第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度のわが国経済は、デフレ脱却と経済再生への実現に向けた政府による金融・財政政策効果の波及により、円安・株高に転じる等金融市場は好転し、企業の景況感や雇用・所得環境が広がりを伴いつつ改善する中で、設備投資は回復基調を強め、個人消費においても底堅く推移する等、実体経済面においても自律的回復に向けた動きが顕現化してまいりました。

このような情勢下、当社グループの連結業績は、南陽事業所第二塩化ビニルモノマー製造設備事故の影響軽減及びナフサ等の原燃料価格の上昇に伴う国内販売価格への転嫁並びに為替相場が円安に転じたことによる輸出価格の改善等により、売上高は7,722億72百万円と前連結会計年度に比べ1,037億78百万円(15.5%)の増収となりました。営業利益につきましては、販売数量増や交易条件の改善等により、415億73百万円と前連結会計年度に比べ171億9百万円(69.9%)の増益となりました。また、経常利益は、為替差益の発生等により、495億8百万円と前連結会計年度に比べ159億28百万円(47.4%)の増益となりました。この結果、当期純利益は、295億64百万円と前連結会計年度に比べ126億96百万円(75.3%)の増益となりました。

 

 

セグメント別の業績は、次のとおりであります。

 

石 油 化 学 事 業

 

エチレン及びプロピレン等のオレフィン製品の出荷は総じて増加し、ナフサ価格等の上昇を反映して製品価格は上昇いたしました。また、キュメンについては円安及び海外市況の上昇に伴い輸出価格が改善いたしました。

ポリエチレン樹脂は、太陽電池市場の回復によりエチレン酢酸ビニルコポリマーの出荷が増加いたしました。また、ナフサ価格の上昇を受け、国内製品価格の是正を実施いたしました。クロロプレンゴム及びクロロスルホン化ポリエチレンは、海外の需要回復により出荷が増加し、円安に伴い輸出価格が改善いたしました。

この結果、売上高は前連結会計年度に比べ358億17百万円(19.1%)増加し2,234億58百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ42億45百万円(40.3%)増加し147億89百万円となりました。

 

 

ク ロ ル ・ ア ル カ リ 事 業

 

苛性ソーダは、国内出荷、輸出ともに減少し、海外市況は軟化いたしました。塩化ビニルモノマー及び塩化ビニル樹脂は、塩化ビニルモノマーの生産数量の回復に伴い出荷が増加し、円安及び海外市況の上昇により輸出価格が改善いたしました。なお、塩化ビニル樹脂については、ナフサ価格の上昇を受け、国内製品価格の是正を実施いたしました。

セメントは、震災による復旧復興工事の旺盛な需要により、出荷は増加いたしました。

ウレタン原料は、出荷が増加し、円安に伴い輸出価格が改善いたしました。

この結果、売上高は前連結会計年度に比べ489億81百万円(20.6%)増加し2,862億69百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ54億80百万円増加し38億74百万円となりました。

 

 

 

機 能 商 品 事 業

 

エチレンアミンは、事業採算を改善するための生産調整を実施したことにより、出荷が減少しましたが、販売価格の是正及び円安に伴い製品価格は改善いたしました。臭素及び臭素系難燃剤は、出荷が増加いたしました。

計測関連商品は、液体クロマトグラフィー用充填剤の出荷が増加いたしました。診断関連商品は、全自動エンザイムイムノアッセイ装置及び体外診断用医薬品の出荷が増加いたしました。

電解二酸化マンガンは、乾電池及び二次電池向けの出荷が増加し、円安に伴い輸出価格が改善いたしました。ハイシリカゼオライトは、石油化学及び自動車排ガス触媒向けの出荷が増加いたしました。ジルコニアは、歯科材料向けの出荷が増加いたしました。

この結果、売上高は前連結会計年度に比べ216億78百万円(16.5%)増加し1,534億25百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ102億43百万円(114.1%)増加し192億25百万円となりました。

 

 

エ ン ジ ニ ア リ ン グ 事 業

 

水処理事業においては、海外では電子産業分野を中心に順調に推移しましたが、国内では電力分野をはじめとする産業全般で設備投資やメンテナンス、改造工事の延期等により売上高は減少いたしました。

建設子会社の売上高は増加いたしました。

この結果、売上高は前連結会計年度に比べ41億77百万円(5.7%)減少し685億62百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ31億2百万円(71.1%)悪化し12億58百万円となりました。

 

 

そ の 他 事 業

 

商社及び物流子会社の売上高は増加いたしました。

この結果、売上高は前連結会計年度に比べ14億77百万円(3.8%)増加し405億55百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ2億41百万円(11.1%)増加し24億25百万円となりました。

 

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ22億30百万円減少し、551億27百万円となりました。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、672億38百万円の収入となりました。税金等調整前当期純利益の増加、売上債権の減少等により、前連結会計年度に比べ311億62百万円収入が増加いたしました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、260億65百万円の支出となりました。投資有価証券の取得による支出額の増加等により、前連結会計年度に比べ26億18百万円支出が増加いたしました。

この結果、フリー・キャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ285億44百万円収入が増加し、411億72百万円の収入となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、455億33百万円の支出となりました。借入金の返済額の増加等により、前連結会計年度に比べ210億15百万円支出が増加いたしました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成25年4月1日

至 平成26年3月31日)

前年同期比(%)

石油化学事業

234,662

119.3

クロル・アルカリ事業

270,317

118.7

機能商品事業

125,621

107.0

エンジニアリング事業

36,247

97.4

その他事業

合計

666,849

115.2

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 原則として、生産金額は、生産総量から自家使用量を差引いた販売向け生産量に、当連結会計年度中の平均販売単価を乗じて算出しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

主として見込み生産であります。

 

(3) 販売実績

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成25年4月1日

至 平成26年3月31日)

前年同期比(%)

石油化学事業

223,458

119.1

クロル・アルカリ事業

286,269

120.6

機能商品事業

153,425

116.5

エンジニアリング事業

68,562

94.3

その他事業

40,555

103.8

合計

772,272

115.5

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

 

当社の取り組むべき最大の課題は、「安全」を確保し、収益を増加させる事でございます。安全が企業存続の前提条件であると認識し、策定した「安全改革指針」に基づき全社一丸となって取り組んでまいります。

 

セグメント別の課題は次のとおりです。

 

石油化学事業ではオレフィン製品において、ナフサクラッカーの競争力強化に向け、事業環境に柔軟に対応した生産・販売体制の構築やブタジエン抽出原料であるC4留分を始めとするクラッカー留分の高付加価値化を図ってまいります。また、外部購入するエチレン及びベンゼンについては、安定量の確保に万全を尽くすとともに、より競争力のある価格条件で調達できるように努めてまいります。ポリエチレン製品については、コスト競争力の高い中東品の流入拡大や北米シェールガス由来のポリエチレン新増設によるアジア域内の需給環境の悪化が懸念されるため、引き続き高付加価値分野への取り組みを強化してまいります。合成ゴム等の機能性ポリマー製品においては、コスト削減、得意分野における更なる技術力の強化、高付加価値化、差別化及び特色のある機能性ポリマーの創出により収益力の強化に努めてまいります。

クロル・アルカリ事業では、強力なインフラをベースとした苛性ソーダ、塩化ビニルモノマー、塩化ビニル樹脂、ジフェニルメタン・ジイソシアネート(MDI)からなるビニル・イソシアネート・チェーン事業の更なる最適化・効率化を推進することによって、コスト競争力を高め収益力の強化に努めてまいります。具体的には、100%子会社である日本ポリウレタン工業株式会社との合併(平成26年10月)に向けて準備を進めてまいります。イソシアネート事業については今後競争激化が予想され、大きな事業環境の変化に対応できる強固な経営基盤を確立するためには、当社と日本ポリウレタン工業株式会社が合併することにより、迅速な経営判断が可能となる体制を構築するとともに、アニリン等のイソシアネート原料からイソシアネート製品、誘導品までのウレタン事業の一貫体制の確立、本社並びに南陽事業所の一元化による運営、今後の研究体制の再編等による経営の効率化等を図ることが必要であると判断いたしました。また、第三塩化ビニルモノマー製造設備の能力増強工事(平成26年11月完了予定)を実施中であります。これにより、平成23年度の事故後生産余力が生じている電解製造設備の稼働率を向上させ苛性ソーダの増販効果と合わせ、収益力の向上に努めてまいります。

機能商品事業では、バイオサイエンス・有機化成品・高機能材料事業において、それぞれの事業分野で主導的地位を保持する商品群の規模の拡大、並びに新たな製品の創出を加速し、安定した収益力の向上に努めてまいります。具体的には、有機化成品事業分野では、ウレタン樹脂を製造する際に大気や土壌等の汚染原因物質となる揮発性有機化合物(VOC)が発生しない、アミン系環境対応型ウレタン発泡触媒製造設備を新設(平成26年11月完了予定)いたします。これにより、アミン事業の拡大に取り組んでまいります。また、高機能材料事業では、東ソー日向株式会社での化学合成法マンガン酸化物製造設備の新設(平成25年3月完了)や当社四日市事業所でのハイシリカゼオライトの能力増強工事(平成25年3月完了)を実施するとともに、ハイシリカゼオライトについては旺盛な需要に対応するため、当社南陽事業所において、更なる能力増強工事(平成26年9月完了予定)を実施中であります。今後も生産能力の拡大を通じ、成長が見込まれる市場でのプレゼンスを高めながら世界トップクラスのシェア獲得を目指してまいります。また、トーソー・SMD,Inc(米国オハイオ州)では、半導体市場における次世代ウエハーサイズである450mm用スパッタリングターゲットの製造設備の新設工事(平成26年12月完了予定)を実施中であります。これらの取り組みを通じて、高機能材料事業の更なる収益力強化を図ってまいります。

エンジニアリング事業ではオルガノグループにおいて、市場構造の変化に合わせ事業ポートフォリオを転換すべく、医薬、飲料・食品等の一般産業分野への営業展開の強化及び中小規模案件を中心とした排水事業の拡大を志向するとともに、海外では需要の拡大が見込まれる東南アジアを中心に事業展開の強化を図ってまいります。また、平成26年4月には経営資源の集中と効率化並びに市場での競争力強化による中長期的な事業拡大を目的として、オルガノグループはオルガノの完全子会社7社の吸収合併を中心とした再編を行うことといたしました。これらの取り組みを通じて、水処理事業分野における顧客のあらゆるニーズに対して、ワン ストップ ソリューション(One Stop Solutions)が提供できる企業グループの実現を目指してまいります。また、建設及び環境関連事業においては、技術やサービスの向上に努め、満足度の高いサービスの提供を実現することにより、事業の発展並びに地域社会への貢献を目指してまいります。

 

 

また当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針は、次のとおりであります。

 

(1) 基本方針の内容

当社は、将来にわたるメガコンペティションの経営環境下において、企業としての最大の経営課題である中長期的な企業価値の極大化を図っていく上で、同業種あるいは異業種他社とのアライアンスや企業買収はその実現に向けた有力な手段の一つであると考えております。

しかし、それは当事者同士が納得、合意した上で友好裡に進められるべきものであり、一方的な当事者の利益や思い込みによって進められる場合には、当事者間に無用な混乱と多大なダメージを残すこととなり、好ましいものではないと考えております。

昨今、株式持合いの解消による安定株主の減少や、グローバルな過剰流動性の発生等の経営・経済環境の変化を背景として、わが国においても企業買収の動きが活発化してきておりますが、そのことによって対象会社の企業価値が損われ、株主共同の利益が害されることがあってはならないと考えます。

当社は、このような企業価値・株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付行為(当社の議決権数の20%を超えて買い進めることを目的とした当社株式等の買付行為)又はこれに類する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないと考えております。

 

(2) 不適切な者によって支配されることを防止するための取組み

当社は、総合化学会社としてビニル・イソシアネート・チェーンを中心とするコモディティ事業から、電子材料やファインケミカル、バイオサイエンス等のスペシャリティ事業まで、内外において多様で広汎な事業展開を行うとともに、傘下の特徴ある多数の関係会社との有機的な結合のもとにグループとしての事業展開を行ってきております。

また、当社が装置産業として工場の立地する地域社会と共存共栄を図りつつ事業展開していることは言うまでもありません。

更に、当社は化学会社の特色とも言えるリードタイムの長い地道な研究開発による新規製品・新規事業の開発と競争力の強化をベースに、企業としての成長を図ってきております。

従いまして、当社に対する大規模買付行為の提案を前にして、株主の皆様に短時間で提案内容や当社の将来にわたる企業価値についてご判断いただくのは、なかなか困難なものがあるのではないかと思われます。

言うまでもなく、大規模買付行為を受け入れるかどうかは、最終的には株主の皆様のご判断によるべきものでありますが、これらのことに鑑みますと、大規模買付行為が行われようとする場合には、株主の皆様に対して、当社からはもとより、大規模買付者からも十分な判断材料が示されるとともに熟慮のための十分な時間が確保されるべきものと考えます。

上記の点を踏まえ、当社取締役会は、大規模買付行為が、一定の合理的なルールに従って行われることが、株主の皆様共同の利益に合致すると考え、大規模買付行為に関する一定のルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)を定めた「当社株券等の大規模買付行為に関する対応方針」(以下「本方針」といいます。)を平成18年6月29日開催の第107回定時株主総会にてお諮りし、ご承認をいただきました。

当社取締役会としましては、大規模買付者に対して大規模買付者の概要、買付の目的、買付対価の種類、金額・算定根拠、買付資金の裏付け又は調達先、買付行為完了後の経営方針等につき、情報提供を行うことなどの大規模買付ルールの遵守を求め、大規模買付者から大規模買付ルールに従った判断材料の提示を受けた場合には、それを十分吟味及び検討し、当社取締役会としての見解をとりまとめた上で当該見解を適時かつ適切に開示し、買付けの受入れ又は代替案の提示等、その見解に基づいた所要の対応をとることといたします。

また、大規模買付者が大規模買付ルールに従わずに大規模買付行為を開始しようとする場合には、株主の皆様共同の利益を害する当社に対する敵対的買収行為と看做し、必要に応じて相当な対抗措置を講ずることといたします。

なお、当社は株主の皆様共同の利益により適うよう必要に応じて本方針の見直し、又は本方針に代わる別種の防衛策の導入を含め、適宜適切な措置を講じてまいります。また、その際における本方針の本質的な変更は、その都度、株主総会において議案としてお諮りし、株主の皆様の賛同を得たうえで行うことといたします。

 

 

(3) 上記(2)の取組みに関する取締役会の判断について

当社取締役会は、上記(2)の「不適切な者によって支配されることを防止するための取組み」が、当社の基本方針に沿って策定されたものであり、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保・向上させるものであると判断しております。

本方針は、予め定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止する仕組みを確保しております。また、当社の取締役の任期は1年であり、毎年の定時株主総会における取締役の選任を通じて本方針の継続につき株主の意向を反映させることが可能となっております。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。

ただし、これら事業等のリスクは、当連結会計年度末現在において判断したものであり、全てを網羅したものではありません。

 

 

(1) 製品・原燃料の国際市況の変動

当社グループでは、石油化学事業・クロル・アルカリ事業を中心に、原油、ナフサ、石油化学製品等の市況・課税負担の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

(2) 在庫評価の影響

当社グループは、たな卸資産の評価方法及び評価基準について、主として総平均法による原価法を採用しております。そのため、ナフサや重油等の原燃料価格が在庫単価に比べて下落する局面においては、期初の相対的に高価な在庫の影響により売上原価が押上げられるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、収益性の低下に基づく簿価切下げを行った場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 国内外の経済情勢・需要変動

国内外の顧客や市場の動向、経済情勢、競合他社の事業展開といった外部環境が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 為替レートの変動

当社グループは、国内で製造した製品の一部を海外へ輸出しており、原燃材料の大半は海外から輸入しております。大幅な為替レートの変動は、外貨建取引、外貨建資産・負債、更には海外グループ会社の財務諸表の円換算額にも影響を及ぼすこととなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 原材料の調達

当社グループは、生産活動に必要な原燃材料を国内外から調達しており、原燃材料の調達先の多様化、中長期的契約の締結、あるいはスポット市場からの購入により長期的、安定的な調達に取り組んでおります。しかしながら、供給者における災害・事故等による調達への支障が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 金利変動

当社グループは、有利子負債の削減や金融収支の改善に努めておりますが、今後金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(7) 固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しておりますが、今後大幅な事業収益性の悪化や不動産価格の下落等があった場合には減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 有価証券の評価損

当社グループは、主に取引先との関係維持のために株式を保有しておりますが、株式相場の大幅な下落、または株式保有先の財政状態の悪化により株式の評価が著しく下落した場合には株式の評価損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9) 繰延税金資産の取崩し

当社グループは、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、将来の課税所得を合理的に見積もり回収可能性を検討した上で繰延税金資産を計上しておりますが、実際の課税所得が見積りと異なり回収可能性の見直しが必要となった場合、または税率変更を含む税制の改正等があった場合には、繰延税金資産の取崩しが必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10) 環境関連等法的規制

当社グループは、環境保全と安全及び健康の確保が経営の最重要課題であると認識し、事業活動を行っております。しかしながら、今後環境等に関する国内外の法的規制の強化あるいは社会的責任の要請等により、事業活動の制限、若しくは追加の設備投資や新たな費用が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、今後二酸化炭素等の排出に関連して数量規制や税の賦課が導入された場合には、事業活動が制約を受けることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(11) 品質問題

当社グループは、製品の品質保証体制を確立し、製造物賠償責任保険も付保しております。しかしながら、製品に予期せぬ欠陥が発生した場合には、社会的信用の低下や製品の販売中止等に繋がり、更に訴訟が提起される事態に発展することも想定されます。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(12) 訴訟

当社グループは、コンプライアンス行動指針の制定を行い、国内外の法令遵守に努めております。しかしながら、広範な事業活動を行う中、訴訟、その他の法律的手続きの対象となるリスクがあり、重要な訴訟等の提起を受ける可能性があります。現在及び将来の事件での帰趨を予測することは困難でありますが、裁判等において不利益な決定や判決がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(13) 事故、災害

当社グループは、日常的及び定期的な設備の点検・保守、安全関連投資等を実施し、設備事故等の発生の未然防止に努めております。しかしながら、自然災害、不慮の事故の発生の影響で、生産停止に伴う損失、工場周辺地域への被害補償に伴う費用、多額の設備補修費等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(14) 技術革新

当社グループは、「技術的に存在感のある企業」を目指し、各事業分野において積極的な研究開発を展開しております。特に機能商品事業においては、技術革新のスピードが著しく、タイムリーに新製品を開発・提供していく必要があると考えております。しかしながら、顧客ニーズに適合して継続的に新製品の開発・提供ができない場合、あるいは他社において画期的な技術革新がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 吸収合併契約

(日本ポリウレタン工業株式会社との合併)

当社は、平成26年5月9日開催の取締役会において、100%出資連結子会社である日本ポリウレタン工業株式会社との合併契約締結について決議し、合併契約を締結いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

(完全子会社7社との合併)

当社の連結子会社であるオルガノ株式会社は、これまで地域ごとのニーズに機動的に対応するべく、各地域に設立した子会社による営業・販売体制をとってまいりましたが、経営資源の集中と効率化、市場での競争力強化による中長期的な事業拡大を目的として、平成25年12月24日開催の取締役会において、同社の完全子会社である以下7社を吸収合併することを決議し、平成25年12月25日に合併契約を締結いたしました。

 

 ・合併の対象となる連結子会社
  オルガノ北海道株式会社
  オルガノ東北株式会社
  オルガノ東京株式会社
  オルガノ中部株式会社
  オルガノ関西株式会社
  オルガノ九州株式会社
  ・合併の対象となる非連結子会社
  オルガノ山下薬品株式会社
   合併契約の概要は、次のとおりであります。

 

① 合併の方法
 オルガノ株式会社を存続会社とする吸収合併方式で、オルガノ北海道株式会社、オルガノ東北株式会社、オルガノ東京株式会社、オルガノ中部株式会社、オルガノ関西株式会社、オルガノ九州株式会社及びオルガノ山下薬品株式会社は解散いたします。

 

② 合併に際して発行する株式及び割当
  完全子会社の吸収合併のため、本合併による株式その他の金銭等の割当てはありません。

 

③ 合併の期日
  平成26年4月1日

 

④ 引継資産・負債の状況

オルガノ株式会社は、吸収合併消滅会社であるオルガノ北海道株式会社、オルガノ東北株式会社、オルガノ東京株式会社、オルガノ中部株式会社、オルガノ関西株式会社、オルガノ九州株式会社及びオルガノ山下薬品株式会社の一切の資産、負債及び権利義務を吸収合併の効力発生日において引継ぎいたします。

 

 

⑤ 吸収合併存続会社となる会社の概要

(a) 商号

オルガノ株式会社

(b) 本店の所在地

東京都江東区新砂1丁目2番8号

(c) 代表者の氏名

代表取締役社長 内田 裕行

(d) 資本金の額

8,225百万円(平成26年3月31日現在)

(e) 純資産の額

37,068百万円(平成26年3月31日現在)

(f) 総資産の額

61,253百万円(平成26年3月31日現在)

(g) 事業の内容

水処理設備、装置の製造、販売、メンテナンス及び水処理薬品、食品加工材の販売

 

 

 

(2) 技術援助関係

該当する重要な契約はありません。

 

(3) その他の契約

・ 当社は、太平洋セメント株式会社にセメントの全面的な販売委託をしております。

 

・ 当社の塩化ビニル樹脂事業に関する合弁契約

平成12年3月31日付で当社、三井化学株式会社及び電気化学工業株式会社は、塩化ビニル樹脂事業を再構築するため、合弁契約を締結しております。

契約締結に伴い、当社の子会社である大洋塩ビ株式会社において、塩化ビニル樹脂の製造・販売・研究を行い、当社主導で運営しております。

 

 

6 【研究開発活動】

急激な国内産業構造の変化及び技術革新が進む中で、当社グループは、基盤事業の強化・拡大と新規事業の創出による体質強化に向けて、各関連企業の研究開発部門と連携を取りながら、当社の4つの研究開発部門、オルガノ株式会社の開発センター及び日本ポリウレタン工業株式会社の総合技術研究所を中心に研究開発活動を実施しております。具体的には、当社の東京研究所では機能商品事業分野、四日市研究所では石油化学事業分野、南陽研究所ではクロル・アルカリ事業分野及び機能商品事業分野、技術センターでは各製品に関わるプロセス開発を主担当分野とした研究開発を行っており、オルガノ株式会社の開発センター及び日本ポリウレタン工業株式会社の総合技術研究所ではそれぞれエンジニアリング事業分野並びにクロル・アルカリ事業分野の研究開発を行っております。また、大学あるいは公的研究機関などの外部研究機関との共同研究についても積極的に実施しており、研究開発力の強化と迅速な技術開発の実施に努めております。

当連結会計年度における当社グループ全体での研究開発要員は約860名であり、研究開発費は約125億円であります。

 

セグメント別の主な研究開発活動の状況を概観すると、次のとおりであります。

 

 

石油化学事業

石油化学事業に関しては、既存ポリマー製品の改良や周辺技術の強化と、新規ポリマー材料の開発を主に実施しております。汎用ポリエチレンでは、高機能化による差別化・高付加価値化を目指した研究開発を実施しており、発泡分野、ラミ分野、食品包装分野などにおいて、新たなグレード開発・改良に取り組んでおります。また、新規ポリエチレンの開発については、医療分野を中心とした用途開発に積極的に取り組んでおります。太陽電池用途では、封止膜用EVAの品質向上を継続して実施するとともに、EVAを用いた高耐久性接着材の開発を進めております。PPSでは、用途開発が進展し、スマートフォン筐体の拡販に貢献いたしました。CRでは生産性の向上を目的としたプロセス改良や顧客要求に応じたグレード開発に取り組むとともに、世界最大の生産能力を有するCSMについても、更なる生産性向上と品質の向上に取り組んでおります。ペースト塩ビでは、壁紙や床材といった汎用用途に加え、新規分野への展開に向けた研究開発を引き続き実施しております。新規ポリマー材料では、液晶用光学材料、フレキシブルディスプレイ用基板材料などの当社独自コンセプトに基づく新規ポリマー材料の開発を積極的に進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約19億円であります。

 

クロル・アルカリ事業

クロル・アルカリ事業に関しては、主としてコア事業であるビニル・イソシアネート・チェーン関連技術の更なる強化へ向けて継続的な製造技術の革新に取り組んでおります。具体的には、日本ポリウレタン工業株式会社と協同でイソシアネート製造プロセスの改良に取り組むとともに、ポリウレタンフォームを始めとするウレタン関連製品の処方開発などに積極的に取り組んでおります。また、電解関連技術についても継続的な技術改良(省エネルギー)に取り組んでおります。なお、本事業分野における研究開発費は約26億円であります。

 

機能商品事業

機能商品事業に関しては、ライフサイエンス、環境・エネルギー、電子材料などに関する研究開発を実施しております。ライフサイエンス関連のうち、免疫診断事業関連では種々の疾病を対象とした新規診断試薬、遺伝子診断事業関連では感染症診断のための新規製品開発を進めております。分離精製剤事業関連では、新規抗体医薬品精製用分離剤の開発に注力しており、「次世代バイオ医薬品製造技術研究組合」に参加することを決定し、抗体医薬品を精製する革新的なプロセスの開発、先進的な抗体の解析技術の開発に鋭意取り組んでまいります。また、微細加工技術を用いた早期がん検査技術の開発も着実に進展しております。さらに、セラミックス歯科材料の開発に取り組んでおります。環境・エネルギー関連のうち、エネルギー関連では、今後需要の拡大が予想されるリチウム二次電池用正極材原料として用いられるマンガン酸化物などの開発に取り組んでおります。環境関連では、ゼオライトについて自動車排ガス浄化触媒用ゼオライトの開発に加え、新規用途の開発にも取り組んでおります。また、アミン誘導品であるウレタン発泡触媒の開発も継続して取り組んでおり、触媒性能と環境負荷の低減を両立した環境対応型ウレタン発泡触媒(RZETA®)が実用化に至りました。さらに、重金属処理剤、貴金属回収剤の開発を進めております。電子材料関連のうち、ディスプレイ関連では有機EL材料において電子輸送材並びに正孔輸送材の開発を精力的に進めております。また、タッチパネル用途の低温低抵抗薄膜用スパッタリングターゲットが実用化に至り、次世代材料の開発にも取り組んでおります。半導体関連では、将来の半導体素子の微細化に対応した次世代配線用の有機金属化合物材料などの開発を推進しております。なお、本事業分野における研究開発費は約65億円であります。

 

エンジニアリング事業

エンジニアリング事業に関しては、オルガノ株式会社の開発センターを中心に、純水、超純水、上水道などの用水処理装置、下排水処理装置、クロマト分離装置など水処理プラント並びに中・小型水処理装置、水処理薬品、加工食品向けの食品添加物・素材などの販売・サービスを促進するため、基盤技術の強化、商品の品質向上、新商品の開発などを実施しております。なお、本事業分野における研究開発費は約15億円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

 

 

総資産は、受取手形及び売掛金、有形固定資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ133億53百万円減少し7,217億48百万円となりました。

 

負債は、有利子負債の減少等により、前連結会計年度末に比べ438億65百万円減少し4,719億51百万円となりました。

 

 

純資産は、当期純利益の計上等により、前連結会計年度末に比べ305億12百万円増加し2,497億97百万円となりました。

 

(2) 経営成績の分析

 

売上高は、南陽事業所第二塩化ビニルモノマー製造設備事故の影響軽減及びナフサ等の原燃料価格の上昇に伴う国内販売価格への転嫁並びに為替相場が円安に転じたことによる輸出価格の改善等により、前連結会計年度に比べ1,037億78百万円(15.5%)増加し7,722億72百万円となりました。

 

営業利益は、販売数量増や交易条件の改善等により、前連結会計年度に比べ171億9百万円(69.9%)増加し415億73百万円となりました。

 

経常利益は、塩化ビニルモノマー製造設備停止に係る費用が無くなったものの、受取保険金及び為替差益の減少等により営業外損益が11億81百万円悪化した結果、営業利益の増加分との差し引きで、前連結会計年度に比べ159億28百万円(47.4%)増加し495億8百万円となりました。

 

当期純利益は、税金費用が増加した結果、経常利益の増加分との差し引きで、前連結会計年度に比べ126億96百万円(75.3%)増加し295億64百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

 

キャッシュ・フローの状況については、「業績等の概要」に記載しております。