第2 [事業の状況]における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。
当年度の日本経済は、金融・財政政策の一定の効果により生産・消費の改善に加え設備投資にも回復の兆しがうかがえるなど、回復基調を辿った。
国内建設市場については、非製造業の需要回復に消費税率引上げに伴う駆け込み需要も加わり、堅調に推移した。
こうした状況のもと、当社グループの経営成績は次のとおりとなった。
受注高は前連結会計年度比17.2%増の1兆6,458億円となり、売上高は同8.3%増の1兆5,334億円となった。
利益については、営業利益は前連結会計年度比51.0%増の537億円、経常利益は同61.9%増の567億円、当期純利益は同60.0%増の320億円となった。
報告セグメント等の業績を示すと次のとおりである(報告セグメント等の業績については、セグメント間の内部取引を含めて記載している。)。
当社グループにおいては、売上高は当社及び連結子会社ともに増加したことから、前連結会計年度比17.6%増の4,481億円となった。また、営業利益は、売上高の増加及び売上総利益率の改善により、同236.4%増の325億円となった。
当社グループにおいては、売上高は概ね前連結会計年度並みの9,560億円となったものの、営業損益は売上総利益率の悪化により、89億円の損失(前連結会計年度は192億円の利益)となった。
不動産販売市場は、分譲マンション市場において、建設費の上昇傾向が続くなか、低金利や景況感の改善等により契約率が高水準で推移し、堅調な事業環境となった。また、不動産賃貸市場は、オフィスビルの空室率が改善し、一部ビルの賃料は上昇傾向を示すなど、回復の兆しが見られた。
当社グループにおいては、大型案件の売却に伴う配当が実施されたこと等により、売上高は前連結会計年度比35.5%増の1,884億円となり、営業利益は同391.4%増の279億円となった。
当社グループにおいては、売上高は概ね前連結会計年度並みの119億円、営業利益は前連結会計年度比21.6%増の5億円となった。
税金等調整前当期純利益を465億円獲得したこと等により、1,387億円の収入超(前連結会計年度は730億円の収入超)となった。
投資有価証券の売却等により、160億円の収入超(前連結会計年度は47億円の支出超)となった。
資金調達に係る有利子負債の返済等により、688億円の支出超(前連結会計年度は465億円の支出超)となった。
以上により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は3,543億円(前連結会計年度末比885億円増)となり、また、資金調達に係る有利子負債の残高は3,164億円(同625億円減)となった。
(単位:百万円)
報告セグメント等の名称 | 前連結会計年度 (自 平成24年4月1日 至 平成25年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) | |
土木事業 |
| 391,828 | 485,492 |
建築事業 |
| 867,719 | 967,867 |
開発事業 |
| 135,150 | 182,581 |
その他 |
| 9,707 | 9,953 |
合計 | 1,404,406 | 1,645,895 | |
(単位:百万円)
報告セグメント等の名称 | 前連結会計年度 (自 平成24年4月1日 至 平成25年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) | |
土木事業 |
| 358,327 | 418,526 |
建築事業 |
| 915,470 | 922,647 |
開発事業 |
| 132,990 | 182,346 |
その他 |
| 9,707 | 9,953 |
合計 | 1,416,495 | 1,533,473 | |
(注) 1 受注実績、売上実績においては、セグメント間の取引を相殺消去している。
2 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していない。
(参考) 提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。
期別 | 区分 | 前期繰越高 | 当期受注高 | 計 | 当期売上高 | 次期繰越高(百万円) | 当期施工高 | |||||
手持高 | うち施工高 | |||||||||||
第153期
| 報 | 土木事業 | 384,089 | 263,909 | 647,998 | 236,736 | 411,261 | 3% | 11,102 | 231,696 | ||
建築事業 | 1,173,030 | 773,966 | 1,946,997 | 816,337 | 1,130,660 | 3 | 34,413 | 822,704 | ||||
計 | 1,557,119 | 1,037,876 | 2,594,995 | 1,053,073 | 1,541,922 | 3 | 45,515 | 1,054,401 | ||||
開発事業 | 10,390 | 25,038 | 35,429 | 23,248 | 12,181 | ― | ― | ― | ||||
その他 | ― | 9,302 | 9,302 | 9,302 | ― | ― | ― | ― | ||||
合計 | 1,567,510 | 1,072,217 | 2,639,728 | 1,085,624 | 1,554,103 | ― | ― | ― | ||||
第154期
| 報 | 土木事業 | 411,261 | 360,230 | 771,491 | 296,111 | 475,380 | 3% | 14,598 | 299,606 | ||
建築事業 | 1,130,660 | 861,588 | 1,992,249 | 822,050 | 1,170,198 | 2 | 24,584 | 812,221 | ||||
計 | 1,541,922 | 1,221,818 | 2,763,740 | 1,118,161 | 1,645,578 | 2 | 39,182 | 1,111,828 | ||||
開発事業 | 12,181 | 69,022 | 81,203 | 68,750 | 12,453 | ― | ― | ― | ||||
その他 | ― | 9,264 | 9,264 | 9,264 | ― | ― | ― | ― | ||||
合計 | 1,554,103 | 1,300,105 | 2,854,208 | 1,196,176 | 1,658,031 | ― | ― | ― | ||||
(注) 1 前期以前に受注したもので、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注高にその増減額を含む。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれる。また前期以前に外貨建で受注したもので、当期中の為替相場の変動により請負金額に変更のあるものについても同様に処理している。
2 次期繰越高の施工高は、支出金により手持高の施工高を推定したものである。
3 当期施工高は(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致する。
4 前期の土木事業及び建築事業の期中受注高のうち海外工事の割合は各々3.2%、4.0%、当期の土木事業及び建築事業の期中受注高のうち海外工事の割合は各々13.9%、2.0%である。
(2) 受注工事高の受注方法別比率
建設事業の受注方法は、特命と競争に大別される。
期別 | 区分 | 特命 | 競争 | 計 |
第153期 (自 平成24年4月1日 至 平成25年3月31日) | 土木工事 | 28.7 % | 71.3 % | 100 % |
建築工事 | 31.2 | 68.8 | 100 | |
第154期 (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) | 土木工事 | 30.4 % | 69.6 % | 100 % |
建築工事 | 32.8 | 67.2 | 100 |
(注) 百分比は請負金額比である。
期別 | 区分 | 国内 | 海外 | 合計 | ||
官公庁 | 民間 | (A) | (A)/(B) | |||
第153期 | 土木工事 | 110,544 | 93,831 | 32,359 | 13.7 | 236,736 |
建築工事 | 65,423 | 694,890 | 56,022 | 6.9 | 816,337 | |
計 | 175,968 | 788,722 | 88,382 | 8.4 | 1,053,073 | |
第154期 | 土木工事 | 174,991 | 91,353 | 29,765 | 10.1 | 296,111 |
建築工事 | 54,559 | 711,498 | 55,993 | 6.8 | 822,050 | |
計 | 229,550 | 802,851 | 85,759 | 7.7 | 1,118,161 | |
(注) 1 第153期に完成した工事のうち主なものは、次のとおりである。
・ | 新ドーハ国際空港運営委員会 | カタール 新ドーハ国際空港旅客ターミナル複合施設新築工事 |
・ | 日本郵便㈱ | 丸の内2丁目計画(仮称)新築工事 |
・ | 東京都 | 中央環状品川線シールドトンネル工事-2 |
・ | 駿河台開発特定目的会社 | (仮称)神田駿河台4-6計画新築工事 |
・ | (独行)石油天然ガス・金属鉱物 | 波方基地 プロパン貯槽工事 |
2 第154期に完成した工事のうち主なものは、次のとおりである。
・ | 宮城県 | 災害廃棄物処理業務(気仙沼ブロック(気仙沼処理区)) |
・ | 北里第一三共ワクチン㈱ | 新ワクチン研究生産棟建設工事 |
・ | エムエムデベロップメント 特定目的会社 | (仮称)MM21 34街区 商業施設開発計画 (MARK IS みなとみらい) |
・ | シンガポール政府・陸上交通庁 (LTA) | シンガポール・ダウンタウン線建設工事907工区 |
・ | (学)昭和大学 | (仮称)昭和大学新豊洲病院 建設工事 |
3 第153期及び第154期ともに、完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
区分 | 国内 | 海外 | 合計 | ||
官公庁 | 民間 | (A) | (A)/(B) | ||
土木工事 | 272,102 | 121,654 | 81,623 | 17.2 | 475,380 |
建築工事 | 180,535 | 950,576 | 39,085 | 3.3 | 1,170,198 |
計 | 452,637 | 1,072,231 | 120,709 | 7.3 | 1,645,578 |
(注) 手持工事のうち主なものは、次のとおりである。
・ | アルジェリア政府 公共事業省高速道路公団 | アルジェリア 東西高速道路建設工事(東工区) |
・ | トルコ政府 運輸海事通信省 インフラ投資総局 | トルコ ボスポラス海峡横断鉄道建設工事 |
・ | みずほ信託銀行㈱ | (仮称)大手町1-6計画のうち、敷地内本体工事 |
・ | エヌ・ティ・ティ都市開発㈱、 大成建設㈱、ヒューリック㈱、 東京都市開発㈱ | (仮称)芝浦水再生センター再構築に伴う上部利用事業 |
・ | ベトナム政府 ベトナム空港公団 | ベトナム ノイバイ国際空港第2旅客ターミナル新築工事 |
今後の市場環境については、東日本大震災の復興事業の進展、景気回復期待からの民需の拡大等により堅調に推移することが期待されるものの、建設物価高騰等の影響や東京オリンピック後の需要動向も踏まえると、経営環境は引き続き厳しい状況で推移するものと思われる。
このような認識のもと、当社及び当社グループは、2012年度を初年度とする中期経営計画に基づく事業別戦略及び具体的施策を策定の上、以下に掲げる経営課題の達成に向けて取り組んでいる。
「中期経営計画(2012~2014年度)」(要旨)
(基本方針) |
本中期経営計画の目標達成のために、当社及び当社グループは、以下の6点を重要な対処すべき課題と認識している。
社会基盤整備への貢献
東日本大震災からの復旧・復興や老朽化したインフラ対策などに対して、引き続きグループの総力を挙げて取り組み、我が国の社会基盤整備に積極的に貢献する。
生産能力の向上
建設需要の増加傾向に伴う技術者不足が懸念される中、技術者の適正配置と技術革新によって生産性向上を図るとともに、技術社員のキャリア採用を積極的に推進する。これにより生産能力を向上させ、また、高い品質を確保する。
コスト競争力・調達力の強化
昨今の労務逼迫や資機材高騰の状況下、従前から取り組んでいる調達機能の強化をさらに推進し、コスト競争力をより一層高め、収益力の維持・向上を図る。
海外事業の安定的な利益確保
海外事業については、強みが活かせる地域・分野に特化し、収支管理体制・施工管理体制を強化することで安定的な利益確保に努め、将来の健全な成長を目指す。
グループ収益力の強化
グループ全体で経営資源を適正に配分するとともに、グループ・ガバナンスの強化とグループ連携の深化によって一体経営を推進し、グループ収益力を向上する。
財務体質の強化
収益力の向上と営業キャッシュ・フローの改善によって、中期経営計画の有利子負債削減目標(連結3,000億円未満)を達成するとともに、内部留保の更なる充実を図る。
当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項には、次のようなものがある。なお、当社グループは、これらのリスクが発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存である。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
建設・不動産市場の急激な縮小や競争環境の激化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。
世界各国で事業を行っているため、テロ・戦争・暴動等の発生及びその国の政情の悪化、経済状況の急激な変動、為替レートの大きな変動、法律・規制の予期せぬ変更等が発生し、契約によりヘッジできない場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。
一般に建設業の請負契約は、一取引における契約金額が大きく、また多くの場合には、工事目的物の引渡時に多額の工事代金が支払われる条件で契約が締結される。このため、工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。
原材料の価格が高騰した際、請負代金に反映することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。
営業活動上の必要性から、不動産・有価証券等の資産を保有しているため、時価の変動により、業績に影響を及ぼす可能性がある。
年金資産の時価の下落及び運用利回り・割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。
金利水準が急激に上昇した場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループの事業に起因して瑕疵担保責任及び製造物責任に基づく多額の損害賠償が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは、PFI事業、レジャー事業を始めとした土木事業・建築事業・開発事業に付帯関連する事業を営んでいる。これらの事業の多くは、事業期間が長期にわたるため、将来の事業環境が大きく変化した場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。
土木事業・建築事業の遂行は、建設業法、建築基準法、労働安全衛生法、独占禁止法等による法的規制を受けており、これらの法規の改廃や新たな規制等が行われた場合、また、これらの法的規制により行政処分等を受けた場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。
土木事業・建築事業においては、人身や施工物などに関わる重大な事故が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。
大規模地震、風水害等の大規模自然災害や感染症の大流行が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。
特記事項なし。
当社グループは、社会や顧客のニーズへの的確な対応、及び技術による新たな市場の開拓を目的に、都市再生、環境・エンジニアリング、エネルギー、設計・施工基盤技術及び新材料・先端技術の分野に重点を置き、技術の研究開発を推進している。実施に際しては、技術ニーズの高度化・多様化に対応し、また技術開発への投資効率を高めるべく、大学をはじめとした研究機関、異業種企業、同業他社等との社外アライアンスを積極的に推進している。
当連結会計年度における研究開発費は95億円である。このうち、主な研究開発事例とその成果は次のとおりである。
これまでセメントミルクや薬液を用いた固化体の構築や地下水位低下による液状化の発生を抑制する工法の研究開発を行い、新しい施工方法や評価方法を実用化してきた。2013年度には、開閉式の撹拌翼を用いて固化体を構築するWinBLADE工法を、斜め施工を行える利点から盛土斜面の補強工事に初適用した。今後、沿岸部の軟弱地盤や道路・鉄道盛土等への適用拡大を目指す。同時に、本格的な対応が見込まれる産業施設や交通インフラを対象とした耐震補強工事に対し、当社独自技術の適用を目指す。
ボスポラス海峡横断鉄道トンネルのシルケジ駅舎を構築する掘削工事においては、遺跡調査に伴い工程や施工条件が多大な影響を受けた。過去のトンネル工事で培った三次元掘削解析技術と高密度な計測・管理技術を高度化し、情報化施工管理に適用した。大規模で複雑なトンネル形状と施工手順をできるだけ忠実に反映し、地表面沈下及び既存建物の変形予測を綿密に行って日々の施工を管理し、2013年10月29日に海峡横断鉄道の全線開通に至った。今後は、歴史・観光・商業地区直下における大規模掘削工事などに活用を図る。
鉄筋コンクリート構造物の耐震性能等を高めるためには、せん断補強鉄筋が使用される。当社は独自のせん断補強鉄筋として、機械式定着技術「ヘッドバー」を開発し、1999年に土木研究センターの技術審査証明を取得した。その後、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録し、幅広い分野で累計2,800万本を達成した。2013年の技術審査証明の更新によって、より高強度の鉄筋への適用、主鉄筋(軸方向鉄筋)への適用が可能となった。既存構造物の耐震補強に使用する「ポストヘッドバー工法」を含め、国土強靭化に資するべく需要拡大を図る。
ショベルカーや転圧ローラー車などの建設機械を自動制御するシステムを開発した。作業内容を指示するだけで、建機が予め装備した各種センサー情報から自ら判断し、目的の作業をやり遂げる。これにより、従来の無人化施工のようにテレビモニターを見ながら絶えず操縦桿を操作しなくても済むようになる。この自動制御システムは、様々な作業をする建機に広く応用できる。2012年度から3年計画で国土交通省の支援を受けて開発を進めている。今後は様々な建機に本システムを適用し、実用化を図る。
幹線道路の交差点等の交通渋滞解消を目的としてアンダーパスによる立体交差化が全国各地で計画、実施されている。当社は、小型の矩形断面を上下左右に繋ぎ合わせて大断面トンネルを構築する技術「ハーモニカ工法」を開発した。2013年度には、ハーモニカ工法を補助工法として使用した開削工法とのハイブリッド施工技術を開発し、鉄道営業線の直下に初めて適用した。アンダーパスの直下に埋設されている下水幹線との間はわずか1mの離隔しかなく、軌道と地下埋設物に挟まれた非常に狭い場所の掘削を高精度に実現するために考案された。今後、立体交差事業等においてハーモニカ工法のさらなる適用拡大を図る。
現在、本格除染工事が進められており、当社開発技術が活用されている。例えば、除染工事の膨大な管理業務をタブレットPCにより効率化した除染サポートシステム「T-DECOS」、放射性物質を含んだ汚染水を処理できる車載移動式の汚染水処理システム、大量の枝葉を特殊圧縮袋に収納して可燃物を減容化する技術など、復興に貢献できる技術を開発した。また、ナノ磁性除染剤を利用した焼却飛灰からの放射性セシウム回収技術の開発、放射性セシウムが付着した草木を低コストで処理する技術などの基礎研究を進め、今後の除染事業への活用を図る。
大成ロテック㈱において、舗装の維持修繕に関わる技術として、環境にやさしい「常温補修材の開発」や「耐久性の高いひび割れ補修材の開発」、循環型社会の構築へ向けた舗装技術からのアプローチとして「繰り返し再生されたアスファルト混合物の望ましい再生方法の検討」、寒冷地の冬季路面対策として「車道用凍結抑制舗装技術の開発」や「歩道用の除雪補助機能を有する舗装の開発」などの研究を行っている。
世界最高強度Fc300のコンクリート(大成スーパーコンクリート)を開発し、技術センター「ZEB実証棟」の柱に適用した。本柱は、当社保有プレキャスト工場にて製造した。Fc300のコンクリートを用いることで通常の柱断面寸法の約1/3の細い柱とすることができ、開放感のある空間を実現した。本技術を中心に、安全・安心かつ長寿命な建築の実現を目指す。
免震建物は地震時に免震装置が作動し基礎と建物との間でずれが生じるため、建物周囲にスペースを確保しておく必要がある。通常この幅は60cm程度であるが、新開発の装置を用いることでこの幅を半分程度とすることが可能となった。揺れの大きさに応じて抵抗力を切替える「切換型オイルダンパー」の大臣認定を取得し、技術センター「ZEB実証棟」に適用した。本技術により、高密度な市街地にも免震建物の建設が可能となる。
空気を清浄化して吹出すファン・フィルタ・ユニット(FFU)を既存建物の天井下に設置し、クリーンルーム化する空調制御技術を実用化した。高い清浄度が要求される生産設備の上部には通常の下吹きで設置し、空気の滞留や発塵が多いエリアではFFUを反転させた上吹き設置を組み合わせて気流を制御し、フレキシブルなクリーンルーム環境を構築する。2013年3月に完成した技術センター「クリーンテクノロジー実験施設」に導入した新築タイプ(Type-N)と合わせ、国内外のリニューアル案件に展開していく。
都市部において、せせらぎや池など水辺空間の構築に際し、生態系に配慮しながら水質保全をローコストで可能とするシステムを開発した。自然由来の吸着材を効果的に用いて、窒素、リンを水中から除去し、藻類の異常発生を抑止して生態系に悪影響を与えることなく、安定的に水質を保全することができる。豊かな緑地空間の創造等に活用していく。(日本植生㈱と共同開発)
既設建物の天井裏にある設備機器や天井部材などの状況を短時間で可視化する球体パノラマ画像システムを開発した。これまで狭小な開口部からの撮影など作業の煩雑さがネックになっていた天井裏の調査に活用する。東日本大震災時の天井崩落事故を受け、地震対策ニーズが高まっている天井の耐震補強計画、施工に活用していく。
省エネルギーを実現するため照明エネルギーの削減を目的として太陽光を有効利用するべく、建物外壁面の開口部から室内奥深くまで光を導く装置を開発した。装置内部の鏡面は8種類の放物線を組み合わせた特殊な形状とし、あらゆる太陽高度に対応し、かつ、少ない反射回数で光の減衰を防ぎ室内に光を導く。技術センター「ZEB実証棟」に導入し、効果を検証する。
当連結会計年度の経営成績については、受注高・売上高・営業利益・経常利益・当期純利益の各項目において年度当初の予想を達成した。
財政状態については、当期純利益の計上に加え、株式相場上昇の影響等により純資産が3,841億円に増加したため、自己資本比率は前連結会計年度比1.8%増の23.9%となった。また、資金調達に係る有利子負債が3,164億円と625億円減少したことから、D/Eレシオは0.2ポイント好転して0.8倍となった。
現金預金の増加等により、資産合計は前連結会計年度末比3.6%・559億円増の1兆5,990億円となった。
資金調達に係る有利子負債の削減はあったものの、預り金の増加及び未成工事受入金の増加等により、負債合計は前連結会計年度末比1.3%・151億円増の1兆2,148億円となった。
なお、当連結会計年度末の資金調達に係る有利子負債残高は3,164億円となった。
当期純利益の計上に加え、株式相場上昇によるその他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末比11.9%・408億円増の3,841億円となった。
受注高は、全てのセグメントにおいて増加したことから、前連結会計年度比17.2%増の1兆6,458億円となった。
また、売上高も全てのセグメントにおいて増加し、前連結会計年度比8.3%増の1兆5,334億円となった。
営業利益は、売上総利益が一部の大型工事の採算悪化に伴い建築事業において減少したものの、開発事業の増収に伴う増加に加え、土木事業の売上総利益率の好転により増益となり、販売費及び一般管理費が概ね前期並みとなったことから、前連結会計年度比51.0%増の537億円となった。
経常利益は、為替差益の増加等により営業外損益が好転したことから、前連結会計年度比61.9%増の567億円となった。
当期純利益は、固定資産売却損の増加等により特別損益が悪化したものの、経常利益の増加により、前連結会計年度比60.0%増の320億円となった。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。