性が大きくなると考えており、医薬事業とのシナジーを発揮したコンパニオン診断薬の開発などを通じて事業価値最大化を目指します。
バイオケミカル事業は、発酵と合成の両技術を兼ね備えたバイオテクノロジー企業として、医薬・医療・ヘルスケア領域における持続的な成長を目指し、革新的な技術開発を通じた新たな価値創造と収益基盤の強化への取り組みを進めます。
コスト競争力の更なる向上、為替の影響を受けにくい事業構造の構築、世界的なアミノ酸類の需要増に対する生産能力の増強に向けて、山口事業所や第一ファインケミカル㈱、米国のBioKyowa Inc.などのグループ国内外の生産拠点の増強、再編・整備が着実に進展しております。なかでもタイの新生産拠点は2015年後半の商業運転開始に向け、建設が順調に進んでおります。
2015年4月より科学的根拠をもとに健康食品等の機能性を表示できる新たな制度が始まります。国内ヘルスケア事業においては、この新制度に対応すべく、機能性と安全性を備えた素材の開発を推進してまいります。また、キリングループ内の他社とも協力しながら、お客様にとって分かりやすい表示方法を工夫してまいります。「オルニチン」に代表される通信販売においては、今後とも効果的な広告宣伝活動を通じ、製品認知度の向上を図りつつ、安心してお使いいただける独自の素材を提供してまいります。
当社がグローバル・スペシャリティファーマを目指すうえで、コンプライアンスや品質保証など、企業の社会的責任を誠実に全うするための組織・風土の醸成は必要不可欠です。5月に公表しました当社社員による医師主導臨床研究への不適切な関与の問題については、外部専門家で構成された社外調査委員会からの再発防止に関する提言を受け、「臨床研究に関するポリシー」を制定し、寄附金及び臨床研究に関する審査体制の再構築や、臨床研究へのサポートを規律する社内ルールを明確化するとともに、プロモーション活動及び資材に関する社内審査組織の独立性を高めるなど様々な見直しを行いました。今後とも透明性推進を図るとともに、コンプライアンスを徹底してまいります。
当社グループは、研究開発型企業として技術力が高く評価されています。医薬事業においては、日本発の次世代抗体技術とその応用及び産学連携の成功事例として、「新規成人T細胞白血病リンパ腫治療薬モガムリズマブ(高ADCC活性POTELLIGENT技術を応用したヒト化抗CCR4抗体)の研究開発」が、日本薬学会創薬科学賞を受賞しました。また、バイオケミカル事業においても、農芸化学分野における注目すべき技術的業績として「ジペプチド発酵技術の開発と工業化」が、農芸化学技術賞を受賞しました。
当社グループは、「ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。」というグループ経営理念のもと、新薬事業を中核に、バイオシミラー、診断薬、バイオケミカルの各事業を総合したユニークな医薬事業モデルを追求し、「グローバル・スペシャリティファーマへの挑戦」を進めてまいります。
注1.「服薬アドヒアランス」は、医師が処方した薬を患者さんが自発的に用法・用量を守り服用することを指します。
注2.「クリティカルケア」は、重篤な疾患などにより生命の危機に陥っている患者さんに対して行われる集中治療です。
当社グループの経営成績及び財政状態等につき投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、当社グループとしてコントロールが可能なものについては、リスク管理体制のもと発生の回避に努めるとともに、発生した場合には対応に最善の努力を尽くす所存です。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成26年12月31日現在)において当社グループが判断したものです。
(1) 研究開発に関するリスク
一般的に新薬の開発には、長い年月と多額の研究開発費を必要とします。長期間にわたる新薬の開発の過程において、期待どおりの有効性が認められない場合や安全性などの理由により、研究開発の継続を断念しなければならない可能性があります。また、医薬事業以外の事業においても、競合他社との差別化を図る新製品の開発や新技術の開発などに研究開発資源を投入しておりますが、医薬事業における新薬の研究開発と同様に、これらが全て成果として実を結ぶという保証はありません。
以上のように研究開発の成果を享受できない場合には、将来の成長性と収益性を低下させることとなり、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 知的財産権に関するリスク
当社グループは知的財産権を厳しく管理し、第三者からの侵害に注意を払っておりますが、当社グループの知的財産権が侵害された場合、製品の売上高又は技術収入が予定より早く減少することとなり、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは他者の知的財産権を侵害することのないよう常に注意を払っておりますが、第三者から侵害しているとして訴訟を提起された場合、差止め、損害賠償金や和解金の支払い等の発生により、当社グループの事業活動や経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 副作用に関するリスク
医薬品は、開発段階において厳しい安全性の評価を行い各国の所轄官庁の審査を経て承認されますが、市販後の使用成績が蓄積された結果、新たに副作用が見つかることも少なくありません。市販後に予期していなかった副作用が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(4) 薬事行政等の影響に関するリスク
当社グループの主要な事業である医薬事業は、事業を行っている各国の薬事行政によりさまざまな規制を受けています。国内では公定薬価制度による薬価の引下げに加え、ジェネリック医薬品の使用促進など医療制度改革の動向は、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
海外においても、医療費抑制への圧力は高まっており、販売価格の下落を販売数量の伸長等でカバーできない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 各種の法的規制リスク
事業の遂行にあたっては、事業展開する各国において、遵守すべき各種の法令等の規制があります。
当社グループは、事業遂行にあたってこれら法令等に違反しないよう、コンプライアンスを重視し、業務監査等による内部統制機能の充実にも努めておりますが、結果として法令等の規制に適合しない可能性を完全に排除できる保証はありません。これら法令等の規制を遵守できなかったことにより、新製品開発の遅延や中止、製造活動や販売活動ほかの制限、企業グループとしての信頼性の失墜等につながる可能性があり、その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、将来において、国内外におけるこれら遵守すべき法令等の規制が変更となり、それによって発生する事態が、当社グループの事業の遂行や経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 為替レートの変動によるリスク
当社グループは、海外への製品販売・技術導出や海外からの原料購入等の外貨建取引を行っており、急激な為替レートの変動は、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。加えて、為替レートの変動は、当社グループと外国企業が同一市場において販売する製品の価格競争力にも影響を及ぼす場合があります。
また、海外の連結子会社の現地通貨建ての損益及び資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算されるため、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
(7) 災害・事故等の影響を受けるリスク
地震、火災、インフルエンザ等のパンデミック、テロ、大規模停電、その他の災害・事故等により、当社グループの本社、工場、研究所、事業所等が閉鎖または事業活動が停止する可能性があります。また、当社グループはさまざまな法的(ガイドライン)規制を受ける物質を取り扱っており、自然災害など何らかの原因で社外へ漏出した場合には、周辺地域に被害が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、防災管理体制を整備し、事業継続計画(BCP)の策定と整備を進めておりますが、甚大な事故・災害等が発生した場合には、多大な損害の発生のみならず、内容によっては企業グループとしての社会的な信頼性の低下を招く可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) その他のリスク
上記のほか、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクとして、原材料及び燃料価格の変動、株価や金利の変動、固定資産の減損、商品及び使用する原材料の供給停止、情報漏えいのリスクなどが考えられます。
(1) 技術導出契約
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会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
対価 |
|
当社 |
アルコン・リサーチ社 |
アメリカ |
医薬用抗アレルギー剤(点眼用)の製造販売の許諾 |
平成5年7月27日から平成27年12月6日まで |
契約一時金 一定料率のロイヤルティ |
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当社 |
アルコン社 |
スイス |
医薬用抗アレルギー剤(点鼻用)の製造販売の許諾 |
平成12年3月20日から販売開始後15年又は特許有効期限末日までのいずれか長い期間 |
契約一時金 一定料率のロイヤルティ |
|
BioWa, |
メドイミューン社 |
アメリカ |
IL-5R抗体の開発及び製造販売の許諾 |
平成18年12月18日から販売開始後10年又は特許有効期限末日までのいずれか長い期間 |
契約一時金 一定料率のロイヤルティ |
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当社 |
アステラス製薬㈱ |
日本国 |
抗CD40抗体医薬品の共同開発及び製造販売 |
平成19年1月24日から販売終了時まで |
契約一時金 一定料率のロイヤルティ |
注.当社とアムジェン社とのCCR4抗体の開発及び製造販売の許諾契約については、当連結会計年度において解約により終了しております。
(2) 技術導入契約
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会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
対価 |
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当社 |
ヤンセン・ファーマスーティカ社 |
ベルギー |
ドンペリドン製剤の製造販売の許諾 |
昭和53年3月20日から販売終了時まで |
一定料率のロイヤルティ |
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当社 |
キリン・アムジェン社 |
アメリカ 合衆国 |
エリスロポエチンの製造販売の許諾 |
昭和59年6月13日からキリン・アムジェン社の存続期間(無期限) |
一定料率のロイヤルティ |
|
当社 |
キリン・アムジェン社 |
アメリカ 合衆国 |
G-CSFの製造販売の許諾 |
昭和61年7月1日からキリン・アムジェン社の存続期間(無期限) |
一定料率のロイヤルティ |
|
当社 |
フェリング社 |
スイス |
抗利尿活性ポリペプチドの販売の許諾 |
平成2年7月1日から平成34年6月30日まで以降2年毎の自動更新 |
契約製品の購入 |
|
当社 |
ヤンセン・ファーマ㈱ |
日本国 |
抗てんかん剤の製造販売の許諾 |
平成2年8月6日から平成39年9月25日まで |
一定料率のロイヤルティ |
|
当社 |
NPSファーマシューティカルズ社 |
アメリカ 合衆国 |
カルシウム受容体作動薬の開発及び製造販売の許諾 |
平成7年6月30日から特許有効期限末日まで |
一定料率のロイヤルティ |
|
当社 |
キリン・アムジェン社 |
アメリカ 合衆国 |
持続型赤血球造血刺激因子の製造販売の許諾 |
平成8年3月1日からキリン・アムジェン社の存続期間(無期限) |
一定料率のロイヤルティ |
|
当社 |
ゼリア新薬工業㈱ |
日本国 |
炎症性腸疾患治療剤の共同開発及び共同販売 |
平成19年1月29日から平成31年12月10日まで |
契約一時金 契約製品の購入 |
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当社 |
レ・ラボラトワール・セルヴィエ社 |
フランス共和国 |
ACE阻害剤の製造販売の許諾 |
平成19年5月11日から平成30年3月31日まで |
一定料率のロイヤルティ |
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当社 |
大塚製薬㈱及びアストラゼネカ社 |
日本国及びイギリス |
糖尿病治療剤の販売の許諾 |
平成24年6月29日から販売開始後10年又は特許有効期限末日までのいずれか長い期間 |
契約一時金 一定料率のロイヤルティ |
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Strakan Interna tional S.a r.l. |
オレクソ社 |
スウェーデン王国 |
癌疼痛治療剤(舌下錠)の開発及び販売の許諾 |
平成18年1月2日から販売開始後10年又は特許有効期限末日までのいずれか長い期間 |
契約一時金 一定料率のロイヤルティ |
(3) 販売契約
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会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
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当社 |
日本アルコン㈱ |
日本国 |
抗アレルギー点眼剤に関する共同販売促進契約 |
平成18年6月27日から |
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当社 |
久光製薬㈱ |
日本国 |
経皮吸収型持続性疼痛治療剤に関する共同販売契約 |
平成20年6月18日から 販売開始後10年間 以降1年毎の自動更新 |
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当社 |
レオ ファーマ社 |
デンマーク王国 |
尋常性乾癬治療外用剤に関する販売提携契約 |
平成25年12月19日から 販売開始後8年間 以降2年毎の自動更新 |
(4) 合弁契約
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会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
出資額 |
合弁会社名 |
設立年月 |
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当社 |
富士フイルム㈱ |
日本国 |
バイオシミラー医薬品の開発・製造・販売に関する合弁契約 |
当社 50百万円 富士フイルム㈱ 50百万円 |
協和キリン富士フイルムバイオロジクス㈱ (資本金100百万円) |
平成24年3月 |
(5) キリンホールディングス㈱との統合契約
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会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約締結日 |
|
当社 |
キリンホールディングス㈱ |
日本国 |
当社グループとキリングループの戦略的提携に関する基本契約 |
平成19年10月22日 |
(6) その他
(ProStrakan Group plcによるArchimedes Pharma Limited株式の取得)
当社の英国子会社であるProStrakan Group plcは、平成26年7月11日、Novo Nordisk Foundationにより運営される投資会社であるNovo A/Sとの間で、Archimedes Pharma Limitedを買収することに合意し、平成26年8月5日に買収を完了しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当社グループは、「ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。」というグループ経営理念のもと、医薬分野及びバイオケミカル分野において研究開発を行っております。
当社は、バイオテクノロジーを基盤とし、医薬を核にした日本発の世界トップクラスの研究開発型ライフサイエンス企業を目指しており、探索・創薬研究、臨床開発等をより効率的かつスピーディーに行うことを目的に、研究開発体制の整備・再構築を進めております。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は477億円となっており、報告セグメントごとの研究開発活動の状況及び研究開発費の金額は次のとおりであります。
(1) 医薬事業
当社では、抗体技術を核にした最先端のバイオテクノロジーを駆使し、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経の各カテゴリーを研究開発の中心に据え、資源を効率的に投入することにより、新たな医療価値の創造と創薬の更なるスピードアップを目指しております。
特に、当社のグローバル戦略製品である抗CCR4ヒト化抗体KW-0761(日本製品名「ポテリジオ」)については、製品価値の最大化に向けて、固形がんを対象とした腫瘍免疫療法に関する開発提携契約を複数社と締結しました。
なお、海外を中心とする後期開発が進展し、研究開発費は前連結会計年度に比べ増加しました。
当連結会計年度における主な後期開発品の開発状況は次のとおりであります。
腎カテゴリー
(国内)
・カルシウム受容体作動薬「レグパラ」の副甲状腺癌に伴う高カルシウム血症、副甲状腺摘出術不能又は再発の原発性副甲状腺機能亢進症に伴う高カルシウム血症の効能・効果追加の承認を2月に取得しました。
・カルシウム受容体作動薬「レグパラ」の12.5mg製剤の承認申請を3月に行いました。
・カルシウム受容体作動薬KHK7580の二次性副甲状腺機能亢進症を対象とした後期第Ⅱ相臨床試験を8月に開始しました。
・2型糖尿病を合併する慢性腎臓病を対象としたRTA 402の開発方針を7月に決定し、今後、新たな第Ⅱ相臨床試験を開始することとしました。
(海外)
・中国においてカルシウム受容体作動薬Cinacalcet Hydrochloride(日本製品名「レグパラ」)の承認を6月に取得しました。
・中国において持続型赤血球造血刺激因子製剤KRN321(日本製品名「ネスプ」)の透析施行中の腎性貧血を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中です。
がんカテゴリー
(国内)
・持続型G-CSF製剤「ジーラスタ」のがん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制に対する承認を9月に取得し、11月に発売しました。
・抗CCR4ヒト化抗体「ポテリジオ」の再発又は難治性のCCR4陽性の末梢性T細胞リンパ腫及び皮膚T細胞性リンパ腫の効能・効果追加の承認を3月に取得しました。また、化学療法未治療のCCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫の効能・効果及び用法・用量追加の承認申請を2月に一旦取り下げましたが、6月に再度申請を行い、12月に承認を取得しました。
・持続型赤血球造血刺激因子製剤「ネスプ」の骨髄異形成症候群に伴う貧血を対象とした承認申請を3月に行い、12月に承認を取得しました。
・ソラフェニブ治療歴を有するc-Met高発現の切除不能肝細胞癌を対象としたARQ 197の第Ⅲ相臨床試験を2月に開始しました。
(海外)
・抗CCR4ヒト化抗体KW-0761(日本製品名「ポテリジオ」)は、皮膚T細胞性リンパ腫を対象とした第Ⅲ相臨床試験を米国及び欧州において、末梢性T細胞リンパ腫を対象とした第Ⅱ相臨床試験を欧州において、成人T細胞白血病リンパ腫を対象とした第Ⅱ相臨床試験を米国及び欧州等において、それぞれ実施中です。なお、欧米で実施している皮膚T細胞性リンパ腫を対象とした第Ⅲ相臨床試験の実施国として4月に日本を追加しました。
免疫・アレルギーカテゴリー
(国内)
・抗IL-5受容体ヒト化抗体KHK4563は、喘息を対象とした第Ⅲ相臨床試験を、ライセンス導出先であるアストラゼネカ社が実施中の国際共同試験計画の一環として、日本及び韓国において4月に開始しました。
・抗IL-17受容体完全ヒト抗体KHK4827の乾癬を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中です。
中枢神経カテゴリー
(国内)
・抗てんかん剤「トピナ」の新剤型(細粒剤)追加の承認を1月に取得し、5月に発売しました。
(海外)
・米国及び欧州等においてKW-6002(日本製品名「ノウリアスト」)のパーキンソン病を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中です。
その他
(国内)
・遺伝子組換えアンチトロンビン製剤KW-3357の先天性アンチトロンビンⅢ欠乏に基づく血栓形成傾向及びアンチトロンビンⅢ低下を伴う汎発性血管内凝固症候群の効能・効果の承認申請を7月に行いました。
(海外)
・欧米において抗線維芽細胞増殖因子23完全ヒト抗体KRN23の小児X染色体遺伝性低リン血症性くる病を対象とした第Ⅱ相臨床試験を7月に開始しました。
なお、当事業の研究開発費は440億円であります。
(2) バイオケミカル事業
・主力製品である各種アミノ酸・核酸関連物質などの省資源・高効率の発酵生産プロセスの開発に引き続き注力する一方、高い技術力を活かし、ジペプチド・オリゴ糖などの素材の製法開発や市場開拓にも積極的に取り組んでおります。
・発酵技術と有機合成技術の組み合わせにより、高付加価値の医薬品原薬・中間体についての新しい製法の開発を進めております。
・ヘルスケア領域では、国内外の大学・研究機関との共同研究を通して得られた機能性や安全性データに基づき、アミノ酸等発酵生産物の栄養生理機能探索や用途開発を行っております。また、利用しやすい味や剤形のための製剤開発にも取り組んでおります。
なお、当事業の研究開発費は36億円であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりでありますが、損益区分ごとの分析は次のとおりであります。
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ2.1%(71億円)減の3,334億円となりました。医薬事業は、4月に実施された薬価基準の引下げの影響や技術収入の減少により減収となりました。バイオケミカル事業は、国内の医薬・医療領域の堅調な推移や為替の円安進行の影響により増収となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ0.2%(3億円)減の1,275億円となり、売上総利益は、同3.2%(68億円)減の2,059億円となりました。売上総利益率は前連結会計年度の62.5%から0.7ポイント低下し61.8%となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、Archimedes社の新規連結影響や研究開発費の増加等により、前連結会計年度に比べ5.4%(87億円)増の1,697億円となりました。なお、研究開発費の総額は、前連結会計年度に比べ9.3%(41億円)増の477億円となり、売上高研究開発費比率は前連結会計年度の12.8%から1.5ポイント上昇し14.3%となりました。
③ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ30.1%(156億円)減の361億円となりました。売上高営業利益率は前連結会計年度の15.2%から4.4ポイント低下し10.8%となりました。
④ 営業外損益
当連結会計年度の営業外損益は、66億円の費用(純額)となり前連結会計年度に比べ43億円の費用増加となりました。営業外収益は、為替差益の減少等により前連結会計年度に比べ21億円減少し、営業外費用は、持分法による投資損失の増加等により前連結会計年度に比べ22億円増加しました。
⑤ 経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ40.4%(199億円)減の295億円となりました。売上高経常利益率は前連結会計年度の14.5%から5.6ポイント低下し8.9%となりました。
⑥ 特別損益
当連結会計年度の特別損益は、前連結会計年度の2億円の利益(純額)から22億円の損失(純額)となり25億円の損失増加となりました。関係会社株式売却益(32億円)を計上した前連結会計年度に比べ、当連結会計年度は特別利益が減少しました。
⑦ 法人税等
当連結会計年度の法人税等合計は、前連結会計年度に比べ42.1%(82億円)減の113億円となりました。税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は、前連結会計年度の39.4%から2.2ポイント上昇し41.6%となりました。なお、のれん償却前の税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は、前連結会計年度の32.0%から3.7ポイント低下し28.3%となっております。
⑧ 当期純利益
以上の結果、当期純利益は、前連結会計年度に比べ47.1%(141億円)減の158億円となりました。売上高当期純利益率は前連結会計年度の8.8%から4.0ポイント低下し4.8%となりました。
(3) 当連結会計年度末の財政状態の分析
① 資産の部
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1億円減少し、7,191億円となりました。流動資産は、棚卸資産や受取手形及び売掛金の増加がありましたが、親会社への短期貸付金の減少により、前連結会計年度末に比べ461億円減少し、2,831億円となりました。固定資産は、有形固定資産の増加に加えて、Archimedes社の買収に伴うのれん及び販売権等の無形固定資産の増加により460億円増加し、4,359億円となりました。
② 負債の部
負債は、繰延税金負債の増加がありましたが、現金190億円の退職給付信託への拠出に伴う退職給付引当金(退職給付に係る負債)の減少等により、前連結会計年度末に比べ100億円減少し、1,137億円となりました。
③ 純資産の部
純資産は、配当金の支払い等の減少要因もありましたが、当期純利益の計上や為替換算調整勘定の増加により、前連結会計年度末に比べ99億円増加し、6,053億円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて1.5ポイント増加し84.1%となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
|
|
平成22年 |
平成23年 |
平成24年 |
平成25年 |
平成26年 |
|||||
|
自己資本比率 |
78.2 |
% |
81.8 |
% |
81.7 |
% |
82.6 |
% |
84.1 |
% |
|
時価ベースの自己資本比率 |
68.5 |
% |
79.4 |
% |
68.4 |
% |
88.2 |
% |
86.5 |
% |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 |
0.1 |
年 |
0.1 |
年 |
0.1 |
年 |
0.1 |
年 |
0.3 |
年 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
313.4 |
倍 |
305.4 |
倍 |
484.2 |
倍 |
234.2 |
倍 |
64.4 |
倍 |
(注)自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い
※ 1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 2. 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※ 3. キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
※ 4. 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち短期借入金、コマーシャル・ペーパー及び長期借入金を対象としております。
※ 5. 利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
② 資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料の購入、商品の仕入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、給料、賞与等の人件費、研究開発費、販売促進費などであります。
また、当社グループは、生産設備の拡充・合理化及び研究開発力の強化などを目的とした継続的な設備投資のほか、新薬候補物質や上市品の導入など、開発パイプライン及び製品ポートフォリオの価値最大化に向けた戦略的な投資を実施しております。
③ 資金調達の可能性
当社グループでは、事業活動を支える資金の調達に際して、当社が中心となって低コストかつ安定的な資金を確保するよう努めております。当社は、グローバルCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、当社及び国内外の子会社において資金プーリング等を実施するなど、当社グループ全体の資金の効率的な活用と金融費用の削減に努めております。
当社は、短期的な資金需要を満たすのに十分な短期格付を維持し、国内CP(コマーシャル・ペーパー)の機動的な発行を実施することで短期資金の調達を可能としております。
また、資金状況等を勘案しつつ財務体質改善、信用力向上のための取組にも努めております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
「第2 事業の状況 3.対処すべき課題」に記載のとおりであります。