(1)業績
当連結会計年度における半導体用シリコンウェーハ市場は、好調に推移しました。例年第4四半期以降翌年明けまでの半導体用シリコンウェーハ市場は、季節変動による調整時期となることから、市場の軟化を想定しておりました。しかしながら、最終製品の需要が強く半導体顧客の生産が好調だったことから、第4四半期は大きな季節変動もなく、第2四半期以降の好調な需要が継続しました。
300mmシリコンウェーハは、スマートフォン向け需要に加え、パソコン販売の底打ちやデータセンター向け需要に下支えされ、好調に推移しました。
また、200mm以下の小口径ウェーハについては、民生・産業向けの一部で緩やかな調整がありましたが、総じて好調に推移しました。
このような環境のもと、当社グループでは、引き続き「SUMCOビジョン」の方針に基づき、顧客の高精度化要求や製品の差別化に対応した技術開発により顧客でのプレゼンスを高めるとともに、コスト低減による損益分岐点の改善に努めてまいりました。
<SUMCOビジョン>
1.技術で世界一の会社
2.景気下降局面でも赤字にならない会社
3.従業員が活き活きとした利益マインドの高い会社
4.海外市場に強い会社
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は225,319百万円、営業利益は25,642百万円、経常利益は21,926百万円、当期純利益は16,289百万円となりました。
なお、当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,853百万円増加し、65,716百万円となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フローが29,845百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△9,814百万円、及び財務活動によるキャッシュ・フローが△19,741百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が2,525百万円となったこと等によるものであります。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ27,504百万円増加し、29,845百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益が改善改善されたこと、また、売掛金及びたな卸資産の増減が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ支出が1,078百万円増加し、△9,814百万円となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動キャッシュ・フローは、△19,741百万円となりました。これは長期借入れによる収入が66,900百万円あった一方、長期借入金の返済による支出が△57,505百万円、短期借入金の純増減額が△25,181百万円あったことが主な要因であります。
また、前連結会計年度は決算期変更により平成25年2月1日から平成25年12月31日までの11ヶ月決算となったため、当連結会計年度の業績に関する前年同期との比較分析は行っておりません。(「2 生産、受注及び販売の状況」及び「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」においても同じ。)
当社グループの事業は「高純度シリコン」のみの単一セグメントであり、セグメント情報に関連付けては記載しておりません。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成26年1月1日 至 平成26年12月31日) |
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
高純度シリコン |
175,939 |
- |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前連結会計年度は決算期変更に伴い11ヶ月決算となっておりますので、前年同期比は記載しておりません。
(2)受注状況
当社グループの生産及び販売製品は、大半が受注生産形態をとらないため、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成26年1月1日 至 平成26年12月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
高純度シリコン |
225,319 |
- |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前連結会計年度は決算期変更に伴い11ヶ月決算となっておりますので、前年同期比は記載しておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成25年2月1日 至 平成25年12月31日) |
当連結会計年度 (自 平成26年1月1日 至 平成26年12月31日) |
||
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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住友商事株式会社 |
19,690 |
10.6 |
31,382 |
13.9 |
|
Samsung Electronics Co., Ltd. |
20,884 |
11.3 |
- |
- |
(注)当連結会計年度のSamsung Electronics Co., Ltd.に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(1)新中期経営戦略について
①新中期経営戦略の背景
当社グループでは平成24年度に開始した事業再生計画に基づき、ソーラー用シリコンウェーハ事業からの撤退、半導体用シリコンウェーハ事業の生産拠点の再編と集約並びに生産体制再構築に伴う要員体制の見直し等の諸施策を着実に実施し、固定費の圧縮及び収益力の強化に努めてまいりました。また、「SUMCOビジョン」に基づき、製品の差別化のための技術開発とコスト削減を行い、市場環境の急変に柔軟に対応できる体質変革を行ってまいりました。その結果、直近3決算期においては連結当期純利益の黒字を達成しており、当社グループは業界内でも高い技術力と収益性を持つポジションを獲得するに至ったものと認識しております。
他方、当社グループを取り巻く市場環境については、多様なアプリケーションに牽引され、半導体デバイス市場は堅調に成長を続けており、それに伴いウェーハ市場も力強く成長するとともに、高精度品を中心に需給タイト化に伴う価格改善に向けた環境が整いつつあると認識しております。かかる状況を踏まえて、当社グループは、新たな成長ステージの指針となる新中期経営戦略を策定いたしました。
②新中期経営戦略について
ア)事業/投資戦略
特に重要となる設備投資戦略について、まず、第一フェーズとして、足元の需給環境及び当社グループの高い技術力を背景に、本格的な価格改善・価格正常化の実現を目指すとともに、300mm向け次世代高精度対応・開発装置の導入等、高精度品対応のための適切な設備投資を実施し、更なる競争力の強化による利益率向上を目指します。
次に、第二フェーズとして、あくまで十分な価格改善・価格正常化を前提に、適切な需給バランスの維持に最大限配慮しながら、時機を捉えた規律ある設備投資を実施いたします。また、機動的な設備投資の対応を目指し、価格改善後は、徐々に投資効率の高いボトルネック解消投資を進めて参ります。更に顧客からのニーズに応じ、かつ十分な投資対効果が期待できる場合は増産投資も検討いたします。それにより、品質・数量ともに顧客の意向に沿った生産・納入を果たすことで顧客との関係をより強固なものにし、収益力・シェアともに一段と強固なポジションを確立することで、更なる利益成長を目指します。
イ)財務戦略
前述の事業/投資戦略を支えるために、資本増強・資本再構築プラン(その詳細は後記「(2)資本増強・資本再構築プランについて」)をご参照ください。)を実行し、規律ある成長投資及び柔軟な株主還元が実施可能な財務体質を構築することにより、今後は利益の積上げを基に更に財務健全性の強化を図る所存です。
ウ)財務目標
当社グループは、持続可能な利益成長を念頭に、業況悪化時においても利益確保、好況期においては直近期の実績を大きく上回るROEの実現を目指します。また、シリコンウェーハ事業の高いボラティリティも踏まえ財務健全性を更に高め、自己資本比率で50%以上、D/Eレシオで0.5倍以下の財務体質確保を目標にするとともに、今後の利益状況に応じ、柔軟かつ積極的な株主還元の実施を目指します。
(2)資本増強・資本再構築プランについて
①資本増強・資本再構築プランの背景及び目的
「(1)①新中期経営戦略の背景」に記載のとおり、当社グループは、事業再生計画に織込んだ諸施策を確実に実行し、平成26年12月期においては連結営業利益率11%を超える業界内でも高い収益性の確立を実現したと自負しておりますが、半導体用シリコンウェーハ需要が事業再生計画策定時の想定よりも弱かったことから、財務体質は想定どおりの改善までには至りませんでした。一方、事業再生計画策定時に発行したA種種類株式については、金銭及びB種種類株式を対価とする取得請求権の行使可能期間が本年5月から開始されるため、今後随時種類株主が取得請求権を行使し、資本及び現預金が減少することが見込まれております。このような現状を踏まえ、前述のとおり好調な事業環境において当社グループの成長機会の広がりを認識する中、「(1)②新中期経営戦略について」に記載の事業/投資戦略の実行を支えるため、優先配当負担があり、かつ今後随時取得請求を受けるであろう種類株式から安定的な資本である普通株式に入れ替えるとともに更なる資本増強を図ることで、①財務基盤を強化し規律ある成長投資が実施可能な体制を整え、②柔軟な株主還元を実現する基盤を構築することが、当社グループの中長期的な利益成長の礎となり、ひいては当社普通株式の株式価値向上に資するものと判断いたしました。
②資本増強・資本再構築プランの内容
当社は、資本増強・資本再構築プラン(以下「本プラン」といいます。)を実施するため、A種種類株主3者との間で、平成27年3月3日付で種類株式の処理に関する覚書(以下「本覚書」といいます。)を締結いたしました。本覚書に従い、当社は、A種種類株式の処理並びにA種種類株主3者による金銭及びB種種類株式を対価とするA種種類株式に係る取得請求権の行使に伴いA種種類株主3者に交付するB種種類株式の処理に向けた手続を行う予定です。本プラン及び本覚書の主な内容は以下のとおりです。
ア)普通株式の希薄化の回避
普通株式の希薄化を回避するため、当社は、下記イ)及びウ)記載の手続に従いA種種類株式及びB種種類株式の全てを取得する予定であり、A種種類株式及びB種種類株式にそれぞれ付された普通株式を対価とする取得請求権は、A種種類株主3者により行使されません。これにより、当社が平成24年5月11日に発行しましたA種種類株式は、普通株式に転換されることなく、下記イ)及びウ)記載の手続に従い、金銭を最終的な対価としてその全数を取得し、その後速やかに消却することになります。
イ)A種種類株式の取得
(ア)金銭及びB種種類株式を対価とする取得請求権の行使①
A種種類株主3者は、当社の既存の分配可能額の範囲内で、平成27年5月11日に、その保有するA種種類株式各150株(合計450株)のうち各50株(合計150株)について、金銭(1株につき1億円及び定款所定の経過A種配当金相当額)及びB種種類株式(A種種類株式1株につき、1株)を対価とする取得請求権を行使します(以下「本行使①」といいます。)。
(イ)金銭及びB種種類株式を対価とする取得請求権の行使②
当社は、600億円を発行予定額の上限とする発行登録書を平成27年3月3日付で提出しており、発行登録の効力発生予定日から1年を経過する日まで(平成27年3月11日から平成28年3月10日)の間に、当社普通株式の公募増資(以下「本公募増資」といいます。)を行うことを予定しております。本公募増資による手取金の額のうち300億円をA種種類株式取得資金とし、その残額を設備投資資金、投融資資金及び借入金の返済資金に充当する予定です。但し、本公募増資の具体的な発行時期、発行方法、発行条件及び発行総額等は未定であり、当社において市場動向等を総合的に勘案の上で決定します。
当社が本公募増資を行うことを決定し、その後本公募増資の払込みが完了した場合には、当社は、本公募増資の払込期日と同日付にて、発行登録書に記載の発行予定額(600億円)を上限として、本公募増資により増加する資本金及び資本準備金の額を減少させ、その他資本剰余金に振り替える予定です(かかる資本金及び資本準備金の額の減少を以下「本減資・減準備金」といいます。)。
当社が本減資・減準備金を完了した場合、これにより増加するその他資本剰余金により、当社は、A種種類株式の取得請求に備え、分配可能額を確保します。A種種類株主3者は、本減資・減準備金の効力発生日又は平成27年5月11日のいずれか遅い日に、その保有する全てのA種種類株式(本行使①に係るA種種類株式150株を除いた残りの300株)について、金銭(1株につき1億円及び定款所定の経過A種配当金相当額)及びB種種類株式(A種種類株式1株につき、1株)を対価とする取得請求権を行使します(以下「本行使②」といいます。)。
ウ)B種種類株式の取得
(ア)資本準備金の額の減少
当社は、本行使①及び本行使②に際して交付されるB種種類株式について、B種種類株式の当社普通株式を対価とする取得請求権が行使された場合に発生する当社普通株式の希薄化を回避する目的で、法令上必要となる手続を経て、下記(イ)及び(ウ)に記載の内容で、その全てを会社法上の自己株式取得の方法により取得する方針です。
また当社は、かかる当社普通株式の希薄化を回避するためのB種種類株式の取得に充てる分配可能額を確保することを目的として、平成27年4月14日を効力発生日として、90億円の資本準備金の額の減少を行い、同額をその他資本剰余金に振り替えることといたしたいと存じます。
(イ)本行使①に係るB種種類株式の取得
当社は、B種種類株式150株を、本行使①が行われる日である平成27年5月11日に、総額30億円(1株につき2,000万円)を対価として取得する予定です(以下「本自己株式取得①」といいます。)。これにより、本行使①によりA種種類株主に交付されるB種種類株式150株は、同日付で、全て当社により取得されることとなり、当該B種種類株式の当社普通株式を対価とする取得請求権が行使されることはありません。
(ウ)本行使②に係るB種種類株式の取得
当社は、B種種類株式300株を、本行使②がなされた日に、総額60億円(1株につき2,000万円)を対価として取得する予定です(以下「本自己株式取得②」といいます。)。これにより、本行使②によりA種種類株主に交付されるB種種類株式300株は、同日付で、全て当社により取得されることとなり、当該B種種類株式の当社普通株式を対価とする取得請求権が行使されることはありません。
エ)本自己株式取得①又は本自己株式取得②が予定通りに完了しない場合の対応
本覚書締結後、(ⅰ)各A種種類株主3者による本行使①が行われたにも拘わらず、当該各A種種類株主3者について本自己株式取得①が平成27年5月11日に完了しない場合又は(ⅱ)各A種種類株主3者による本行使②が行われたにも拘わらず、当該各A種種類株主3者について本自己株式取得②が本行使②の効力発生日に完了しない場合、若しくは本自己株式取得②が平成28年3月10日までに完了しない場合(但し、本減資・減準備金の効力発生日が平成27年5月11日以前の場合には、本自己株式取得②が平成27年5月11日までに完了しない場合)、当該各A種種類株主3者と他の本覚書の当事者との関係において、本覚書は、同日の経過をもって効力を失います。但し、当社及びA種種類株主3者は、他の本覚書の当事者より種類株式の発行会社による取得及び種類株主による取得請求権の行使の時期の調整を含む本覚書の変更に関する申し出があった場合には、かかる本覚書の変更について合意を形成するよう誠実に協議します。かかる協議に際し、当社及びA種種類株主3者は、既存株主の皆様の希薄化に対する懸念に配慮する方針をもって協議を進めるものとします。
オ)取得したA種種類株式及びB種種類株式の消却
本行使①及び本行使②により取得したA種種類株式並びに本自己株式取得①及び本自己株式取得②により取得したB種種類株式は、その後、速やかに消却することを予定しています。
(3)原材料在庫について
シリコンウェーハの主要原材料である多結晶シリコンにつきましては、長期購入契約締結時の需要予測と足元の消費見通しに乖離が生じていることにより、現在余剰在庫を保有しており、原材料在庫を含む「原材料及び貯蔵品」の残高は、対前年度末比、63億円増加の1,220億円となっております。
「原材料及び貯蔵品」の残高は、平成27年12月期期末には、おおよそ1,300億円強まで増加する見込みでありますが、今後、徐々に長期購入契約の契約期間満了を迎えることから、毎年の増加額は漸減傾向にあり、平成28年度頃にピークを迎えた後、減少に転ずる見通しであります。
中長期的には適正水準に回復する見込みでありますが、今後も原材料在庫の適正水準への早期回復に向けて、努力してまいります。
当社グループは、以下のような事項を当社グループの経営並びに事業遂行上の主要なリスク要因と認識しており、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、これらの要因により、当社グループの事業、経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)事業環境について
当社グループが製造及び販売するシリコンウェーハは、パソコン、スマートフォン、タブレット型端末といった携帯端末、自動車、及びその他民生品を含む各種製品に使用される半導体基板等に用いられることから、半導体やその周辺産業に特徴的な諸要因の影響を受けることがあります。かかる諸要因には、急激な市況悪化、急速な技術革新の進展、製品の陳腐化、製品構成の急速な変化、製品価格の下落、特定顧客との取引の集中とその特定顧客からの受注の大幅な変動、同業他社との競争優位性の変化に伴う当社グループの競争力の変動、及び顧客需要の大きな振幅等があり、これらは当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、主な取引先のある国を含む各国の政治情勢やエネルギーを始めとする資源価格及び電力価格の変動等といった国内外の経済情勢が、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)当社グループの製品について
当社グループの製品が用いられる半導体の価格は、製品の市場投入後は普及による販売数量拡大等の影響もあり、一般的に低下する傾向にあります。当社グループにおいては、量産化による販売数量の拡大や製造工程等における歩留率向上等の合理化を進めることにより、当該製品価格低下を想定した事業計画を策定しておりますが、急激な需給バランスの悪化、その他の事由により想定以上の販売価格低下が生じる場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、上記以外にも、品質の不適合(具体的には、当社グループが顧客に納入した製品について、顧客の要求規格及び仕様等を充足しない場合、または不適合等が生じる場合に重大な品質クレームを引き起こす可能性)、生産性向上の未達成等(具体的には、製品製造工程における歩留率改善等による継続した生産効率の向上が図られない場合の利益の圧迫要因、もしくは製造設備の事故やシステム障害、その他の要因による製造の中断、あるいは大幅な遅延等が生じる場合に、当社グループ全体の生産能力低下や特定製品の供給が困難となる可能性等)が当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)原材料の調達について
シリコンウェーハの主要原材料は、極めて純度の高い多結晶シリコンであり、製造者が限定されていることから、供給不安のリスクがあります。そのため、当社グループは、世界の主要な多結晶シリコンメーカーとの間で、多結晶シリコンメーカーが一定期間に一定の数量を供給し、当社グループが購入する旨の長期購入契約を締結し、原材料の安定調達を図ってまいりましたが、長期購入契約締結時の需要予想と足元の消費見通しに乖離が生じていることから在庫が増加しております。
また、長期購入契約においては、契約期間中の購入価格水準が決められていることから、これらが終了し在庫水準が適正な水準に回復するまでの間は原材料コスト低減の機会が制約される可能性があります。
原材料在庫を含む「原材料及び貯蔵品」の増加見通しについては、「対処すべき課題」に記載したとおりでありますが、事業環境の著しい変化等により、消費量が変動した場合、あるいは、会計上の対応が必要となる場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)主要製造設備の安定調達について
当社の主要製造設備には、当社と設備機器メーカーとの間で共同開発した両面研磨機等、他メーカーへの切り替えができない設備があります。これらの円滑な調達が困難な場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)顧客及びサプライヤーに係るリスク(経営破綻・操業停止等)について
当社グループは、顧客の与信管理には万全を期しておりますが、仮に顧客が倒産し、多額の売上債権が回収不能となる場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は諸資材の調達については、複数のメーカーと契約する等、調達途絶リスクを回避する施策を講じておりますが、経済環境の急激な悪化やサプライヤーの設備事故等による操業停止あるいは倒産等により、諸資材等の調達に支障を来たす場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)設備投資について
当社グループは中長期的な需要予測に基づいて設備投資を実施しておりますが、経済動向や半導体業界を取り巻く環境の変化により、需要予測に大幅な変化が生じる場合には、当社グループの事業展開、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)資金調達について
当社グループのシンジケート・ローン契約等につきましては、財政状況の著しい悪化により、その財務制限条項に抵触し、当該借入金について返還請求を受け期限の利益を失った場合には、当社グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。
また、金利水準や市場環境等の要因により当社グループが希望する時期または条件により資金調達が実行できない場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)技術及び研究開発について
半導体業界は、急速な技術革新が進む業界であり、半導体の高集積化、細密化や半導体用途の多様化、高精度化及び生産効率の向上等、当社グループのシリコンウェーハに対して顧客より要求される各種技術は多岐に亘り、かつ、高度化しております。当社グループは、かかる顧客からの要求に応えるため、中長期的に需要の拡大が見込まれる300mmウェーハに関する技術、品種別ではエピタキシャルウェーハやアニールウェーハ等の高付加価値ウェーハ関連技術、さらに、次世代ウェーハ製品の関連技術等に重点をおいた研究開発活動を行っております。
しかしながら、業界における技術進歩への対応に支障が生じ、顧客の要求に適合することが困難となり、研究開発活動が想定した効果を得られない場合や、他社に比べ技術開発が遅れた場合には、当社グループの事業展開、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9)知的財産権について
当社グループは、シリコンウェーハ業界において競合他社に対抗していくためには、特許権その他の知的財産権の確保が非常に重要であると認識しており、国内外において出願中のものを含めて多数の特許を保有しております。
また、当社グループは、大重量結晶の製造、無欠陥結晶、高精度の両面研磨技術等に関する基本特許を保持しておりますが、さらに、これら特許から発展した技術及び周辺技術についても特許の出願を進めております。
しかしながら、当社グループが認識しない第三者の特許が既に成立している場合において、当該第三者より知的財産権を侵害しているとの事由により、使用差止及び損害賠償等の訴えを起こされる場合、当社グループの事業展開、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10)海外展開について
当社グループは、全世界の主要な半導体メーカー等に対してシリコンウェーハを供給しておりますが、生産・販売活動については、日本国内に加えて、北米、欧州及びアジアにそれぞれ拠点を設置し事業を展開しております。当社グループのこれらの生産・販売活動には、為替変動リスクがあるほか、各国及び各地域等の経済情勢、政治情勢、法規制、税制、為替規制等の変化による影響や、現地での紛争、テロや災害の発生、感染症の流行、社会・労働慣行の相違、社会的インフラの未整備等による影響を受ける可能性があります。
(11)環境規制等について
当社グループの事業は、主に製造拠点において、エネルギーの使用、排気、排水、有害化学物質の使用及び保管、産業廃棄物の廃棄、土壌及び地下水の汚染の検査及び浄化等、環境に関する多くの国内外の法的規制を受けており、これらの規制に基づき一定の費用負担や賠償義務その他法的責任が生じる可能性があります。また、近年においては、一般的にこれら環境等に関する規制は強化される傾向にあります。今後において環境等に関する新たな国内外の法規制等が制定される可能性は否定できず、そのような場合、当社グループにおいて、これら法規制等への対応のために新たな費用負担等が生じることが予想され、当社グループの事業展開、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(12)自然災害、事故等のリスクについて
当社グループの各製造拠点において、台風、豪雨、地震、津波または火山活動等の自然災害や、事故、火災、テロ等により、生産の停止、設備の損壊や給水・電力供給の制限等の不測の事態が発生する場合には、当社グループの事業展開、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
特に、当社グループの主力商品である300mmウェーハの加工工程を有する製造拠点が、上記の自然災害、事故、火災等に見舞われる場合、300mmウェーハの製造・販売に支障を来たし、当社グループの事業展開、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(13)企業買収に関するリスクについて
当社は、企業買収の実施にあたり、当該企業の財務内容等についてデューデリジェンスを行い、事前にリスク回避するように努めておりますが、事業環境の急激な変化等、不測の事態が生じる場合、当社グループの事業展開、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(14)上記以外のリスクについて
当社グループは、事業環境の変化等により、以下のような事態が生じる場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼすことがあります。
①事業環境の大幅な変化により事業及び組織の再構築等が必要となる事態が生じる場合。
②退職給付債務に関して、今後当社の年金資産の時価の下落、運用利回りの低下、または退職給付債務を計算する数理計算上の前提条件の大幅な変化が生じる場合。
③経済環境の変化等により、収益が悪化し、または将来の収益の見積りが大幅に変動する等により、会計上の対応が必要となる場合。
④当社グループの事業に必要な人材を確保できない場合。
⑤当社グループの製品の不具合等に起因する争訟やその他の争訟が生じた場合。
(1)当社は、住友金属工業株式会社(現 新日鐵住金株式会社)、三菱マテリアル株式会社及びジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第壱号投資事業有限責任組合に対して第三者割当によるA種種類株式を発行すること、及び割当先がA種種類株式を引受けることに関する引受契約を、平成24年3月8日付で、割当先3社との間で締結いたしました。当該A種種類株式発行による資金調達の額は450億円であり、平成24年5月11日に払込手続が完了しております。なお、当該A種種類株式の内容は、「第4 提出会社の状況」の「1.株式等の状況」のうち、「(1)株式の総数等」の「② 発行済株式」に記載のとおりであります。また、当社は、種類株式の処理に関する覚書を、平成27年3月3日付で、上記割当先3社との間で締結いたしました。当該種類株式の処理に関する覚書の概要は、上記「対処すべき課題」のうち「(2)資本増強・資本再構築プランについて」に記載のとおりであります。
(2)当社グループは、シリコンウェーハの主要原材料である多結晶シリコンを世界の主要な多結晶シリコンメーカーから調達しておりますが、その一部において、多結晶シリコンメーカーが一定期間に一定の数量を供給し、当社グループが購入する旨の長期購入契約を締結しております。
(3)SUMCO TECHXIV株式会社は、FORMOSA SUMCO TECHNOLOGY CORPORATIONを合弁会社として運営する旨の契約を、平成7年8月4日付で、FORMOSA PLASTICS CORPORATION及びASIA PACIFIC INVESTMENT CO.との間で締結しております。なお、FORMOSA SUMCO TECHNOLOGY CORPORATIONに対する出資比率は以下のとおりであります。
SUMCO TECHXIV株式会社 49%
FORMOSA PLASTICS CORPORATION 29%
ASIA PACIFIC INVESTMENT CO. 17%
その他 5%
当社グループは、顧客の視点に立って価値ある創造と技術的な差別化を推し進め、競争優位性を高めることにより、顧客に対して付加価値の高い製品を提案していくことを基本方針としており、次世代のニーズを先取りして半導体基板の技術開発を進めるとともに、量産品の品質改善及び収益向上のためのコスト合理化も引き続き取り組んでおります。
当連結会計年度は、「次世代を視野に入れた微細化対応技術開発推進、プロセス設計能力と開発スピードの向上、高収益製品競争力強化の継続、海外顧客を中心とする技術交流の強化」を開発方針として、『技術で世界一の会社』を目指して研究開発活動を進めてまいりました。
なお、将来技術の開発項目に関しましては、当社グループのリソース以外にも、委託研究または共同研究という形で外部機関を活用して取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費総額は、5,168百万円であり、連結売上高の2.3%であります。
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析にかかる以下の記載内容は、原則として当社グループの連結財務諸表に基づいて分析したものであります。
なお、文中の将来に関する記載事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。これらの将来に関する記載事項には不確実性が内在しており、「第2 事業の状況 4.事業等のリスク」等に記載された内容を含む様々な要因により、実際の結果と異なる可能性があります。
1.重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成において、資産・負債及び収益・費用の状況に影響を与える見積り及び判断は、過去の実績やその時点において入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮したうえで行なっておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用している会計方針のうち、特に次の会計方針及び見積りが連結財務諸表に重要な影響を及ぼす事項であると考えております。
(1)たな卸資産
当社グループは、主として、総平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)により評価しております。在庫が増加する中で、予期しない市場価格の下落、需要の悪化等の結果、期末における正味売却価額が帳簿価額よりも下落している場合や滞留及び陳腐化した場合には、多額のたな卸資産評価損が発生する可能性があります。
(2)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産のうち、将来において実現が見込めない部分については評価性引当額を計上しております。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りに依拠します。将来の課税所得が経済環境の変化等により予想された金額と乖離した場合には、繰延税金資産の金額は調整される可能性があります。
(3)固定資産の減損会計の適用
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準(企業会計審議会 平成14年8月9日)」及び企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針(企業会計基準委員会 平成15年10月31日)」を適用しております。経済環境の著しい悪化等により営業収益が大幅に低下する場合等には、減損損失が発生する可能性があります。
(4)退職一時金と退職年金
退職給付債務は年金数理計算に使用される前提条件に基づいて算定しております。前提条件には、割引率、退職率、昇給率、死亡率、期待運用収益率等が含まれております。これらの前提条件は直近の統計数値に基づいて算出され、毎期見直しを行なっております。前提条件と実際の結果が異なる場合、又は前提条件を変更した場合、将来の退職給付債務に影響を及ぼします。
2.財政状態の分析
(1)流動資産
当連結会計年度末の流動資産残高は、前連結会計年度末に比べ21,528百万円増加し、265,787百万円となりました。譲渡性預金の償還により有価証券が7,800百万円減少した一方で、現金及び預金が10,653百万円増加したこと、受取手形及び売掛金が11,716百万円増加したこと、原材料及び貯蔵品が6,279百万円増加したことがその主な要因であります。
(2)固定資産
当連結会計年度末の固定資産残高は、前連結会計年度末に比べ9,480百万円減少し、244,783百万円となりました。長期前渡金が3,492百万円減少したこと、償却の進行により有形固定資産が4,768百万円減少したことがその主な要因であります。
(3)流動負債
当連結会計年度末の流動負債残高は、前連結会計年度末に比べ22,682百万円減少し、112,556百万円となりました。短期借入金が23,436百万円減少したことがその主な要因であります。
(4)固定負債
当連結会計年度末の固定負債残高は、前連結会計年度末に比べ12,841百万円増加し、181,288百万円となりました。長期借入金が7,817百万円増加したこと、改正退職給付会計基準の適用に伴い前連結会計年度末の退職給付引当金17,505百万円に代わって退職給付に係る負債21,677百万円を計上したことがその主な要因であります。
(5)純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ21,889百万円増加し、216,725百万円となりました。退職給付に係る調整累計額△3,488百万円を計上した一方で、当期純利益等により利益剰余金が15,022百万円増加したこと、円安に伴い為替換算調整勘定が5,275百万円増加したこと、少数株主持分が4,938百万円増加したことがその主な要因であります。
3.経営成績の分析
前連結会計年度は決算期変更により平成25年2月1日から平成25年12月31日までの11ヶ月決算となったため、業績に関する前年同期との比較分析は行っておりません。
(1)売上高
当連結会計年度の半導体用シリコンウェーハ市場は、スマートフォン向け需要に加え、パソコン販売の底打ちやデータセンター向け需要に支えられ、好調に推移しました。結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は225,319百万円となりました。
(2)売上原価、販売費及び一般管理費
合理化によるコスト削減や減価償却費の減少により当連結会計年度の売上原価は175,485百万円、販売費及び一般管理費は24,191百万円となりました。
(3)営業損益
以上の結果、営業利益は、前連結会計年度の17,801百万円に比べ7,841百万円増加し、25,642百万円となりました。
(4)営業外損益
営業外収益は、前連結会計年度に比べ97百万円減少し716百万円となりました。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ7,117百万円減少し、4,432百万円となりました。主に、為替差損が減少したことによるものであります。
(5)経常損益
以上の結果、経常損益は21,926百万円となりました。
(6)特別損益
当連結会計年度の特別損益はありません。
(7)当期純損益
以上に加え、法人税等及び少数株主利益を計上した結果、当期純利益は16,289百万円となりました。
4.資本の財源及び資金の流動性についての分析
「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」 に記載のとおりであります。
5.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループでは、以下の「SUMCOビジョン」を策定し、その実現に向けて、引き続き従業員と一体となって取り組んでまいる所存であります。
1.技術で世界一の会社
2.景気下降局面でも赤字にならない会社
3.社員が活き活きとした利益マインドの高い会社
4.海外市場に強い会社
当社は平成27年3月3日開催の取締役会において、事業再生計画後の新たな成長ステージの指針である「新中期経営戦略」、並びに公募増資による当社普通株式の発行、当社種類株式の取得・消却による財務基盤の強化及び成長資金の確保を軸とした「資本増強・資本再構築プラン」を決議いたしました。
また、シリコンウェーハの主要原材料である多結晶シリコンにつきましては、現在余剰在庫を保有しており、中長期的には適正水準に回復する見通しでありますが、今後も原材料在庫の適正水準への早期回復に向けて、努力してまいります。
これらの詳細につきましては、「対処すべき課題」をご参照ください。