(1) 私たちの目指すもの
味の素グループは、地球的な視野にたち、“食”と“健康”、そして、明日のよりよい生活に貢献し、先端バイオ・ファイン技術が先導する、確かなグローバル・スペシャリティ食品企業グループを目指します。
(2) 「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」に向けて
① ASV(Ajinomoto Group Shared Value)の進化による持続的成長
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味の素グループは、うま味を通じて粗食をおいしくし、国民の栄養を改善するという創業の志を受け継ぎ、創業以来一貫した、事業を通じて社会価値と経済価値を共創する取り組みにより成長してきました。この取り組みをASV(Ajinomoto Group Shared Value)と称し、これからも事業を通じて「21世紀の人類社会の課題」である「地球持続性」、「食資源」、「健康な生活」に積極的に貢献することで、ASV進化による持続的な成長を目指します。 |
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② 現状の課題 -グローバル食品企業トップ10クラス入りのために-
現在の味の素グループは、グローバル食品企業トップ10クラスの企業と比較すると、財務指標、すなわち、事業の規模、利益を創出する効率性に課題があります。また、「環境」、「社会」、「ガバナンス」(いわゆるE・S・G)に関する基本方針や非財務目標をより明確にすべきであると考えています。これらに対し、我々の強みである独自のコア技術、すなわち、アミノ酸を起点とした独自の先端バイオ・ファイン技術や「おいしさ」を解析し自在に設計する「おいしさ設計技術」と徹底した現地・顧客適合で具体的な解決に取り組み、2020年のグローバル食品企業トップ10クラス入りを実現する所存です。
(3)目標とする経営指標およびその進捗
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2017-2019(for 2020)中期経営計画において、味の素グループが創造する経済価値、社会価値を財務目標、非財務目標として設定。また統合目標としてコーポレートブランド価値を指標化し、味の素グループが目指すところを明確にした経営を行っていきます。 財務・非財務目標とその2017年度進捗状況は、次のとおりです。 財務・非財務目標を合わせた統合目標の推進により向上した価値をコーポレートブランド価値に集約させるため、2017年度にグループ共通の“味の素グループグローバルブランドロゴ”を導入し、その活用強化の取り組みを開始しました。 |
■味の素グループグローバルブランドロゴ |
① 財務目標(経済価値)
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2016年度 実績 |
2017年度 目標 |
2017年度 実績 |
2018年度 目標 |
2019年度 目標 |
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事業利益 |
968億円 |
1,020億円 |
973億円 |
1,030億円 |
1,240億円 |
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事業利益率 |
8.9% |
8.6% |
8.5% |
8.7% |
9.4% |
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ROE |
8.7% |
8.9% |
9.7% |
9.5% |
9.8% |
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ROA (注)1 |
7.4% |
7.4% |
7.0% |
7.2% |
8.8% |
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EPS成長率 |
- |
7.2% |
15.1% |
3.0% |
年二桁成長 |
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海外売上成長率(注)2 |
- |
12% |
5% |
7% |
年二桁成長 |
(注)1.資産合計事業利益率
(注)2.コンシューマー食品が対象。現地通貨ベース
② 非財務目標(社会価値)
事業を通じた「地球持続性」、「食資源」、「健康な生活」への貢献を目指し、「環境」、「社会」、「ガバナンス」(E・S・G)の項目に沿って定量的な目標を定めています。
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非財務目標の内容 |
2015年度 実績 |
2016年度 実績 |
2017年度 実績 |
2020年度目標 ※一部、2020年度以降の目標を掲げています。 |
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社 会 |
うま味を通じてたんぱく質・野菜をおいしく摂取し、栄養バランスを改善します。 |
味の素グループ製品による肉・野菜の摂取量(日本・Five Stars (注)3) |
肉: 660万トン
野菜: 380万トン |
肉: 690万トン
野菜: 410万トン |
肉: 720万トン
野菜: 440万トン |
肉: 年860万トン: 19%(9.7kg/人/年) 〈対 2015年度+3%(+2.0kg)〉 野菜: 年550万トン: 8% (6.2kg/人/年) 〈対 2015年度+2%(+1.6kg)〉 |
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共に食べる場を増加します。 |
味の素グループ製品による共食の場への貢献回数(日本・Five Stars (注)3) |
55回 |
58回 |
60回 |
70回/世帯/年 〈対 2015年度+20回〉 |
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おいしくスマートな調理を実現します。 |
味の素グループ製品を通じて創出される時間(日本) |
31 百万時間 |
35 百万時間 |
37 百万時間 |
38百万時間/年(6時間/世帯) 〈対 2015年度 +7百万時間〉 |
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人々の快適な生活を実現します。 |
アミノ酸製品(アミノサイエンス)を通じた快適な生活への貢献人数 |
1,820 万人 |
1,870 万人 |
1,980 万人 |
2,200万人 〈対 2015年度 +400万人〉 |
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環 境 |
温室効果ガスの削減:製品ライフサイクル全体でカーボンニュートラルにします。 |
温室効果ガスの生産量比排出原単位 |
33%減 (対2005年度) |
33%減 (対2005年度) |
35%減 (注)4 (対2005年度) |
2020年度:5%削減 〈対2015年度〉 2030年度:50%削減 〈対2005年度〉 |
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再生可能エネルギー比率 |
18%
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20%
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22% (注)4 |
2020年度:20% 2030年度:50% |
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脱フロン |
-
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-
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-
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2025年度:新規導入100% 2030年度:HFCs (注)5 保有量極少 |
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非財務目標の内容 |
2015年度 実績 |
2016年度 実績 |
2017年度 実績 |
2020年度目標 ※一部、2020年度以降の目標を掲げています。 |
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環境 |
フードロスの削減:2050年までにライフサイクルでフードロスを半減します。 |
原料受入からお客様納品までのフードロス削減 |
- |
- |
5%減 (注)4 |
2020年度:20%削減 〈対2016年度〉 2025年度:50%削減 〈対2016年度〉
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食資源の確保と生態系・生物多様性を含む自然環境の保全:次世代のための食資源の確保と生態系・生物多様性を含む自然環境の保全に貢献し、持続可能な調達を実現します。 |
持続可能な調達 |
- |
パーム油・紙 9% |
パーム油・紙 21% (注)4 |
2020年度:パーム油・紙100% 2030年度:課題原料100% |
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低資源利用発酵技術・副生物活用・原料代替技術による天然原料使用量削減 |
- |
80% |
80%超 (注)4 |
2025年度:100%導入 |
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水資源の保全:持続的に水を利用し続けられる環境を創出します。 |
工場の生産量比水使用量 |
75%減 (対2005年度) |
77%減 (対2005年度) |
77%減 (注)4 (対2005年度) |
2020年度:5%削減 〈対2015年度〉 2030年度:80%削減 〈対2005年度〉 |
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廃棄物の3R (Reduce、Reuse、Recycle):廃棄物のゼロエミッション |
事業活動で排出される廃棄物削減・資源化率 |
99.6% |
99.3% |
99.5% |
2020年度、2025年度:99%以上維持 |
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ガ バ ナ ン ス |
従業員の働きがいを向上します。 |
働きがいを実感している従業員の割合 |
- |
- |
79% |
80% |
(注)3. タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ブラジル
(注)4. 2018年4月時点推定値
(注)5. Hydrofluorocarbon(代替フロン)
(4)会社の対処すべき課題および中長期的な会社の経営戦略
<2017-2019(for 2020)中期経営計画の推進>
味の素グループは、2017-2019(for 2020)中期経営計画においても、「FIT&GROW with Specialty」を継承し、土台となる「経営基盤の強化」にも取り組み、「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」を目指します。その取り組みおよび進捗状況は次のとおりです。
① 更なる事業構造改革(FIT)
1)コモディティ事業からの抜本的な転換
・コモディティ製品の生産外部化による動物栄養事業のスペシャリティ化の加速
(進捗状況)中国の梅花生物科技集団と製造委託契約を締結。コモディティ製品の生産外部化とグループ内生産設備のスペシャリティ製品向け転換を進めます。
・加工用うま味調味料事業における当社製品原料向け供給の拡大と低資源利用発酵技術によるコスト削減
・甘味料事業のリテール・外食向け製品のスペシャリティ化の強化
2)事業横断でのサステナブルバリューチェーンの構築
・グループ会社を含む国内全体のバリューチェーン再編による事業構造強化(最新鋭工場への転換、他社との共同物流改革、事業横断での伸長チャネル向け提案力強化、共通のコーポレート機能の一体運営等)
(進捗状況)・当社事業所の一部、クノール食品㈱および味の素パッケージング㈱の生産体制の集約・再編を決定。新会社を2019年4月(予定)に発足、国内調味料・加工食品生産体制を強化します。
・カゴメ㈱、日清オイリオグループ㈱、日清フーズ㈱、ハウス食品グループ本社㈱の4社と2019年4月に物流事業を統合し、全国規模の物流会社を発足させる契約を締結しました。深刻化する食品物流の諸課題の解決に向けて、食品メーカー協働での取り組みを一層推進します。
・グローバルのバリューチェーン全体における資源利用の削減(ICT(情報通信技術)活用による発酵プロセス自動化・効率化、製品消費段階での環境負荷低減等)
② 成長ドライバーの展開(GROW)
1)食品の地域ポートフォリオ強化を通じた確かな成長
・日本食品:「おいしさ設計技術」の進化による主要ブランド製品の継続強化、「勝ち飯®」等の当社独自のサイエンスとデジタル・ICT活用による、お客様に提供するこころとからだの健康、共食の喜び、食文化価値の増大
(進捗状況)・冷たい牛乳と混ぜて作る夏場の朝食用の「クノール®カップスープ」<冷たい牛乳でつくる>シリーズにより、「クノール®カップスープ」の需要を拡大しました。
・国内コーヒー市場は、家庭内消費が縮小する一方、家庭外消費が拡大。家庭用インスタントコーヒーの売上減少に対応して、スティック製品と業務用製品の拡大に取り組みます。
・海外食品:ローカルトッププレイヤーとの連携など新地域展開の加速による地域ポートフォリオ強化、市場成長や為替変動に左右されにくい強固な事業基盤の確立。
(進捗状況)・「Five Stars」の調味料事業は成長したものの、タイの缶コーヒー「Birdy®」の競争激化が課題。品質・販売強化によるシェアNo.1維持に取り組みます。
・北米の冷凍食品事業はアジアンカテゴリーで売上を伸ばすものの、生産体制再構築に伴うコスト増加が課題。安定生産とコスト改善に取り組みます。
・フランスの冷凍食品会社ラベリ・テレトル・スージェレ社を買収。また、トルコのキュクレ食品社を100%子会社化し、他の現地子会社2社との統合を決定。これにより、地域ポートフォリオの拡大と欧州での食品事業の基盤整備を進めます。
2)新たな事業の柱の構築による事業ポートフォリオの拡張
・食品事業:中食・外食・加工食品向けに「おいしさ」実現のための提案を総合的に行う「おいしさソリューション事業」のグローバルな立ち上げ。フレーバーに関する素材や技術の強化と顧客起点に立ったグループ横断の営業体制の構築
(進捗状況)2018年4月1日付で加工食品メーカー向けの天然系調味料、酵素製剤等の業務用製品(素材)事業と、中食・外食業態向け製品事業を統合。また、味の素冷凍食品㈱、クノール食品㈱、味の素AGF㈱の日本食品に関わるR&D拠点の当社川崎事業所内への集約を決定。これらによる「おいしさ設計技術」の提供と味の素グループ一体型の顧客起点営業体制の強化を通じ、「おいしさソリューション事業」の拡大を図ります。
・アミノサイエンス事業:アミノ酸素材事業の川下事業化、先端バイオ医療周辺領域の成長加速等、スペシャリティ事業の拡大による強い事業構造への転換
(進捗状況)・先端医療周辺領域(オリゴ核酸、次世代抗体医薬品等)の開発製造受託事業拡大のため、㈱ジーンデザイン、味の素アルテア社の開発製造設備増強を決定しました。
・米国の医療食品会社キャンブルック・セラピューティクス社を買収し、米国のメディカルフード市場に参入しました。
・当社川崎事業所内にオープン&リンクイノベーション推進拠点である「クライアント・イノベーション・センター」の新設を決定。当社の技術を紹介し、ビジネスパートナーとの技術融合による新価値・新事業の共創を目指します。
③ 経営基盤の強化
・コーポレートガバナンス・コードに適合する基盤強化とイノベーションによる持続的成長
・グローバル戦略機能の強化とグループの事業全体をサポートするコーポレート機能の最適化
(進捗状況)2018年4月1日付でグローバルな企画・監督機能を担うグローバルコーポレート本部と、グループ企業も含めた事業の支援機能を担うコーポレートサービス本部を設置。グローバル戦略の一体化とグループ経営の効率化を更に進めます。
・分厚く多様な人財層の形成に向けた次世代グローバル人財の育成や女性マネージャーの登用
・多様な人財によるイノベーションの促進、従業員の心身の健康増進を目指した「働き方改革」の推進(グローバル基準の働き方を志向した時短、ICT活用による仕事の効率化、育児・介護へのサポート強化等)
(進捗状況)味の素㈱の「働き方改革」は、目標である年間平均労働時間1,800時間の2018年度での達成にめどが立ったため、更に効率化を進めるとともに国内グループ会社への横展開を図ります。
・ASVの実践を通じたグローバル33,000人の全従業員の「働きがい」向上による組織力の強化と業績向上
(進捗状況)味の素グループ全体を対象とした調査結果から、79%が「持続可能な働きがい」を感じており、グローバル食品企業の水準を達成しています。「ASV向上への意識」「リーダーシップ発揮」「顧客志向」が評価される一方で、課題としてはダイバーシティの拡大、キャリア開発の充実等があり、引き続き取り組みます。
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。当社グループではこのような経営及び事業リスクを最小化するための様々な対応及び仕組み作りを行っております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営環境に関するリスク
1.為替変動の影響
当社グループは、グローバルな生産供給体制の確立と強化を図っており、日本のほかに全世界で34の国・地域に拠点を持ち、海外の比重が高くなっています。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、日本以外の地域(アジア、米州及び欧州)での外部顧客に対する売上高は5,716億円及び6,278億円(連結売上高に占める割合は52.4%及び54.6%)、事業利益は522億円及び506億円(事業利益全体に占める割合は53.9%及び52.0%)でありました。連結財務諸表は、海外グループ会社の現地通貨建て財務諸表を円に換算することにより、換算為替レートの変動を受けます。また、当社グループでは、外貨建て取引に伴う債権及び債務につき、為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、その業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。
2.天変地異等の影響
当社グループは、日本国内での事業展開はもとより、海外市場の開拓を積極的に進めております。これらの事業展開地域においては、次のようなリスクがあります。これらの事象が発生した場合は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
① 気候変動等に伴う水資源の不足による生産量減少等
② 地震、台風・ハリケーン・サイクロン、洪水等の天変地異の発生
③ 大規模停電等による中断事象の発生
④ 感染性疾病の流行等による社会的混乱
3.予期しない不利な経済的又は政治的要因の発生
当社グループは、グローバルに事業を展開しておりますが、テロ又は紛争等による政情不安、経済動向の不確実性、宗教や文化の相違並びに商習慣に関する障害、投資、海外送金、輸出入、外国為替などの規制の変更、さらには接収など様々な経済的、政治的若しくは法的な障害を伴う可能性があり、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。
4.原燃料価格変動の影響
当社グループの使用する主要な原材料並びに重油等のエネルギー原料には、その価格が市場の状況により変動するものがあります。天候不順による農作物の不作やエタノール需要拡大による穀物価格の上昇などに加えて、これらが投機的取引の対象となることもあり、従来に比べて原燃料価格変動要因が増加してきております。これら原燃料の価格が高騰した場合は製造コストの上昇につながり、この上昇が新技術導入や各種活動等によるコストダウンで吸収しきれない場合、また市場の状況によって販売価格に転嫁することができない場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業活動に関するリスク
1.製品市況の変動の影響
当社グループがライフサポート事業において取り扱っている飼料用アミノ酸は、穀物市況と飼料用アミノ酸の需給動向によって販売価格が変動する傾向があります。当社グループでは、複数の種類のアミノ酸(リジン、スレオニン及びトリプトファン等)を取り扱うことでリスクの低減・分散を図るとともに、乳牛用リジン製剤「AjiPro®―L」等の高付加価値素材によるスペシャリティ化をはかり、またアミノ酸の発酵生産技術によるコストダウンを通じて収益性の安定と向上を図ることを目指しておりますが、穀物市況の変動の影響及び飼料用アミノ酸の需給動向によって当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
2.商品・サービスの品質に影響を与える事項
当社グループは、コンプライアンス及びお客様起点の品質保証意識の醸成も含む組織風土改善に継続的に取り組むことを各仕組み・取り組みのベースとしています。更に、独自の厳しい品質保証システムを一層強化するとともに、製法やそのデータ妥当性を評価・判断する委員会等など社内の専門家が集まる場で多角的視野を以て、公正に評価し、更に、これらの仕組みが目的の通りに運営されていることを、監査活動、外部認証審査を通じて常に確認する等、全事業の存立基盤となる「安全・安心」を確保するため、万全の体制で臨んでおります。
また、医薬原薬製造部門においては、生産した製品に関わる記録や分析データなどが、不正操作されない状態で保管されるシステムが、世界標準として求められており、データインテグリティーと言われ、これに従う管理を更に強化していますが、食品製造部門でも順次、強化しています。
その一方で、社会全般にわたる新たな品質問題等、上記の取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
3.情報の漏洩等の影響
当社グループは、通信販売や販促キャンペーン等により多くのお客様の個人情報を保持しております。当社グループは、これらの個人情報を含む重要な情報の漏洩等を防ぐために、「味の素グループ情報セキュリティポリシー」を定め、「情報取扱ガイドブック」の社内配布や研修等を実施することにより、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、現在予期し得ない不正アクセス等により情報が漏洩、改ざんされるリスクがあります。また、コンピューターウイルスの感染等によって情報システムが一定期間使用できないリスクも考えられます。このような事態が発生した場合、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
4.資金の調達
金融市場の混乱又は停止、格付会社による当社格付けの引下げ、金融機関等の融資判断及び方針の変更が、当社グループの資金調達活動に影響を与えるとともに、資金調達コストを増加させ、流動性を悪化させる、すなわち必要なときに必要な額の資金を調達できない可能性があります。
5.得意先の経営破綻
当社グループは、得意先に対する債権の回収不能という事態を未然に防ぐべく、情報収集・与信管理等、債権保全に注力しておりますが、今後海外を含め予期せぬ得意先の経営破綻が発生した場合は、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
6.高度な専門性を有した人材の獲得及び継続雇用
当社グループの事業運営は、各国及び各職種において高度な専門性を有した人材が担っており、将来の成長を達成するため、その様な人材の獲得・育成が欠かせません。次期経営人材の育成を加速するための制度を整備し、海外法人における現地社員の幹部ポジションへの登用、女性のマネージャーへの登用等により多様性を高め、分厚い人材層を造ってまいりますが、人材の獲得競争が激しいなか、高度な専門性を有した人材の獲得及び継続雇用が出来ない可能性があります。
(3)法的規制及び訴訟等
1.法的規制等の影響
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、国内外において、食品衛生、薬事、環境・リサイクル、事業・投資の許認可、個人情報保護、輸出入、外国為替管理、税金等にかかわる種々の法的規制の適用を受けております。当社グループは、コンプライアンスに真剣に取り組んでおり、国内外の法令等の制定・改廃の動向に常に注意を払っていますが、将来において、現在予期し得ない法令やいわゆるソフトローによる規制等が設けられる可能性があり、また運用の変更や法解釈の多様性によるリスクに晒される可能性もあります。このような事態が生じた場合、当社グループの事業活動が制限される可能性があり、業績が影響を受ける可能性があります。
2.訴訟等の影響
当社グループは、日本国内外で訴訟等の当事者になっております。当社グループは、知的財産等の自らの権利を守るために訴訟を提起することもありますが、多くの国で多岐にわたる事業を展開する中、種々の訴訟や請求等を受ける可能性があります。重大な訴訟が提起された場合は、当社グループの業績及び評判が悪影響を受ける可能性があります。
3.租税制度に関する影響
新たな租税制度の導入又は改廃によって、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。味の素グループは味の素グループ行動規範及びグローバル・タックスに関するグループポリシーに基づき、世界各国で適用される税法を遵守し事業活動を行っておりますが、特に日本国外における租税制度の改正、税務行政の変更や税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。
4.環境法令等
当社グループは、大気汚染、排水等に伴う水質汚染、騒音、アスベストなどの有害物質、廃棄物、及び土壌又は地下水の汚染などに関する様々な環境法令等の適用を受けております。この様な環境法令等は、現在の当社グループの事業活動だけでなく、過去の事業活動や企業買収などで他社から引き継いだ事業の過去の活動にも適用される可能性があります。さらに、サプライチェーン上での法令違反も当社グループの事業におけるリスクとなります。そこで「サプライヤーCSRガイドライン」を策定し、サプライチェーン全体で環境や人権に配慮した調達を実践してまいります。当社グループでは、ISO 14001に準拠した環境マネジメントシステムを国内外グループ各サイトで適用しており、国や地域に応じた環境法令等への対応や、環境トラブルの防止を図るとともに、環境改善の取り組みを進めております。
このマネジメントシステムの下、法改正の動向を注視するとともに、当社グループは、当社グループとサプライチェーン全体にわたって法令等を確実に遵守する体制を強化しておりますが、将来の環境法令等の遵守や環境改善取組みの強化などにより、環境に関連する費用負担が当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(4)その他のリスク
1.減損会計適用の影響
当社グループは、事業用の設備、不動産や企業買収などにより取得したのれんをはじめとする様々な有形固定資産・無形資産を所有しております。こうした資産は、公正価値の下落や、金利の上昇、期待どおりのキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、減損処理が必要となる場合があり、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
2.繰延税金資産等
当社グループでは、将来の課税所得等に関する予測及び仮定に基づき回収可能性を慎重に検討した上で繰延税金資産を計上しております。しかし、今後の業績動向等により、一部ないし全部について回収可能性が低いと判断された場合、繰延税金資産の計上額が修正され、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
業績等の概要
当社グループは、IFRSの適用に当たり、投資家、取締役会及び経営会議が各事業の恒常的な業績や将来の見通しを把握すること、取締役会及び経営会議が継続的に事業ポートフォリオを評価することを目的として、「事業利益」という段階利益を導入しております。当該「事業利益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費」、「研究開発費」及び「一般管理費」を控除し、「持分法による損益」を加えたものであり、「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」を含まない段階利益です。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 業績
当連結会計年度の売上高は、コーヒー類が減収となったものの、調味料・加工食品(海外)の現地通貨ベースでの増収に加え、為替の影響等により、前期を590億円上回る1兆1,502億円(前期比105.4%)となりました。同事業利益は、発酵原料の高騰に加え、冷凍食品(海外)やコーヒー類の減益等もあり、前期並みの973億円(前期比100.5%)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期を76億円上回る607億円(前期比114.5%)となりました。
当連結会計年度のセグメント別の概況
セグメントごとの業績は、次のとおりです。
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|
売上高 (億円) |
前期増減 (億円) |
前期比 |
事業利益 (億円) |
前期増減 (億円) |
前期比 |
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日本食品 |
3,841 |
△62 |
98.4 |
% |
391 |
△16 |
95.9 |
% |
|
海外食品 |
4,647 |
357 |
108.3 |
% |
416 |
△1 |
99.7 |
% |
|
ライフサポート |
1,342 |
101 |
108.2 |
% |
96 |
37 |
164.2 |
% |
|
ヘルスケア |
1,042 |
147 |
116.5 |
% |
79 |
△1 |
97.8 |
% |
|
その他 |
627 |
45 |
107.9 |
% |
△10 |
△13 |
- |
% |
|
合計 |
11,502 |
590 |
105.4 |
% |
973 |
4 |
100.5 |
% |
(注)1.国内外の食品加工業向け「アクティバ®」類及び天然系調味料は、日本食品セグメントに区分されております。また、国内外の食品加工業向けうま味調味料「味の素®」、核酸及び甘味料は、海外食品セグメントに区分されております。
(注)2.各セグメントの主要製品につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 7.セグメント情報 (1) 報告セグメントの概要」をご参照ください。
① 日本食品セグメント
日本食品セグメントの売上高は、家庭用コーヒーのマーケットの縮小とそれに伴う競争激化によりコーヒー類の売上げが前期を下回ったことに加え、子会社売却の影響等により調味料・加工食品(日本)の売上げが前期並みだったことから、前期を62億円下回る3,841億円(前期比98.4%)となりました。事業利益は、冷凍食品(日本)、コーヒー類が減益となったことから、前期を16億円下回る391億円(前期比95.9%)となりました。
|
|
<主要な変動要因> |
|
|
・調味料・加工食品(日本)は、主に家庭用のスープが増収となるも、業務用ベーカリーの減収及び子会社売却の影響等により前期並み ・冷凍食品(日本)は、家庭用が「ギョーザ」「ザ★チャーハン」等の主力品拡大に加え、新製品が貢献し増収。業務用はデザート、餃子等のコアカテゴリーは拡大するも、鶏肉加工品等の苦戦により前期並み。全体で増収 ・コーヒー類は、スティックコーヒー及び業務用は増収となるも、市場縮小及び競争が激化した家庭用製品やギフト製品、CVS向け製品の減収により全体で減収 |
||
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<主要な変動要因> |
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・調味料・加工食品(日本)は、家庭用が増益となるも、業務用ベーカリーの減益、原材料価格の上昇影響もあり、全体で減益 ・冷凍食品(日本)は、増収となるも、円安及び原材料価格の上昇影響等により減益 ・コーヒー類は、商標権取得に伴い支払ロイヤルティがなくなった影響あるも、家庭用が大幅減益、業務用が前期並みに留まり、全体で減益
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② 海外食品セグメント
海外食品セグメントの売上高は、調味料・加工食品(海外)や冷凍食品(海外)の売上げが増加したことに加え、為替の影響等もあり、前期を357億円上回る4,647億円(前期比108.3%)となりました。事業利益は、冷凍食品(海外)と加工用うま味調味料が大幅な減益となったものの、前期並みの416億円(前期比99.7%)となりました。
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<主要な変動要因> |
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・調味料・加工食品(海外)は、換算為替影響、子会社の新規連結影響、「味の素®」及び風味調味料等の販売好調等により増収 ・冷凍食品(海外)は、欧州の子会社新規連結影響や換算為替影響、北米におけるアジアン製品の拡大により増収 ・加工用うま味調味料は、換算為替の増収影響あるも、主に海外における価格下落影響や貿易為替の減収影響により前期並み。甘味料は国内販売増や換算為替影響により増収
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<主要な変動要因> |
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・調味料・加工食品(海外)は、競争激化のタイの缶コーヒー事業が大幅減益となるも、風味調味料等の大幅増益、換算為替等により増益 ・冷凍食品(海外)は、原燃料価格高騰や米国における運送規制影響及び新生産体制構築に伴う生産コスト増等により大幅減益 ・加工用うま味調味料は、貿易為替影響に加え、販売単価の下落もあり大幅減益。甘味料は、安定生産によるコスト低減、販管費の効率的使用に加え、貿易為替影響もあり増益
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③ ライフサポートセグメント
ライフサポートセグメントの売上高は、動物栄養、化成品ともに増収となり前期を101億円上回る1,342億円(前期比108.2%)となりました。事業利益は、動物栄養の大幅な増益に加え、化成品も増益となったことから、前期を 37億円上回る96億円(前期比164.2%)となりました。
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<主要な変動要因> |
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・動物栄養は、換算為替影響に加えトリプトファン及び「AjiPro®-L」が大幅増収となり、全体で増収
・化成品は、香粧品素材、ケミカルがいずれも増収になり、全体で増収
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<主要な変動要因> |
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・動物栄養は、主にトリプトファンの増収影響により大幅増益
・化成品は、ケミカルの販売単価増、貿易為替影響により増益
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④ ヘルスケアセグメント
ヘルスケアセグメントの売上高は、医薬用・食品用アミノ酸及び機能性表示食品等のサプリメント事業が増収するとともに、製薬カスタムサービスが大幅な増収となったこと等により、前期を147億円上回る1,042億円(前期比116.5%)となりました。事業利益は、医薬用・食品用アミノ酸が大幅な減益となったものの、前期並みの79億円(前期比97.8%)となりました。
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<主要な変動要因> |
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・アミノ酸は、医薬用・食品用アミノ酸、製薬カスタムサービスともに換算為替影響及び子会社の新規連結影響が大きく、全体で増収
・その他は、機能性表示食品の拡売により、大幅に増収
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<主要な変動要因> |
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・医薬用・食品用アミノ酸は、大手顧客の在庫調整影響に加え、M&A関連費用の計上もあり大幅減益。製薬カスタムサービスは、先行投資あるも、増収効果や換算為替影響により増益
・その他は、増収に伴い増益
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⑤ その他
その他の事業の売上高は、前期を45億円上回る627億円(前期比107.9%)となり、海外包材事業の大幅減益により、事業利益は前期を13億円下回る10億円の損失(前期比-)となりました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また製品のグループ内使用(製品を他のセグメントの原材料として使用)や、受注生産形態をとる製品が少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績は、「(1) 業績」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(3) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たっては会計上の見積りを行う必要があり、各種引当金の計上、非金融資産の減損、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績又は各状況下で合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
(4) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
売上高は前期を590億円上回る1兆1,502億円(前期比105.4%)となりました。地域別に見ますと、日本では、前期並みの5,223億円(前期比100.5%)となりました。海外では、調味料・加工食品(海外)の現地通貨ベースでの増収に加え、為替の影響等により、前期を562億円上回る6,278億円(前期比109.8%)となりました。海外の地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ2,739億円(前期比107.5%)、2,391億円(前期比105.4%)及び1,147億円(前期比127.6%)となりました。なお、売上高海外比率は54.6%(前期は52.4%)となりました。
② 売上原価、販売費、研究開発費及び一般管理費、持分法による損益
売上原価は、売上高の増加及び発酵原料の高騰に伴い、前期から486億円増加し、7,527億円(前期比106.9%)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、0.9ポイント悪化し、65.4%となりました。販売費は、物流費の増加の影響等もあり、前期から44億円増加し、1,738億円(前期比102.6%)となりました。研究開発費は、前期から6億円増加し、278億円(前期比102.6%)となりました。一般管理費は、従業員給付費用の増加により前期から62億円増加し、1,024億円(前期比106.5%)となりました。持分法による損益は、前期から14億円増加し、39億円(156.9%)となりました。
③ 事業利益
事業利益は、前期並みの973億円(前期比100.5%)となりました。地域別に見ますと、日本では467億円(前期比104.6%)、海外では506億円(前期比97.0%)となりました。日本において、業務用ベーカリーや、冷凍食品(日本)、コーヒー類が減益となったものの、全体としては増益となりました。海外において、動物栄養が大幅な増益となったものの、冷凍食品(海外)と加工用うま味調味料の大幅な減益等により、全体として減益となりました。海外の地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ349億円(前期比95.6%)、113億円(前期比89.3%)及び43億円(前期比146.5%)となりました。なお、事業利益海外比率は52.0%(前期は53.9%)となりました。
セグメント別の事業利益の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記 7.セグメント情報」をご参照ください。
④ その他の営業収益(費用)
その他の営業収益は、前期から2億円増加し、97億円(前期比102.4%)となりました。その他の営業費用は、事業構造改革に伴う減損損失等の影響により、前期から9億円増加し、237億円(前期比104.4%)となりました。
⑤ 営業利益
営業利益は、前期並みの833億円(前期比99.6%)となりました。
⑥ 金融収益(費用)
金融収益は、前期から23億円増加し、95億円(前期比131.6%)となりました。金融費用は、前期から32億円増加し、74億円(前期比176.9%)となりました。
⑦ 親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は前期を76億円上回り、607億円(前期比114.5%)となり、1株当たり当期利益は106円84銭(前期は92円81銭)となりました。
(5) 当連結会計年度の連結財政状態の分析
当期末の資産合計は、前期末の1兆3,501億円に対して757億円増加し、1兆4,258億円となりました。これは主として、子会社の新規連結による影響や、能力拡張投資等に伴う有形固定資産の増加等によるものです。
負債合計は、前期末の6,594億円に対して458億円増加し、7,053億円となりました。なお、有利子負債残高は、前期末に対して82億円増加し3,442億円となりました。
資本合計は、親会社の所有者に帰属する当期利益の増加等により、前期末に対して298億円増加しました。資本合計から非支配持分を引いた親会社の所有者に帰属する持分は、6,414億円となり、親会社所有者帰属持分比率は45.0%となりました。
セグメントごとの概況は、次の通りです。
① 日本食品セグメント
当期末の資産合計は、前期末の2,808億円に対して34億円増加し、2,843億円となりました。これは主として、有形固定資産の増加、及び冷凍食品(日本)、コーヒー類での棚卸資産の増加等によるものです。
② 海外食品セグメント
当期末の資産合計は、前期末の4,144億円に対して301億円増加し、4,445億円となりました。これは主として、子会社の新規連結による影響や、生産体制の強化等に伴う有形固定資産の増加等によるものです。
③ ライフサポートセグメント
当期末の資産合計は、前期末の1,328億円に対して19億円減少し、1,308億円となりました。これは主として、動物栄養における事業構造改革に伴う減損損失の計上による有形固定資産等の減少によるものです。
④ ヘルスケアセグメント
当期末の資産合計は、前期末の1,066億円に対して244億円増加し、1,310億円となりました。これは主として、子会社の新規連結によるのれん等の増加や、設備投資等に伴う有形固定資産の増加等によるものです。
(6) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況
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(億円) |
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2017年3月期 |
2018年3月期 |
差額 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
1,089 |
1,266 |
177 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,422 |
△991 |
431 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
147 |
△239 |
△386 |
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現金及び現金同等物に係る換算差額 |
1 |
△17 |
△19 |
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現金及び現金同等物の増減額 |
△184 |
18 |
203 |
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売却目的保有に分類される処分グループに係る 資産に含まれる現金及び現金同等物 |
- |
- |
- |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
1,860 |
1,878 |
18 |
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,266億円の収入(前期は1,089億円の収入)となりました。税引前当期利益が854億円であり、減価償却費及び償却費517億円と、法人所得税の支払額233億円があったこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、991億円の支出(前期は1,422億円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出707億円と、オルゲン食品社の株式及び同社の商標権の取得による支出、キャンブルック社、キュクレ食品社、アグロ2アグリ社(以下、「A2A社」という。)の株式の取得による支出があったこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、239億円の支出(前期は147億円の収入)となりました。配当金の支払があったこと等によるものです。
以上の結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末に比べ18億円増加し1,878億円となりました。
(7) 当連結会計年度の資金の流動性及び資金の調達、使途
① 資金の流動性について
当連結会計年度は短期流動性に関し、手元流動性確保のために、コミットメント・ライン、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段を備えております。
② 資金の調達
当連結会計年度の資金調達は、調達コストとリスク分散の観点による直接金融と間接金融のバランス及び長期と短期の資金調達のバランスを勘案し、金融機関からの借入等による資金調達活動を行いました。
③ 資金の使途
当連結会計年度の資金の使途は、主として事業資金、オルゲン食品社の株式及び同社のブランド「ビジム ムトゥファク」の商標権取得、並びにキュクレ食品社の株式50%の追加取得、A2A社の株式65.5%の追加取得、及びキャンブルック社の株式98.4%の追加取得です。
(8)経営上の目標の達成状況について
経営上の目標の達成状況につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(9) IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
① 退職後給付費用に係る費用
日本基準では数理計算上の差異及び過去勤務費用について、その発生時にその他の包括利益を通じて純資産の部に計上したうえで、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により費用処理しておりました。IFRSでは確定給付制度の再測定を発生時にその他の包括利益を通じて資本に認識し、過去勤務費用は発生時に一括で収益又は費用として処理しております。
② のれんの償却
日本基準ではのれんはその効果の及ぶ期間で定額償却し、のれん償却費を販売費及び一般管理費に計上しておりましたが、IFRSでは償却を行っておりません。
技術援助を受ける契約等
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契約会社名 |
契約締結先 |
国名 |
契約内容 |
対価 |
契約期間 |
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味の素㈱ クノール食品㈱ |
コノプコ社 |
アメリカ |
日本国内におけるスープ、ブイヨンその他の食品に係る独占的商標使用権の許諾 |
左記製品販売高の一定率 |
対象商標が日本で有効に登録されている限り |
販売援助、経営援助契約等
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契約会社名 |
契約締結先 |
国名 |
契約内容 |
対価 |
契約期間 |
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味の素㈱ |
日本ケロッグ(同) |
日本 |
ケロッグ社グループの穀類調整食品等の総発売元としての、日本国内における同商品の販売 |
左記製品販売高の一定率 |
2014年4月1日から3年間。以後3年毎自動更新 |
味の素グループは、「健康なこころとからだ」、「食資源」、「地球持続性」の社会課題解決に向けて、事業を通じて貢献していきます。2017-2019中期経営計画では「FIT & GROW WITH Specialty」戦略によるスペシャリティ事業への構造改革を最重要戦略とし、グローバル食品企業トップ10クラスの事業を目指しています。
先端バイオ・ファイン技術力と顧客価値創造力の融合から生まれる「スペシャリティ」を土台に、「地域ポートフォリオの強化を通じた確実な成長」や「スペシャリティの確立による事業ポートフォリオ強化」に関する研究開発に経営資源を重点的に投資しています。また、新製品・新事業を効率的に生み出すため、社外の研究機関や企業とのオープン&リンクイノベーションを積極的に活用します。
当連結会計年度における味の素グループの研究開発費は27,833百万円です。
また、当社グループが保有している特許は国内外合わせて約4,000件です。
当連結会計年度の各事業区分における研究開発活動の概要とその成果は次のとおりです。
(1)日本食品セグメント
味の素㈱の食品研究所が中心となり、味、香り・風味、食感など、「おいしさを構成するすべての要素」を俯瞰した技術開発、商品開発、及びそのアプリケーション開発を行っています。少子化・高齢化、世帯人数の減少、健康志向といった国内市場におけるニーズを掘り起こし、当社独自の素材と技術及び斬新な発想による価値提案型の製品開発に取り組んでいます。
食品研究所は、クノール食品㈱、味の素冷凍食品㈱、味の素AGF㈱、上海味の素食品研究開発センター社(中国)をはじめとする国内外のグループ会社の研究開発部門とも密接に連携を図っています。
<調味料・加工食品(日本)>
2017年度の家庭用商品は、多様化するお客様のニーズと価値観に対応し、おいしさと栄養そして生活者価値に基づく技術・商品を通じて、人々の「健康なこころとからだ」に貢献すべく「スペシャリティ」を持った新製品を開発・発売しました。
メニュー用調味料市場においては、当社独自素材を活用した「Cook Do®」〈四川担担麺用ソース〉、「Cook Do®」〈ジャージャー麺用ソース〉や、「Cook Do®きょうの大皿®」〈甘から豚バラピーマン用〉を発売しました。また当社の独自技術を活用して、短時間で大根に味が染み込みおいしく仕上がる「Cook Do®」〈豚バラ大根用〉を発売しました。スープ市場においては、当社の独自技術を用いた「クノール®カップスープ」〈冷たい牛乳でつくるトマトのポタージュ〉を発売しました。また、高品質・スマートな調理をお客様にご提供すべく、コンビニエンスストアで購入できる食材を使って簡便に本格ディナーがつくれる「今夜はてづくり気分®」〈サラダチキンで作る参鶏湯〉、「今夜はてづくり気分®」〈サラダチキンで作る濃厚ミネストローネ〉、「今夜はてづくり気分®」〈お豆腐で作るじんわり生姜スープ〉、「今夜はてづくり気分®」〈お豆腐と卵で作るスンドゥブチゲ〉や、野菜をたっぷり摂ることができる「クノール®たっぷり野菜で満たされたいときのスープごはん用」〈しお鶏だし〉、「クノール®たっぷり野菜で満たされたいときのスープごはん用」〈まろやかコンソメ〉を発売しました。和風だし市場においては、独自のおいしく減塩する技術を使うことで「ほんだし®」のおいしさそのままに60%減塩を実現した「お塩控えめの・ほんだし®」を発売しました。Eコマース向けには独自素材と匠の技を活用しただしパック「ほんだし®華だし」を発売しました。また、キューブ状の鍋つゆの素「鍋キューブ®」シリーズにおいて、「鍋キューブ®」〈10種の野菜だし鍋〉、「鍋キューブ®」〈トムヤム味〉を発売しました。
業務用では、新規コク味物質と当社配合技術を活用して、自然な素材の風味を引き上げ、コクを付与する「コクミドル®」〈スイーツ濃厚感〉を発売しました。また、独自素材を活用して、自然なやわらかさの肉メニューの提供を可能にする「味の素KKお肉やわらか調理料」と、風味豊かでコクのあるブイヨンを短時間でとることができるだしパックタイプのブイヨン「クノール®ブイヨンパック」を発売しました。
ベーカリー製品では、生地中の水和を高める独自技術により「しっとりかつずっしりした食感」を実現したパン生地を使った「メンチカツバーガー」が全国で高く評価され、「フィッシュバーガー」、「チキンカツバーガー」、「グラタンコロッケバーガー」とバーガー類4品種への拡大販売に至りました。また海外においては、上海の関連会社で、合弁先のブレッド・トーク社と協業で、味の素グループ技術活用による事業拡大に取り組んでいます。
超高齢化が進む今日の日本において、国、地方自治体は健康寿命延伸施策を積極的に進めています。当社においても、高齢者のフレイル(虚弱)、低栄養の予防改善に向け、当社のスペシャリティである「たんぱく質・アミノ酸栄養」の研究開発知見を活かした製品の開発を進めています。2017年度は、カラダづくりに大切な栄養素である「たんぱく質」を日々の食事から、おいしく、手軽に摂っていただくために「クノール®たんぱく質がしっかり摂れるスープ」を開発、発売しました。併せて、これまでの研究成果に基づく機能性情報の発信や高齢者の健康栄養課題解決に向けた啓発活動も推進しました。
<冷凍食品(日本)>
家庭用では、大好きなおかずがおにぎりで、おいしく食べられる「おにぎり丸®」シリーズに新たに3品種を追加開発・発売しました。使いやすさとおいしさ設計にグループ素材を加えることにより、更に握りやすく、具材がしっかり感じられるおいしい食感を実現しました。
業務用では、お客様のオペレーション課題の着眼と技術により解決した製品でおいしさに加え、現場ニーズにお応えする新製品を開発・発売しました。グループ素材活用と味の素冷凍食品㈱の独自の配合と炒め製法技術により保温による食感や風味の劣化を解消した「ガツうま!チャーハン」を開発・発売しました。
<コーヒー類>
インスタントコーヒーに粉末化された香気成分をブレンドして華やかな香りやコクを高めた「ブレンディ®」〈アロマブレンドコーヒー 優華なコク〉を発売しました。ペットボトルではストレート飲用ユーザーをターゲットに香りと後味に徹底的にこだわった「マキシム®」〈ボトル コーヒー 香りとキレのブラック900ml〉を発売しました。また、「ブレンディ®カフェラトリー®スティック」シリーズに専門店で楽しむラテメニューのようなミルクのコクや厚みにこだわった甘さなしタイプを導入しました。
日本食品セグメントに係わる研究開発費は、3,486百万円です。
(2)海外食品セグメント
「各国のおいしさNo.1」を目指し、当社独自の素材や技術を世界中に展開し、各国嗜好とニーズにきめ細かく適応した調味料、及び加工食品の開発に継続的に取り組みました。
各国の生活者の食生活をより豊かに、おいしさをお届けすべく、タイの「RosDee®」Cube、「Birdy®」〈Thai tea〉、フィリピンの「GINISA」、ベトナムの「Aji-ngon®」Porkなど、アセアン地域を中心に独自素材を活用した10品種の新製品、品質向上に貢献しています。
また、新興国においては、2017年8月にインドで粉末飲料「Blendy®」3in1(コーヒー、マサラチャイ)を発売し、ミャンマーでは2017年9月にうま味調味料「AJI-NO-MOTO®」を発売し、2018年4月には粉末飲料「Birdy®」3in1の発売を予定しています。
甘味料につきましては、アスパルテームのコスト競争力の強化を目的としてプロセス改善を継続して進めました。コンシューマー製品では、当社独自のおいしさ設計技術活用により、主力の「パルスイート®カロリーゼロ」(液体タイプ)の味質と保存性を改善し、飲み物だけでなく幅広い料理の甘味付けに更に使いやすくなるよう開発を進めました。
海外食品セグメントに係わる研究開発費は、3,734百万円です。
(3)ライフサポートセグメント
味の素㈱のバイオ・ファイン研究所が中心となり、動物栄養、電子材料などの幅広い事業領域における研究開発に取り組んでいます。乳牛用飼料「AjiPro®-L」のさらなる飼料効果改善、ここで培われたユニークな徐放化技術の他利用展開など、当社ならではのスペシャリティによるお客様の価値創出を目指し、事業拡大を図っています。また、電子材料では絶縁材料で培われた技術をベースに様々な有望用途へと広げるための開発を続けています。
更なる顧客価値の創造のため、味の素-ジェネチカ・リサーチ・インスティチュート社、味の素ファインテクノ㈱等の国内外の各グループ会社及びその技術開発センターとも密接に連携し、世界中の市場に向けたソリューションを提供しています。
<動物栄養>
グローバルな研究開発推進体制により、競争力強化に向けて低資源利用発酵技術等の新技術開発を行い、海外の技術開発センターとともに工業化を加速させ、2017年度は北米においてトリプトファンの生産を開始しました。
スペシャリティ製品分野においては、乳牛用アミノ酸製剤「AjiPro®-L」のグローバル展開のための研究開発を推進しました。
<化成品>
電子材料につきましては、味の素ファインテクノ㈱と共同で、次世代CPU用絶縁材料の開発継続に加え、データセンター向サーバー・自動運転システムなど半導体用途の広がりに対応すべく次世代半導体パッケージ用の絶縁材料の開発に注力しています。
活性炭事業では、長年味の素グループの生産を支えてきた吸着技術を活用し、水や空気の浄化等の環境貢献も意識し、各種高機能な吸着材料の開発を進めています。
<ライフサポートその他>
ひと・生き物・地球の持続可能な未来づくりへの貢献につながる製品・事業の開発を目指し、アミノ酸・核酸の農作物に対する有効性についての研究開発を進めています。核酸系肥料の「アミハート®」、「早根早起®」、アミノ酸系肥料の「アジフォル® アミノガード®」、「グルハート®」を発売しました。海外でもこれらの核酸、アミノ酸系肥料を展開していきます。2016年度に上市した「グルハート®」の効果成分を増強した新製品「グルハート®プラス」に加え、2017年度に上市した粒状タイプの土壌改質剤「土壌再生炭」も、それぞれお客様のニーズを捉え、高い評価を得ています。
ライフサポートセグメントに係わる研究開発費は、5,279百万円です。
(4)ヘルスケアセグメント
味の素㈱の3研究所(イノベーション研究所、バイオ・ファイン研究所、食品研究所)、及び味の素オムニケム社、味の素アルテア社、味の素-ジェネチカ・リサーチ・インスティチュート社等の国内外の各グループ会社及びその技術開発センターとも連携し、世界の健康に貢献するための商品や技術の開発を進めています。2015年から販売を開始した再生医療用培地事業では、更なる高品質増殖用培地の開発の他、各種分化用培地の開発、欧米主要研究機関への導入などを勢力的に進めています。また、アミノ酸事業展開としては、医薬用、食品用アミノ酸事業の他、当社の長年にわたるアミノ酸の機能研究に基づき、「アミノバイタル®」などのスポーツニュートリション領域や「グリナ®」や「アミノエール®」などの機能性食品領域において、総力を挙げて新商品の開発に取り組んでいます。さらには血液中のアミノ酸バランスから現在の健康状態やがんなどの疾病リスクを明らかにする当社独自技術アミノインデックス®は、がん診断事業の拡大を図るとともに、生活習慣病等の診断とそのソリューション提供事業へと拡大すべく、研究開発を進めています。また、先端医療分野では、医薬原薬の製造事業「AJIPHASE®」を推進し、当社独自のオリゴ核酸及びペプチドの新規合成技術の開発を進めています。
<製薬カスタムサービス>
製薬メーカーからの原薬受託製造について、高活性原薬の開発体制の一層の充実を図り、継続的なテーマの受注に繋げています。タンパク発現技術(「CORYNEX®関連技術」)の研究開発を進め、味の素アルテア社とも連携しグローバル大手製薬企業とバイオ医薬品の開発・製造支援事業「CORYNEX®」を推進しています。
今後の成長市場であるオリゴ核酸医薬の受託製造においては、㈱ジーンデザインと連携して固相合成を活用した開発初期の少量多品種製造から開発後期・上市品の「AJIPHASE®」による大量製造までの供給体制を構築しました。当社独自のペプチド/オリゴ核酸の液相法大量製造技術である「AJIPHASE®」は製薬業界での認知度の高まりにより急速に事業を拡大しています。
<アミノ酸>
医薬用・食品用アミノ酸につきましては、アミノ酸市場の伸びに対応するために、生産性の向上とコスト競争力の強化を目的とした発酵・精製プロセス開発と導入を継続して進めました。また、動物細胞培養用の培地事業は味の素ジェネクシン社を拠点とし、国内外のバイオ医薬品メーカーとの開発への取り組みを継続、拡大致しました。
再生医療用培地では、基礎研究用培地「StemFit®」Basic02を、米国・韓国に続いて、欧州でも2017年7月より発売しました。「StemFit®」Basic02は、iPS/ES細胞の汎用培地として世界最高水準の性能を備えており、高い増殖性能に加えて、ゲノム編集時の高いクローニング効率など、他社製品に比し、高いコストパフォーマンスを実現しています。また再生医療培地に使用される成長因子・タンパク質素材に関しても、当社バイオ技術を用いて、開発を進めています。
<スポーツニュートリション>
スポーツ栄養科学研究においては、機能性エビデンスに基づいた独自のアミノ酸組成の創出にアミノサイエンス技術を、おいしさ、飲みやすさの追求に食品技術をそれぞれ駆使して、スポーツサプリメント製品の創出に取り組んでいます。2017年度においては、持ち運びしやすい、高濃度のアミノ酸を含有した小容量ゼリータイプのサプリメント「アミノバイタル®アミノショット」を2017年8月より、必須アミノ酸とホエイプロテインを独自配合したシェイク不要なプロテインである「アミノバイタル®アミノプロテイン」から新たなフレーバーのカシス味を2018年3月よりそれぞれ発売しました。また、平昌オリンピック・パラリンピック大会におきましては、アミノ酸ベース顆粒製品を日本代表選手団に提供し、選手のトータルコンディショニングを支援しました。「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」オフィシャルパートナーとして引き続き、社外の研究機関等とのオープン&リンクイノベーションを積極的に推進しながら、アスリートやスポーツを愛する生活者に貢献できる製品開発を行っています。
<ダイレクトマーケティング>
「グリナ®」「アミノエール®」「毎朝ヒスチジン®」に続き、2017年11月に日本初の基礎代謝向上をサポートする機能性表示食品※「カプシEX®」を発売しました。「カプシEX®」は辛くない特殊なトウガラシから抽出した機能性成分“カプシノイド”が含まれており、加齢や活動量等の減少により基礎代謝の低下が気になる方の基礎代謝の向上をサポートする機能があります。今後も、当社独自の健康価値を有する製品や情報の提供を通じて、“健康社会”の実現に取り組んでいます。
※事業者の責任で科学的根拠を基に、商品パッケージに健康の維持増進に資する機能性を表示するものとして消費者庁に届け出られた食品
<アミノインデックス®>
「アミノインデックス技術」は、血液中のアミノ酸濃度のバランスから、現在の健康状態やがんなどの疾病リスクを明らかにする当社独自の技術です。この技術を用いたアミノインデックス®がんリスクスクリーニング(AICS®)を、一度の採血で複数のがんの罹患の可能性を評価できる検査として提供してきました。AICS®について、発売後もその有用性を訴求する研究活動を継続しており、その成果が第25回日本消化器関連学会週間(JDDW2017)並びに第58回人間ドック学会学術大会にて、優秀演題に選ばれました。また2017年11月には、AICS®に将来の生活習慣病発症リスクを評価するアミノインデックス®生活習慣病リスクスクリーニング(AILS(エーアイエルエス)®)を加えたアミノインデックス®リスクスクリーニング(AIRS®)を全国発売しました。この技術を活用し、さらに疾患の予防や早期発見につながる検査の開発を進め、AIRS®を総合健康指標に発展させていきます。
<ヘルスケアその他>
香粧品素材につきましては、アミノ酸由来の洗浄剤、湿潤剤、機能性素材を中心に、独自の研究開発を行っています。2017年度は、新製品の開発に加え、顧客へのテクニカルサポート、処方改良のサポートなどに力を入れ、さらには、洗浄剤の世界的な需要が高まる中、環境負荷の低減も視野に入れた工業化プロセスの開発にも取り組んでいます。用途としては、従来からのスキンケア用途、ヘアケア用途に続く重点ターゲットとして、アミノ酸系の機能性素材を中心に、メイクアップ用途の開発も、積極的に進めました。
ヘルスケアセグメントに係わる研究開発費は、2,574百万円です。
(5)その他
その他セグメントに係わる研究開発費は、813百万円です。
(6)全社
味の素グループの将来を担うと期待される領域での事業展開を見据え、関係する研究テーマを全社研究とし、資源を集中的に投資し、開発を進めています。
味の素㈱のイノベーション研究所、食品研究所、バイオ・ファイン研究所が中心となり、国内外の研究機関と連携して進めている先端の研究・技術を活用し、グループ内の各研究所とともに様々な事業に向けた新技術・新素材の開発や、各事業分野に共通した基盤技術の強化に取り組んでいます。
食品の味・香り・食感などの感じ方とその食品の好ましさとの関係性を定量的に評価・解析し最適化を図る「おいしさ設計技術」を着実に進化させ、商品や技術・素材の開発に応用しています。このような技術はすでに世界の味の素グループ企業においても、現地のお客様のさまざまな嗜好に合わせた商品の開発にむけて活用されています。さらに、「人は味や香りをどのような仕組みで感じ、『おいしい』と思うのか?」について、外部の先端研究機関との協業を進め、お客様に新たな価値をもたらす独自の素材や配合の探索にも取り組んでいます。また、生体内におけるアミノ酸の栄養・代謝研究を基盤として、健康長寿社会の実現や、栄養不良の二重負荷(不足栄養と過栄養)の解決に向けた研究も進めています。世界の人々の「健康なこころとからだ」の実現にむけて、自社製品や食事メニューにおける栄養の基準化や評価法についても研究を続けています。
低炭素社会及び持続可能な資源循環型社会を目指して、新たな技術開発や新事業の創出に継続して取り組んでいます。バイオ・ファイン技術による高機能素材開発の一環として、長谷川香料㈱との業務提携によりナチュラルフレーバー市場に向けて、発酵法によるフレーバー素材の製法開発も継続して推進しています。また、オープン&リンクイノベーションの取り組みでは、東京工業大学の細野教授らと新規触媒を用いたアンモニア合成の検討を進め、2017年4月に世界で初めてとなるオンサイト型のアンモニア合成システムの実用化を目指した、つばめBHB㈱を設立しました。
ICT技術のバリューチェーン全体への活用を推進しています。デジタルマーケティングや製造プロセス制御の深化を目的としたビッグデータ活用技術や、シミュレーション、人工知能、ロボティクスを活用した安全・安心につながる製造技術を開発しています。
高感度アミノ酸・タンパク質分析などの先端分析技術を開発し、様々な事業領域における研究開発、新事業開発につなげています。最先端微量分析技術を用いた成分解析及び不純物解析技術は、製品の安全性検証や配合技術開発に応用され、酵素改変技術は、アミノ酸誘導体やペプチド、食品素材の生産に重要な酵素の開発に役立っています。
全社に係わる研究開発費は、11,944百万円です。