第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日本銀行の金融緩和などにより、雇用や所得環境が改善に向かいました。一方で、中国などの新興国の景気減退、英国のEU離脱問題や米国の政権交代による政策の不確実性などを背景に景気の先行き不安が高まるなかで、個人消費は力強さを欠く展開となりました。
 このような状況のもとで、当社グループは中長期経営計画に基づき、付加価値の高い商品やサービスのご提案や、お客さま接点の拡大と充実を推進してまいりました。また、生産性向上の取り組みと連携した経費削減や、グループリソースを活用するための基盤を強化してまいりました。

この結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高は1,253,457百万円(前連結会計年度比2.6%減)営業利益は23,935百万円(前連結会計年度比27.7%減)経常利益は27,418百万円(前連結会計年度比25.3%減)親会社株主に帰属する当期純利益は14,976百万円(前連結会計年度比43.5%減)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

①百貨店業

百貨店業におきましては、「百貨店のあるべき姿」を実現すべく、独自性や収益力の高い商品開発の推進や、独創性の高いキャンペーンなど、お客さま満足の向上に努めるとともに、EC事業の強化や、中小型店舗の出店を進め、お客さまとの接点を拡げてまいりました。
  具体的には、伝統的な技術や素材とクリエイターの新たな感性を繋いで開発した商品を、婦人雑貨・衣料・リビング・食品と、生活全般に拡大してまいりました。このなかで主力となる「ナンバートゥエンティワン」の婦人靴は、売上が前年比20%増の11億円となり、当社グループ店舗だけではなく、国内外の百貨店においても取扱いを拡げております。 
 また、日本の伝統・文化・美意識がつくり出す価値を再認識し、新たな価値としてお客さまに提供する「ジャパン センスィズ」キャンペーンは、年間の開催回数を2回から4回に拡大し、伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店の基幹となる3店舗を中心に、全国で展開いたしました。さらに、全国7か所で開催したサロン・デュ・ショコラや、伊勢丹新宿本店の130周年企画などのイベントには、多くのお客さまにご来店いただきました。
 地域百貨店につきましても、リモデルなどにより、お客さまのご満足向上をめざしてまいりました。名古屋三越栄店は、隣接する専門店ラシックとともに、1つの商業施設「SAKAEファッションモール」の構築を進めております。その一環として、昨年10月には、ウオッチ&ジュエリーゾーンを2倍に拡大いたしました。また、高松三越は、3年ぶりの大型リモデルを行い、本年2月に香川県内初となる化粧品や婦人雑貨のブランドを出店いたしました。
 EC事業は、百貨店の店頭と連動した三越・伊勢丹オンラインストアのコラボレーション企画が、好調に推移いたしました。また、ラグジュアリーオンラインストア「NOREN NOREN ISETAN MITSUKOSHI」のオープンや、アリババグループの越境EC「天猫国際」への出店などにより、より多くのお客さまに上質な商品やライフスタイルをご提案する機会を拡げてまいりました。
 中小型店舗につきましては、周辺地域のお客さまのご要望にお応えすべく、最適な店づくりをめざしてまいりました。昨年4月から5月にかけて出店した福岡市、苫小牧市、新発田市のエムアイプラザは、多くのお客さまにご利用いただき好調に推移いたしました。空港内小型店は、「イセタン 羽田 ストア」3店舗合計の売上が前年を上回り、昨年10月には、名古屋の中部国際空港内に「イセタン セントレア ストア」がオープンいたしました。また、ラグジュアリーコスメの編集ショップ「イセタン ミラー メイク&コスメティクス」は、昨年4月にアトレ恵比寿店、9月にルミネ荻窪店がオープンし、14店舗となりました。
 海外事業は、中国景気の回復が遅く減収となりましたが、構造改革による経費抑制の徹底により増益となりました。また、昨年10月には、日本の優れた商品や文化を海外のお客さまにご提案するスペシャリティストアが、パリとクアラルンプールにオープンいたしました。
 以上のような取り組みを進めてまいりましたが、百貨店業全体の業績は、主力である衣料品や宝飾・時計等の高額品の動きが鈍く、さらに、購買単価の低下傾向もあり、総じて厳しい展開となりました。

 

なお、当社グループは、収益力の向上と財務基盤の強化に向けた諸施策に取り組んでおりますが、経済環境が急速に変化するなか、限られた経営資源を新たな成長分野に再配分し、積極的な成長を果たすために、三越千葉店、三越多摩センター店、および小型店の三越高崎店は、本年3月20日に営業を終了いたしました。各店舗の営業終了に伴うご不便につきまして、深くお詫び申しあげますとともに、今までのご支援やご愛顧に心より御礼申しあげます。

なお、このセグメントにおける、売上高は1,151,020百万円(前連結会計年度比3.1%減)営業利益は11,093百万円(前連結会計年度比48.6%減)となりました。

 

②クレジット・金融・友の会業

株式会社エムアイカードは、昨年4月より特典をポイント化し、外部企業との連携や当社グループ内のお買い回りの利便性をさらに高めるとともに、収益力の高い経営基盤の構築に向けた運営体制の整備に取り組んでまいりました。これにより、外部加盟店手数料やマーケティング事業の受注が増加いたしましたが、百貨店手数料は、百貨店売上高の減少に連動し前年を下回りました。

なお、このセグメントにおける、売上高は37,780百万円(前連結会計年度比4.3%増)営業利益は5,380百万円(前連結会計年度比4.2%減)となりました。

 

③小売・専門店業

株式会社三越伊勢丹フードサービスは、クイーンズ伊勢丹におけるサプライチェーンマネジメントおよび新POSシステムのインフラ投資や、リモデル店舗にかかる一時閉鎖や初期投資などにより減益となりました。また、クイーンズ伊勢丹は、昨年7月31日をもちましてふじみ野店の営業を終了いたしましたが、昨年4月から12月にかけて仙川・品川・本八幡の3店舗がリモデルオープンし、食に関心の高いお客さまに向けて、食から広がるライフスタイルを提案する発信型ストアをめざしております。

 なお、このセグメントにおける、売上高は56,074百万円(前連結会計年度比0.4%増)営業損失は1,154百万円(前連結会計年度は営業損失1,058百万円)となりました。

 

④不動産業

不動産業につきましては、安定的な収益を確保すべく、当社グループの保有する不動産の商業的活用を推進してまいりました。また、株式会社三越伊勢丹プロパティ・デザインは、オリンピック開催に向けたホテル開発や商業施設などに積極的に参画し、昨年11月には、スタジオアルタ跡地を活用して「アルタシアター」をオープンいたしました。株式会社三越伊勢丹不動産は、賃貸事業の拡大に努めるとともに、資本業務提携先である野村不動産株式会社との共同分譲事業の取り組みを進めてまいりました。

なお、このセグメントにおける、売上高は41,671百万円(前連結会計年度比9.9%減)営業利益は6,444百万円(前連結会計年度比1.9%増)となりました。

 

⑤その他

情報処理サービス業の株式会社三越伊勢丹システム・ソリューションズ、物流業の株式会社三越伊勢丹ビジネス・サポート、人材サービス業の株式会社三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズは営業支援体制の効率化を推進するとともに外部営業の強化や販売管理費の圧縮を推進いたしました。
 また、新たな消費ニーズに対応すべく、体験型の「コト」消費に関する事業を強化するために、本年1月にトータル・ビューティ事業の株式会社ソシエ・ワールドを子会社化し、さらに本年3月に旅行事業の株式会社ニッコウトラベルを子会社化いたしました。当社グループの資源を共有・活用して事業拡大を図り、企業価値の向上をめざしてまいります。 

なお、このセグメントにおける、売上高は77,364百万円(前連結会計年度比3.4%増)営業利益は1,920百万円(前連結会計年度比435.9%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて4,214百万円減少し60,024百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、35,373百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が7,726百万円減少しました。これは主に、税金等調整前当期純利益が減少したことなどによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、40,913百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が16,432百万円増加しました。これは主に、当連結会計年度に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出があったことなどによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、2,413百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ支出が6,124百万円減少しました。これは主に、前連結会計年度には、連結の範囲の変動を伴わない子会社株式の取得による支出があったことなどによるものです。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績及び受注実績

当社及び当社の関係会社においては、その他事業の一部に実績がありますが、当社グループ全体の事業活動に占める比重が極めて低いため、記載を省略しております。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比
(%)

百貨店業

1,149,932

△3.0

クレジット・金融・友の会業

20,380

8.9

小売・専門店業

42,878

1.6

不動産業

25,588

△0.1

その他

14,678

△2.0

合計

1,253,457

△2.6

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
 
(1)会社の経営の基本方針
 当社グループは、三越・伊勢丹の創業以来、長年培ってきたノウハウ・リソースを結集することで、グループビジョンである「常に上質であたらしいライフスタイルを創造し、お客さまの生活の中のさまざまなシーンでお役に立つことを通じて、お客さま一人ひとりにとっての生涯にわたるマイデパートメントストアとなり、高収益で成長し続ける世界随一の小売サービス業グループ」となることを目指しております。
 
(2)目標とする経営指標
 当社グループでは、お客さまのご満足の最大化実現及び収益安定化に向けて、再投資原資となる営業利益の向上を経営の最重要指標として位置づけ、その向上に取り組んでおります。
 
(3)中長期的な会社の経営戦略
 平成20年の経営統合後、事業会社や機能・業務フローの統廃合を進めてまいりました。統合完了後、成果獲得フェーズへ移行し新規事業への先行投資を実施してまいりましたが、前3ヶ年計画は大幅未達にとどまり、現在、新グループ中期経営計画を策定中です。今後は、強みである「暖簾」「顧客」「保有不動産」を最大限活用し「百貨店本業の再構築」「成長事業の絞り込み」に重点的に資源配分し、併せてその実現のための「基盤構築」に取り組むことで、収益の最大化を図ってまいります。
 
 [戦略1]百貨店本業の再構築
 収益性に課題のある支店・地域店・海外店・中小型店については、徹底した構造改革を進めた上で、それぞれのエリア、競合等、店別の特性にあったビジネスモデルの再構築を図ってまいります。収益源である新宿、日本橋、銀座の基幹3店舗においては、各店毎の方向性を明確化させ、併せて経費コントロールを進めることで収益性の強化を図ります。また、百貨店とシナジーの高い飲食、旅行、理美容を百貨店補完事業と位置付け、この3分野に特化し育成させることで、顧客接点の拡大やライフスタイル提案を実現し、シナジーの最大化を追及してまいります。
 
 [戦略2]成長事業の絞り込み
 グループの保有する優良不動産を活用した「不動産事業」、顧客基盤と一定のノウハウが蓄積された「カード事業」、成長が見込める「EC事業」に絞り込み、インフラ強化やM&Aを含めて経営資源を集中投下し、早期に自立的基幹事業として育成してまいります。
 
 [戦略3]PDCA強化に向けた基盤構築
 百貨店事業を中心に構築してきた事業基盤をグループ全体へ拡大・活用することで、一層の波及効果創出を図ってまいります。経営PDCA強化に向けては、売上高や差益率に加え、利益追求、見える化の取組みに向けたインフラ整備を進めます。併せて、顧客デジタルフロントの推進や、従業員の働き方改革にも取り組んでまいります。
 
 
(4)会社の対処すべき課題
 当社グループでは、「世界随一の小売サービス業グループ」の実現に向け主力事業である百貨店業を中心に培ってきた暖簾、顧客、その他有効資産を最大限活用し、グループシナジーを発揮して持続的な成長と発展をめざしております。
 経済環境につきましては、企業業績や雇用環境に改善が見られるものの、地域経済回復の遅れや、株価、為替など決して楽観できる状況ではないと認識しております。足元では、将来不安による買い控えや実質賃金の伸び悩み等により消費マインドが低下していることに加え、消費志向の多様化、変化によりマーケットに対応することが以前より難しく、小売環境は厳しい局面を迎えております。このような中にあって当社グループは、持続的な成長を実現するために「百貨店本業の再構築」と長期視点に立った「成長事業の強化」に取り組んでまいります。 
 当社グループの主力事業である百貨店業においては、立地や店舗特性に応じた構造改革を実施し、徹底した収益化を図ってまいります。収益の柱である新宿・日本橋・銀座の基幹3店においては、店毎の顧客特性にあわせてあるべき姿を見直しつつ、自主編集の店づくりを徹底して磨きあげ、確固たるポジションを確立してまいります。 
 また、お客さまの消費動向の変化に対応するために、百貨店とシナジーの高いコンテンツについては、旅行、飲食、理美容に特化して育成してまいります。平成28年度にはシニアマーケットに強いニッコウトラベルやトータルビューティ事業のソシエ・ワールドをグループ内に取り込みましたが、今後は事業シナジーを早期に創出することに努めてまいります。中小型店舗、WEB、海外などのチャネルにつきましては、不採算分野のスクラップ&ビルドを進めた上で収益モデル化を確立させ顧客接点の拡大をめざしてまいります。 
 成長事業としては、グループ保有不動産の有効活用が見込める「不動産事業」、今まで培ってきた顧客資産やノウハウが活用できる「カード事業」、引き続き成長が見込める「EC事業」を中心に経営資源を投下し、早期の自立的基幹事業化を実現いたします。 
 上記に加えて、社内の対話を増やすことで風通しの良い風土を作りあげるとともに、経営PDCAのインフラ整備を引き続き推進し経営効率の向上を図ってまいります。また、コーポレートガバナンスならびにコンプライアンス、情報管理体制などの内部統制システムの強化に取り組み、業績目標達成、企業価値の向上と持続的成長をめざしてまいります。
 

4 【事業等のリスク】

本報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。但し、将来の業績や財政状態に与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。また、文中における将来に関する事項は当社グループが当連結会計年度末において判断したものであります。

 

(1) 需要動向におけるリスク

当社グループの主要なセグメントである、百貨店業及び小売・専門店業の需要は、事業展開する国内・海外各国における気候状況や景気動向・消費動向等の経済情勢、同業・異業態の小売業他社との競争状況等に大きな影響を受けます。従って、これらの要因により、当社グループの業績や財務状況に、悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 海外の事業展開におけるリスク

当社グループのセグメントのうち、百貨店業は東南アジア、中国、台湾、米国、欧州で店舗を営業しています。これらの売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されています。換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける場合があります。

また、海外における事業展開には、以下のようないくつかのリスクが内在しています。

1) 予期しない法律または規制の変更
2) 不利な政治または経済要因
3) 潜在的に不利な税制度
4) テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱

 

(3) 公的規制におけるリスク

当社グループは、事業展開をする各国において、事業・投資の許可等、さまざまな政府規制の適用を受けています。また、独占禁止、消費者、租税、為替管理、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けています。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性や、費用の増加につながる可能性があります。また、将来の消費税率の引き上げ等による個人の消費動向への影響も懸念されます。従って、これらの規制は、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) 自然災害・事故におけるリスク

当社グループのうち、百貨店業や小売・専門店業においては、店舗による事業展開を行っています。このため、自然災害・事故等により、店舗の営業継続に悪影響をきたす可能性があります。

当社グループでは、大規模災害等への対応及び発生後における事業継続計画の策定などに積極的に取り組んでおります。しかし、首都直下型の大地震が発生した場合、首都圏に基幹店が集中している当社グループは、従業員及び建物等に甚大な被害を被る恐れがあり、それにより当社グループの業績や財務状況に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。また、東日本大震災後に現出した電力の使用制限や消費の自粛、放射能による食料品汚染など、大規模災害が当社グループの営業活動に影響を及ぼす可能性があります。

火災については、消防法に基づいた火災発生の防止を徹底して行っています。しかし、店舗において火災が発生した場合、被害者に対する損害賠償責任、従業員の罹災による人的資源の喪失、建物等固定資産や棚卸資産への被害、消防法による規制等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 商品取引におけるリスク

当社グループでは、百貨店業や小売・専門店業において、消費者向け取引を行っています。これらの事業において欠陥商品や食中毒を引き起こす商品等、瑕疵のある商品を販売した場合、公的規制を受ける可能性があるとともに、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等による費用が発生する場合があります。更に消費者からの信用失墜による売上高の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また当社グループでは、百貨店業の外商部門やその他事業の卸売業を中心として、法人向けの取引を行っています。これらの事業は契約先1社当たりの販売額が高額であり、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等により費用が発生した場合や、契約先の倒産による売掛金の回収が不能となった場合の費用の発生等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) データ・センター運用上のリスク

当社グループが事業を展開するための各種システムは、主にデータ・センターのコンピューター設備で一括管理しています。当該データ・センターでは、電源・通信回線の二重化、耐震工事、不正侵入抑止等の対策を講じていますが、完全にリスク回避できるものではありません。自然災害や事故等により甚大な設備の損壊があった場合、通信回線や電力供給に支障が出た場合、不正侵入や従業員の過誤による障害が起きた場合、業務の遂行に支障をきたし、グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループではこれらのデータ・センター運用上のリスクを軽減するため、各種システムを安全性の高いデータ・センター仕様の外部施設へ設置しております。

 

(7) 顧客情報の流出におけるリスク

当社グループでは百貨店業及び小売・専門店業、クレジット・金融・友の会業、情報処理サービス業を中心に、顧客の個人情報を保有・処理しています。これらの個人情報の管理は社内管理体制を整備して、厳重に行っていますが、犯罪等により外部に漏洩した場合、顧客個人に支払う損害賠償による費用の発生や、当社グループの社会的信用の失墜による売上高の減少が考えられ、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特に記載する事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の1「連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績分析

①概要

当社グループの当連結会計年度の経営成績の概要として、連結売上高は1,253,457百万円(前連結会計年度比2.6%減)連結営業利益は23,935百万円(前連結会計年度比27.7%減)連結経常利益は27,418百万円(前連結会計年度比25.3%減)を計上しました。特別損益及び税金費用等を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は14,976百万円(前連結会計年度比43.5%減)となりました。以下、連結財務諸表に重要な影響を与えた要因について分析します。

②売上高

連結売上高は、1,253,457百万円となりました。中核の百貨店業では、中国などの新興国の景気減退、英国のEU離脱問題や米国の政権交代による政策の不確実性などを背景に景気の先行き不安が高まるなかで、個人消費は力強さを欠く展開となりました。
 このような状況のもとで、当社グループは中長期経営計画に基づき、付加価値の高い商品やサービスのご提案や、お客さま接点の拡大と充実を推進してまいりました。また、生産性向上の取り組みと連携した経費削減や、グループリソースを活用するための基盤を強化してまいりました。

③販売費及び一般管理費

連結の販売費及び一般管理費は341,673百万円(前連結会計年度比4.0%増)となりました。グループポイント及びTポイントシステム導入によるポイント関連費の増加により、前年を上回る実績となりました。

④営業外損益

営業外損益は3,483百万円の利益となりました。営業外収益には未回収商品券受入益5,397百万円などを計上しました。また、営業外費用には商品券回収損引当金繰入額5,346百万円などを計上しました。

⑤特別損益

特別利益として1,228百万円を計上いたしました。主な内容は固定資産売却益1,156百万円などです。また特別損失として13,924百万円を計上いたしました。主な内容は減損損失7,741百万円、店舗閉鎖損失4,392百万円などです。

 

(3) 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は1,309,777百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,733百万円増加しました。これは主に、のれんが増加したことなどによるものです。

負債合計では729,994百万円となり、前連結会計年度末から11,266百万円増加しました。これは主に、有利子負債が増加したことなどによるものです。

また、純資産は579,782百万円となり、前連結会計年度末から5,466百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加した一方で、自己株式の取得及び為替換算調整勘定が減少したことなどによるものです。

 

 

(4) 資金の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、60,024百万円となり、前連結会計年度から4,214百万円減少しております。これは営業活動によるキャッシュ・フロー(35,373百万円の収入)から投資活動によるキャッシュ・フロー(40,913百万円の支出)を差し引いたフリーキャッシュフローがマイナスであったため、財務活動によるキャッシュ・フロー(2,413百万円の収入)及び現金同等物により充当した結果によるものです。