当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。詳細は、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 (会計方針の変更)」をご参照ください。
(1)業績
当期における世界経済は、米国や欧州では景気の回復基調が続きましたが、中国等の新興国で景気が緩やかに
減速していることもあり、全体としては緩やかな回復となりました。
わが国経済は、輸出や生産に弱い動きがみられるものの、雇用環境の改善がすすみ、設備投資に持ち直しの動き
もあり、景気は緩やかな回復基調が続きました。
このような環境下にありまして、味の素グループは、2014-2016中期経営計画において、「確かなグロ
ーバル・スペシャリティ・カンパニー」を目指し、「スペシャリティ」の追求による「成長ドライバーの展開」、
「更なる事業構造強化」、その土台となる「経営基盤の進化」に取り組んでまいりました。
当期の連結売上高は、調味料・加工食品(海外)の増収に加え、平成26年11月5日に全持分を取得した米国
の冷凍食品の製造・販売会社であるウィンザー・クオリティ・ホールディングス社(現、味の素ウィンザー社。以
下、ウィンザー社)及び平成27年4月23日に株式を取得した味の素ゼネラルフーヅ株式会社(以下、AGF)
の連結子会社化等により、前期を1,793億円上回る1兆1,859億円(前期比117.8%)となりました。
同営業利益は、加工用うま味調味料の貢献に加え、AGFの連結子会社化や調味料・加工食品(日本)の増収等に
より、前期を165億円上回る910億円(前期比122.2%)、同経常利益は前期を115億円上回る943
億円(前期比113.9%)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、事業構造強化の一環として、医薬事業構造改革費用166億円やフランスに
おける甘味料生産・販売子会社の株式売却に係る関係会社整理損69億円を計上したものの、特別利益として、ブラ
ジルにおける即席麺合弁会社である日清味の素アリメントス社の持分売却に係る関係会社株式売却益248億円や、
AGF株式について平成27年4月の追加取得以前から保有する持分を当該追加取得時の時価で再評価したことによ
る評価差益(段階取得に係る差益)180億円を計上したこともあり、前期を170億円上回る635億円(前期比
136.8%)となりました。
当期のセグメント別の概況
セグメント別の業績は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
|
|
売上高 (億円) |
前期増減 (億円) |
前期比 |
営業利益 (億円) |
前期増減 (億円) |
前期比 |
||
|
日本食品 |
3,944 |
1,053 |
136.4 |
% |
313 |
65 |
126.6 |
% |
|
海外食品 |
4,639 |
798 |
120.8 |
% |
419 |
99 |
131.2 |
% |
|
ライフサポート |
1,424 |
△67 |
95.5 |
% |
118 |
△25 |
82.3 |
% |
|
ヘルスケア |
1,308 |
99 |
108.2 |
% |
54 |
22 |
173.4 |
% |
|
その他 |
544 |
△89 |
85.8 |
% |
4 |
2 |
180.0 |
% |
|
合計 |
11,859 |
1,793 |
117.8 |
% |
910 |
165 |
122.2 |
% |
(注)1.国内外の食品加工業向け「アクティバ®」類及び天然系調味料は、日本食品セグメントに区分されております。また、国内外の食品加工業向け「味の素®」、核酸及び甘味料は、海外食品セグメントに区分されております。
(注)2.各セグメントの主要製品につきましては、「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 (セグメント情報等) 1.報告セグメントの概要」をご参照ください。
① 日本食品セグメント
日本食品セグメントの売上高は、AGFの連結子会社化に加え、調味料・加工食品(日本)の売上げが伸長した
ことにより、前期を1,053億円上回る3,944億円(前期比136.4%)となりました。営業利益は、AGFの連結子会社化に加え、調味料・加工食品(日本)の増収等により、前期を65億円上回る313億円(前期比
126.6%)となりました。
<調味料・加工食品(日本)>
家庭用は、「ほんだし®」が減収となったものの、「冷たい牛乳でつくる」シリーズの販売促進による夏場の需要
喚起や「温朝食」キャンペーンの展開により年間を通じて需要を拡大した「クノール® カップスープ」に加え、「ク
ノール® スープDELI」やキューブ状の鍋用調味料「鍋キューブ®」の売上げが前期を上回ったため、全体として
は増収となりました。
業務用は、外食用製品の売上げは、米・肉等素材の食感を向上させたり、コクを引き出したりする機能型食品の
大幅な伸長等により前期を上回り、食品用酵素製剤「アクティバ®」や天然系調味料も、国内外の販売が好調に推移
したことにより前期を上回ったため、全体として増収となりました。
以上の結果、全体として増収となりました。
<冷凍食品(日本)>
家庭用は、「エビ寄せフライ」等の弁当用製品が減収となったものの、「ギョーザ」や「やわらか若鶏から揚
げ」の増収に加え、新製品「ザ・チャーハン」が好調に推移し、前期並みの実績となりました。
業務用は、鶏肉類、デザート類や餃子類が前期を上回り、増収となりました。
以上の結果、全体としては前期並みの実績となりました。
<コーヒー類>
第1四半期連結会計期間より、AGFを連結子会社化したことにより、同社のコーヒー類の売上げが日本食品セ
グメントに含まれております。
家庭用は、スティックタイプやレギュラータイプコーヒー、インスタントコーヒーの売上げが伸長し、ギフト製
品も好調に推移しました。
業務用は、大手需要家への販売が増加しました。
② 海外食品セグメント
海外食品セグメントの売上高は、ウィンザー社の連結子会社化に加え、調味料・加工食品(海外)の売上げが伸
長したことにより、前期を798億円上回る4,639億円(前期比120.8%)となりました。営業利益は、為
替の影響等による加工用うま味調味料の大幅な増益に加え、冷凍食品(海外)や調味料・加工食品(海外)の増収等
により、前期を99億円上回る419億円(前期比131.2%)となりました。
<調味料・加工食品(海外)>
アジアでは、ベトナム、フィリピン、インドネシアやタイにおけるうま味調味料「味の素®」、タイにおける風味
調味料「RosDee®(ロッディー)」や即席麺が増収になったことに加え、インドネシアにおける風味調味料「Masako®
(マサコ)」の売上げが前期を大幅に上回ったことや、為替の影響もあり、増収となりました。
米州では、ブラジルにおける風味調味料「Sazón®(サゾン)」等の現地通貨ベースでの売上げが前期を上回った
ものの、為替の影響により、減収となりました。
欧州・アフリカでは、アフリカにおける「味の素®」の売上げが前期を下回ったこと等により、減収となりました。
以上の結果、全体としては増収となりました。
<冷凍食品(海外)>
北米における米飯や焼きそば等の麺類の大幅な伸長に加え、ウィンザー社の連結子会社化もあり、全体として大
幅な増収となりました。
<加工用うま味調味料・甘味料>
食品加工業向け「味の素®」は、海外の販売数量が前期並みの実績となりましたが、国内の販売数量と販売価格が
前期を上回ったことから、増収となりました。
核酸は、国内の販売数量は増加しましたが、海外の販売数量が前期を大幅に下回ったことから、減収となりまし
た。
甘味料は、加工用アスパルテームの販売数量が増加したものの、南米における粉末ジュース「Refresco MID®(リ
フレスコ ミッド)」が為替の影響等により前期を大幅に下回ったことから、減収となりました。
以上の結果、全体としては減収となりました。
③ ライフサポートセグメント
ライフサポートセグメントの売上高は、化成品が増収となりましたが、動物栄養が減収となったため、前期を
67億円下回る1,424億円(前期比95.5%)となりました。営業利益は、化成品は前期並みの実績となりましたが、動物栄養が大幅な減益となったため、前期を25億円下回る118億円(前期比82.3%)となりました。
<動物栄養>
リジンとスレオニンは、販売数量と販売価格が前期を下回ったため、減収となりました。トリプトファンは、販
売数量が前期を上回ったものの、販売価格が前期を大幅に下回ったため、大幅な減収となりました。バリン等のス
ペシャリティ製品は増収となりました。
以上の結果、全体としては減収となりました。
<化成品>
コンピュータ用の層間絶縁フィルムの売上げは前期を下回ったものの、香粧品素材が国内外ともに増収となりま
した。
以上の結果、全体としては増収となりました。
④ ヘルスケアセグメント
ヘルスケアセグメントの売上高は、医薬が減収となったものの、製薬カスタムサービスの売上げが前期を大幅に
上回ったことに加え、医薬用・食品用アミノ酸が増収となったため、前期を99億円上回る1,308億円(前期
比108.2%)となりました。営業利益は、医薬が大幅な減益となったものの、製薬カスタムサービスが大幅な
増益となり、医薬用・食品用アミノ酸も前期を上回ったため、前期を22億円上回る54億円(前期比 173.4%)となりました。
<アミノ酸>
医薬用・食品用アミノ酸は、国内は減収となりましたが、海外の売上げが為替の影響もあり伸長したことによ
り、全体として増収となりました。
製薬カスタムサービスは、欧州、北米、日本の売上げが伸長し、大幅な増収となりました。
以上の結果、全体として増収となりました。
<医薬>
自社販売品は、後発品や競合品の影響等により、分岐鎖アミノ酸製剤「リーバクト®」が減収となったものの、経
口腸管洗浄剤「モビプレップ®」の売上げが前期を大きく上回り、前期並みの実績となりました。
提携販売品は、後発品や競合品の影響等により、カルシウム拮抗降圧剤「アテレック®」の売上げが前期を大幅に
下回ったものの、骨粗鬆症治療剤「アクトネル®」等のリセドロネート類の売上げが前期を大きく上回り、増収とな
りました。
ロイヤルティ収入等は前期を下回りました。
以上の結果、全体としては減収となりました。
⑤ その他
その他の事業の売上高は、前期を89億円下回る544億円(前期比85.8%)となり、営業利益は前期を2
億円上回る4億円(前期比180.0%)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当期の連結キャッシュ・フローの状況
|
(億円) |
|
|
平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
差額 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
1,092 |
1,252 |
159 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,403 |
△538 |
865 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
528 |
△32 |
△561 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
120 |
△141 |
△262 |
|
現金及び現金同等物の増減額 |
337 |
539 |
201 |
|
連結の範囲の変更による増加額 |
13 |
△12 |
△26 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
1,651 |
2,177 |
526 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,252億円の収入(前期は1,092億円の収入)となりました。この増加の主な要因は、税金等調整前当期利益が1,003億円であり、日清味の素アリメントス社等の関係会社株式売却損益242億円と、資金の動きを伴わない段階取得に係る差益180億円の調整があったこと等によるもので
す。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、538億円の支出(前期は1,403億円の支出)となりました。日清
味の素アリメントス社株式売却による収入があった一方、有形固定資産の取得や、AGF株式の追加取得に伴う支出
があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、32億円の支出(前期は528億円の収入)となりました。社債の発行
による収入があった一方、自己株式の取得による支出があったこと等によるものです。
以上の結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末に比べ526億円増加し2,177億円となりました。
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また製品のグループ内使用(製品を他のセグメントの原材料として使用)や、受注生産形態をとる製品が少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については「1 業績等の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
<2014-2016 中期経営計画の推進>
2014-2016中期経営計画において、「スペシャリティ」の追求による「成長ドライバーの展開」と「更なる事業構造強化」に取り組み、「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」を目指してまいります。すなわち、当社独自の技術と、顧客機会を発見し価値を創造する力の融合から生み出す他社や既存のものにはない「スペシャリティ」の追求を計画推進の鍵として、グローバル成長とR&Dのリーダーシップによる「成長ドライバーの展開」と、バルク事業のスペシャリティ化と資本効率の更なる向上を軸とした「更なる事業構造強化」を追求するとともに、土台となる「経営基盤の進化」にも取り組みます。
「成長ドライバーの展開」
① グローバル成長
日本においては、個別化・多様化するお客様向けに価値を創造し続け、安定成長を実現します。
海外においては、既に強い事業基盤があるタイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン、ブラジルを中核に据え、中東、アフリカ等の開拓も合わせ、中間所得層の拡大や食生活・流通の近代化を事業機会ととらえ飛躍的な成長を目指します。
平成26年11月に買収した米国のウィンザー社のマーケティング力、全米に広がる生産拠点・流通ネットワーク及び営業力と味の素グループの現地に適合した製品の開発力及び生産技術を融合することで、北米の日本食・アジア食の冷凍食品市場での更なる成長を推進します。また、平成27年4月に株式を取得し連結子会社化したAGFとの協業を進め、粉末加工製品という共通軸を梃に新製品開発や生産面でのシナジーを創出していきます。
② R&Dのリーダーシップ
「世界一の調味料技術」により「おいしさ」の解明と設計をさらに深化させ、より多くの消費者に届けるとともに、「独自の先端バイオ」の技術を活かし、高機能バイオ新素材の開発や低資源利用発酵技術の推進、再生医療向け培地やアミノインデックス技術による診断事業等につなげ、成長を牽引していきます。
「更なる事業構造強化」
① スペシャリティ化
構造に課題の残る事業について、事業の付加価値を高める「スペシャリティ化」を進めます。具体的には、バルク事業では、動物栄養事業における乳牛用リジン製剤「AjiPro®―L」等の高付加価値素材の割合を高め、加工用うま味調味料事業における呈味物質及び甘味素材をベースとした国内外リテール製品の幅広い展開によりリテール製品比率を高めていきます。加えて、バルク事業では低資源利用発酵技術の導入等によるコスト競争力強化を図ります。医薬事業では、エーザイ株式会社の消化器疾患領域事業と味の素製薬株式会社との統合(吸収分割)により国内最大の消化器スペシャリティファーマを目指し、平成28年4月に発足した「EAファーマ株式会社」を通じ、販売シナジーのほか、重複機能の見直し等の効率化により収益性を高め、新薬開発のための十分な資源を確保し、継続的な成長を実現します。
② 資本効率の更なる向上
事業ごとのバリューチェーンについて、外部委託を柔軟に活用する一方、重要なものを内製化し、付加価値の高いものに注力することで資産効率を高め、また、需要に応じてグローバルに最適な供給体制を構築することで、ROE(株主資本利益率)や株主価値の更なる向上を目指します。
「経営基盤の進化」
海外での飛躍的成長を実現するため、海外地域本部への権限委譲を拡大するとともに適切なモニタリング機能を構築し、機動力と効率性を備えたガバナンス体制を確立するため、本年4月からグローバル・ガバナンスに関する味の素グループ共通のルール(グローバル・ガバナンス・ポリシー)を導入しました。また、次期経営人材の育成を加速するための制度を整備し、海外法人における現地社員の役員への登用や女性のマネージャーへの登用等の更なる促進により多様性を高め、分厚い人材層を造ってまいります。さらに、既存製品や事業のリソースをもとに隣接領域での新しい事業機会の創造を、柔軟に外部の力を活用し、飛躍的成長のために積極的に進めていきます。
当社は、平成27年6月から上場会社に適用された「コーポレートガバナンス・コード」の各原則の趣旨・精神を踏まえ、主体的にガバナンス上の課題の有無を検討し、課題に対応することで実効的なコーポレートガバナンスの実現を目指します。これにより、グローバル競争に打ち勝つ攻めの経営判断を後押しする仕組みの構築を加速させ、
“株主との対話”を通じた持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
<21世紀の人類の課題に対する事業を通じた貢献の推進>
味の素グループは、うま味を通じて粗食をおいしくし、国民の栄養を改善するという創業時の志を受け継ぎ、「地球持続性」、「食資源の確保」、「健康な生活」という21世紀の人類の課題に対して、事業を通じた社会貢献による社会的価値の創造及び経済価値の創出をASV(Ajinomoto Group Shared Value)として果たしてまいります。地域の食文化に適合したおいしさの実現を通じた健康づくりへの貢献や、開発途上国での栄養改善プロジェクトを進めるほか、バイオサイクル技術による循環型生産モデルの実現と低資源発酵技術で、生産活動における食資源使用量の削減にも取り組んでまいります。また、東日本大震災被災地における食と栄養をサポートする被災地支援を、復興の足どりが確かなものになるまで継続します。
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。当社グループではこのような経営及び事業リスクを最小化するための様々な対応及び仕組み作りを行っております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営環境に関するリスク
1.為替変動の影響
当社グループは、グローバルな生産供給体制の確立と強化を図っており、日本を含め全世界で27の国・地域に拠点を持ち、そのうち22の国・地域の119工場で生産活動を展開し、海外の比重が高くなっています。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、日本以外の地域(アジア、米州及び欧州)での外部顧客に対する売上高は5,462億円及び6,293億円(連結売上高に占める割合は54.3%及び53.1%)、営業利益は
448億円及び526億円(連結営業利益に占める割合は60.2%及び57.8%)でありました。連結財務諸表は、海外グループ会社の現地通貨建て財務諸表を円に換算することにより、換算為替レートの変動を受けます。また、当社グループでは、外貨建て取引に伴う債権及び債務につき、為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、その業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。
2.天変地異等の影響
当社グループは、日本国内での事業展開はもとより、海外市場の開拓を積極的に進めております。これらの事業展開地域においては、次のようなリスクがあります。これらの事象が発生した場合は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
① 気候変動等に伴う水資源の不足による生産量減少等
② 地震、台風・ハリケーン・サイクロン、洪水等の天変地異の発生
③ 大規模停電等による中断事象の発生
④ 感染性疾病の流行等による社会的混乱
3.予期しない不利な経済的又は政治的要因の発生
当社グループは、グローバルに事業を展開しておりますが、海外ではテロ又は紛争等による政情不安、経済動向の不確実性、宗教や文化の相違並びに商習慣に関する障害、投資、海外送金、輸出入、外国為替などの規制の変更、さらには接収など様々な経済的、政治的若しくは法的な障害を伴う可能性があり、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。
4.原燃料価格変動の影響
当社グループの使用する主要な原材料並びに重油等のエネルギー原料には、その価格が市場の状況により変動するものがあります。地球温暖化に伴う天候不順による農作物の不作やエタノール需要拡大による穀物価格の上昇などに加えて、これらが投機的取引の対象となることもあり、従来に比べて原燃料価格変動要因が増加してきております。これら原燃料の価格が高騰した場合には製造コストの上昇につながり、この上昇が新技術導入や各種活動等によるコストダウンで吸収しきれない場合、また市場の状況によって販売価格に転嫁することができない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業活動に関するリスク
1.製品市況の変動の影響
当社グループがライフサポート事業において取り扱っている飼料用アミノ酸は、穀物市況と飼料用アミノ酸の需給動向によって販売価格が変動する傾向があります。当社グループでは、複数の種類のアミノ酸(リジン、スレオニン及びトリプトファン等)を取り扱うことでリスクの低減・分散を図るとともに、乳牛用リジン製剤「AjiPro®―L」等の高付加価値素材による「スペシャリティ」化をはかり、またアミノ酸の発酵生産技術に関するコストダウンを通じて収益性の安定と向上を図ることを目指していますが、穀物市況の変動の影響及び飼料用アミノ酸の需給動向によって当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
2.食の安全性に影響を与える事項
当社グループは、独自の厳しい品質保証システムを一層強化するとともに、グループ横断の品質監査の実施、トレーサビリティシステム(商品の生産、加工、流通等の各段階における情報を追跡するためのシステム)の構築に注力する等、全事業の存立基盤となる「安心と安全」を確保するため、万全の体制で臨んでおります。
とりわけ、昨今日本で発生した食の安全に関する事件を受けて、労働・人権課題を含む良好な組織風土を要として、製造設備などのハード面と、品質基準やガイドラインなどのソフト面の見直しや強化により、サプライチェーン全体の、リスクの極小化、グループの食の安全体制の一層の強化を図っております。
その一方で、社会全般にわたる新たな品質問題等、上記の取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
3.情報の漏洩等の影響
当社グループは、通信販売や販促キャンペーン等により多くのお客様の個人情報を保持しております。当社グループは、これらの個人情報を含む重要な情報の漏洩等を防ぐために、「味の素グループ情報セキュリティポリシー」を定め、「情報取扱ガイドブック」の社内配布や研修等を実施することにより、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、現在予期し得ない不正アクセス等により情報が漏洩、改ざんされるリスクがあります。また、コンピューターウイルスの感染等によって情報システムが一定期間使用できないリスクも考えられます。このような事態が発生した場合、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
4.資金の調達
金融市場の混乱又は停止、信用格付機関による当社格付けの引下げ、金融機関等の融資判断及び方針の変更が、当社グループの資金調達に影響を与えるとともに、資金調達コストを増加させ、流動性の悪化、すなわち資金を必要なときに必要な額を調達できない可能性があります。
5.得意先の経営破綻
当社グループは、得意先に対する債権の回収不能という事態を未然に防ぐべく、情報収集・与信管理等、債権保全に注力しておりますが、今後海外を含め予期せぬ得意先の経営破綻が発生した場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
6.高度な専門性を有した人材の獲得及び継続雇用
当社グループの事業運営は、各国及び各職種において高度な専門性を有した人材が担っており、将来の成長を達成するため、その様な人材の獲得・育成が欠かせません。次期経営人材の育成を加速するための制度を整備し、海外法人における現地社員の役員への登用、女性のマネージャーへの登用等により多様性を高め、分厚い人材層を造ってまいりますが、人材の獲得競争が激しいなか、高度な専門性を有した人材の獲得及び継続雇用が出来ない可能性があります。
(3)法的規制及び訴訟等
1.法的規制等の影響
当社グループは、グローバルに事業を展開しておりますので、国内外において、食品衛生、薬事、知的財産、環境・リサイクル、事業・投資の許認可、輸出入、外国為替管理、及び種々の税金にかかわる法の規制等の適用を受けています。このような中、当社グループとしては、法的手続きによる権利の保全にも万全を期しております。しかしながら、将来において、現在予期し得ない法的規制等が設けられる可能性があり、また法解釈の多様性によるリスクにさらされる可能性もあります。これらの法的規制等に係る適用を受けた場合、当社グループの事業活動が制限される可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
2.訴訟等の影響
当社グループは、日本国内外で訴訟等の事件に関わっています。また、多くの国で多岐にわたる事業を展開している関係から、新たに不測の訴訟や請求等を受ける可能性があります。重大な訴訟が提起された場合には、当社グループの業績及び評判が悪影響を受ける可能性があります。
3.租税制度に関する影響
新たな租税制度の導入又は改廃によって、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは味の素グループ行動規範及び味の素グローバル・タックス・ポリシーに基づき、世界各国で適用される税法を遵守し事業活動を行っていますが、特に日本国外における頻繁な租税制度の改正、税務行政の変更や税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。
4.環境法令等
当社グループは、大気汚染、排水等に伴う水質汚染、騒音、アスベストなどの有害物質、廃棄物、及び土壌又は地下水の汚染などに関する様々な環境法令等の適用を受けています。この様な環境法令等は、現在の当社グループの事業活動だけでなく、過去の事業活動や企業買収などで他社から引き継いだ事業の過去の活動にも適用される可能性があります。さらに、サプライチェーン上での法令違反も当社グループの事業におけるリスクとなります。そこで「CSR調達ガイドライン」を策定し、サプライチェーン全体で環境や人権に配慮した調達を実践して参ります。当社グループでは、ISO 14001に準拠した環境マネジメントシステムを国内外グループ各サイトで適用しており、国や地域に応じた環境法令等への対応や、環境トラブルの防止を図るとともに、環境改善の取り組みを進めています。このマネジメントシステムのもと、法改正の動向を注視するとともに、当社グループは、当社グループとサプライチェーン全体にわたって法令等を確実に遵守する体制を強化しておりますが、将来の環境法令等の遵守や環境改善取組みの強化などにより、環境に関連する費用負担が当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(4)その他のリスク
1.減損会計適用の影響
当社グループは、事業用の設備、不動産や企業買収などにより取得したのれんをはじめとする様々な有形・無形の固定資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待通りのキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、減損処理が必要となる場合があり、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
2.繰延税金資産等
当社グループでは、将来の課税所得等に関する予測及び仮定に基づき回収可能性を慎重に検討した上で繰延税金資産等を計上しております。しかし、今後の業績動向等により、一部ないし全部について回収可能性が低いと判断された場合、繰延税金資産等の計上額が修正され、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
技術援助を与える契約等
|
契約会社名 |
契約締結先 |
国名 |
契約内容 |
対価 |
契約期間 |
|
味の素㈱ |
ササ・インティ社 |
インド ネシア |
グルタミン酸ナトリウム及びその関連製品のインドネシア国内における非独占的製造権(技術援助を伴う)及び販売権の許諾 |
左記製品 販売高等の一定率 |
2015年7月1日から10年間。以後10年毎自動更新 |
技術援助を受ける契約等
|
契約会社名 |
契約締結先 |
国名 |
契約内容 |
対価 |
契約期間 |
|
味の素㈱ クノール食品㈱ |
コノプコ社 |
アメリカ |
日本国内におけるスープ、ブイヨンその他の食品に係る独占的商標使用権の許諾 |
左記製品 販売高の 一定率 |
対象商標が日本で有効に登録されている限り |
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味の素 ゼネラルフーヅ㈱ |
コーニンクレッカ・ ダウ・エグバーツ社 |
オランダ |
日本国内におけるコーヒー等に係る独占的商標使用権の許諾 |
左記製品 販売高の 一定率 |
2015年2月27日から無期限に有効 |
販売援助、経営援助契約等
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契約会社名 |
契約締結先 |
国名 |
契約内容 |
対価 |
契約期間 |
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味の素㈱ |
日本ケロッグ(同) |
日本 |
ケロッグ社グループの穀類調整食品等の総発売元としての、日本国内における同商品の販売 |
左記製品 販売高の 一定率 |
2014年4月1日から3年間。以後3年毎自動更新 |
当社と味の素ゼネラルフーヅ㈱とのコーヒー等の総発売元契約
当社と味の素ゼネラルフーヅ㈱とのコーヒー等の総発売元契約は、クラフト・フーヅ・ホールディングス・シンガポール社が保有する味の素ゼネラルフーヅ㈱の株式の全部の取得に伴い、平成27年4月23日付で終了し、同日付で以下の契約を締結しています。なお、当該契約については、当社が直接又は間接に味の素ゼネラルフーヅ㈱の株式の全部又は一部を保有している限り、存続するものとしています。
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契約会社名 |
契約締結先 |
国名 |
契約内容 |
対価 |
契約期間 |
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味の素㈱ |
味の素ゼネラルフーヅ㈱ |
日本 |
味の素ゼネラルフーヅ㈱のコーヒー等の総発売元としての、日本国内における同商品の販売 |
左記製品 販売高の 一定率 |
2015年4月23日締結 |
味の素製薬株式会社とエーザイ株式会社の消化器疾患領域事業との統合
エーザイ株式会社(以下、「エーザイ」)と当社は、味の素グループにおいて医薬事業を行っている当社の100%子会社である味の素製薬株式会社(以下、「味の素製薬」)が、エーザイの消化器疾患領域に関する事業の一部を吸収分割等の方法により承継(以下、吸収分割により承継する事業を「本吸収分割対象事業」、吸収分割自体を「本吸収分割」)し、当該事業を平成28年4月1日(以下、「本統合日」)に統合(以下、「本統合」)すること等を定めた統合契約(以下、「統合契約」)を平成27年10月15日付にて締結しました。また、本吸収分割を実施するため、エーザイ及び味の素製薬は、吸収分割契約(以下、「本吸収分割契約」)を平成28年2月26日付にて締結しました。なお、本統合日に本吸収分割契約の効力が生じたことにより、味の素製薬は当社の持分法適用会社となり、商号をEAファーマ株式会社(以下、「新統合会社」)に変更しています。
(1)本吸収分割の目的
エーザイは、消化器疾患領域において60年以上にわたって創薬活動や情報提供活動を行ってきた歴史を持ち、当該疾患領域に有力な製品や開発パイプライン、並びに長年の活動に基づく豊富な知識、経験、ネットワークを有しています。一方、味の素製薬は、うま味から出発したアミノ酸技術をベースとしたグローバル健康貢献企業グループを目指す味の素グループのもとで、特に消化器疾患領域において他社にはないユニークな製品、開発パイプラインを保有しています。今回、本統合により、国内最大級の消化器スペシャリティファーマとなる新統合会社が誕生します。
消化器疾患領域は、高齢化による罹患率の増加のみならず、生活様式の変化や社会的ストレスの増加などを背景に、より若い世代を中心にクローン病や潰瘍性大腸炎といった難治性の自己免疫疾患が急増するなど、いまだ満たされない医療ニーズの高い領域です。新統合会社では、販売製品の統合により、上部・下部消化管及び肝臓、膵臓を網羅的にカバーする品揃えを実現することで、消化器疾患領域においてさらに幅広いソリューションと専門性の高い情報の提供が可能となります。また、研究開発においては、双方の開発品を組み合わせることで今後の継続的な新薬上市に向けた開発パイプラインの拡充が実現するとともに、消化器疾患領域における両社の知見・ノウハウを一体化することでこのようないまだ満たされない医療ニーズにこたえる革新的な新薬の創出を目指します。さらに、将来の開発製品の発売に際しては、その海外展開において、エーザイの海外事業ネットワークを活用して患者様価値の最大化が期待できます。
新統合会社は、本統合による販売シナジーのほか、重複機能の見直し等の効率化の追求により収益性を高め、新薬開発のための十分な資源を確保し、継続的な成長を実現してまいります。また、国内最大級の消化器スペシャリティファーマとして、消化器疾患領域における患者様ニーズをきめ細かく把握し、それに応えていくことで、患者様とそのご家族、医療従事者の皆様へより高質な価値を提供してまいります。
(2)本吸収分割の方法
エーザイを分割会社とし、味の素製薬を承継会社とする吸収分割です。
(3)本吸収分割の日程
本吸収分割契約締結 平成28年2月26日
臨時株主総会開催日(味の素製薬) 平成28年3月23日
本吸収分割効力発生日 平成28年4月1日
なお、本吸収分割は、分割会社であるエーザイにおいては会社法第784条第2項に規定する簡易吸収分割の要件に該当するため、エーザイは株主総会の承認を得ずに行いました。
(4)本吸収分割に際して発行する株式及び割当
味の素製薬は本吸収分割の対価として、味の素製薬の普通株式6,000株をエーザイに割当交付した結果、エーザイは新統合会社の発行済株式総数の60%を保有しています。
(5)割当株式数の算定根拠
エーザイ及び当社は、野村證券株式会社及びJPモルガン証券株式会社による算定結果を参考に、それぞれの財務の状況、資産の状況、将来の見通しなどの要因を総合的に勘案して、割当株式数について慎重に協議を重ねた結果、最終的に前述の割当株式数で合意しました。
(6)本吸収分割対象事業の概要
①本吸収分割対象事業の内容
本吸収分割対象事業は、エーザイの消化器疾患領域における国内の販売機能及び研究開発機能です。味の
素製薬へ移管する主な製品及び開発品は以下のとおりです。
<主な移管製品、開発品(臨床フェーズ以降)>
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製品/開発品 |
説明 |
段階 |
移管・許諾 |
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「パリエット®」 |
プロトンポンプ阻害剤(PPI) |
販売中 |
販売権 |
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「ラベキュア®/ラベファイン®」 |
ヘリコバクター・ ピロリ除菌治療剤 |
販売中 |
販売権 |
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「セルベックス®」 |
胃炎・胃潰瘍治療剤 |
販売中 |
販売権 |
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「リパクレオン®」 |
膵消化酵素補充剤 |
販売中 |
販売権 |
|
「強力ネオミノファーゲンシー®/ グリチロン®配合錠」 |
肝臓疾患用剤・アレルギー用薬 |
販売中 |
販売権 |
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E3810 (ラベプラゾール) |
PPI抵抗性逆流性食道炎維持療法 |
日本フェーズⅢ |
開発権・販売権 |
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E6007 |
インテグリン活性化阻害剤 |
日本フェーズⅠ |
開発権・販売権 |
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E6011 消化器領域(がん領域を除く) |
クローン病 (抗フラクタルカイン抗体) |
日本フェーズⅠ/Ⅱ |
開発権・販売権 |
②本吸収分割対象事業の経営成績
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本吸収分割対象事業の平成27年3月期の実績 |
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売上高 |
39,968百万円 |
(7)味の素製薬が承継する権利義務及び資産・負債の状況
味の素製薬は、本吸収分割により、エーザイの本吸収分割対象事業にかかる資産・負債、契約上の地位その他の権利義務を本吸収分割契約に定める範囲において承継します。なお、エーザイから味の素製薬に対する債務の承継は、免責的債務引受の方法によります。
味の素製薬が承継する資産・負債の状況は以下のとおりです。
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資産 |
帳簿価額(百万円) |
負債 |
帳簿価額(百万円) |
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流動資産 |
― |
流動負債 |
― |
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固定資産 |
1,123 |
固定負債 |
― |
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合計 |
1,123 |
合計 |
― |
(8)本吸収分割後の新統合会社の状況
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商号 |
EAファーマ株式会社 |
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本店の所在地 |
東京都中央区入船二丁目1番1号 |
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代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長 清水 初 |
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資本金の額 |
9,145百万円 |
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事業の内容 |
医薬品の研究開発・製造・販売 |
味の素グループは「グローバル健康貢献企業グループ」を目指し、人類の課題である「地球持続性」「食資源の確保」「健康な生活」の実現に向けて、事業を通じて貢献していきます。2014-2016中期経営計画では、高い付加価値を生み出す「スペシャリティ化」の推進によって安定的利益成長を実現させ、「グローバル食品企業トップ10」レベルの事業を目指しています。
他社や既存のものにはない「スペシャリティ」を技術力によって先導すべく、「R&Dのリーダーシップ」を成長ドライバーに位置づけ、高い成長が見込まれる「世界一の調味料技術」と「独自の先端バイオ」技術が活かせる領域に研究開発における経営資源を重点的に投資しています。また、新製品・新事業を効率的に生み出すため、社外の研究機関や企業とのオープンイノベーションを積極的に活用します。
当連結会計年度における味の素グループの研究開発費は32,594百万円であります。
また、当社グループが保有している特許は国内外あわせて約4,280件であります。
当連結会計年度の各事業区分における研究開発活動の概要とその成果は次のとおりであります。
(1)日本食品セグメント
味の素㈱の食品研究所が中心となり、味覚、嗅覚、食感など、「おいしさを構成するすべての要素」を俯瞰した技術開発、商品開発、及びそのアプリケーション開発を行っています。少子高齢化、世帯人数の減少、健康志向といった国内市場における潜在ニーズを掘り起し、当社独自の素材と技術及び斬新な発想による価値提案型の新商品開発に取り組んでいます。
食品研究所は、クノール食品㈱、味の素冷凍食品㈱、味の素ゼネラルフーヅ㈱、上海味の素食品研究開発センター社(中国)をはじめとする国内外のグループ会社の研究開発部門とも密接に連携を図っています。
<調味料・加工食品>
2015年度の家庭用商品は、多様化するお客様のニーズと価値観に対応した製品で驚きと感動を日本の食卓にご提供すべく、「スペシャリティ」(独自価値)を持った新製品を開発・発売しました。メニュー用調味料市場においては、自然な鶏だしの風味を再現し、「肉のだし成分」を配合することにより鶏だし感・鶏の油脂感をUPさせた「Cook Do®おかずごはん」<アジアン鶏飯用>の他、「Cook Do®おかずごはん」の新商品<豚おこわ飯用>、<鶏カレー飯用>、<鶏パエリア用>、<香港風 鶏のまぜ飯用>を発売しました。また当社独自技術を用いた、肉のだし成分により風味が増強された「Cook Do®きょうの大皿®」<豚ひきもやし用>を新発売しました。また酵素の力でお肉をやわらかくする肉用調味料「お肉やわらかの素」も発売しました。さらに当社独自の素材・技術を活かし、「ほんだし®」も改訂しました。
業務用では、独自のスジやわらか効果で、お肉をやわらかく仕上げることができる「味の素KKスジやわらか調理料」を発売しました。
加工需要家向けでは、当社独自技術を活用し、かみ切りにくい肉のスジをやわらかくできる食肉加工用酵素製剤「アクティバ® スーパーテンダー」(日本)、香辛料の風味を増強する調味料「アロマックス® スパイスギア®」(日本)、和風惣菜向けにやわらかな煮込み風味を付与する調味料「タクミベース® 煮物用」(日本)、北米・欧州向け加工食品に呈味・風味を増強する「Ajinomoto Brand savorboost」 (酵母エキス)、風味調味料向けに鶏だしの呈味・風味を増強する調味料「AJIMATE®」Meaty Booster(中国)、ベトナムの伝統食品(魚醤)向け「FISH SAUCE PLUS」を発売しました。
ベーカリー製品につきましては、特に、インドネシアでの事業立ち上げに向け、 現地での原料の探索、及び使いこなし、また、インドネシア市場向け商品開発など迅速に対応しました。
<冷凍食品>
家庭用では味の素グループ開発の<コク味物質>と<脂のおいしさ成分>の活用、味の素冷凍食品の独自製法と技術を進化させた<パラパラ食感>製法により中華料理店で食べるような炒めた香り・味・風味・食感を食卓で楽しめる「ザ・チャーハン」、旬のフルーツとグラノラとセットにし、女性がうれしい「旬の果実のグラノラ」2品種を開発しました。業務用では<冷凍食品だから>の価値訴求から煮込む手間がかからず提供できる「大きな具材の野菜スープ」3品種と、短時間調理でもおいしさを提供できる技術開発より「〆メシ」3品種、デザート市場拡大を目指し、凍ったままおいしく食べられる「シチリア風アイスチーズケーキ」を開発しました。
<コーヒー類>
日本の水や和菓子との相性を科学し、スペシャルティ技術である「T2ACMI焙煎®」を駆使し、「ジャパニーズコーヒー」を追求したレギュラー・コーヒー「煎」を開発・発売しました。また、スティックコーヒーでは、カフェオレのおいしさ成分を特定、制御することで、おいしさを維持したままパウダーの減容化を実現、原包材の省資源化を進めました。本取り組みが評価され、第37回「食品産業優良企業等表彰」農林水産省食料産業局長賞などの賞を受賞しました。
日本食品セグメントに係わる研究開発費は、3,556百万円であります。
(2)海外食品セグメント
「各国のおいしさNo.1」を目指し、当社独自の素材や技術を世界中に展開し、各国嗜好とニーズにきめ細かく適応した調味料、及び加工食品の開発に継続的に取り組みました。
タイにおいては主力事業「味の素®」、風味調味料に加え、メニュー用調味料、「Birdy®」のトップライン拡大を行いました。ブラジルにおいては新領域メニュー用調味料「Satis!」で新品種9品を追加発売し計12品種となりました。ベトナムにおいては健康素材を軸に新規参入し、濃縮梅エキス製品「うめちゃん」を発売しました。北米では味の素ウィンザー社を設立し、北米コンシューマー事業を統合しました。味の素グループ技術を活用し生産性改善を推進し、収益構造強化に向け取り組んでいます。
甘味料につきましては、アスパルテームのコスト競争力の強化を目的としてプロセス改善を継続して進めました。甘味設計技術の高度化を図り、アプリケーションの拡充に繋げました。リテイル商品では、甘味設計技術を駆使した砂糖よりもおいしい甘味料の開発に着手しました。
海外食品セグメントに係わる研究開発費は、3,360百万円であります。
(3)ライフサポートセグメント
味の素㈱バイオ・ファイン研究所が中心となり、動物栄養、香粧品、電子材料などの幅広い事業領域における研究開発に取り組んでいます。乳牛用飼料「AjiPro®-L」のさらなる飼料効果改善、ここで培われたユニークな保護技術の他利用展開など、当社ならではのスペシャリティによるお客様の価値創出を目指し、事業拡大を図っています。一方、主力となる素材事業では、継続的に抜本的な新製法を導入し、更に収益を上げるための構造改革を推進しています。更なる顧客価値の創造のため、味の素オムニケム社、味の素アルテア社、味の素-ジェネチカ・リサーチ・インスティチュート社、味の素ファインテクノ㈱等の国内外の各グループ会社及びその技術開発センターとも密接に連携し、世界中の市場に向けたソリューションを提供しています。
<動物栄養>
グローバルな研究開発推進体制により、競争力強化に向けて発酵技術に関する基盤研究の一層の推進、非可食原料利用を含めた低資源利用発酵技術等の新技術開発を行い、海外の技術開発センターと共に工業化を加速させ、各海外工場への導入を推進しました。2015年度は北米における飼料用トリプトファンの生産を決定しました。新しい生産技術により、競争優位性を有する飼料用トリプトファンの生産を小投資で実現します。これからも技術導入による競争力強化と最適な生産体制の実現を進めてまいります。
<化成品>
香粧品につきましては、製品ポートフォリオ拡充のため、アミノ酸誘導体を中心に香粧品原料の継続的な研究に取り組んでいます。2015年度は、アミノ酸系洗浄剤、油性原料、機能性粉体、効果効能素材の開発を進めました。新製品として、アミノ酸であるL-グルタミン酸系の洗浄剤とL-グルタミン酸系の洗浄補助剤の品種を追加しました。またグローバルな需要拡大に対応するために、日本の洗浄剤能力を増強しました。
電子材料につきましては、味の素ファインテクノ㈱と共同で、次世代CPU用の絶縁材料を開発するとともに、成長の著しいスマートフォン向けの半導体パッケージ材料の開発にも注力しています。有力スマートフォンメーカーによるハイエンドモデルへの採用に加え、ミドルモデルへの展開も進めています。また絶縁材料での知見を活かし、次世代型のディスプレイや照明等への利用に向けた有機EL関連材料の開発に取り組み、照明用途で実用化の目途が立ちました。
活性炭事業では、長年味の素グループの生産を支えてきた吸着技術を活用し、プリン体を効率的に除去できる活性炭の飲料メーカーへの販売を始め、各種高機能な吸着材料の開発を進めています。
<ライフサポートその他>
ひと・生き物・地球の持続可能な未来づくりへの貢献につながる製品・事業の開発を目指し、アミノ酸・核酸の農作物に対する有効性についての研究開発を進めています。核酸系肥料の「アミハート®」「早根早起®」、アミノ酸系肥料の「アジフォル® アミノガード®」、「グルハート®」を販売、また2015年度はゴルフ場向け液体肥料「ターフバイタル®プロ」を上市しました。海外でもこれらの核酸、アミノ酸系肥料を展開していきます。
ライフサポートセグメントに係わる研究開発費は、5,039百万円であります。
(4)ヘルスケアセグメント
<アミノ酸>
医薬用・食品用アミノ酸につきましては、アミノ酸市場の伸びに対応するために、生産性の向上とコスト競争力の強化を目的とした発酵・精製プロセス開発と導入を継続して進めました。また、動物細胞培養用の培地の事業展開のため、韓国に設置した味の素ジェネクシン社での医薬、医療用培地の生産・販売を開始しました。
再生医療用培地では、基礎研究用培地「StemFit®」AK02Nを2015年10月より販売を開始しました。「StemFit®」AK02Nは、iPS/ES細胞の増殖用培地として世界最高水準の性能を備えており、培地交換の頻度や増殖率、安定性の面において他社製品に比し、高いコストパフォーマンスを実現しています。
医薬中間体につきましては、製薬メーカーからの原薬受託製造について、高活性原薬の開発体制の一層の充実を図り、継続的なテーマの受注に繋げています。タンパク発現技術(「CORYNEX®関連技術」)の研究開発を進め、味の素アルテア社とも連携しグローバル大手製薬企業とバイオ医薬品の開発・製造支援事業「CORYNEX®」を推進しています。
<スポーツニュートリション>
スポーツ栄養科学研究の推進を通じて、アミノ酸の有用性を検証するとともに、エビデンスを有する製品の創出に取り組んできています。2016年リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック競技大会では、日本代表選手団が最高のパフォーマンスを発揮するための支援活動を展開しますが、その一つとして、日々の栄養摂取とコンディショニングをサポートするべく、日本代表選手団向けに独占供給する「アミノバイタル® Rio2016日本代表選手団SPECIAL」(非売品)を創出しました。また、「アミノバイタル®ゴールド」(顆粒タイプ)の主成分であるロイシン高配合必須アミノ酸を配合したゼリータイプ製品として「アミノバイタル®ゴールド」ゼリードリンクを発売して、「アミノバイタル®ゴールド」シリーズを拡充しました。
<ダイレクトマーケティング>
2015年4月、機能性表示食品制度が施行され、事業者の責任で科学的根拠を基に、商品パッケージに健康増進に資する機能性を表示することができるようになりました。自社素材とその科学的エビデンスを保有する当社にとっては事業拡大の大きな機会であると捉え、「グリナ®」は睡眠領域で、「アミノエール®」は高齢者の筋肉対策領域で、それぞれ日本初の機能性表示食品のサプリメントとして届出しました。「グリナ®」は、 “グリシン”(非必須アミノ酸)の徐波睡眠への移行誘発による睡眠の質の改善の機能(当該機能は当社が特許を保有しています。)、「アミノエール®」は“ロイシン40%配合必須アミノ酸”(「Amino L40」)による高齢者の筋合成力向上及び歩行能力の改善の機能について表示を行っております。当社は今後も、アミノ酸を中心とした、当社独自の健康価値を有する製品やサービスの提供を通じて、“健康社会”の実現に取り組んでまいります。
<ニュートリションケア>
当社が独自に開発したロイシン高配合必須アミノ酸混合物「Amino L40」を活用した製品「アミノケア®ゼリー ロイシン40」では、2015年度から新たにはじまった国の「機能性表示食品」制度を活用、「Amino L40」のもつ健康の維持増進に役立つ科学的根拠を消費者庁に届け出、受理されたことで、「60代からの筋肉づくりと歩く力をサポート」という同製品の機能を表示することが可能になりました。この制度により、従来、一般食品では難しかった製品の機能性についてのお客様の理解が一層進み、製品の普及と利用が益々期待されています。さらに、各疾患領域で「アミノケア®ゼリー ロイシン40」「抵抗活力®アミノ酸 シスチン&テアニン」を用いた臨床研究を推進しており、様々な疾患で生じる筋肉の減弱やがんの治療の副作用に関連する領域での研究成果が各学会で発表され、注目を集めています。
<アミノインデックス®>
「アミノインデックス技術」は、血液中のアミノ酸濃度のバランスから、現在の健康状態やがんなどの疾病リスクを明らかにする当社独自の技術です。この技術を用いたアミノインデックス®がんリスクスクリーニング(AICS®)は、一度の採血で複数のがんの罹患リスクを評価できる検査で、すでに全国1,100以上の医療機関で受診が可能です。2015年8月には、膵臓がんを追加したAICS®(5種/6種)を発売しました。またこの技術は、生活習慣病に関連するリスクの高い集団の抽出の可能性があることも確認され、将来の生活習慣病発症予測について論文に掲載されました。
また、神奈川県、横浜市、川崎市が共同で推進する「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」では、「個別化医療・予防医療」分野の取り組みの一つとして「アミノインデックス技術」を活用する検討を進めています。
<医薬>
消化器疾患の開発パイプラインに関して、2012年4月にアルビレオ社から導入した慢性便秘症治療薬AJG533について、臨床第2相試験を完了し、2015年10月に第3相臨床試験及び長期投与試験を開始しました。
<ヘルスケアその他>
先端医療分野では、医薬原薬の製造事業「AJIPHASE®」を推進し、当社独自のオリゴ核酸、並びにペプチドの新規合成技術の開発を進めています。
ヘルスケアセグメントに係わる研究開発費は、8,593百万円であります。
(5)全社
味の素㈱イノベーション研究所が中心となり、国内外の研究機関と連携して進めている先端の研究・技術を活用し、グループ内の各研究所と共に様々な事業に向けた新技術・新素材の開発や、各事業分野に共通した基盤技術の強化に取り組んでいます。
健康な食生活のためにうま味物質グルタミン酸ナトリウムを有効に使いこなす技術について研究と情報発信を続けています。また、食品の好き、嫌いにかかわる様々な味や香りとその関係性を詳細に評価・解析する方法を確立し、実際の商品の開発に応用できるまでに改良しました。この結果を世界の様々な嗜好を持つお客様により好まれる商品の提供に活用していきます。さらに「人は味や香りをどのように感じるのか?」について、より基礎的な研究を世界の研究機関と協力して進め、味と香りの仕組みに学んで新しい調味料素材を探し出す研究も進めています。世界の人々のおいしさと健康に貢献できるサイエンスを目指しています。
また、低炭素社会及び持続可能な資源循環型社会を目指して、新たな技術開発や新事業の創出に継続して取り組みました。まず発酵プロセスにおけるバイオマス利用技術開発を推進するとともに、発酵プロセス副産物の農業資材として効果を微量成分の分析技術を駆使して解析する研究を進めています。一方、バイオによる高機能素材の開発の一環として、長谷川香料㈱との業務提携により近年成長が著しいナチュラルフレーバー市場に向けた発酵法による製法開発をスタートしました。このような研究から蓄積される自社技術や、経済産業省が所管する高機能遺伝子デザイン技術研究組合への参画など種々のオープンイノベーションにより、さらなる高機能性素材の製法開発やその応用研究も進めています。さらに、タンパク質等生体分子を用いたナノ粒子製造などのバイオナノプロセス技術の基盤開発も進展させ、広く情報通信技術に貢献する新規ナノ素材の研究開発にも取り組んでいます。
さらに、基盤的生産技術開発を進めるとともに、デジタルマーケティングや製造プロセス制御の深化を目的としたビッグデータ活用技術開発も精力的に実施しています。安全・安心につながる製造技術の開発や、最先端微量分析技術を用いた成分解析及び不純物解析をもとに、製品の安全性を検証しています。また、アミノ酸誘導体やペプチド、食品素材の生産に重要な酵素の開発に向け、高次構造に基づく酵素の改変技術の開発研究に精力的に取り組みました。さらに、生体内におけるアミノ酸代謝・栄養研究を基盤とした、健康長寿社会の実現や、途上国の低栄養課題の解決、効率的な食資源生産に向けた研究も進めています。
全社に係わる研究開発費は、12,045百万円であります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。詳細については、「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたっては会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金等の各種引当金の計上、「固定資産の減損に係る会計基準」における回収可能額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績、又は各状況下で合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
売上高は前期を1,793億円上回る1兆1,859億円(前期比117.8%)となりました。地域別に見ま
すと、日本では、AGFの連結子会社化によりコーヒー類の売上げが加わったことで、前期を962億円上回る
5,566億円(前期比120.9%)となりました。海外では、ウィンザー社の売上げが加わった冷凍食品(海
外)や調味料・加工食品(海外)、アミノ酸が増収となり、前期を831億円上回る6,293億円(前期比
115.2%)と大幅な増収となりました。海外の地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ2,745億
円(前期比105.4%)、2,459億円(前期比140.3%)及び1,088億円(前期比98.6%)
となりました。なお、売上高海外比率は53.1%(前期は54.3%)となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、売上高の伸長に伴い、前期から1,093億円増加し、7,688億円(前期比116.6%)と
なりました。売上原価の売上高に対する比率は、AGFの連結子会社化による影響等により0.7ポイント改善
し、64.8%となりました。販売費及び一般管理費は、販売促進費等の削減に努めましたが、連結子会社増加
の影響があり、前期から534億円増加し、3,260億円(前期比119.6%)となりました。
③ 営業利益
営業利益は前期を165億円上回り、過去最高の910億円(前期比122.2%)となりました。地域別に
みますと、日本では384億円(前期比129.6%)、海外では526億円(前期比117.3%)となりま
した。日本において、医薬が大幅な減益となったものの、コーヒー類が加わったことや、調味料・加工食品(日
本)の貢献もあり、全体として大幅な増益となりました。海外において、動物栄養が大幅な減益となったもの
の、調味料・加工食品(海外)、冷凍食品(海外)の貢献により、全体として大幅な増益となりました。海外の
地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ374億円(前期比122.9%)、117億円(前期比
100.7%)及び34億円(前期比124.6%)となりました。なお、営業利益海外比率は57.8%
(前期は60.2%)となりました。
④ 営業外収益(費用)
営業外収支差は、前期を50億円下回り32億円のプラス(前期は82億円のプラス)となりました。持分法
による投資利益及び為替差益が減少したことが主な理由です。
⑤ 経常利益
経常利益は前期を115億円上回り、過去最高の943億円(前期比113.9%)となりました。
⑥ 特別利益
特別利益は前期の128億円に対し、当期は453億円となりました。当期において計上した主なものは、日
清味の素アリメントス社の全持分売却にかかる関係会社株式売却益248億円、AGF株式の追加取得にかかる
段階取得に係る差益180億円になります。
⑦ 特別損失
特別損失は前期の166億円に対し、当期は393億円になりました。当期において計上した主なものは、医
薬事業構造改革費用166億円、フランスにおける甘味料生産・販売子会社の株式売却に係る関係会社整理損
69億円、在外子会社の工場設備を中心とした減損損失74億円(前期は104億円)になります。減損処理し
た主なものは、タイにおける動物栄養事業にかかる製造設備について33億円、中国における調味料製造設備等
について20億円になります。
⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は前期を170億円上回り、635億円(前期比136.8%)となり、1株当たり当期純利益は108円14銭(前期は78円54銭)となりました。
(3)当連結会計年度の連結財政状態の分析
当期末の総資産は、前期末の1兆2,550億円に対して81億円増加し、1兆2,632億円となりました。これは主に、在外子会社の貸借対照表の円貨への換算額が減少した一方、当社が株式を追加取得したAGFを第1四半期連結会計期間より連結し資産が増加したことによるものです。
負債合計は、前期末の5,116億円に対して553億円増加し、5,669億円となりました。なお、有利子負債残高は、前期末に対して531億円増加し、2,647億円となりました。
純資産は、利益剰余金が増加した一方、自己株式の取得や為替換算調整勘定の減少により、前期末に対して471億円減少しました。純資産から非支配株主持分を引いた自己資本は、6,242億円となり、自己資本比率は 49.4%となりました。
(4)当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは1,252億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは538億円の支出、及び財務活動によるキャッシュ・フローは32億円の支出となり、換算差額等を調整すると、現金及び現金同等物の残高は526億円増加しました。
(5)当連結会計年度の資金の流動性及び資金の調達、使途
① 資金の流動性について
当連結会計年度は短期流動性に関し、手元流動性確保のために、コミットメント・ライン、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段を備えています。
② 資金の調達
当連結会計年度の資金調達は、調達コストとリスク分散の観点による直接金融と間接金融のバランス及び長期と短期の資金調達のバランスを勘案し、金融機関からの借入及び国内普通社債による資金調達活動を行いました。
③ 資金の使途
当連結会計年度の資金の使途は、主に事業資金、ウィンザー社の全持分取得にかかる短期借入金の長期化、AGFの株式取得、コマーシャル・ペーパー、社債及び長期借入金の借り換えであります。