当連結会計年度(平成25年4月1日~平成26年3月31日)における世界経済は、米国で景気の回復基調が続き、欧州でも持ち直しの動きが見られるなど緩やかな回復傾向にありましたが、中国を中心とした新興国の経済成長が鈍化するなど、不透明な経営環境にありました。一方、日本経済は、円高の是正や、株高による資産効果により企業収益や個人消費が持ち直すなど、景気は回復傾向にありましたが、依然として世界経済の不安定さによる影響が懸念されています。
このような状況の中で、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社、以下同じ)の当連結会計年度における連結業績は、内需型の住宅事業や医薬事業が好調に推移し、輸出環境の改善により、ケミカル事業やエレクトロニクス事業も持ち直したことから、売上高は1兆8,978億円で前連結会計年度比2,311億円(13.9%)の増収となり、営業利益は1,433億円で前連結会計年度比514億円(55.9%)の増益、経常利益は1,429億円で前連結会計年度比477億円(50.2%)の増益となりました。なお、ケミカル事業における岡山県・水島地区エチレンセンターの集約および国内石油化学事業の基盤強化などによる事業構造改善費用225億円を計上したものの、医薬事業において米国での損害賠償請求訴訟の判決が確定し、受取損害賠償金535億円を計上したことから、当期純利益は1,013億円で前連結会計年度比476億円(88.6%)の増益となりました。
(セグメント別概況)
当社グループの7つの報告セグメント「ケミカル」「繊維」「住宅」「建材」「エレクトロニクス」「医薬・医療」「クリティカルケア」及び「その他」に区分してご説明します。なお、第1四半期連結会計期間において、「ケミカル・繊維」「住宅・建材」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」の4事業領域の区分に基づき、報告セグメントの記載順番を見直しました。
また、「クリティカルケア」セグメントは、前連結会計年度では平成24年4月27日以降の業績を開示していましたが、当連結会計年度は全期間の業績を連結対象としています。
(ケミカル)
ケミカル事業の売上高は7,916億円で、前連結会計年度比1,070億円(15.6%)の増収となり、営業利益は389億円で、前連結会計年度比160億円(69.6%)の増益となりました。
石化・モノマー系事業は、アクリロニトリルの市況が低水準で推移したことや原燃料価格高騰の影響を受けたものの、円安の効果に加え、スチレンモノマーの市況が改善したことなどから、業績は前連結会計年度を上回りました。ポリマー系事業は、ポリエチレンなどが原燃料価格高騰の影響を受けましたが、円安の効果に加え、エンジニアリング樹脂や省燃費型高性能タイヤ向け合成ゴムの販売が堅調に推移したことなどから、業績は前連結会計年度を上回りました。高付加価値系事業は、イオン交換膜を中心とした円安の効果に加え、コーティング事業や添加剤事業などの販売が堅調に推移したことなどから、業績は前連結会計年度を上回りました。
なお、昨年4月に、シンガポールにおける省燃費型高性能タイヤ向け合成ゴムの新工場が、また本年1月には、韓国におけるアセトニトリルの新工場が商業運転を開始しました。
また、本年2月には、岡山県・水島地区エチレンセンター集約に関して三菱化学株式会社と基本合意に達し、あわせて国内石油化学事業の基盤強化についても決定しました。
当セグメントの生産規模は7,966億円(前連結会計年度比14.0%の増加、販売価格ベース)でした。
(繊維)
繊維事業の売上高は1,209億円で、前連結会計年度比113億円(10.3%)の増収となり、営業利益は86億円で、前連結会計年度比45億円(112.5%)の増益となりました。
各製品において原燃料価格高騰の影響を受けたものの、円安の効果に加え、カーシート向けが好調な人工皮革「ラムース™」などの不織布や、ポリウレタン弾性繊維「ロイカ™」の販売が堅調に推移したことなどから、業績は前連結会計年度を上回りました。
なお、昨年10月に子会社である旭陽産業㈱が新東京旭㈱を合併して「旭化成インターテキスタイルズ㈱」として業務を開始し、製品の開発力および営業力の強化を図りました。
当セグメントの生産規模は1,225億円(前連結会計年度比11.9%の増加、販売価格ベース)でした。
(住宅)
住宅事業の売上高は5,344億円で、前連結会計年度比482億円(9.9%)の増収となり、営業利益は630億円で、前連結会計年度比87億円(16.1%)の増益となりました。なお、当連結会計年度の建築請負事業の受注実績については、前連結会計年度比89億円(2.2%)増加し4,213億円となりました。
建築請負事業は、前連結会計年度の好調な受注実績を背景に、戸建住宅「へーベルハウス™」や集合住宅「ヘーベルメゾン™」の引渡戸数が増加しました。また、不動産事業において賃貸管理事業が堅調に推移し、リフォーム事業では外壁塗装工事などの受注が好調に推移したことなどから、業績は前連結会計年度を上回りました。
なお、昨年5月に、「邸宅」スペックを装備した都市型住宅「へーベルハウス™FREX RESIDENCE」を、また11月には、優れた構造性能を最大限に活かし、プラン自由度を高めた「NEXT HEBEL HAUS™」シリーズを発売しました。
当セグメントの生産規模は5,433億円(前連結会計年度比9.4%の増加、販売価格ベース)でした。
(建材)
建材事業の売上高は550億円で、前連結会計年度比35億円(6.8%)の増収となり、営業利益は55億円で、前連結会計年度比15億円(39.0%)の増益となりました。
ALC事業は、軽量気泡コンクリート(ALC)「ヘーベル™」の販売が堅調に推移し、断熱材事業も、高性能フェノールフォーム断熱材「ネオマ™フォーム」などが販売量を伸ばしました。また、中小型パイル工法「イーゼット™」や「ATTコラム™」で新規用途の開拓などにより受注が拡大し、構造資材事業の販売も好調であったことなどから、業績は前連結会計年度を上回りました。
なお、本年3月に茨城県猿島郡におけるネオマフォーム工場の製造ライン新設工事が完工しました。
当セグメントの生産規模は550億円(前連結会計年度比6.8%の増加、販売価格ベース)でした。
(エレクトロニクス)
エレクトロニクス事業の売上高は1,450億円で、前連結会計年度比138億円(10.6%)の増収となり、営業利益は142億円で、前連結会計年度比114億円(404.1%)の増益となりました。
電子部品系事業は、各製品において販売価格下落の影響を受けたものの、円安の効果に加え、スマートフォンなど携帯端末向けで電子コンパスや磁気センサの販売量が増加したことなどから、業績は前連結会計年度を上回りました。電子材料系事業は、リチウムイオン二次電池用セパレータ「ハイポア™」を中心に販売価格下落の影響を受けたものの、円安の効果に加え、各製品における高機能領域の販売が順調に推移したことなどにより業績は前連結会計年度を上回りました。
なお、電子部品系事業では、昨年10月に携帯機器向け3軸電子コンパス「AK09911C」を発売しました。
また、電子材料系事業では、昨年7月に宮崎県日向市において「ハイポア™」製造設備が、さらに、昨年10月には中国・常熟市における感光性ドライフィルム「サンフォート™」の新工場が商業運転を開始しました。
当セグメントの生産規模は1,498億円(前連結会計年度比15.9%の増加、販売価格ベース)でした。
(医薬・医療)
医薬・医療事業の売上高は1,525億円で、前連結会計年度比191億円(14.3%)の増収となり、営業利益は303億円で、前連結会計年度比143億円(90.0%)の増益となりました。
医薬事業では、研究開発費などの販管費が増加したものの、骨粗鬆症治療剤「テリボン™」や血液凝固阻止剤「リコモジュリン™」を中心に販売が順調に拡大したことなどから、業績は前連結会計年度を上回りました。医療事業では、円安の効果に加え、透析関連製品やアフェレシス(血液浄化療法)関連製品の販売が堅調に推移し、ウイルス除去フィルター「プラノバ™」の販売量が増加したことなどから、業績は前連結会計年度を上回りました。
なお、医薬事業では、本年2月に愛知県みよし市の医薬生産センター名古屋医薬工場内に第2製剤棟が竣工しました。
当セグメントの生産規模は1,531億円(前連結会計年度比19.3%の増加、販売価格ベース)でした。
(クリティカルケア)
クリティカルケア事業の売上高は798億円で、前連結会計年度比277億円(53.2%)の増収となり、事業利益(*)は95億円で前連結会計年度比22億円(29.4%)の増益となり、営業損失は35億円で前連結会計年度比1億円の改善となりました。なお、買収に伴うのれん及びその他無形固定資産の償却などの影響は、前連結会計年度比20億円増加し130億円でした。
着用型自動除細動器「LifeVest™」の業績が順調に拡大し、医療機関向け除細動器の販売も堅調に推移しました。一方で営業活動強化のために販管費が増加したものの、連結対象期間の差異による影響などから、セグメント全体では増収・増益となりました。
なお、昨年7月に着用型自動除細動器「LifeVest™」が、さらに11月に救急隊・医療機関向け除細動器「X Series™」が厚生労働省より製造販売の承認を取得しました。
当セグメントの生産規模は821億円(前連結会計年度比59.0%の増加、販売価格ベース)でした。
(*)事業利益:ZOLL Medical Corporationを買収したことに伴い計上したのれん及びその他無形固定資産の償却などの影響を除いた営業利益
(その他)
その他の売上高は185億円で、前連結会計年度比5億円(2.6%)の増収となり、営業利益は17億円で、前連結会計年度比5億円(20.5%)の減益となりました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは2,442億円の収入(前連結会計年度比1,181億円の収入の増加)、投資活動によるキャッシュ・フローは1,038億円の支出(前連結会計年度比1,748億円の支出の減少)となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は1,404億円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは1,051億円の支出(前連結会計年度比2,713億円の支出の増加)となりました。以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ391億円増加し1,431億円となりました。
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)の生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため、生産実績については、「1 業績等の概要」における各セグメントの業績に関連付けて示しています。
当社グループは注文住宅に関して受注生産を行っており、その受注状況は次のとおりです。その他の製品については主として見込生産を行っているので、特記すべき受注生産はありません。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
住宅 | 421,283 | 102.2 | 481,527 | 108.3 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 販売実績(百万円) | 前期比(%) |
ケミカル | 791,615 | 115.6 |
繊維 | 120,890 | 110.3 |
住宅 | 534,377 | 109.9 |
建材 | 55,003 | 106.8 |
エレクトロニクス | 144,995 | 110.6 |
医薬・医療 | 152,546 | 114.3 |
クリティカルケア | 79,840 | 153.2 |
その他 | 18,499 | 102.6 |
合計 | 1,897,766 | 113.9 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度において、主要な販売先として記載すべきものはありません。
4 第1四半期連結会計期間において、「ケミカル・繊維」「住宅・建材」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」の4事業領域の区分に基づき、報告セグメントの記載順番を見直しました。
(当社グループの対処すべき課題)
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社、以下同じ)は、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します」というグループ理念のもと、「健康で快適な生活」「環境との共生」の実現を通して、社会に新たな価値を提供していくというグループビジョンを掲げています。そしてイノベーションによって世の中の課題解決をリードするとともに、企業の社会的責任を果たすことで持続的な成長を図ることを目指しています。
当社グループを取り巻く環境は、世界経済において米国で回復傾向が見られ、欧州でも持ち直しの動きが見られるものの、新興国の成長鈍化など不安定さを抱えています。一方、わが国においては経済・金融政策等を背景とした円高の是正や株価の上昇等、緩やかな景気改善の傾向にありますが、依然として世界経済の不安定さによる影響が懸念されています。
このような中、当社グループでは、平成27年度を最終年度とする中期経営計画「For Tomorrow 2015」で「グローバルリーディング事業の展開」と「新しい社会価値の創出」を戦略として実行しています。当社グループではこの中期経営計画で定めた施策を実行し、当期までに実施した投資を確実に収益に結び付けることが対処すべき課題であるとして認識しています。そして、経営環境や社会の変化を捉えて積極的な事業展開を図り、「環境・エネルギー」「住・くらし」「ヘルスケア」分野における経営資源を集中し、融合させることにより、“昨日まで世界になかった”新しい社会価値を創出していきます。さらに、一昨年よりグループ一体となった収益構造改善に取り組んでおり、今後も事業基盤の一層の強化に努めていきます。
今後も事業環境は変化していくものと予想されますが、当社グループは、常にグループ理念、グループビジョンを企業行動の軸として持ち、誠実に行動し、挑戦し、新たな価値を創造していくことで、社会に貢献していきます。
(当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
(1) 基本方針の内容
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務および事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要と考えています。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主の皆様全体の意思に基づいて行われるべきものと考えており、当社株式の大量取得であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量取得の中には、その目的などから見て企業価値や株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量取得の内容などについて検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との協議・交渉を必要とするものなど、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
特に、当社が今後持続的に企業価値を向上させていくためには、多彩な技術を持ち、多様な市場において多面的な事業モデルを展開する多角化企業として、それらのシナジー(相乗効果)を活かし、挑戦的風土やブランド力をさらに活用・強化していくことが必要不可欠です。当社株式の大量取得を行う者が、当社グループの財務および事業の内容を理解するのは勿論のこと、当社の企業価値の源泉を理解した上で、それを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量取得を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量取得に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
(2) 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための特別な取組みとして、次の施策を実施しています。
① 「中期経営計画」による取組み
当社は、平成23年度から平成27年度までの5年間にわたる中期経営計画「For Tomorrow 2015」の目標達成に向けて取り組んでいます。「For Tomorrow 2015」では、グローバルリーディング事業の展開を加速させるとともに、「健康で快適な生活」「環境との共生」視点での事業推進を戦略の柱とし、グループ横断的に「環境・エネルギー」「住・くらし」「ヘルスケア」分野に経営資源を集中的に投入し、徹底した強化・拡大を図っていきます。
② コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、継続的に企業価値を向上させるためには経営の効率性と透明性を高める努力を絶えず払っていく必要があると考えています。そのための大きな改革が持株会社制に移行したことで、当社は、これ以降のグループ経営におけるコーポレート・ガバナンスを以下の2つの基本に従って機能させています。
Ⅰ 持株会社制という枠組みにおいて、持株会社の子会社である事業会社が事業執行機能を有し、持株会社が
それに対する監督機能を担う。
Ⅱ 事業を執行する上での意思決定については、グループ全体を規律する規程類のうちで最上位の効力を有す
るものと位置付けたグループ決裁権限規程を定め、そこにおいて経営に与える影響度に応じて持株会社お
よび事業会社のそれぞれの機関に権限を分配している。
このような状況を背景に、当社は、社外取締役※を複数名(平成19年6月に2名、平成20年6月以降は3名)選任すること、社外監査役※を増員する(平成26年6月以降は3名)などの様々な施策を講ずることにより、コーポレート・ガバナンスの更なる強化を図っています。
※当社は、3名の社外取締役および3名の社外監査役の全員を金融商品取引所に独立役員として届け出ています。
今後も、コーポレート・ガバナンスの充実に向けた取組みを推進し、一層の企業価値の向上を目指します。
(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するため
の取組み
当社は、当社株式の大量取得行為を行おうとする者に対しては、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
なお、上記(2)および(3)に記載の取組みは、上記(1)に記載の基本方針に従い、当社の企業価値・株主共同の利益に沿うものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を下記のとおり記載します。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をしてまいります。
下記事項には、将来に関するものが含まれますが、当該事項は有価証券報告書提出日(平成26年6月27日)現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
(1) 原油・ナフサの市況変動
当社グループにおいて、ケミカル事業を中心に、原油・ナフサなどの価格の変動をタイムリーに製品価格に反映できず、そのスプレッドを十分確保することができなかった場合、原油・ナフサなどの市況変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(2) 為替レートの変動
当社グループの円貨建以外の項目は、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、当社グループは、通貨変動に対するヘッジなどを通じて、短期的な為替の変動による影響を最小限に止める措置を講じていますが、短期及び中長期の予測を超えた為替変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(3) 海外での事業活動
海外での事業活動には、予期しない法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、人材の採用・確保の困難など、経済的に不利な要因の存在又は発生、テロ・戦争・その他の要因による社会的又は政治的混乱などのリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化することによって、海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び将来計画に影響を与える可能性があります。
(4) 住宅関連税制及び金利の動向
当社グループの住宅事業は、国内の住宅取得に関連する税制及び金利動向の影響を受けます。住宅関連税制や消費税及び金利の動向が住宅事業に影響を及ぼし、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(5) エレクトロニクス関連事業の収益力
当社グループのエレクトロニクス関連事業は、業界特性として市況の変化が激しいため、比較的短期間に収益力が大きく低下し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。当社グループの製品は、世代交替の早い先端のエレクトロニクス製品の部品又は材料として、タイムリーに開発・提供していく必要があり、開発遅延や、想定外の需要変動があった場合に、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(6) 医薬・医療事業及びクリティカルケア事業の環境
当社グループの医薬・医療事業及びクリティカルケア事業において、各国政府の医療政策やその他の制度改定などによって大きな影響を受ける可能性があります。また、予想できない副作用や不具合の発生によって大きな問題となる可能性や、再審査によって承認が取り消される可能性、後発品の参入により競争が激化する可能性もあります。開発中の新薬や新医療機器の場合は、医薬品や医療機器としての承認を受けられない又は承認に長期間を要する可能性や、想定ほど市場に受け入れられない可能性、想定していた薬価や償還価格が得られない可能性もあります。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(7) 産業事故・自然災害
当社グループの工場などにおいて、万一大きな産業事故災害や自然災害などが発生した場合には、それに伴って生ずる社会的信用の失墜や、補償などを含む産業事故災害への対策費用、また、工場設備の被災や原材料調達などサプライチェーンの障害に伴う生産活動の停止による機会損失などによって、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(8) 知的財産・製造物責任(PL)・法規制
当社グループの事業運営上において、知的財産に関わる紛争が将来生じ、当社グループに不利な判断がなされたり、製品の欠陥に起因して大規模な製品回収や損害賠償につながるリスクが現実化し、これを保険により填補できない事態が生じたり、当社グループが事業展開している各国の法規制により事業活動が制限されたりする可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(9) 取引先などによるリスク
当社グループ取引先の不正行為や、信用不安による予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加的な損失や引当の計上が必要となる場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(10) 事業・資本提携
当社グループが実施する企業買収や他社との戦略的事業・資本提携について、買収などの対象事業や提携先などを取り巻く事業環境が悪化し、当初想定していた成果やシナジーを得られない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、出資先が業績不振となり「のれん」などの減損損失を計上する場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
契約会社名 | 契約締結先 | 内容 | 合弁会社名 | 契約締結日 | 契約期間 |
旭化成 |
| 合弁会社株主間契約 等 | PTT Asahi Chemical Co.,Ltd. | 平成20年3月24日 | 締結日から合弁会社の存続する期間 |
PTT Public Company Limited | |||||
| |||||
丸紅株式会社 | |||||
| |||||
旭化成 |
| 合弁会社株主間契約 | Saudi Japanese | 平成23年4月27日 | 締結日から合弁会社の存続する期間 |
Saudi Basic | |||||
| |||||
三菱商事 | |||||
|
契約会社名 | 相手方当事者 | 内容 | 完工保証額 | 契約締結日 |
旭化成 |
株式会社三菱東京UFJ The Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited 等 | PTT Asahi Chemical Co.,Ltd.の貸付者からの借入金(上限450百万米ドル)につき、プロジェクト完工までの間、出資比率に応じて保証する旨の契約。 | 上限 | 平成20年 |
契約会社名 | 契約締結先 | 国名 | 契約締結日 | 契約内容 |
旭化成 |
久光製薬株式会社
| 日本 | 平成24年12月10日 | 久光製薬株式会社が過活動膀胱治療薬として開発中のHOB-294(オキシブチニン塩酸塩経皮吸収型製剤)の日本国内における共同販売契約 |
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)の主たる研究開発費の概要、成果及び研究開発費(総額 71,101百万円)は以下のとおりです。
(ケミカル)
ケミカル事業では、これまで蓄積してきたコア技術の深耕と新たな技術獲得を通じ「環境・資源・エネルギー」にフォーカスした研究開発を推進することで社会に新たな価値を提供していきます。
石化・モノマー分野では、石化原料の多様化に向けた新技術として、エタンなどさまざまなエチレン性原料やバイオエタノールを原料にプロピレンを高効率的に製造するE-FLEXプロセス及びブテンからブタジエンを製造するBB-FLEXプロセスの実証を進めており、実用化に向けた検討を行っています。また、炭酸ガスを原料とするジフェニルカーボネートの工業化技術が完成し、事業化検討を行っています。
ポリマー分野では、新たな分子設計による超高耐熱・高剛性・易成形性のポリアミド、次世代省燃費タイヤ用変性SBR、高難燃性と高耐熱性を兼ね備えた変性PPE発泡ビーズ、完全光学等方性を有する新規光学特性樹脂などの開発が進捗しています。また、独自CAE(Computer Aided Engineering)技術の高度化を推進し、機能樹脂事業において新規事業開拓と海外展開を加速していきます。
高機能ケミカル分野では、シリコーン変性技術によるLED封止材、有機合成とプロセス技術の融合による低コストで安全かつ廃棄物の少ないAPI(医薬原体)製法などの開発と事業化検討を推進しています。膜・水処理関連では、多孔質構造を有した世界最速のリン吸着剤及びリン吸着・回収システムについて、大型下水処理施設での実証試験が終了しました。
また、再生可能エネルギー、省エネ関連素材の開発が進捗しており、社内外の技術を融合して開発を加速し、新製品・新事業の創出と立上げを推進していきます。
当セグメントに係る研究開発費の金額は15,164百万円です。
(繊維)
繊維事業では、グループ内外との連携により、研究開発機能を充実・高度化させるとともに、成果実現のスピードアップを図っています。主力製品であるポリウレタン弾性繊維「ロイカ™」、再生セルロース繊維「ベンベルグ™」、ナイロン66繊維「レオナ™」及び各種不織布において、独自性を活かした新たな価値商品の創出や、生産プロセスの革新を進めています。
また、「健康で快適な生活」「環境との共生」に寄与する新事業領域の創出にも注力しており、新規セルロース素材の事業化や、高機能テキスタイル、新基軸不織布の開発などに取り組んでいます。
当セグメントに係る研究開発費の金額は3,054百万円です。
(住宅)
住宅事業では、「ロングライフ住宅の実現」を支えるコア技術について重点的な研究開発を続けています。
シェルター技術については、安全性(耐震・制震・免震技術、火災時の安全性向上技術)、耐久性(耐久性向上・評価技術、維持管理技術、リフォーム技術)に加えて、居住性(温熱・空気環境技術、遮音技術)、環境対応性(省エネルギー技術、低炭素化技術)の開発を行っています。
住ソフト技術については、二世帯同居などの住まい方についての研究を、評価・シミュレーション技術については、ITなどの活用により直感的に理解可能な環境シミュレーションシステムの構築を、それぞれ進めています。また、住宅における生活エネルギー消費量削減とともに、人の生理・心理から捉えた快適性を研究し、健康・快適性と省エネルギーを両立させる環境共生的住まいを実現する技術開発に注力しています。
当セグメントに係る研究開発費の金額は2,183百万円です。
(建材)
建材事業では、「絶えざる改善・革新で、お客様に安全、安心、快適を提供します」を事業ビジョンとし、軽量気泡コンクリート(ALC)、フェノールフォーム断熱材、高機能基礎システム、鉄骨造構造資材の4つの事業分野において基盤技術の強化を推進しています。また、ALC外装リニューアル事業への展開や鋼管杭工法の非建築用途への拡大など、既存事業の周辺領域を取り込んだ新製品及びサービスの開発により、新たなソリューションビジネスも積極的に展開していきます。
当セグメントに係る研究開発費の金額は883百万円です。
(エレクトロニクス)
電子部品系分野では、技術革新の速い事業環境において、豊富な設計資産と有機的なエンジニア組織体制の構築により、ユニークかつタイムリーなデバイスの提供を図っています。高感度磁気センサの開発を通して蓄積してきた化合物半導体プロセス技術及びミクスドシグナルLSI技術を基盤とする高機能電子部品の開発を積極的に進めていきます。
電子材料系分野では、高分子設計・合成や、製膜加工、表面微細加工などのコア技術を活かして、「省資源・省エネルギー」「環境負荷軽減」「健康で快適な暮らし」に貢献する新規材料の開発を推進しています。民生・車載用途に展開する高機能リチウムイオン二次電池用セパレータなどの環境・エネルギー関連素材や、半導体・プリント配線基板の微細配線化といった先端技術トレンドを支える新規材料の展開に注力していきます。
当セグメントに係る研究開発費の金額は16,422百万円です。
(医薬・医療)
医薬事業では、成熟化・高齢化社会において今後一層高まる「健康で快適な生活」へのニーズに応えるため、整形外科領域や泌尿器領域を中心に、「未だ有効な治療方法がない医療ニーズ(アンメットメディカルニーズ)」の解決に向けた積極的な研究開発を行っています。研究開発対象の新規開拓に加え、自社技術の絶えざる革新と、世界の優れた技術とのコラボレーションを積極的に推進します。
医療事業では、治療の可能性を広げ、医療水準を向上させる製品、技術、サービスを提供するために、グループ総力をあげた研究開発に取り組んでいます。これまで培ってきた豊富な基礎技術と研究開発の応用により、既存の人工腎臓、血液浄化技術、白血球やウイルスの除去技術を更に発展させるとともに、自己血液を利用した再生治療などの先端医療技術の研究開発にも注力しています。
当セグメントに係る研究開発費の金額は19,659百万円です。
(クリティカルケア)
クリティカルケア事業では、突然の心停止に対する蘇生・救急救命分野の研究開発を行っています。それは、患者のケアの質を高める新しい治療法や技術、ソリューションであり、一般の介助者や医療関係者が胸骨圧迫を行う際、その精度を高めるように支援する機能や、第三者の手を借りずに必要な除細動を行うシステム、心臓と脳を保護するために体温冷却を行うシステムなどです。また、それぞれの救命救急医療機器をITソリューションシステムと連携させ、ハードウェアやソフトウェアを組み合わせることで動作の安定性や機能性の向上を実現し、治療の経過や記録を容易にする研究開発にも注力しています。
当セグメントに係る研究開発費の金額は6,190百万円です。
(その他)
エンジニアリング分野では、次世代の生産技術や設備保全関連の検査技術などの研究開発に取り組んでいます。
当セグメントに係る研究開発費の金額は79百万円です。
持株会社では、成長戦略の重点分野と定めた「環境・エネルギー」「住・くらし」「ヘルスケア」関連分野において、グループ横断的なプロジェクトを設置し、他社提携や買収なども含めて積極的に資源を投入し、新規事業開発と研究開発を進めています。
「環境・エネルギー」関連分野では、高品質な窒化アルミニウム基板を用いた高効率・長寿命の紫外発光ダイオード、次世代の蓄電デバイスであるリチウムイオンキャパシタ、エネルギー関連の先端材料などの開発を進めています。「住・くらし」関連分野では、モデルハウスに、環境対応や在宅医療などの視点から最新の製品・サービスを組み込み、新しい住まい方を提案すべく実証実験を進めています。「ヘルスケア」関連分野では、がん治療を目的とした細胞プロセッシング装置などの細胞・再生医療関連の研究開発の他、既存の医薬・医療事業と、ZOLL Medical Corporation等が展開するクリティカルケア事業との知見の融合による新規事業開発にも積極的に取り組んでいます。
全社に係る研究開発費の金額は7,469百万円です。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成26年6月27日)現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社、以下同じ)が判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。
当社グループは、退職給付会計、税効果会計、貸倒引当金、たな卸資産の評価、投資その他の資産の評価、訴訟等の偶発事象などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(流動資産)
流動資産は、現金及び預金が420億円増加したほか、たな卸資産が189億円、受取手形及び売掛金が105億円増加したことなどから、前連結会計年度末比709億円(8.7%)増加し、8,904億円となりました。
(固定資産)
固定資産は、有形固定資産が190億円、保有株式の時価が上昇したことなどにより投資有価証券が135億円増加したことなどから、前連結会計年度末比440億円(4.5%)増加し、1兆247億円となりました。
(流動負債)
流動負債は、未払法人税等が345億円増加したものの、コマーシャル・ペーパーが600億円、短期借入金が94億円減少したことなどから、前連結会計年度末比261億円(4.3%)減少し、5,768億円となりました。
(固定負債)
固定負債は、退職給付引当金が1,078億円減少したものの、退職給付に係る負債が1,435億円増加したことなどから、前連結会計年度末比397億円(10.6%)増加し、4,125億円となりました。
(有利子負債)
有利子負債は、前連結会計年度末比776億円(20.3%)減少し、3,039億円となりました。
(純資産)
純資産は、退職給付に係る調整累計額△251億円の計上や配当の支払196億円の減少などがあったものの、当期純利益を1,013億円計上したことや、為替換算調整勘定が303億円、その他有価証券評価差額金が130億円それぞれ増加したことなどから、前連結会計年度末の8,245億円から1,013億円(12.3%)増加し、9,258億円になりました。
その結果、1株当たり純資産額は前連結会計年度末比72円09銭増加し653円15銭となり、自己資本比率は前連結会計年度末の45.1%から47.7%となりました。D/Eレシオは、前連結会計年度末から0.14ポイント改善し、0.33となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比1,149億円(6.4%)増加し、1兆9,151億円となりました。
(売上高と営業利益)
当連結会計年度の売上高は、1兆8,978億円で前連結会計年度比2,311億円(13.9%)の増収となりました。海外売上高は、6,087億円でケミカル事業を中心に前連結会計年度比1,235億円(25.5%)増加し、売上高に占める海外売上高の割合は、32.1%で前連結会計年度の29.1%から3.0ポイント増加しました。国内売上高については、住宅事業が好調に推移したことなどから、前連結会計年度比1,076億円(9.1%)増加し、1兆2,891億円となりました。
当連結会計年度の営業利益は、1,433億円で前連結会計年度比514億円(55.9%)の増益となりました。当連結会計年度の売上原価率は73.0%と前連結会計年度比1.4ポイントの改善となりました。また、売上高販管費率は、販管費が335億円増加したものの、売上高が増加したことから、19.4%と前連結会計年度比0.7ポイントの改善となりました。なお、売上高営業利益率は、7.6%と前連結会計年度比2.0ポイントの改善となりました。
(営業外損益と経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は5億円の損失で、前連結会計年度の32億円の利益から36億円悪化しました。これは、持分法による投資損益の悪化や為替差損益の悪化があったことなどによるものです。この結果、経常利益は1,429億円で、前連結会計年度比477億円(50.2%)の増益となりました。
(特別損益)
当連結会計年度は、受取損害賠償金535億円などによる特別利益を555億円計上した一方で、事業構造改善費用225億円、固定資産処分損56億円などによる特別損失を345億円計上したことなどから、特別損益は210億円の利益となり前連結会計年度比338億円の改善となりました。
(当期純利益)
経常利益の1,429億円に特別損益の益210億円を加えた結果、税金等調整前当期純利益は1,639億円となりました。ここから税金費用618億円(法人税、住民税及び事業税682億円から法人税等調整額64億円を控除した額)及び少数株主利益8億円を控除した当期純利益は1,013億円で前連結会計年度比476億円(88.6%)の増益となりました。
この結果、1株当たり当期純利益金額は72円48銭となり、前連結会計年度の38円43銭から34円05銭増加しました。
当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、税金等調整前当期純利益や減価償却費を源泉とした収入が、固定資産の取得や投資有価証券の取得などによる支出を上回り、1,404億円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローでは、コマーシャル・ペーパーの償還による支出などにより、1,051億円の支出となりました。以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて391億円増加し、1,431億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、法人税等の支払額295億円及び仕入債務の減少178億円などの支出があったものの、税金等調整前当期純利益1,639億円及び減価償却費861億円などの収入があったことなどから、営業活動によるキャッシュ・フローは、2,442億円の収入(前連結会計年度比1,181億円の収入の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度も、前連結会計年度に引き続き競争優位事業の拡大や事業競争力の強化のための有形固定資産の取得809億円のほか、無形固定資産の取得156億円、投資有価証券の取得27億円を実施したことなどから、投資活動によるキャッシュ・フローは、1,038億円の支出(前連結会計年度比1,748億円の支出の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーの増減額が824億円の支出となり、また、配当金の支払額196億円があったことなどから、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,051億円の支出(前連結会計年度比2,713億円の支出の増加)となりました。
コスト競争力の向上、製品力の向上、事業構造改善などによる収益力強化、グループファイナンスの活用や適性在庫水準の維持等による資金効率化などにより、フリー・キャッシュ・フローの拡大を目指します。また、資金調達活動については、当社グループを取り巻く金融情勢に機動的に対応し、金融機関借入、社債、コマーシャル・ペーパーなど多様な調達手段により、より安定的で低コストの資金調達を目指します。
これらの資金を中期経営計画「For Tomorrow 2015」の戦略の柱である「グローバルリーディング事業の展開」、環境・エネルギ-、住・くらし、ヘルスケア分野での「新しい社会価値創出」による事業拡大のための戦略投資資金及び株主の皆様への配当原資等に活用していきます。
これらの施策を進めることにより、当社グループの企業価値向上、株主の皆様への利益還元を図る一方、財務規律にも配慮し、健全な財務体質の維持を目指していきます。