第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月27日)現在において当社が判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当社グループは、「信を万事の本と為す」と「時代への適合」を社是とし、「健康で豊かな生活づくりに貢献する」ことを企業理念として、事業を進め業容の拡大を図ってまいりました。また、グループ各社は「健康」を常に念頭においた製品やサービスの提供に努め、「信頼」を築き上げる決意をこめて「健康と信頼をお届けする」をコーポレートスローガンとしております。

 これらの基本的な理念を踏まえて、当社グループは長期的な企業価値の極大化を経営の基本方針とし、コア事業と成長事業へ重点的に資源配分を行いつつ、グループ経営を展開しております。

 また、内部統制システムへの取組み、コンプライアンスの徹底、食品安全、環境保全、社会貢献活動等の社会的責任を果たしつつ自己革新を進め、株主、顧客、取引先、社員、社会等の各ステークホルダーから積極的に支持されるグループであるべく努力を重ねております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標

 当社グループは、今後、更なる複雑化・高速化が予想される社会全体の10年後、20年後の構造変化を見据え、長期ビジョン「NNI “Compass for the Future”新しいステージに向けて ~ 総合力の発揮とモデルチェンジ」を策定しました。これを未来への羅針盤として、現在取り組んでいる2020年度を最終年度とした経営計画「NNI-120 Ⅱ」(業績目標:売上高7,500億円、営業利益300億円、1株当たり当期純利益(EPS)80円)を通過点に、ニュー・ニッシン・イノベーション活動を推進してまいります。

 長期ビジョンにおきましては、当社グループが目指す将来のグランド・デザインの実現に向けて、グループの「総合力」を発揮する仕組みを構築するとともに「顧客志向」を改めて徹底し、「既存事業のモデルチェンジ」及び「グループの事業ポートフォリオ強化」を柱に成長戦略を推進し、また、それを支える経営機能の一層の強化等を図ります。収益レベルをさらに引き上げるべく取り組み、“未来に向かって、「健康」を支え「食のインフラ」を担うグローバル展開企業”として、「国内食品業界における確固たる地位」を揺るぎないものとしてまいります。

 また、「当社創業以来の価値観」を共有して下さる株主の皆様に長期的スタンスで安定的に利益還元を強化してまいります。連結ベースでの配当性向の基準を40%以上とし連続増配により配当の上積みを図り、自己株式取得等はキャッシュフローや戦略的な投資資金需要を勘案した上で機動的に行ってまいりたいと考えております。

 当社グループは、長期ビジョン実現のために策定したこれらの戦略を遂行し、利益成長と資本政策の両面から更なる1株当たり当期純利益(EPS)の成長を図るとともに資本の効率性と財務の安定性のバランスを取りながら、資本コストを上回る自己資本利益率(ROE)の確保・向上に努めてまいります。

 また、企業価値を高める規律としてのガバナンス(G)を強化し、事業の持続可能性に関わる環境(E)・社会(S)への貢献を事業戦略と深く関連させ経営を推進していくことで、「企業理念の実現」と「企業価値の極大化」をより強く結び付け、あらゆるステークホルダーの皆様から積極的に支持され続ける企業グループとして発展を目指してまいります。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

 国内の食品業界におきましては、流動的な世界情勢を背景とした為替相場や穀物・資源価格の変動、及び国内の人口減少に伴う市場縮小や人手不足問題の深刻化等、事業環境は大きく変化しております。また、今後の国際貿易交渉の結果いかんではグローバル競争が加速されることが予想されます。

 そのような中、当社グループは、引き続き小麦粉をはじめとする安全・安心な「食」の安定供給を確保し、各事業におきまして安全・安心な製品をお届けするという使命を果たすとともに、国内・海外を含めた事業会社間の連携を強化し、グループとしての「総合力」をさらに発揮して、長期ビジョンの実現を目指しスピーディーに取り組み、事業の成長を図ってまいります。

 

① 国内事業戦略

 製粉事業におきましては、お客様のニーズを的確にとらえた製品の開発や価値営業の推進によりお客様との関係を一層強化し、引き続き安全・安心な製品の安定供給に努めてまいります。

 加工食品事業におきましては、生活者の個食化・簡便化等のニーズに対応した新製品の投入や積極的な販売促進施策等によるブランドロイヤリティの向上、及び成長分野である中食・惣菜事業、冷凍食品事業の一層の拡大を図るなど、事業ポートフォリオの最適化に取り組んでまいります。また、深刻化する人手不足問題にも適切に対応してまいります。

 酵母・バイオ、健康食品、ペットフード、エンジニアリング、メッシュクロス等の各事業におきましては、製品開発・技術開発を進め、各業界において存在感のある事業群として成長を図ってまいります。

 

② 海外事業戦略

 製粉事業におきましては、当社グループの強みである製粉技術、提案力を活かした拡販に取り組み、現地市場での自立的成長を図ってまいります。北米では、カナダのRogers Foods Ltd.チリワック工場の生産能力増強工事が完了し、昨年10月に稼働しており、これに続き2019年初頭の稼働予定で米国のMiller Milling Company,LLCサギノー工場の生産能力約70%増強工事を進めております。また、タイではNisshin-STC Flour Milling Co.,Ltd.が同じくタイのPacific Flour Mill Co.,Ltd.から製粉工場を買収し、同社の生産能力は2.3倍に増強されました。引き続き、戦略投資を積極的に推進し、海外事業の基盤拡大に取り組んでまいります。

 加工食品事業におきましては、アジア市場で成長が見込まれる業務用プレミックス事業をさらに拡大してまいります。また、生産面ではグローバルな最適生産体制をベースにコスト競争力を強化するとともに、当社グループが長年培ってきた製造技術や高度な品質管理ノウハウを活かし、パスタ、パスタソース、冷凍食品等の更なる事業拡大に取り組んでまいります。

 酵母・バイオ事業におきましては、製パン用イーストの需要が高まっているインド市場に参入すべく、2020年夏頃の完工予定でOriental Yeast India Pvt. Ltd.がイースト工場の建設を進めており、高品質な製品を現地市場に供給することで、事業の拡大を目指してまいります。

 その他、製粉、食品、ベーカリー関連ビジネスを中心に、新たな領域での事業拡大を自社独自に又はM&A、アライアンスによりスピード感を持って推進してまいります。

 

③ 研究開発戦略、コスト戦略

 当社グループはお客様の視点に立った新製品開発と新しい領域の基礎・基盤技術の創出に取り組んでおります。新製品開発につきましては、新規性、独自性があり、お客様にとって付加価値の高い新製品を継続的に開発してまいります。研究面におきましては、研究成果の実用化、事業化推進のため、重点研究領域を明確にするとともに、事業戦略に即した研究テーマを設定するなど効率化、スピード化を図ってまいります。自動化技術の活用による更なる効率化も検討、推進し、人手不足問題等にも対応してまいります。

 また、今後も大きな変動が想定される原・燃料相場に対応し、生産コスト、調達コストの低減を進めるとともに、変動するコストに適切に対応できる事業基盤を構築してまいります。

 

④ 麦政策等の制度変更に向けた取組み

 日EU・EPAの妥結やTPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への署名等、自由化に向けた潮流は継続しており、今後、国際貿易交渉が急速に進展した場合、小麦・小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動により、関連業界に影響が及ぶことが想定されます。当社グループは、今後の情勢変化を適切に見極めながら、引き続きグローバル競争で勝ち抜くべく国内外での強固な企業体質を構築してまいります。

 

⑤ 企業の社会的責任への取組み

 当社グループは、従前より社会にとって真に必要な企業グループであり続けるべく、「日清製粉グループの企業行動規範及び社員行動指針」の実践及びそのための取組みの促進を目的に社会委員会を設置し、企業活動全般におきまして企業の社会的責任(CSR)を果たしてきております。

 当社グループは、コンプライアンスの徹底、品質保証体制の確立、環境保全活動の実施等のCSR活動の推進及び内部統制の浸透を経営の最重要課題の一つと位置付け、グループ全社に徹底しております。

 コンプライアンスにつきましては、当社グループは関連法規や社会規範及び社内規程・ルールを遵守し、公正かつ自由な競争の中で事業の発展を図っております。

 品質保証につきましては、安全・安心な製品をお届けするために、食品安全に加え、食品防御(フードディフェンス)を強化しております。また、消費者の皆様の意識や社会の潮流を見極め、備えるべき事項や対策を適時、適切に指示する役割を担うCR室が、消費者の皆様の声や消費者行政関連の情報を積極的に収集し、消費者の皆様への対応の充実を図っております。さらには、小麦粉をはじめとする安全・安心な「食」の安定供給を確保するために、BCP(事業継続計画)により災害等への備え等も拡充しております。

 環境保全につきましては、省エネルギー、廃棄物の削減等、電力問題への対応を含め環境負荷の低減に積極的に取り組んでおります。

 内部統制につきましては、金融商品取引法により求められる範囲を超え、当社グループ全体におきまして広く内部統制システムの整備を行い、専任組織によるモニタリングを実施するとともに引き続きその維持、改善に努めております。

 さらに、当社グループは社会の一員として、広く社会貢献活動に取り組み、震災被災地の復興支援、「製粉ミュージアム」による地域観光資源や教育資産としての地域貢献等を行っております。

 当社グループはこのような企業の社会的責任への取組みを、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した経営の重要課題として今後とも継続してまいります。

 

(4) 株式会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容の概要

  当社は、「食」にかかわる企業として、製品の高い安全性を確保し品質を保証するとともに、国民の主要食糧である小麦粉等を始めとした食の安定的な供給に貢献し続けていくことが、当社グループの責務であるとともに企業価値の源泉かつ礎であると考えております。こうした責務を踏まえた当社の企業価値及び株主共同の利益を持続的に確保・向上させるためには、製品の高い安全性と品質の保証、その安定的な供給などが必要不可欠です。これらの理解に欠ける者が、当社株式を買い集め、中長期的視点からの継続的・計画的な経営方針に反する行為を行うことは、当社の企業価値及び株主共同の利益が毀損されることにつながります。また、これらに限らず株式の買付行為の中には、その態様によっては当社の企業価値及び株主共同の利益を害するものも存在します。
  こうしたことに対処するためには、当社株式の買収者が意図する経営方針や事業計画の内容、買収提案が当社株主や当社グループの経営に与える影響、当社グループを取り巻く多くの関係者に与える影響、国民の主要食糧である小麦粉等の安定供給の確保や食の安全を始めとした社会的責任に対する考え方等について、事前に十分な情報開示がなされ、かつ相応の検討期間、交渉力等が確保される必要があると考えております。

 

② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要

  純粋持株会社である当社は、当社グループの経営戦略の立案、効率的な経営資源の配分、事業活動の監査・監督の役割を担い、各事業会社はそれぞれのマーケットに最適化することで、製品の高い安全性と品質の保証及びその安定的な供給を確保し、相互に企業価値を高め合いグループ全体の企業価値を向上させております。
  この体制のもと当社グループは、製品の安全性及び品質を支える生産技術・開発力・分析力等の高い技術力の維持・向上を目指し、長期的な視点に立った継続的・計画的な設備投資を実施するとともに、一層の専門性の確保・向上のための従業員の育成、品質及び設備に関する継続的な監査・指導システムの導入、内部統制、コンプライアンス体制の構築と継続的な徹底などに注力しており、また、お取引先、地域社会を含めた各利害関係者との信頼関係の構築と維持にも努めております。

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要

  当社は、企業価値及び株主共同の利益を確保・向上するための方策として、定款第49条及び2018年6月27日開催の第174回定時株主総会においてご承認いただいた「企業価値及び株主共同の利益の確保・向上のための新株予約権の無償割当等承認決議更新の件」の内容に従い、新株予約権の無償割当てを活用した方策(「本プラン」)を導入しております。本プランの概要は以下のとおりです。

1) 取締役会は、特定買収行為を企図する者に対して、買収提案をあらかじめ書面により当社に提出し、当該買

収提案について本新株予約権(下記6))の無償割当等を行わない旨の取締役会決議(「確認決議」)を求めるよう要請するものとし、特定買収行為を企図する者は、その実行に先立ち、買収提案を提出して確認決議を求めるものとします。取締役会は、本プランの迅速な運営を図る観点から、特定買収行為に関する提案を行った者に対し、必要に応じて回答期間を設定して追加的に情報提供を要請する場合があります。この場合でも、最初の情報提供要請を当該提案者に行った日から起算して60営業日以内を上限として、当該提案者が行う回答期間を設定し、当該回答期間の満了をもって企業価値委員会の検討・審議を開始することとします。
「特定買収行為」とは、a)株券等保有割合が20%以上となる当社の株券等の買付行為(これに準ずる行為として取締役会で定めるものを含みます。)又はb)買付け等の後の株券等所有割合が20%以上となる当社の株券等の公開買付けの開始行為のいずれかに該当する行為をいいます。「買収提案」とは、買収後の当社の経営方針と事業計画、対価の算定根拠、買収資金の裏付け、当社の利害関係者に与えうる影響その他下記4)ア)ないしオ)記載の事項に関連する情報として当社が合理的に求めるものが記載されたものをいいます。

2) 取締役会は、買収提案を受領した場合、当該買収提案を当社の社外役員のみから構成される企業価値委員会に速やかに付議するものとします。

3) 企業価値委員会は、買収提案を検討し、当該買収提案について取締役会が確認決議を行うべきである旨を勧告する決議(「勧告決議」)を行うかどうかを審議します。勧告決議は全委員の過半数の賛成により行われ、当該決議結果は開示されるものとします。企業価値委員会の検討・審議期間は、取締役会による買収提案受領後60営業日(対価を円貨の現金のみとした買付上限株数を設けない買収提案以外の場合には90営業日。)とします。合理的理由がある場合に限り、30営業日を上限として検討・審議期間が延長されることがあり得ますが、その場合には、当該理由及び延長予定期間について開示いたします。

4) 企業価値委員会における勧告決議の検討・審議は、当該買収提案が企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に適うものであるかどうかの観点から真摯に行われるものとします。なお、企業価値委員会は、当該買収提案が以下に掲げる事項をすべて充たしていると認められる場合で企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に適うものであるときには、勧告決議を行わなければならないものとします。

 ア) 下記のいずれの類型にも該当しないこと

 (a)株式を買い占め、その株式について当社又はその関係者に対して高値で買取りを要求する行為

 (b)当社を一時的に支配して当社の重要な資産等を移転させるなど、当社の犠牲の下に買収提案者(そのグループ会社その他の関係者を含む。以下同じ。)の利益を実現する経営を行う行為

 (c)当社の資産を買収提案者の債務の担保や弁済原資として流用する行為

 (d)当社の経営を一時的に支配して将来の事業展開・商品開発等に必要な資産や資金等を減少させる行為又は当社の株主・取引先・顧客・従業員等との協働関係を損なう行為など、当社の中長期的企業価値創出の重要な礎を不当に毀損する行為

 イ)当該買収提案に係る取引の仕組み及び内容等が、関連する法令及び規則等を遵守したものであること

 ウ)当該買収提案に係る取引の仕組み及び内容が、買収に応じることを当社株主に事実上強要するおそれがあるものではないこと

 エ)当該買収提案を検討するために必要でかつ虚偽のない情報が、当社の要請等に応じて適時に提供されていること、その他本プランの手続に即した真摯な対応がなされていること

 オ)当該買収提案を当社が検討(代替案を検討し当社株主に対して提示することを含む。)するための期間(買収提案の受領日から60営業日(対価を円貨の現金のみとした買付上限株数を設けない買収提案以外の場合には90営業日。なお、これらの日数を超える合理的理由がある場合は30営業日を上限とした当該日数。))が確保されていること

5) 取締役会の確認決議は、企業価値委員会の勧告決議に基づいてなされるものとします。取締役会は、企業価値委員会から勧告決議がなされた場合、取締役としての善管注意義務に明らかに反する特段の事情がない限り、速やかに確認決議を行わなければならないものとし、確認決議を受けた買収提案に対して本新株予約権の無償割当等を行うことができないものとします。

6) 特定買収者(特定買収行為を行った者で特定買収行為を行った時点までに確認決議を得なかった者をいいます。)が出現した場合、取締役会は、特定買収者の出現を認識した旨の開示のほか、無償割当基準日、無償割当効力発生日その他本新株予約権の無償割当てに関する必要事項を決定する決議を行い、決定された事項を公表の上、本新株予約権の無償割当てを実行します。「本新株予約権」とは、特定買収者等(特定買収者及びその関係者をいいます。)の行使に制約が付された新株予約権をいいます。

  無償割当基準日の前で取締役会が別途定める日(但し、無償割当基準日の3営業日前の日以降の日を定めることは予定されておりません。)までに、特定買収者の株券等保有割合が20%を下回ったことが明らかになった場合等には、取締役会は本新株予約権の無償割当ての効力を生じさせないことができます。

7) 本新株予約権の無償割当てを行う場合、無償割当基準日における全普通株主(但し、当社を除く。)に対し、その所有する当社普通株式1株につき本新株予約権1個の割合で割り当てることとし、本新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は、2株以下で取締役会が別途定める数となります。各本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、1円に各本新株予約権の目的となる株式の数を乗じた額とします。

8) 本新株予約権には、未行使の本新株予約権を当社が取得することができる旨の取得条項が付されます。取得の対価は、特定買収者等に該当しない者が保有する本新株予約権については、当該本新株予約権の数に本新株予約権1個当たりの目的となる株式の数を乗じた数の整数部分に該当する数の当社普通株式、それ以外の本新株予約権については取得に係る本新株予約権と同数の譲渡制限付新株予約権(特定買収者等の行使に制約が付されたもの)となります。

④ 取締役会の判断及びその理由

 本プランは上記の基本方針に沿うものであり、またその合理性を高めるため以下のような特段の工夫が施されておりますので、本プランは、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。

1) 本プランは、定款第49条の規定に則り、2018年6月27日開催の第174回定時株主総会において株主の皆様の事前承認を受けております。

2) 当社取締役の任期は1年であり、任期期差制や解任要件の普通決議からの加重等も行っておりません。従って、1回の株主総会普通決議における取締役の選解任を通じて、取締役会決議により本プランを廃止することが可能です。

3) 本プランにおける判断の中立性を担保するため、当社社外役員のみから構成される企業価値委員会が、買収提案の内容につき検討を行い、当社の役員としての会社に対する法的義務を背景に、企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に適うものであるかどうかの観点から買収提案について審議します。そして、企業価値委員会から取締役会に対し、確認決議を行うべきとの勧告決議がなされた場合、取締役会は、取締役としての善管注意義務に明らかに反する特段の事情がない限り、同勧告決議に従い確認決議を行わなければならないこととされております。

4) 本プランは、上記③に記載のとおり、企業価値委員会が勧告決議を行わなければならない場合を規定しており、客観性を高めるための仕組みが採られております。

5) 本プランは、株主総会の承認決議の範囲内で、取締役会決議により毎年見直すことを基本としており、関連する法制度の動向その他当社を取り巻く様々な状況に対応することが可能となっております。

6) 株主総会の承認決議の有効期間を、決議から3年に設定しております。3年が経過した時点で、取締役会は、附帯条件の見直し等を含め、改めて株主総会の承認をお願いし、株主の皆様にご判断いただくことを予定しております。

7) 本プランは、経済産業省及び法務省が定めた2005年5月27日付「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」が求める適法性の要件(新株予約権等の発行の差止めを受けることがないために充たすべき要件)、合理性の要件(株主や投資家など関係者の理解を得るための要件)をすべて充たしております。また、経済産業省企業価値研究会2008年6月30日付報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の提言内容にも合致しております。

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月27日)現在において当社が判断したものであります。

① 経済情勢、業界環境

 当社グループは経済情勢・業界環境によって業績を大きく左右されないように、企業体質の強化に努めておりますが、国内の競争激化による主要製品の出荷変動、単価下落の可能性があります。また、投資先・取引先等の倒産による損失発生の可能性があります。

② 国際貿易交渉の進展と麦政策の変更

 当社グループは構造改善に取組み、強固な企業体質を構築してまいりました。

 日EU・EPAの妥結やTPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への署名等、自由化に向けた潮流は継続しており、今後、国際貿易交渉が急速に進展した場合、小麦・小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。

 また、国内での麦政策の見直し等により、現行の国家貿易のあり方など小麦の管理手法(調達・在庫・売渡方法など)の変更、国内小麦粉・二次加工品市場の混乱、関連業界の再編など製粉事業、加工食品事業においてリスクの発生の可能性があります。

 

③ 製品安全

 食の安心・安全についての社会的関心が年々高まっており、食品業界におきましては、より一層厳格な対応が求められるようになっております。当社グループは食品防御(フードディフェンス)を含む品質保証体制の確立に向けて取組みを強化しておりますが、外的要因も含め当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、製品回収、出荷不能品発生などの可能性があります。また、原料調達面における当社グループの予測不能の事象の発生により出荷不能品発生などの可能性があります。

④ 原材料市況の高騰

 当社グループは将来の小麦の完全自由化対応に向けてローコストの実現を目指しておりますが、原料市況の変動及び原油高に伴う物流コスト、包装資材等の原材料価格の上昇などで調達コストが高騰し、コスト低減を実現できない可能性があります。また、輸入小麦価格の大幅な引き上げ等原材料や商品等の調達コストの上昇に対応した小麦粉及び加工食品等の販売価格の改定が確実に行われない場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 為替変動(主にドル・ユーロ・バーツ)

 当社グループは為替予約を実施するなど、為替変動によって業績を左右されないよう努めておりますが、加工食品事業をはじめ各事業において、原料・製品の一部を海外より調達しており、為替変動により調達コスト変動の可能性があります。また、海外事業においては損益、財務状況が円換算の変動の影響を受け、製粉事業においては副産物のふすま価格が為替で変動する輸入ふすま価格の影響を受ける可能性があります。

⑥ 生産の外部委託

 当社グループは生産効率の最適化を実現するために、自社生産に加えて一部製品の生産を外部委託しております。生産の外部委託に際しては自社工場と同様の管理の徹底や、調達の安定性の確保に十分に配慮しておりますが、当社グループとの取引に起因しない委託先企業の経営破綻などの事象が発生した場合、調達コストの上昇、製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。

⑦ 情報・システム

 当社グループでは適切なシステム管理体制作りをしておりますが、システム運用上のトラブルの発生などにより、顧客対応に支障をきたし、費用発生などの可能性があります。また、当社グループではコンピューターウィルス対策や情報管理の徹底を進めておりますが、当社グループの予測不能のウィルスの侵入や情報への不正アクセスなどにより、顧客対応に支障をきたす可能性や、営業秘密・個人情報の社外への流出などによる費用発生や社会的信用の低下などの可能性があります。

⑧ 他社とのアライアンス及び企業買収の効果の実現

 当社グループは経営資源の最適化を図り、成長と拡大を実現するため、他社とのアライアンス及び企業買収を

行っておりますが、アライアンス及び買収後の事業が当初の計画通りに進捗しない場合等には、その効果を実現できない可能性があります。

⑨ 設備安全、自然災害等

 当社グループは工場等の設備安全に向けて火災・爆発などの事故発生防止の体制作りを強化しております。また地震・風水害など自然災害の発生時に、人的被害・工場等の設備破損が生じないように主要工場の耐震補強や液状化対策を実施しており、今後想定される大地震に対しても、BCP(事業継続計画)の追加策定を行うなどの見直しを行っております。しかし、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、あるいは、新型インフルエンザ等の感染症が大流行した場合など、損害発生、顧客への製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。

⑩ 公的規制

 当社グループはコンプライアンスの更なる強化を進めておりますが、予測不能の事態の発生により対応費用の発生などの可能性があります。

⑪ 海外事故等

 当社グループは海外事故等の未然防止に努めておりますが、海外事業においては、政治あるいは経済の予期しない変動、テロあるいは紛争等の発生による事業活動の制約、新型インフルエンザ等の感染症の大流行などにより、海外事業の業績悪化、事業継続に支障が生じるなどの可能性があります。

⑫ 知的財産権

 当社グループは知的財産権の保護を進めておりますが、他社の類似製品発売などにより、ブランド価値の低下などの可能性があります。また、将来において当社グループが他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。

⑬ 環境管理

 当社グループの事業は、比較的環境負荷の低い事業で構成されておりますが、そのような中におきましても当社グループは企業活動を通じて環境管理システムの充実、省エネルギー、廃棄物削減など環境経営を積極的に進めております。しかしながら、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、対応費用の発生などの可能性があります。

⑭ 人材の確保

 当社グループが持続的に成長するために、多様で優秀な人材を確保し、その能力を十分に発揮できる労働環境の整備と更なる成長のための教育に努めておりますが、労働力人口の減少や雇用情勢の変動等により、必要とする人材が確保できない場合には、長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月27日)現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。当社グループはこれら見積り及び仮定について過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、これら見積り及び仮定と実績が異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2)財政状態及び経営成績の状況及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容

① 当連結会計年度の経営成績の概況及び分析

当連結会計年度につきましては、企業収益や雇用・所得環境の改善、設備投資の増加等により景気は緩やかに回復しましたが、一方で、人手不足や消費者の節約志向の継続、不安定な海外情勢等の懸念材料も見られました。

このような中、当社グループはコア事業の収益基盤の再構築、着実な利益成長、株主還元強化を柱に経営計画「NNI-120 Ⅱ」を推進し、各事業において、製品・サービスの高付加価値化と販売拡大、コスト競争力強化と安全・安心の両立、成長分野への戦略投資等、スピード感を持って成長戦略の実行に取り組みました。

当連結会計年度の業績につきましては、売上高は、前年に子会社の株式譲渡を行い連結対象外となった影響はあったものの、加工食品事業における中食・惣菜の出荷増やエンジニアリング事業における大型工事の受注等により、5,400億94百万円(前期比101.5%)となりました。利益面では、生活者のニーズにあった高付加価値製品の出荷拡大、コストダウンをはじめとした収益向上施策により、営業利益は272億円(前期比106.6%)、経常利益は318億円(前期比104.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は213億39百万円(前期比109.6%)と、いずれも過去最高となりました。

 

  (前期比較)                                     (単位:百万円)

 

2017年3月期

2018年3月期

前期差

前期比

売上高

532,040

540,094

8,054

101.5%

営業利益

25,511

27,200

1,689

106.6%

経常利益

30,329

31,800

1,470

104.8%

親会社株主に

帰属する当期純利益

19,466

21,339

1,872

109.6%

 

 セグメント別の経営成績及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 

  2018年3月期 売上高・営業利益                         (単位:百万円)

 

売上高

営業利益

実績

(前期差)

実績

(前期差)

製粉事業

234,799

1,181

9,957

134

食品事業

254,000

△944

13,473

1,046

その他

51,295

7,816

3,613

657

調整

155

△149

連結計

540,094

8,054

27,200

1,689

   (注1)売上高はセグメント間取引消去後です。

   (注2)営業利益の調整額はセグメント間取引消去等です。

 

 

1) 製粉事業

                                          (単位:百万円)

 

2017年3月期

2018年3月期

前期差

前期比

売上高

233,618

234,799

1,181

100.5%

営業利益

9,823

9,957

134

101.4%

 

製粉事業につきましては、消費者の節約志向の継続等を背景とした厳しい市場環境の中、積極的な拡販施策を実施し新規顧客の獲得を進め、国内業務用小麦粉の出荷は前年を上回りました。また、昨年4月に輸入小麦の政府売渡価格が5銘柄平均で4.6%、10月に同3.6%引き上げられたことを受け、それぞれ昨年6月及び12月に業務用小麦粉の価格改定を実施しました。

生産・物流面では、食品安全の取組みを引き続き積極的に推進するとともに、生産性向上及び固定費削減に取り組みました。

副製品であるふすまにつきましては、価格は軟調に推移しました。

海外事業につきましては、積極的な拡販に伴う出荷増により、売上げは前年を上回りましたが、利益面では、主に北米地域における販売競争もあり、厳しい状況となりました。なお、カナダのRogers Foods Ltd.チリワック工場は生産能力約80%増強工事が昨年10月に完了し、また2019年初頭に完了予定である米国のMiller Milling Company,LLC サギノー工場の生産能力約70%増強工事も、順調に進捗しております。さらに本年3月には、タイのNisshin-STC FlourMilling Co.,Ltd.が、拡大する小麦粉需要に対応するため製粉工場を買収し、同社の生産能力は2.3倍に増強されました。

この結果、売上高は海外売上増加の影響等により、2,347億99百万円(前期比100.5%)となり、営業利益は海外事業で販売競争等による業績への影響(前期差△7億円)があったものの、国内事業でのコストダウン及び戦略経費の減少(前期差+5億円)等により、99億57百万円(前期比101.4%)となりました。

 

 

2) 食品事業

                                           (単位:百万円)

 

2017年3月期

2018年3月期

前期差

前期比

売上高

254,944

254,000

△944

99.6%

営業利益

12,426

13,473

1,046

108.4%

 

  加工食品事業につきましては、家庭用では、生活者の個食化・簡便化等のニーズにこたえ、好評をいただいているボトルタイプ製品のラインアップの拡充、拡販を図ったほか、イベントへの協賛、デジタルマーケティングの活用等、消費を喚起する施策を実施しました。業務用では、顧客ニーズに合わせた新製品の投入、新規顧客獲得に向けた提案活動を実施しました。また、輸入小麦の政府売渡価格改定に伴う業務用小麦粉の価格改定を受け、家庭用小麦粉及び業務用プレミックス等の価格改定を、昨年7月及び本年1月に実施しました。中食・惣菜につきましては、幅広いカテゴリーの製品をフルラインアップで供給できる総合中食・惣菜事業を展開しており、昨年、関西の調理麺工場の生産能力を増強するとともに、名古屋に新工場を建設しました。この結果、パスタ・パスタソース、中食・惣菜、冷凍食品等の出荷が好調に推移したものの、前年に子会社の株式譲渡を行い連結対象外となった影響等により、加工食品事業全体としては、売上げは前年を下回りました。

海外事業につきましては、プレミックス事業の売上げは前年を上回りました。また、コスト競争力を有するグローバルな最適生産体制の構築に向けて建設したベトナムのパスタソース等の調理加工食品工場、トルコのパスタ工場は順調に稼働しております。

酵母・バイオ事業の酵母事業につきましては、主にパン向けの総菜等の出荷が好調に推移した結果、売上げは前年を上回りました。バイオ事業につきましては、診断薬原料等の出荷増等により、売上げは前年を上回りました。なお、2020年夏頃の完工予定で、海外子会社であるOriental Yeast India Pvt. Ltd.がインドにおいてイースト工場の建設を進めております。

健康食品事業につきましては、医薬品原薬の出荷増等により、売上げは前年を上回りました。

この結果、売上高は子会社の株式譲渡により連結対象外となった影響等による加工食品売上減(前期差△33億円)及びオリエンタル酵母工業売上増(前期比+22億円)等により、2,540億円(前期比99.6%)となり、営業利益は中食・惣菜事業の名古屋新工場立上げにかかる費用の発生等のコスト関連影響(前期差△10億円)はあったものの、生活者のニーズにあった高付加価値製品の出荷拡大等(前期差+16億円)により、134億73百万円(前期比108.4%)となりました。

 

3) その他事業

                                          (単位:百万円)

 

2017年3月期

2018年3月期

前期差

前期比

売上高

43,478

51,295

7,816

118.0%

営業利益

2,956

3,613

657

122.2%

 

ペットフード事業につきましては、積極的な新製品の投入、キャンペーンの実施等拡販に努め、売上げは前年を上回りました。

エンジニアリング事業につきましては、主力のプラントエンジニアリングにおける大型工事の受注により、売上げは前年を上回りました。

メッシュクロス事業につきましては、太陽光パネル向けのスクリーン印刷用資材、自動車部品向け等の化成品の出荷が好調で、売上げは前年を上回りました。

この結果、売上高は設備工事売上増加の影響等により、512億95百万円(前期比118.0%)となり、これに伴い、営業利益は36億13百万円(前期比122.2%)となりました。

 

② 当連結会計年度の財政状態の概況及び分析

                                      (単位:百万円)

 

2017年3月期

2018年3月期

前期差

流動資産

238,858

265,442

26,583

固定資産

318,709

328,051

9,342

資産計

557,568

593,493

35,925

流動負債

89,833

114,258

24,424

固定負債

60,928

65,441

4,512

負債計

150,762

179,699

28,936

純資産

406,805

413,794

6,988

負債・純資産計

557,568

593,493

35,925

 

当連結会計年度末における資産、負債、純資産の状況及び分析は以下のとおりです。

流動資産は2,654億42百万円で、売上高の増加や当年度末日が休日であったこと等による受取手形及び売掛金の増加とたな卸資産の増加等により、前年度末に比べ265億83百万円増加しました。固定資産は3,280億51百万円で、Miller Milling Company, LLC サギノー工場生産能力増強工事やOriental Yeast India Pvt. Ltd.イースト工場建設工事等の設備投資による有形固定資産の増加、保有している投資有価証券の評価差額金の増加等により、前年度末に比べ93億42百万円増加しました。この結果、総資産は5,934億93百万円となり、前年度末に比べ359億25百万円増加しました。また、流動負債は1,142億58百万円で、仕入の増加や当年度末日が休日であったこと等による支払手形及び買掛金の増加等により、前年度末に比べ244億24百万円増加しました。固定負債は654億41百万円で、投資有価証券の評価差額金の増加に対応する繰延税金負債の増加等により、前年度末に比べ45億12百万円増加しました。この結果、負債は合計1,796億99百万円となり、前年度末に比べ289億36百万円増加しました。純資産は親会社株主に帰属する当期純利益による増加、配当金の支出による減少、自己株式の取得による減少、その他の包括利益累計額の増加等により、前年度末に比べ69億88百万円増加し、4,137億94百万円となりました。

 

③ 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの状況

                                       (単位:百万円)

 

2017年3月期

2018年3月期

前期差

営業活動によるキャッシュ・フロー

35,361

42,869

7,507

投資活動によるキャッシュ・フロー

△5,240

△18,067

△12,827

財務活動によるキャッシュ・フロー

△11,470

△18,593

△7,123

現金及び現金同等物に係る換算差額

△246

1,415

1,662

現金及び現金同等物の増減額

18,404

7,624

△10,780

連結子会社の決算期変更に伴う

現金及び現金同等物の増減額

△527

527

現金及び現金同等物の期末残高

90,837

98,461

7,624

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 税金等調整前当期純利益324億30百万円、減価償却費155億9百万円等による資金増加が、法人税等の支払等の資金減少を上回ったことにより、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは428億69百万円の資金増加(前連結会計年度は353億61百万円の資金増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 Oriental Yeast India Pvt. Ltd.イースト工場建設工事やMiller Milling Company, LLCサギノー工場新生産ライン増設工事を含めた有形及び無形固定資産の取得に197億4百万円を支出したこと等により、当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは180億67百万円の資金減少(前連結会計年度は52億40百万円の資金減少)となりました。

 

  以上により、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは、248億2百万円の資金増加(前連結会計年度は301億21百万円の資金増加)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 株主の皆様への利益還元といたしまして配当に80億88百万円を支出したことに加え、2017年5月12日開催の取締役会決議に基づいた自己株式5,334,900株、99億99百万円の取得を含めた自己株式の取得に101億64百万円を支出したこと等により、当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは185億93百万円の資金減少(前連結会計年度は114億70百万円の資金減少)となりました。

 

  上記のとおり、当連結会計年度は営業活動により増加した資金を、戦略的な設備投資に投入するとともに株主の皆様への利益還元として配当及び自己株式の取得に充当いたしました。これにより、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末比76億24百万円増加し、984億61百万円となりました。

 

② 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度末の借入金残高は150億円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、当社グループは将来必要とされる成長資金及び有利子負債の返済に対し、当面充分な流動性を確保しております。

 当社グループは長期ビジョン「NNI “Compass for the Future”新しいステージに向けて ~ 総合力の発揮とモデルチェンジ」に基づき、持続的成長に向けて、設備投資、M&A、人材育成、技術開発等の戦略投資を今後さらに積極的に加速させると同時に、株主還元につきましては、「当社創業以来の価値観」を共有して下さる株主の皆様に長期的スタンスで安定的に利益還元を強化してまいります。具体的には、連結ベースでの配当性向の基準を40%以上とし連続増配により配当の上積みを図り、自己株式取得等はキャッシュ・フローや戦略的な投資資金需要を勘案した上で機動的に行ってまいりたいと考えております。なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。

 そのための資金は、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを取りながら、内部及び外部の両財源より調達してまいります。内部からの資金捻出は、既に導入しておりますキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を利用した国内連結子会社の資金の一元管理、及び資産の徹底的な圧縮に引き続き取り組むことにより、外部からは当社グループの健全な財務体質を背景に有利子負債等により、調達してまいります。

 

(4)経営計画「NNI-120 Ⅱ」の達成状況及び経営者の視点による分析・検討内容

 ① 経営計画「NNI-120 Ⅱ」の業績目標と資本政策

 当社グループは、2015年度に、2020年度を最終年度とする有期目標を掲げた経営計画「NNI-120 Ⅱ」を策定しました。経営計画では、コア事業の収益基盤の再構築に注力すると同時に、買収事業を含めた自立的成長と新規戦略投資(M&A、設備投資)等の実行により、着実な利益成長を目指し、2020年度の業績目標を以下の通りとしております。

 

<2020年度の業績目標>

・売上高

7,500億円(基準年度:2014年度 5,261億円)

※年率平均6%成長

・営業利益

 300億円(     同     204億円)

※年率平均7%成長

・EPS

   80円(     同       53円)

※EPS(1株当たり当期純利益)は、利益成長と

  資本政策の両面から年率平均8%成長を目指す。

 

 また、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを取りながら、将来の成長に向け戦略投資を推進するとともに、従来以上に積極的な株主還元に取り組む資本政策を以下の通り策定しました。

 

<資本政策>

・連結ベースでの配当性向の基準を40%以上とし、今後、さらに積極的に配当の上積みを図る。

・自己株式取得を機動的に実行していく。

 

② 経営計画「NNI-120 Ⅱ」の達成状況

経営計画における2020年度の業績目標に対して、2017年度の売上高は基準年度に対して年率平均0.9%成長(業績目標:年率平均6%成長)、営業利益は同9.9%成長(同7%成長)、1株当たり当期純利益(EPS)は同10.3%成長(同8%成長)となりました。売上高は目標を下回っているものの、営業利益・1株当たり当期純利益(EPS)は目標数値を上回って進捗しております。

資本政策につきましては、2017年度の1株当たり年間配当金は29円、配当性向は40.6%となり、連結ベースでの配当性向を40%以上とする経営計画の基本方針のもと、連続増配を継続しております。また、株主還元の一層の積極化を図り、2017年度において100億円を上限とした自己株式取得を行いました。

 

(5)生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

増減率(%)

金額(百万円)

金額(百万円)

製粉

224,067

226,739

1.2

食品

136,927

137,773

0.6

その他

25,041

25,638

2.4

合計

386,037

390,152

1.1

 (注)1 金額は、期間中の平均販売価格等により算出しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b. 受注実績

重要な受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

増減率(%)

金額(百万円)

金額(百万円)

製粉

233,618

234,799

0.5

食品

254,944

254,000

△0.4

その他

43,478

51,295

18.0

合計

532,040

540,094

1.5

 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

三菱商事㈱

62,097

11.7

61,944

11.5

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 主要な原材料価格及び販売価格の変動については「(2)財政状態及び経営成績の状況及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容」に記載しております。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループ(当社及び連結子会社)では、当社の組織として主に基盤技術を研究開発する基礎研究所、及び主に各事業に導入する生産技術の開発とナノテクノロジー技術の開発を担う生産技術研究所を設置するほか、連結子会社である日清製粉㈱(製粉事業)、日清フーズ㈱、オリエンタル酵母工業㈱、日清ファルマ㈱(以上食品事業)、日清ペットフード㈱、日清エンジニアリング㈱、㈱NBCメッシュテック(以上その他事業)にそれぞれ研究開発組織を配置し、各事業領域に特化した研究開発を行っております。
 これらの研究開発組織においては、新製品候補素材の探索や新技術の確立を目的とした基礎研究を行う一方、マーケットのニーズ・ウォンツに適合した新製品や調理加工技術の開発、既存製品の改良、生産システムの自動化、粉粒体関連技術の開発・応用など、幅広い研究開発活動を行っております。いずれも研究領域における専門性を高め最新技術を導入するため内外の研究機関などと積極的に連携を深め、研究開発の効率化と成果の事業化を強力に推進しております。
 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、59億13百万円であります。
 なお、研究開発費には、特定のセグメントに関連付けられない研究費用10億79百万円が含まれております。
 当連結会計年度の研究開発の概要と主な成果は次のとおりであります。

(1) 製粉事業

 日清製粉㈱商品開発センター、つくば穀物科学研究所が中心となり、当社の基礎研究所、生産技術研究所と連携して、新しい小麦粉加工技術及び小麦・小麦粉を中心とした穀物科学と穀粉加工技術の研究開発などを行っております。主な成果としては、健康意識の高まりや麺類における糖質制限のニーズに対応するべく、糖質制限対応の業務用麺用ミックス粉「M207」を発売しました。

 製粉事業に係る研究開発費は6億31百万円であります。

(2) 食品事業

 日清フーズ㈱の加工食品事業部が中心となり、当社の基礎研究所、生産技術研究所と連携して、各種プレミックス・乾麺・パスタ・レトルト食品・冷凍食品・惣菜等の全温度帯商品群の研究開発を行っております。主な成果としては、ボトルタイプ製品の第5弾として、独自配合でサラサラして使いやすく、水溶きなしでとろみがつけられる家庭用の新製品「日清 水溶きいらずのとろみ上手」を発売しました。オリエンタル酵母工業㈱の食品部門では、食品研究所と4つの食品開発センターでイーストや製パン用をはじめとした食品素材及び日持・品質向上剤等の研究開発を行い、バイオ部門では長浜生物科学研究所と長浜工場CS開発部において再生医療関連製品等の研究開発を行っております。日清ファルマ㈱健康科学研究所では各種健康食品の開発と産官学で連携して健康食品素材の研究開発を行っております。主な成果としては、腸内環境を良好にし腸の調子を整える機能性表示食品「ビフィコロン」と従来品に比べ吸収性を改良したコエンザイムQ10を配合した「キューテンライフ」を発売しました。

 食品事業に係る研究開発費は34億38百万円であります。

(3) その他事業

 日清ペットフード㈱では那須研究所でペットの健康や嗜好に配慮した研究開発を行っております。主な成果としては、“時間栄養学を利用したペットフード”として開発された「いぬのしあわせ プッチーヌ 朝ごはん&夜ごはん」シリーズのラインアップ充実を図りました。日清エンジニアリング㈱では、粉体事業部が各種粉体の粉砕、分級などの機器、及び熱プラズマ法によるナノ粒子製造技術を当社の生産技術研究所と連携して研究開発しております。また㈱NBCメッシュテックでは、スクリーン印刷用・産業用資材の両分野において新製品及び新素材の研究開発を行っております。

 その他事業に係る研究開発費は7億64百万円であります。