(1)経営成績に関する分析
① 当連結会計年度の概況
当連結会計年度における我が国経済は、政府・日銀による経済再生実現に向けての各種政策の効果が下支えするなか、一部に弱さが見られるものの、緩やかな回復基調が続きました。世界経済は、米国の金融緩和縮小に向けた動きの影響、欧州、中国やその他新興国経済の先行き、原油価格下落の影響、地政学的リスク等、景気を下押しするリスクがあるなか、一部に緩やかな回復が見られるものの引き続き不透明な状況にありました。
当社は複数の地域において積極的な受注活動に取り組み、ロシアのLNG(液化天然ガス)プラント建設プロジェクトについて受注金額の確定により受注計上したほか、国内や東南アジアでLNG関連プロジェクト等を受注いたしました。既受注案件では完工遅延が生じたプロジェクトがありましたが、建設がピークを迎えているオーストラリアのLNGプラント建設プロジェクトを始めその他の大型案件では確実な遂行に注力いたしました。なお、原油価格下落の影響等により設備投資案件の実施の見直しの動きが出ておりますが、中長期的には世界的な人口増加や新興国の経済成長を背景としたエネルギー需要の増加により、産油・産ガス諸国および大手石油会社等の主要顧客の潜在的な投資意欲は堅調であると見込まれております。
このような状況のもと、日揮グループの当連結会計年度の業績等については、以下のとおりとなりました。
経営成績
|
|
当連結会計年度 |
前年同期増減率(%) |
当事業年度(単体) |
前年同期増減率(%) |
|
売上高 |
799,076 |
18.2 |
537,079 |
18.0 |
|
営業利益 |
29,740 |
△56.4 |
14,184 |
△71.5 |
|
経常利益 |
44,867 |
△46.4 |
32,328 |
△55.5 |
|
当期純利益 |
20,628 |
△56.3 |
17,808 |
△58.7 |
受注高
|
地域 |
当連結会計年度 |
割合(%) |
当事業年度(単体) |
割合(%) |
|
海外 |
637,674 |
82.8 |
545,122 |
87.9 |
|
国内 |
132,005 |
17.2 |
75,020 |
12.1 |
|
合計 |
769,680 |
100.0 |
620,142 |
100.0 |
この結果、当連結会計年度末の受注残高は、為替変動による修正および契約金額の修正・変更等を加え、連結受注残高1兆7,758億円、単体受注残高1兆2,453億円となりました。
② セグメント別状況
総合エンジニアリング事業
EPC(設計・調達・建設)ビジネスでは、日本国内をはじめ中東、アフリカ(特にサブサハラ)、東南アジア、北米地域およびロシア・CIS等で積極的な受注活動に取り組むとともに、受注済みプロジェクトの確実な遂行に注力いたしました。その結果、第1四半期連結会計期間において、平成25年4月締結済みの契約に基づき先行して役務を遂行していたロシアのLNGプラント建設プロジェクトについて、受注金額の確定により受注計上いたしました。また、平成26年9月に福島県相馬郡におけるLNG受入基地の建設プロジェクトを受注したほか、同年10月にはインドネシアにおけるLNGプラント増設プロジェクトの基本設計役務を受注いたしました。さらに、平成27年1月にはマレーシアにおけるLNGコンプレックスの拡張プロジェクトを受注いたしました。遂行中の案件に関しては現在オーストラリアで大型LNGプラントの建設がピークを迎えております。本プロジェクトはモジュール工法を導入し、アジア各地に所在する建設ヤードで機能単位に分割されたプラントの建設を進め、大型船による運搬を経て最終建設地でひとつのプラントに組み上げるという新たな建設手法に挑戦しております。なお、カタールにて遂行中のBarzan Gas Company Limited向け大型ガス処理プラント建設工事において、完工時期の遅延に伴う建設工事費用の増加により利益が減少いたしました。
投資ビジネスでは、引き続き複数の地域において事業運営・事業投資を展開しており、また、企画・マネジメントサービスでは、引き続きアジア地域において都市開発やインフラ整備案件を進めております。
触媒・ファイン事業
触媒事業では、FCC触媒の輸出案件が増加したものの、国内向け脱硝触媒案件の減少、脱硝触媒原料の輸出不振等により出荷が減少いたしました。ファイン事業においては、スマートフォン向け部材用研磨材、機能性塗料材の出荷が好調であったことに加え、液晶露光装置用セラミックス・金属複合材料の受注が伸長いたしました。この結果、触媒・ファイン事業の業績は、前期比で、売上高はほぼ横ばいとなったものの、減益となりました。
その他の事業
その他の事業では、平成27年1月に千葉県鴨川市において大規模太陽光発電(メガソーラー)の設備が完成し売電を開始する等、引き続き国内におけるメガソーラー事業等を実施しております。なお、原油価格下落の影響により連結子会社が米国で保有するシェールオイル権益における固定資産の減損損失等の特別損失を計上いたしました。
以上のような取組みのもと、日揮グループの当連結会計年度のセグメント別の業績については、以下のとおりとなりました。
当連結会計年度
|
|
総合エンジニア リング事業 |
前年同期 増減率 (%) |
触媒・ファイン 事業 (百万円) |
前年同期 増減率 (%) |
その他の事業 |
前年同期 増減率 (%) |
|
売上高 |
745,035 |
19.2 |
37,467 |
0.8 |
16,574 |
19.7 |
|
営業利益 |
23,535 |
△62.2 |
3,735 |
△11.2 |
3,535 |
109.9 |
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し新規連結を伴う増加を除き876億84百万円減少し、2,977億7百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益が300億59百万円となりましたが、未成工事受入金の減少などにより、結果として714億16百万円の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、有形固定資産の取得などにより、234億11百万円の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、新規の借入などにより38億36百万円の増加となりました。
「生産、受注及び販売の状況」に記載している諸数値には消費税等を含めておりません。
(1)生産実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
総合エンジニアリング事業 |
- |
- |
|
触媒・ファイン事業 |
35,649 |
103.1 |
|
報告セグメント計 |
35,649 |
103.1 |
|
その他の事業 |
- |
- |
|
合計 |
35,649 |
103.1 |
(注)金額は販売価格によっている。
(2)受注実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
総合エンジニアリング事業 |
752,144 |
93.5 |
|
触媒・ファイン事業 |
- |
- |
|
報告セグメント計 |
752,144 |
93.5 |
|
その他の事業 |
17,536 |
124.7 |
|
合計 |
769,680 |
94.1 |
(3)売上実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
総合エンジニアリング事業 |
745,035 |
119.2 |
|
触媒・ファイン事業 |
37,467 |
100.8 |
|
報告セグメント計 |
782,502 |
118.2 |
|
その他の事業 |
16,574 |
119.7 |
|
合計 |
799,076 |
118.2 |
(注)完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高およびその割合は、次のとおりである。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
||
|
完成工事高 (百万円) |
割合(%) |
完成工事高 (百万円) |
割合(%) |
|
|
イクシス エルエヌジー社 |
149,418 |
22.1 |
195,966 |
24.5 |
|
ラスガス社 |
69,880 |
10.3 |
- |
- |
(注)当連結会計年度のラスガス社については、当該割合が100分の10未満であるため記載を省略している。
(参考)連結ベースの受注高、売上高および受注残高 (単位:百万円)
|
区分 |
前連結会計年度末 受注残高 |
当連結会計年度 受注高 |
当連結会計年度 売上高 |
当連結会計年度末 受注残高 |
|
国内 |
|
|
|
|
|
石油・ガス・資源開発関係 |
23 |
1,097 |
1,024 |
96 |
|
石油精製関係 |
20,732 |
24,266 |
23,235 |
21,762 |
|
LNG関係 |
13,291 |
23,329 |
10,398 |
26,221 |
|
化学関係 |
2,864 |
18,820 |
15,944 |
5,741 |
|
発電・原子力・新エネルギー関係 |
73,594 |
28,359 |
36,270 |
65,682 |
|
生活関連・一般産業設備関係 |
3,028 |
16,725 |
5,442 |
14,311 |
|
環境・社会施設・情報技術関係 |
20,143 |
13,081 |
14,805 |
18,419 |
|
その他 |
562 |
6,326 |
6,046 |
842 |
|
計 |
134,241 |
132,005 |
113,169 |
153,077 |
|
海外 |
|
|
|
|
|
石油・ガス・資源開発関係 |
131,267 |
46,719 |
73,171 |
104,815 |
|
石油精製関係 |
405,226 |
103 |
75,671 |
329,657 |
|
LNG関係 |
946,092 |
557,276 |
443,001 |
1,060,366 |
|
化学関係 |
149,661 |
19,830 |
44,423 |
125,068 |
|
発電・原子力・新エネルギー関係 |
537 |
1,816 |
286 |
2,067 |
|
生活関連・一般産業設備関係 |
931 |
316 |
1,178 |
68 |
|
環境・社会施設・情報技術関係 |
1 |
18 |
9 |
10 |
|
その他 |
△143 |
11,593 |
10,696 |
753 |
|
計 |
1,633,573 |
637,674 |
648,440 |
1,622,808 |
|
総合エンジニアリング事業 |
1,767,244 |
752,144 |
745,035 |
1,774,353 |
|
その他の事業 |
570 |
17,536 |
16,574 |
1,532 |
|
計 |
1,767,814 |
769,680 |
761,609 |
1,775,885 |
|
触媒・ファイン事業 |
- |
- |
37,467 |
- |
|
合計 |
1,767,814 |
769,680 |
799,076 |
1,775,885 |
(注)1.総合エンジニアリング事業およびその他の事業の「前連結会計年度末受注残高」は当連結会計年度の為替換算
修正および契約金額の修正・変更等をそれぞれ次のとおり含んでいる。 (単位:百万円)
|
区分 |
為替換算修正 |
契約金額の修正・変更等 |
計 |
|
石油・ガス・資源開発関係 |
15,389 |
△199 |
15,190 |
|
石油精製関係 |
12,156 |
△125 |
12,030 |
|
LNG関係 |
21,259 |
△14,323 |
6,935 |
|
化学関係 |
13,442 |
△479 |
12,963 |
|
発電・原子力・新エネルギー関係 |
△39 |
△7,351 |
△7,391 |
|
生活関連・一般産業設備関係 |
△1 |
△4 |
△6 |
|
環境・社会施設・情報技術関係 |
- |
△0 |
△0 |
|
その他 |
△1,213 |
△13 |
△1,226 |
|
計 |
60,994 |
△22,497 |
38,496 |
|
総合エンジニアリング事業 |
61,996 |
△22,497 |
39,498 |
|
その他の事業 |
△1,002 |
0 |
△1,002 |
2.記載金額は百万円未満を切り捨てて表示している。
(参考)当社単体の受注高、売上高および受注残高 (単位:百万円)
|
区分 |
前事業年度末 受注残高 |
当事業年度 受注高 |
当事業年度 売上高 |
当事業年度末 受注残高 |
|
国内 |
|
|
|
|
|
石油・ガス・資源開発関係 |
24 |
116 |
45 |
96 |
|
石油精製関係 |
17,491 |
16,672 |
15,118 |
19,044 |
|
LNG関係 |
12,518 |
23,309 |
10,042 |
25,785 |
|
化学関係 |
1,937 |
2,048 |
842 |
3,143 |
|
発電・原子力・新エネルギー関係 |
79,121 |
8,858 |
36,240 |
51,739 |
|
生活関連・一般産業設備関係 |
3,028 |
16,135 |
4,912 |
14,251 |
|
環境・社会施設・情報技術関係 |
18,116 |
7,663 |
10,254 |
15,525 |
|
その他 |
94 |
216 |
96 |
214 |
|
計 |
132,333 |
75,020 |
77,552 |
129,800 |
|
海外 |
|
|
|
|
|
石油・ガス・資源開発関係 |
118,402 |
17,397 |
64,181 |
71,618 |
|
石油精製関係 |
405,146 |
308 |
75,716 |
329,738 |
|
LNG関係 |
496,508 |
525,063 |
308,783 |
712,788 |
|
化学関係 |
8,981 |
1,429 |
9,677 |
733 |
|
発電・原子力・新エネルギー関係 |
577 |
△1 |
△1 |
577 |
|
生活関連・一般産業設備関係 |
321 |
273 |
526 |
68 |
|
環境・社会施設・情報技術関係 |
- |
6 |
6 |
- |
|
その他 |
- |
645 |
636 |
9 |
|
計 |
1,029,938 |
545,122 |
459,526 |
1,115,533 |
|
合計 |
1,162,271 |
620,142 |
537,079 |
1,245,334 |
(注)1.「前事業年度末受注残高」は当事業年度の為替換算修正および契約金額の修正・変更をそれぞれ次のとおり含んでいる。 (単位:百万円)
|
区分 |
為替換算修正 |
契約金額の修正・変更 |
計 |
|
石油・ガス・資源開発関係 |
14,834 |
- |
14,834 |
|
石油精製関係 |
12,155 |
△120 |
12,034 |
|
LNG関係 |
31,660 |
△15,647 |
16,013 |
|
化学関係 |
△0 |
- |
△0 |
|
発電・原子力・新エネルギー関係 |
- |
- |
- |
|
生活関連・一般産業設備関係 |
- |
△4 |
△4 |
|
環境・社会施設・情報技術関係 |
- |
- |
- |
|
その他 |
- |
- |
- |
|
計 |
58,649 |
△15,772 |
42,877 |
2.記載金額は百万円未満を切り捨てて表示している。
3.当社の取扱品目である各種プラント・施設等の設計・調達・建設役務の遂行には高度の技術能力を必要とするため、顧客による特命ないし指名入札方式による契約がほとんどである。
日揮グループは、2011年度を初年度とする中期経営計画「NEW HORIZON 2015」により、コアビジネスであるEPC(設計・調達・建設)ビジネスに加え、事業投資や企画・マネジメントサービス等のビジネス領域のさらなる拡大を行い、新たな領域−NEW HORIZONにおいて幅広い顧客のニーズに応え、顧客とともに新たな価値を創造する「Program Management Contractor & Investment Partner」への変貌を図っております。
環境が大きく変化している状況ではありますが、日揮グループは一丸となってこの「NEW HORIZON 2015」をさらに推し進めてまいります。なお、配当政策については、連結当期純利益の25%を目処とする配当性向を掲げております。
当連結会計年度末における「NEW HORIZON 2015」の重点施策の進捗状況については、以下のとおりであります。
(1)EPCビジネス強化策
日揮グループのコアビジネスであるEPCビジネスは、特に海外ハイドロカーボンプロジェクトにおいて依然として厳しい受注競争が続いておりますが、以下の四本柱の戦略を強力に推進し、競争力の強化を図っております。
①ハイドロカーボン分野における競争力強化・向上
当社は、ハイドロカーボン分野における有望マーケットである北米地域、ロシアおよびオセアニア等への進出を果たしました。また、現在、複数の国においてLNGプラント建設プロジェクトを遂行しております。今後も、日揮グループ全社を挙げての抜本的なコスト競争力の向上に取り組むとともに、営業力とプロジェクト遂行力にさらに磨きをかけ、より多くの優良なプロジェクトを受注・遂行してまいります。また、日本国内においては、国内EPC子会社の合併により、技術力・コスト競争力の強化を図り総合的な事業展開を推進しております。
②ノンハイドロカーボン分野の拡大
非鉄分野では、フィリピンにおいて低品位原料からのニッケル製錬プラントを完成させました。当社は過去にも同種のプラントを複数、成功裡に完成させており、この種のプラント建設における世界のリーダーとしての地位を揺るぎないものとしております。また、日本国内において、複数の大規模太陽光発電(メガソーラー)の設備を完成させました。今後は、これまでに積み上げてきた実績をもとに、ノンハイドロカーボン分野のさらなる拡大を推進してまいります。
③海外EPC子会社の強化
産油・産ガス諸国で強まってきているローカリゼーション(現地化)の動きに呼応し、海外EPC子会社による現地中小規模プロジェクトの受注拡大に努めております。具体的には、当社のサウジアラビア法人であるJGC Gulf International Co., Ltd.が同国で複数の石油化学・ガス処理関連プロジェクトを遂行しているほか、インドネシア法人であるPT. JGC INDONESIAにおいても同国で複数のプロジェクトを遂行しております。さらに、北米地域におけるプロジェクト遂行のための新規拠点としてJGC America, Inc.を設立いたしました。今後も、日揮グループ全体のさらなる成長に向け、海外EPC子会社の拡大・強化に努めてまいります。
④EPC新分野の開拓
日本企業初となる洋上LNGプラント分野への参入を果たしました。また、モジュール工法を採用したプロジェクトに積極的に挑戦しております。加えて、海外原子力発電分野やインフラ分野に積極的に取り組み、新分野のEPCビジネスのさらなる領域拡大を推進してまいります。
(2)事業投資・サービスビジネス拡大策
事業投資、企画・マネジメントサービス、製造業等のビジネス分野において、自らが事業者として事業に投資し運営する、あるいは事業者の視点に立ったサービスを提供できる企業グループへの変貌を図っております。
①事業投資
当社は、日揮グループが長年培ってきた技術・知識およびノウハウを活用し、以下の分野において積極的に事業投資を推進しております。
◇電力・新エネルギー分野
電力分野では、千葉県鴨川市においてメガソーラー発電所の企画から開発、建設工事、事業運営までを一貫して遂行する等、国内で複数のメガソーラー事業を実施するとともに、サウジアラビアにおいて電力・蒸気供給事業を遂行しております。新エネルギー分野では、インドネシアにおいて、同国の未利用資源である低品位炭を原料とした新液体燃料の商業化に向けた取組みを進めております。
◇環境・水分野
環境・水分野では、中国において省エネ・環境保護関連企業へ資本性資金を提供する日中省エネ環境ファンドに参画するとともに、同国で複数の水質浄化実証プロジェクトやCDM(排出権取引)事業を実施いたしました。また、国内外において複数の水関連事業に取り組んでおります。
◇資源開発分野
資源開発分野では、日本企業として初めてシェールオイルの生産・開発事業に参画する等、北米地域において複数の油ガス田の生産・開発事業を実施しているほか、国が実施する砂層型メタンハイドレートの中長期海洋産出試験等への参画を目指す新会社に資本参加しております。
◇都市インフラ開発、新産業開発等の新分野
医薬・メディカル分野では、都立松沢病院において、国内のエンジニアリング会社初となるPFI(Private Finance Initiative)事業に取り組んでおります。現在、病院施設の建設工事を完了し、約15年間に亘る施設の維持管理、病院運営、医療機器・材料等の調達および統括マネジメント業務を遂行しております。さらに、カンボジアにおいて、当社初となる海外での病院事業への参画を果たし、現在、病院の建設工事が行われております。また、インドや中国において、工業・商業・住宅等を含む複合産業都市の開発に取り組む等、新分野への事業投資を積極的に推進しております。
②企画・マネジメントサービス
資源開発計画、社会インフラ開発計画全体の企画・立案といったプログラムマネジメント、FEED(Front-End Engineering Design)、PMC(Project Management Consulting)等、事業者の視点に立った「企画・マネジメントサービス」を提供しております。これまでに多数の海外プロジェクトにおいて、FEEDの初期段階からプロジェクトに関与するとともに、PMC遂行者としてより事業者に近い立場からプロジェクトを企画・マネジメントしております。また、アジア地域において、都市開発やインフラ整備案件を推進し、社会インフラ開発計画全体の企画・立案を行っております。
③製造ビジネス等
製造ビジネスのうち、触媒・ファイン事業では、海外市場への拡販、競争力強化および製品開発のスピードアップ等に取り組んでおります。また、当社の国内子会社である日本ファインセラミックス㈱がセラミックス・金属複合材料事業を買収する等、触媒・ファイン事業の一層の拡大に向け、精力的に活動しております。
日揮グループの事業その他に関するリスクで、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、平成27年3月31日現在において日揮グループ全体を視野に入れて判断したものであります。
①海外要因のリスク
日揮グループの事業は海外売上高が全体の約8割を占め、相手国における経済リスク、政治・社会リスクなどのいわゆるカントリーリスクにさらされております。具体的には、不安定な政情、戦争、革命、内乱、テロ、経済政策・情勢の急変、対外債務不履行および為替・税金制度の変更などが考えられます。日揮グループは、これらのリスクに起因する事業への影響をできるだけ少なくするために、リスク管理体制の見直し・強化をはじめ、貿易保険の利用、代金の早期回収および企業連合の組成などの方策を講じておりますが、想定を超える事業環境の変化が発生した場合には、プロジェクトの中止、中断および遅延などによって、日揮グループの業績に影響を与える可能性があります。
②プロジェクト遂行上のリスク
日揮グループのプロジェクト契約形態はその多くがランプサム・フルターンキー契約(一括請負契約)でありますが、一部にはリスクを低減するためのコストプラスフィー契約(実費償還型契約)、コスト開示型見積方式による契約などがあり、プロジェクトに応じて採用しております。日揮グループは過去の経験を十分に活用し、プロジェクト遂行中の各種リスクへの対応を織り込んで契約を行っておりますが、資機材価格・レーバーコストの急激な変動、自然災害および疾病の発生など、想定を超えるプロジェクト遂行上の問題および自己責任によるプラントに係る重大な事故が発生した場合には、プロジェクトの採算が悪化し、日揮グループの業績に影響を与える可能性があります。
③投資事業リスク
日揮グループでは、石油・ガス・資源開発関連事業、新燃料事業、水・発電事業および都市開発・インフラ整備事業などへの投資を行っておりますが、新規投資および再投資実行の際にはリスク評価を行うとともに、既存事業については適時モニタリングを行うことで、適切なリスク管理を実施しております。しかしながら、原油・ガスなどのエネルギー資源の急激な価格変動に代表される投資環境の劇的な変化や推定埋蔵量の変化など、想定を超える事態が発生した場合には、日揮グループの業績に影響を与える可能性があります。
④為替リスク
日揮グループの事業は、海外売上高のほとんどが外貨建て契約となっております。この為替リスク回避策として、マルチカレンシー建てによるプロジェクトの受注契約をはじめ、海外調達、外貨建ての発注および為替予約などの対策を状況に応じて採用しております。しかしながら、急激な為替変動は、日揮グループの業績に影響を与える可能性があります。
(1)当社が技術援助等を受けている契約
|
契約先 |
内容 |
契約期間 |
契約年月 |
|
エクソン・リサーチ・アンド・エンジニアリング・カンパニー(アメリカ) |
加熱炉に関する設計・建設技術 |
昭和57年6月2日以降は当事者の一方が60日前に通知することにより終結 |
昭和56年8月 |
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ソシエテ・テクニーク・プーレ・エネージイ・アトミク(フランス) |
放射性廃棄物を熱硬化性樹脂中に固化する処理技術 |
昭和61年4月10日以降は当事者の一方が6カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新 |
昭和54年1月 |
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シェル・リサーチ・リミテッド(イギリス) |
硫黄回収装置から出されるガスより酸性ガスを除去する方法(SCOT法)に関する技術 |
昭和59年8月31日以降は当事者の一方が3カ月前に通知することにより終結 |
昭和58年6月 |
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ルルギガスーウント ミネラレール テクニック ゲー・エム・ベー・ハー (ドイツ) |
硫黄回収技術 |
平成13年12月31日以降は当事者の一方が1年前に解約通知しなければ1年毎に更新 |
平成4年1月 |
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スルザー・ブラザース・リミテッド(スイス)およびスルザー・ブラザース・ケムテック・ピィーティーイー・リミテッド (シンガポール) |
塔内充填物および付帯機器類に関する技術 |
平成9年4月23日以降は当事者の一方が6カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新 |
平成4年4月 |
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アスペン・テクノロジー・インク(アメリカ) |
プロセス、機器設計、コスト推算およびプロセスデータベースソフト等の高度制御用ソフトウェア |
平成32年11月30日まで |
平成21年9月 |
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ユー・オー・ピー (アメリカ) |
既設リファイナリーの収益性改善のためのコンサルティング手法 |
平成15年8月31日以降は、当事者の一方が6カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新 |
平成10年9月 |
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マモー・トランスポート・ビー・ヴィ(オランダ)および日本通運株式会社 |
超重量物の据付に用いる油圧ジャッキ式門型クレーンの国内使用に関する協力 |
平成15年9月1日以降は当事者の一方が3カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新 |
平成12年9月 |
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ビーエーエスエフ・エスイー(ドイツ) |
天然ガスからの酸性ガス除去プロセスの技術 |
平成36年4月9日まで |
平成26年4月 |
(2)当社が技術援助等を与えている契約
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契約先 |
内容 |
契約期間 |
契約年月 |
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ユー・オー・ピー (アメリカ) |
初期投資の大幅軽減と短納期を実現する新しい製油所設計技術 |
平成12年7月22日以降は1年毎に更新 |
平成9年7月 |
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ユー・オー・ピー (アメリカ) |
天然ガスコンデンセート中の水銀とヒ素を除去する技術 |
平成15年1月14日以降は当事者の一方が6カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新 |
平成10年1月 |
(3)その他当社が締結している重要な契約
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契約先 |
内容 |
契約期間 |
契約年月 |
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アジャンス・ナショナル・プーラ・ゲション・デュ・ディシュ・ラディオアクティス(フランス) |
放射性廃棄物処分技術に関する技術情報の交換および同分野におけるテクニカルサービス等の提供のための協力 |
平成15年9月14日以降は当事者の一方が6カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新 |
平成10年9月 |
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シュナイダーエレクトリック株式会社 |
高度制御用ソフトウェアパッケージ、オンライン最適用ソフトウェアパッケージの販売、導入に関する営業活動およびプロジェクト遂行のための協力 |
平成14年2月1日まで。ただし、当事者の一方より契約満了日の30日前までに解約通知しなければ1年毎に更新 |
平成13年2月 |
(4)関係会社が締結している重要な契約
該当事項なし。
当連結会計年度は、引き続き中期経営計画「NEW HORIZON 2015」に沿って“テクノロジービジネスクリエーター”を目指し、技術を基にビジネス開発を推進してきました。重点戦略を①開発技術の早期商業化とライセンスビジネスの拡大、②成長分野における新規ビジネスの創出と推進、③オープンイノベーションの活用による社外との連携強化とし、資源、社会インフラ・ライフサイエンス、環境・新エネルギー、ものづくりの各分野に注力してきました。その結果、海外への技術ライセンスの実績をあげ、成長分野における新規ビジネスの創出の機会を得るとともに、将来ビジネスの核となる技術獲得のために産官学の連携を図ることができました。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、46億97百万円(消費税等は含まない)です。
① 総合エンジニアリング事業
コアビジネスである設計・調達・建設(EPC)ビジネス分野においては、既存のハイドロカーボン分野、ノンハイドロカーボン分野に加えて、EPCビジネスの領域拡大を目指し、洋上LNG(フローティングLNG)分野、インフラ分野に取り組んできました。これにより、東南アジアの洋上LNGプラントを受注するなど新しい分野へもビジネス領域を拡大しております。また、近年の動向として、オフショアだけでなく、オンショアにおいても大型モジュール工法が採用される事例が増えてきており、これらのプロジェクトに対しても設計製作から輸送まで難度の高い同工法を適用しております。さらには、同工法を、極寒地での建設にも利用するなど適用範囲を拡大しております。
石油資源・精製分野
世界の石油需要が増大する中、在来型原油資源の代替として豊富な埋蔵量のカナダオイルサンドや南米の超重質油等、非在来型重質油の開発が注目されています。これら重質原油の多くが既発見ながら未開発のままである大きな理由として、消費地までのパイプラン輸送が困難であることが挙げられます。当社は独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構と共同で、超臨界水を利用した改質技術(SCWC)の研究を行っています。この技術は、非在来重質原油を部分改質することにより、パイプラインによる輸送が容易な改質原油を製造する方法です。カナダのアルバータ州に建設したパイロット試験装置(日量5バーレル)を使って、カナダオイルサンドの分解試験を実施しています。このパイロット試験装置の運転を継続して、商業プラントの設計、建設を目指したエンジニアリングデータの収集を行います。
天然ガス分野
近年シェールガスの開発が注目されていますが、中長期的には海洋ガス田、中小ガス田や高濃度二酸化炭素(CO2)含有ガス田など未開発ガス田の開発が注目されています。高濃度CO2含有ガス田に含まれるCO2をセラミック膜で効率的(低コスト、省エネルギー)に分離・回収する技術の開発を進めています。また、合成ガスや天然ガスに含まれるCO2を従来よりも高い圧力で回収できる高圧再生型CO2回収(HiPACT®)プロセスについては、世界各地の天然ガスプラントや化学品合成事業向けに商業化を進めています。
また、海洋ガス田向けの洋上LNGプラントや、中小ガス田向けの陸上小型LNGプラントの開発については、継続して取り組んできた結果、東南アジアの洋上LNGプラントにおけるEPCビジネスに結びつき、複数のプロジェクトを遂行しています。海洋ガス田向けの洋上LNGプラントについてはEPCプロジェクトを遂行中であり、さらに別のFEED業務(Front-End Engineering Design)も遂行中です。また、陸上LNGプラントのEPCと連携したO&M(Operation and Maintenance)手法の基本スキームを開発しており、O&Mサービスの販売活動に展開しております。空気冷却の陸上LNGプラントについては、操業場所の気象条件も考慮した解析技術の実用化を進め、LNG生産量を保つための設計法を確立し、同技術を当社固有の技術として知的財産権の獲得を進めています。
シェールガスをはじめとする天然ガスは、液体燃料製造や高付加価値の化学品製造の原料としても期待されています。天然ガス等から合成されるメタノールを原料とするプロピレン製造プロセス(DTP®)については、現在産ガス国や化学会社等に対して営業活動を展開しております。また、次世代の高性能触媒も継続して開発中です。
ケミカル・非鉄金属分野
硫化水素は、エンジニアリングプラスチックPPSやメチオニンなどの硫黄を含む化合物を製造するための原料として使用されています。当社が開発した高純度の硫化水素および水硫化ナトリウムを製造するプロセスは、コンパクトで安全性に優れることが評価されて日本国内に5基のプラントの建設実績があり、海外では1基が建設中です。また、昨年度において、中国浙江省の浙江工程設計有限公司と同社をライセンスの窓口とする契約を締結して、中国顧客に対する初のライセンス供与を実現した案件については、基本設計がほぼ完了しました。
石油化学、非鉄金属精錬等向けに開発した高性能向流多段液液抽出装置WINTRAY®については、ケミカル分野で東南アジア向けに1件のライセンス売上がありました。設備コスト削減と省エネルギー化に貢献することが認められており、適用分野のさらなる拡大を目指して改良・開発を継続しております。
一般産業分野
低炭素社会に向けたスマートコミュニティで必要となるエネルギーマネジメントシステムの開発と実証試験に向け、一般社団法人新エネルギー導入促進協議会の次世代エネルギー・社会システム実証事業に参加し、商業施設を対象としたフィールドテストを継続して実施しております。また、国内外向けのスマートコミュニティの計画立案にも取り組んでいます。
ライフサイエンス分野では、製薬プロセスに留まらず、一般化学分野にも適用可能な酵素固定化技術のユーザーへの提供を継続しています。また、バイオ医薬品製造技術としてマイクロバブル発生技術に高性能撹拌技術を付加したバイオリアクターやシングルユース機器のハンドリング技術の開発を行なっております。さらに粉体コンテナのドライ洗浄、ソフトバッグ液中異物検査、中間体・原薬の晶析の解析、高薬理活性物質の飛散性測定技術、連続製造技術等、多角的な技術開発を行っています。
再生医療分野では、過去の経験を踏まえ、高度化に向けた開発を行っています。
病院建設分野では、病院総合運営パートナー事業にも踏み込んだ展開を国内に留まらず海外に向け進め、その成果の一つとしてカンボジアにて病院建設、運営を行うに至っています。
原子力分野
東京電力福島第一原子力発電所の環境浄化に貢献すべく、当連結会計年度においては経済産業省の廃炉・汚染水対策事業補助金の交付を受け、放射性セシウムや放射性ストロンチウムの吸着材を用いた海水浄化技術検証事業、および土壌中放射性物質捕集技術検証事業を実施し、十分な成果をもって終了しました。今後は当該技術を同発電所の環境浄化に活用するべく、技術の実用化に注力します。
新規事業創出分野
クリーンエネルギーとして注目されている水素エネルギー関連技術として、太陽エネルギーや風力などの再生可能エネルギーを輸送・貯蔵するエネルギーキャリア技術が注目されており、再生可能エネルギーを用いた水素やアンモニアの製造システム開発プロジェクトを内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)のもとで産学官連携により推進しています。
低品位炭を原料とする石油代替燃料(JGC Coal Fuel: JCF®)については、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の助成により、インドネシアで年産1万トン規模の実証プラントの運転を行っています。このプロセスは低品位炭を高圧熱水により改質させた後、水と混合してスラリー燃料に加工する当社の独自技術で、インドネシアのエネルギー自給に貢献するべく技術開発を進めています。
また、非食物系バイオマスを原料にしたエタノール製造については、次世代技術として酵素法エタノール製造プロセスの開発を国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構からの委託事業として産学官連携により、技術の早期実用化にむけてスケールアップした装置を用いた開発を実施しています。
なお、当事業での研究開発費は20億60百万円(消費税等は含まない)です。
② 触媒・ファイン事業
石油精製分野
石精分野では、シェール革命やエネルギー供給構造高度化法でのさらなる改善要求に伴う業界再編の動き等により市場環境が大きく変化し、またプロピレンを軸にした石化原料需要増が以前にも増して進んでいます。この市場変化へ迅速に対応すべく、流動接触分解用触媒として、重油の白油化、プロピレン増産用触媒の高性能化やアディティブ開発に取り組むとともに、反応解析・シミュレーション技術の深耕に努め、顧客ニーズにいち早く答える体制を整えています。プロピレン増産用アディティブでは、世界トップクラスの製品を上市し国内外への拡販を図るとともに、ブテン増産用等多様なニーズに応えるためのラインナップ強化に取り組んでおります。また、石油精製会社と共同開発・実証化も進めております。
一方、世界的な地球環境保護の観点から、先進国と同様に新興国においても燃料油の硫黄規制が強化されつつあり、水素化処理触媒の需要は今後も堅調に伸びていくと予想されています。新規に開発した高活性軽油サルファーフリー用触媒は実基で良好な性能を維持しており、さらに高性能な触媒の開発に取り組んでおります。新たに開発した残油水素化処理装置用の脱メタル触媒が国内顧客に採用され、実基で優れた性能を発揮しました。また、海外顧客と共同開発した高性能な水素化分解触媒は、実基での実証化で良好な性能を示しております。
石油化学分野
顧客の要望に応えるべく、ニッケル触媒をはじめベースメタル触媒を中心に、活性金属の担持技術、還元技術をブラッシュアップし、触媒特性を向上させる開発・工業化検討を進めております。特にケミカルプロセスにおける前・後処理触媒の高効率化による顧客価値創造に取り組んでおります。また、ゼオライトを主体とした新規ケミカルプロセス用触媒開発も進めております。
環境保全分野
脱硝触媒では、木屑等バイオマス混焼石炭火力発電所が増えつつある中、バイオマス中の触媒被毒成分による活性劣化を抑制する触媒の開発を進め、国内企業との共同研究により新規触媒の実機曝露試験を行っております。また、「水銀に関する水俣条約」により、今後世界的に水銀規制が強化されるため、石炭火力発電排ガス中の水銀を除去するための触媒開発に着手しました。さらに欧州、中国向けにディーゼル車用排ガス浄化触媒の開発を行っております。
中国では石炭火力発電所脱硝設備建設数がピークを超えた一方、セメント炉および鉄鋼コークス炉の排ガス規制が強化され、従来よりも低い温度領域で高性能かつ安価な脱硝触媒の開発・商品化を継続しております。
クリーンエネルギー分野
「水素元年」と言われる2015年において、自動車メーカー各社は燃料電池自動車の販売を発表するなど、燃料電池関連技術に多くの関心が寄せられております。また、政府は2020年に東京で開催するオリンピック・パラリンピックまでに、水素エネルギーの導入を促進し、世界最先端の水素社会をアピールする方針です。このような社会情勢の中、当社は次世代の燃料電池において新規な高機能材料の商品化を目指して材料を大学と共同開発しています。
生活関連・化粧品分野
昨年度より開発に着手した着色機能を付与したラッカー材は特定顧客へのサンプル提供を開始し、顧客評価を取り入れた最適化段階に進んでいます。さらに、高屈折率酸化物ゾルの光学フィルム材等の新規分野への用途開発については、特定顧客との共同開発で開発の加速化を図っています。
化粧品材料は市場ニーズを取り込んだ新商品開発による販売拡大に注力しております。環境負荷の高い樹脂ビーズからシリカビーズに代替したスクラブ材を開発し、数社に採用が決定しました。また、化粧品材のトイレタリー分野への応用についても、継続して開発を行っています。さらに、数年来開発を進めてきた紫外線吸収効果を増幅する光学材についても工業化検討を開始し、商品化直前にあります。
電子材料分野
記憶容量増加に伴う基板面精度向上ニーズに対応する新規砥粒用シリカゾルは、量産採用段階に進みました。本砥粒用シリカゾルは面精度に加え、生産性向上についても訴求性を高めるポイントであり引き続き改良を継続し市場拡大を図ります。
光学フィルム用機能性光学材料は、スマートフォン、タブレットに採用されていますが、用途拡大のため以前より取り組んでいました高画質の4Kテレビの視認性向上を目的とした反射防止用フィルムに低屈折率粒子が採用され今後の拡大が期待されます。また、用途拡大の一環として取り組んだタッチパネルITO配線見え防止液は量産採用されましたが、製品寿命サイクルが短いため採用品種拡大に向けた開発に取り組んでいます。
半導体材料は高純度ナノ粒子調製技術を活かして、主として半導体実装材料分野で使用されるシリカ粒子開発に取り組んでおります。本年度はサンプルワークを開始し、一部製品での採用が決まりました。今後、サイズの品揃えと粒子の形状制御に取り組み訴求性を高める事により、販売拡大を目指します。
また、新規分野開拓のため、粒子配列技術を駆使した超撥水、親水性の機能を有する複合粒子を開発し、新規製品分野である建材や繊維分野への応用開発に着手しました。
ファインセラミックス分野
ハイブリッド車、電気自動車、太陽光発電、LED照明など、高電力用のパワーデバイスを支える放熱用基板としての、「高熱伝導率窒化珪素基板」の性能向上の開発を行っています。また、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の革新的設計生産技術の中で3Dプリンティングによる構造化機能材料・デバイスの迅速開発に再委託先として参画しております。
その他、材料による差別化を図るため、非酸化物系セラミックスの材料開発ならびにシリーズ化、セラミックス金属複合材(MMC)の開発にも注力しております。
なお、当事業での研究開発費は25億49百万円(消費税等は含まない)です。
また、総合エンジニアリング事業および触媒・ファイン事業に加え、その他の事業において88百万円(消費税等は含まない)の研究開発費を計上しております。
1.経営成績
日揮グループの当連結会計年度の業績は、売上高7,990億76百万円(前期比18.2%増)、営業利益297億40百万円(前期比56.4%減)、経常利益448億67百万円(前期比46.4%減)、当期純利益206億28百万円(前期比56.3%減)となりました。
① 売上高
売上高は手持ち工事の順調な進捗等の結果、前連結会計年度に比べて1,232億54百万円増加し、7,990億76百万円となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は売上高の増加と一部案件の採算悪化等により、前連結会計年度に比べて1,588億4百万円増加し、7,462億41百万円となりました。また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて29億63百万円増加し、230億94百万円となりました。
③ 営業利益
営業利益は上記採算悪化等による完成工事総利益の減少等に伴い、前連結会計年度に比べて385億13百万円減少し、297億40百万円となりました。
④ 営業外損益
営業外損益は、為替差益の減少等により、前連結会計年度の154億21百万円の利益(純額)から、151億26百万円の利益(純額)と2億94百万円の減少となりました。
⑤ 税金等調整前当期純利益
特別損益は、前連結会計年度の67億65百万円の損失(純額)から、148億7百万円の損失(純額)となりました。減損損失の発生等により、前連結会計年度より増加しています。結果として当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べて468億50百万円減益の300億59百万円となりました。
⑥ 法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額
法人税、住民税及び事業税は、前連結会計年度に比べて128億46百万円減少し、157億47百万円となりました。加えて、法人税等調整額が△65億36百万円となり、税金費用負担額(純額)は92億11百万円となりました。
⑦ 少数株主損益
少数株主損益は、前連結会計年度より30百万円減少の2億18百万円となりました。
⑧ 当期純利益
結果として、当期純利益は前連結会計年度に比べて265億49百万円減益の206億28百万円となりました。
2.財政状態およびキャッシュ・フロー
当連結会計年度の連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し新規連結を伴う増加を除き876億84百万円減少し、2,977億7百万円となりました。また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益が300億59百万円となりましたが、未成工事受入金の減少などにより、結果として714億16百万円の減少となりました。投資活動による資金は、有形固定資産の取得などにより、234億11百万円の減少となりました。財務活動による資金は、新規の借入などにより38億36百万円の増加となりました。なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりとなりました。
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平成25年3月期 |
平成26年3月期 |
平成27年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
53.4 |
50.2 |
53.8 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
95.5 |
121.5 |
83.7 |
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債務償還年数(年) |
0.2 |
0.1 |
- |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
338.6 |
319.5 |
- |
(注)自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
債務償還年数 :有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
*各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算している。
*有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としている。営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用している。また、利払いは連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用している。
*営業キャッシュ・フローがマイナスの期における債務償還年数およびインタレスト・カバレッジ・レシオについては「-」で表示している。
当連結会計年度の連結財政状態は、総資産が7,197億54百万円となり、前連結会計年度比で263億47百万円減少しました。純資産は3,884億96百万円となり前連結会計年度比86億14百万円の増加となりました。
また、連結貸借対照表に係る指標は以下のとおりとなりました。
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平成25年3月 |
平成26年3月 |
平成27年3月 |
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流動比率 |
175% |
173% |
186% |
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固定比率 |
50% |
45% |
48% |
(注)流動比率:流動資産/流動負債
固定比率:固定資産/純資産合計
各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算している。