(1)経営成績に関する分析
① 当連結会計年度の概況
当連結会計年度における我が国経済は、政府・日銀による経済再生実現に向けての各種政策の効果が下支えするなか、企業収益の改善がみられる等、緩やかに回復しました。世界経済は、一部に弱さを含みつつ緩やかに回復したものの、米国の金融緩和縮小による影響、地政学的リスクの高まり等、景気を下押しするリスクが残り、引き続き不透明な状況にありました。
日揮グループの展開する総合エンジニアリング事業に最も関係の深い産油・産ガス諸国では、世界的な人口増加や新興国の経済成長を背景としたエネルギー需要の増加により、引き続き多くの石油・ガス分野への投資が計画されております。特に、北米地域においては、シェールガス開発の進展により安価で豊富なシェールガスを原料とするLNG(液化天然ガス)プロジェクトやガス化学プロジェクト等が数多く計画・実行されております。また、中東・北アフリカ地域では、原油処理・ガス処理プロジェクトのほか、石油やガスの高付加価値化を目的とする石油精製プロジェクトやガス化学プロジェクト等が計画されております。加えて、東南アジア、ロシアおよび東アフリカでは、今後アジア地域を中心にさらなるLNG需要の増加が予想されることから、複数のLNGプロジェクトが計画されております。
このような状況のもと、日揮グループの当連結会計年度の業績等については、以下のとおりとなりました。
経営成績
|
|
当連結会計年度 |
前年同期増減率(%) |
当事業年度(単体) |
前年同期増減率(%) |
|
売上高 |
675,821 |
8.2 |
455,279 |
0.2 |
|
営業利益 |
68,253 |
6.4 |
49,723 |
1.6 |
|
経常利益 |
83,675 |
15.4 |
72,619 |
12.4 |
|
当期純利益 |
47,178 |
2.2 |
43,104 |
△2.4 |
受注高
|
地域 |
当連結会計年度 |
割合(%) |
当事業年度(単体) |
割合(%) |
|
海外 |
693,553 |
84.8 |
443,980 |
83.6 |
|
国内 |
124,607 |
15.2 |
87,187 |
16.4 |
|
合計 |
818,161 |
100.0 |
531,167 |
100.0 |
この結果、当連結会計年度末の受注残高は、契約金額の修正・変更、為替変動による修正を加え、連結受注残高1兆7,293億円、単体受注残高1兆1,193億円となりました。
② セグメント別状況
総合エンジニアリング事業
EPC(設計・調達・建設)ビジネスでは、プロジェクトの確実な遂行に注力するとともに、日本国内をはじめ中東、アフリカ、東南アジア、北米地域およびロシア・CIS等で積極的な受注活動に取り組みました。その結果、当社は平成25年4月にロシアにおけるLNGプラントの詳細設計役務等を受注したほか、同年5月にカナダにおける大型LNGプロジェクトの基本設計役務等を受注いたしました。同年7月に米国テキサス州における大型エチレン製造プラントの建設プロジェクトを受注、平成26年2月にはシンガポールにおける製油所の改造プロジェクトを受注するとともに日本企業として初となるマレーシアにおける洋上LNGプラントの建設プロジェクトを受注いたしました。また、カナダにおける大型LNGプラントのプロジェクトが実現に向け進みはじめました。さらに、同年3月にはマレーシアにおけるLNGプラントの能力再生プロジェクトを受注するとともに、クウェートにおける大型製油所改造プロジェクトを受注いたしました。
投資ビジネスでは、当社は平成25年6月に株式会社IHIおよびジャパンマリンユナイテッド株式会社とともにブラジルの造船会社への出資を決定したほか、同年8月に丸紅株式会社およびサウジアラビアのAljomaih Holding Companyとともにサウジアラビア国営石油会社が同国東部州に保有する石油・ガス関連施設にコージェネレーション設備を建設し、20年間に亘り電力および蒸気を供給する電力蒸気販売契約を締結いたしました。加えて、同年9月には千葉県鴨川市において大規模太陽光発電(メガソーラー)の発電所建設ならびに売電事業の実施を決定いたしました。また、同年12月に当社はカンボジアにおいて日本の医療技術力、ホスピタリティーを活かした病院事業の実施を決定いたしました。
企画・マネジメントサービスでは、引き続きアジア地域等において都市開発やインフラ整備案件を進めております。
触媒・ファイン事業
触媒事業では、石油化学触媒は堅調に推移したものの、石油精製触媒は輸出案件の顧客の在庫調整等により、製品の出荷が減少いたしました。ファイン事業においても、IT関連の顧客の在庫調整により、ハードディスク用研磨材等の出荷が減少いたしました。この結果、触媒・ファイン事業の業績は、前期比で、減収となりましたが、コストダウンや円安効果もあり利益面ではほぼ横ばいとなりました。なお、当社の子会社である日本ファインセラミックス㈱は、平成26年4月1日付で株式会社日本セラテックよりセラミックス・金属複合材料事業を買収いたしました。
その他の事業
その他の事業では、引き続き、北米地域における油ガス田の生産・開発事業、国内におけるメガソーラー事業等を実施しております。
以上のような取り組みのもと、日揮グループの当連結会計年度のセグメント別の業績につきましては、以下のとおりとなりました。
当連結会計年度
|
|
総合エンジニア リング事業 |
前年同期 増減率 (%) |
触媒・ファイン 事業 (百万円) |
前年同期 増減率 (%) |
その他の事業 |
前年同期 増減率 (%) |
|
売上高 |
624,807 |
8.4 |
37,164 |
△3.5 |
13,849 |
45.8 |
|
営業利益 |
62,327 |
5.9 |
4,208 |
△1.9 |
1,684 |
73.0 |
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し新規連結に伴う増加を除き1,003億22百万円増加し、3,852億52百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益を769億9百万円計上し、手持工事に係る客先からの順調な入金や法人税等の支払などにより、結果として1,205億76百万円の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、新事業分野への投資などにより、187億28百万円の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、新規の借入や配当金の支払などにより106億87百万円の減少となりました。
「生産、受注及び販売の状況」に記載している諸数値には消費税等を含めておりません。
(1)生産実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
総合エンジニアリング事業 |
- |
- |
|
触媒・ファイン事業 |
34,589 |
97.4 |
|
報告セグメント計 |
34,589 |
97.4 |
|
その他の事業 |
- |
- |
|
合計 |
34,589 |
97.4 |
(注)1.金額は販売価格によっている。
2.総合エンジニアリング事業およびその他の事業については、生産実績を定義することが困難であるため、触媒・ファイン事業についてのみ記載している。
(2)受注実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
総合エンジニアリング事業 |
804,100 |
137.6 |
|
触媒・ファイン事業 |
- |
- |
|
報告セグメント計 |
804,100 |
137.6 |
|
その他の事業 |
14,061 |
145.9 |
|
合計 |
818,161 |
137.7 |
(注)触媒・ファイン事業については、受注生産を行っていないため、総合エンジニアリング事業およびその他の事業についてのみ記載している。
(3)売上実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
総合エンジニアリング事業 |
624,807 |
108.4 |
|
触媒・ファイン事業 |
37,164 |
96.5 |
|
報告セグメント計 |
661,971 |
107.6 |
|
その他の事業 |
13,849 |
145.8 |
|
合計 |
675,821 |
108.2 |
(注)完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高およびその割合は、次のとおりである。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成24年4月1日 至 平成25年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) |
||
|
完成工事高 (百万円) |
割合(%) |
完成工事高 (百万円) |
割合(%) |
|
|
イクシス エルエヌジー社 |
68,903 |
11.0 |
149,418 |
22.1 |
|
ラスガス社 |
104,621 |
16.7 |
69,880 |
10.3 |
(参考)連結ベースの受注高、売上高および受注残高 (単位:百万円)
|
区分 |
前連結会計年度末 受注残高 |
当連結会計年度 受注高 |
当連結会計年度 売上高 |
当連結会計年度末 受注残高 |
|
国内 |
|
|
|
|
|
石油・ガス・資源開発関係 |
40 |
238 |
255 |
23 |
|
石油精製関係 |
15,809 |
24,295 |
19,372 |
20,732 |
|
LNG関係 |
23,668 |
1,214 |
11,590 |
13,291 |
|
化学関係 |
1,791 |
11,029 |
9,956 |
2,864 |
|
発電・原子力・新エネルギー関係 |
36,615 |
63,511 |
19,180 |
80,946 |
|
生活関連・一般産業設備関係 |
6,603 |
4,604 |
8,174 |
3,033 |
|
環境・社会施設・情報技術関係 |
19,296 |
14,572 |
13,726 |
20,143 |
|
その他 |
713 |
5,142 |
5,292 |
562 |
|
計 |
104,538 |
124,607 |
87,548 |
141,597 |
|
海外 |
|
|
|
|
|
石油・ガス・資源開発関係 |
218,933 |
55,145 |
158,001 |
116,076 |
|
石油精製関係 |
238,055 |
190,946 |
35,806 |
393,195 |
|
LNG関係 |
937,053 |
312,966 |
310,863 |
939,156 |
|
化学関係 |
39,114 |
125,432 |
27,849 |
136,698 |
|
発電・原子力・新エネルギー関係 |
794 |
36 |
254 |
577 |
|
生活関連・一般産業設備関係 |
11,373 |
581 |
11,021 |
933 |
|
環境・社会施設・情報技術関係 |
10 |
56 |
65 |
1 |
|
その他 |
△60 |
8,387 |
7,244 |
1,082 |
|
計 |
1,445,274 |
693,553 |
551,107 |
1,587,720 |
|
総合エンジニアリング事業 |
1,548,452 |
804,100 |
624,807 |
1,727,745 |
|
その他の事業 |
1,360 |
14,061 |
13,849 |
1,572 |
|
計 |
1,549,813 |
818,161 |
638,656 |
1,729,317 |
|
触媒・ファイン事業 |
- |
- |
37,164 |
- |
|
合計 |
1,549,813 |
818,161 |
675,821 |
1,729,317 |
(注)1.総合エンジニアリング事業およびその他の事業の「前連結会計年度末受注残高」は当連結会計年度の為替換算修正および契約金額の修正・変更をそれぞれ次のとおり含んでいる。 (単位:百万円)
|
区分 |
為替換算修正 |
契約金額の修正・変更 |
計 |
|
石油・ガス・資源開発関係 |
12,006 |
△2 |
12,004 |
|
石油精製関係 |
2,796 |
- |
2,796 |
|
LNG関係 |
19,046 |
△140 |
18,906 |
|
化学関係 |
3,838 |
△0 |
3,838 |
|
発電・原子力・新エネルギー関係 |
△2 |
△1,635 |
△1,637 |
|
生活関連・一般産業設備関係 |
311 |
- |
311 |
|
環境・社会施設・情報技術関係 |
0 |
- |
0 |
|
その他 |
△427 |
△87 |
△515 |
|
計 |
37,569 |
△1,865 |
35,704 |
|
総合エンジニアリング事業 |
37,958 |
△1,862 |
36,095 |
|
その他の事業 |
△388 |
△2 |
△391 |
2.触媒・ファイン事業については受注生産を行っていないため、「前連結会計年度末受注残高」、「当連結会計年度受注高」および「当連結会計年度末受注残高」は記載していない。
3.記載金額は百万円未満を切り捨てて表示している。
(参考)当社単体の受注高、売上高および受注残高 (単位:百万円)
|
区分 |
前事業年度末 受注残高 |
当事業年度 受注高 |
当事業年度 売上高 |
当事業年度末 受注残高 |
|
国内 |
|
|
|
|
|
石油・ガス・資源開発関係 |
- |
97 |
73 |
24 |
|
石油精製関係 |
12,431 |
11,474 |
6,414 |
17,491 |
|
LNG関係 |
22,608 |
1,145 |
11,234 |
12,518 |
|
化学関係 |
16 |
2,017 |
96 |
1,937 |
|
発電・原子力・新エネルギー関係 |
36,395 |
59,292 |
16,566 |
79,121 |
|
生活関連・一般産業設備関係 |
6,603 |
4,430 |
8,000 |
3,033 |
|
環境・社会施設・情報技術関係 |
15,114 |
8,481 |
5,480 |
18,116 |
|
その他 |
100 |
247 |
253 |
94 |
|
計 |
93,270 |
87,187 |
48,120 |
132,337 |
|
海外 |
|
|
|
|
|
石油・ガス・資源開発関係 |
201,244 |
45,795 |
143,471 |
103,568 |
|
石油精製関係 |
237,747 |
190,495 |
35,130 |
393,111 |
|
LNG関係 |
501,027 |
192,956 |
213,488 |
480,495 |
|
化学関係 |
3,896 |
14,097 |
9,011 |
8,982 |
|
発電・原子力・新エネルギー関係 |
794 |
36 |
254 |
577 |
|
生活関連・一般産業設備関係 |
5,516 |
438 |
5,633 |
321 |
|
環境・社会施設・情報技術関係 |
9 |
0 |
9 |
- |
|
その他 |
- |
159 |
159 |
- |
|
計 |
950,235 |
443,980 |
407,159 |
987,056 |
|
合計 |
1,043,505 |
531,167 |
455,279 |
1,119,394 |
(注)1.「前事業年度末受注残高」は当事業年度の為替換算修正および契約金額の修正・変更をそれぞれ次のとおり含んでいる。 (単位:百万円)
|
区分 |
為替換算修正 |
契約金額の修正・変更 |
計 |
|
石油・ガス・資源開発関係 |
9,873 |
- |
9,873 |
|
石油精製関係 |
2,772 |
- |
2,772 |
|
LNG関係 |
14,287 |
△149 |
14,137 |
|
化学関係 |
△822 |
△0 |
△822 |
|
発電・原子力・新エネルギー関係 |
- |
△1,635 |
△1,635 |
|
生活関連・一般産業設備関係 |
△161 |
- |
△161 |
|
環境・社会施設・情報技術関係 |
- |
- |
- |
|
その他 |
- |
△84 |
△84 |
|
計 |
25,949 |
△1,870 |
24,079 |
2.記載金額は百万円未満を切り捨てて表示している。
3.当社の取扱品目である各種プラント・施設等の設計・調達・建設役務の遂行には高度の技術能力を必要とするため、顧客による特命ないし指名入札方式による契約がほとんどである。
日揮グループは、2011年度を初年度とする中期経営計画「NEW HORIZON 2015」の達成を経営課題とするとともに、その達成に向けて全社一丸となって邁進しております。
日揮グループは、「NEW HORIZON 2015」により、新たな領域-NEW HORIZONにおいて幅広い顧客のニーズに応え、顧客とともに新たな価値を創造する「Program Management Contractor & Investment Partner」への変貌を図っております。
「NEW HORIZON 2015」では、日揮グループのコアビジネスであるEPC(設計・調達・建設)ビジネスに加えて、事業投資や企画・マネジメントサービスといったビジネス領域のさらなる拡大を目指しております。
「NEW HORIZON 2015」における目標計数およびこれに対する当連結会計年度の結果は、以下のとおりとなります。
|
経営指標 |
目標 |
当連結会計年度実績 |
|
連結当期純利益 |
2016年3月期 500億円 |
471億円 |
|
ROE |
2016年3月期 10%以上 |
13.3% |
また、配当政策については、連結当期純利益の25%を目処とする配当性向を掲げております。
当連結会計年度末における「NEW HORIZON 2015」の重点施策の進捗状況については、以下のとおりであります。
(1)EPCビジネス強化策
日揮グループのコアビジネスであるEPCビジネスは、特に海外ハイドロカーボンプロジェクトにおいて依然として厳しい受注競争が続いておりますが、以下の四本柱の戦略を強力に推進し、競争力の強化を図っております。
①ハイドロカーボン分野における競争力強化・向上
当社は、ハイドロカーボン分野における有望マーケットである北米地域、ロシアおよびオセアニア等への進出を果たしました。また、現在、複数の国において同時に8件のLNGプラント建設プロジェクトを遂行しております。今後も、日揮グループ全社を挙げての抜本的なコスト競争力の向上に取り組むとともに、卓越した営業力とプロジェクト遂行力にさらに磨きをかけ、より多くのプロジェクトを受注・遂行してまいります。また、日本国内においては、国内EPC子会社の合併により、技術力・コスト競争力の強化を図り総合的な事業展開を推進しております。
②ノンハイドロカーボン分野の拡大
非鉄分野では、フィリピンにおいて低品位原料からのニッケル製錬プラントを完成させました。当社は過去にも同種のプラントを複数、成功裡に完成させており、この分野における当社の世界リーダーとしての地位を揺るぎないものとしております。また、日本国内において、複数の大規模太陽光発電(メガソーラー)の発電所の建設工事を遂行しております。今後は、これまでに積み上げてきた実績をもとに、ノンハイドロカーボン分野のさらなる拡大を推進してまいります。
③海外EPC子会社の強化
産油・産ガス諸国で強まってきているローカリゼーション(現地化)の動きに呼応し、海外EPC子会社による現地中小規模プロジェクトの受注拡大に努めております。具体的には、当社のサウジアラビア法人であるJGC Gulf International Co. Ltd.が同国で複数の石油化学・ガス処理関連プロジェクトを受注したほか、インドネシア法人であるPT. JGC INDONESIAが同国で複数のプロジェクトを受注いたしました。さらに、北米においてプロジェクト遂行のための新規拠点を設立いたしました。今後も、日揮グループ全体のさらなる成長に向け、海外EPC子会社の拡大・強化に努めてまいります。
④EPC新分野の開拓
日本企業初となる洋上LNGプラント分野への参入を果たしました。また、モジュール工法を採用したプロジェクトに積極的に挑戦しております。加えて、海外原子力発電分野やインフラ分野に積極的に取り組み、新分野のEPCビジネスのさらなる領域拡大を推進してまいります。
(2)事業投資・サービスビジネス拡大策
事業投資、企画・マネジメントサービス、製造業等のビジネス分野において、自らが事業者として事業に投資し運営する、あるいは事業者の視点に立ったサービスを提供できる企業グループへの変貌を図っております。
①事業投資
当社は、日揮グループが長年培ってきた技術・知識およびノウハウを活用し、以下の分野において積極的に事業投資を推進しております。
◇電力・新エネルギー分野
電力分野では、千葉県鴨川市においてメガソーラー発電所の企画から開発、建設工事、事業運営までを一貫して遂行する等、国内で複数のメガソーラー事業を実施するとともに、サウジアラビアにおいて電力・蒸気供給事業を遂行しております。新エネルギー分野では、インドネシアにおいて、同国の未利用資源である低品位炭を原料とした新液体燃料の商業化に向けた取り組みを進めております。
◇環境・水分野
環境・水分野では、中国において省エネ・環境保護関連企業へ資本性資金を提供する日中省エネ環境ファンドに参画するとともに、同国で複数の水質浄化実証プロジェクトやCDM(排出権取引)事業を実施いたしました。また、国内外において複数の水関連事業に取り組んでおります。
◇資源開発分野
資源開発分野では、日本企業として初めてシェールオイルの生産・開発事業に参画する等、北米地域において複数の油ガス田の生産・開発事業を実施しております。
◇都市インフラ開発、新産業開発等の新分野
医薬・メディカル分野では、都立松沢病院において、国内のエンジニアリング会社として初となるPFI(Private Finance Initiative)事業に取り組んでおります。現在、病院施設の建設工事を完了し、約15年間に亘る施設の維持管理、病院運営、医療機器・材料等の調達および統括マネジメント業務を遂行しております。さらに、カンボジアにおいて、当社として初となる海外での病院事業への参画を果たしました。また、インドや中国において、工業・商業・住宅等を含む複合産業都市の開発に取り組んでいるほか、ブラジルの造船会社への出資によりオフショア分野のビジネスへの参画を果たす等、新分野への事業投資を積極的に推進しております。
②企画・マネジメントサービス
資源開発計画、社会インフラ開発計画全体の企画・立案といったプログラムマネジメント、FEED(Front-End Engineering Design)、PMC(Project Management Consulting)等、事業者の視点に立った「企画・マネジメントサービス」を提供しております。
これまでに多数の海外プロジェクトにおいて、FEEDの初期段階からプロジェクトに関与するとともに、PMC遂行者としてより事業者に近い立場からプロジェクトを企画・マネジメントしております。
また、アジア地域等において、都市開発やインフラ整備案件を推進し、社会インフラ開発計画全体の企画・立案を行っております。
③製造ビジネス等
製造ビジネスのうち、触媒・ファイン事業では、海外市場への拡販、競争力強化および製品開発のスピードアップ等に取り組んでおります。また、当社の国内子会社である日本ファインセラミックス㈱がセラミックス・金属複合材料事業を買収する等、触媒・ファイン事業の一層の拡大に向け、精力的に活動しております。
日揮グループの事業その他に関するリスクで、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、平成26年3月31日現在において日揮グループ全体を視野に入れて判断したものであります。
①海外要因のリスク
日揮グループの事業は海外売上高が全体の約8割を占め、相手国における経済リスク、政治・社会リスクなどのいわゆるカントリーリスクにさらされております。具体的には、不安定な政情、戦争、革命、内乱、テロ、経済政策・情勢の急変、対外債務不履行および為替・税金制度の変更などが考えられます。日揮グループは、これらのリスクに起因する事業への影響をできるだけ少なくするために、リスク管理体制の見直し・強化をはじめ、貿易保険の利用、代金の早期回収および企業連合の組成などの方策を講じておりますが、想定を超える事業環境の変化が発生した場合には、プロジェクトの中止、中断および遅延などによって、日揮グループの業績に影響を与える可能性があります。
②プロジェクト遂行上のリスク
日揮グループのプロジェクト契約形態はその多くがランプサム・フルターンキー契約(一括請負契約)でありますが、一部にはリスクを低減するためのコストプラスフィー契約(実費償還型契約)、コスト開示型見積方式による契約などがあり、プロジェクトに応じて採用しております。日揮グループは過去の経験を十分に活用し、プロジェクト遂行中の各種リスクへの対応を織り込んで契約を行っておりますが、資機材価格・レーバーコストの急激な変動、自然災害および疾病の発生など、想定を超えるプロジェクト遂行上の問題および自己責任によるプラントに係る重大な事故が発生した場合には、プロジェクトの採算が悪化し、日揮グループの業績に影響を与える可能性があります。
③投資事業リスク
日揮グループでは、石油・ガス・資源開発関連事業、新燃料事業、水・発電事業および都市開発・インフラ整備事業などへの投資を行っておりますが、新規投資および再投資実行の際にはリスク評価を行うとともに、既存事業については適時モニタリングを行うことで、適切なリスク管理を実施しております。しかしながら、原油・ガスなどのエネルギー資源の急激な価格変動に代表される投資環境の劇的な変化や推定埋蔵量の変化など、想定を超える事態が発生した場合には、日揮グループの業績に影響を与える可能性があります。
④為替リスク
日揮グループの事業は、海外売上高のほとんどが外貨建て契約となっております。この為替リスク回避策として、マルチカレンシー建てによるプロジェクトの受注契約をはじめ、海外調達、外貨建ての発注および為替予約などの対策を状況に応じて採用しております。しかしながら、急激な為替変動は、日揮グループの業績に影響を与える可能性があります。
(1)当社が技術援助等を受けている契約
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契約先 |
内容 |
契約期間 |
契約年月 |
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コーク・グリッジ・インク(アメリカ) |
蒸留棚段・蒸留塔用充填物の製造に関する技術 |
平成26年7月31日まで |
平成元年6月 |
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エクソン・リサーチ・アンド・エンジニアリング・カンパニー(アメリカ) |
加熱炉に関する設計・建設技術 |
昭和57年6月2日以降は当事者の一方が60日前に通知することにより終結 |
昭和56年8月 |
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ソシエテ・テクニーク・プーレ・エネージイ・アトミク(フランス) |
放射性廃棄物を熱硬化性樹脂中に固化する処理技術 |
昭和61年4月10日以降は当事者の一方が6カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新 |
昭和54年1月 |
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シェル・リサーチ・リミテッド(イギリス) |
硫黄回収装置から出されるガスより酸性ガスを除去する方法(SCOT法)に関する技術 |
昭和59年8月31日以降は当事者の一方が3カ月前に通知することにより終結 |
昭和58年6月 |
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ルルギガスーウント ミネラレール テクニック ゲー・エム・ベー・ハー (ドイツ) |
硫黄回収技術 |
平成13年12月31日以降は当事者の一方が1年前に解約通知しなければ1年毎に更新 |
平成4年1月 |
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スルザー・ブラザース・リミテッド(スイス)およびスルザー・ブラザース・ケムテック・ピィーティーイー・リミテッド (シンガポール) |
塔内充填物および付帯機器類に関する技術 |
平成9年4月23日以降は当事者の一方が6カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新 |
平成4年4月 |
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アスペン・テクノロジー・インク(アメリカ) |
プロセス、機器設計、コスト推算およびプロセスデータベースソフト等の高度制御用ソフトウェア |
平成27年3月31日まで |
平成21年9月 |
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ユー・オー・ピー (アメリカ) |
既設リファイナリーの収益性改善のためのコンサルティング手法 |
平成15年8月31日以降は、当事者の一方が6カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新 |
平成10年9月 |
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マモー・トランスポート・ビー・ヴィ(オランダ)および日本通運株式会社 |
超重量物の据付に用いる油圧ジャッキ式門型クレーンの国内使用に関する協力 |
平成15年9月1日以降は当事者の一方が3カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新 |
平成12年9月 |
(2)当社が技術援助等を与えている契約
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契約先 |
内容 |
契約期間 |
契約年月 |
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ユー・オー・ピー (アメリカ) |
初期投資の大幅軽減と短納期を実現する新しい製油所設計技術 |
平成12年7月22日以降は1年毎に更新 |
平成9年7月 |
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ユー・オー・ピー (アメリカ) |
天然ガスコンデンセート中の水銀とヒ素を除去する技術 |
平成15年1月14日以降は当事者の一方が6カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新 |
平成10年1月 |
(3)その他当社が締結している重要な契約
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契約先 |
内容 |
契約期間 |
契約年月 |
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アジャンス・ナショナル・プーラ・ゲション・デュ・ディシュ・ラディオアクティス(フランス) |
放射性廃棄物処分技術に関する技術情報の交換および同分野におけるテクニカルサービス等の提供のための協力 |
平成15年9月14日以降は当事者の一方が6カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新 |
平成10年9月 |
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インベンシスシステムスエンジニアリング株式会社 |
高度制御用ソフトウェアパッケージ、オンライン最適用ソフトウェアパッケージの販売、導入に関する営業活動およびプロジェクト遂行のための協力 |
平成14年2月1日まで。ただし、当事者の一方より契約満了日の30日前までに解約通知しなければ1年毎に更新 |
平成13年2月 |
(4)関係会社が締結している重要な契約
該当事項なし。
当連結会計年度は、引き続き中期経営計画「NEW HORIZON 2015」に沿って“テクノロジービジネスクリエーター”を目指し、技術を基にビジネス開発を推進してきました。重点戦略を①開発技術の早期商業化とライセンスビジネスの拡大、②成長分野における新規ビジネスの創出と推進、③オープンイノベーションの活用による社外との連携強化とし、資源、社会インフラ・ライフサイエンス、環境・新エネルギー、ものづくりの各分野に注力してきました。その結果、特に海外への技術ライセンスや成長分野における新規ビジネスの創出で実績が上がり、また、将来ビジネスの核となる技術獲得のために産官学の連携を図ることができました。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、39億60百万円(消費税等は含まない)です。
① 総合エンジニアリング事業
コアビジネスである設計・調達・建設(EPC)ビジネス分野においては、既存のハイドロカーボン分野、ノンハイドロカーボン分野に加えて、EPCビジネスの領域拡大を目指し、洋上LNG(フローティングLNG)分野、インフラ分野に取り組んできたところ、東南アジアの洋上LNGプラントを受注するなど新しい分野へもビジネス領域を拡大しております。また、近年の動向として、オフショアだけでなく、オンショアにおいても大型モジュール工法が採用される事例が増えてきており、これらのプロジェクトに対しても設計製作から輸送まで難度の高い同工法の適用を検討しております。
石油資源・精製分野
埋蔵量が豊富なオイルサンド油等の超重質原油や重質原油は、軽質原油の代替として、年々生産量が増加しています。井戸元からの原油の輸送や消費地での精製を容易にするために、重質原油の新しいアップグレーディング技術として超臨界水を利用した改質技術(SCWC)の開発を国内外の研究機関と共同で継続して取り組んでおります。具体的には独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の補助事業として、商業プラントの設計に必要なスケールアップ手法の確立等を目指したミゼット装置(5BPSD)による開発を行っており、昨年度装置の建設を終え、当連結会計年度では試験運転を継続しております。
天然ガス分野
中長期的にはエネルギー供給は逼迫すると予想されており、海洋ガス田、シェールガス、中小ガス田や高濃度二酸化炭素(CO2)含有ガス田の開発が注目されています。合成ガスや天然ガスに含まれるCO2を効率的(低コスト、省エネルギー)に分離・回収するHiPACT技術については、世界各地の天然ガスプラントや化学品合成事業向けに商業化を進めております。また、海洋ガス田向けの洋上LNGプラントや、中小ガス田向けの陸上小型LNGプラントの開発については、継続して取り組んできた結果、東南アジアの洋上LNGプラントを日本企業で初めて受注するなどEPCビジネスに結びつく水準に達しました。LNG分野では陸上LNGプラントのEPCと連携したO&M(Operation and Maintenance)手法の基本スキームを開発しており、O&Mサービスの販売活動に展開しております。空気冷却の陸上LNGプラントについては操業場所の気象条件も考慮した解析技術の実用化を進め、LNG生産量を保つための設計手法を確立し、同技術は当社固有の技術として特許申請をしております。
天然ガスやシェールガスは、液体燃料製造や高付加価値の化学品製造の原料としても期待されています。天然ガス原料出発のメタノールやジメチルエーテルと未有効利用オレフィン類の混合原料、または天然ガスのみを原料とするプロピレン製造プロセスは、化学会社との共同による実証試験で目標性能を確認し、現在産ガス国や化学会社等に対して営業活動を展開しながら次世代の高性能触媒を継続して開発中です。
ケミカル・非鉄金属分野
硫化水素は、エンジニアリングプラスチックPPSやメチオニンなどの硫黄を含む化合物を製造するための原料として使用されています。当社が開発した高純度の硫化水素および水硫化ナトリウムを製造するプロセスは、コンパクトで安全性に優れることが評価されて日本国内に5基のプラントの建設実績があり、継続して技術改良してきました。当連結会計年度においては、中国浙江省の浙江工程設計有限公司と同社をライセンスの窓口とする契約を締結し、同社を経由して中国国内の顧客に対して営業活動を行い、中国顧客に対する初のライセンス供与を実現しました。
石油化学向けに開発した高性能向流多段液々抽出装置WINTRAY®については、種々のケミカル分野や非鉄分野でコスト削減と省エネルギー化に貢献することが認められており、適用分野の更なる拡大を目指して改良・開発を継続しております。
一般産業分野
低炭素社会に向けたスマートコミュニティで必要となるエネルギーマネジメントシステムの開発と実証試験に向けた開発を進めており、一般社団法人新エネルギー導入促進協議会の次世代エネルギー・社会システム実証事業に参加し、商業施設を対象としたフィールドテストを継続して実施しております。また、国内外向けのスマートコミュニティの計画立案にも取り組んでおります。
ライフサイエンス分野では、製薬プロセスに留まらず、一般化学分野にも適用可能な酵素固定化技術のユーザーの実用化試験のための提供を行っております。また、動物細胞培養に有効なマイクロバブル発生技術に高性能撹拌技術を付加し適用範囲拡大を目指しております。包材メーカーとの協業による無菌フェルールバックは実用化および販売を開始し、帯電防止等の付加価値向上を図っております。さらに粉体コンテナのドライ洗浄、ソフトバッグ液中異物検査、中間体・原薬の晶析の解析、高薬理活性物質の飛散性測定技術等、多角的に開発を行っております。
病院建設では、病院に関わる業務全体を包含した経営支援システムを開発し、病院総合運営パートナー事業にも踏み込んだ展開を国内に留まらず海外に向け進めております。
新規事業創出分野
無尽蔵な太陽エネルギーに注目し、太陽熱(再生可能エネルギー)を利用したエネルギーキャリア(水素・アンモニア)製造システムを産官学連携して開発するプロジェクトに参画しました。また、太陽熱を利用した海水淡水化技術や太陽光発電技術については、中東地域での商業化を目指して継続して開発しております。
低品位炭を原料とする石油代替燃料(JGC Coal Fuel: JCF®)については、インドネシアで年産1万トン規模の実証プラントの運転を行っております。このプロセスは低品位炭を高圧熱水により改質させた後、水と混合してスラリー燃料に加工する当社の独自技術で、インドネシアのエネルギー自給に貢献するべく開発しております。
また、非食物系バイオマスを原料にしたエタノール製造については、次世代技術として酵素法の開発を継続しております。当連結会計年度においては、さらに技術の実用化のためのスケールアップのための試験研究に着手しました。
なお、当事業での研究開発費は14億28百万円(消費税等は含まない)です。
② 触媒・ファイン事業
石油精製分野
石油精製分野では、シェール革命や新興国の旺盛な石化製品需要、そして日本国政府によるエネルギー供給構造高度化法の施行等により市場環境が大きく変化し、重油需要減少およびプロピレンを軸とした石化原料需要増が以前にも増して進んでいます。この環境変化へ迅速に対応すべく、流動接触分解用触媒として、重油の白油化、プロピレン増産用触媒の開発を推進し、重質油を効率的に分解して白油化する触媒の技術開発に取り組んでおります。世界トップ性能のプロピレン増産用アディティブの工業化を完了し、国内外への拡販を開始致しました。また、石油精製会社と共同で顧客ニーズを取り込んだ共同開発・実証化を進めております。
一方、地球環境保護の観点から、新興国を巻き込んで世界的に燃料油の硫黄規制が強化される見込みであり、水素化処理触媒の需要は今後も堅調に伸びていくと予想されています。新規に開発した高活性軽油サルファーフリー用触媒の実機運転は良好で、さらに高性能な後継触媒の開発に取り組んでおります。また、国内外石油精製会社との水素化処理触媒の共同開発を積極的に進めており、海外顧客と共同で高性能な水素化分解触媒の開発および工業化を完了し、実証化が進んでおります。
石油化学分野
米国発のシェール革命によりケミカルプロセスの再構築が進められる中、国内の石油化学メーカーはますますグローバル化を推し進め、市場での競争力強化に取り組んでいます。このような顧客の要望に応えるべく、ニッケル触媒をはじめベースメタル触媒を中心に、触媒調製技術をブラッシュアップし、触媒特性を向上させる開発・工業化検討を進めております。また、各種ゼオライトの調製技術開発も進めており、ゼオライトを主体とした新規ケミカルプロセス用触媒開発も進めております。
環境保全分野
脱硝触媒では、高NO2(二酸化窒素)含有NOx(窒素酸化物)排ガス処理触媒を競合他社に先駆けて国内企業と共同開発し、国内発電所に納入致しました。また、コンバインドサイクルのガス焚き発電所の総発電効率を上げるため、燃焼温度(排ガス温度)が高くなる傾向にある中、高温域の脱硝性能を向上させる触媒を開発し、実商化致しました。木屑等バイオマス混焼発電所が増えつつありますが、バイオマス中の触媒被毒成分による活性劣化を抑制する新規触媒の共同開発を国内企業と進め、技術開発の目途がつきつつあります。さらに、ゴミ焼却場排ガス処理用の脱硝触媒の需要が増えつつあり、これに対応可能な低温用触媒の開発を進めております。
中国では石炭火力発電所数がほぼピークに達する一方、セメントキルンおよび鉄鋼コークス炉の排ガス規制が強化される方向にあります。低温用触媒の開発とともに、他社安価原料との厳しい競争に勝ち抜くべく高品質かつ安価な触媒原料の開発・事業化を引き続き進めております。
クリーンエネルギー分野
この分野では、大きく分けて、クリーン燃料用触媒開発とクリーンエネルギー・再生可能エネルギー創出デバイス用材料の開発に取り組んでおります。燃料電池用材料は本格的な事業化に向け、量産体制の確立を進めるとともに、次世代材料の開発を国内の大学と共同で進めております。また、有機系太陽電池用電極材の次世代チタニアペーストの開発では国内外の顧客から高い評価を受け、事業化に向けた量産化技術を継続して開発しております。
生活関連・化粧品分野
プラスチック眼鏡用屈折率制御酸化物ゾルおよびコーティング液(ラッカー材)は、需要が増加している中国および東南アジアのニーズにマッチした中屈折率から高屈折率眼鏡に対応するラッカーを開発中で、特に拡大が期待される着色機能を付与したラッカー材開発に注力しております。また、高屈折率酸化物ゾルを光学フィルム材や電子材料等の新規分野への用途開発にも着手し、早期事業化を目指しております。
化粧品材料は感触効果が高いシリカマイクロビードを開発し市場展開していましたが、その効果が認められ販売増に寄与しました。また、感触効果に加え光学機能を付与した新規マイクロビードも量産化に目途がつき、市場展開を図っております。さらに、従来のUV吸収材に新規光学機能を付与した材料にも取り組んでおり、基礎的検討段階を終え、事業化検討段階へ進捗しました。
電子材料分野
研磨砥粒用シリカゾルは、アルミ、ガラスハードディスク基板の面精度が求められる最終仕上げ研磨材として使用されていますが、記録容量増加に伴うさらなる基板面精度向上ニーズ対して、新たな研磨砥粒を開発し量産検討を行っております。また、新規研磨基板用途である特殊硝子基材用研磨砥粒についても開発に取り組み、本格量産採用見込みとなりました。さらに、半導体用基板研磨に使用されるCMP用新規砥粒についても開発に着手しております。
光学フィルム用機能性光学材料は、スマートフォンやタブレット端末に使用される光学フィルムに採用されていますが、用途拡大開発に取り組んでおります。その一つとしてタッチパネルITO配線見え防止用塗布液開発に注力し、顧客での実機評価段階に進捗しました。また、フィルム基材以外の用途開発として、太陽光発電パネル硝子の反射防止材に中空シリカゾルが採用されるなど、今後さらなる用途開発に注力していきます。
半導体材料はIC層間絶縁膜などの半導体製造材料からナノ材料活用用途の広い実装材料分野へ取組み中です。粒度が均一ミクロンからサブミクロン高純度シリカ粒子紛体開発に注力し、サンプルワークを開始し、顧客一次評価で良好な結果も得られているため、早期事業化に注力していきます。
ファインセラミックス分野
ハイブリッド車、電気自動車、太陽光発電、LED照明等の高電力用のパワーデバイスを支える放熱用基板としての「高熱伝導率窒化珪素基盤」の性能アップの開発を行っております。
また、非酸化物系セラミックスの材料開発ならびにシリーズ化、セラミック金属複合材(AMC)の開発にも注力しております。
なお、当事業での研究開発費は24億10百万円(消費税等は含まない)です。
また、総合エンジニアリング事業および触媒・ファイン事業に加え、その他の事業において1億21百万円(消費税等は含まない)の研究開発費を計上しております。
1.経営成績
日揮グループの当連結会計年度の業績は、売上高6,758億21百万円(前期比8.2%増)、営業利益682億53百万円(前期比6.4%増)、経常利益836億75百万円(前期比15.4%増)、当期純利益471億78百万円(前期比2.2%増)となりました。
① 売上高
売上高は工事進行基準案件での順調な進捗の結果、前連結会計年度に比べて511億84百万円増加し、6,758億21百万円となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は売上高の増加に伴い、前連結会計年度に比べて472億72百万円増加し、5,874億37百万円となりました。また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて2億18百万円減少し、201億30百万円となりました。
③ 営業利益
営業利益は完成工事総利益の増加に伴い、前連結会計年度に比べて41億30百万円増加し、682億53百万円となりました。
④ 営業外損益
営業外損益は、為替差益の発生等により、前連結会計年度の83億66百万円の利益(純額)から、154億21百万円の利益(純額)と70億55百万円の増加となりました。
⑤ 税金等調整前当期純利益
特別損益は、前連結会計年度の101億76百万円の損失(純額)から、67億65百万円の損失(純額)となりました。投資損失引当金繰入額の計上等がありましたが債務保証損失引当金取崩額の発生等により、前連結会計年度より減少しています。結果として当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べて145億97百万円増益の769億9百万円となりました。
⑥ 法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額
法人税、住民税及び事業税は、前連結会計年度に比べて82億17百万円増加し、285億93百万円となりました。加えて、法人税等調整額が8億87百万円となり、税金費用負担額(純額)は294億81百万円となりました。
⑦ 少数株主損益
少数株主損益は、前連結会計年度より2億2百万円増加の2億49百万円となりました。
⑧ 当期純利益
結果として、当期純利益は前連結会計年度に比べて9億99百万円増益の471億78百万円となりました。
2.財政状態およびキャッシュ・フロー
当連結会計年度の連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し新規連結に伴う増加を除き1,003億22百万円増加し、3,852億52百万円となりました。
営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益を769億9百万円計上し、手持工事に係る客先からの順調な入金や法人税等の支払などにより、結果として1,205億76百万円の増加となりました。投資活動による資金は、新事業分野への投資などにより、187億28百万円の減少となりました。財務活動による資金は、新規の借入や配当金の支払などにより106億87百万円の減少となりました。なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりとなりました。
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平成24年3月期 |
平成25年3月期 |
平成26年3月期 |
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自己資本比率(%) |
55.2 |
53.4 |
50.2 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
123.1 |
95.5 |
121.5 |
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債務償還年数(年) |
0.1 |
0.2 |
0.1 |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
145.3 |
338.6 |
319.5 |
(注)自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
債務償還年数 :有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
*各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算している。
*有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としている。営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用している。また、利払いは連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用している。
当連結会計年度の連結財政状態は、総資産が7,461億2百万円となり、前連結会計年度比で1,173億44百万円増加しました。純資産は3,798億82百万円となり前連結会計年度比437億98百万円の増加となりました。
また、連結貸借対照表に係る指標は以下のとおりとなりました。
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平成24年3月 |
平成25年3月 |
平成26年3月 |
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流動比率 |
183% |
175% |
173% |
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固定比率 |
52% |
50% |
45% |
(注)流動比率:流動資産/流動負債
固定比率:固定資産/純資産合計
各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算している。