第2 【事業の状況】

 

2014年6月20日開催の第133回定時株主総会決議を受けて、決算日を3月31日から12月31日に変更しました。この変更により、当連結会計年度は2014年4月1日から2014年12月31日の9ヶ月間となっているため、前期と比較する場合については、当連結対象期間と同一の期間に調整した数値を「補正」の前期実績とし、増減比を記載しています。

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における経営環境は、日本経済は懸念されていた消費増税後の景気減速が明らかになりました。世界経済は、米国経済は好調が続く一方、欧州は景気回復がもたつきました。さらに中国経済も成長鈍化が明らかとなり、新興国経済はまだら模様といった状況でした。期終盤の原油価格下落は当連結会計年度の業績には大きな影響はありませんでした。

このような状況において、当社グループは持続的な成長を実現させるため、コア事業の世界戦略を加速するとともに、水・環境、エネルギー、光学・電子の各領域において次世代を担う事業の開発を積極的に推進してきました。

当期の連結業績は決算日変更により、当社ならびに3月決算であった子会社は2014年4月1日から2014年12月31日の9ヶ月間を、12月決算の子会社は2014年1月1日から2014年12月31日の12ヶ月間を連結対象期間としています。前期と比較する場合については、当連結対象期間と同一の期間に調整した数値を「補正」の前期実績とし、増減比を記載しています。

2014年度(2014年4月1日~2014年12月31日)の経営成績につきましては、売上高は前期比71,483百万円(21.0%)増の411,408百万円、営業利益は2,048百万円(5.4%)増の40,298百万円、経常利益は1,721百万円(4.5%)増の40,084百万円、当期純利益は1,829百万円(7.9%)減の21,296百万円となりました。                      

 

                         (単位:億円、単位未満四捨五入)

 

2013年度(補正)
(4月~12月)

2014年度

前期比
(補正増減率)

売    上    高

3,399

4,114

+21.0%

営  業  利  益

383

403

+5.4%

経 常 利 益

384

401

+4.5%

当 期 純 利 益

231

213

△7.9%

 

(注)2013年度(補正)の数値は監査を受けていません。

セグメント別の業績は次のとおりです。

                                     (単位:億円、単位未満四捨五入)

 

売上高

営業利益

2013年度(補正)
(4月~12月)

2014年度

2013年度(補正)
(4月~12月)

2014年度

ビニルアセテート

1,607

2,190

362

357

イソプレン

420

447

39

49

機能材料

388

 440

11

15

繊維

347

354

21

23

トレーディング

809

911

25

28

その他

502

516

17

20

消去又は全社

△673

△744

△93

△89

合計

3,399

4,114

383

403

 

(注)2013年度(補正)の数値は監査を受けていません。 

 

  [ビニルアセテート]

当セグメントの売上高は219,041百万円(前期比36.3%増)、営業利益は35,724百万円(同1.4%減)となりました。なお、2014年6月1日にE.I.du Pont de Nemours and Company(以下「DuPont社」という。)より譲り受けたビニルアセテート関連事業(以下「GLS事業」という。)の業績については、2014年6月から12月の7ヶ月分を当該セグメントに算入しています。

① 光学用ポバールフィルムは液晶パネルの数量増および大型化により販売量が増加しました。西条事業所の新設設備は4月に稼働開始しました。ポバール樹脂は欧州、アジアで需要が低迷しました。PVBフィルムは引続き欧州建築市場低迷の影響を受けました。水溶性ポバールフィルムは旺盛な需要を背景に順調に拡大、それに対応するため米国において新工場建設(2016年1月稼働予定)を決定しました。

② EVOH樹脂<エバール>は、米国、アジアを中心に順調に拡大しました。

③ GLS事業は、製造・販売ともに問題なく統合を完了しましたが、のれん代等償却費の発生等により赤字となりました。

 

[イソプレン]

当セグメントの売上高は44,674百万円(前期比6.4%増)、営業利益は4,874百万円(同23.7%増)となりました。

① イソプレン関連では、ファインケミカルが順調に推移しました。熱可塑性エラストマー<セプトン>は堅調に推移しました。液状ゴムは需要が回復しました。

② 耐熱性ポリアミド樹脂<ジェネスタ>は、LED反射板、コネクタ用途、自動車用途いずれも順調でした。

[機能材料]

当セグメントの売上高は44,037百万円(前期比13.6%増)、営業利益は1,523百万円(同42.3%増)となりました。

① メタクリル樹脂は、期前半は市況の低迷により苦戦しましたが、期後半は一部の需要が回復し増益に転じました。

② メディカルは、歯科材料の販売が順調でした。

③ 人工皮革<クラリーノ>は、既存プロセスの中国移管等の事業構造改善効果が発現し、黒字化しました。

[繊維]

ビニロンは、ブレーキホース用途、アスベスト代替のFRC(繊維補強セメント)用途ともに好調に推移しました。この結果、売上高は35,385百万円(前期比2.1%増)、営業利益は2,250百万円(同5.8%増)となりました。

[トレーディング]

ポリエステルを中心とする繊維関連事業、化学品関連事業ともに順調に推移しました。また、海外拠点拡充を進めました。この結果、売上高は91,127百万円(前期比12.7%増)、営業利益は2,791百万円(同11.9%増)となりました。

[その他]

その他事業は、総じて堅調に推移しました。この結果、売上高は51,591百万円(前期比2.7%増)、営業利益は1,993百万円(同15.1%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

税金等調整前当期純利益31,533百万円、減価償却費35,696百万円などの収入に対し、売上債権の増加、たな卸資産の増加による12,631百万円の支出、法人税等の支払額18,939百万円などの支出で、営業活動によるキャッシュ・フローは 40,840百万円の収入となりました。前年度比では20,334百万円収入が減少しました。

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

運用資産の取崩し6,354百万円による収入に対し、有形及び無形固定資産の取得による支出43,380百万円、事業買収に伴う支出68,419百万円などにより、投資活動によるキャッシュ・フローは105,690百万円の支出となりました。

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

配当金の支払額12,613百万円などの支出に対し、借入金の増減やコマーシャル・ペーパーの発行による9,082百万円などの収入により財務活動によるキャッシュ・フローは3,650百万円の支出となりました。

以上の要因に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加および連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少により、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より65,254百万円減少して、35,388百万円となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品が多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。

このため生産、受注および販売の状況については、「1 業績等の概要」における各セグメントの業績に関連付けて示しています。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社は2015年度より新中期経営計画「GS-STEP」(2015年度~2017年度)をスタートさせています。「GS-STEP」では、経営戦略に基づく諸施策を着実に実行し、高収益を実現することが課題となります。具体的には、スペシャリティ化学の真髄である高付加価値製品の拡大、新銘柄の開発や銘柄構成の最適化による収益力の向上、品質向上および抜本的なコストダウンを図るためのプロセス改良や新プロセスの確立、サプライチェーンマネジメントの強化などにより競争力を強化し、高収益を実現します。

「GS-STEP」を着実に実行することで、当社グループが「長期企業ビジョン」で掲げているありたい姿である「世界に存在感を示す高収益スペシャリティ化学企業」の実現に繋げられると考えています。

 

<株式会社の支配に関する基本方針>

Ⅰ.当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

昨今、日本の企業社会の構造は大きく変わりつつあります。たとえば、株式の持合いの解消が進み、会社は株主のものとする考え方や株主の声に配慮した経営が一層浸透する一方で、企業買収に対する株式市場、企業社会の理解も深まってきています。こうした中で、企業買収の対象となる会社の経営陣と十分な協議や合意のプロセスを経ることなく、いわば敵対的に、突如として株式の大量買付けを強行する動きが顕在化しています。もとより、当社は、このような敵対的な株式の大量買付けであっても、その具体的な条件・方法等によっては、当社の企業価値・株主共同の利益の向上に資する場合もあると認識しております。そして、当社が資本市場に公開された株式会社である以上、当社の株式の買付提案に応じるべきか否かの判断は、最終的には、個々の株主の皆様によってなされるべきであると考えております。

しかしながら、上記のような一方的な株式の大量買付けの中には、株主の皆様に対して当該大量買付けに関する十分な情報が提供されず、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるものや、株主の皆様が当該大量買付けの条件・方法等の検討を行ったり、当社取締役会が代替案の提案等を行ったりするための十分な時間が確保されないもの、その他真摯に合理的な経営を行う意思が認められないもの等の当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう株式の大量買付けもないとはいえません。

当社といたしましては、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念、および当社の企業価値の源泉をなす重要な経営資源を十分に理解した上で、当社の企業価値・株主共同の利益を中長期的に確保・向上させることを真摯に目指す者でなければならないと考えております。したがいまして、上記のような当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうおそれのある株式の大量買付けを行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

 

Ⅱ.基本方針の実現に資する取組み

当社は、企業価値を安定的かつ持続的に向上させていくことこそが株主共同の利益の向上のために最優先されるべき課題であると考え、以下のような事項をはじめ、当社の企業価値・株主共同の利益の向上のための様々な取組みを行っております。これらの取組みは、上記Ⅰ.の当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の実現に資するものであると考えております。

 

1.中期経営計画に沿った事業の強化・拡大

当社のコア・コンピタンス(中核的な競争優位性)は、高分子化学、合成化学および繊維工学ならびにそれらの周辺領域における独創性の高い技術力と、これを市場のニーズにマッチさせるためのアプリケーション開発力にあります。当社は、創業以来の企業文化である「世のため人のため、他人のやれないことをやる」に表される、事業を通じて社会に貢献する姿勢と、常に先駆者たらんとする進取の気性を精神的支柱として、酢酸ビニル系・イソプレン系のコア事業を中心に、機能性樹脂・フィルム、化学品、合成繊維、人工皮革、メディカル製品、環境関連製品等、多くの事業分野で世界市場をリードするユニークな製品群を継続的に生み出してまいりました。また、独自技術の開発や先駆的事業の立上げには、長期的視野にたった継続的な資源の投入を必要としますが、その過程で得られた独自性の高い技術・ノウハウの蓄積、粘り強い開発努力を通じて獲得された特定の市場分野における知識・情報、長年にわたる問題解決を通じて醸成された取引先との深い信頼関係、専門分野に通暁した質の高い人材等は、他社の追随を許さないものであり、当社の競争優位性をさらに向上させております。こうした当社独自のコア・コンピタンスは、将来においても当社の企業価値の源泉をなす重要な経営資源であると考えます。

これらのコア・コンピタンスを最大限に発現させ、当社の企業価値・株主共同の利益の向上に結び付けるためには、中長期的な視点で研究開発・市場開拓に努め、市場動向を見極めたタイムリーな施策により持続的な成長を実現していく必要があると考えます。

このことから、当社は、1984年以降、中期経営計画の策定・実施を通じた事業の強化・拡大に取り組んでまいりました。

最近では、当社が目指すべき長期的な方向性を示す「長期企業ビジョン」の実現に向けて、2012年度~2014年度の3ヵ年計画として中期経営計画「GS-Ⅲ」に取り組み、「コア事業の地域拡大」と「新事業の創出・拡大」を最重点課題として以下の諸施策を実施してまいりました。これら諸施策の実施により、さらなる事業拡大および高収益を目指す基盤が整ったと認識しています。

 

① コア事業の地域・分野拡大
   酢ビ事業の世界4極展開:買収および生産拠点構築
    ・欧州ポバール増強投資、北米ポバール新プラント投資
    ・北米<エバール>増強投資
     ・日本での光学用ポバールフィルム増強投資
    ・欧州PVBフィルム増強投資
     ・水溶性ポバールフィルム「モノソル社」買収および増強投資
    ・デュポン社ビニルアセテート関連事業(GLS)買収 [生産拠点:米州、欧州、アジア]
   イソプレン系事業のグローバル拡大
    ・イソプレン、<ジェネスタ>海外プラント新設のFS開始
    事業分野の拡大
     ・㈱ノリタケデンタルサプライ統合による歯科材料事業の拡大

 

  

② 新事業の創出・拡大  
    ・LED向け<ジェネスタ>新グレード上市
    ・新規ファルネセン系液状ゴム(LFR)顧客評価進展
    ・高速伝送回路向けLCPフィルム<ベクスター>増強投資
    ・LiB負極材用<バイオカーボトロン>新設投資
    ・超防湿バリア材Vitriflex社への出資

 


(1)新中期経営計画「GS-STEP」による企業価値向上に向けた取組み

当社は、2015年度より、「長期企業ビジョン」で掲げた「世界に存在感を示す高収益スペシャリティ化学企業」を実現するための3ヵ年(2015年度~2017年度)の実行計画として、新中期経営計画「GS-STEP」をスタートさせています。新中期経営計画「GS-STEP」においては、前中期経営計画「GS-Ⅲ」期間に実施した様々な施策の成果を結実させること、ならびに、事業拡大に向けた経営基盤の構築を確実に進めることにより、高収益を実現し、さらなる成長に向けて諸々の戦略を実行してまいります。

 

(2)新中期経営計画「GS-STEP」の主要経営戦略

新中期経営計画は、「長期ビジョン」の実現に繋がる着実な歩みとなるアクションプランを策定したという意図で、「GS-STEP」と名付けました。また、「GS-STEP」は、Growth Strategy with Synergy, Technology, Eco-friendliness and Profitabilityと表記することで、Synergyとして「コア事業の深耕」と「経営資源最適配置」を、Technologyとして「技術革新」と「次世代成長モデル」を、Eco-friedlinessとして「環境への貢献」を実施し、Profitability即ち「高収益」を実現するという「GS-STEP」の経営戦略も表しています。

 

コア事業の深耕

・ビニルアセテート:M&Aなど投資効果を結実させる

・イソプレン:次なる成長に向けた布石を打つ

技術革新

・新製品・新用途・新プロセスを確立する

・新事業を創出する

次世代成長モデル

・アライアンス・M&Aにより新領域を獲得する

・革新的なビジネスモデルを確立する

経営資源最適配置

・グローバルで経営資源を最適配置する

・海外人材を積極活用する

環境への貢献

・地球環境に貢献する製品を拡大する

・環境負荷を低減したプロセスで製造する

 

 

(3)業績目標

新中期経営計画では、最終年度である2017年度に売上高6,500億円、営業利益900億円を目指します。

<業績目標>

 

2014年度(補正)
(1月~12月)

2017年度目標
(GS-STEP)

売 上 高

4,850億円

6,500億円

営業利益

514億円

900億円

 

(注1)「GS-STEP」との比較のため、2014年度(補正)の数値は、当社および3月決算であった連結対象会社の業績を12ヶ月(2014年1月1日から2014年12月31日)の期間に合わせて表示しています。

(注2)2014年度(補正)の数値は監査を受けていません。

 

 

(4)高収益の実現

当社は、新中期経営計画における最重点課題は、経営戦略に基づく諸施策を着実に実行し、高収益を実現することだと考えております。具体的には、スペシャリティ化学の真髄である高付加価値製品の拡大、新銘柄の開発や銘柄構成の最適化による収益力の向上、品質向上および抜本的なコストダウンを図るためのプロセス改良や新プロセスの確立、サプライチェーンマネジメントの強化などにより競争力を強化し、高収益を実現します。高収益を目指す指標として、売上高営業利益率と1株当たり純利益を重視し、2017年度に売上高営業利益率13.8%、1株当たり純利益163円を目標とします。

 

(5)投資の考え方

投資につきましては、「GS-STEP」期間の3年間で2,000億円の設備投資を決定する計画ですが、そのうち6割の1,200億円は将来の成長のための新設、増設投資に配分します。なお、設備投資の決定と支払いにはタイムラグがありますので、この期間における設備投資の支払額は、1,700億円を見込んでおります。「GS-STEP」期間に獲得する見込みの2,200億円のキャッシュフローのうち、1,700億円はこの設備投資の支払いに充当する予定です。
 株主の皆様への利益配分につきましては、「GS-STEP」期間中は、総還元性向を35%以上、1株当たり年間配当金を36円以上といたします。
 また、利益配分とは別に、当社が保有している自己株式のうち、20百万株以上を2015年度中に消却いたします。
 当社は獲得したキャッシュフローを安定的に株主の皆様に還元するとともに、事業に再投資することでグループ全体の持続的な成長を図り、企業価値を中長期持続的に向上させてまいります。

 

2.コーポレート・ガバナンス体制の構築

以上の取組みに加えて、当社は、上記Ⅰ.に記載の基本方針の実現に資する取組みとして、当社のコーポレート・ガバナンス体制の構築を進めております。当社は、経営の効率性と公正性を確保する効果的なコーポレート・ガバナンス体制の構築により、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行い、多様な利害関係者との適切な関係を維持し、社会に対する責任を果たすことが、長期的・持続的に企業価値・株主共同の利益を向上させ、上記Ⅰ.に記載の基本方針の実現に資するものと考えます。当社は、この認識のもとに、以下のとおりコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。

① 取締役および業務執行機関

当社は、グローバル経営基盤の強化および業容の拡大に備えるため、取締役の定員を12名とし、また、取締役の株主に対する責任を明確化するため、その任期を1年としています。また、社外取締役として2名の独立社外者を任用し、独立した第三者の立場から経営の監督機能を担っています。さらに、業績連動型報酬制度、ストックオプション制度を導入し、取締役の株主利益向上へのインセンティブを高めています。
 また、当社は、取締役としての経営意思決定・監督の責任と、業務執行上の責任とを明確に分離するため、執行役員制を導入しています。執行役員(任期1年)はカンパニー、事業部および主要職能組織の長の職位に就き、執行責任と業績に対する結果責任を負います。

② 監査役

当社の監査役は5名とし、このうち3名は社外監査役として独立社外者を任用しています。

③ 経営諮問会議

当社は、社長の業務執行に対して、法令遵守、株主権保護、経営の透明性確保の視点から助言することを職務とする、経営諮問会議を設置しています。
 経営諮問会議の常任メンバーは7名とし、うち4名は企業経営や企業法務に豊富な経験を持つ社外有識者としています。同会議は、定期的に重要な経営方針や経営課題、社長の進退、後継者候補の選定、社長の報酬等に関し、社長に対して助言を行っています。

 


 

3.株主の皆様への利益配分についての基本方針

当社は、株主の皆様に対する利益配分を経営の重要課題と位置付け、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させるべく、株主の皆様に対する経営成果の還元と将来の成長力の確保に配慮しつつ、適正な利益配分を行うよう努めています。具体的には、連結当期純利益に対する配当性向は35%以上を目標とし、持続的な業績向上を通じて、増配を実施してまいりました。1株当たりの年間配当金は、2002年度の9円から2013年度の36円へと拡大しました。

当社は、上記1.に記載のとおり、中期経営計画「GS-STEP」を今後3年間で実施いたします。この期間における利益配分は、連結当期純利益に対する総還元性向を35%以上、1株当たり年間配当金を36円以上といたします。今後とも、中長期的視点から、株主の皆様に対する経営成果の還元と将来的な成長力の確保に配慮し、適正な利益配分に努めてまいる所存です。

 

Ⅲ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、2015年2月24日開催の当社取締役会において、2015年3月27日開催の当社第134回定時株主総会において出席株主の皆様の議決権の過半数のご賛同を得て承認可決されることを条件として、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上のための取組みとして、当社に対する濫用的な買収等を未然に防止するため、以下のとおり、当社の株式の大量買付行為に関する対応策(以下「本プラン」といいます。)の導入を決定し、また、本プランは、上記当社定時株主総会において、出席株主の皆様の議決権の過半数のご賛同を得て承認可決されました。なお、本プランは、上記取締役会において社外取締役2名を含む当社取締役全員の賛成により決定されたものですが、当該取締役会には、社外監査役3名を含む当社監査役全員が出席し、いずれの監査役も、本プランに賛同しています。

 

1. 本プランの内容

(1)対抗措置発動の対象となる大量買付行為

本プランにおいては、次の①もしくは②に該当する行為またはこれらに類似する行為(ただし、当社取締役会が予め承認したものを除きます。このような行為を以下「大量買付行為」といいます。)がなされまたはなされようとする場合には、本プランに基づく対抗措置が発動されることがあります。

 

①当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合の合計が20%以上となる買付け

②当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け

 

 

(2)大量買付者に対する情報提供の要求

(ⅰ)意向表明書の提出

大量買付者が大量買付行為を行う場合には、当社取締役会が予め承認した場合を除き、まず、その実施に先立ち、当社に対して、当該大量買付者が大量買付行為に際して本プランに定められた手続(以下「大量買付ルール」といいます。)を遵守する旨の誓約その他一定の事項を記載した意向表明書を提出していただきます。

具体的には、意向表明書には、以下の事項を記載していただきます。

① 大量買付者の氏名または名称および住所または所在地、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先、会社等の目的および事業の内容ならびに大株主または大口出資者(所有株式数または出資割合上位10名)の概要

② 大量買付行為の概要(大量買付者が大量買付行為により取得を予定する当社の株券等の種類および数ならびに大量買付行為の目的の概要(支配権取得もしくは経営参加、純投資もしくは政策投資、大量買付行為後の当社の株券等の第三者への譲渡または重要提案行為等を行うことその他の目的がある場合には、その旨および概要。なお、目的が複数ある場合にはその全てを記載していただきます。)を含みます。)

③ 大量買付者が現に保有する当社の株券等の数および意向表明書提出日前60日間における大量買付者の当社の株券等の取引状況

④ 大量買付ルールを遵守する旨の誓約

 

(ⅱ)大量買付情報の提供

大量買付者には、上記(ⅰ)の意向表明書を提出いただいた場合には、以下の手順に従い、当社取締役会に対して、大量買付行為に対する当社の株主の皆様のご判断および当社取締役会の評価・検討等のために必要かつ十分な情報(以下「大量買付情報」といいます。)を提供していただきます。

当社取締役会は、上記(ⅰ)の意向表明書受領後10営業日(初日不算入とします。)以内に、大量買付者に対し、当初提供していただくべき情報を記載したリスト(以下「大量買付情報リスト」といいます。)を、上記(ⅰ)①の国内連絡先宛に発送します。

提供していただく情報の具体的内容は、大量買付者の属性、大量買付行為の条件・方法等により異なりますが、以下の各項目に記載する情報は、原則として大量買付情報リストの一部に含まれるものとします。なお、大量買付情報リストに含まれる情報の具体的な内容については、当社取締役会が、当該大量買付行為の条件・方法等に照らして合理的に決定します。

(ア)大量買付者に関する事項

大量買付者およびそのグループの詳細

(イ)大量買付行為の具体的内容

① 大量買付行為の目的、方法および内容

② 大量買付行為の買付対価の内容、ならびに買付価格の算定の基礎および経緯

③ 大量買付行為に際して第三者との間における意思連絡が存する場合には、その相手方および内容

④ 大量買付行為に要する資金の調達状況および当該資金の調達先の概要

⑤ 大量買付者が既に保有する当社の株券等に関する貸借契約、担保契約、売戻し契約、売買の予約その他第三者との間の重要な契約または取決め(以下「担保契約等」といいます。)がある場合には、その内容

⑥ 大量買付者が大量買付行為の完了後に取得を予定する当社の株券等に関する担保契約等の締結その他の第三者との間の合意の予定がある場合には、その内容

⑦ 支配権取得または経営参加を大量買付行為の目的とする場合には、大量買付行為の完了後に意図する当社および当社グループの支配権取得または経営参加の方法ならびに支配権取得後の経営方針または経営参加後の計画。組織再編等の当社および当社グループの経営方針に対して重大な変更を加え、または重大な影響を及ぼす行為を予定している場合には、その内容および必要性

⑧ 純投資または政策投資を大量買付行為の目的とする場合には、大量買付行為の後の株券等の保有方針、売買方針および議決権の行使方針ならびにそれらの理由。長期的な資本提携を目的とする政策投資として大量買付行為を行う場合には、その必要性

⑨ 重要提案行為等を行うことを大量買付行為の目的とする場合または大量買付行為の後に重要提案行為等を行う可能性がある場合には、その内容

⑩ 大量買付行為の後、当社の株券等をさらに取得する予定がある場合には、その理由およびその内容

⑪ 大量買付行為の完了後に意図する当社グループの従業員、取引先、顧客、地域社会等の利害関係者の処遇方針

⑫ 大量買付者が当社および当社グループの事業と同種の事業を営んでいる場合には、大量買付行為の完了後における独占禁止法または海外競争法に照らした適法性についての考え方

また、大量買付情報リストに従い大量買付者から当初提供していただいた情報だけでは、当該大量買付行為の条件・方法等に照らして、株主の皆様のご判断および当社取締役会の評価・検討等のためには不十分であると当社取締役会が客観的合理的に判断する場合には、当社取締役会が別途請求する追加の情報を大量買付者から提供していただきます。

 

なお、大量買付ルールの迅速な運用が確保されるよう、大量買付情報リストの発送日から起算して60営業日(初日不算入とします。)(以下「情報提供要請期間」といいます。)を経過しても当社が求める情報が提出されない場合には、その時点で当社取締役会は大量買付情報の提供に係る大量買付者とのやり取りを打ち切り、当社取締役会による評価・検討等を開始するものとします。ただし、大量買付者から合理的な理由に基づく延長要請があった場合または大量買付行為の内容・規模等および大量買付情報の具体的な提出状況等を考慮して必要であると当社取締役会が判断した場合には、30営業日(初日不算入とします。)を上限として情報提供要請期間を延長することができるものとします。その際、当社取締役会は、特別委員会に対して、期間延長の必要性および理由を説明の上、その是非について諮問し、その勧告を最大限尊重するものといたします。

なお、意向表明書が提出された事実および大量買付者から提供された情報については、株主の皆様のご判断のために必要であると認められる場合には、当社取締役会は適時かつ適切にその全部または一部を株主の皆様に公表いたします。

また、当社取締役会は、大量買付者から提供された情報が大量買付情報として十分であり、大量買付情報の提供が完了したと客観的合理的に判断する場合には、速やかに、その旨を大量買付者に対して通知(以下「情報提供完了通知」といいます。)するとともに、株主の皆様に公表いたします。

 

(ⅲ)使用言語

上記(ⅰ)の意向表明書の提出および上記(ⅱ)の大量買付情報の提供は日本語で行っていただきます。

 

(3)取締役会評価期間の設定等

当社取締役会は、情報提供完了通知を行った後または情報提供要請期間が経過した後、当該大量買付行為の内容に応じて、意見形成、代替案の策定等の難易度等を勘案し、下記①または②に定める期間(いずれの場合も初日不算入とします。)の範囲内で合理的に必要な期間を、当社取締役会による大量買付行為の条件・方法等の評価・検討、大量買付者との協議・交渉、大量買付行為に関する意見形成、代替案の策定等を行うための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)として設定します。

① 対価を現金(円貨)のみとする当社の株券等の全てを対象とする公開買付けによる大量買付行為の場合には最長60日

② その他の大量買付行為の場合には最長90日

当社取締役会は、取締役会評価期間内において、大量買付者から提供された情報に基づき、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上の観点から大量買付行為の条件・方法等の評価・検討を行い、大量買付行為に関する当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、その内容を大量買付者に対して通知するとともに、適時かつ適切に株主の皆様に公表いたします。また、当社取締役会は、必要に応じて、当該大量買付者との間で大量買付行為の条件・方法について協議・交渉を行うとともに、当社取締役会として株主の皆様に対する代替案の策定等を行うものとします。

なお、当社取締役会が取締役会評価期間内に上記の評価・検討、大量買付者との協議・交渉、大量買付行為に関する当社取締役会としての意見の形成または株主の皆様に対する代替案の策定等を完了するに至らないことにやむを得ない事由がある場合には、当社取締役会は、特別委員会に対して、取締役会評価期間の延長の必要性および理由を説明の上、その是非について諮問し、その勧告を最大限尊重した上で、合理的に必要と認められる範囲内で取締役会評価期間を延長することができるものとします。ただし、延長は一度に限るものとし、延長の期間は最長30日間(初日不算入とします。)とします。当社取締役会が取締役会評価期間の延長を決議した場合には、当社は、当該決議された具体的期間および当該延長の理由について、適用ある法令および金融商品取引所規則に従い、適時かつ適切に株主の皆様に公表いたします。

大量買付者は、取締役会評価期間の経過後においてのみ、大量買付行為を開始することができるものとします。なお、株主意思確認総会を招集する場合については、下記(4)(ⅰ)(ウ)をご参照ください。

 

(4)大量買付行為がなされた場合の対応方針

 

(ⅰ)対抗措置発動の条件

 

(ア)大量買付者が大量買付ルールに従わずに大量買付行為を行う場合

① 特別委員会の勧告に基づき発動する場合

大量買付者が大量買付ルールに従わずに大量買付行為を行いまたは行おうとする場合には、具体的な大量買付行為の条件・方法等の如何を問わず、当社取締役会は、当該大量買付行為を当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう敵対的買収行為とみなし、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させるために必要かつ相当な対抗措置(その具体的内容については、下記(ⅱ)をご参照ください。)を発動することができるものとします。

かかる場合、下記2.(1)(ⅱ)に記載のとおり、当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、特別委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、特別委員会は、必要に応じて当社取締役会から独立したフィナンシャル・アドバイザー、弁護士、公認会計士その他の外部専門家(以下「外部専門家等」といいます。)の助言を得た上で、当社取締役会に対して対抗措置の発動の是非について勧告を行います。当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、特別委員会による勧告を最大限尊重するものといたします。当社取締役会が対抗措置を発動することを決議した場合には、速やかに当該決議の内容を公表いたします。

② 株主意思確認総会決議に基づき発動する場合

上記①にかかわらず、対抗措置の発動に際して、その是非につき株主の皆様のご意思を確認するための株主総会(以下「株主意思確認総会」といいます。)を招集することを特別委員会が勧告した場合には、当社取締役会は、株主意思確認総会を招集し、対抗措置を発動するか否かについて株主の皆様のご意思を確認させていただくことができるものとします。

 

 

(イ)大量買付者が大量買付ルールに従って大量買付行為を行う場合

① 特別委員会の勧告に基づき発動する場合

大量買付者が大量買付ルールに従って大量買付行為を行いまたは行おうとする場合には、当社取締役会が仮に当該大量買付行為に対して反対であったとしても、原則として、当該大量買付行為に対する対抗措置は発動しません。大量買付者による大量買付行為の提案に応じるか否かは、株主の皆様において、当該大量買付行為に関して大量買付者から提供された情報およびそれに対する当社取締役会の意見、代替案等をご考慮の上、ご判断いただくこととなります。

ただし、大量買付者が大量買付ルールに従って大量買付行為を行いまたは行おうとする場合であっても、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうものであると明白に認められる場合には、当社取締役会は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させるために必要かつ相当な対抗措置(その具体的内容については、下記(ⅱ)をご参照ください。)を発動することがあります。

かかる場合、下記2.(1)(ⅱ)に記載のとおり、当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、特別委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、特別委員会は、必要に応じて外部専門家等の助言を得た上で、当社取締役会に対して対抗措置の発動の是非について勧告を行います。当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、特別委員会による勧告を最大限尊重するものといたします。当社取締役会が対抗措置を発動することを決議した場合には、速やかに当該決議の内容を公表いたします。

② 株主意思確認総会決議に基づき発動する場合

上記①にかかわらず、株主意思確認総会を招集することを特別委員会が勧告した場合には、当社取締役会は、株主意思確認総会を招集し、対抗措置を発動するか否かについて株主の皆様のご意思を確認させていただくことができるものとします。また、かかる勧告がない場合であっても、対抗措置の発動の是非につき株主の皆様のご意思を直接確認することが適切であると当社取締役会が判断した場合には、株主意思確認総会を招集し、対抗措置を発動するか否かについて株主の皆様のご意思を確認させていただくことができるものとします。

 

(ウ)株主意思確認総会を招集する場合の取扱い

当社取締役会は、株主意思確認総会を招集する場合には、対抗措置の発動の是非について当該株主意思確認総会の決議に従うものとします。

大量買付者は、当社取締役会が株主意思確認総会を招集することを決定した場合には、当該株主意思確認総会終結時まで、大量買付行為を開始することができないものとします。なお、株主意思確認総会が招集されない場合においては、上記(3)に記載のとおり、取締役会評価期間の経過後に大量買付行為を開始することができるものとします。

 

(ⅱ)対抗措置の内容

当社取締役会は、上記(ⅰ)(ア)または(イ)において発動することとされる対抗措置として、新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の無償割当てを行うこととします。
 また、当社は、本新株予約権の無償割当てによる対抗措置の発動の機動性を確保するために、本新株予約権の発行登録を行うことを予定しております。

 

2. 本プランの合理性および公正性を担保するための仕組みについて

 

(1)特別委員会の設置および諮問等の手続

 

(ⅰ)特別委員会の設置

取締役会評価期間を延長するか否か、対抗措置を発動するか否か、および発動した対抗措置を維持するか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行います(ただし、株主意思確認総会を招集する場合には、当該株主意思確認総会の決議に従います。)が、その判断の合理性および公正性を担保するため、またその他本プランの合理性および公正性を担保するために、当社は、当社取締役会から独立した組織として、特別委員会を設置することとします。特別委員会の委員は、3名以上とし、社外取締役および社外監査役の中から選任されるものとします。本プラン導入時の特別委員会の委員には、塩谷隆英氏、浜口友一氏、および藤本美枝氏の合計3名が就任する予定です。

 

(ⅱ)対抗措置発動の手続

当社取締役会が対抗措置を発動する場合には、その判断の合理性および公正性を担保するために、以下の手続を経ることとします。

まず、当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、特別委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問します。特別委員会は、この諮問に基づき、必要に応じて外部専門家等の助言を得た上で、当社取締役会に対して対抗措置の発動の是非について勧告を行います。当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、特別委員会による勧告を最大限尊重するものとします。ただし、上記1.(4)(ⅰ)に記載のとおり、株主意思確認総会を招集し、大量買付者に対して対抗措置を発動するか否かについて株主の皆様のご意思を確認させていただく場合もあります。

なお、当社取締役会は、特別委員会に対する上記諮問のほか、大量買付者から提供された情報その他の情報に基づき、大量買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益に与える影響を検討の上で、対抗措置の発動の是非を判断するものとします。

 

 

(ⅲ)特別委員会に対するその他の諮問

当社取締役会は、大量買付者から提供された情報が大量買付情報として十分であるかについて疑義がある場合、株主の皆様に対して当社取締役会が代替案の策定等をする場合、その他当社取締役会が必要と認める場合には、情報提供要請期間の延長の是非、取締役会評価期間の延長の是非、対抗措置の発動の是非および対抗措置の維持の是非以外についても、任意に特別委員会に対して諮問することができるものとし、かかる諮問がなされたときは、特別委員会は、必要に応じて外部専門家等の助言を得ながら、当該諮問に係る事項につき検討し、当社取締役会に対して勧告を行います。当社取締役会は、かかる特別委員会の勧告についても最大限尊重するものとします。

 

(2)株主の皆様のご意思の確認

 

(ⅰ)本プランの導入に関する株主の皆様のご意思の確認

当社取締役会は、本プランの導入に関する株主の皆様のご意思を確認するため、2015年3月27日開催の当社第134回定時株主総会において本プランの導入に関する議案をお諮りし、当該議案が出席株主の皆様の議決権の過半数のご賛同を得て承認可決されることを条件として、本プランを導入することを決議しております。

 

(ⅱ)対抗措置の発動に関する株主の皆様のご意思の確認

上記1.(4)(ⅰ)に記載のとおり、所定の場合には、当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、株主意思確認総会を招集し、大量買付者に対して対抗措置を発動するか否かについて株主の皆様のご意思を確認させていただくことができるものとしております。

 

 (3)外部専門家等の助言

当社取締役会は、大量買付情報リストに含まれる情報の具体的な内容、大量買付者が提供した情報の大量買付情報としての十分性、取締役会評価期間の設定、取締役会評価期間の延長の是非、対抗措置の発動の是非、および対抗措置の維持の是非に関して判断・決定する場合、大量買付行為の条件・方法等を評価・検討等する場合、その他当社取締役会が必要と認める場合について、その判断等の合理性および公正性を担保するため、またその他本プランの合理性および公正性を担保するために、外部専門家等の助言を得るものとします。

 

 (4)発動した対抗措置の中止または撤回

当社取締役会が本プランに基づき対抗措置を発動した場合であっても、①大量買付者が大量買付行為を中止もしくは撤回した場合、または、②対抗措置を発動するか否かの判断の前提となった事実関係等に変動が生じ、かつ、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上という観点から発動した対抗措置を維持することが相当でないと考えられる状況に至った場合には、当社取締役会は、当該対抗措置の維持の是非について検討し、上記①または②の場合に該当することとなった具体的事情を提示した上で、特別委員会に諮問するものとします。特別委員会は、当該諮問に基づき、必要に応じて外部専門家等の助言を得ながら、当該対抗措置の維持の是非について検討し、当社取締役会に対して勧告を行います。当社取締役会は、対抗措置を維持するか否かの判断に際し、特別委員会の勧告を最大限尊重するものとします。

上記特別委員会の勧告を踏まえた結果、当社取締役会が当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上という観点から対抗措置を維持することが相当でないと判断するに至った場合には、発動した対抗措置を、当社取締役会は中止または撤回し、速やかにその旨を公表いたします。

 

 (5)本プランの有効期間ならびに継続、廃止および変更についての株主の皆様のご意思の尊重

本プランの有効期間は、2018年に開催される当社第137回定時株主総会の終結時までとします。

なお、かかる有効期間の満了前であっても、①当社株主総会において本プランを廃止もしくは変更する旨の議案が承認された場合または②当社取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止または変更されるものとします。

また、当社取締役会は、会社法、金融商品取引法その他の法令もしくは金融商品取引所規則の変更もしくは解釈・運用の変更または税制もしくは裁判例の変更により合理的に必要と認められる範囲内で、特別委員会の承認を得た上で、本プランを変更することがあります。

本プランについては、2016年以降に開催される毎年の当社定時株主総会の終結後最初に開催される当社取締役会において、その継続、廃止または変更について、検討の上、決定します。

当社は、本プランが廃止または変更された場合には、当該廃止または変更の事実および変更の場合には変更内容その他当社取締役会が適切と認める事項について、適用ある法令および金融商品取引所規則に従って速やかに情報開示を行います。

 

3. 株主および投資家の皆様への影響

(1)本プランの導入時に株主および投資家の皆様に与える影響

本プランの導入時には、本新株予約権の無償割当て自体は行われません。したがいまして、本プランがその導入時に株主および投資家の皆様の有する当社の株式に係る法的権利および経済的利益に対して直接具体的な影響を与えることはありません。

(2)本新株予約権の無償割当て時に株主および投資家の皆様に与える影響

当社取締役会が対抗措置の発動を決定し、本新株予約権の無償割当てに係る決議を行った場合には、割当期日における最終の株主名簿に記録された株主の皆様に対し、その保有する株式1株につき1個の割合で、本新株予約権が無償にて割り当てられます。このような対抗措置の仕組み上、本新株予約権の無償割当て時においても、株主および投資家の皆様が保有する当社の株式1株当たりの経済的価値の希釈化は生じるものの、保有する当社の株式全体の経済的価値の希釈化は生じず、また当社の株式1株当たりの議決権の希釈化は生じないことから、株主および投資家の皆様の有する当社の株式全体に係る法的権利および経済的利益に対して直接具体的な影響を与えることは想定しておりません。

なお、当社取締役会が、対抗措置として本新株予約権の無償割当てに係る決議をした場合であっても、上記2.(4)に記載の手続等に従い当社取締役会が発動した対抗措置の中止または撤回をした場合には、株主および投資家の皆様が保有する当社の株式1株当たりの経済的価値の希釈化も生じないことになるため、当社の株式1株当たりの経済的価値の希釈化が生じることを前提にして売買を行った投資家の皆様は、株価の変動により損害を被る可能性がある点にご留意ください。

また、本新株予約権の行使または取得に関して差別的条件を付す場合には、当該行使または取得に際して、大量買付者の法的権利等に希釈化が生じることが想定されますが、この場合であっても、大量買付者以外の株主および投資家の皆様の有する当社の株式全体に係る法的権利および経済的利益に対して直接具体的な影響を与えることは想定しておりません。

 

Ⅳ.上記Ⅱ.の取組みについての取締役会の判断

当社は、企業価値を安定的かつ持続的に向上させていくことこそが株主共同の利益の向上のために最優先されるべき課題であると考え、当社の企業価値・株主共同の利益の向上を目的として、上記Ⅱ.の取組みを行っております。これらの取組みの実施を通じて、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させ、それを当社の株式の価値に適正に反映させていくことにより、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうおそれのある当社株式の大量買付けは困難になるものと考えられます。したがいまして、上記Ⅱ.の取組みは上記Ⅰ.の基本方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

Ⅴ.上記Ⅲ.の取組みについての取締役会の判断

上記Ⅲ.の取組みは、十分な情報の提供と十分な検討等の期間の確保の要請に応じない大量買付者、および当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう大量買付行為を行いまたは行おうとする大量買付者に対して、対抗措置を発動できることとしています。したがいまして、上記Ⅲ.の取組みは、これらの大量買付者による大量買付行為を防止するものであり、上記Ⅰ.の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みであります。また、上記Ⅲ.の取組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、大量買付者に対して、当該大量買付者が実施しようとする大量買付行為に関する必要な情報の事前の提供、およびその内容の評価・検討等に必要な期間の確保を求めるために導入されたものです。さらに、上記Ⅲ.の取組みにおいては、株主意思の重視、合理的な客観的要件の設定、特別委員会の設置等の当社取締役会の恣意的な判断を排し、上記Ⅲ.の取組みの合理性を確保するための様々な制度および手続が確保されているものです。

したがいまして、上記Ⅲ.の取組みは上記Ⅰ.の基本方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの業績(経営成績および財政状態)等に重要な影響を及ぼすリスクには以下のような項目があります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2014年12月31日)現在において当社が判断したものです。

(1) 事業環境の変化に関わるリスク

当社グループは、多様な事業ポートフォリオを有しており、製品市場もグローバルかつ様々な用途分野に展開しています。さらに、当社の製品は特殊化学品が多く、一般に比べて商品市況の影響を受けにくい構成になっていますが、近年、用途分野を電子・電機、自動車、環境等の成長分野へシフトさせつつあり、業績の依存度も高まっています。これらの分野は、最終製品における業界標準の転換、短い製品寿命、グローバルな開発競争等、市場変化が激しいため、当社製品についても市場環境や競争条件が激変するリスクがあります。

また、当社グループの製品である化成品、合成樹脂、合成繊維の原料は、原油、天然ガスの市況に影響を受けるエチレン等の石油化学製品です。このため、予想を超えるこれらの市況の変動が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

これらの事業環境の変化により、重要な事業が縮小・撤退を余儀なくされるリスクがあります。

(2) 事故・災害に関わるリスク

当社グループは、日本および欧州、北米、アジアに生産拠点を設けており、これらの多くは大規模な化学工場です。爆発、火災、有害物質の漏洩などの事故・災害の未然防止、および災害発生時には被害の極小化に努めるとともに、重要な生産設備については、拠点分散や損害保険によるリスク対応を行っていますが、重大な保安事故、環境汚染や自然災害が発生すれば、従業員や第三者への人的・物的な損害、事業資産の毀損、長期の生産停止が生じるリスクがあります。

また、重要な原材料、設備・メンテナンス部品やサービスの提供などを担っているサプライヤーにおける事故・災害の発生により、当社グループの製品供給に影響が生じるリスクがあります。

(3) 係争・法令違反に関わるリスク

当社グループは、独自技術による事業を数多く有しており、将来において、当社グループの知的所有権への重大な侵害や当社の権利に対する係争が発生するリスクがあります。

また、当社グループは、自動車、電気・電子材料、医療、食品包装等、最終製品の品質確保に重要な役割を担う製品を数多く供給しています。当社グループでは主に製造拠点単位で品質マネジメントシステムを導入し品質の向上に努めていますが、品質の欠陥に起因する大規模な製品回収が発生すると、PL保険でカバーできない損害賠償等の損失が発生するリスクがあります。

当社グループの各事業拠点においては、コンプライアンス体制を構築し、法令等の遵守に努めていますが、重大な法令違反を起こした場合、また現行の法規制の変更や新たな法規制等が追加された場合には、事業活動に制約を受けるリスクがあります。

(4) 為替の変動に関わるリスク

当社グループは、日本国内および欧州、北米、アジアなどの海外諸地域で生産、販売を展開しています。当社グループが国内で生産し、海外へ輸出する事業では製品の輸出価格が為替変動の影響を受けます。一方、海外の事業拠点で生産、販売する事業では、異なる通貨圏との間の調達・販売価格および外貨建て資産・負債の価額が為替変動の影響を受けます。このため想定を超える為替変動は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) その他のリスク

当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、戦争・暴動・テロ、伝染病等、偶発的な外部要因によって事業活動に支障が生じるリスクがあります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(当社が契約主体である技術援助契約)

相手先

内容

期間

LEE CHANG YUNG CHEMICAL INDUSTRY
CORPORATION(台湾)

メタクリル酸メチル(MMA)製造技術の供与

2005年3月28日からライセンスロイヤリティ受取期間終了の日まで(実質稼働10年間)

LEE CHANG YUNG CHEMICAL INDUSTRY
CORPORATION(台湾)

メタクリル樹脂(PMMA)製造技術の供与

2008年3月21日からライセンスロイヤリティ受取期間終了の日まで(実質稼働10年間)

Evonik Röhm GmbH(ドイツ)

メタクリル酸メチル(MMA)製造技術の供与

2006年1月23日からライセンスロイヤリティ受取期間終了の日まで(実質稼働10年間)

 

 

(当社が契約主体である合弁契約)

相手先

内容

期間

浙江禾欣実業股有限公司(中国)

人工皮革用基布の製造販売を目的とする合弁会社の設立・運営

2004年7月13日から12年間

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、企業ミッション「私たちクラレグループは、独創性の高い技術で産業の新領域を開拓し、自然環境と生活環境の向上に寄与します」に基づいて、社内カンパニー・事業部・連結子会社に所属するディビジョン研究開発とコーポレート研究開発との緊密な連携の下に推進されています。

中期経営計画「GS-Ⅲ」に掲げた「独創性の高い技術により全地球的課題に効果的な解決策を提供する」のコンセプトに則り、技術革新を通じ新たな製品・用途開発を行うことで業容を拡大するとともに将来の成長を目指します。「GS-Ⅲ」では「強い素材の開発と成型加工技術の深化・横展開」、「社内で保有しない技術の外部活用」、「カンパニーと関係会社の協働強化」を重点方針として掲げます。本方針に基づき、新事業創出を目指す「高い市場成長力」をもつ分野として定めた、環境(水処理を含む)、エネルギー、光学・電子材料の重点領域において、早期に収益への貢献を果たすことを目指し、「長期企業ビジョン」で描いた「世界に存在感を示すスペシャリティ化学企業の実現」を目指します。また、2013年4月からは新事業開発のスピードアップを図るため、従来の新事業開発本部を研究開発本部と新事業開発本部に分割しました。研究開発本部は、新事業の創出および基盤技術の強化拡大に注力し、新たな新事業開発本部は、電子材料、成形部材等の重点テーマの早期事業化を目指しています。

コーポレート研究開発は、くらしき研究センター、つくば研究センターおよびクラレリサーチ&テクニカルセンター(KRTC:米国およびドイツ)を擁し、世界規模の体制で運営しています。生産技術に関しては、技術開発センターにおいて「原理原則と現場感覚の最適融合」による生産技術開発を推進しています。ディビジョン研究開発は、社内カンパニー・事業部・連結子会社が各事業所に研究開発部署を有しています。コーポレート研究開発とディビジョン研究開発は密接に連携し、基幹事業の強化および新事業の開発加速のために活動を推進しています。これらを合わせた当社グループ(当社および連結子会社)の研究開発人員数は891人です。当連結会計年度のセグメントごとの研究開発費は、ビニルアセテート4,470百万円、イソプレン1,035百万円、機能材料1,561百万円、繊維1,251百万円、トレーディング107百万円、その他877百万円、全社共通(コーポレート研究開発)4,871百万円、合計14,174百万円になります。

 

セグメントごとおよびコーポレートの研究開発活動を示すと次のとおりです。

[ビニルアセテート]

・ポバール樹脂、ポバールフィルム、PVBフィルム、<エバール>樹脂の酢酸ビニルチェーンについては、世界のリーディングカンパニーとして、国内外の研究開発部署が連携し、新規用途開発、新商品開発、新規生産技術開発も併せて、研究開発活動を推進しています。

・ポバール樹脂では、特殊変性技術を活かして、石油・天然ガス掘削現場で使用される高性能銘柄の開発を拡大しています。

・水溶性ポバールフィルムはDuPont社から買収したビニルアセテート関連事業(GLS事業)の原料を使用していることから、原料に遡及した開発を加速することで、買収のシナジー効果を発現させていきます。

・ガスバリア材料では、金属缶・ガラス瓶代替が可能な新商品として、スーパーバリア材料<エバール>AP、耐レトルト性のある透明バリアフィルム<クラリスタ>など積極的に新規用途開発に取り組んでいます。最近では水蒸気バリア性能を大幅に向上させた新銘柄<クラリスタ>CFを上市しており、一層の用途拡大を目指します。また、より厳しい環境規制に対応すべくガソリンバリア性能を一層向上させたプラスチック燃料タンク用銘柄<エバール>LVを上市しており、地球環境保全に貢献していきます。

 

[イソプレン]

・エラストマー関連では、新規に植物由来の原料ファルネッセンを用いた液状ゴムを開発しています。タイヤ原料に配合すると燃費向上につながることから、地球環境に貢献する液状ゴムとして、国内及び海外の大手タイヤメーカーで評価が進んでいます。

・イソプレンケミカル関連では、独自性の高いC4ケミストリーをさらに進化させた化学品として、殺菌剤や特殊インキ関連の材料開発、ならびに精密有機合成技術を基盤にした半導体フォトレジスト用材料など機能性化学品の創出に取り組んでいます。

・耐熱性ポリアミド樹脂<ジェネスタ>では、自動車分野での市場浸透が進むと共に、耐熱性・耐光性の高いLED部材用新銘柄の開発に取り組んでいます。

 

[機能材料]

・メタクリル樹脂については、差別化ポリマーの拡充とメタアクリル系樹脂を活用した新規用途開発、新商品開発を主体に研究開発活動を行っています。

・メディカル事業では、クラレノリタケデンタル株式会社の無機/有機の技術の融合による新規歯科材料の開発に注力しており、CAD/CAMなど歯科のデジタル化の流れにも対応しています。人工骨インプラント<リジェノス>の用途拡大と、新規材料の開発を進めています。

・人工皮革<クラリーノ>については、環境対応型革新プロセス(CATS)で上質な商品、特長を生かした新規用途開発により、ユーザー評価を進めています。

 

[繊維]

・PVA繊維<ビニロン>については、革新プロセス(VIP)によるフィラメントの基礎技術を確立し、実証プラント建設、ならびに新規素材の開発を目指しています。FRC(セメント補強材)は、新商品によるアジア、中南米等の新規ユーザーが拡大しました。また、軽量な成型品の展開も進めています。

・高強力繊維<ベクトラン>については、コスト合理化と品質安定化を図るべく新規プロセスの開発を進めています。

・新型不織布<フレクスター>については、伸縮包帯用途を中心に新規ユーザーの開拓に取り組んでいます。

・難燃繊維(ポリエーテルイミド繊維)は、耐熱性、低発煙性や分散染料可染等の特長があり、航空機や自動車等の高温断熱材やコンポジット、ならびに高視認性防護製品の展開を図っていきます。

 

 

[トレーディング]

・ポリエステル長繊維<クラベラ>については、①ふんわり・柔らかい高級タオルの製造に欠かせない特殊水溶性繊維<ミントバール>や、②環境対応素材<エコトーク>の一環として、染色加工時のCO2排出量を削減した<ピュアス>に水との親和性の高いエバールを複合した肌に優しい<ピュアスソフィスタ>をラインナップに加え販売を展開するなど、機能性・環境をキーワードにした独自素材の開発、用途開発に注力しています。

 

[その他]

・アクア事業推進本部では、中空糸ろ過膜を用いた様々な水の製造・回収、ポリビニルアルコール(PVA)ゲルを用いた産業排水の処理・回収、海洋生態系保全のための海水処理などを通して、「高品質で安全な水の提供」と「環境負荷の低減」に貢献する素材・装置・技術開発に取り組んでいます。また、食品残渣(生ごみ)を少なくするため、ゲルに住まわせた微生物で水と炭酸ガスに分解する装置を開発しました。この装置及びゲルの販売を促進します。

・クラレケミカル株式会社では、「Ecology & Amenity」を企業コンセプトとし、「環境・エネルギー」分野をメインターゲットに、活性炭や炭素材料を用いた新規用途開発に取り組んでいます。

・クラレプラスチックス株式会社では、当社の研究・開発部門と連携し、スチレン系エラストマーを使用した家電・電子部品ならびに自動車部品、建材、生活用品、スポーツ用品等の用途での樹脂用コンパウンド、ポバールフィルムでの多層化加工やエバールフィルムでの特殊コーティング加工をした新規フィルム、成型加工技術を利用したスマートハウス向け断熱換気ダクト等の開発を推進しています。

 

[コーポレート研究開発]

・コーポレート研究開発は、市場成長が期待される「水・環境」、「エネルギー」、「電子・光学」分野を重点注力分野とし、新規事業の創出と育成に注力しています。

 

・リチウムイオン二次電池(LiB)の研究・市場開発を加速するため、2012年8月に株式会社クレハの子会社である株式会社クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン(KBMJ)へ資本参加し、また同年8月にクラレケミカル株式会社とKBMJによる生産合弁会社である株式会社バイオハードカーボンを設立しました。岡山県備前市に年産1,000トンのバイオハードカーボン生産設備を建設し、これを足掛かりに、今後急速な拡大が見込まれるハイブリッド車や電気自動車などの車載用市場向けの電池負極材の開発を一層加速してまいります。一方、これ以外に電池材料の開発につきましても、技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター(LIBTEC)に参画し、電池部材の評価・解析を通じ、開発の加速を図っています。

 

・炭酸ガス回収・貯留のための膜分離技術開発に向け、地球環境産業技術研究機構(RITE)他2社と共同で設立した次世代型膜モジュール技術研究組合において、RITEが保有する技術をベースに当社の独自素材・技術を組み合わせた分離膜を開発し、目標性能を達成しました。今後本組合では、分離膜の更なる性能向上を図るとともに、実機型膜モジュールおよび膜分離システムの開発を進めます。

 

・独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに参画し、多孔性金属錯体(MOF)を用いて低エネルギー負荷で炭酸ガス等の混合ガスよりガス資源を分離・濃縮し、高効率活用することを目指した研究を行ってきました。実用に即した評価条件で良好な結果が得られ、社外ユーザーでの評価を進めています。今後は、社外ユーザーとのキャッチボールを加速し、実用化に向けた検討を進めます。

 

・新規アクリル系の特殊フィルムの開発において、アクリルの透明性を生かしながら、新たな機能を付与させた製品の用途開拓を推進しています。展示会においては、多くの顧客からサンプル供給の要求を受けるなど、注目を集めています。光学や加飾分野での採用が見込まれ、市場投入に向けた販売体制の準備を進めています。

 

・将来の成長領域での有望な新技術探索機能を強化する目的で、2011年よりカリフォルニア州シリコンバレーに拠点を設け、当社とシナジーのある技術を保有するベンチャー企業等と積極的に技術交流を進めてきました。その一環として、2013年に太陽電池やディスプレイ向けの超防湿フィルム開発のベンチャー企業であるVitriflex Inc. への出資を完了し、戦略的パートナーシップを締結しました。

 

・当社の微細成形技術を用いて、高い集光効率の集光型太陽光発電システム向けレンズを開発しました。さらなる高効率化を追及すると共に市場開拓にも注力し、特に中東や中国市場への発電システム設置計画に合わせたレンズ供給体制の確立を加速します。

 

・光源にLEDを用いるエッジライト方式の導光板開発が進み、高い照度、配光特性のコントロールおよび異方出射特性などの特長を生かしたLED照明への採用を加速します。照明メーカーとのコラボレーションを通じ、省エネ、薄型、軽量であることを生かした照明設計を図り、採用実績の拡大を進めます。

 

・当社の微細成形技術を用いて開発したマイクロ空間細胞培養プレート<Elplasia>の市場評価が進み、がんの創薬スクリーニング用途、および、再生医療細胞培養用途での実用化に向け、産学一体となってより具体的な取り組みを進めていきます。

 

・液晶ポリマーフィルム<ベクスター>は優れた高周波回路基板材料として市場で認められており、モバイルコミュニケーション端末用途で採用がさらに拡大しました。2014年度は西条事業所の生産能力増強設備を稼動させ、事業拡大の基礎を作りました。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

当連結会計年度における経営環境は、日本経済は懸念されていた消費増税後の景気減速が明らかになりました。世界経済は、米国経済は好調が続く一方、欧州は景気回復がもたつきました。さらに中国経済も成長鈍化が明らかとなり、新興国経済はまだら模様といった状況でした。期終盤の原油価格下落は当連結会計年度の業績には大きな影響はありませんでした。

このような状況において、当社グループは持続的な成長を実現させるため、コア事業の世界戦略を加速するとともに、水・環境、エネルギー、光学・電子の各領域において次世代を担う事業の開発を積極的に推進してきました。

セグメント別の状況につきましては、「第一部  企業情報  第2  事業の状況  1  業績等の概要  (1)業績」に記載のとおりです。

 

(2) 財政状態の分析

総資産は、有形および無形固定資産の増加等により前連結会計年度末比57,286百万円増691,538百万円となりました。負債はコマーシャル・ペーパーの発行等により前連結会計年度末比27,918百万円増209,712百万円となりました。純資産は前連結会計年度末比29,367百万円増加し、481,826百万円となりました。自己資本は474,760百万円となり、自己資本比率は68.7%となりました。

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第一部  企業情報  第2  事業の状況  1  業績等の概要  (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標は以下のとおりです。

 

2014年3月期

2014年12月期

自己資本比率(%)

70.3

68.7

時価ベースの自己資本比率(%)

65.2

69.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.1

1.8

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

65.2

118.9

 

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 

1.各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表数値により計算しています。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。

3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。

4.有利子負債は短期借入金、コマーシャル・ペーパー、長期借入金および社債の合計額を使用しています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。

 

(4) 経営戦略の現状と見通し

当社グループは、目指すべき長期的な方向性を示す「長期企業ビジョン」を踏まえ、このビジョンの実現に向けた挑戦を続けています。

2015年度の経営環境については、国内においては円安による輸入物価上昇で個人消費の落ち込みが懸念されます。国外においては、米国経済は順調に推移するものの、欧州は景気低迷からの回復が遅れ、また中国経済は成長が減速し、新興国の景気はまだら模様といった状況が続くと予想されます。さらに2014年度終盤からの原油価格急落は、世界経済に影響を与え、加えて地政学上のリスクが拡大するなどの可能性もあり先行きは予断を許せませんが、短期的には当社の業績に対しプラスに働くと予想します。
 当社は2015年度より新中期経営計画「GS-STEP」(2015年度~2017年度)をスタートさせています。「GS-STEP」では、コア事業の事業基盤をより磐石にすることによる競争優位性の向上、独自性の高い自社技術の活用による新事業の創出、生産プロセス改良や新プロセス確立による品質・コスト優位性の向上、外部資源のより一層の活用による新規事業領域の拡大などにより、高収益を実現するとともに、事業拡大に向けた経営基盤の構築を着実に進めてまいります。

 

※文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。