(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府・日銀による金融・経済政策により、景気は緩やかな回復基調にあり、企業業績も総じて好調に推移いたしました。一方、新興国経済の減速懸念や、消費税増税後の消費反動減の影響も懸念され、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境のなかで、当社グループでは、長期経営ビジョン「TaKaRaグループ・ビジョン2020」の実現へ向け、「国内での安定成長を実現するとともに、海外で大きく成長するための事業基盤を拡大する」ことを基本方針とする「TaKaRaグループ中期経営計画2013」の最終年度を迎え、変化に強いバランスのとれた事業構造を構築することで、さらなるグループ企業価値の向上を目指してまいりました。
その結果、連結売上高は前期比104.3%の209,568百万円と過去最高となりました。
売上総利益につきましては、宝酒造株式会社で円安等による原材料価格が高含みに推移したことに加え、比較的原価率の高い海外日本食材卸事業の売上が増加したことなどにより、全体の原価率は若干上昇いたしましたが、売上高の増加により前期比103.6%の80,121百万円と増加いたしました。
販売費及び一般管理費は、厳しい経済状況に対応するため継続して徹底的なコストカットに取り組みましたが、人件費や物流費、研究開発費などが増加いたしましたので、前期比103.5%の70,631百万円となりました。この結果、営業利益は前期比103.9%の9,490百万円と増益となりました。
営業外損益では、タカラバイオ株式会社で公募増資の実施等による株式交付費が増加いたしましたが、為替差損が為替差益に転じたことや、社債発行費がなくなったことなどにより、経常利益も前期比106.6%の9,909百万円と増益となりました。
特別損益では、タカラバイオ株式の一部売却による関係会社株式売却益などの特別利益が大幅に増加したため、旧白河工場跡地を、震災復興支援として白河市に寄贈したことなどによる固定資産譲渡損などの特別損失がありましたが、税金等調整前当期純利益は前期比201.4%の18,642百万円となり、当期純利益は前期比219.3%の10,280百万円と大幅な増益となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。
〔宝酒造グループ〕
当社グループの主たる事業である酒類・食品業界は、飲酒人口の減少や消費者の嗜好の多様化に加え、近年の規制緩和に端を発した流通市場の再編などもあり、販売競争はますます激化しております。また、景気回復が個人消費に与える好影響は限定的で、依然として消費者の低価格商品選好は継続しており、原材料費、人件費などのコスト増を製品価格に転嫁しにくい、非常に難しい状況が続いております。さらに、円安の進展は、輸入原材料の価格をさらに押し上げることが予想されます。
このような状況のなか、当社グループでは消費者の皆様へ安全で良質な製品を提供することを第一に考え、豊富な品揃えと、確かな技術力により差異化された高品質商品によるブランドの育成に努めました。
また、常にお客様の視点に立った製品開発に努め、革新的な技術力に裏打ちされた新製品による、新しい飲酒文化の提案を続けております。
当セグメントの製品別売上状況などは次のとおりであります。
(酒類)
焼酎
本格焼酎では、芋100%焼酎「一刻者(いっこもん)」の新製品、赤芋100%の「一刻者」<赤>が好評を博しましたが、その他の本格焼酎の減少により、本格焼酎全体の売上は減少いたしました。
甲類焼酎では、「純」「JAPAN」などのニュータイプ焼酎の売上が引き続き減少したことに加え、「極上<宝焼酎>」は健闘いたしましたもののその他の飲用甲類焼酎が大幅に減少したため、甲類焼酎全体では売上は大きく減少いたしました。
以上の結果、焼酎全体の売上高は前期比93.4%の65,977百万円となりました。
清酒
国内清酒市場は年々消費量が減少する厳しい状況となっておりますが、宝酒造株式会社では、清酒の復権に向けて常に新しい試みを実践しております。なかでも“松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒”は、ほどよい酸味とほんのり甘い味わい、爽やかな泡立ちが楽しめる新感覚の清酒として発売以来好評を博しておりましたが、昨年9月の販売ルート拡大により爆発的に売上を伸ばしました。一方、松竹梅「天」は収納しやすく捨てやすい「エコパウチ」が好調に推移したものの減少いたしました。
この他、業務用専売の松竹梅「豪快」の好調もあり、宝酒造株式会社では清酒カテゴリー3期連続の増収となりました。
また、海外でもTAKARA SAKE USA INC.(米国)が円安の影響も含め、順調に売上を伸ばしました。
以上の結果、清酒全体の売上高は前期比108.2%の23,513百万円となりました。
ソフトアルコール飲料
ソフトアルコール飲料でも当社独自の技術により、これまでにないジュレ感を実現した新感覚のリキュール「果莉那-Carina-」を昨年3月新発売いたしました。
ドライ系チューハイでは、ドライな味わいと飲みごたえが好評な「焼酎ハイボール」が引き続き大きく売上を伸ばし、ソフトアルコール飲料全体を牽引しております。
この他、昨年3月に新発売いたしました、すりおろしたような果汁感が特長の「すりおろし」は順調に売上を伸ばしましたが、元祖辛口缶チューハイの「タカラcanチューハイ」や果実を直搾りしたストレート混濁果汁のチューハイ「直搾り」は減少いたしました。
以上の結果、新製品の寄与に加え「焼酎ハイボール」の好調により、ソフトアルコール飲料の売上高は前期比103.9%の26,772百万円となりました。
その他酒類
国内では株式会社ラック・コーポレーションの販売する輸入ワインが好調に推移し、海外でも、AGE INTERNATIONAL,INC.(米国)がバーボンウイスキーの売上を、THE TOMATIN DISTILLERY CO.LTD(英国)がスコッチウイスキーの売上をそれぞれ伸ばしましたので、その他酒類の売上高は前期比113.9%の12,583百万円となりました。
以上の結果、酒類合計の売上高は前期比99.7%の128,846百万円となりました。
(調味料)
宝酒造株式会社では、家庭用、業務用に加え、今後ますます伸長が予想される加工・惣菜メーカーへの積極的対応を図りました。
家庭用では「料理のための清酒」の食塩ゼロ訴求を通じて、加塩料理酒との差異化を図るとともに、タカラ本みりん「醇良」とあわせ、収納しやすく捨てやすい「エコパウチ」の拡大を図りました。また、加工・惣菜メーカー向けでは、こうじ調味料「お肉やわらか上手」などユーザーの視点に立ち、ユーザーの課題に対応するべく商品の開発をいたしました。その結果、料理清酒や食品調味料は好調に推移し、みりんも前年を上回りましたので、調味料の売上は増加いたしました。
海外でも、米国が好調に推移し、中国でも円安の影響により円換算では増加いたしました。
以上の結果、調味料全体の売上高は前期比105.1%の23,532百万円となりました。
(原料用アルコール等)
原料である粗留アルコール価格の高騰が続くなか、難しい価格政策、販売戦略を強いられましたが、粘り強く価格改定を実施いたしました。しかしながら、工業用アルコールの減少により、原料用アルコール等の売上高は前期比99.7%の6,899百万円となりました。
(物流)
物流事業では外部売上の増加に加え、積極的に周辺分野への多角化に取り組んだことにより、工事部門の売上が大幅に減少したものの、その売上高は前期比101.8%の12,384百万円となりました。
(その他)
その他では、海外日本食材卸事業の売上が、昨年9月に新たに連結子会社となったTAZAKI FOODS LTD.(英国)の売上が新たに加わったこと、FOODEX S.A.S.(仏国)の売上が、円安の影響も含め増加したことにより大幅に増加し、その他の売上高は前期比168.8%の10,644百万円となりました。
以上の結果、宝酒造グループ全体の売上高は、主力の焼酎の減少にもかかわらず、清酒の好調や、海外日本食材卸事業の増加などにより、前期比103.0%の182,306百万円となりました。利益面では原材料価格の高騰もあり売上原価率が上昇したため、売上原価は前期比103.8%の116,619百万円となり、売上総利益は前期比101.7%の65,686百万円となりました。販売費及び一般管理費は、人件費や運送費が増加したため、広告宣伝費の削減はありましたが、前期比102.0%の59,357百万円となりました。以上の結果、営業利益は前期比99.1%の6,329百万円と若干の減益となりました。
〔タカラバイオグループ〕
タカラバイオグループでは長年培われたバイオテクノロジーを活用し、遺伝子工学研究事業、遺伝子医療事業、医食品バイオ事業の3つの領域に経営資源を集中し、業績の向上に努めました。
遺伝子工学研究事業
バイオテクノロジー関連分野の研究開発活動がますます広がりをみせるなか、こうした研究開発活動を支援する製品・商品やサービスを中心に展開する当事業をコアビジネスと位置づけております。
当事業の品目別売上の状況は、主力製品である研究用試薬は、円安の影響もあり、前期比で増加いたしました。理化学機器は、質量分析装置等の売上が増加し、前期比で増加いたしました。また、研究受託サービス等の売上は、前期比で増加いたしました。
以上の結果、当事業の売上高は前期比118.5%の20,140百万円と増収となりました。
遺伝子医療事業
当事業では、最近の急速な細胞生物学の進歩によって基礎研究と臨床応用の距離がますます短くなり、再生医療の実用化が急速に進むなかで、細胞医療用培地・バッグの販売や、がん免疫細胞療法を実施する医療機関への技術支援サービス事業等を展開しております。これらに加え、高効率遺伝子導入技術レトロネクチン法、高効率リンパ球増殖技術であるレトロネクチン拡大培養法およびRNA分解酵素等の自社技術を利用した、がんとエイズの遺伝子治療・細胞医療の早期商業化にも注力しております。
当事業の売上高は、細胞医療用培地・バッグの売上が好調に推移し、前期比122.7%の1,522百万円と大幅な増収となりました。
医食品バイオ事業
当事業では、食から医という「医食同源」のコンセプトに基づき、独自の先端バイオテクノロジーを駆使して日本人が古来常食してきた食物の科学的根拠を明確にした機能性食品素材の開発、製造および販売を行っており、ガゴメ昆布フコイダン関連製品、ボタンボウフウイソサミジン関連製品、明日葉カルコン関連製品、寒天アガロオリゴ糖関連製品およびキノコ関連製品等を中心に事業を展開しております。
当事業の売上高は、健康食品の売上が前期比で増加いたしましたが、キノコ関連製品の売上が前期比で減少いたしましたので、前期比96.4%の2,242百万円と減収となりました。
以上の結果、タカラバイオグループの売上高は前期比116.2%の23,905百万円となりました。売上原価は、売上高の増加に伴って前期比118.8%の11,331百万円となりましたので、売上総利益は前期比114.1%の12,574百万円となりました。販売費及び一般管理費は、人件費や研究開発費の増加により前期比113.8%の10,619百万円となりましたので、営業利益は前期比115.5%の1,954百万円と増益となりました。
〔宝ヘルスケア〕
宝ヘルスケアでは、タカラバイオ株式会社の技術を生かした健康食品における通信販売網の構築を最優先の課題として売上拡大を図り、今後の飛躍的な成長に向けて事業基盤の確立に取り組んでおります。当期は、フコイダンを中心とするヘルスケア事業は増収となりましたが、茶飲料PB供給事業の終了により、売上高は前期比70.9%の1,424百万円となりました。
利益面では、茶飲料PB供給事業の終了に伴い、利益率の高いヘルスケア事業の比率が高まったため、原価率は大幅に改善しましたが、売上減により売上総利益は前期比96.8%の749百万円となりました。販売費及び一般管理費は、各費目で削減に努めた結果、前期比91.4%の728百万円となりましたので、営業損益は前期に比べ43百万円改善し、会社設立以来初の営業利益21百万円を計上いたしました。
〔その他〕
その他のセグメントは印刷事業などの機能会社グループであり、売上高は前期比102.1%の7,598百万円、営業利益は前期比153.9%の310百万円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益18,642百万円、減価償却費4,287百万円、たな卸資産の増加2,405百万円、関係会社株式売却益9,261百万円、法人税等の支払額3,536百万円などで7,233百万円の収入と前期に比べ734百万円の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出8,322百万円や関係会社株式の売却による収入12,241百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出5,743百万円のほか、有価証券の取得による支出、投資有価証券の取得による支出などにより12,254百万円の支出となり、前期に比べ8,582百万円の支出増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還による支出5,000百万円、自己株式の取得による支出1,521百万円、配当金の支払額1,827百万円などがありましたが、少数株主からの払込みによる収入11,419百万円がありましたので2,562百万円の収入となり、前期に比べ1,332百万円の収入増加となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物に係る換算差額を含めた当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末より679百万円減少し34,608百万円となりました。
(1)生産実績
当連結会計年度(平成25年4月1日~平成26年3月31日)における生産実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
|
品種 |
||
|
宝酒造グループ |
|
|
|
|
|
焼酎 |
67,578 |
96.9 |
|
|
清酒 |
23,456 |
109.7 |
|
|
ソフトアルコール飲料 |
27,546 |
104.3 |
|
|
その他酒類 |
7,172 |
107.8 |
|
|
酒類計 |
125,753 |
101.3 |
|
|
本みりん |
14,823 |
101.5 |
|
|
その他調味料 |
8,581 |
109.2 |
|
|
調味料計 |
23,405 |
104.2 |
|
|
計 |
149,158 |
101.7 |
|
タカラバイオグループ |
10,670 |
125.6 |
|
|
報告セグメント計 |
159,828 |
102.6 |
|
|
その他 |
3,249 |
105.2 |
|
|
合計 |
163,077 |
102.7 |
|
(注)1.金額は酒税込み、消費税等抜きの販売価格によっております。
2.宝酒造グループの原料用アルコール等は、大部分が酒類等の原料として使用されていること、また、販売実績に対応する生産実績を正確に把握することが困難であることから記載を省略しております。
3.宝酒造グループの物流は、物流サービスの提供が主要な事業のため、記載を省略しております。
4.宝ヘルスケアは、茶飲料PB供給事業が終了し、生産に該当する事項がなくなったため、当連結会計年度より記載しておりません。
(2)受注状況
受注生産はほとんど行っておりません。
(3)販売実績
①品種別販売実績
当連結会計年度(平成25年4月1日~平成26年3月31日)における販売実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
|
品種 |
||
|
宝酒造グループ |
|
|
|
|
|
焼酎 |
65,977 |
93.4 |
|
|
清酒 |
23,513 |
108.2 |
|
|
ソフトアルコール飲料 |
26,772 |
103.9 |
|
|
その他酒類 |
12,583 |
113.9 |
|
|
酒類計 |
128,846 |
99.7 |
|
|
本みりん |
14,886 |
102.3 |
|
|
その他調味料 |
8,645 |
110.4 |
|
|
調味料計 |
23,532 |
105.1 |
|
|
原料用アルコール等 |
6,899 |
99.7 |
|
|
物流 |
12,384 |
101.8 |
|
|
その他 |
10,644 |
168.8 |
|
|
計 |
182,306 |
103.0 |
|
タカラバイオグループ |
23,905 |
116.2 |
|
|
宝ヘルスケア |
1,424 |
70.9 |
|
|
報告セグメント計 |
207,636 |
104.1 |
|
|
その他 |
7,598 |
102.1 |
|
|
セグメント計 |
215,235 |
104.0 |
|
|
事業セグメントに配分していない収益およびセグメント間取引消去 |
△5,667 |
- |
|
|
合計 |
209,568 |
104.3 |
|
(注)販売金額には酒税を含んでおりますが、消費税等は含まれておりません。
②相手先別販売実績
主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成24年4月1日 至 平成25年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
国分株式会社 |
34,580 |
17.2 |
34,621 |
16.5 |
|
日本酒類販売株式会社 |
21,975 |
10.9 |
21,225 |
10.1 |
|
三菱食品株式会社 |
22,595 |
11.2 |
- |
- |
(注)1.販売金額には酒税を含んでおりますが、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度の三菱食品株式会社については、総販売金額に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。
(1)対処すべき課題
国内では少子化・高齢化が進行し、総人口も減少に転じております。また一時の行き過ぎた円高は改善され、企業業績も回復しつつありますが、円安は輸入原材料価格の上昇につながり、消費者物価を押し上げる要因となり内需への影響が懸念されます。一方、景気回復の実感とともに、企業間のばらつきはあるものの賃上げも実施され、個人消費は底堅い動きを見せておりますが、消費税増税の影響もあり、消費マインドが回復したとは言い切れない状況にあります。
一般消費財の製造販売を中核事業とする当社グループにとって、消費人口の減少により、販売競争がさらに激化することが予想されます。また、競合は酒類業界だけでなく全業種間の競争となりますが、その厳しい状況のなかで勝ち残っていくという課題に直面しております。さらに、円安の影響による輸入原材料の高騰や燃料コストの増加が懸念されますが、低価格訴求競争が続く現状では、コストの上昇をそのまま製品価格に転嫁しにくく、企業収益を圧迫する恐れがあります。
一方海外では、先進国での健康志向の高まりによる和食の広がりや、新興国の経済成長による消費の活性化も期待され、日本食市場のさらなる拡大が見込まれます。加えて、「和食」のユネスコ無形文化遺産への登録や2020年オリンピックの東京開催により、「日本」や「和」といったものが注目される傾向もあります。
また、再生・細胞医療分野では政府による開発支援の動きもあり、当社グループにとって成長を見込める機会も数多く存在しています。
当社グループではこのような情勢のなか、2020年度末までの長期経営ビジョン「TaKaRaグループ・ビジョン2020」を策定し、環境変化に強いバランスのとれた事業構造を確立することで持続的成長を目指してまいります。また、その実行計画の第1ステップとしての「TaKaRaグループ中期経営計画2013」を終了し、本年より第2ステップである「TaKaRaグループ中期経営計画2016」をスタートさせます。
「TaKaRaグループ中期経営計画2016」の概要につきましては、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)中長期的な経営戦略」をご参照下さい。
当社は持株会社として、これらの課題の解決に向け、グループ経営基盤の強化、風土・人財の育成、社会・環境行動の推進などを通じて、事業方針に沿ったグループ経営を実践し、当社グループの企業価値向上のため邁進してまいります。
(2)株式会社の支配に関する基本方針について
当社は、平成19年6月28日開催の当社第96回定時株主総会における株主の皆様のご承認により、当社取締役会の事前の賛同を得ずに行われる「当社株券等の大規模な買付行為に対する対応方針(以下「本プラン」といいます。)」を導入いたしました。その後、平成22年6月29日開催の当社第99回定時株主総会において、本プランの一部変更および継続について株主の皆様のご承認をいただきましたが、本プランの有効期間は、平成25年6月27日開催の当社第102回定時株主総会の終結時までとなっておりました。
そこで、当社は、平成25年5月9日開催の当社取締役会において、本プランを継続する旨の決議を行い、同日公表いたしました。以下はその全文であり、平成25年5月9日現在の記述であります。
なお、文中の株主総会の承認を前提とする記述に関しましては当社第102回定時株主総会で承認されております。
1. 当社の株主共同の利益の確保・向上に関する取り組み
(1)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」といいます。)
当社は、上場会社として、当社株式の売買は原則として市場における株主及び投資家の皆様の自由な判断に委ねるべきものであると考えており、当社株式を取得することにより当社の経営支配権を獲得しようとする者に対して、株主の皆様が、当社株式の売却を行うか否かについても、最終的には当社株式を保有する株主の皆様の判断によるものと考えております。
また、当社は、特定の株主グループが当社の経営支配権を取得することになったとしても、そのこと自体により直ちに企業価値、ひいては、株主の皆様の共同の利益(以下、単に「株主共同の利益」といいます。)が害されるということはなく、反対に、それが結果的に当社の株主共同の利益の最大化に資することもあり得るため、そのような場合であれば、特定の株主グループが当社の経営支配権を取得することを拒むものではありません。
一方で、当社及び当社グループ(以下、総称して「当社グループ」といいます。)は、「自然との調和を大切に、発酵やバイオの技術を通じて人間の健康的な暮らしと生き生きとした社会づくりに貢献します」という企業理念の下、日本伝統の酒造りの発酵技術と最先端のバイオ技術の革新を通じて、食生活や生活文化、ライフサイエンスにおける新たな可能性を探求し、新たな価値を創造し続けることによって、社会への貢献を果たしてまいりました。
また、グループとしての企業価値の向上を一層追求するため、平成14年には、酒類・食品事業(現:酒類・調味料事業)を主たる事業領域とする宝酒造グループと、バイオ事業を主たる事業領域とするタカラバイオグループを傘下に置く持株会社体制に移行しました。その後、平成18年には、宝酒造グループの機能性食品事業とタカラバイオグループの健康志向食品事業とのシナジーを最大化するため、グループ内の事業を再編し、健康食品事業を推進する宝ヘルスケア株式会社を設立しました。このように、当社は持株会社として、それぞれの事業会社グループの独自性と自立性を確保しながら、グループ全体の経営を調整、統括することにより、最大限の事業成果を追求してまいりました。このような取り組みを通じて、当社グループは、酒類・調味料事業を安定的な収益基盤とし、バイオ事業と健康食品事業という有望な将来性のある成長事業を有する独自の強固な事業ポートフォリオを築いてきましたが、この事業ポートフォリオをベースに、国内はもとより海外においても事業を伸ばし、さらに環境変化に強いバランスのとれた事業構造を確立するため、平成23年には、10年間の長期経営ビジョン「TaKaRaグループ・ビジョン2020」を策定しました。「TaKaRaグループ・ビジョン2020」では、「国内外の強みを活かせる市場で事業を伸ばし、環境変化に強いバランスのとれた事業構造を確立する」ことを経営目標に、技術に裏付けられた安心・安全な商品やサービスを世界中にお届けするとともに、医療の進歩に貢献し、世界の人々の暮らしを豊かなものにしていくことを通じて、当社グループの企業価値の向上を目指しております。
以上のような状況において、当社は、当社グループの経営にあたっては、事業会社グループの主たる事業である酒類・調味料事業とバイオ事業、健康食品事業という異なるビジネスモデルを持つ各事業に関する高度な専門知識と豊富な経験が必要であり、また、当社グループをとりまく国内外のあらゆるステークホルダーとの間に築かれた信頼関係が不可欠であると考えております。これらの諸要素こそが、当社グループの企業価値の源泉となっているため、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、将来にわたる株主共同の利益の確保、向上を追求する前提において、このような関係性を十分理解する必要があると考えております。
また、当社株式を大規模に買付け、当社の経営支配権を獲得しようとする者の中には、真に会社経営に参加する意思がないにもかかわらず、ただ株価をつり上げて、高値で株式等を会社関係者に引き取らせる目的で買付けを行う者(いわゆるグリーンメイラー)等の濫用目的を持って当社株式を取得しようとしていると考えられる者や、最初の買付けで全株式の買付けの勧誘をすることなく、二段階目の買付条件を不利に設定し(あるいは明確にしないで)、買付けを行うことにより、当社株主の皆様に事実上売却を強要しようとする者(いわゆる二段階強圧的買収)等、株主共同の利益を害することが明らかな者が含まれている場合もありますが、そのような者が、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者となることが適当でないことは、明白であると考えております。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方について以上のように考えており、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として相応しくない者が現れた場合に対する一定の備えを設ける必要があると考えております。
(2)基本方針に則って当社が取り組んでいる将来にわたる株主共同の利益の向上策
当社グループは、基本方針を実現するために、「酒類・調味料事業で安定的な収益をあげ、健康食品事業を将来の成長事業に育成し、バイオ事業(特に遺伝子医療事業)で大きく飛躍する」という方向性に基づいて事業を推進し、企業価値の持続的な向上に取り組んでおります。
なお、各事業の主な戦略は以下のとおりです。
●酒類・調味料事業(宝酒造グループ):
持続的に安定した利益を創出し、当社グループの確固たるキャッシュフローを下支えする事業として、国内における収益力の強化に努める。同時に、海外において積極的に事業拡大を図る。
●バイオ事業(タカラバイオグループ):
タカラバイオグループの収益基盤である遺伝子工学研究事業のさらなる事業拡大を進めるとともに、医食品バイオ事業を第2の収益事業へと育成する。同時に、これらの事業から得た収益を遺伝子医療事業に投入し、遺伝子治療の商業化に向けた臨床開発プロジェクトを積極的に推進することで将来キャッシュフローの最大化を目指す。
●健康食品事業(宝ヘルスケア株式会社):
タカラバイオの研究に裏付けられた健康食品および健康食品素材について、通信販売やBtoB市場における売上拡大を図り、将来の成長事業として確立できるよう、事業基盤の構築を進める。
また、当社グループは、企業としての社会的責任を果たし、当社グループを取り巻く様々なステークホルダーから信頼されることによって、持続的な企業価値の向上が可能になると考えています。このような認識の下、当社グループでは、コーポレート・ガバナンスの充実を重要な経営課題と捉え、以下の体制を敷いております。
具体的には、平成25年5月9日現在、当社は、9名の取締役(うち1名は会社法第2条第15号に定める社外取締役)で構成される取締役会のほか、監査役制度を採用しております。5名の監査役のうち3名は会社法第2条第16号に定める社外監査役であり、当社の監査役は、取締役会等の重要会議への出席や重要書類の調査を通じて、取締役の意思決定状況や職務執行の適法性を監査しています。また、経営環境への迅速な対応、取締役の経営責任の明確化のために、取締役の任期は1年としております。なお、平成25年5月9日現在、社外取締役1名及び社外監査役2名の計3名を独立役員として指定しております。
以上のとおり、当社グループは、将来にわたり株主共同の利益を最大化するために、基本方針に則った取り組みに基づき、日々の事業活動を行っております。
2. 本プラン導入・継続の目的
当社は、前記1.(1)のとおり、株主共同の利益を確保し、又は向上させるために基本方針を設けているところ、基本方針に照らして相応しくない者によって、財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、もって、株主共同の利益を確保し、又は向上させることを目的として、当社取締役会の事前の賛同を得ずに行われる当社株券等の大規模な買付行為に対する対応方針(以下「本プラン」といいます。)を策定することが望ましいと考えております(本プランの概要図は、別紙1をご参照願います。)。
また、株主の皆様が、当社取締役会の事前の賛同を得ずに一定程度の経営支配権の異動が生じ得るような買付行為が行われる場合において、当該買付行為に応じて当社株式を売却するか否かの判断を行う際には、必要十分な情報の提供を受け、かつ、一定の検討期間が確保された熟慮の上で意思決定を行うことが可能となる体制を確保することが、株主共同の利益を確保し、又は向上することに資するものと考えております。
さらには、特定の株主グループの買付行為に対して対抗措置(詳細は、後記3.(4)をご参照願います。)の発動を行う場合には、当社取締役会による恣意的な判断を可及的に排除するため、大規模買付者(後記3.(1)において定義します。)が大規模買付ルール(後記3.(1)において定義します。)を遵守しなかった場合を除き、対抗措置発動の是非を株主の皆様にご判断いただくこととし、当社株主総会を開催し、新株予約権無償割当てに関する事項の決定に係る議案をお諮りすることとします。このように、対抗措置の発動にあたって株主の皆様の意思を反映することは、株主共同の利益の確保、又は向上に資するものと考えております。
このような考えに基づき、当社は、平成19年5月15日開催の当社取締役会において、本プランの内容を決議し、同年6月28日開催の当社第96回定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただき、本プランを導入しました。
その後、平成22年6月29日開催の当社第99回定時株主総会において、本プランの継続をご承認いただいて以降、平成25年5月9日現在までの間に、当社の経営支配権を獲得しようとしているか否かに関わらず、本プランの適用可能性があるような、当社株式を大規模に買付け、又は買付けようとする者の存在を特に認識してはおりませんが、将来において、そのような者が現れる可能性は依然として否定できません。
そこで、株主共同の利益を害する買付行為から株主共同の利益を保護し、当社株主の皆様が、経営支配権の異動が生じ得る場面において、必要十分な情報及び一定の検討期間に基づいて、ある買付行為に応じて当社株式を売却するか否かを判断すること及び当該買付行為に対して対抗措置を発動することの是非を判断することができるよう、本プランを継続します。
3. 本プランの内容
(1)本プラン適用の要件
本プランは、特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20パーセント以上とすることを目的とする当社株券等(注3)の買付行為又は結果として特定株主グループの議決権割合が20パーセント以上となるような当社株券等の買付行為(以下、総称して「大規模買付行為」といいます。なお、当社取締役会が事前に賛同の意思を表明した買付行為については、大規模買付行為に該当しないこととします。)に対して、適用されるものとします。
本プランが適用される場合、大規模買付行為を行おうとする者(以下「大規模買付者」といいます。)は、本プランに定められた以下の大規模買付行為に関するルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を遵守しなければならないものとします。
(注1) 「特定株主グループ」とは、①当社の株券等(金融商品取引法(昭和23年4月13日法律25号。その後の改正を含む。以下同じとします。)第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第1項に規定する保有者をいい、同条第3項に基づき保有者に含まれる者及び当社取締役会がこれに該当すると認めた者を含みます。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者及び当社取締役会がこれに該当すると認めた者を含みます。)、又は②当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所金融商品市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者及び当社取締役会がこれに該当すると認めた者をいいます。)を意味し、以下同じとします。
(注2) 「議決権割合」とは、①特定株主グループが、前記(注1)の①の記載に該当する場合は、当社の株券等の保有者の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます。)も計算上考慮されるものとします。)をいい、②特定株主グループが、前記(注1)の②の記載に該当する場合は、当社の株券等の買付け等を行う者及びその特別関係者の株券等所有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。)の合計をいい、以下同じとします。
(注3) 「株券等」とは、金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等又は同法第27条の2第1項に規定する株券等のいずれかに該当するものを意味し、以下同じとします。
(2) 大規模買付ルールの内容
ア 大規模買付ルールの設定
当社が、大規模買付者に対して、遵守を要請するものとして設定する大規模買付ルールは、以下のとおりです。
① 大規模買付者は、当社取締役会に対して、事前に大規模買付行為に関する必要十分な情報を提出すること
② (a)すべての大規模買付者は、検討期間開始日(後記イにおいて定義します。以下、同じとします。)から30営業日を上限とする当社取締役会による買付提案(後記イにおいて定義します。以下、同じとします。)の評価検討が終了するまでは、大規模買付行為を開始してはならないこと
(b)検討期間開始日から30営業日を上限とする当社取締役会による評価検討の結果、当社取締役会が、対抗措置発動の必要性・相当性があり、対抗措置の発動を株主の皆様にご判断いただく必要があると判断し、その旨を決議し、公表した場合(以下、公表を行った日を「検討期間終了日」といいます。)、当該買付提案を行った大規模買付者については、新株予約権の無償割当てに関する事項の決定に係る議案を付議するために検討期間終了日から60営業日以内に開催される当社株主総会(以下「株主意思確認株主総会」といいます。なお、事務手続上の理由から、検討期間終了日から60営業日以内に株主意思確認株主総会を開催できない場合は、遅滞なく準備を進め、事務手続上可能かつ合理的な最も早い営業日において開催するものとします。)が終了するまでは、大規模買付行為を開始してはならないこと
イ 大規模買付ルール①について
本プランが適用される場合、大規模買付者は、まず、大規模買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先及び大規模買付者の行う大規模買付行為(以下「買付提案」といいます。)の概要並びに大規模買付ルールを遵守する旨を記載した当社所定の意向表明書(以下「意向表明書」といいます。)を当社取締役会に提出しなければならないものとします。
当社取締役会は、当社株主の皆様の判断のために必要と認められる場合には、大規模買付者から意向表明書を受領した旨を適当であると判断する時期及び方法により公表するものとします。
当社取締役会は、かかる意向表明書を受領した日の翌日から5営業日以内に、大規模買付者に対し、当社取締役会が大規模買付者に提出を求める、大規模買付者及びそのグループ並びに買付提案等に関する情報(以下「必要情報」といいます。)を、以下の(a)乃至(j)に規定する大項目からなるリスト(以下「必要情報リスト」といいます。)として交付します。
なお、必要情報リストに基づいて、当社取締役会が大規模買付者に対して提出を求める情報は、当社株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要な情報に限定されるものとします。
大規模買付者は、必要情報リストに記載された必要情報を書面にて(外国語によって作成された書面を提出する場合には、全文について日本語訳を添付しなければならないものとし、かつ、日本語の書面をもって正本とみなします。)、当社取締役会に提出しなければならないものとします。なお、ここで提出を受けた必要情報については、後記(3)ア(イ)のとおり、株主意思確認株主総会が開催される場合の招集通知に記載することとしますが、その際、招集通知に記載することができる文字数の上限は、原則として5,000字とします。
(a) 大規模買付者及びそのグループに関する事項
(b) 買付提案の目的
(c) 大規模買付者及びそのグループのそれぞれの当社株券等の所有状況及び取引状況
(d) 買付提案の買付条件(買付期間、買付価格及び買付予定数等)及び買付方法
(e) 当社株券等の取得に関する許可等(ある場合のみ)
(f) 当社株券等の買付価格の算定根拠
(g) 買付資金の調達方法
(h) 当社株券等を買付けた後の当社グループの経営方針及び事業計画等
(i) 当社株券等を買付けた後の当社グループの従業員の処遇、取引先、顧客、地域社会等の当社の利害関係者との関係
(j) コーポレート・ガバナンスへの取り組み及び考え方
大規模買付者から情報が提出された場合、当社取締役会は、弁護士、公認会計士及び投資銀行等の公正な外部専門家(以下「外部専門家」といいます。)の意見、助言等も参考にして、大規模買付者から提出された情報が当社株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要情報として十分であるか否かについての検討を行い、必要情報として十分ではないと判断した場合には、大規模買付者に対して、改めて必要な情報を提出するよう求めるものとします。
当社取締役会は、当社株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要情報として十分な情報が提出された日を検討期間(後記ウにおいて定義します。以下、同じとします。)の開始日(以下「検討期間開始日」といいます。)として、買付提案についての検討を開始します。なお、検討期間開始日は、必要情報リストに基づいて大規模買付者から最初の情報提供があった日(以下「初回情報提供日」といいます。)から最大30営業日以内とし、必要情報として十分な情報が揃わない場合であっても初回情報提供日から30営業日が経過したときは、直ちに検討期間を開始するものとします。また、初回情報提供日から30営業日が経過する前であっても、必要情報として十分な情報が提出された場合には、直ちに検討期間を開始するものとします。
当社取締役会は、検討期間を開始する場合には、大規模買付者に対してその旨を通知するとともに、当社株主の皆様の判断のために必要と認められる場合には、株主の皆様にその旨を適当であると判断する時期及び方法により公表するものとします。当社取締役会は、提出を受けた必要情報のうち、株主の皆様の意思決定に資するものと判断した情報については、適宜、当社取締役会が適当であると判断する方法により公表するものとします。
なお、大規模買付者から提出された必要情報に、重大な虚偽の記載が含まれていた場合には、後記(3)イに定める大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合と同様の措置をとることができるものとします。
ウ 大規模買付ルール②について
大規模買付者は、当社取締役会が、買付提案の評価検討を行う期間である検討期間開始日から最大30営業日以内の間(以下「検討期間」といいます。)は大規模買付行為を開始してはならないこととします(大規模買付ルール②(a))。なお、検討期間の延長は行わないものとしますが、後記エのとおり、買付提案に変更があった場合には、変更買付提案(後記エにおいて定義します。以下、同じとします。)に係る必要情報として十分な情報の提出があった日をもって、変更買付提案に係る検討期間開始日として、新たな検討期間を設けるものとします。かかる場合には、変更前の買付提案に係る検討期間開始日から30営業日を越えて検討を行うことがあります。
当社取締役会は、検討期間の間、大規模買付者から受領した必要情報及び当社取締役会が独自に入手した情報に基づいて、買付提案が、当社の株主共同の利益を確保し、又は向上することに資するか否かを検討し、買付提案に対する対抗措置発動の必要性・相当性の有無を決議するものとします。この際、当社取締役会は、外部専門家からの意見、助言等も参考にすることとします。
当社取締役会は、当該決議が終了した場合には、決議の結果を、適宜、当社取締役会が適当であると判断する方法により速やかに公表するものとします(後記エに従って新たな検討期間が設定される場合を除き、検討期間開始日から最大30営業日以内に公表します。)。大規模買付者は、当社取締役会が、対抗措置発動の必要性・相当性がなく、対抗措置の発動を株主意思確認株主総会に付議する必要がないと判断し、その旨の決議を行った場合には、決議の結果が公表された日の翌日以降、大規模買付行為を開始することができます。
これに対し、当社取締役会が、買付提案が、当社の株主共同の利益を確保し、又は向上することに資するものではないとして、対抗措置を発動する必要性・相当性があると判断し、その旨の決議が行われた場合には、大規模買付者に対して対抗措置を発動するか否かの判断を株主の皆様に行っていただくために、株主意思確認株主総会を開催するものとします。株主意思確認株主総会を開催する場合には、当社取締役会の決議に基づいて一定の基準日を設定して議決権を行使することができる株主の皆様を確定することとします。なお、株主意思確認株主総会は、検討期間終了後60営業日以内に開催されるものとしますが、事務手続上の理由から60営業日以内に開催できない場合は、遅滞なく準備を進め、事務手続上可能かつ合理的な最も早い営業日において開催するものとします。大規模買付者は、当社取締役会が、株主意思確認株主総会を開催することとした場合、当該株主意思確認株主総会が終了するまでは、大規模買付行為を開始することができないものとします(大規模買付ルール②(b))。
エ 買付提案が変更された場合
大規模買付者は、買付提案の変更を行う場合(以下、かかる変更後の買付提案を「変更買付提案」といいます。)、変更買付提案に係る必要情報を当社取締役会に提出しなければならないものとします。
当社取締役会は、当社株主の皆様の判断のために必要と認められる場合には、変更買付提案を受領した旨を適当であると判断する時期及び方法により公表するものとします。
当社取締役会は、外部専門家の意見、助言等も参考にして、大規模買付者から提出された変更買付提案に係る情報が必要情報として十分であるか否かを検討し、変更買付提案に係る情報が、当社株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために十分ではないと判断した場合には、大規模買付者に対して、改めて変更買付提案に係る必要な情報の提出を求めるものとします。
この場合、変更前の買付提案に係る検討期間が開始されているか否かにかかわらず、変更買付提案に係る必要情報として十分な情報の提出があった日をもって、変更買付提案に係る検討期間開始日として、前記ウに記載する検討期間を設けるものとします。
なお、変更買付提案に係る検討期間開始日は、大規模買付者から変更買付提案に係る最初の情報提供があった日から最大30営業日以内とします。
当社取締役会は、変更買付提案に係る検討期間を開始する場合には、大規模買付者に対してその旨を通知するとともに、当社株主の皆様の判断のために必要と認められる場合には、株主の皆様にその旨を適当であると判断する時期及び方法により公表するものとします。
変更買付提案に係る検討期間は、検討期間開始日から最大30営業日以内とし、当社取締役会は、変更買付提案に対する対抗措置発動の必要性・相当性の有無の判断に関する決議が終了した場合には、当該決議の結果を、適宜、当社取締役会が適当であると判断する方法により速やかに公表するものとします。
もっとも、検討期間開始日以降に買付提案が変更された場合であって、当社取締役会が、外部専門家の意見、助言等も参考にして、変更買付提案と変更前の買付提案とを比較して、変更前の買付提案から重要な変更がないと判断した場合には、変更買付提案に係る検討期間として新たな検討期間を設けず、従前の検討期間開始日を起算点とした検討期間が引き続き存続するものとします。
当社取締役会は、大規模買付者から提出された変更買付提案に係る必要情報のうち、株主の皆様の意思決定に資するものと判断した情報については、適宜、当社取締役会が適当であると判断する方法により公表することとします。
(3) 大規模買付者への対応
ア 大規模買付ルールが遵守された場合
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合、当社取締役会は、検討期間を設け、買付提案(以下、変更買付提案があった場合には、当該変更買付提案を含むものとします。)の内容等について評価検討を行うこととします。
(ア) 当社取締役会が対抗措置発動の必要性・相当性がないと判断した場合
当社取締役会による評価検討の結果、当社取締役会が、対抗措置発動の必要性・相当性がないと判断し、その旨の決議を行った場合には、前記(2)ウのとおり、決議の結果を公表するにとどめ、当社取締役会としては、特段の措置はとりません。株主の皆様におかれましては、当社取締役会が公表した決議の結果及び必要情報等に基づいて、当該買付提案に応じるか否かの意思決定を行っていただくことになります。
(イ) 当社取締役会が対抗措置発動の必要性・相当性があると判断した場合
当社取締役会は、前記1.(1)記載の基本方針に照らして、大規模買付者による買付提案の内容が株主共同の利益を害するおそれがあり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として相応しくないことが明白である場合には、大規模買付者に対する対抗措置発動の必要性・相当性があると判断し、その旨の決議を行います。この場合には、前記(2)ウのとおり、当社は、検討期間終了後原則として60営業日以内に株主意思確認株主総会を開催するものとし、当社取締役会としては、株主意思確認株主総会の招集手続を進めるとともに、株主の皆様への情報提供、代替案の提示及び株主の皆様に対する説得行為等を行います。ただし、大規模買付者が買付条件を変更したことにより、対抗措置発動の必要性・相当性がないと当社取締役会が判断した場合には例外的に株主意思確認株主総会の開催を中止することがあります。
株主意思確認株主総会においては、定款第12条に基づいて、大規模買付者への対抗措置としての新株予約権の無償割当てに関する事項に係る議案を付議します。株主の皆様により、新株予約権の無償割当てに関する事項に係る議案に賛成する旨の決議がなされた場合、当社取締役会は、直ちに対抗措置を発動することができるものとします。
これに対し、株主意思確認株主総会において、株主の皆様により、新株予約権の無償割当てに関する事項に係る議案に反対する旨の決議がなされた場合、当社取締役会としては、大規模買付ルールに基づく対抗措置の発動は行わないものとし、代替案の提示、株主の皆様に対する説得行為等を行うにとどめます。
なお、株主意思確認株主総会の招集に当たっては、原則として、招集通知に大規模買付者から提出を受けた日本語による情報を、原文のまま記載することとしますが、当社取締役会が特に認めた場合を除き、記載する文字数の上限は5,000字程度とし、大規模買付者から受領した情報の文字数がこれを上回る場合には、当社取締役会において、適宜、要約の上、記載することができるものとします。なお、招集通知の発送、印刷・封入作業等の事務手続上のスケジュールに鑑み、招集通知に記載する大規模買付者からの情報は、株主意思確認株主総会の開催日の8週間前までに当社に到達した情報に限られるものとします。それ以降に大規模買付者から提出された情報については、随時、当社ホームページに掲載するほか、当社取締役会が適当と認める方法により、適宜、公表します。ただし、当社ホームページに掲載する情報は、株主意思確認株主総会の開催日の3営業日前の17時までに当社に到達した情報までとします。
イ 大規模買付者がルールを遵守しなかった場合
大規模買付者が、必要情報を提出することなく、大規模買付行為を開始した場合又は大規模買付者が検討期間経過前、若しくは、株主意思確認株主総会が開催されることとなった場合に、当該株主意思確認株主総会における決議が終了する前に大規模買付行為を開始した場合等、大規模買付ルールを遵守しなかった場合、当社取締役会は、大規模買付ルールに明白に違反していることが明らかとなった時点で、直ちに、新株予約権の無償割当てを行うことにより、対抗措置を発動することができるものとします。
(4) 対抗措置の内容
当社取締役会は、対抗措置として、新株予約権の無償割当てを行うものとします。なお、対抗措置として行われる新株予約権の無償割当て時に、株主の皆様に割り当てられる新株予約権の概要は、後記(5)「新株予約権の概要」のとおりとします。
(5) 新株予約権の概要
対抗措置として、新株予約権の無償割当てが行われる場合に株主の皆様に割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の概要は、別紙2に規定するとおりです。なお、別紙2に規定する概要は、本新株予約権の割当てが行われる際の状況により、変更されることがあるものとします。
4. 株主及び投資家の皆様に与える影響等
(1) 本プランの導入時において株主及び投資家の皆様に与える影響
本プランは、導入時点において新株予約権の無償割当てを行うものではありませんので、導入時点では株主及び投資家の皆様の権利関係に影響はございません。
(2) 株主意思確認株主総会を開催する場合において株主及び投資家の皆様に与える影響
前記3.(3)ア(イ)のとおり、当社取締役会は、買付提案に対する対抗措置発動の必要性・相当性があると判断した場合には、株主意思確認株主総会を開催し、株主の皆様に対抗措置発動の是非をお諮りします。株主意思確認株主総会を開催する場合には、当該株主総会で議決権を行使できる株主の皆様を確定するために一定の日を基準日として公告しますので、基準日の最終の株主名簿に株主として記録される必要がある点にご留意下さい。
(3) 対抗措置の発動時において株主及び投資家の皆様に与える影響
対抗措置の発動として、本新株予約権の無償割当てがなされる場合には、割当基準日の最終の株主名簿に記録された株主の皆様に対して、その所有株式数に応じて本新株予約権が割り当てられることになります。割当てを受けた株主の皆様が、所定の行使期間内に、権利行使のために必要な手続を行わなかった場合、他の株主様による本新株予約権の行使により議決権比率及び経済的価値が低下することになります(ただし、当社普通株式を取得対価とした取得条項に基づく取得の結果として当社普通株式が交付される場合、議決権比率の低下は生じないことになります。)。
なお、当社は、本プランにおける対抗措置の発動に係る手続の過程において、当社取締役会の判断に基づいて、適宜、株主の皆様に必要な情報を公表しますが、例えば、大規模買付者が大規模買付行為を撤回した等の事情により、対抗措置を発動する必要がなくなった場合には、本新株予約権の無償割当てに関する決議後、本新株予約権の無償割当ての効力発生日より前までの間に、本新株予約権の無償割当てを中止し、又は本新株予約権の無償割当ての効力発生日以降、本新株予約権の行使期間開始日前日までの間に、当社が本新株予約権者に当社株式を交付することなく無償で本新株予約権を取得することがあります。これらの場合には、本新株予約権の無償割当てに係る権利落ち日以降に当社株式の価値が希薄化することを前提として当社株式の売買を行った株主又は投資家の皆様は、株価の変動により不測の損害が生じる可能性がありますので、十分ご注意下さい。
(4) 対抗措置の発動時において株主の皆様に必要となる手続
対抗措置の発動として、無償割当てによる本新株予約権の割当てがなされる場合、株主の皆様による申込みの手続は不要です。当社取締役会が定めた割当基準日における最終の株主名簿に記録された株主の皆様は、本新株予約権無償割当ての効力発生日において、当然に新株予約権者となります。
このように、新株予約権無償割当てにおいては、当社取締役会が別途定める割当基準日における株主の皆様に本新株予約権が無償にて割り当てられますので、株主の皆様におかれましては、割当基準日における株主名簿に株主として記録されている必要があります。
(5) 当社による本新株予約権の取得に伴って必要となる手続
当社が、法定の手続に従って、当社取締役会が定める一定の日において、本新株予約権を取得する際には、株主の皆様に、ご自身が大規模買付者に該当しないことを証する書面等の提出をお願いする場合がございます。
5. 本プランの合理性
(1) 買収防衛策に関する指針等の要件を充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日付けで公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定められた三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を完全に充足しており、企業価値研究会が平成20年6月30日付けで公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっております。また、会社法及び金融商品取引法等の各種法令、その他金融商品取引所が定める規則に合致しております。
(2) 株主共同の利益の確保・向上を目的として導入するものであること
本プランは、当社グループの株主共同の利益を確保し、又は向上させることを目的として導入するものであり、株主の皆様が、必要十分な情報及び一定の検討期間に基づいて、買付提案に応じるか否か、あるいは、対抗措置の発動に賛成するか否かをご判断できる仕組となっています。
(3) 株主の皆様の意思を反映するものであること
本プランは、平成19年6月28日開催の当社第96回定時株主総会において、株主の皆様により、新株予約権の無償割当ての決定機関に関する定款変更案及び新株予約権の無償割当てに関する事項の決定を当社取締役会に委任する旨の議案が承認されたことをもって導入されており、その導入に株主の皆様の意思が反映されています。また、平成22年6月29日開催の当社第99回定時株主総会において株主の皆様から新株予約権の無償割当てに関する事項の決定を当社取締役会に委任する旨の議案のご承認をいただき継続しております。さらに、今回の継続につきましても、平成25年6月27日開催予定の当社第102回定時株主総会において株主の皆様から新株予約権の無償割当てに関する事項の決定を当社取締役会に委任する旨の議案をご承認いただくことを条件としており、その継続にも株主の皆様の意思が反映される仕組となっております。また、実際に大規模買付者が登場した際に、大規模買付者に対して対抗措置を発動する場合には、株主意思確認株主総会において、その是非を株主の皆様にご判断いただくこととしており、株主の皆様の意思が十分に反映できる内容となっています。
(4) デットハンド型やスロー・ハンド型ではないこと
後記6.(2)のとおり、本プランは、取締役会の構成員の過半数が交代した場合には、廃止することができるものであり、いわゆるデットハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社の取締役の任期は1年となっており、いわゆるスロー・ハンド型(取締役の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止しにくい買収防衛策)の買収防衛策ではありません。
6. その他
(1) 本プランの有効期間
本プランの有効期間は、平成28年に開催される当社定時株主総会の終結の時までとします。その後も本プランを継続する場合には、平成28年に開催される当社定時株主総会において、改めて、株主の皆様に、本プランの継続の可否について判断していただくこととします。
(2) 本プランの改廃
本プランは、大規模買付者が当社の議決権の過半数を保有することとなったなどの事情により、当社取締役の過半数が交代した場合には、当社取締役会の決議に基づいて廃止することができるものとします。また、本プランは、当社株主総会の決議に基づいて廃止することができるものとします。
なお、法令の新設又は改廃により、本プランの内容、本プランに定める条項又は用語の意義等に修正を加える必要が生じた場合、当該新設又は改廃の趣旨を考慮の上、当社取締役会の決議に基づいて、適切な内容に改めることができるものとします。
以 上
別紙1 本プランの概要図
別紙2 新株予約権の概要
1.本新株予約権の割当ての対象となる株主等
当社取締役会又は当社株主総会が、別途定める一定の日(以下「割当基準日」といいます。)における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有株式1株につき1個の割合で本新株予約権を割り当てます。
2.本新株予約権の総数
割当基準日における最終の発行済株式総数から、同日において、当社の保有する自己株式を除いた数を上限とします。
3.本新株予約権の割当てが効力を生じる日
本新株予約権の割当てが効力を生じる日については、当社取締役会又は当社株主総会にて別途定めるものとします。
4.本新株予約権の目的である株式の種類及び数
本新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、本新株予約権1個当たりの目的である当社普通株式の数は1株とします。ただし、当社が株式の分割(株式の無償割当てを含みます。)又は併合等を行う場合には、当社取締役会又は当社株主総会が新株予約権無償割当て決議によって定める調整式による調整を行うものとします。
5.本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
本新株予約権の行使に際して出資される財産の価格は、本新株予約権の行使により交付される当社普通株式1株当たりの払込金額を1円以上で当社取締役会又は当社株主総会が定める額とし、これに本新株予約権の目的である株式の数を乗じた額とします。
6.本新株予約権の行使条件
大規模買付者及びその特定株主グループ並びに大規模買付者及びその特定株主グループから当社取締役会の承認を得ずに本新株予約権を取得又は承継した者(以下「大規模買付者等」といいます。)は、本新株予約権を行使できないものとします。
7.本新株予約権の譲渡による取得
本新株予約権の譲渡による取得には、当社取締役会の承認を要するものとします。
8.本新株予約権の行使期間
当社取締役会又は当社株主総会において定めるものとします。
9.本新株予約権の取得の条件
当社取締役会又は当社株主総会で定めるものとしますが、当社取締役会又は当社株主総会が別途定める日の到来をもって、当社が、全ての本新株予約権を無償で取得することができる旨の条項(取得条項)を付する場合があるものとします。
また、本新株予約権には、一定の事由が生じたことを条件として、当社が、当社普通株式を取得対価として本新株予約権を取得することができる旨の条項(取得条項)を付する場合があるものとします。当該取得条項については、大規模買付者等からは本新株予約権を取得しないとの条件を付する場合があるものとします。
10.本新株予約権に係る新株予約権証券の発行
新株予約権証券は、発行しないものとします。
11.その他
その他必要な事項については、新株予約権無償割当て決議において当社取締役会又は当社株主総会が定めるものとします。
以 上
以下において、当社グループの事業、その他においてリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。
なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存であります。なお、以下の記載事項は投資判断に関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意下さい。
記載中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成26年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)酒類・調味料事業及び同事業の事業環境等に係るリスク
①特定市場・特定商品への依存について
酒類・調味料事業の売上高の9割以上は、日本国内のものであり、その市場は、消費者の嗜好の変化の影響を受けやすいものであります。当社グループは、消費者の嗜好の変化を捉えた商品の開発や、他社商品と差異化を図った独創的な商品の開発に注力しておりますが、特に近年では消費動向の変化が加速しております。そのため、今後当社グループが消費者の嗜好や市場の変化を捉えた魅力的な商品を提供できない場合は、将来の成長性や収益性を低下させ、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また日本では、少子化、高齢化が進行し、すでに人口は減少局面に入ったと言われております。人口の減少が酒類の需要の減少を招いた場合には、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
②競合について
近年の酒類小売免許の規制緩和に伴い、流通構造は大きく変化し、競合各社の価格・製品戦略による圧力の高まり等、競争は激化しております。これらの競争が、当社グループにおいて進めております高付加価値商品の開発・育成や、ブランド力強化、流通業態の変化に対応した販売活動、そしてコストダウン等の戦略・施策で対応できないほどに激化する場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③製造に関する依存について
酒類製品の大部分は、宝酒造株式会社の伏見工場(京都市伏見区)および松戸工場(千葉県松戸市)で製造され、また当社グループは、それらの工場における製造ラインの拡大を行っております。従いまして、これらの地域において大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、当社グループの商品の生産、供給能力が著しく低下し、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの主要な原材料であるエチルアルコールは、消防法において第4類危険物(火災発生、拡大の危険性が大きく、消火の困難性が高いなどの性状を有する引火性液体)として指定されております。
④原材料価格の変動について
当社グループの原材料の調達については、調達先の国又は地域の天候や経済状況の影響を間接的に受ける可能性があります。焼酎等の原料である粗留アルコールは主に南米やアジア地域の、また清酒等の原料米は主に日本の天候、原料相場の影響を受けます。近年では、粗留アルコールの買入価格が上昇しており、原材料の調達価格の高騰は製造コストの上昇に繋がり、また市場の状況等により販売価格に転嫁できない場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤特有の法的規制について
酒類事業は、日本国内において酒類の製造免許、販売業免許、酒税等を定める酒税法の規制を受けております。当社グループは酒税法に基づき、販売業免許のほか、種類別、製造場ごとに所轄税務署長の製造免許を取得しております。今後の事業展開においても酒税法の規制を受けるほか、酒税の税率の変更によって酒類の販売価格、販売動向等に影響を受ける可能性があります。
⑥飲酒に対する社会的規制について
酒類は一般的に、適度な飲酒は疲労感を和らげ、食欲を増進させるなどの効果を持ち、適正な飲酒習慣はストレスを緩和し、人間関係を円滑にする役割を果たす一面を持つと言われておりますが、一方で、人々の健康の保持・向上という観点からの考慮を必要とする、他の一般物品にはない致酔性、慢性飲酒影響による臓器障害、アルコール使用障害、未成年者飲酒、妊娠している女性の飲酒を通じた胎児への影響といった種々の問題を有していることが指摘されております。当社グループでは、これらの指摘を認識したうえで、酒類の製造、販売を行う企業として、人々の健康を維持増進し、社会的責任を果たす観点から「節度ある適度な飲酒」を普及啓発する様々な取り組みを行っておりますが、これらのアルコールに関連する諸問題が社会的に一層深刻となった場合には、当社グループの製造・販売活動に何らかの影響、規制が及ぶ可能性があり、酒類事業の将来性、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)バイオ事業及び同事業の事業環境等に係るリスク
①研究開発活動について
バイオ事業においては、多岐にわたるバイオテクノロジー関連産業分野において広範囲にわたる研究開発活動を行っており、当社グループは、競争優位性を維持していくためにも、研究開発活動を非常に重要であると考え、積極的に研究開発費を投下しております。しかしながら、研究開発活動は計画通りに進む保証はなく、特に遺伝子医療事業における臨床開発については長期間を要しますので、十分な研究開発活動の成果が適時にあがる保証はないことから、研究開発活動の遅延により、当社グループの事業戦略や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、現在推進している研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、その結果、当社グループが計画する収益を上げられない可能性があります。
②競合について
バイオ事業の収益基盤であるバイオ産業支援事業において、当社グループのリアルタイムPCR(Polymerase chain reaction)法に関するライセンス契約は非独占的でありライセンスを保持している企業は多数あるため、競争はますます激化しております。また、理化学機器の製造販売には医療機器のような許可や承認を必要としないことから、参入は比較的容易であり、多数の競合企業が存在しております。また、がん免疫細胞療法などの細胞医療に関しては、疾患治療の目的だけでなく患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を改善することから、市場性が期待でき参入が相次いでおります。
遺伝子医療事業では、様々な遺伝子導入法や効率的なベクターが開発されてきており、遺伝子治療の対象疾患も先天性遺伝病・感染症・種々のがんから、致死的でない慢性疾患にまで広がり、大きな市場が望めるようになったことから、欧米のベンチャー企業を含め多数の企業が遺伝子治療の研究開発に取り組んでおります。
医食品バイオ事業においては健康食品ブームでもあり、その急拡大している市場を目指し、食品企業のみならず製薬企業まで多数の企業が参入しております。いわゆる表示義務の問題などから効能や効果の表現が難しいうえに、差異化のために実験データを販売促進に使用することができないため、新規参入が容易で競争はますます激化しております。
これらの市場環境の下、当社グループでは、新たな事業プロジェクトの立ち上げや研究開発段階にあるプロジェクトの早期の商業化に努めておりますが、他社が同様の製品や技術を当社グループより先に商業化した場合、あるいは当社グループが保有する技術より優れた技術を商業化した場合には、当社グループの事業計画、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③製造に関する依存について
バイオ産業支援事業における製品製造の大部分は、中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司で行っており、今後も依存度が高くなると考えております。従いまして、これらの地域において治安の悪化や大規模な地震、その他の操業を中断する事象が発生した場合、当社グループの商品の生産、供給能力が著しく低下し、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④特有の法的規制について
バイオ産業支援事業における研究開発を進めるにあたっては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律などの関連法規の規制を受けており、当社グループは当該法規制を遵守していく方針であります。また、試薬類の製造販売にあたっては、毒物及び劇物取締法など関連法規を遵守する必要がありますが、薬事法(名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に変更する薬事法等の一部を改正する法律が成立しておりますが、施行までの間は従来の名称を使用いたします。以下の文中においても、同様。)に定める医薬品ではないことから、同法の適用および規制は受けておりません。しかしながら、研究支援産業の拡大などに伴い、このような規制が強化されたり、新たな規制が導入された場合などにおいては、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
遺伝子治療や細胞医療の商業化は、薬事法など関連法規の規制を受けており、当社グループは当該法規制を遵守していく方針であります。これら薬事法など関連法規は、医薬品、医薬部外品、化粧品および医療機器の品質、有効性および安全性の確保を目的としており、商業活動のためには所轄官公庁の承認又は許可が必要になります。当社グループが遺伝子医療事業で研究開発を進めている個々のプロジェクトについて、かかる薬事法に基づく許認可が得られる保証はありません。
また、がん免疫細胞療法のような新しい療法については、今後、薬事法や医師法などの承認やその他規制が及ぶ可能性があり、このような規制が強化されたり、新たな規制が導入された場合などにおいては当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。
再生医療を推進するための基本法ともいえる再生医療推進法(再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律)が、平成25年4月26日に成立いたしました。また、薬事法等の一部を改正する法律および再生医療等の安全性確保等に関する法律が、平成25年11月20日に成立いたしました。
これらの政策や法律の改正が当社グループに及ぼす影響は、以下のとおりと想定しております。
1.政府の資金面の支援によって再生・細胞医療分野の研究開発が活発化することによる、基礎研究や臨床研究分野における当社製品の拡販
2.従来は医療機関に限られていた細胞の培養・加工が企業に解禁となり、当社グループがその業務の受託を行うことによる、遺伝子導入ベクター等のGMP(Good Manufacturing Practice、医薬品等の品質管理基準)製造受託や細胞加工支援事業の拡大
3.現在は主として自由診療等で行われている先端医療について、リスクに応じた安全性担保の仕組みが整備され、再生・細胞医療が普及することによる、当社グループの製品販売や受託ビジネスの拡大
4.新薬の早期承認制度導入による、当社グループが現在臨床開発を進めている遺伝子治療の商業化までの期間短縮
しかしながら、これらの政策や法律の改正が行われても、当初の想定どおり当社グループ製品の拡販などにつながらない可能性があります。また、新たな規制等が導入される可能性もあり、そのような場合には当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。
⑤知的財産権について
当社グループは、研究開発の成否がそのまま事業開発の成否につながるバイオテクノロジー関連産業において、特許その他の知的財産権の確保は非常に重要であると認識しており、競合他社を排除するために自社の技術を特許で保護しております。今後も研究開発を進めていくにあたり、特許出願を第一に考え対応していく方針ですが、出願した特許すべてが登録されるとは限らず、また登録特許が何らかの理由で無効となったり、期間満了などにより消滅した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、バイオテクノロジー関連産業においては、日々研究開発競争が繰り広げられており、当社グループが自らの技術を特許権により保護したとしても、当社グループの研究開発を超える優れた開発力により、当社グループの特許が淘汰される可能性は常に存在していると考えております。さらに、当社グループは今後の事業展開の中で、有望な他者特許については取得又はライセンスを受ける方針でありますが、このために多大な費用が発生したり、必要な他者特許が生じてもそのライセンスが受けられない可能性があります。
(3)グループ共通のリスク
①投資有価証券の減損処理について
当社グループでは、時価のある有価証券を保有しておりますが、時価が著しく下落した場合には、取得原価と時価との差額を当該期の損失とすることとなり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
②固定資産の減損処理について
当社グループでは、固定資産を保有しておりますが、固定資産の減損に係る会計基準の対象となる資産又は資産グループについて減損損失を認識すべきであると判定した場合には、当該資産又は資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として当該期の損失とすることとなり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③退職給付債務について
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、あるいは年金資産運用で利回りが悪化した場合には当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④海外展開について
当社グループは、北米、欧州、中国を中心とするアジアなどにおいても、生産、販売など事業活動を展開しております。これらの国又は地域で、経済状況、政治、社会体制等が著しく変化したり、また地震など自然災害の発生による影響を受けた場合は、需要の減少や、生産施設における操業の中断などを引き起こし、当社グループの事業計画や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑤為替レートの変動について
当社グループが事業を展開する日本国外の各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。これらの項目は、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、為替予約取引など為替ヘッジ取引を行い、為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、中長期的には為替変動により計画的な調達および販売活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥製造物責任について
当社グループが開発、製造する全ての商品について製造物責任賠償のリスクが内在しています。特に、酒類、食品、医薬品、医療機器などについては、製造、販売、臨床試験において瑕疵が発見され、健康障害等を引き起こしたりした場合には製造物責任を負う可能性があります。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような商品の欠陥は、多額のコストが発生するうえに、当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦特有の行政制度及び法的規制について
当社グループは、事業を展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障又はその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、為替管制、運輸、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けております。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性があり、またコストの増加につながる可能性があります。
また、食品を扱う会社として、食品衛生法に基づいた営業施設の整備、器具・容器包装の管理やその他の製造工程および販売などの管理運営を行っております。当社グループでは、食品衛生法を遵守し、食品衛生管理には万全の注意を払っておりますが、食品衛生問題や故意の妨害も含め食品の安全問題は不可避の問題でもあり、これらに関する問題が発生した場合は、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、健康食品の販売にあたっては、薬事法に基づいた効能効果や用法用量などの表示や広告についても遵守するよう努めておりますが、一般的に健康食品の性質上、いわゆる表示義務違反となる可能性は完全には否定しがたく、そのような場合には当社グループへの信頼の低下等により、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、一部の商品の販売では、インターネットによる通信販売を展開しており、特定商取引に関する法律に基づいた表示規制などについても遵守する必要があります。
⑧情報の管理について
当社グループは、販促キャンペーンや通信販売等により、多数の個人情報を保持しており、個人情報の管理に関しては、管理体制の構築、責任者の設置、従業員に対する継続的な研修会の実施等、個人情報の漏洩を防ぐための万全の努力をしております。しかしながら、予期し得ない事象により、個人情報に限らず社内情報の紛失、漏洩、改ざんなどのリスクがあり、このような事態が発生した場合には、当社グループへの信頼の低下等により、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨訴訟について
当社グループでは、事業の遂行にあたり各種法令および規制等に違反しないようコンプライアンス活動を強化するなど最善の努力をしております。しかしながら、国内外において事業活動を遂行していくうえで、当社グループおよびその従業員が法令等に対する違反の有無にかかわらず、製造物責任法や知的財産権、発明対価請求などの問題において訴訟提起される可能性を抱えています。万が一当社グループが訴訟を提起された場合、また不利な判決結果が生じた場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは蓄積された発酵技術を基礎に、バイオテクノロジーの技術を応用し、主に宝酒造グループ、タカラバイオグループの各部門で幅広い研究活動を展開しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は3,376百万円(セグメント間の取引消去後)であり、各セグメントにおける研究内容等は次のとおりであります。
(宝酒造グループ)
宝酒造グループにおいては、宝酒造㈱の蒸留技術部、醸造技術部および研究開発センターを中心に、機能や成分で差異化された付加価値の高い製品の開発を目的に、微生物の育種、原料・素材の解析、生産技術の研究開発を行っております。
焼酎では、全量芋焼酎「一刻者」シリーズとして、原料に紅さつまや金時芋などの赤芋を使用し、甘み豊かな香りとまろやかですっきりとした味わいが特長の「一刻者<赤>」を発売いたしました。また、「よかいち」ブランドの展開として、「赤よかいち<芋>」を発売いたしました。赤芋などを使用し、フルーティで豊かな香りと、コクのある甘い味わいを実現いたしました。
清酒では、「特撰松竹梅<大吟醸>」を発売いたしました。精米歩合50%の米を用い、高吟醸香酵母で醸すことにより、華やかでフルーティな吟醸香と、すっきりとした味わいを実現いたしました。また、冬の料理とともに冷やでも燗でも楽しめる“旨辛”酒質の「松竹梅<鍋と楽しむ冬の旨辛酒>2Lパック」を冬期限定で発売いたしました。
ソフトアルコール関連では、「南高梅のおいしい梅酒」<パウチ>を発売いたしました。南高梅を使用し完熟感と青梅の香りが感じられるしっかりとした味わいを実現いたしました。また、果実入りの果汁感とすっきりとしたおいしさを特長としたTaKaRa CAN CHU-HI「すりおろし」のシリーズ展開として「ピーチ」、「洋梨」、「マンゴー」を発売いたしました。さらに、独自の製造方法により実現した柔らかな食感をもつジュレのお酒「果莉那-Carina-」に新フレーバーとして「マスカット」、「カシス」を発売するとともに、料飲店向け専用商品としてジュレのお酒「果莉那-Carina-」900mlペット 業務用を発売いたしました。
調味料では、花かつお感を高めたかつお節の粉末調味料「だししるべK粉末-1」、こうじの風味を付与する調味料として「こうじ風味―Ⅰ」、こうじの酵素の力を利用して肉の食感を柔らかくする調味料として「お肉柔らか上手」を、それぞれ発売いたしました。
なお、当セグメントに係る研究開発費は341百万円であります。
(タカラバイオグループ)
タカラバイオグループにおいては、研究用試薬をはじめ、遺伝子解析、遺伝子治療、細胞医療、機能性食品素材ならびにキノコなど、広範囲の分野における幅広い研究開発活動を、タカラバイオ㈱のバイオ研究所、細胞・遺伝子治療センター、ドラゴンジェノミクスセンター、米国のClontech Laboratories, Inc.を中心に展開しております。
遺伝子工学研究事業においては、日本国内でトップシェアを有する遺伝子増幅法関連試薬などの遺伝子工学研究用試薬をはじめ、ゲノム解析、遺伝子機能解析および遺伝子検査などに関する研究開発活動を行っております。
当期においては、ES細胞/iPS細胞等の多能性幹細胞から肝臓細胞への分化状態を評価する研究用試薬、細胞への遺伝子導入時に用いるアデノ随伴ウイルスベクター関連研究用試薬および次世代シーケンサー向けの遺伝子発現解析用研究用試薬を開発いたしました。
遺伝子医療事業においては、伊国MolMed S.p.A.、米国ベリカム・ファーマシューティカルズ社などに、タカラバイオ㈱が開発した血球系細胞への高効率遺伝子導入技術レトロネクチン法をライセンスアウトし、これらの企業がレトロネクチン法を用いた遺伝子治療の臨床開発を進めるとともに、同社自身も国内にて臨床開発を進めております。また、がん免疫細胞療法に有用なレトロネクチン拡大培養法を開発し、タカラバイオ㈱が医療機関と提携して臨床開発を進めております。
当期においては、遺伝子治療事業に関して、タカラバイオ㈱が開発したレトロネクチン法および三重大学と共同開発したTCR遺伝子導入用レトロウイルスベクターを使用した国内初のがん免疫遺伝子治療(MAGE-A4・TCR遺伝子治療)の医師主導治験が、三重大学のグループによって開始されました。また、自治医科大学附属病院と共同で、非ホジキンリンパ腫に対するCD19抗原特異的キメラ抗原受容体遺伝子治療の臨床研究を開始いたしました。
細胞医療事業に関しては、タカラバイオ㈱の協力のもと、京都府立医科大学が実施している臨床研究において、レトロネクチン拡大培養法の有用性を示唆する成果が得られました。
医食品バイオ事業においては、「医食同源」をコンセプトに、ガゴメ昆布フコイダン、ボタンボウフウイソサミジン、寒天アガロオリゴ糖、明日葉カルコン、ヤムイモヤムスゲニン、きのこテルペン等の生理活性物質の探索を行っており、これらの研究成果をもとに健康食品分野での事業展開を積極的に推進しております。
当期においては、屋久島原産のボタンボウフウの健康成分イソサミジンが排尿機能を改善する作用を持つことをヒト試験で明らかにし、また、寒天アガロオリゴ糖に小腸潰瘍を予防する効果があることを動物実験で明らかにいたしました。
また、上記の3事業に分類しきれない事業横断的な研究、あるいは、どの事業の研究開発の推進にもその成果が利用できる基礎的な研究も推進しております。当グループとしては、各研究開発プロジェクトの相互作用・フィードバック効果を利用して、戦略的な研究開発の推進を目指しております。
なお、当セグメントに係る研究開発費は3,026百万円であります。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
なお、この連結財務諸表の作成にあたりましては、引当金の計上など一部に当連結会計年度末時点での将来見積りに基づいているものがありますが、これらの見積りは、当社グループにおける過去の実績や将来計画を考慮し、「退職給付に関する会計基準」「税効果会計に係る会計基準」「金融商品に関する会計基準」「固定資産の減損に係る会計基準」などに準拠して行っております。また、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1.業績等の概要」に記載のとおりであります。
宝酒造グループでは消費者の低価格志向、ビールメーカーなどの他社との厳しい販売競争、国内飲酒人口の減少傾向などに加え、原材料価格の高騰といった厳しい経営環境が続くなか、高付加価値商品から普及型商品までの幅広い差異化された商品群を、その商品特性を訴求し、粘り強い営業活動を行ってまいりました。
宝酒造株式会社では、主力の焼酎が大きく減少したため、清酒やソフトアルコール飲料が好調に推移したものの単体で減収となりました。しかしながら宝酒造グループでは、新規に連結した子会社の売上が加わったことや、円安の恩恵を受けた海外子会社を含めたグループ会社が好調であったため、セグメント全体では前期比103.0%の182,306百万円と増収となりました。また、原料価格の高騰などにより売上総利益率が悪化したものの、売上高の増加により売上総利益も増加いたしました。販売費及び一般管理費は、人件費や運送費の増加により前期比102.0%の59,357百万円となったため、売上総利益の増加にもかかわらず、当セグメントの営業利益は前期比99.1%の6,329百万円と若干の減益となりました。
タカラバイオグループでは、主力製品である研究用試薬の売上高が、円安の影響もあり増収となったほか、遺伝子医療事業が大幅な増収となるなど、セグメント全体で前期比116.2%の23,905百万円と増収となりました。人件費および研究開発費の増加により販売費及び一般管理費は増加いたしましたが、セグメント営業利益は前期比115.5%の1,954百万円と増益となりました。
タカラバイオグループでは既存のビジネスモデルの拡大による収益向上だけではなく、遺伝子医療や医食品バイオといった新規事業に積極的に研究開発資金を投下し、将来の飛躍的な収益増加を目指しております。そのため今後も研究開発投資を加速していく必要があると判断しております。
宝ヘルスケアでは、健康食品における通信販売網の構築を最優先の課題として売上拡大を図り、今後の飛躍的な成長に向けて事業基盤の確立に取り組んでおります。当期は、茶飲料PB供給事業の終了に伴う売上減少により、売上高は前期比70.9%の1,424百万円となったものの、販売費及び一般管理費の削減に努めた結果、会社設立以来初の営業利益21百万円を計上いたしました。
以上のように、主力の宝酒造グループは若干の減益となりましたが、その他のセグメントも含めた当社グループ全体の営業利益は前期比103.9%の9,490百万円と中期経営計画目標には届かなかったものの増益となりました。また、経常利益も前期比106.6%の9,909百万円と増益となりました。
特別損益では、タカラバイオ株式の売却益があったため、税金等調整前当期純利益は前期比201.4%の18,642百万円となり、当期純利益は前期比219.3%の10,280百万円と大幅な増益となりました。
(3)財政状態の分析
当期末における総資産は、前期末に比べ30,990百万円増加し238,577百万円となりました。このうち流動資産は150,551百万円となり、前期末に比べ17,266百万円増加いたしました。タカラバイオ株式会社の公募増資などによる現金及び預金、有価証券(余資運用)の増加が主な理由であります。
固定資産では、有形固定資産が、タカラバイオ株式会社による土地の取得、遺伝子・細胞プロセッシングセンター建設などに係る建設仮勘定の増加などにより5,337百万円増加いたしました。また、子会社の取得によるのれんおよびその他の無形固定資産の計上により、無形固定資産も6,235百万円増加し、上場株式の時価上昇による投資有価証券の増加などで、投資その他の資産も2,151百万円増加いたしました。これらにより固定資産全体では前期末より13,724百万円増加し88,025百万円となりました。
流動負債は、1年内償還予定の社債償還がありましたので、関係会社株式売却益の発生に伴う未払法人税の増加などもありましたが前期末に比べ731百万円減少し48,663百万円となりました。固定負債は、投資有価証券の時価上昇に伴う繰延税金負債の増加がありましたが、「退職給付に関する会計基準」等の適用による退職給付に係る負債(退職給付引当金とネット)の減少により382百万円減少し、43,491百万円となりました。以上の結果、負債合計は前期末に比べ1,113百万円減少し92,154百万円となりました。
純資産は、利益剰余金が14,302百万円増加したことに加え、円安による為替換算調整勘定の増加、株価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加などで、その他の包括利益累計額が8,663百万円増加したこと、さらに、タカラバイオ株式会社の公募増資などによる少数株主持分の増加10,713百万円がありましたので、株主還元策としての自己株式の取得等による自己株式の増加1,575百万円がありましたが、前期末より32,104百万円増加し146,422百万円となりました。
(4)中長期的な経営戦略
当社グループは、10か年の長期経営ビジョン「TaKaRaグループ・ビジョン2020」の実現に向けた第2ステップとして、2014年4月より「TaKaRaグループ中期経営計画2016」(2017年3月までの3か年)をスタートさせます。
「TaKaRaグループ中期経営計画2016」では、国内酒類事業の収益力を向上させるとともに、成長が期待される海外日本食材卸事業やバイオ医薬品の開発支援サービス(CDMO事業)の伸長を加速させることを基本方針に掲げており、その概要は以下のとおりであります。
基本方針
「TaKaRaグループ・ビジョン2020」の実現に向けて、
国内では収益力の向上、海外では事業の拡大・伸長に取り組むとともに、
バイオ事業の成長加速により、
環境変化に強いバランスのとれた事業構造に変革していく。
定量目標
2017年3月期 TaKaRaグループ連結
・売上高2,300億円以上、
・営業利益120億円以上、
・海外売上高比率16%以上
事業戦略
宝酒造グループ
技術で差異化された商品の開発・育成により、国内事業の収益力を向上させるとともに、
海外日本食材卸網を積極的に拡大し、海外事業を大きく伸長させる。
タカラバイオグループ
再生・細胞医療分野へ戦略的な投資を行い、バイオ事業の成長を加速させる。
宝ヘルスケア
ダイレクトマーケティングを通じて、健康食品事業の成長を加速させる。
重点戦略
・「澪」を中心とした清酒売上高の拡大
・欧米をはじめとする世界での日本食材卸網構築
・バイオ医薬品の開発支援サービス(CDMO事業)拡大
・遺伝子治療・細胞医療における臨床開発の推進
財務方針
健全な財務体質を維持しながら、資本効率を意識し、
利益成長のための重点戦略への積極的な投資と、適切な株主還元を実施する。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業キャッシュ・フローが前期に比べ734百万円の収入減少となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、タカラバイオ株式の一部売却による収入があったものの、海外日本食材卸事業を営む海外子会社の取得や、設備投資などにより、前期に比べ8,582百万円の支出増加となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは社債の償還がありましたが、タカラバイオ株式会社の公募増資による収入があったため、前期に比べ1,332百万円の収入増加となりました。現金及び現金同等物の期末残高は前期末より679百万円減少しましたが34,608百万円と引き続き十分なキャッシュポジションを維持しております。
これにより当面の設備投資や重点戦略への投資および株主還元などは自己資金で賄う予定であります。これらを含めて現時点の計画に基づく十分な流動性を確保しております。
宝酒造グループの次期の設備投資は、清酒製造能力増強などにより減価償却を上回る見込みであり、新たなM&Aなど自己資金を超える資金が必要な場合には社債の発行などで調達する可能性があります。なお、当社の既発行社債の債券格付、発行登録予備格付はともに㈱格付投資情報センター(R&I)および㈱日本格付研究所(JCR)からA格を取得しております。この他、機動的な資金調達を目的に、融資枠10,000百万円のコミットメントラインを設定しております。
タカラバイオグループの次期に予定される設備投資資金につきましては、自己資金で賄う予定でありますが、今後、新規事業の立ち上げや事業規模の拡大により資金需要の増加が見込まれる場合は別途資金調達の可能性があります。