(1)業績
当連結会計年度における半導体用シリコンウェーハ市場は、年初は在庫調整の影響が残りましたが、春先以降にスマートフォンの高機能化や通信量の増加によるデータセンター向けウェーハ需要が伸長し、強い需要が継続しました。
300mmウェーハは、メモリー向け需要の成長に加え、春先以降はロジック向けの需要も拡大し、需給がひっ迫する状況が続きました。また、200mm以下の小口径ウェーハも、長らく需要減少が続いておりましたが、自動車・産業・通信・IoT等の需要により回復基調に転じました。
一方、円高の進行は、当社グループの業績にも影響を与えました。
このような環境のもと、当社グループでは、「SUMCOビジョン」の方針に基づき、顧客の高精度化要求や製品の差別化に対応した技術開発により顧客でのプレゼンスを高めるとともに、コスト低減による損益分岐点の改善に努めてまいりました。
<SUMCOビジョン>
1.技術で世界一の会社
2.景気下降局面でも赤字にならない会社
3.従業員が活き活きとした利益マインドの高い会社
4.海外市場に強い会社
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は211,361百万円(前年同期比10.8%減)、営業利益は14,046百万円(前年同期比52.3%減)、経常利益は9,919百万円(前年同期比61.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,588百万円(前年同期比66.6%減)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
また、当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ243百万円減少し、45,565百万円となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フローが27,322百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△18,003百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△9,120百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が△442百万円となったことによるものであります。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ4,446百万円減少し、27,322百万円となりました。これは、仕入債務が増加した一方で、税金等調整前当期純利益が減少したこと、及び売上債権が増加したことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ支出が4,586百万円増加し、△18,003百万円となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、△9,120百万円となりました。これは長期借入れによる収入が63,234百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が△49,177百万円、短期借入金の純増減額が△17,796百万円、配当金の支払額が△4,399百万円あったことが主な要因であります。
当社グループの事業は「高純度シリコン」のみの単一セグメントであり、セグメント情報に関連付けては記載しておりません。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
高純度シリコン |
170,206 |
92.9 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当社グループの生産及び販売製品は、大半が受注生産形態をとらないため、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
高純度シリコン |
211,361 |
89.2 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
住友商事株式会社 |
34,931 |
14.7 |
30,767 |
14.6 |
|
Samsung Electronics Co., Ltd. |
- |
- |
22,638 |
10.7 |
(注)前連結会計年度のSamsung Electronics Co., Ltd.に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
足元の半導体ウェーハの需要は旺盛で、特に主力の300㎜ウェーハについては、顧客からの要請に応え切れない状況となっております。加えて、半導体シリコンウェーハ市場は、スマートフォン・車載・通信・産業向け等の需要に支えられ、今後も緩やかな成長が見込まれております。
このような環境のもと、当社グループでは、引き続き「SUMCOビジョン」の方針に基づき、顧客の高精度化要求や製品の差別化に対応した技術開発により顧客でのプレゼンスを高めるとともに、コスト低減による損益分岐点の改善に努めてまいります。また、生産性の向上により、顧客の需要に応えるべく、努力してまいります。
なお、シリコンウェーハの主要原材料である多結晶シリコンにつきましては、市場の急激な変化に伴い、長期購入契約締結時の需要予測と足元の消費見通しに乖離が生じていることにより、現在余剰在庫を保有しており、原材料在庫を含む「原材料及び貯蔵品」の残高は、対前年度末比、172億円増加の1,514億円となっております。
「原材料及び貯蔵品」の残高は、今後、徐々に長期購入契約の期間満了を迎えることから、減少に転じ、中長期的には適正水準に回復する見込みであります。
当社グループは、以下のような事項を当社グループの経営並びに事業遂行上の主要なリスク要因と認識しており、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、これらの要因により、当社グループの事業、経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)事業環境について
当社グループが製造及び販売するシリコンウェーハは、パソコン、スマートフォン、タブレット型端末といった携帯端末、自動車、及びその他民生品を含む各種製品に使用される半導体基板等に用いられることから、半導体やその周辺産業に特徴的な諸要因の影響を受けることがあります。かかる諸要因には、急激な市況悪化、急速な技術革新の進展、製品の陳腐化、製品構成の急速な変化、製品価格の下落、特定顧客との取引の集中とその特定顧客からの受注の大幅な変動、同業他社との競争優位性の変化に伴う当社グループの競争力の変動、及び顧客需要の大きな振幅等があり、これらは当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、主な取引先のある国を含む各国の政治情勢やエネルギーを始めとする資源価格及び電力価格の変動等といった国内外の経済情勢が、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)当社グループの製品について
当社グループの製品が用いられる半導体の価格は、製品の市場投入後は普及による販売数量拡大等の影響もあり、一般的に低下する傾向にあります。当社グループにおいては、量産化による販売数量の拡大や製造工程等における歩留率向上等の合理化を進めることにより、当該製品価格低下を想定した事業計画を策定しておりますが、急激な需給バランスの悪化、その他の事由により想定以上の販売価格低下が生じる場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、上記以外にも、品質の不適合(具体的には、当社グループが顧客に納入した製品について、顧客の要求規格及び仕様等を充足しない場合、または不適合等が生じる場合に重大な品質クレームを引き起こす可能性)、生産性向上の未達成等(具体的には、製品製造工程における歩留率改善等による継続した生産効率の向上が図られない場合の利益の圧迫要因、もしくは製造設備の事故やシステム障害、その他の要因による製造の中断、あるいは大幅な遅延等が生じる場合に、当社グループ全体の生産能力低下や特定製品の供給が困難となる可能性等)が当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)原材料の調達について
シリコンウェーハの主要原材料は、極めて純度の高い多結晶シリコンであり、製造者が限定されていることから、供給不安のリスクがあります。そのため、当社グループは、世界の主要な多結晶シリコンメーカーとの間で、多結晶シリコンメーカーが一定期間に一定の数量を供給し、当社グループが購入する旨の長期購入契約を締結し、原材料の安定調達を図ってまいりましたが、長期購入契約締結時の需要予想と足元の消費見通しに乖離が生じていることから在庫が増加しております。
また、長期購入契約においては、契約期間中の購入価格水準が決められていることから、これらが終了し在庫水準が適正な水準に回復するまでの間は、原材料コスト低減の機会が制約される可能性があります。
原材料在庫を含む「原材料及び貯蔵品」の見通しについては、「3.対処すべき課題」に記載したとおりでありますが、事業環境の著しい変化等により、消費量が変動した場合、あるいは、会計上の対応が必要となる場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)主要製造設備の安定調達について
当社の主要製造設備には、当社と設備機器メーカーとの間で共同開発した両面研磨機等、他メーカーへの切り替えができない設備があります。これらの円滑な調達が困難な場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)顧客及びサプライヤーに係るリスク(経営破綻・操業停止等)について
当社グループは、顧客の与信管理には万全を期しておりますが、仮に顧客が倒産し、多額の売上債権が回収不能となる場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は諸資材の調達については、複数のメーカーと契約及び在庫の積み上げ等、調達途絶リスクを回避する施策を講じておりますが、経済環境の急激な変動、自然災害及び設備事故等によるサプライヤーの操業停止あるいは倒産等により、諸資材等の調達に支障を来たす場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)設備投資について
当社グループは中長期的な需要予測に基づいて設備投資を実施しておりますが、経済動向や半導体業界を取り巻く環境の変化により、需要予測に大幅な変化が生じる場合には、当社グループの事業展開、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)資金調達について
当社グループのシンジケート・ローン契約等につきましては、財政状況の著しい悪化により、その財務制限条項に抵触し、当該借入金について返還請求を受け期限の利益を失った場合には、当社グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。
また、金利水準や市場環境等の要因により当社グループが希望する時期または条件により資金調達が実行できない場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)技術及び研究開発について
半導体業界は、急速な技術革新が進む業界であり、半導体の高集積化、細密化や半導体用途の多様化、高精度化及び生産効率の向上等、当社グループのシリコンウェーハに対して顧客より要求される各種技術は多岐に亘り、かつ、高度化しております。当社グループは、かかる顧客からの要求に応えるため、中長期的に需要の拡大が見込まれる300mmウェーハに関する技術、品種別ではエピタキシャルウェーハ等の高付加価値ウェーハ関連技術、さらに、次世代ウェーハ製品の関連技術等に重点をおいた研究開発活動を行っております。
しかしながら、業界における技術進歩への対応に支障が生じ、顧客の要求に適合することが困難となり、研究開発活動が想定した効果を得られない場合や、他社に比べ技術開発が遅れた場合には、当社グループの事業展開、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9)知的財産権について
当社グループは、シリコンウェーハ業界において競合他社に対抗していくためには、特許権その他の知的財産権の確保が非常に重要であると認識しており、国内外において出願中のものを含めて多数の特許を保有しております。
また、当社グループが保有する特許技術は、欠陥を高度に制御した結晶、高精度の研磨、高品質のエピタキシャルウェーハ等多岐に亘りますが、高度化する技術要求に対応して行われる日々の開発活動からの成果についても、積極的に特許化を進めております。
しかしながら、当社グループが認識しない第三者の特許が既に成立している場合において、当該第三者より知的財産権を侵害しているとの事由により、使用差止及び損害賠償等の訴えを起こされる場合、当社グループの事業展開、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10)海外展開について
当社グループは、全世界の主要な半導体メーカー等に対してシリコンウェーハを供給しておりますが、生産・販売活動については、日本国内に加えて、北米、欧州及びアジアにそれぞれ拠点を設置し事業を展開しております。当社グループのこれらの生産・販売活動には、各国及び各地域等の経済情勢、政治情勢、法規制、税制、為替規制等の変化による影響や、現地での紛争、テロや災害の発生、感染症の流行、社会・労働慣行の相違、社会的インフラの未整備等による影響を受ける可能性があります。
(11)為替相場の変動について
当社グループは、製品の輸出等において外貨建て取引を行っており、また、連結財務諸表を作成するにあたって海外連結子会社の財務諸表を円換算していることから、為替相場の変動は当社グループの経営成績、財務状態等に 影響を及ぼす可能性があります。
(12)環境規制等について
当社グループの事業は、主に製造拠点において、エネルギーの使用、排気、排水、有害化学物質の使用及び保管、産業廃棄物の廃棄、土壌及び地下水の汚染の検査及び浄化等、環境に関する多くの国内外の法的規制を受けており、これらの規制に基づき一定の費用負担や賠償義務その他法的責任が生じる可能性があります。また、近年においては、一般的にこれら環境等に関する規制は強化される傾向にあります。今後において環境等に関する新たな国内外の法規制等が制定される可能性は否定できず、そのような場合、当社グループにおいて、これら法規制等への対応のために新たな費用負担等が生じることが予想され、当社グループの事業展開、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(13)自然災害、事故等のリスクについて
当社グループの各製造拠点において、台風、豪雨、地震、津波または火山活動等の自然災害や、事故、火災、テロ等により、生産の停止、設備の損壊や給水・電力供給の制限等の不測の事態が発生する場合には、当社グループの事業展開、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
特に、当社グループの主力商品である300mmウェーハの加工工程を有する製造拠点が、上記の自然災害、事故、火災等に見舞われる場合、300mmウェーハの製造・販売に支障を来たし、当社グループの事業展開、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(14)企業買収に関するリスクについて
当社は、企業買収の実施にあたり、当該企業の財務内容等についてデューデリジェンスを行い、事前にリスク回避するように努めておりますが、事業環境の急激な変化等、不測の事態が生じる場合、当社グループの事業展開、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(15)上記以外のリスクについて
当社グループは、事業環境の変化等により、以下のような事態が生じる場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼすことがあります。
①事業環境の大幅な変化により事業及び組織の再構築等が必要となる事態が生じる場合。
②退職給付債務に関して、今後当社の年金資産の時価の下落、運用利回りの低下、または退職給付債務を計算する数理計算上の前提条件の大幅な変化が生じる場合。
③経済環境の変化等により、収益が悪化し、または将来の収益の見積りが大幅に変動する等により、会計上の対応が必要となる場合。
④当社グループの事業に必要な人材を確保できない場合。
⑤当社グループの製品の不具合等に起因する争訟やその他の争訟が生じた場合。
⑥内部統制が有効に機能しない事態が生じる場合。
(1)当社グループは、シリコンウェーハの主要原材料である多結晶シリコンを世界の主要な多結晶シリコンメーカーから調達しておりますが、その一部において、多結晶シリコンメーカーが一定期間に一定の数量を供給し、当社グループが購入する旨の長期購入契約を締結しております。
(2)SUMCO TECHXIV株式会社は、FORMOSA SUMCO TECHNOLOGY CORPORATIONを合弁会社として運営する旨の契約を、平成7年8月4日付で、FORMOSA PLASTICS CORPORATION及びASIA PACIFIC INVESTMENT CO.との間で締結しております。
当社グループは、顧客の視点に立って価値ある創造と差別化を推し進め、競争優位性を高めることにより、顧客に対して付加価値の高い製品を提案していくことを基本方針としており、次世代のニーズを先取りして半導体基板の技術開発を進めるとともに、量産品の品質改善及び収益向上のための300mmを中心としたコスト合理化も引き続き取り組んでおります。
当連結会計年度は、以下を開発方針として、『技術で世界一の会社』を目指して研究開発活動を進めてまいりました。
①顧客やサプライヤーとの開発方針共有化による技術力優位性の維持・確保と先進性の取り込み強化
②品質工学の深化と定着化及びそれをベースにしたビッグデータの活用と各種業務の効率化とスピードアップ
③効率的かつ合理的な改善・開発活動能力の向上
④顧客満足度向上活動の強化
なお、将来技術の開発項目に関しましては、当社グループのリソース以外にも、委託研究または共同研究という形で外部機関を活用した取り組みを継続しております。
当連結会計年度の研究開発費総額は、5,630百万円であり、連結売上高の2.7%であります。
なお、当社グループの事業は「高純度シリコン」のみの単一セグメントであり、セグメント情報に関連付けては記載しておりません。
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析にかかる以下の記載内容は、原則として当社グループの連結財務諸表に基づいて分析したものであります。
なお、文中の将来に関する記載事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。これらの将来に関する記載事項には不確実性が内在しており、「4.事業等のリスク」等に記載された内容を含む様々な要因により、実際の結果と異なる可能性があります。
また、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「少数株主利益」を「非支配株主に帰属する当期純利益」、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
1.重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成において、資産・負債及び収益・費用の状況に影響を与える見積り及び判断は、過去の実績やその時点において入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮したうえで行なっておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用している会計方針のうち、特に次の会計方針及び見積りが連結財務諸表に重要な影響を及ぼす事項であると考えております。
(1)たな卸資産
当社グループは、主として、総平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)により評価しております。在庫が増加する中で、予期しない市場価格の下落、需要の悪化等の結果、期末における正味売却価額が帳簿価額よりも下落している場合や滞留及び陳腐化した場合には、多額のたな卸資産評価損が発生する可能性があります。
(2)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産のうち、将来において実現が見込めない部分については評価性引当額を計上しております。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りに依拠します。将来の課税所得が経済環境の変化等により予想された金額と乖離した場合には、繰延税金資産の金額は調整される可能性があります。
(3)固定資産の減損会計の適用
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準(企業会計審議会 平成14年8月9日)」及び企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針(企業会計基準委員会 平成15年10月31日)」を適用しております。経済環境の著しい悪化等により営業収益が大幅に低下する場合等には、減損損失が発生する可能性があります。
(4)退職一時金と退職年金
退職給付債務は年金数理計算に使用される前提条件に基づいて算定しております。前提条件には、割引率、長期期待運用収益率、予想昇給率等が含まれております。これらの前提条件は直近の統計数値に基づいて算出され、毎期見直しを行なっております。前提条件と実際の結果が異なる場合、又は前提条件を変更した場合、将来の退職給付債務に影響を及ぼします。
2.財政状態の分析
(1)流動資産
当連結会計年度末の流動資産残高は、前連結会計年度末に比べ16,200百万円増加し、275,019百万円となりました。原材料及び貯蔵品が17,185百万円増加したことがその主な要因であります。
(2)固定資産
当連結会計年度末の固定資産残高は、前連結会計年度末に比べ12,799百万円減少し、218,224百万円となりました。長期前渡金が3,338百万円減少したこと、及び償却の進行等により有形固定資産が7,813百万円減少したことがその主な要因であります。
(3)流動負債
当連結会計年度末の流動負債残高は、前連結会計年度末に比べ6,358百万円減少し、105,191百万円となりました。支払手形及び買掛金が4,879百万円増加した一方で、短期借入金が14,388百万円減少したことがその主な要因であります。
(4)固定負債
当連結会計年度末の固定負債残高は、前連結会計年度末に比べ11,464百万円増加し、145,215百万円となりました。長期借入金が10,649百万円増加したことがその主な要因であります。
(5)純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,704百万円減少し、242,836百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が2,188百万円増加した一方で、繰延ヘッジ損益が2,483百万円減少したこと、及び為替換算調整勘定が1,516百万円減少したことがその主な要因であります。
3.経営成績の分析
(1)売上高
当連結会計年度における半導体用シリコンウェーハ市場は、年初は在庫調整の影響が残りましたが、春先以降にスマートフォンの高機能化や通信量の増加によるデータセンター向けウェーハ需要が伸長し、強い需要が継続しました。一方、円高の進行は、当社グループの業績にも影響を与えました。これらにより、当社グループの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度の売上高236,826百万円に比べ、金額で25,464百万円、率で10.8%減少し、211,361百万円となりました。
(2)売上原価、販売費及び一般管理費
当社グループでは、「SUMCOビジョン」の方針に基づき、顧客の高精度化要求や製品の差別化に対応した技術開発により顧客でのプレゼンスを高めるとともに、コスト低減による損益分岐点の改善に努めてまいりました。これらにより、売上原価は、前連結会計年度の182,272百万円に対し、当連結会計年度は173,092百万円になりました。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の25,106百万円に対して、当連結会計年度は24,222百万円となりました。
(3)営業利益
以上の結果、営業利益は、前連結会計年度の29,447百万円に比べ15,401百万円、率で52.3%減少し、14,046百万円となりました。
(4)営業外損益
営業外収益は、前連結会計年度の952百万円に対して、当連結会計年度は642百万円となりました。
営業外費用は、前連結会計年度の4,861百万円に対して、当連結会計年度は4,769百万円となりました。
(5)経常利益
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度の25,538百万円に比べ15,618百万円、率で61.2%減少し、9,919百万円となりました。
(6)親会社株主に帰属する当期純利益
以上に加え、法人税等1,144百万円及び非支配株主に帰属する当期純利益2,187百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度の19,747百万円に比べ13,159百万円、率で66.6%減少し、6,588百万円となりました。
4.資本の財源及び資金の流動性についての分析
「1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
5.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループでは、以下の「SUMCOビジョン」を策定し、その実現に向けて、引き続き従業員と一体となって取り組んでまいる所存であります。
1.技術で世界一の会社
2.景気下降局面でも赤字にならない会社
3.従業員が活き活きとした利益マインドの高い会社
4.海外市場に強い会社
なお、シリコンウェーハの主要原材料である多結晶シリコンにつきましては、現在余剰在庫を保有しておりますが、中長期的には適正水準に回復する見込みであります。詳細につきましては、「3.対処すべき課題」をご参照ください。