当連結会計年度における世界経済は、中国経済が成長のペースを落とすなか、好調な米国経済が下支えして緩やかに回復しつつも、原油価格の下落による資源国経済の減速も見られました。日本経済については、昨年4月の消費税率の引き上げによる反動減があったものの、生産や輸出を中心に企業業績は復調し、雇用も改善に向かいました。
小売業界においては、消費税率引き上げの影響が当初予測以上に大きく、年度後半においても厳しい状況が続きました。このような状況のなか、当社グループは引き続き「常に上質であたらしいライフスタイルを創造し、お客さまの生活の中のさまざまなシーンでお役に立つことを通じて、お客さま一人ひとりにとっての生涯にわたるマイデパートメントストアとなり、高収益で成長し続ける世界随一の小売サービス業グループ」の実現に向けて取り組んでまいりました。
本年3月には伊勢丹新宿本店の上層階の改装を行い、お客さまへの新たな価値提供に取り組んでおります。三越日本橋本店では、日本橋エリア再開発に合わせて地域一体の取り組みを推進してまいりました。三越銀座店においては、海外からのお客さまの増加もあり、多くの百貨店が苦戦するなか、前年実績を上回る結果を残すことができました。
また、百貨店業で培った強みを生かした中小型店の商業施設への出店や、WEB事業の強化に取り組んだほか、関係会社におきましても、グループ各社に対する営業支援体制の効率化促進や、外部営業の強化に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高は1,272,130百万円(前連結会計年度比3.7%減)、営業利益は33,083百万円(前連結会計年度比4.5%減)、経常利益は34,563百万円(前連結会計年度比10.1%減)、当期純利益は29,886百万円(前連結会計年度比41.2%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①百貨店業
百貨店業におきましては、「百貨店のあるべき姿」を実現すべく、三越伊勢丹グループならではの絶対的な価値を創造し、提供することに取り組んでまいりました。
具体的には、事業の中核となる株式会社三越伊勢丹の基幹3店において、以下のような取り組みを行いました。
伊勢丹新宿本店は、「世界最高のファッションミュージアム」の実現に向けて、一昨年の婦人服・婦人雑貨フロアに引き続き、リビング、ベビー子供、ソリューションフロアの改装を終え、本年3月にリモデルオープンいたしました。連日、多くのお客さまにご来店いただき、ご好評をいただいております。
三越日本橋本店は、「カルチャーリゾート百貨店」をコンセプトに、日本橋の街とともに文化の発信拠点となって、ファッションだけではない新しいご提案を行ってまいりました。その先駆けとして昨年3月、文化に触れ、新しいコトを始める喜びを感じていただけるショップ、「はじまりのカフェ」をオープンいたしました。
世界中から人が集まる銀座に位置する三越銀座店では、「グローバル百貨店」として、多くの海外からのお客さまにも快適にお買物いただくため、免税カウンターの拡大や、アテンドスタッフの充実によるコミュニケーション強化などに注力いたしました。また本年度、銀座店内に市中免税店を開業すべく、昨年9月に合弁会社「株式会社Japan Duty Free Fa-So-La 三越伊勢丹」を設立いたしました。
お客さまとの接点拡大に向けて、百貨店業で培ったノウハウを生かし、中小型店の出店や、WEB事業の強化にも取り組んでまいりました。
小型店の出店につきましては、複数の店舗フォーマットでの出店を引き続き行ってまいりました。昨年6月、旅を柱としたライフスタイル提案を行う衣料と雑貨の編集ショップ「イセタン 羽田 ストア」のメンズ2号店を、7月にレディス店をオープンしたほか、同じく7月、「イセタン アウトレット ストア」を「三井アウトレットパーク木更津」内にオープンいたしました。また12月には、10店舗目となるラグジュアリーコスメの編集ショップ「イセタン ミラー メイク&コスメティクス」の湘南T-SITE店(藤沢市)をオープンいたしました。
加えて、生活感度の高いお客さまに向けて雑貨や食品、ギフトを編集して展開する小型ショップ「エムアイプラザ」を、昨年4月の厚木市を皮切りに、全国各地に11店舗出店いたしました。本年4月以降も5店舗出店し、ご好評いただいております。
札幌、名古屋、福岡の各地では、そのポテンシャルを最大限に引き出していくため、その先駆けとして、昨年9月に福岡三越に専門店「ラシック福岡天神」をオープンいたしました。
なお、新たな店舗形態として三越伊勢丹の編集力を活かした中型のセレクトストアの開発も進めており、本年4月には東京ミッドタウンに「イセタンサローネ」を出店、来年春開業予定の「大名古屋ビルヂング」の商業ゾーンにも出店を予定しております。
また、海外の百貨店業については、政府のクールジャパン戦略に連動した新たな海外事業モデルとして、本年度、マレーシアの「クアラルンプール伊勢丹 LOT10店」を日本の優れたモノ・サービスを展開する新たな店舗としてリモデルオープンいたします。
WEB事業につきましては、昨年5月にサイトをリニューアルし、決済システムなどの基盤整備を行いました。三越・伊勢丹どちらのサイトも一つのショッピングカートでお買物ができるようになったほか、株主様ご優待カード、エムアイ友の会お買物カード、エムアイカードポイントのご利用が可能になるなど、お客さまの利便性向上に取り組みました。
なお、このセグメントにおける、売上高は1,172,886百万円(前連結会計年度比2.3%減)、営業利益は21,488百万円(前連結会計年度比7.4%減)となりました。
②クレジット・金融・友の会業
クレジット・金融・友の会業につきましては、株式会社エムアイカードがカード会員数の拡大や、外部利用拡大に向けた各種キャンペーンの展開、外部加盟店の拡大などに努めたほか、事前登録型リボサービス「あんしんリボ」のご利用を新たにスタートするなど、お客さまの利便性向上に加えて、収益力の高い経営基盤の構築に取り組んでまいりました。また来年4月には、カード会員特典制度を改定し、お客さまに、より便利にご利用いただけるよう取り組んでまいります。
なお、このセグメントにおける、売上高は34,492百万円(前連結会計年度比3.0%増)、営業利益は5,578百万円(前連結会計年度比7.4%増)となりました。
③小売・専門店業
小売・専門店業につきましては、株式会社三越伊勢丹フードサービスが、地域のお客さまのご期待に応える取り組みを推進し、昨年4月にスーパーマーケット「クイーンズ伊勢丹 石神井公園店」をリモデルオープンしたほか、11月には顧客接点の拡大・充実に向け、東京都豊島区に「目白店」をオープンいたしました。
通信販売事業におきましては、株式会社三越伊勢丹通信販売が、日本郵便株式会社の子会社である株式会社郵便局物販サービスとの間で、商品調達・カタログ制作を行う合弁会社「株式会社JP三越マーチャンダイジング」を昨年4月に設立し、新たな販路の拡大に取り組んでおります。
なお、このセグメントにおける、売上高は57,834百万円(前連結会計年度比32.6%減)、営業損失は277百万円(前連結会計年度は営業損失319百万円)となりました。
④不動産業
不動産業につきましては、グループにおける商業不動産業の組織再編の一環として、昨年4月、株式会社三越伊勢丹ビルマネジメントが、株式会社三越伊勢丹のアルタ事業を継承するとともに、株式会社三越パーキングサービスを吸収合併し、商号を「株式会社三越伊勢丹プロパティ・デザイン」に変更、昨年10月には、株式会社三越環境デザインを吸収合併いたしました。本年3月には、東京都渋谷区に「原宿アルタ」をオープンしております。
また、株式会社三越不動産が、野村不動産株式会社と資本業務提携契約を締結し、従来の不動産賃貸業務に加え、新たにマンション分譲事業の取り組みを推進しております。なお、同社は本年4月、「株式会社三越伊勢丹不動産」に商号変更いたしました。
なお、このセグメントにおける、売上高は42,869百万円(前連結会計年度比7.7%増)、営業利益は6,382百万円(前連結会計年度比1.2%減)となりました。
⑤その他
情報処理サービス業の株式会社三越伊勢丹システム・ソリューションズ、物流業の株式会社三越伊勢丹ビジネス・サポート、人材サービス業の株式会社三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズなどが、グループ各社に対する営業支援体制の効率化推進や、外部営業強化に向けた取り組みを推進いたしました。また、本年1月には、株式会社三越伊勢丹旅行を設立し、7月の事業開始をめざしております。
なお、このセグメントにおける、売上高は73,443百万円(前連結会計年度比2.9%増)、営業利益は55百万円(前連結会計年度は営業損失68百万円)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて301百万円減少し、50,299百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、49,448百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が3,425百万円増加しました。これは主に、売上債権の増減額が38,827百万円減少したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、34,374百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が15,152百万円増加しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が6,929百万円増加したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、17,372百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が1,221百万円増加しました。これは主に、自己株式の取得による支出が995百万円増加したことなどによるものです。
当社及び当社の関係会社においては、その他事業の一部に実績がありますが、当社グループ全体の事業活動に占める比重が極めて低いため、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前連結会計年度比 |
百貨店業 | 1,171,506 | △2.3 |
クレジット・金融・友の会業 | 17,116 | 8.9 |
小売・専門店業 | 44,451 | △38.1 |
不動産業 | 26,165 | 24.4 |
その他 | 12,891 | △5.1 |
合計 | 1,272,130 | △3.7 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループでは、グループビジョンである「世界随一の小売サービス業グループ」の実現に向けたマイルストーンとして2018年度 連結営業利益500億円を目標とする中期経営計画を推進しております。
今後の経済環境につきましては、株価の上昇や大手企業を中心とした業績回復や賃上げ、インバウンド需要の拡大など復調の兆しも見えているものの、消費税率引き上げや円安による物価上昇の影響、地域経済回復の遅れなど決して楽観できる状況ではないと認識しております。このような中にあって当社グループは、持続的な成長を実現するために「百貨店のあるべき姿」の実現と長期視点に立った成長事業の強化・拡大に取り組んでまいります。
当社グループの主力事業である百貨店業においては、独自性とブランド力をさらに強固にすべく、経営資源を投下し、絶対的な価値を提供してまいります。
また、更なる成長に向け中小型店舗、WEB、海外など、グローバルなチャネル・顧客接点・業態に事業を拡げていくことで一層の収益拡大を目指してまいります。
さらに、お客さまに新たな価値を提供していくために、外部企業とのアライアンスや提携も積極的に検討しながら、既存事業の強化、新規事業の開発に取り組んでまいります。
加えて、コーポレートガバナンスを強化することで、企業価値の向上と持続的成長を目指してまいります。
本報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。但し、将来の業績や財政状態に与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。また、文中における将来に関する事項は当社グループが当連結会計年度末において判断したものであります。
当社グループの主要なセグメントである、百貨店業及び小売・専門店業の需要は、事業展開する国内・海外各国における気候状況や景気動向・消費動向等の経済情勢、同業・異業態の小売業他社との競争状況等に大きな影響を受けます。従って、これらの要因により、当社グループの業績や財務状況に、悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのセグメントのうち、百貨店業は東南アジア、中国、台湾、米国、欧州で店舗を営業しています。これらの売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されています。換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける場合があります。
また、海外における事業展開には、以下のようないくつかのリスクが内在しています。
当社グループは、事業展開をする各国において、事業・投資の許可等、さまざまな政府規制の適用を受けています。また、独占禁止、消費者、租税、為替管理、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けています。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性や、費用の増加につながる可能性があります。また、将来の消費税率の引き上げ等による個人の消費動向への影響も懸念されます。従って、これらの規制は、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのうち、百貨店業や小売・専門店業においては、店舗による事業展開を行っています。このため、自然災害・事故等により、店舗の営業継続に悪影響をきたす可能性があります。
当社グループでは、「地震災害対策基本計画」をもとに、東日本大震災を踏まえた大地震発生時の対応及び発生後における事業継続計画の策定などに積極的に取り組んでおります。しかし、首都直下型の大地震が発生した場合、首都圏に基幹店が集中している当社グループは、従業員及び建物等に甚大な被害を被る恐れがあり、それにより当社グループの業績や財務状況に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。また、東日本大震災後に現出した電力の使用制限や消費の自粛、放射能による食料品汚染など、当社グループの営業活動に影響を及ぼす可能性があります。
火災については、消防法に基づいた火災発生の防止を徹底して行っています。しかし、店舗において火災が発生した場合、被害者に対する損害賠償責任、従業員の罹災による人的資源の喪失、建物等固定資産や棚卸資産への被害、消防法による規制等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、百貨店業や小売・専門店業において、消費者向け取引を行っています。これらの事業において欠陥商品や食中毒を引き起こす商品等、瑕疵のある商品を販売した場合、公的規制を受ける可能性があるとともに、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等による費用が発生する場合があります。更に消費者からの信用失墜による売上高の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また当社グループでは、百貨店業の外商部門やその他事業の卸売業を中心として、法人向けの取引を行っています。これらの事業は契約先1社当たりの販売額が高額であり、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等により費用が発生した場合や、契約先の倒産による売掛金の回収が不能となった場合の費用の発生等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業を展開するための各種システムは、主にデータ・センターのコンピューター設備で一括管理しています。当該データ・センターでは、電源・通信回線の二重化、耐震工事、不正侵入抑止等の対策を講じていますが、完全にリスク回避できるものではありません。自然災害や事故等により甚大な設備の損壊があった場合、通信回線や電力供給に支障が出た場合、不正侵入や従業員の過誤による障害が起きた場合、業務の遂行に支障をきたし、グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループではこれらのデータ・センター運用上のリスクを軽減するため、各種システムを安全性の高いデータ・センター仕様の外部施設へ設置しております。
当社グループでは百貨店業及び小売・専門店業、クレジット・金融・友の会業、情報処理サービス業を中心に、顧客の個人情報を保有・処理しています。これらの個人情報の管理は社内管理体制を整備して、厳重に行っていますが、犯罪等により外部に漏洩した場合、顧客個人に支払う損害賠償による費用の発生や、当社グループの社会的信用の失墜による売上高の減少が考えられ、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
特に記載する事項はありません。
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の1「連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当社グループの当連結会計年度の経営成績の概要として、連結売上高は1,272,130百万円(前連結会計年度比3.7%減)、連結営業利益は33,083百万円(前連結会計年度比4.5%減)、連結経常利益は34,563百万円(前連結会計年度比10.1%減)を計上しました。特別損益及び税金費用等を控除した連結当期純利益は29,886百万円(前連結会計年度比41.2%増)となりました。以下、連結財務諸表に重要な影響を与えた要因について分析します。
連結売上高は、1,272,130百万円となりました。中核の百貨店業では、消費税率引き上げの影響が当初予測以上に大きく、年度後半においても厳しい状況が続き、前年同期実績を下回る実績となりました。このような状況のなか、当社グループは引き続き「常に上質であたらしいライフスタイルを創造し、お客さまの生活の中のさまざまなシーンでお役に立つことを通じて、お客さま一人ひとりにとっての生涯にわたるマイデパートメントストアとなり、高収益で成長し続ける世界随一の小売サービス業グループ」の実現に向けて取り組んでまいりました。
連結の販売費及び一般管理費は322,372百万円(前連結会計年度比3.9%減)となりました。経費削減に努めた結果、前年実績を下回る実績となりました。
営業外損益は1,479百万円の利益となりました。営業外収益には持分法による投資利益2,234百万円などを計上しました。また、営業外費用には商品券回収損引当金繰入額6,423百万円などを計上しました。
特別利益として405百万円を計上しました。主な内容は負ののれん発生益316百万円などです。また特別損失として7,127百万円を計上いたしました。主な内容は減損損失2,630百万円、固定資産処分損2,171百万円などです。
当連結会計年度末の総資産は1,291,560百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,902百万円増加しました。これは主に、投資有価証券が増加したことなどによるものです。
負債合計では713,905百万円となり、前連結会計年度末から29,683百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金が減少したことなどによるものです。
また、純資産は577,655百万円となり、前連結会計年度末から36,585百万円増加しました。これは主に、当期純利益計上により利益剰余金が増加したこと、及び、為替換算調整勘定が増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、50,299百万円となりました。これは営業活動によるキャッシュ・フロー(49,448百万円の収入)に現金及び預金を加え、投資活動によるキャッシュフロー(34,374百万円の支出)及び財務活動によるキャッシュ・フロー(17,372百万円の支出)に充当した結果によるものです。
グループ中期経営計画「三越伊勢丹グループ3ヶ年計画(平成27年度-29年度)」では、グループ全体の持つ豊かな資源(顧客資産・拠点・チャネル・機能・ノウハウ)を有機的に連携・相互活用することで、グループ全体および各事業のポテンシャルを早期かつ最大限引き出し、ユニークで他社に真似できない顧客価値を創出することで競争優位を作り出し、収益の安定と拡大を目指すことを基本方針として、以下の4つの基幹戦略を推進してまいります。
[基幹戦略1]顧客価値の高いコンテンツの創出
各顧客接点の魅力度および競争力向上に向け、世界基準で評価される、独自性・顧客価値の高いモノ・コト・ソリューション(コンテンツ)、さらにそれらを融合させた新しいライフスタイル提案を実現し、お客さまへの価値提供レベルの向上を目指してまいります。
[基幹戦略2]顧客接点の拡大と充実
よりお客さまのお役に立てる機会を増やすために、グループ最大の強みである基幹3店(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店)の継続的な強化(顧客接点の充実)を図りながら、グループにある様々なリソースを活用することで、お客さまの消費スタイルにあった顧客接点を展開し、お客さまと接する機会の拡大を目指してまいります。
[基幹戦略3]生産性向上の推進
各顧客接点において、お客さまのご要望・ご期待に沿い、更には上回る「商品・品揃えや販売サービスの充実」により顧客満足度の向上を図ると共に、各事業・業態特性に応じた商品差益の拡大や販管費削減への取組みによる収益力強化を両立させるため、新しい仕組みの構築(ビジネスモデル改革)による生産性向上を目指してまいります。また、商業不動産事業を推進し、小売グループとして培ってきた編集力・MD力を活かした商業不動産の展開と共に、全国に保有する自社不動産の最大活用による生産性向上を図ってまいります。
[基幹戦略4]グループリソースを活用するための基盤強化
三越と伊勢丹の統合後、百貨店事業を中心に構築してきた基盤など、グループの持つ資源をグループ全体へ拡大・活用することで、グループのノウハウ・資源を更に蓄積し、営業面・業務運営面・コスト面で、一層の効果創出を目指してまいります。