第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策の効果等により円安傾向が持続し、輸出産業を中心に企業収益の改善が見られ、株価も概ね堅調に推移するなど全体的に景気回復の傾向となりましたが、平成26年4月からの消費税率引き上げなどもあり、先行きは不透明な状況にあります。

当業界におきましては、国産牛肉・輸入牛肉の相場が前期に比べて上昇し、豚肉・鶏肉相場も前期を上回って堅調に推移する状況となりました。一方、原材料・資材燃料価格の高騰、飼料価格の高止まり、販売競争の激化等により、経営環境は大変厳しい状況が続きました。

このような中、当社グループは、平成24年4月からの「新中期経営計画パートⅣ」の下、テーマとして掲げた「国内事業の収益拡大と海外事業の基盤強化」に向けて、3つの経営方針「品質No.1経営のブラッシュアップ」、「経営資源の重点配分」、「グループブランド価値の向上」に基づく事業活動を推進してまいりました。具体的施策として、国内ファーム事業の強化、ベトナムやフィリピン、ドイツにおける営業拠点の拡大、新商品の開発と拡販、人材の育成などに取り組みました。またコスト競争力強化のために構造改革を継続的に進める一方、原料価格高騰への対応として平成25年7月には、ハム・ソーセージ、加工食品の一部について、価格改定を実施いたしました。

なお、「グループブランド価値の向上」においては、グローバル戦略の一環としてブランドマネジメントを推進するため、平成26年4月にグループブランドロゴ及び当社コーポレートブランドロゴの変更、並びに平成26年6月に当社商号の英文表記の変更を行いました(※)。

(※)当社商号の英文表記については、平成26年6月26日開催の当社第69回定時株主総会の決議により、同日から変更いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は、対前年同期比9.7%増の1,122,097百万円となりました。営業利益は対前年同期比27.4%増の35,700百万円、税金等調整前当期純利益は対前年同期比25.9%増の35,303百万円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は豪州事業の業績改善による税金費用の減少などがあったことから対前年同期比49.0%増の24,524百万円となりました。

 

(注) 営業利益は日本の会計慣行に従い、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。

 

 

オペレーティング・セグメントの業績は次のとおりです。

① 加工事業本部

ハム・ソーセージ部門は、主力ブランドである「シャウエッセン」や「彩りキッチンロースハム」においてTVCMを投入して積極的に販売促進に取り組みました。また歳暮商戦においては、ギフトの旗艦ブランドである「美ノ国」を中心にTVCMなどの宣伝活動を積極的に実施し、売上げ拡大を図りました。その結果、ハム・ソーセージの売上高は、前期を上回りました。

加工食品部門では、平成25年新商品の中華名菜「白身魚の甘酢あんかけ」、チルドピザ「バジル&ベーコンジェノベーゼ」、チルドパンケーキ「シュクレシュクレシリーズ」等が売上げに寄与し、前期から好調の「とろける4種チーズのハンバーグ」が順調に推移したこと、また業務用商品も回復してきたことから、加工食品の売上高は前期を上回りました。

利益につきましては、平成25年7月より実施した価格改定は計画通り進捗し、コスト削減も進めましたが、原材料・資材燃料高の影響を大きく受けたことや円安の影響もあり、前期を下回る状況となりました。

以上の結果、当期の加工事業本部の売上高は対前年同期比3.8%増の351,994百万円、営業利益は対前年同期比32.2%減の6,481百万円となりました。

 

② 食肉事業本部

国内においては、川上事業を強化した国産鶏肉の数量を順調に拡大したほか、国産牛肉の販売にも注力しました。食肉相場がすべての畜種において前期より改善したこともあり、売上高は大きく伸長いたしました。またブランド食肉の販売拡大への取組みも強化しました。なかでも前期より取り組んでいる豪州産ブランド牛肉「ワイアリーフ」に注力したことにより、既存ブランド「大麦牛」を含む豪州産牛肉は、売上げが伸長いたしました。また国産ブランド鶏肉である「桜姫」についても産直パックの販売など新たな取組みを開始することなどにより、堅調に売上げが伸長いたしました。下期では「ドイツ豚」など欧州産豚肉のブランド化も進めてまいりました。

利益につきましては、生産コストに影響がある原油価格や飼料価格は円安の影響もあって高止まりする傾向となりましたが、食肉相場の改善もあって、国内のファーム事業は前期より改善いたしました。国内食肉販売においては、相場は前期より回復しましたが販売競争も厳しく、豚肉の販売など利益面は厳しい状況が続きました。海外においては、豪州事業は仕入コストが抑制できたほか、各国への販売に注力したことなどの効果が続いていること、豚肉相場の高騰で米州事業が回復に転じてきたことなどにより、収益が大きく改善いたしました。

以上の結果、当期の食肉事業本部の売上高は対前年同期比13.8%増の766,509百万円、営業利益は対前年同期比72.3%増の26,815百万円となりました。

 

③ 関連企業本部

水産部門につきましては、主要魚種である海老、サーモンなど原産国で疾病が発生し生産量が大きく減少した影響により原料相場が高騰する中、量販店チャネルや外食店チャネルにおいて提案営業を強化した結果、増収となりました。

乳製品部門のうち、ヨーグルト・乳酸菌飲料につきましては、ドリンクヨーグルトが好調に推移したほか、量販店チャネルにおいて主力の「バニラヨーグルト」が伸長しましたが、CVSチャネルにおいてNB商品の販売が鈍化し、売上げは前年並みとなりました。チーズにつきましては、主要チャネルである製パン、外食、食品メーカーなどで取組みを強化するとともに、コンシューマ商品も伸長した結果、売上げは前期を上回り、乳製品部門全体では増収となりました。

利益につきましては、水産部門においては年末商戦が好調だったことや、前期に発生したチリ産銀鮭等の逆ザヤ販売が解消したことから、前期を上回りました。乳製品部門におきましては、原料価格の高騰や為替変動の影響に対し販売価格の改定が遅れたこと、また量販店チャネルでの売上げ増加に伴う経費の増加などの影響により、減益となりました。

以上の結果、当期の関連企業本部の売上高は対前年同期比7.6%増の148,138百万円、営業利益は対前年同期比34.6%減の998百万円となりました。

 

 

地域別売上高の状況は次のとおりです。

① 日本

日本では、販売数量は減少しましたが、販売単価が上昇したため、ハム・ソーセージ、加工食品及び食肉の売上げは増加しました。

これらの結果、日本での売上高(外部顧客に対する売上高)は、対前年同期比7.8%増の1,021,009百万円となりました。

 

② その他の地域

その他の地域では、主に食肉の販売数量が増加し、販売単価も上昇したことにより、売上高(外部顧客に対する売上高)は対前年同期比32.8%増の101,088百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加や支払手形及び買掛金の減少などがありましたが、当期純利益、減価償却費、受取手形及び売掛金の減少などにより32,952百万円の純キャッシュ増(前期は37,407百万円の純キャッシュ増)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得などにより17,909百万円の純キャッシュ減(前期は54,813百万円の純キャッシュ減)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、借入債務による調達や短期借入金の増加などがありましたが、借入債務の返済や自己株式の取得などにより9,373百万円の純キャッシュ減(前期は10,964百万円の純キャッシュ減)となりました。

これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は前期末に比べ6,508百万円増加し42,983百万円となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績(製造原価ベース)

区分

当連結会計年度
(自 平成25年4月1日
  至 平成26年3月31日)

前年同期比(%)

ハム・ソーセージ(百万円)

100,679

106.4

加 工 食 品(百万円)

130,417

103.8

 

(注) 主に加工事業本部の生産実績であります。当社グループでは、生産飼育から処理・加工・販売までのすべてを一貫して行っており、その生産・販売品目も主として食肉に関連した広範囲かつ多種多様なものとなっております。また、同種の品目についても容量、形態、包装等も一様でなく、食肉等については、販売用とハム・ソーセージ、加工食品などの原料用にも使用されており食肉等の生産実績を金額あるいは数量で示すことが困難であります。

(2)受注状況

   受注生産は行っておりません。

(3)販売実績

   販売実績については、「1 業績等の概要」において記載しております。

 

3 【対処すべき課題】

(1)事業上及び財務上の対処すべき課題

当社は、平成24年4月に「国内事業の収益拡大と海外事業の基盤強化」をテーマとした「新中期経営計画パートⅣ」を策定いたしました。

 

(経営方針)

①品質No.1経営のブラッシュアップ

お客様の期待に応えられる製品・商品の「安全・安心」と安定供給、お客様の期待を超える「食べる喜び」を提供してまいります。品質保証については、検査設備や教育体制の充実を図ることで、より一層、体制の強化を図るとともに、商品開発を積極的に行い、豊かな食生活に貢献できるように取り組んでまいります。あわせて製品・商品の品質のみにとどまらず、当社グループで働く社員への企業理念の浸透、理念に基づく事業活動、コンプライアンス・ガバナンス、環境、CSR、食育活動、スポーツ等を包含した「経営の品質」を高めてまいります。

②経営資源の重点配分

厳しい経営環境にあっても、キャッシュ・フローの創出に尽力し、創出されたキャッシュ・フローを成長が期待できる既存事業、海外事業、新規事業、生産性向上施策に積極的に投入することにより、当社グループの成長と収益力強化を図ってまいります。あわせて経営資源である「人」「モノ(設備)」「情報」を全体最適の視点で配分し、グループの戦略性と経営効率を高めてまいります。

③グループブランド価値の向上

グループブランドを中心として遠心力と求心力のバランスの取れたグループ経営を更に推し進めるとともに、ステークホルダーに対する適切な情報開示と、企業グループの姿勢や環境関連の取組み、食の安全・安心、健康に関する対応などを戦略的に情報発信することにより、当社グループのブランド価値向上に繋げてまいります。

さらにはグループの社会的評価やブランド価値を高めることにより、グループの競争力と従業員のモチベーションにつなげるマネジメントを推進し、グループ全体の活性化を図ってまいります。

 

上記の目標の実現に向けて、次の5つの経営戦略を掲げ、さらなる企業価値の向上につなげてまいります。

 

(経営戦略)

①事業基盤の強化と海外事業の積極展開

食料が戦略資源となる中、当社グループの企業価値の源泉をなす「インテグレーションシステム」の拡充を、国内外で積極的に図ってまいります。世界の食料需給、消費者の志向、政策変更その他のカントリーリスク、加工技術の向上に留意し、他社との連携も視野に、生産と調達の調和の取れた供給力の強化を図ります。

国内ものづくりは、市場競争が熾烈さを増すなか、一層のコスト競争力の向上と高い品質が不可欠と認識しております。製造分野の再編を進め、製造アイテムの集約、高生産性と品質向上を実現する集中投資等の施策によって収益力を高めるとともに、営業力の強化にも取り組んでシェアの向上を進めています。海外事業は、海外における販売に特に注力し、海外拠点の強化を進めるなど、連結売上高に対し、構成比が10%となるよう取り組んでおります。

②人材の獲得と育成

当社グループが長年にわたって培ってきた経験やノウハウ、技能保有者による技術伝承の推進、従業員の能力開発に積極的に取り組むとともに、適材適所の配置や評価の公平性を高めることにより、従業員の活力を引きだす施策を進めています。また海外での事業推進のエンジンとなる人材の獲得と育成に積極的に取組み、海外事業拡大につなげてまいります。さらには次世代のマネジメントを担う人材の育成にも注力しております。

③研究開発・品質保証体制の強化

グループとして国内外に約900名の品質保証担当者を配置するなど、当社グループの持続的成長に欠かせない検査分析技術、品質保証体制を基盤に、グローバルな検査体制を強化するとともに、食品加工、品質保持、美味しさの追求、食品検査やものづくりの新たな技術の研究開発により、さらなる競争優位性を確保してまいります。

④グループブランドマネジメントの推進

国内事業での一層の収益力向上、日本国内同様にグローバルで信頼され選ばれる企業への成長を通した当社企業価値向上にむけて、グループブランド、当社コーポレートブランドロゴ等を刷新いたしました。これらの取組みを通して、役職員が一丸となってグループブランドを世界で通用するブランドに磨くという決意を新たにするとともに、グループブランドの活用とブランドマネジメントを積極的に推進してまいります。あわせてグループとしてのJSOXなどの内部統制システムの充実などガバナンス機能の強化を図っております。

⑤資本効率の向上と資金効率の最適化

新たな経営指標としてROEを加えて資本効率の向上を図るとともに、資本コストを踏まえた経営を推進してグループの経営効率を高めてまいります。あわせてグループ全体の資金集中及び資金の最適配分を一層推進し、資金効率を高めてまいります。

 

(2)株式会社の支配に関する基本方針について

①基本方針の内容

当社の株式は譲渡自由が原則であり、株式市場を通じて多数の投資家の皆様により、自由で活発な取引をしていただいております。よって、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方についても、当社株式の自由な取引により決定されることを基本としております。したがって、当社の財務及び事業の方針の決定を支配することが可能な量の株式を取得する買付提案等があった場合は、賛同されるか否かの判断についても、最終的には株主の皆様の自由な意思に依拠すべきであると考えております。

一方、当社は、顧客の皆様やお得意先様に対し安全で安心な商品を安定的に供給し豊かな食生活の実現を通して社会に貢献していきたいと考えており、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、様々なステークホルダーとの信頼関係を維持し、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保し、向上させる者でなければならないと考えております。したがって、当社の企業価値及び株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付行為又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えております。

 

②当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

当社は、企業価値を安定的かつ持続的に向上させていくことこそが株主共同の利益の向上のために最優先されるべき課題であると考え、当社の企業価値向上のため、以下の取組みを実施しております。

 

「当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上の取組み」

 

当社は、中長期的視点による継続的な投資、長年培ってきた経験やノウハウの承継、様々なステークホルダーとの信頼関係等を基盤として、食肉事業を中心とする「食」の事業領域で、その生産から販売までの一貫体制(インテグレーション)と、そのインテグレーションを基盤とした食糧の安定供給力及び国内外で確立した品質保証体制という当社の企業価値の源泉を形成してまいりました。

当社は、それらの企業価値の源泉を基軸に、前記「3 対処すべき課題 (1)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載の諸施策を遂行することにより、さらなる企業価値の向上につなげてまいります。

 

「コーポレートガバナンス強化による企業価値向上の取組み」

 

当社は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し向上させるためには、コンプライアンス経営の徹底とコーポレートガバナンスのさらなる強化が不可欠との認識にたち、原則複数名の社外役員の選任、社外取締役を委員長とする報酬検討委員会及び役員指名検討委員会の設置、監査役監査以外に機能別に実施するモニタリングの充実、社外役員を含めた全役員に重要情報(業務上の損害や事故、トラブルなどの非日常な事象に関する情報)を迅速に配信して共有する体制の整備などにより、業務執行の適正性を確保しています。また、当社グループとしての方針や施策は、各種委員会で検討を行い、さらなる充実を図っております。

 

③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要

当社は、平成26年5月12日開催の取締役会において、「当社株式の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」(以下、「本プラン」といいます。)の継続導入を決議し、平成26年6月26日開催の第69回定時株主総会においてご承認いただき継続導入いたしました。

本プランは、当社取締役会が、大規模買付者(下記に定義します。)より事前に大規模買付提案(下記に定義します。)に関する情報の提供を受けた上で、大規模買付者との交渉及び大規模買付提案の検討を行う期間を確保し、大規模買付提案が当社の企業価値・株主共同の利益の向上に資するものか否かの判定を行うことを第一の目的としております。これに対し、大規模買付者が事前の情報提供や予告なく大規模買付行為(下記に定義します。)を開始する場合や、大規模買付行為により当社の企業価値・株主共同の利益が毀損されると認められるような場合には、対抗措置として一部取得条項付新株予約権(以下、「本新株予約権」といいます。)の無償割当てを行うこととするものです。

本プランの概要は以下のとおりです。

 

(a)本プランの対象となる大規模買付者

当社議決権割合が20%以上となることを目的とする当社株式の買付行為(以下、「大規模買付行為」といいます。)を行う者(以下、「大規模買付者」といいます。)が対象となります。

(b)必要情報提供手続

当社取締役会は、大規模買付者に対し、大規模買付行為に係る買付提案(以下、「大規模買付提案」といいます。)に係る情報(以下、「本必要情報」といいます。)の提供を求め、大規模買付者は、原則60日以内(最長30日延長できるものとします。)に本必要情報を提供するものとします。なお、大規模買付者から提出された本必要情報が十分かどうか、当社取締役会が要求した本必要情報の内容・範囲が妥当かどうか、及び、必要情報提供期間を延長するかどうかについては、当社取締役会が企業価値評価委員会の助言及び勧告を受けながら決定いたします。また、当社取締役会が本必要情報の追加の要請をした場合に、大規模買付者から本必要情報の一部について提供が困難である旨の合理的な説明がある場合には、当社取締役会が要求する本必要情報が全て揃わなくても、本必要情報の提供を完了したと判断し、当社取締役会による検討を開始する場合があります。

(c)取締役会による検討手続

当社取締役会は、最長60日間(対価を現金(円貨)のみとする場合)又は最長90日間(その他の方法による買付提案の場合)(以下、総称して「取締役会検討期間」といいます。)で大規模買付者及び大規模買付提案の検討を行い、当社取締役会としての意見の公表、大規模買付者との交渉及び代替案の提示を行うものとします。

(d)企業価値評価委員会による勧告の尊重

独立社外者から構成される企業価値評価委員会は、当社取締役会に対し勧告を行い、当社取締役会はその判断の際には当該勧告を最大限尊重します。

(e)大規模買付者による大規模買付行為の制限期間

大規模買付者は、取締役会検討期間終了まで、また、企業価値評価委員会から対抗措置の発動・不発動に関して当社株主の皆様の意思を確認すべき旨の勧告がなされた場合には、当該意思確認の手続が完了する時まで、大規模買付行為を開始してはならないものとします。

(f) 対抗措置の発動及び不発動

当社取締役会は、企業価値評価委員会において対抗措置発動要件に該当する事情が存在する旨の勧告が行われた場合には、当該勧告を最大限尊重して、対抗措置として本新株予約権の無償割当てを決議します。但し、企業価値評価委員会において対抗措置発動に関して株主の皆様の意思を確認すべき旨の勧告がなされた場合には、当社取締役会は、株主総会において株主の皆様の意思を確認するものとし、対抗措置の発動に賛同する決議が得られた場合に本新株予約権の無償割当てを決議します。

一方、企業価値評価委員会において対抗措置発動要件のいずれかに該当する事情が存在する旨の勧告が行われない場合及び株主の皆様の意思を確認する株主総会において対抗措置の発動に賛同する旨の決議が得られなかった場合には、当社取締役会は対抗措置を発動いたしません。

なお、本新株予約権には、対抗措置発動要件を充足すると判断された大規模買付者に対する権利行使の制限、及び対抗措置発動要件を充足すると判断された大規模買付者以外の株主の皆様から本新株予約権と引き換えに当社株式を交付することがあるという取得条項が付されています。

(g)本プランの有効期限

本プランの有効期限は、平成27年6月に開催予定の当社定時株主総会終結の時までとします。

④本プランに対する当社取締役会の判断及びその判断に係る理由

当社取締役会は、下記の理由により、本プランが基本方針に沿い、株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないものと判断します。

(a)本プランは、経済産業省及び法務省から公表された「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」や経済産業省に設置された企業価値研究会が公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」に沿った内容であること。

(b)本プランは、当社株式に対する大規模買付行為が行われた際に、当該大規模買付行為が不適切なものでないか否かを株主の皆様が判断するために必要な情報や時間を確保し、かつ、株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とすることにより、株主共同の利益の確保・向上を図るという目的をもって導入されたものであること。

 

(c)本プランに対する株主意思を尊重するため、i)その有効期間を1年間と設定し、今後も、当社株主総会において、本プランの継続又は修正に関して株主の皆様の意思確認を行うとしていること、及びii)対抗措置を発動するか否かの判断について、企業価値評価委員会の勧告があった場合、株主総会において株主の皆様の意思確認を行うとしていること。

(d)本プランにおいては、当社に対する大規模買付行為が行われた場合、独立社外者で構成される企業価値評価委員会が、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益を毀損するか否かなどの実質的な判断を行い、当社取締役会はその判断を最大限尊重して、対抗措置の発動・不発動を判断することとしており、さらに、企業価値評価委員会は当社取締役会の恣意的行動を厳しく監視するとともに、その判断の概要については株主の皆様に情報開示をする仕組みにしていること。

(e)本プランは、合理的かつ詳細な対抗措置発動の客観的要件の充足が企業価値評価委員会において判断されない限り発動されないように設定されており、かつ、同様に対抗措置不発動要件も設定されているため、当社取締役会の恣意的判断が排除される仕組みが確保されていること。

(f)本プランは、1年の任期である取締役から構成される当社取締役会の決定により廃止することが可能となっており、いわゆるデッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)やスローハンド型買収防衛策などの経営陣による買収防衛策の廃止を不能又は困難とする性格を有するライツプランとは全く性質が異なること。

(g)企業価値評価委員会は、当社の費用で、独立した第三者専門家の助言を受けることができ、これにより企業価値評価委員会による判断の公正さ及び客観性がより強く担保されていること。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状況などに影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがありますが、これらに限られるものではありません。また、本項においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 (1) 商品市況リスク

当社グループは食肉及び食肉関連加工品を中心に取り扱っており、販売用食肉はもとより、ハム・ソーセージ、加工食品などの原材料にも食肉が使用されているため、畜産物の相場変動によるリスクがあります。さらに、これらの食肉を供給する国内および海外の生産飼育事業においては、商品市況はもちろん、飼料価格や原油価格の変動にも影響を受けることとなります。また、当社グループが取り扱う水産物や乳製品についても、商品市況や原材料の価格変動リスクなどがあります。

これらの価格変動リスクに対して、商品調達ルートの分散化、高付加価値商品の開発やブランド化、お客様視点のマーケティング戦略の確立、商品先物契約の利用などに努め、また、商品需要の変動を見越した安定的な原材料の確保、食肉の適正在庫水準の維持などを行っておりますが、当該リスクを完全に回避できる保証はありません。

上記に加えて、家畜の疾病(BSE、鳥インフルエンザ、口蹄疫、豚流行性下痢など)の発生やセーフガード(緊急輸入制限措置)が発動された場合などには、畜産市場全体ならびに当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 (2) 安全性のリスク

当社グループは「OPEN品質」~開かれた食品づくり~を推進しお客様の期待と信頼に応えることを基本とし、グループの品質方針として、「法令の遵守」「品質保証ネットワーク」「客観的評価」「履歴管理」「お客様とのつながり」を定めています。この方針に従い、外部認証(ISO、HACCPなど)の取得や、食肉をはじめハム・ソーセージ、加工食品に使用する原材料のトレーサビリティーシステムを構築して原材料からの安全・安心の確保に取り組むほか、フードディフェンスの強化など、厳しい品質保証体制を構築しており、品質向上の取組みを一層強化し、安全性の確保に努めております。さらには万が一当社グループが提供する商品などに問題が発生した場合は、速やかな情報開示と拡大防止策の徹底など、お客様の安全を第一に考えた対応を行っております。

しかしながら、こうした当社グループの取組みを超えた事象の発生や、食の安全を脅かすような社会全般にわたる問題が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 (3) 資材調達などに係るリスク

当社グループは、生産の効率化や在庫ロス・物流コストの削減に常に取り組んでおります。しかしながら原油高などにより資材費や燃料費、物流費が高騰しコスト削減努力でも補えない場合や、それらを販売価格に転嫁できない場合などには、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

 (4) 為替リスク

当社グループがおこなう外貨建取引から生ずる費用・収益及び外貨建債権・債務の円換算額は、為替相場の変動の影響を受ける場合があります。

これらの為替相場の変動リスクを軽減するため、為替予約、通貨スワップ契約、通貨オプション契約及び通貨金利スワップ契約などのヘッジ取引を利用しておりますが、当該リスクを完全に回避できる保証はなく、また当該リスクを軽減するためのヘッジ取引についても、想定した範囲を超えて為替相場が変動した場合には機会損失などの別のリスクが発生する可能性があります。

また、外貨建で作成されている海外連結子会社の財務諸表を円貨に換算する際の換算差額によって、連結財務諸表の株主資本が外貨換算調整勘定を通じて変動するリスクがあり、これら為替相場の変動要因によって当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

なお、当社グループはこれらの外貨建取引に係るリスクヘッジを行うための「為替リスク管理規程」を定め、為替相場を継続的に監視し、為替相場の変動リスクを定期的に評価しております。全ての先物外国為替契約、通貨スワップ契約、通貨オプション契約及び通貨金利スワップ契約は、当該「為替リスク管理規程」、取引権限及び取引限度額を定めた社内規程に基づいて行われています。

 (5) 金利リスク

当社グループは、必要資金の大部分を外部からの借入金などの有利子負債により調達しております。平成26年3月末時点での有利子負債額約1,450億円の大部分は固定金利であり、金利上昇による直接的な影響については当面軽微であると判断されますが、将来的な金利上昇局面においては資金調達における利息負担の増加により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 (6) 株価リスク

当社グループの保有している有価証券は取引先などの株式が中心であるため、市場価格の変動に基づく株価の下落リスクがあります。平成26年3月末時点では、全体として含み益の状態となっておりますが、今後の株価動向によっては当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

また、株式市場の低迷によって当社グループの年金資産の価値に毀損が生じた場合には、年金費用の増加や追加的な年金資産の積み増しが必要となる可能性があります。

 (7) 固定資産の減損損失リスク

当社グループが保有する固定資産の価値が経済情勢などの変化により下落した場合には、必要な減損処理を実施することになり、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 (8) 自然災害や突発的事故及び社会的な制度などのリスク

当社グループは本邦を含む世界各国において事業活動を行っております。これらの事業活動地域においては、次の事象の発生リスクがあります。これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

・地震、洪水などの大規模な自然災害の発生及びそれらに起因する道路・港湾・鉄道などの社会的な基盤の損壊、ガス・水道・電気などの供給不能又は供給逼迫

・突発的な事故の発生など予期しない原因による、大気、水質、土壌などの環境汚染

・インフルエンザなどの感染性疾病の流行などによる社会的混乱

・予期しない法律または諸規制の設定または改廃

・予期しない不利な経済的または政治的要因の発生

・戦争、紛争、テロなどの発生による社会的又は経済的混乱

 (9) 情報漏洩リスク

当社グループは「個人情報管理規程」、「日本ハムグループ内部者取引管理規程」を設け、当社グループ役職員に対して、保有する個人情報や当社グループの重要情報の保護・管理を義務付け、コンプライアンス研修や階層別従業員教育などを通じ、厳正な情報管理に努めております。併せて情報システム上のセキュリティ対策や災害対策なども講じております。しかしながら、想定の範囲を超えるような自然災害、長期に渡る停電、ハードウエア・ソフトウエアの重大な欠陥、コンピュータウイルスの感染や不正アクセスなどによる情報の漏洩・改ざん・消失、長期にわたる情報システムの停止あるいは混乱などが発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

 (10) コンプライアンスのリスク

当社グループは、透明性のある誠実な企業グループを目指し、コンプライアンス意識の徹底と定着に継続的に取り組んでおります。この取組みにおいては、当社の代表取締役社長がコンプライアンス委員会委員長として当社グループ全体を統括し、当社コンプライアンス部が当社グループ全役職員のコンプライアンス意識を高める施策を継続的に行うとともに、リスクを認識した場合には迅速に対応する体制を整えております。

しかしながら、役職員個人による法令違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 (11) 環境問題のリスク

当社グループは「日本ハムグループ環境方針」を定め、持続可能な社会の実現に向けて環境と調和の取れた企業活動の推進に取り組んでおります。また、環境に関する外部認証(ISO14001)の取得や、外部機関からの適正性の評価の取得に積極的に取り組むとともに、当社社会・環境室による環境監査の実施など、環境と事業活動の調和に配慮した経営を推進しています。併せて、環境をはじめとしたCSRの課題についても適正性と透明性の確保に努めています。しかしながら、事故・過失などによる環境汚染やそれに対する原状復帰、損害賠償責任の発生、あるいは関係法令の改正による環境投資が大幅に増加した場合などにおいては、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当該事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループの事業を支える基礎研究から、応用研究、商品開発に及ぶ研究開発活動は、中央研究所、商品開発研究所及び関連企業の開発部門によって進展されております。その活動は中央研究所を中核に「食の安全・安心」、「食肉・食品の高付加価値化」、「食と健康」をキーワードとして、グループ事業における技術革新及び新規事業へ繋がる研究開発を展開しています。

当連結会計年度の取組みは以下のとおりです。

(1) グループ品質保証を支える検査技術と食品検査用試薬の研究開発

中央研究所では食品の安全性を確認するための検査キットを研究開発し、当社グループの品質保証に活用するとともに、社外への販売を行い、多くの検査機関や食品会社でご活用頂いております。当連結会計年度は検査機関等のご要望にこたえて、食品・原料中のカビ毒アフラトキシンの検査で使用する前処理精製用カラム「MycoCatchトータルアフラトキシン」を新たに発売しました。先に発売した定量検査キット「MycoJudgeトータルアフラトキシン」と組み合わせて使用することでより簡便かつ精度の高い検査が可能となり、主要な検査機関への普及が進みました。食中毒菌検査分野では腸管出血性大腸菌毒素の遺伝子検査キット「GeneLineベロ毒素」、食物アレルゲン検査分野では新たに表示推奨項目となった「ごま」を検査するための「FASTKIT Ver. Ⅲごま」を発売し、食品衛生検査領域の研究開発を拡大しています。

前連結会計年度末に稼働した新検査棟TAP(Tsukuba Analytical Plaza)では、当社グループの原料、商品の安全性確保検査を、積極的に推進しました。また当社検査技術を信頼いただいた社外からの受託検査も拡大し、今後も広く食の安全安心に貢献できるよう研究開発に努めるとともに、コアとなる検査技術を活かした検査分野での事業性検証を進めてまいります。

(2)グループ事業を支援する研究開発

食肉生産事業領域では農場と連携した定期的な家畜の健康診断を実施し、健康な家畜の飼育技術の向上に取り組んでおります。今後の社会変化を見据え、国際競争力を高めるための育種や優位性あるブランド肉の創出、国内飼料や機能性飼料の研究開発を継続しました。一方で、学校給食や外食での食物アレルギー対応への要求が高まる中、当社グループの食物アレルギー関連商品の事業拡大に繋げるべく、連携も進めております。中央研究所では食物アレルギーの研究開発の知見を活かし、様々な食育活動や情報発信に取り組んでおり、その取組みで蓄積したレシピを活用し、食物アレルギー対応レシピ本(タイトル「食物アレルギーのための大好物レシピ~美味しくて元気になるおやつとごはん~」)を出版しました。

(3) 健康に役立つ機能性素材の研究開発

当社グループの豊富な畜水産資源を活用した健康食品素材の事業性検証を継続しております。当連結会計年度では、既存素材の豚気管軟骨を原料とした「P-コンドロイチン」を健康食品素材市場での普及を図りました。供給量が減少すると見込まれるサメ由来のコンドロイチンの代替として期待されており、今後も拡販を進めてまいります。また、抗疲労市場で注目のイミダゾールジペプチドとそれを多く含む鶏肉はマスコミにも多く取り上げられました。今後も副産物の高度利用を推進するとともに、食肉の価値向上にも繋げてまいります。

 

 当連結会計年度の当社グループ全体の研究開発費は、3,424百万円です。

 

 なお、当社グループの研究開発活動は、主として食品事業活動に必要な基礎研究から商品開発に及ぶさまざまな研究開発を推進しており、特定のセグメントに関連付けることが困難であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 連結財務諸表作成基準

当社の連結財務諸表は、米国で一般に公正妥当と認められている会計原則に準拠して作成しております。したがって、当連結財務諸表の作成に当たっては、主としてわが国の会計慣行に準拠して作成された会計帳簿に記帳された数値に対していくつかの修正を加えております。米国で一般に公正妥当と認められている会計原則に準拠した財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示及び報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いております。実際の結果は、これらの見積りなどと異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高

ハム・ソーセージは、主力ブランドである「シャウエッセン」や「彩りキッチンロースハム」においてTVCMを投入して積極的に販売促進に取り組みました。また歳暮商戦においては、ギフトの旗艦ブランドである「美ノ国」を中心にTVCMなどの宣伝活動を積極的に実施し、売上げは前期より伸長し対前年同期比2.5%増の143,490百万円となりました。

加工食品は平成25年新商品の中華名菜「白身魚の甘酢あんかけ」、チルドピザ「バジル&ベーコンジェノベーゼ」、チルドパンケーキ「シュクレシュクレシリーズ」等が売上げに寄与し、前期から好調の「とろける4種チーズのハンバーグ」が順調に推移したこと、また業務用商品も回復してきたことから、売上げは対前年同期比1.6%増の208,084百万円となりました。

食肉は、国内においては、川上事業を強化した国産鶏肉の数量を順調に拡大したほか、国産牛肉の販売にも注力しました。食肉相場がすべての畜種において前期より改善したこともあり、売上げは対前年同期比14.4%増の619,333百万円となりました。

水産物は、主要魚種である海老、サーモンなど原産国で疾病が発生し生産量が大きく減少した影響により原料相場が高騰する中、量販店チャネルや外食店チャネルにおいて提案営業を強化した結果、売上げは対前年同期比9.5%増の91,809百万円となりました。

乳製品のうち、ヨーグルト・乳酸菌飲料につきましては、ドリンクヨーグルトが好調に推移したほか、量販店チャネルにおいて主力の「バニラヨーグルト」が伸長しましたが、CVSチャネルにおいてNB商品の販売が鈍化し、売上げは前年並みとなりました。チーズにつきましては、主要チャネルである製パン、外食、食品メーカーなどで取組みを強化するとともに、コンシューマ商品も伸長した結果、売上げは対前年同期比4.4%増の26,253百万円となりました。

これらの結果、売上高は、対前年同期比9.7%増の1,122,097百万円となりました。

② 損益状況

売上原価は、対前年同期比11.0%増の918,304百万円となり、売上高に対する比率につきましては前期80.9%に対して当期は81.8%となりました。売上総利益は、対前年同期比4.1%増の203,793百万円となりました。販売費及び一般管理費は、対前年同期比0.2%増の168,093百万円となり、売上高に対する比率は前期16.4%に対して当期15.0%となりました。

税金等調整前当期純利益は、営業利益が増加したことなどもあり、対前年同期比25.9%増の35,303百万円となりました。

税金等調整前当期純利益に対する法人税実効税率は前期40.5%でありましたが、海外連結子会社の業績改善による税金費用の削減などがあったことから当期31.3%となりました。

これらの結果、当社株主に帰属する当期純利益は対前年同期比49.0%増の24,524百万円となり、1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は、122.11円となりました。

 

③ 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前年同期末比2.8%増の627,220百万円となりました。資産の部では、有価証券が前年同期末比98.1%減の190 百万円、受取手形及び売掛金が前年同期末比4.7%減の118,141百万円となりましたが、定期預金が前年同期末比33.8%増の42,472百万円、棚卸資産が前年同期末比7.9%増の122,115百万円、現金及び現金同等物が前年同期末比17.8%増の42,983百万円となりましたので、流動資産は前年同期末比1.8%増の340,791百万円となりました。有形固定資産は、設備投資の増加により前年同期末比5.3%増の236,669百万円となりました。投資及びその他の資産につきましては、株式市況の好転によりその他の投資有価証券の含み益及びその他の資産に含まれる前払年金費用が増加したことなどから、前年同期末比11.7%増の34,267百万円となりました。

負債につきましては、2018年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を発行しましたので、長期債務が前年同期末比36.0%増の90,402百万円となりましたが、第5回無担保転換社債型新株予約権付社債(第5回国内CB)がほぼ当社普通株式へ転換されたことにより1年以内に期限の到来する長期債務が前年同期末比76.2%減の8,395百万円、支払手形及び買掛金が前年同期末比4.7%減の97,353百万円となったことなどにより、前年同期末比3.5%減の303,245百万円となりました。

当社株主資本につきましては、自己株式は第5回国内CBの転換請求による減少に対して、29,999百万円の取得を行ったことなどにより△37,423百万円となりましたが、その他の利益剰余金が前年同期末比7.7%増の271,902百万円、その他の包括損失累計額が円安や株式市況の好転などにより前期末から7,709百万円増加して△1,064百万円となりましたので、前年同期末比9.4%増の320,984百万円となりました。なお、有利子負債(※)は前期末から4,858百万円減少し、144,963百万円となりました。

以上の結果、当社株主資本比率は3.1ポイント増加し51.2%となりました。

(※)有利子負債:連結貸借対照表上の「短期借入金」、「一年以内に期限の到来する長期債務」及び「長期債務」(ゼロ・クーポン社債を含む)

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

世界的な飼料相場高による飼料価格の高騰や、BSE・インフルエンザ・口蹄疫など疾病の新たな発生等は、販売数量減や消費の減退、原料価格の高騰等に繋がります。また、世界経済の冷え込みによる、需要の急激な減退や食肉相場の大幅な下落、想定した範囲を超えた為替相場の変動は、事業に多大な影響を与えることが懸念されますが、このような環境下においても、個々の事業が、それぞれの市場で最適な戦略・組織で強みを発揮し、全員が顧客視点で事業・業務に取組む所存であります。

 

(4) 経営者の問題認識と今後の方針について

次期の見通しにつきましては、政府の景気対策等の効果が引き続き見込まれますが、TPPなどの動向や平成26年4月からの消費税率引き上げの影響など、不透明な状況が予想されます。また、原材料や燃料の高騰など今後も厳しい環境が続くことが予測されますが、平成24年4月からスタートいたしました「新中期経営計画パートⅣ」において「国内事業の収益拡大と海外事業の基盤強化」をテーマとし、「品質No.1経営のブラッシュアップ」「経営資源の重点配分」「グループブランド価値の向上」を経営方針として推進してまいります。

加工事業本部は、原材料価格・資材価格・燃料価格が、今後も上昇するものと見込んでいます。また消費の二極化と価格競争激化により、引き続き厳しい環境が続くことが予測されることから、製販一体となって成長戦略と効率化戦略を推進してまいります。成長戦略は、発売30周年を迎えた「シャウエッセン」を中心にブランド商品の更なる拡販と、各得意先のトップパートナーとなる戦略の推進、コンシューマ・業務用など事業領域毎の戦略により、シェア向上に注力します。また、顧客視点での市場分析や商品開発体制により、新たな価値の提案を行ってまいります。効率化戦略は、高生産性ラインの導入、SCM改革による商品ロスと物流コストの低減、品種削減などを合わせて実行し、コスト競争力を強化してまいります。

食肉事業本部は、国内需要の回復、世界的な供給の減少から食肉相場は引き続き堅調な推移を予想しています。このような環境の下、自社グループ農場から販売会社まで一貫したインテグレーションシステムを持つという他社に無い強みを活かすとともに、ブランド戦略を推進し、国内のシェアアップをさらに進めてまいります。特に川上部門における生産能力を高めるとともに、品質向上とコスト競争力強化に努めてまいります。過去から培った調達力と販売力を活かし、量販店および外食産業向けを中心に売上げ拡大に注力し、販売数量の拡大とブランド食肉の販売に積極的に取り組んでまいります。

 

 

関連企業本部は、「ものづくり」強化と顧客視点でのマーケティングを両輪に、製造、商品開発、営業の各部門を強化し、自社製造商品の競争力と顧客への提案力をさらに高め、売上げを拡大してまいります。水産部門におきましては、前期に引き続き量販店、外食店チャネル向けの販売に積極的に取り組むとともに、川上事業の強化と連携にも注力してまいります。乳製品部門におきましては、ヨーグルト・乳酸菌飲料においてはCVSチャネルにおいての取扱アイテムの更なる拡大に努めるとともに、顧客視点での商品開発を進め、新たな市場を開拓してまいります。チーズにおきましては、強みである製造技術をさらに磨き、業務用チャネルにおける顧客ニーズにきめ細やかに対応していくとともに、コンシューマ商品の更なる売上げ拡大に努めてまいります。

以上のように当社グループは、「新中期経営計画パートⅣ」で掲げた方針、戦略の下、テーマである「国内事業の収益拡大と海外事業の基盤強化」に向け、新しいグループブランドのもと、グループ一丸となって取り組んでまいります。

 

(5) キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー) 32,952百万円の純キャッシュ増

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、32,952百万円の純キャッシュ増(前年同期は37,407百万円の純キャッシュ増)となりました。その主な要因は、当期純利益、減価償却費並びに受取手形及び売掛金の減少などによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー) 17,909百万円の純キャッシュ減

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、17,909百万円の純キャッシュ減(前年同期は54,813百万円の純キャッシュ減)となりました。その主な要因は、固定資産の取得などによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー) 9,373百万円の純キャッシュ減

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、9,373百万円の純キャッシュ減(前年同期は10,964百万円の純キャッシュ減)となりました。その主な要因は、借入債務の返済や自己株式の取得などによるものです。