第2 [事業の状況]における各事項の記載につきましては、消費税等抜きの金額で表示しております。
グループ理念(人がいきいきとする環境を創造する)の下、自由闊達・価値創造・伝統進化の3つの価値を“大成スピリット”として全役職員が共有し、自然との調和の中で、安全・安心で魅力ある空間と豊かな価値を生み出し、次世代のための夢と希望に溢れた地球社会づくりに取り組みます。
中期経営計画(2018-2020)の最終年度(2020年度)における経営数値目標(連結)
|
売上高 |
18,700億円 |
配当性向 |
25%程度 |
|
営業利益 |
1,870億円 |
有利子負債 |
3,000億円未満 |
|
当期純利益 |
1,300億円 |
純有利子負債 |
(実質無借金経営の恒久化) |
|
ROE |
12%以上 |
自己資本比率 |
40%以上 |
※ 純有利子負債 = 有利子負債 ― 現金預金
・ポスト五輪の不透明な事業環境においても持続的に成長するべく、中長期的に事業規模2兆円を目指してま
いります。
現在建設産業界では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた活況が続いております。しかし日本の人口減少や財政制約などを踏まえると、中長期的な事業環境は不透明であり、担い手の確保・育成という大きな課題にも直面しております。
当社グループでは、このような事業環境の下、今年度新たに「中期経営計画(2018-2020)」をスタートさせました。下記の経営課題の達成に取り組み、持続的な成長を続けてまいります。
「中期経営計画(2018-2020)」(要旨)
|
■ 基本方針 建設事業を核とした成長基盤を構築する
■ 経営課題 ①海外事業の持続的な成長 ②注力分野への経営資源の戦略的投入 ③建設生産システムの革新(生産性向上)-「TAISEI i-Innovation」- ④魅力ある職場環境の実現(働き方改革)-「TAISEI Lively Plan」- ⑤安全と品質の追求 -「TAISEI QUALITY」- ⑥経営基盤の強化 |
①海外事業の持続的な成長
海外事業の持続的な成長と、海外市場において真に通用する企業体質への転換を図ります。
②注力分野への経営資源の戦略的投入
2020年以降の中長期の事業環境を見据え、注力分野や差別化技術に経営資源〈人材・資金〉を投入し、大成建設グループ事業の高付加価値化と収益機会の拡大を進めます。
③建設生産システムの革新(生産性向上)-「TAISEI i-Innovation」-
足元の繁忙を好機と捉え、技術開発や業務効率化及び協力会社との連携強化等による建設生産システムの革新によって生産性を向上し、繁忙を克服します。
④魅力ある職場環境の実現(働き方改革)-「TAISEI Lively Plan」-
業界のリーダーとして働き方改革をリードし、大成建設グループの役職員及び建設産業従事者がいきいきと働き、将来の担い手が育つ魅力ある職場環境の実現を目指します。
⑤安全と品質の追求 -「TAISEI QUALITY」-
建設業の基本である「安全」と「品質」に今一度真摯に向き合い、繁忙の中でも最高水準の安全と品質を確保します。
⑥経営基盤の強化
社会・時代の要請に対応して経営基盤を進化させ、全てのステークホルダーから高い信頼と評価を得ます。
東海旅客鉄道株式会社が発注する品川駅・名古屋駅間の中央新幹線に係る地下開削工法によるターミナル駅新設工事における独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で、平成30年3月23日に公正取引委員会による刑事告発を受け、同日、東京地方検察庁により当社及び当社顧問が公訴を提起されました。
当社としましては、本件事態を厳粛に受け止めておりますが、この度の公訴事実は独占禁止法違反に該当しないものと考えており、今後の訴訟において当社の主張を行ってまいります。
当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項には、次のようなものがあります。なお、当社グループは、これらのリスクが発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
建設・不動産市場の急激な縮小や競争環境の激化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
世界各国で事業を行っているため、テロ・戦争・暴動等の発生及びその国の政情の悪化、経済状況の急激な変動、為替レートの大きな変動、法律・規制の予期せぬ変更等が発生し、契約によりヘッジできない場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
一般に建設業の請負契約は、一取引における契約金額が大きく、また多くの場合には、工事目的物の引渡時に多額の工事代金が支払われる条件で契約が締結されます。このため、工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
原材料の価格が高騰した際、請負代金に反映することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
営業活動上の必要性から、不動産・有価証券等の資産を保有しているため、時価の変動により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
年金資産の時価の下落及び運用利回り・割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
金利水準が急激に上昇した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業に起因して瑕疵担保責任及び製造物責任に基づく多額の損害賠償が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、PFI事業、レジャー事業を始めとした土木事業・建築事業・開発事業に付帯関連する事業を営んでいます。これらの事業の多くは、事業期間が長期にわたるため、将来の事業環境が大きく変化した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
土木事業・建築事業の遂行は、建設業法、建築基準法、労働安全衛生法、独占禁止法等による法的規制を受けており、これらの法規の改廃や新たな規制等が行われた場合、また、これらの法的規制により行政処分等を受けた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
土木事業・建築事業においては、人身や施工物などに関わる重大な事故が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
大規模地震、風水害等の大規模自然災害や感染症の大流行が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(業績等の概要)
当年度の日本経済は、好調な企業業績を受けて設備投資は緩やかに増加するとともに、雇用・所得環境の改善により、個人消費の回復もみられ、全体として緩やかに回復しました。
国内建設市場においては、政府建設投資・民間建設投資ともに緩やかに増加し、建設業界の経営環境は堅調さを維持しました。
こうした状況のもと、当社グループの経営成績は次のとおりとなりました。
受注高は前連結会計年度比5.3%増の1兆7,434億円となり、売上高は同6.6%増の1兆5,854億円となりました。
利益につきましては、営業利益は前連結会計年度比29.1%増の1,818億円、経常利益は同28.2%増の1,853億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同40.0%増の1,267億円となりました。
報告セグメント等の業績を示すと次のとおりであります(報告セグメント等の業績につきましては、セグメント間の内部取引を含めて記載しております。)。
当社グループにおきましては、売上高は当社及び連結子会社ともに増加したことから、前連結会計年度比3.8%増の4,664億円となりました。また、営業利益は、売上高の増加及び売上総利益率の好転により同29.6%増の715億円となりました。
当社グループにおきましては、売上高は当社の増加により前連結会計年度比8.5%増の1兆605億円となりました。また、営業利益は、売上高の増加及び売上総利益率の好転により同31.4%増の963億円となりました。
不動産業界におきましては、分譲マンション市場では、販売価格が高止まりする中で、都心部を中心に引き続き需要は底堅く推移いたしましたが、郊外においては販売が長期化する物件も見られ、二極化傾向が一層強まっております。また、ビル賃貸市場では、底堅い需要を背景に、都心部を中心とした賃料の緩やかな上昇傾向が継続するなど、堅調に推移しております。
当社グループにおきましては、売上高は当社の減少により、前連結会計年度比1.6%減の1,198億円となりました。また、営業利益は、売上高の減少により同2.6%減の129億円となりました。
当社グループにおきましては、売上高は前連結会計年度比5.6%減の123億円、営業利益は同7.2%減の11億円となりました。
税金等調整前当期純利益を1,822億円獲得したこと等により、当連結会計年度収支は2,070億円の収入超となりました。(前連結会計年度は2,181億円の収入超)
有形固定資産の取得等により、当連結会計年度収支は118億円の支出超となりました。(前連結会計年度は62億円の収入超)
自己株式の取得、配当金の支払等により、当連結会計年度収支は416億円の支出超となりました。(前連結会計年度は600億円の支出超)
以上により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は6,873億円(前連結会計年度末比1,525億円増)となり、また、資金調達に係る有利子負債の残高は2,473億円(同92億円増)となりました。なお、当連結会計年度末の資金調達に係る有利子負債の残高のうちノンリコース債務は34億円(同1億円減)であります。
(生産、受注及び販売の状況)
(単位:百万円)
|
報告セグメント等の名称 |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
|
|
土木事業 |
|
427,594 |
520,407 |
|
建築事業 |
|
1,101,472 |
1,099,950 |
|
開発事業 |
|
115,337 |
113,411 |
|
その他 |
|
10,630 |
9,727 |
|
合計 |
1,655,035 |
1,743,497 |
|
(単位:百万円)
|
報告セグメント等の名称 |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
|
|
土木事業 |
|
422,847 |
441,269 |
|
建築事業 |
|
938,548 |
1,020,765 |
|
開発事業 |
|
115,225 |
113,736 |
|
その他 |
|
10,630 |
9,727 |
|
合計 |
1,487,252 |
1,585,497 |
|
(注) 1 受注実績、売上実績においては、セグメント間の取引を相殺消去しております。
2 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
(参考) 提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
|
期別 |
区分 |
前期繰越高 |
当期受注高 |
計 |
当期売上高 |
次期繰越高(百万円) |
当期施工高 |
|||||
|
手持高 |
うち施工高 |
|||||||||||
|
第157期
|
報 |
土木事業 |
610,002 |
315,291 |
925,294 |
312,538 |
612,755 |
4% |
24,704 |
313,001 |
||
|
建築事業 |
1,356,907 |
1,008,847 |
2,365,755 |
840,159 |
1,525,596 |
2 |
23,551 |
842,339 |
||||
|
計 |
1,966,910 |
1,324,139 |
3,291,050 |
1,152,697 |
2,138,352 |
2 |
48,256 |
1,155,340 |
||||
|
開発事業 |
297 |
13,886 |
14,183 |
13,817 |
366 |
- |
- |
- |
||||
|
その他 |
- |
10,195 |
10,195 |
10,195 |
- |
- |
- |
- |
||||
|
合計 |
1,967,208 |
1,348,221 |
3,315,429 |
1,176,711 |
2,138,718 |
- |
- |
- |
||||
|
第158期
|
報 |
土木事業 |
612,755 |
391,534 |
1,004,290 |
317,917 |
686,372 |
2% |
14,052 |
307,266 |
||
|
建築事業 |
1,525,596 |
1,004,938 |
2,530,534 |
934,215 |
1,596,318 |
1 |
19,282 |
929,946 |
||||
|
計 |
2,138,352 |
1,396,472 |
3,534,824 |
1,252,133 |
2,282,691 |
1 |
33,335 |
1,237,212 |
||||
|
開発事業 |
366 |
11,579 |
11,945 |
11,680 |
265 |
- |
- |
- |
||||
|
その他 |
- |
9,502 |
9,502 |
9,502 |
- |
- |
- |
- |
||||
|
合計 |
2,138,718 |
1,417,554 |
3,556,272 |
1,273,316 |
2,282,956 |
- |
- |
- |
||||
(注) 1 前期以前に受注したもので、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注高にその
増減額を含めております。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれております。また前期以前
に外貨建で受注したもので、当期中の為替相場の変動により請負金額に変更のあるものについても同様に
処理しております。
2 次期繰越高の施工高は、支出金により手持高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致します。
4 前期の土木事業及び建築事業の期中受注高のうち海外工事の割合は各々△8.2%、1.4%、当期の土木事業
及び建築事業の期中受注高のうち海外工事の割合は各々0.3%、3.1%であります。
(2) 受注工事高の受注方法別比率
建設事業の受注方法は、特命と競争に大別されます。
|
期別 |
区分 |
特命 |
競争 |
計 |
|
第157期 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
土木工事 |
36.3 % |
63.7 % |
100 % |
|
建築工事 |
43.9 |
56.1 |
100 |
|
|
第158期 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
土木工事 |
34.3 % |
65.7 % |
100 % |
|
建築工事 |
56.2 |
43.8 |
100 |
(注) 百分比は請負金額比であります。
|
期別 |
区分 |
国内 |
海外 |
合計 |
||
|
官公庁 |
民間 |
(A) |
(A)/(B) |
|||
|
第157期 |
土木工事 |
186,725 |
111,268 |
14,544 |
4.7 |
312,538 |
|
建築工事 |
116,786 |
702,274 |
21,098 |
2.5 |
840,159 |
|
|
計 |
303,512 |
813,542 |
35,643 |
3.1 |
1,152,697 |
|
|
第158期 |
土木工事 |
162,746 |
135,838 |
19,332 |
6.1 |
317,917 |
|
建築工事 |
164,054 |
763,643 |
6,517 |
0.7 |
934,215 |
|
|
計 |
326,800 |
899,482 |
25,850 |
2.1 |
1,252,133 |
|
(注) 1 第157期に完成した工事のうち主なものは、次のとおりであります。
|
・ |
六本木三丁目東地区市街地 |
六本木三丁目東地区第一種市街地再開発事業 |
|
・ |
ファナック㈱ |
ファナック㈱壬生工場(B工区)建設工事 |
|
・ |
岡田ビル㈱ |
(仮称)MM59街区B区画開発計画工事 |
|
・ |
気仙沼市 |
気仙沼市防災集団移転促進事業及び災害公営住宅整備事業等 |
|
・ |
(独行)都市再生機構 |
野蒜北部丘陵地区一次整地工事 |
2 第158期に完成した工事のうち主なものは、次のとおりであります。
|
・ |
西品川一丁目地区市街地再開発組合 |
西品川一丁目地区第一種市街地再開発事業(A地区) |
|
・ |
目黒駅前地区市街地再開発組合 |
目黒駅前地区第一種市街地再開発事業 |
|
・ |
二俣川駅南口地区市街地再開発組合 |
二俣川駅南口地区第一種市街地再開発事業に係る |
|
・ |
環境省 |
平成27年度南相馬市除染等工事(その5) |
|
・ |
西日本高速道路㈱ |
新名神高速道路 箕面トンネル東工事 |
3 第157期及び第158期ともに、完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
|
区分 |
国内 |
海外 |
合計 |
||
|
官公庁 |
民間 |
(A) |
(A)/(B) |
||
|
土木工事 |
365,944 |
293,843 |
26,584 |
3.9 |
686,372 |
|
建築工事 |
338,072 |
1,230,286 |
27,959 |
1.8 |
1,596,318 |
|
計 |
704,017 |
1,524,130 |
54,544 |
2.4 |
2,282,691 |
(注) 手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。
|
・ |
(独行)日本スポーツ振興センター |
新国立競技場整備事業(第Ⅱ期) |
|
・ |
㈱ホテルオークラ |
(仮称)虎ノ門2-10計画 |
|
・ |
三菱地所㈱ |
丸の内二重橋ビル 新築工事 |
|
・ |
東日本高速道路㈱ |
東京外環自動車道 田尻工事 |
|
・ |
中日本高速道路㈱ |
東京外かく環状道路 本線トンネル(北行)大泉南工事 |
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は年度当初の予想を達成するには至らなかったものの、受注高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益の各項目においては年度当初の予想を達成しました。また、親会社株主に帰属する当期純利益が前連結会計年度比362億円増の1,267億円となったことから、ROE(自己資本当期純利益率)は3.8%増の20.5%となりました。
財政状態につきましては、工事未払金の増加等により負債が1兆2,618億円に増加したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により純資産が6,690億円に増加したため、自己資本比率は前連結会計年度末比2.3%増の34.6%となりました。また、資金調達に係る有利子負債の残高は、前連結会計年度末比92億円増の2,473億円(うちノンリコース債務は34億円・同1億円減)となりました。
現金預金の増加等により、資産合計は前連結会計年度末比9.7%・1,707億円増の1兆9,308億円となりました。
工事未払金の増加等により、負債合計は前連結会計年度末比6.1%・725億円増の1兆2,618億円となりました。
自己株式の取得及び消却を実施したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、前連結会計年度末比17.2%・982億円増の6,690億円となりました。
受注高は、土木事業において増加したことにより、前連結会計年度比5.3%増の1兆7,434億円となりました。
また、売上高は、土木事業及び建築事業で増加したことにより、前連結会計年度比6.6%増の1兆5,854億円となりました。
営業利益は、土木事業及び建築事業の売上高の増加及び売上総利益率の好転等により増益となったことから、前連結会計年度比29.1%増の1,818億円となりました。
経常利益は、為替差損益の悪化等に伴う営業外損益の悪化があったものの、営業利益の増加により、前連結会計年度比28.2%増の1,853億円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に独占禁止法関連損失を計上したことの反動等に伴う特別損益の好転により、前連結会計年度比40.0%増の1,267億円となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
特記事項はありません。
当社グループは、「建設事業本業の深耕」の基本方針のもと、品質と安全の確保によって高い顧客満足を得るとともに、安定的かつ持続的な成長を目的として、リニューアル・リプレイス分野、原子力分野、環境分野、エンジニアリング分野並びに都市開発分野に重点を置き、技術開発を推進しております。実施に際しては、技術ニーズの高度化・多様化に対応し、また技術開発への投資効率を高めるべく、大学をはじめとした研究機関、異業種企業、同業他社等との社外アライアンスをオープンイノベーション活動も通じて積極的に推進しております。
当連結会計年度における研究開発費は116億円であります。このうち、主な研究開発事例とその成果は次のとおりであります。
(土木事業)
山岳トンネル工事における作業安全性を確保する目的で、高速画像認識技術を用いたトンネル切羽落石監視システム「T-iAlert® Tunnel」を開発し、実際の山岳トンネル工事現場において検証を行った結果、その性能を実証いたしました。本システムは、トンネル掘削面周辺で生じる落石やコンクリート片の剥落を0.1秒以内に捉え、瞬時にフラッシュ光とサイレン音で警報を発し、作業員に迅速な退避を促します。従来の監視員と機械の目による監視と併用することによって、より確実な作業員の安全確保を実現いたします。
地上であらかじめ構築した函体を所定の深さまで掘削・沈設するニューマチックケーソン工事において、掘削重機に搭載したレーザーセンサーを用いて施工時の掘り残し土量を可視化する技術「T-ケーソン スキャナSM」を開発いたしました。従来は、重機が混在する函体下部の作業室に作業員が入って測量により把握していた堀り残し土量について、本技術は、遠隔操作でリアルタイムに把握することが可能となるため、より安全で正確な施工管理が実現されます。今後、本技術を橋梁工事などに積極的に活用してまいります。
従来のダム建設工事においては、コンクリートの原料採取、練り混ぜ、運搬、打設及び使用材料の品質管理に至る様々な項目について管理・記録するために、膨大な時間と労力を費やしておりました。そこで、個別の管理システムの一元管理を可能とする統合システム「T-CIM®/Dam」を開発いたしました。本システムにより、工事関係者や顧客とのリアルタイムの情報共有が可能となり、また、3次元モデルを活用した作業の効率化、品質及び安全性の向上が可能となります。今後、本システムをダム建設工事に積極的に活用してまいります。
自然由来重金属の一つである砒素の対策技術として、泥水に鉄粉を混合した後、砒素を吸着した鉄粉を磁力選別機で分離する泥水浄化技術を開発いたしました。また、磁力選別機の小型化を図ると共に、浄化のコストダウンに向け、砒素を吸着した鉄粉の再生方法も確立いたしました。そして、自然由来の砒素を含む実際のシールドトンネル工事現場において一ヶ月にわたって本技術の性能検証を行った結果、安定的に基準値以下に浄化できることを実証いたしました。今後、本技術を砒素以外の自然由来重金属類にも対応した技術としてブラッシュアップするとともに、汚染泥水の浄化工事に積極的に活用してまいります。
大成ロテック㈱において、生産性向上に寄与する技術として「ICT技術の舗装分野への応用に関する研究」、維持修繕、メンテナンス技術として「アスファルト舗装やコンクリート舗装用の高耐久な補修材料の開発」を行っております。また、循環型社会・低炭素社会の構築に寄与する舗装技術として「フォームドアスファルトを利用した中温化技術の再生アスファルト混合物への適用に関する研究」、夏季の歩行空間の暑熱環境の改善に関する技術として「保水性舗装・遮熱性舗装の機能向上に関する技術開発」等の研究を行っております。
高精度かつ信頼性の高いセンサーを用いて構造物の挙動を把握し、地震時の異常の有無を把握するシステム「T-iAlert® Structure」を(国研)新エネルギー・産業総合開発機構(NEDO)の委託事業として横河電機㈱、長野日本無線㈱、東京大学と共同で開発いたしました。本システムにより、観測データを分析し、センサーを設置していない部分の揺れを推定することで、センサーの数を従来の技術よりも大幅に減らすことが可能となるため、配線やメンテナンスの手間が飛躍的に減少されます。今後、既存建物やインフラ構造物を対象とした実証実験を重ね、本技術を提案・普及してまいります。
解体する建物を完全に覆う閉鎖空間を構築し、環境に配慮した解体工事を行うテコレップシステムの適用範囲を拡大した「テコレップ®-light」を開発いたしました。既存建物を覆う屋根について、鉄骨造の軽量屋根により構成することで大幅な重量低減を実現し、従来のテコレップシステムでは対応が難しかった鉄筋コンクリート造への適用を可能としました。また、この軽量屋根とジャッキフレームを一体化することで、閉鎖空間の構築期間を大幅に短縮しました。今後、テコレップシステムを高さ60m以上の建物まで適用させることも視野に入れて提案・普及してまいります。
食品や医薬品、半導体工場など生産施設の照明・空調・換気を最適な状態で制御できるシステム「T-Factory NextSM」を開発いたしました。本システムは、人検知センサー、制御コントローラー、操作パネルなどで構成されており、生産装置の稼働状況や施設利用者の滞在状況などについてあらかじめエリアごとに設定しておくことで、照明・空調・換気の自動制御が可能となります。今後、本システムを省エネ化技術として各種生産施設に提案・普及してまいります。
ブラインド上部に特殊形状のスラットによる採光部、下部に一般ブラインドの遮光部を配置することにより、窓際の眩しさを防ぎながら、電気的な制御を必要とせずに太陽光を安定的に室奥の天井面へ導くことが可能となる新型ブラインド「T-Light® Blind」を開発いたしました。新型ブラインドは窓面に簡単に設置することが可能となりますので、今後、オフィス空間に限らず、病院、学校、工場など様々な用途の建物の新築・リニューアル案件に提案・普及してまいります。
日射、風、気温、湿度といった芝生育成環境に関する総合的なシミュレーションシステム「T-Heats® Turf」を拡張いたしました。これにより、シミュレーション精度の向上及び検討期間の短縮に加え、スタジアムの形状を踏まえた芝生品質の向上に寄与する換気計画を立案することが可能となります。今後、スタジアムの計画段階から竣工後の維持管理に至るまで一貫した換気計画の立案を行い、芝生品質の向上及び維持管理業務の軽減に向けて、本システムを提案・普及してまいります。
建物の改修工事においては、既存建屋の解体をなるべく避けて、地盤の支持力を増強させる必要が生じる場合があります。その対応として、土木事業の地盤改良において使用されてきた「WinBLADE®工法」を小型の機械に活用できるよう改良し、建物内の狭隘なスペースにおける地盤改良を実現しました。今後、本工法を土木事業・建築事業を問わず積極的に活用してまいります。
鉄筋工事のうち、交差する鉄筋同士を針金で結束して位置を固定する鉄筋結束作業について自動で行うことができるロボット「T-iROBO® Rebar」を千葉工業大学と共同で開発いたしました。本ロボットの活用により、作業所の生産性向上に寄与するとともに、技能労働者の身体的負担を軽減し、作業の省人化、効率化が可能となります。今後、本ロボットを工事現場へ積極的に活用してまいります。