第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、日本経済は企業業績、雇用環境の改善が進み緩やかな回復基調が続きました。米国経済は個人消費が堅調に推移し、雇用情勢の改善などから緩やかな拡大基調が続きました。欧州経済も緩やかな回復基調にあり、中国経済も下半期から公共投資などを中心に概ね回復基調が続きましたが、新興国の成長鈍化や中東および朝鮮半島の情勢不安、英国のEU離脱問題など、政治経済情勢への不安により不透明感が高まりました。

 

(グループ経営目標)

当社グループは、「企業公器」「至誠一貫」「未来共創」からなる「グループ企業理念」を経営の基本方針とし、「グループ行動指針」を定め、企業価値の向上に日々邁進しています。当社グループの企業理念「企業公器」は、「事業を通じて人間社会に貢献し、それとともに企業を成長に導き、ステークホルダーに酬いる」ことを本旨としています。グローバル社会に貢献する「環境・エネルギーカンパニー」グループとして、環境破壊や地球温暖化など人間社会が直面する最大の課題にソリューションを提供し、安全で安心な暮らしに貢献することにより理念を具現化し、中期業績として平成38年3月期(2025年度)に売上高1兆円、ROE:12%の達成を目指しています。

 

(当連結会計年度の当社グループの連結業績)

売上高は、南部化成㈱の連結子会社化等により精密機器事業は増収となりましたが、造船市況の低迷や海運市況の悪化、また公共事業の大型案件の出荷一巡等により日本無線㈱の売上が減少したエレクトロニクス事業や、円高による為替換算の影響等によりブレーキ事業が減収になったこと等により527,274百万円(前年同期比6,715百万円、1.3%減)となりました。

営業利益は、日本無線㈱が営業赤字となり、新日本無線㈱が円高の影響により減益となるなど、エレクトロニクス事業の減益等により4,890百万円(前年同期比7,726百万円、61.2%減)となり、のれん償却前営業利益は12,299百万円(前年同期比7,506百万円、37.9%減)となりました。

経常利益は、持分法投資利益が増加したものの、営業利益の減少等により10,556百万円(前年同期比6,477百万円、38.0%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益も、減損損失の増加や偶発損失引当金繰入額の計上などにより3,574百万円(前年同期比7,200百万円、66.8%減)となりました。

主要な事業セグメントの業績は下記のとおりです。なお、平成28年10月1日に連結子会社であるニッシン・トーア㈱と岩尾㈱が合併し、ニッシントーア・岩尾㈱に社名変更しました。これに伴い、当連結会計年度より、従来、その他の事業に含まれていた岩尾㈱の衣料繊維事業を繊維事業として記載する方法に変更しました。繊維事業のセグメント別業績の前年同期比較は、変更後の数字に基づき記載しています。

なお、セグメント利益またはセグメント損失は、営業利益または営業損失ベースの数値です。

 

①エレクトロニクス

日本無線㈱は、海上機器事業において、造船市況低迷により商船新造船向け機器の売上が減少し、海運市況悪化により商船換装向け機器の売上も減少しました。また、公共事業関連のソリューション・特機事業においても、防災事業の大型案件の出荷が一巡したこと等により、減収・減益となりました。

新日本無線㈱は、主力の電子デバイス製品において、円高の影響を受けたものの、国内顧客を中心に車載品が堅調に推移したこと等により増収となりました。しかし営業利益は、SAWフィルタのファウンドリービジネスなど新規事業の立ち上がりが寄与し増収基調にありますが、円高の影響が大きく減益となりました。

その結果、エレクトロニクス事業全体では、売上高190,851百万円(前年同期比7.1%減)、セグメント損失3,240百万円(前年同期比11,558百万円減)となりました。

 

 

②ブレーキ

日本国内の自動車販売は、軽自動車が自動車税増税や燃費不正問題の影響により減少したものの徐々に持ち直しの傾向が見られ、新車販売合計では前年比で増加しました。当社グループの国内事業は、軽自動車販売の減少に伴い減収となりましたが、商品構成の変化等により増益となりました。

海外では、米国子会社は米国市場の好調持続下で現地通貨ベースでは増収・増益となり、タイ子会社も、自動車販売不振の影響はありましたが、新製品の立ち上がりにより現地通貨ベースでは増収・増益となりました。中国子会社も中国市場における小型エンジン車の減税効果等により現地通貨ベースでは増収・増益となりました。ただし、円高の影響により為替換算後はそれぞれ減収・減益となりました。韓国子会社は、韓国国内の自動車販売は好調でしたが、輸出不振の影響により減収・減益となりました。欧州の自動車販売は引き続き堅調でしたが、TMD社はアフターマーケット向け製品の販売減少に加え、円高による為替換算の影響等により減収となる中でコスト改善努力により赤字縮小となりました。

その結果、ブレーキ事業全体では、売上高146,061百万円(前年同期比11.5%減)、のれん償却前営業利益5,914百万円(前年同期比224百万円、3.9%増)となりました。

なお、TMD社買収等に伴い生じているのれんの償却費5,921百万円を費用処理しているため、のれん償却後のセグメント損失は7百万円(前年同期比879百万円改善)となりました。

 

③精密機器

自動車向け精密部品加工は、中国子会社の事業拡大に伴う受注増等により増収・増益となりました。プラスチック成形加工は、南部化成㈱が今期から連結範囲に加わったこと等により増収となったものの、インド子会社の工場移設による費用増等により減益となりました。

その結果、精密機器事業全体では、売上高60,687百万円(前年同期比105.5%増)、セグメント利益1,048百万円(前年同期比229.4%増)となりました。

 

④化学品

断熱製品はLNG関連製品等の売上増などにより増収・増益となり、機能化学品も粉状・油性改質剤や水性架橋剤の売上増により増収・増益となりました。燃料電池カーボンセパレータは家庭用燃料電池の売上減により減収となり損失が拡大しました。

その結果、化学品事業全体では、売上高9,482百万円(前年同期比14.5%増)、セグメント利益1,309百万円(前年同期比73.9%増)となりました。

 

⑤繊維

国内は、高付加価値の「アポロコットシャツ」用生地やスパンデックス糸の販売が堅調でしたが、東京シャツ㈱の夏物の売上減少、輸出向けシャツ用生地、ワーキングユニフォーム用生地の販売不振等により減収・減益となりました。海外は、ブラジル子会社は国内流通在庫減少等により増収・増益となりましたが、インドネシア子会社は米国向けシャツ地販売の減少等により減収・減益となりました。

その結果、繊維事業全体では、売上高55,842百万円(前年同期比7.1%減)、セグメント利益1,777百万円(前年同期比0.1%減)となりました。

 

⑥紙製品

家庭紙は、販売価格が堅調に推移したことと円高による原燃料安等により、売上は横ばいながら増益となりました。洋紙も主力のファインペーパー関連製品が堅調だったことや原燃料安により増益となりました。

その結果、紙製品事業全体では、売上高32,647百万円(前年同期比0.2%増)、セグメント利益2,603百万円(前年同期比250.7%増)となりました。

 

 

⑦不動産

不動産事業は、針崎事業所跡地(愛知県)の宅地分譲が前期で終了した影響等により減収となりましたが、賃貸事業の経費が減少し増益となりました。

その結果、不動産事業全体では、売上高8,083百万円(前年同期比3.3%減)、セグメント利益5,811百万円(前年同期比0.3%増)となりました。

 

⑧その他

ニッシントーア・岩尾㈱(食品、産業資材等の商社機能や保険代理店業務)等の事業を、その他として区分しています。

その他の売上高は23,616百万円(前年同期比4.4%減)、セグメント損失は91百万円(前年同期比31百万円の改善)となりました。

 

(注)上記金額に消費税等は含まれていません。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは26,768百万円と前年同期に比べ12,797百万円減少しました。これは主として税金等調整前当期純利益の減少によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは△31,429百万円と前年同期に比べ8,636百万円減少しました。これは主として有形固定資産の取得による支出の増加によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは3,595百万円と前年同期に比べ12,639百万円増加しました。これは主として長期借入金の増加によるものです。
 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は39,850百万円と前連結会計年度末に比べ2,421百万円減少しました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

 (1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

エレクトロニクス

190,266

△12.6

ブレーキ

114,760

△13.2

精密機器

55,317

+95.3

化学品

6,554

+13.2

繊維

35,072

△8.5

紙製品

25,727

△9.3

その他

541

△0.1

合計

428,241

△5.1

 

(注) 1 金額は製造原価により算出しています。

2 不動産事業は生産活動を行っていないため、上記金額には含まれていません。

3 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度におけるエレクトロニクス及び精密機器の受注実績を示すと、次のとおりです。なお、エレクトロニクス及び精密機器のうちシステム機事業以外の製品については主として見込生産を行っています。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

エレクトロニクス

190,815

△6.8

69,080

△15.5

精密機器

2,559

△28.4

867

37.4

合計

193,375

△7.2

69,948

△15.1

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

エレクトロニクス

190,851

△7.1

ブレーキ

146,061

△11.5

精密機器

60,687

+105.5

化学品

9,482

+14.5

繊維

55,842

△7.1

紙製品

32,647

+0.2

不動産

8,083

△3.3

その他

23,616

△4.4

合計

527,274

△1.3

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が総販売実績の10%未満のため記載を省略しています。

2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

   文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 経営方針・経営戦略等

当社グループは経営の基本方針として「グループ企業理念」を以下のとおり定めています。 

 ・企業公器

 企業は社会の公器であるとの考えのもと、地球環境問題へのソリューションの提供を通じて、持続可能な社会の実現を目指します。

 ・至誠一貫

 世界のさまざまな文化や慣習、さらには生物の多様性等を尊重し、企業人としての誇りをもって公正・誠実な事業活動を行います。

 ・未来共創

 変化への対応とたゆまぬ挑戦を続け、ステークホルダーの皆さまとともに豊かな未来を創造します。

 

 この「グループ企業理念」のもと、「グループ行動指針」を定め、グローバル社会に貢献する「環境・エネルギーカンパニー」グループとして、企業価値の向上に邁進してまいります。

 

当社グループの経営理念「企業公器」は、「事業活動を通じて人間社会に貢献し、それとともに企業を成長に導き、ステークホルダーに酬いる」を本旨とします。「環境・エネルギーカンパニー」グループとして、環境破壊や地球温暖化など人間社会が直面する最大の課題にソリューションを提供し、安全で安心な暮らしに貢献することが、理念の具現化につながります。

この理念・方針の下、当社グループは、「無線・エレクトロニクス」「オートモーティブ・機器」「素材・生活関連」「新エネルギー・スマート社会」を戦略的事業領域とし、たゆまぬイノベーションを原動力に「既存事業の強化」「研究開発の成果発揮」「M&Aの積極展開」を進めています。

今後は先ず、オートモーティブ及び超スマート社会関連ビジネスに経営資源を重点的に配分し、成長戦略を遂行します。

ブレーキ分野では、世界レベルで需要が見込まれる銅規制対応摩擦材の生産を開始しました。ブレーキ摩擦材に使用されている銅が水質汚染を引き起こすとして、米国では2021年に使用規制が始まることから、当社グループでは、いち早く銅レス・銅フリー摩擦材の開発に着手し、トップランナーとして既に量産を開始しています。今後も順次、銅規制対応摩擦材のラインナップを拡充し、環境保護への貢献をとおして業容拡大を図ります。

また、ケミカル分野では燃料電池車部品(カーボンセパレータ及び白金代替触媒)の市場投入に向け、燃料電池ビジネスの世界的な先駆者であるカナダのバラード社との提携関係を強化し、開発を加速させています。

さらに、エレクトロニクス分野ではグループの無線通信技術や電子部品生産技術を融合させ、ADAS(先進運転支援システム)ビジネスへ参入します。

また、防災や海上無線といった従来型の社会インフラビジネスに加え、Industry4.0やIoT、AIの発展を踏まえたセンシング技術と通信との連携により、超スマート社会の実現に取り組みます。エレクトロニクスやメカトロニクス、ケミカルの技術や知見を融合し、M&Aを織り交ぜながら、多様性の中での団結により「環境・エネルギーカンパニー」グループとしての成果につなげていきます。

 

なお、当社グループでは、以下の中長期業績目標を掲げています。
 平成38年3月期(2025年度)に売上高1兆円、ROE12%

 

 

 (2) 経営環境及び対処すべき課題

○エレクトロニクス

日本無線グループが一丸となって成長戦略を共有し加速させ、新事業を創出するとともに、ガバナンス力の強化やコンプライアンスの徹底などを実行します。
 海上機器事業では、機器の販売からシステムサプライヤーへの転換を図るとともに、アフターマーケットへの取り組みを強化します。通信機器事業では、当社グループ内で協業して次世代車載レーダーの開発を行うなど、オートモーティブ分野の事業拡大を目指します。ソリューション事業では、東南アジア市場を主なターゲットとして海外展開を強化します。
 また、電子部品関連の事業を営む新日本無線㈱では、成長戦略に基づき、車載・産業機器、通信、マイクロ波の3事業へ注力し、既存製品の拡販や積極的な新製品の開発・事業化を推進します。
 なお、日本無線㈱は、消防救急デジタル無線機器の納入に係る取引に関し、平成26年11月18日に公正取引委員会の立入検査を受け、平成29年2月2日に同委員会より独占禁止法に違反する行為があったとして排除措置命令および課徴金納付命令を受けました。同社では、当該事実の判明後、再発防止に向けた体制の一層の強化に努めています。当社グループは、コンプライアンスのさらなる徹底と、ガバナンスの強化に引き続き取り組んでまいります。

 

○ブレーキ

銅規制に対応した銅フリー摩擦材を本格的に市場へ投入するため、新規生産設備の導入など生産体制を強化します。日清紡ブレーキ㈱とTMD社が共同で地域や機能ごとに最適な事業体制を検討し構築するなど、総合力を発揮して収益力の向上を図るとともに、業務改善活動を通じて事業力を強化します。
 また、自動運転・自動ブレーキなど、新たな自動車技術の実用化に要求される摩擦材・ブレーキ製品へのニーズを把握して商品開発を進め、コスト競争力のある差別化商品を提供します。

 

○精密機器

プラスチック製品事業では、南部化成グループと技術や生産拠点の相互補完体制を構築するとともに、タイにクロスフローファン用の工場を新設し、ビジネスの拡大を図ります。精密部品事業では、国内と中国での自動車用EBS(電子制御ブレーキシステム)の精密加工部品の増産体制を整え、収益力を向上させます。

 

○化学品

燃料電池セパレータの家庭・定置用の採算性向上や自動車用の採用に向けた研究開発力の強化、高機能性樹脂素材「カルボジライト」の新商品の開発・発売、LNG(液化天然ガス)船用保冷パネルなどの生産・開発体制の強化、水処理担体の中国や東南アジアでの展開加速などにより、各事業の成長戦略を推進します。

 

○繊維

国内外の市場ニーズに応じた販売ルートの新規獲得や見直しに加え、綿100%形態安定加工「アポロコット」関連商品など新商品の開発・販売の促進などにより、高収益体質を確立します。また、販売・生産管理システムを統合し、利益重視に基づく効率的な販売・モノづくり体制を構築します。

 

○不動産

事業所跡地などの再開発、オフィス・商業施設の賃貸、宅地分譲などを計画的に行い、当社グループの成長戦略を支えるための資金を調達するとともに、グループ全体の不動産の有効活用を推進します。

 

当社は、平成29年4月3日付で当社グループの紙製品事業を大王製紙㈱へ譲渡しました。大王製紙㈱から紙製品事業の譲受について申し入れを受け、当社グループの成長戦略や当社グループ内の紙製品事業の発展性、大王製紙㈱の評価等を総合的に検討した結果、各ステークホルダーの利益に資すると判断したためです。
今後は、エレクトロニクス事業とブレーキ事業を中心に、オートモーティブおよび超スマート社会関連ビジネスへの経営資源の重点配分をさらに推進し、成長戦略を一層加速することにより、当社グループの企業価値の向上を図ります。

 

 (株式会社の支配に関する基本方針)

(1) 基本方針の内容

当社は、最終的に当社の財務及び事業の方針(以下「経営方針」といいます。)の決定を支配するのは、株主の皆様であると考えています。他方、実際に経営方針を決定するのは、株主総会において選任され、株主の皆様から委任を受けた取締役により構成される取締役会であることから、取締役会は、当社の企業価値、ひいては当社株主共同の利益(以下単に「株主共同の利益」といいます。)を維持・向上させるために、最善の努力を払うことと、株主の皆様の意向を経営方針の決定により速やかに反映することを、当社の基本方針としています。

 

(2) 基本方針の実現に資する取り組み

当社は、(1)の基本方針を実現するために、「企業公器」、「至誠一貫」、「未来共創」の企業理念の浸透やコーポレートガバナンスなど組織文化の質的向上と、ROE指標重視の収益力向上や株価重視の経営など数値・業績面の量的成長の実現にむけ取り組んでいます。また、株主の皆様から経営の委任を受けている取締役の毎事業年度の責任を明確にするため、取締役の任期を1年とするとともに、取締役の職務の執行を監督するという取締役会の機能を強化するため、複数の社外取締役を選任しています。

 

(3) 基本方針に照らして不適切な者によって経営方針の決定が支配されることを防止する取り組み

当社は、当社株式の大規模な買付行為や買付提案を行おうとする者に対しては、関係諸法令に従い、大規模買付行為の是非を株主の皆様に適切に判断頂くための必要かつ十分な情報の開示を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示するとともに、株主の皆様に検討頂くために必要な時間の確保に努めるなど、適切な措置を講じてまいります。

 

(4) 上記取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

上記(2)及び(3)に記載の取り組みは、当社の役員の地位の維持を目的とするものではなく、株主共同の利益の確保・向上させるための施策であり、上記(1)の基本方針に適うものと考えています。

 

 

4 【事業等のリスク】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①新規事業に関するリスク

当社グループでは、売上・収益の拡大を目指してカーボン触媒等の新規事業に積極的に取り組んでいますが、新規事業においては不確定要因が多く、魅力ある新製品を開発できない場合や、新規市場の創出が想定通り進まないことも考えられます。その場合には、これまでの投資回収が想定より遅れる、または回収できない可能性があります。

 

②投資有価証券の変動によるリスク

当社所有の投資有価証券は金融商品会計基準に基づき時価評価を行っており、一部についてはより厳格な社内基準により減損処理を実施しています。取得価格が総じて低いため、現行の会計処理及び減損処理基準では、純損益に影響を与える減損の可能性は大きくないと考えられるものの、時価の変動により包括利益は大きく変動することが考えられます。また、M&Aによる投資、海外展開への出資・設備投資などに対しては、有価証券を資金化することで対応し有利子負債の増加を抑える場合がありますが、売却時期と投資時期がずれれば目論見どおりにならない可能性があります。

 

③遊休土地の活用に伴うリスク

当社は事業構造の変革のため、一部事業場の閉鎖と閉鎖後の土地活用を積極的に進めており、再開発による収入が収益に大きく貢献しております。土地の再開発に当たっては、土地浄化費用が発生する可能性があること、また法律の改正などが再開発の障害となる可能性があります。

 

④製品の品質に関するリスク

当社グループの大部分は国際規格の品質管理基準に従って製品の製造をしていますが、将来において品質問題が発生しないという保証はありません。製造物責任賠償保険には加入をしておりますが、補償額が多大となれば業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤製品の売値、原料調達の市況変動によるリスク

当社グループが展開する製品には市況の動向、他社との競合に伴う市場価格の変動に大きく左右されるものがあります。売値に関しては繊維製品が、原料の調達に関しては原綿・鋼材・資材がその影響をうけやすい構造となっています。

新日本無線グループは、その連結売上高の8割強を半導体部門が占めており、半導体市場の需要の変化によって経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

⑥顧客企業の業績変動によるリスク

当社グループのブレーキ製品はグローバルに事業を展開する自動車メーカーを顧客としています。顧客企業の業績変動による予期しない契約打切り、大幅な値下げ要請など当社グループが管理できない要因により業績に影響を受ける可能性があります。

日本無線グループは、官公庁・自治体等に納入する割合が比較的高いことから、売上高が年度末に偏る傾向があります。また、官公庁・自治体の公共投資計画や通信業界の設備投資の動向によって、経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

 

⑦部材入手に係るもの(サプライチェーンに係るリスク)

当社グループで使用する部材は経済環境の変化により入手困難になる可能性があります。例えば特定地域・製品分野の急発展などにより、部材メーカーの供給能力、納期対応に問題が生じた場合、出荷計画に影響を及ぼし、あるいは部材価格高騰による収益性の悪化をもたらす可能性があります。

 

⑧為替の変動によるリスク

外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社等の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受けます。

当社グループでは為替変動リスク対策は実施しているものの、当該リスクを完全に回避できるものではないため、為替の変動が業績に影響を及ぼすことがあります。

 

⑨予期しない法令等の改正によるリスク

日本無線グループは、その製品の特性から取引を行う各国において安全保障等による輸出制限、輸出入規制、環境・リサイクル関連等、様々な法令の適用を受けています。法令等の遵守(コンプライアンス)をポリシーとして掲げて、社内規定等で明確化をおこなっていますが、予期しない法令の改正がおこなわれた場合には、同社グループの活動の制限、コストの増加につながる可能性があります。

 

⑩海外展開事業のリスク

当社グループは海外に多くの生産拠点を保有しておりますが、予期しない法律または規制の変更、不利な政治的経済的要因、社会的混乱などのリスクが内在しています。

 

⑪資金調達に係る財務制限条項等に係るリスク

当社及び一部の連結子会社はコミットメントライン契約及びタームローン契約を複数の金融機関との間で締結しており、これらには一定の財務制限条項が付されています。

 

⑫災害・事故等について(災害・事故等に係るリスク)

当社グループでは、災害・事故等の発生に備えたリスク管理を実施しております。しかし、大地震等の大規模自然災害や火災等の突発的な事故が発生した場合は、生産設備等に多大な損害を被る可能性があり、操業の中断により出荷に遅れが生じ、また破損した建物や設備の復旧に多額の費用がかかる恐れがあります。

また、新型の感染症等が拡大した場合、操業に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 合弁会社設立に関する契約

契約会社名

契約の相手先

契約の内容

契約締結年月

提出会社

PT.Warga Djaja Trading Corp.

(インドネシア)

帝人㈱               (日本)

綿及び合繊混素材を原料とする糸・織物の生産・販売を目的とする合弁会社 PT.NIKAWA TEXTILE INDUSTRY (インドネシア)の設立

平成23年3月

Continental Teves AG&Co,oHG

(ドイツ)

自動車用EBS(電子式ブレーキシステム)、ブレーキ全般(摩擦材・ドラムブレーキ及び大・中型商用車用ブレーキを除く)の研究開発、製造、販売を目的とする合弁会社コンチネンタル・オートモーティブ㈱(旧会社名コンチネンタル・テーベス㈱)の設立

平成12年11月

Continental Automotive Holding Co., Ltd.

(ドイツ)

自動車用EBS(電子式ブレーキシステム)の主要部品であるバルブブロックの製造・販売を目的とする合弁会社日清紡大陸精密機械(揚州)有限公司の設立

平成25年11月

日清紡テキスタイル㈱

Vardhman Textiles Limited

(インド)

シャツ製品の製造及び販売を目的とするVardhman Nisshinbo Garments Company Limited(インド)の設立

平成21年5月

 

 ※平成28年7月25日に関連会社である寧波維科棉紡織有限公司の当社が所有する全出資持分を寧波維科精華集団股份有限公司に譲渡する出資持分譲渡契約を締結しました。平成28年9月29日に譲渡が完了し、合弁事業を解消しました。

 

(2) 技術導入に関する契約

契約会社名

契約の相手先

契約の内容

対価

契約締結年月
(有効期間)

日本無線㈱

ウルトラ・エレクトロニクス・フライトライン・システムズ

(米国)

ソノブイ受信機のノウハウ及び製造販売実施権の許諾

売上の一定比率額

昭和63年12月

(平成29年10月まで)

BAE システムズ・インフォーメーション アンド エレクトリック システムズ インテグレーション インク.   (米国)

ソノブイ受信機のノウハウ及び製造販売実施権の許諾

売上の一定比率額

昭和63年7月

(平成30年6月まで)

タレス            (フランス)

電波高度計の製造販売実施権の

許諾

売上の一定比率額

平成元年11月

(平成30年3月まで)

新日本
無線㈱

TEXAS INSTRUMENTS

INCORPORATED         (米国)

半導体装置に関する特許権並びに実用新案権の実施許諾

売上の一定比率額

平成28年12月

(平成38年3月まで)

㈱デンソー          (日本)

半導体装置等に関する特許権並びに技術提供等の実施許諾

一定額及び売上の一定比率額

平成24年12月

(平成29年12月まで)

日清紡ブレーキ㈱

Meritor Heavy Vehicle

Braking Systems(UK)Limited.

(英国)

ディスクブレーキアッセンブリー、ドラムブレーキアッセンブリー及びその部品の設計並びに製造技術に関するノウハウの提供

売上金額基準に
よる技術指導料

平成15年11月

平成20年11月以降1

年毎自動延長

 

 

(3) 技術供与に関する契約

契約会社名

契約の相手先

契約の内容

対価

契約締結年月
(有効期間)

日清紡
ブレーキ㈱

Rane Brake Lining Limited

(インド)

ブレーキライニング、ディスクパッド、クラッチフェーシングの製造技術、原料配合及び製造設備技術情報に関するノウハウの提供

売上金額基準による技術指導料

平成22年1月
(5年)※1

亨日松精密工業股份有限公司

※2(台湾)

ブレーキライニング、ディスクパッドの製造技術、原料配合及び製造設備技術情報に関するノウハウの提供
提携製品の工場建設の指導

売上金額基準による技術指導料

平成28年12月
(3年)

亨通国際開発股份有限公司

※2(台湾)

ドラムブレーキ及びその部品の設計並びに製造技術に関するノウハウの提供

売上金額基準による技術指導料

平成28年7月
(3年)

南部化成㈱

蘇州川鵬塑料有限公司  (中国)

医療関連製品に関する技術支援

売上金額基準による技術指導料

平成27年1月
(4年)

 

 ※1次期契約締結に向けて交渉中であり、締結までの間、上記契約が覚書にて期間延長されています。

 ※2亨通機械股份有限公司より社名変更。

 

(4) 株式譲渡契約

当社は、平成29年2月10日開催の取締役会において、当社の連結子会社である日清紡ペーパー プロダクツ㈱に対して、当社が紙製品事業に関して有する資産等(当社が有する紙製品事業に関する不動産その他の設備及び知的財産権等の資産、並びに紙製品事業を営む子会社の株式等を含みます。)を会社分割(吸収分割)の方法により承継させたうえで、日清紡ペーパー プロダクツ㈱の発行済普通株式の全部を大王製紙㈱に譲渡することを決議し、同日付けで、株式譲渡契約を締結しました。

 詳細は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象) 1.事業分離」に記載のとおりです。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループでは、社会的重要性が一層高まりつつある「環境・エネルギー」分野において高性能・高品質かつ競争力のある製品・技術の開発に力を注ぎ、新規事業の創出に取り組んでいます。また、日本無線グループ各社が有するエレクトロニクス技術と、メカトロニクス、ケミカル、新規事業開発などの各部門が持つコア技術を融合させることで「環境・エネルギーカンパニー」グループとしてさらなる飛躍を目指します。

当連結会計年度の研究開発費は22,226百万円であり、主な研究開発とその成果は次のとおりです。

 

(1)エレクトロニクス

日本無線グループではマリンシステム、通信機器、ソリューション・特機などの各事業セグメントにおいて中長期の視野に立った基礎研究から事業活動に直結した新製品の開発まで、総合的な研究開発活動を行っています。

海上機器事業においては、中小型船市場拡大を目的に中型レーダーを開発しました。本レーダーは耐風速性能の向上、省電力化、探知処理性能の向上を実現しました。商船市場向けには船舶運航の最適化に寄与する目的で電子チャートテーブルを開発しました。本装置は紙海図の利便性である手書きメモ機能を電子化することで航海のICT化を推進し安全安心に貢献することが期待されます。

通信機器事業においては、交通の安全と高度化に貢献することをキーワードに、交差点の安全に貢献するITS路側機、交通量を高精度で計測するレーダー方式トラフィックカウンターを開発しました。

ソリューション・特機事業においては社会が必要する各種のインフラに高度な技術で対応できるよう研究開発を進めています。TV放送分野では受信ダイバーシティおよび無瞬断で予備機への切替えが可能な信頼性の高いマイクロ波中継装置を開発しました。気象レーダー分野では各機器をオールインワン化し、現地での設置を容易にしたCバンド2偏波レーダーを海外市場向けに開発しました。

新日本無線グループは、エレクトロニクス業界にあって、電子デバイス製品やマイクロ波関連製品等の企画、設計から生産技術まで総合的な研究開発を行っています。
 その内容は、主力の「電子デバイス製品」を中心に、車載向けやスマートフォン等の通信デバイス向け等、各種デバイスの実用化に向けた開発等に注力しています。
 新規事業分野としては、MEMSセンサーを用いたスマートフォンのマイクモジュール向けの次世代品および、ウェアラブル端末や健康機器応用製品向けに光センサーの次世代製品開発を進めています。また、自社開発のデルタシグマ・アナログデジタルコンバーターをコアにしたセンサー市場向けのアナログフロントエンドICの量産を開始しました。引き続き、高精度化を目指して開発を進めていきます。また、開発を進めていたスーパージャンクションMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)も量産を開始しました。

当セグメントに係る研究開発費は11,386百万円です。

 

(2)ブレーキ

今期は①安全第一(Safety First)の徹底 ②法令遵守と事業リスクへの確実な対応 ③コスト競争力のある差別化商品の提供 ④KPIを通じたキャッシュフロー経営の加速 ⑤品質保証の強化 ⑥グローカル事業戦略の推進 ⑦人材育成、を品質目標に掲げ、競争力ある製品・技術の開発に取り組んでいます。

摩擦材においては、重要保安部品としての高い信頼性の堅持、銅規制等に対応した環境負荷物質低減材質の開発、音・振動などのお客様ニーズへの対応等に重点をおいて活動しています。また海外子会社への開発支援体制の強化や、開発・製造・生産技術の連携による原価低減活動を促進し、競争力強化を図っています。さらにTMD FRICTION GROUP S.A.の買収によるシナジー効果の早期発揮を目指し、グローバルニーズに応える製品の開発を進めていきます。

ブレーキアッセンブリー等においては、グローバルビジネスの受注・拡大のため、海外子会社への開発支援体制を強化するとともに、海外技術提携先との協業を推進してきました。併せて、軽量化製品の開発など環境対応技術の実用化や、将来を見据えた新技術の実用化にも注力しています。また部品の標準化、開発業務の効率化を進め、開発段階からの原価低減により低コストを追求し、競争力強化を図っています。

当セグメントに係る研究開発費は8,762百万円です。

 

 

(3)精密機器

プラスチック製品事業においては、空調機器用ファンや自動車部品をはじめ、広い分野で成形・金型技術を活かした製品の研究開発に取り組んでいます。金型技術の向上や生産設備の改善、原材料の開発による品質向上や低コスト化を推進しつつ、環境に配慮した製品・技術開発を進めます。

システム機(メカトロニクス)事業においては、太陽電池関連分野では新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同し温水機能を有したハイブリッド太陽電池の開発に加え、発電コスト低減のために発電劣化メカニズム及び太陽光発電モジュール寿命予測技術の確立に取り組んでいます。また各種専用機分野では、長年培った基礎・基盤技術を活かし様々な産業分野に貢献するとともに、機能の向上とコスト低減に向けた研究開発活動に継続的に取り組み、新分野への展開を進めます。

当セグメントに係る研究開発費は213百万円です。

 

(4)化学品

機能化学品部門では、環境関連商品の普及に役立つ添加剤、改質剤の開発及び電子材料の開発を進めています。

燃料電池部門では、カーボンの特長を生かした燃料電池セパレータの高性能化の研究開発に取り組んでいます。

断熱事業部門では、環境に優しい低温暖化係数発泡剤の実用化、今後のエネルギー政策に大きくかかわるLNG等超低温分野の断熱技術の開発や、排水処理用微生物固定化担体等の開発に取り組んでいます。

当セグメントに係る研究開発費は341百万円です。

 

(5)繊維

商品開発拠点である吉野川事業所を中心に、加工子会社である日清紡インドネシアにも開発スタッフを配置して連携を強化し、スピーディな開発を推進しています。国内のマザー機能を高め、技術やノウハウを国内外の生産拠点で展開し、他社との協業も含めたグローバルネットワークでの競争力強化を図っていきます。

業界トップの形態安定性がある「アポロコット」は、ノーアイロンシャツに続き、ハンカチ、コットンビジネスパンツ、シーツ、カバーなどバリエーションを拡げ、皆様から高い評価をいただいています。薄地アポロコットシャツの開発を進め、「アポロコット」のシリーズ化による商品のさらなる拡充と販路の拡大を目指します。また、防しわ性を従来に比べ格段に向上させたCVC(チーフバリューコットン・綿50%以上)シャツ「スパーノ」、不織布では化粧雑貨メーカー向けに差別化原綿品、スパンデックス糸ではレッグ・インナーメーカー向けに熱融着技術を応用した新商品素材などを次々市場に投入するとともに、日本無線グループとの連携を更に強化し、スマートテキスタイルへの展開を急ぎ、超スマート社会・環境エネルギー社会へ貢献する次世代商品の開発を急いでいます。

当セグメントに係る研究開発費は271百万円です。

 

(6)紙製品

当セグメントに係る研究開発費は50百万円です。

 

(7)全社共通

グループ内の研究開発において横断的な取組みを行うことで、シナジー発揮に向けて保有技術の融合を推進しています。

 ・カーボンアロイ触媒

   燃料電池用の白金触媒の代替としてカーボンアロイ触媒の研究開発を進めています。希少資源の代替を推進することで、本格的な水素社会の到来を加速させて行きます。

 ・スマートファクトリー

  グループの技術を融合させたスマートファクトリーは完全密閉型植物工場としてイチゴの量産栽培を行い、エネルギーマネジメントシステムやセンサーネットワークシステムの実証実験に取組んでいます。

全社共通に係る研究開発費は1,199百万円です。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。海外子会社については、IFRS(国際財務報告基準)及び進出国の会計基準に準拠して作成され、現地監査法人の監査を受けた上で必要な調整を反映させています。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 売上高は、南部化成㈱の連結子会社化等により精密機器事業は増収となりましたが、造船市況の低迷や海運市況の悪化、また公共事業の大型案件の出荷一巡等により日本無線㈱の売上が減少したエレクトロニクス事業や、円高による為替換算の影響等によりブレーキ事業が減収になったこと等により527,274百万円(前年同期比6,715百万円、1.3%減)となりました。

 営業利益は、日本無線㈱が営業赤字となり、新日本無線㈱が円高の影響により減益となるなど、エレクトロニクス事業の減益等により4,890百万円(前年同期比7,726百万円、61.2%減)となり、のれん償却前営業利益は12,299百万円(前年同期比7,506百万円、37.9%減)となりました。

 経常利益は、持分法投資利益が増加したものの、営業利益の減少等により10,556百万円(前年同期比6,477百万円、38.0%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益も、減損損失の増加や偶発損失引当金繰入額の計上などにより3,574百万円(前年同期比7,200百万円、66.8%減)となりました。

なお、損益に関する各種指標は以下のとおりです。

 

売上高

営業利益

経常利益

特別損益

親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度

527,274百万円

4,890百万円

10,556百万円

△3,839百万円

3,574百万円

前連結会計年度

533,989百万円

12,617百万円

17,034百万円

5,145百万円

10,775百万円

 

 

(3)事業戦略の現状と見通し

 平成30年3月期(2017年度)も、引き続きオートモーティブおよび超スマート社会関連ビジネスに経営資源を重点的に配分し、成長戦略を遂行します。

 エレクトロニクス事業ではこれまで取り組んできた「新たな成長に向けた事業構造改革」を更に推進し、事業基盤を確固たるものにします。また、ブレーキ事業では世界レベルで需要が見込まれる銅規制対応摩擦材の生産体制の強化やTMD社の更なる収益体質の強化を、精密機器事業では南部化成㈱との事業統合を進めビジネスの拡大を目指します。

 次期の業績見通しは、売上高520,000百万円、営業利益15,000百万円、経常利益20,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益20,000百万円となる見込みです。

 なお、為替レートは通期平均で1米ドル=110円、1ユーロ=120円を前提としています。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度においては、9月に長期シンジケートローン20,000百万円を組成し、短期借入金の一部を低利固定での安定調達に移行しました。

 当社グループの財務状況につきましては、安定的な営業活動によるキャッシュ・フローに加え、主要銀行とのコミットメントライン契約、相対での短期借入、コマーシャルペーパー、長期シンジケートローン等、多様な調達手段を確保しており、十分な資金流動性を有しています。

 

 

(5)財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は646,288百万円と前連結会計年度末と比較し5,504百万円減少しました。

電子記録債権の増加4,848百万円、棚卸資産の増加4,576百万円、有形固定資産の減少6,283百万円、無形固定資産の減少9,965万円、投資有価証券の増加2,634百万円が主な要因です。

負債総額は370,535百万円となり、前連結会計年度末と比較し3,213百万円増加しました。

短期借入金の減少6,420百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少6,908百万円、長期借入金の増加20,537百万円、繰延税金負債(固定)の減少3,533百万円などが主な要因です。 

純資産は、275,753百万円となり、前連結会計年度末と比較し8,718百万円減少しました。
  利益剰余金の減少1,226百万円、その他有価証券評価差額金の増加1,091百万円、為替換算調整勘定の減少4,171百万円、非支配株主持分の減少4,458百万円などが主な要因です。

以上の結果、自己資本比率は35.5%と0.4%減少しました。

 

(6)キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、1(業績等の概要) (2)キャッシュ・フローに記載のとおりであります。