(1)中長期的な経営戦略および会社の対処すべき課題
当社および当社グループにおいて、中期経営計画「MVIP2017」(平成27年度~29年度)の最終年度である平成29年度は、南米の鮭鱒養殖事業における販売価格・養殖成績が好調に推移したこともあり、計画に対して順調に推移した。平成30年度からは新しい中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」(平成30年度~32年度)をスタートし、新たなステージに向けて諸施策に取組んでいく。
なお文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものである。
中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」の主な内容
①基本的な考え方
経営の基本方針「水産資源の持続的利用と地球環境の保全に配慮し、水産物をはじめとした資源から、多様な価値を創造し続け、世界の人々のいきいきとした生活と希望ある未来に貢献する。」を実現するため、2016年に「CSR行動宣言」を制定した。
この方針と宣言に基づき、新中期経営計画では、独自の技術を活かし、持続可能な水産資源から世界の人々に健康をお届けしていく。
「新中期経営計画の基本的な考え方」
|
独自の技術を活かし価値を創造するメーカーを目指す
~ 持続可能な水産資源から世界の人々を健康に ~ |
②主要戦略
新中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」では、事業を通じた社会課題への取組の強化により、企業価値向上に努めていく。
(ⅰ)持続可能な水産資源の利用と調達の推進
・当社グループの取り扱う水産物の資源状態を把握し、その持続可能性への配慮など当社の対応状況について
適宜発信していく。
・原料/製品の調達において、人権の尊重などに配慮した「CSR調達」をサプライヤーとともに進めていく。
(ⅱ)資源の最大活用と製品ロスの最小化を目指し、動植物性残渣の削減や賞味期限延長などの検討
(ⅲ)水産資源などの素材がもつ機能を活かした、健康に寄与する医薬原料や食品の拡大
(ⅳ)ライフスタイルの変化に対応した事業への構造転換
・日本に限らず欧米でも社会環境の変化に伴い、食事に求められるものが変わってきている。簡便/即食などのニーズに対応した美味しく、鮮度の良い商品を拡大すると同時に、これらの加工・生産機能の強化・再編を進めていく。
(ⅴ)海外展開の加速
・水産/食品事業における、欧州での更なる拡大とアジアへの注力
・医薬原料の海外展開
(ⅵ)水産資源の持続可能性につながる研究開発の更なる強化
・養殖事業の海外展開や新魚種への挑戦
・新規機能性脂質の研究
(ⅶ)働き方改革や健康増進支援策等を通じた健康経営の推進
(ⅷ)コーポレートガバナンスの強化

③投資・財務戦略
(ⅰ)投資戦略:国内外ともに成長事業への設備投資を強化し、持続的な成長を目指す。
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水産事業 |
230 |
億円 |
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食品事業 |
360 |
億円 |
|
|
ファインケミカル事業 |
60 |
億円 |
|
|
物流・海洋事業他 |
150 |
億円 |
|
|
M&A他 |
100 |
億円 |
|
|
投資総額 |
900 |
億円 |
|
|
減価償却費 |
570 |
億円 |
|
(ⅱ)財務戦略:~事業リスクに対応できる財務体質に向けて~
持続的な成長を財務面から支えるために、1)収益力の強化、2)投資効率の良い経営、3)自己資本の充実
による経営安定化を進める。また、グループ会社を含めROAを指標とした投資管理の更なる強化を進めて
いく。

④中期経営計画 MVIP+(プラス)2020の目標とする姿(KPI)
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2020年度計画 |
2017年度実績 |
増減率 |
|
売上高 |
7,560億円 |
6,830億円 |
111% |
|
営業利益 |
290億円 |
234億円 |
123% |
|
経常利益 |
320億円 |
248億円 |
129% |
|
当期純利益 |
220億円 |
173億円 |
127% |
|
ROA |
4.5% |
4.0% |
|
|
(参考)ROE |
12.0% |
13.4% |
|
※算出に用いた為替レート:USD 110円 EUR 135円
※ROA={「当期純利益」+「支払利息」×(1-実効税率)}/{(前期末「資産合計」+当期末「資産合計」)÷2}
(2)株式会社の支配に関する基本方針
①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の概要
上場会社である当社の株券等については、株主をはじめとする投資家による自由な取引が認められていること
から、当社取締役会としては、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主
全体の意思により決定されるべきものであり、特定の者の大量取得行為に応じて当社株券等を売却するか否かに
ついても、最終的には当社株主の判断に委ねられるべきものであると考えている。
その一方で、会社の取締役会の賛同を得ずに行う企業買収の中には、1)重要な営業用資産を売却処分するなど
企業価値を損なうことが明白であるもの、2)買収提案の内容や買収者自身について十分な情報を提供しない
もの、3)被買収会社の取締役会が買収提案を検討し代替案を株主に提供するための時間的余裕を与えないもの、
4)買収に応じることを株主に強要する仕組みをとるもの、5)当社グループの持続的な企業価値増大のために必要
不可欠なお客様、取引先および従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係を破壊するもの、6)当社
グループの技術と研究開発力、グローバルネットワークによる水産物のサプライチェーン、安全・安心な商品・
サービスの提供など当社グループの本源的価値に鑑み不十分または不適当なもの、など当社グループの企業価値
ひいては株主共同の利益に反するものも想定される。
当社としては、このような大量取得行為をおこなう者は当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として
不適切であり、この不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するため、
当社グループの企業価値ひいては株主の皆様の利益を確保することが必要と考えている。
②基本方針の実現に資する取組みの概要
当社では、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるための取組みとして次の施策
を既に実施している。
(ⅰ)中期経営計画による企業価値向上への取組み
平成27年度から当事業年度まで中期経営計画「MVIP2017」を推進し、企業価値の向上に取組んできた。平成
30年度からは新しい中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」をスタートし、更なる成長に努めていく。
(ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、当社グループ全体の継続的な企業価値向上を具現化していくためにはコーポレート・ガバナンスの
強化が必要であると認識しており、重要な戦略を効率的かつ迅速に決定、実行していく業務執行機能と、業務
執行に対する監督機能を明確化し、経営における透明性を高めるための各種施策の実現に取り組んでいる。
③不適切な者によって当社の経営方針の決定が支配されることを防止する取組み
当社株式の大量買付行為が行われた場合には、買付者等に対して必要かつ十分な情報の提供を求め、併せて当社
取締役会の意見の開示など適時適切な情報開示を行い、株主の皆様の検討のための時間と情報確保に努める等、
金融商品取引法、会社法及びその他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じていく。
④上記取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
上記②および③に記載の取組みは株主共同の利益を確保し、向上させるための取組みであり、上記①の基本方針
に沿うものである。これらの取組みは、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を
目的としたものではない。
投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがある。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
① 食品の安全性に係るリスク
近年、残留農薬問題、鳥インフルエンザ、放射能汚染問題や冷凍食品業界での農薬混入事件など食品の品質に関する問題が発生している。当社グループでは、厳しい品質保証基準と品質保証の仕組みを構築しており、例えば、工場内への持込み物禁止ルールの徹底、薬剤保管庫・検査室の管理徹底など、お客様に安全な商品をお届けするための品質保証に最大限努めている。しかしながら、想定を超える問題等が発生した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
②水産物市況によるリスク
当社グループが取り扱う水産物は、主に海外から国内へ輸入・販売している。生鮮魚類の水揚げ数量の増減、養殖における魚病の発生、大規模な自然災害などによる需給変動の影響を受け、水産物市況の動向が想定を超える場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
③ 原材料価格の変動によるリスク
当社グループの使用する燃料、主副原料、資機材等の原材料は、その価格が市場の状況により変動する。これら原材料価格が予想を大きく超えて高騰しコストダウンで吸収しきれない場合、また販売価格に転嫁できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
④ 海外事業におけるリスク
当社グループは、北米、南米、アジアならびにヨーロッパ等において事業を展開しているが、それらの地域において政治や経済動向の変化、戦争、テロ、養殖事業における魚病の発生、大規模な自然災害などが発生した場合には、当社グループの経営状況に影響を及ぼす可能性がある。
⑤養殖事業におけるリスク
当社グループは、国内や海外において養殖事業を営んでいるが、予防困難な魚病等が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
⑥為替レートの変動によるリスク
当社グループは、商品や原材料の輸出入取引があり為替レート変動の影響を受けている。このリスクを軽減するため為替予約等を行っているが、予測を超えた大幅な為替レートの変動があった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
⑦法的規制等の変更等によるリスク
当社グループは、事業を遂行していくうえで、国内および海外の様々な法的規制を受けている。将来において、現在予期しえない法的規制等の変更や新設があった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
⑧会計制度の変更によるリスク
当社グループでは、新たな会計基準の適用など会計制度の変更によって、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
⑨株価変動等による保有資産への影響によるリスク
当社グループでは保有する有価証券等の資産について取引先との関係や資産状況等を勘案しながら随時見直しを行っている。しかしながら、急激な株価変動や投資先の業績不振等により有価証券等の資産価値が下落し、減損処理を必要とする場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
⑩情報システムに関するリスク
当社グループでは、販売促進キャンペーン、通信販売等により多数のお客様の個人情報を保有している。当社グループは、これらの重要な情報の紛失、誤用、改竄等を防止するため、規程等を整備するほか、従業員に対する教育・研修等を通じた情報管理の重要性の周知徹底を行うなど、適切なセキュリティ対策を実施している。しかしながら、停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、コンピュータウィルスの感染、不正アクセス等予測の範囲を超える出来事により、情報システムの崩壊、停止または一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏洩、改竄等のリスクが考えられ、これらの事態が発生した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
⑪環境に関するリスク
当社グループは、廃棄物削減・再資源化、省エネルギー、二酸化炭素排出の削減、包装容器リサイクルの徹底を図り、事業を遂行していくうえで環境に関連する各種法律、規制を遵守している。
しかしながら、関係法令等の変更によって新規設備の投資、廃棄物処理方法の変更等による大幅なコストの増加が発生する場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
⑫訴訟のリスク
当社グループは、事業を遂行していくうえで、各種関係法令を遵守し、従業員がコンプライアンスを理解し、実践することに最善の努力をしている。
しかしながら、事業を遂行していくうえで、国内国外を問わず訴訟提起をされるリスクを抱えており、万一当社グループが訴訟を提起された場合、その結果によっては当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
⑬人材の確保・育成によるリスク
当社グループが今後の成長を実現していくためには、営業・技術・経営管理等の各方面において優秀な人材を確保・育成していくことが重要な課題と認識しており、必要な施策を実施している。しかしながら、人材の確保・育成ができなかった場合には、当社グループの事業目的の達成が困難となる可能性がある。
⑭事業を取り巻く環境の変化によるリスク
当社グループは、事業の遂行にあたって景気等の経済状態による消費動向が大きく影響を及ぼす可能性がある。世界同時不況による消費不振や需要減退等が起こった場合は、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼすリスクが考えられる。また、日本国内の少子・高齢化現象が市場全体の縮小を及ぼすリスクが考えられる。
⑮債権管理に関するリスク
当社グループは、取引先の信用リスクに備えているが、取引先の信用不安による予期せぬ貸倒れリスクなどが顕在化し、追加的な損失や引当の計上が必要となる場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
⑯自然災害に関するリスク
当社グループは、生産ラインの安全で正常な稼動を確保するために定期的な設備点検を行っているが、地震、台風および津波などに被災し、長期間稼動が停止した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善など緩やかな回復基調で推移し、個人消費も海外経済や金融資本市場の先行きが不透明な中緩やかな持ち直しの動きが続いた。
世界経済(連結対象期間1-12月)については、米国では雇用・所得環境の底堅さにより個人消費が着実に回復するなど、景気に力強さがみられた。欧州では雇用環境の改善を背景とした個人消費の増加により緩やかな景気の回復が持続した。アジアでは中国において、政府の政策効果により景気は下支えされた。
当社および当社グループにおいては、水産事業では南米の鮭鱒養殖事業が好調に推移した。一方、食品事業では原材料や物流費の上昇など事業環境に変化の兆しが見られ、ファイン事業では先行投資による費用が増加した。
このような状況下で当連結会計年度の営業成績は、売上高は6,830億8百万円(前期比470億54百万円増)、営業利益は234億89百万円(前期比8億42百万円増)、経常利益は248億40百万円(前期比44百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は173億34百万円(前期比31億18百万円増)となった。
当連結会計年度は、中期経営計画「MVIP2017」(平成27年度~29年度)の最終年度であり、中期経営計画「MVIP2017」の目標(以下、KPIという。)である「連結売上高6,800億円以上 連結営業利益230億円以上」を達成した。
(単位:百万円)
|
|
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
||||
|
平成30年 3月期 |
683,008 |
23,489 |
24,840 |
17,334 |
||||
|
平成29年 3月期 |
635,953 |
22,646 |
24,884 |
14,216 |
||||
|
前期増減 |
47,054 |
842 |
△44 |
3,118 |
||||
|
前期比 |
107.4 |
% |
103.7 |
% |
99.8 |
% |
121.9 |
% |
セグメント別の経営成績は次のとおりである。
(単位:百万円)
|
|
売上高 |
前期増減 |
前期比 |
営業利益 |
前期増減 |
前期比 |
||
|
水産事業 |
286,991 |
21,122 |
107.9 |
% |
10,289 |
2,339 |
129.4 |
% |
|
食品事業 |
327,704 |
23,216 |
107.6 |
% |
10,735 |
△376 |
96.6 |
% |
|
ファイン事業 |
25,866 |
69 |
100.3 |
% |
2,086 |
△1,890 |
52.5 |
% |
|
物流事業 |
16,361 |
379 |
102.4 |
% |
1,931 |
132 |
107.4 |
% |
|
その他 |
26,084 |
2,266 |
109.5 |
% |
1,263 |
628 |
198.9 |
% |
|
全社経費 |
- |
- |
- |
% |
△2,817 |
9 |
99.7 |
% |
|
合計 |
683,008 |
47,054 |
107.4 |
% |
23,489 |
842 |
103.7 |
% |
(注)水産事業の営業利益には、南米の鮭鱒養殖事業における在池魚評価損133百万円(前期在池魚評価益560百万円)が含まれている。
① 水産事業
水産事業については、漁撈事業、養殖事業、加工・商事事業を営んでいる。
<当連結会計年度の概況>
水産事業では売上高は2,869億91百万円(前期比211億22百万円増)となり、営業利益は102億89百万円(前期比23億39百万円増)となった。
漁撈事業:前期比で減収、減益
<日本>
・さばやあじ等の漁獲減に加え、修繕費や新船の償却費の増加などもあり減収・減益となった。
<南米>
・ほきなどの漁獲が低調となり、減収・減益となった。
養殖事業:前期比で増収、増益
<日本>
・主力のまぐろ、ぶり、鮭鱒の販売数量の拡大により増収となった。価格においては、まぐろは下落したものの、ぶりや鮭鱒では上昇し増益となった。
<南米>
・鮭鱒は、販売価格の上昇に加え養殖成績も良好であったことから大幅な増収・増益となった。
加工・商事事業:前期比で増収、減益
<日本>
・ぶりの販売は好調に推移したものの、飼料油飼のコスト増加や鮭鱒の仕入価格の上昇などにより減益となっ た。
<北米>
・助子の増収に加え、労務コスト削減効果もあり増益となった。
<ヨーロッパ>
・新規ビジネスへの取り組みや販売エリアの拡大などで販売が順調に推移したことに加え、為替の影響もあり増収・増益となった。
② 食品事業
食品事業については、加工事業およびチルド事業を営んでいる。
<当連結会計年度の概況>
食品事業では売上高は3,277億4百万円(前期比232億16百万円増)となり、営業利益は107億35百万円(前期比3億76百万円減)となった。
加工事業:前期比で増収、減益
<日本>
・冷凍食品の米飯商品や冷凍野菜の販売が順調に推移したが、一部の商品では水産原料の不足による影響があった。一方、コストについては販売経費や物流費の増加に加え原料高騰もあり、減益となった。
<北米>
・業務用冷凍食品は主原料コストが上昇したが、家庭用冷凍食品の販管費の見直しなどもあり、増益となった。<ヨーロッパ>
・原材料費の上昇があったが、既存カテゴリーの順調な販売に加え、成長カテゴリーへの取り組みが寄与し、増収・増益となった。
チルド事業:前期比で増収、減益
<日本>
・コンビニエンスストア業界再編などにより、惣菜類・調理麺を中心に販売が伸長したが、生産コストの増加による影響もあり前期並みの利益となった。
③ ファイン事業
ファイン事業については、医薬原料、機能性原料(注1)、機能性食品(注2)、および医薬品、診断薬の生産・販売を行っている。
<当連結会計年度の概況>
ファイン事業では売上高は258億66百万円(前期比69百万円増)となり、営業利益は20億86百万円(前期比18億90百万円減)となった。
<医薬原料、機能性原料、機能性食品>
・医薬原料の鹿島医薬品工場新設に関連する減価償却費などのコスト増加や、機能性食品の販売拡大に向けた広告宣伝費の投入などもあり減益となった。
<臨床診断薬、産業検査薬、医薬品、化粧品>
・診断薬などにおいて販売が順調に推移したものの、製造原価などのコストが上昇し減益となった。
④ 物流事業
物流事業については、冷蔵倉庫事業、配送事業、通関事業を営んでいる。
<当連結会計年度の概況>
物流事業では売上高は163億61百万円(前期比3億79百万円増)となり、営業利益は19億31百万円(前期比1億32百万円増)となった。
・大阪舞洲物流センターの増収に加え、既存冷蔵庫も入庫量が前年を上回るなど堅調に推移し増収・増益となった。
(注1)主に食品素材や化粧品素材向けとなるEPA・DHA、コレステロール、オレンジラフィー油など。
(注2)特定保健用食品「イマークS」やEPA・DHAなどのサプリメント。
その他
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は前期比409億24百万円増の5,422億96百万円となった。販売費及び一般管理費は、発送費が16億78百万円、広告宣伝費が12億59百万円増加したため、前期比52億87百万円増の1,172億22百万円となった。
(営業外収益・営業外費用)
営業外収益は前期比23億38百万円減の36億30百万円となった。これは主として持分法による投資利益が16億35百万円減少、投資有価証券売却益が8億32百万円減少したことなどによるものである。
営業外費用は前期14億51百万円減の22億78百万円となった。これは主として投資有価証券売却損が8億80百万円減少、支払利息が1億59百万円減少したことなどによるものである。
(特別利益・特別損失)
特別利益は前期比43億76百万円増の53億30百万円となった。これは主として投資有価証券売却益が43億36百万円増加したことなどによるものである。
特別損失は前期比25億70百万円増の38億80百万円となった。これは主として減損損失が19億65百万円増加し、災害による損失が2億91百万円増加したことなどによるものである。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は前期比31億18百万円増の173億34百万円となり、前期の1株当たり当期純利益48円02銭に対し、55円65銭になった。
生産、受注及び販売の実績は、次の通りである。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
水産事業 |
106,823 |
1.9 |
|
食品事業 |
286,290 |
6.0 |
|
ファイン事業 |
19,689 |
△5.1 |
|
合計 |
412,803 |
4.3 |
(注) 1 金額は、販売価格による。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていない
②受注実績
受注生産は行っていない。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
水産事業 |
286,991 |
7.9 |
|
食品事業 |
327,704 |
7.6 |
|
ファイン事業 |
25,866 |
0.3 |
|
物流事業 |
16,361 |
2.4 |
|
その他 |
26,084 |
9.5 |
|
合計 |
683,008 |
7.4 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去している。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
三菱食品株式会社 |
75,452 |
11.9 |
80,998 |
11.9 |
流動資産は前期比240億51百万円増の2,571億38百万円、固定資産は86億94百万円増の2,274億83百万円、総資産は前期比327億45百万円増の4,846億22百万円となった。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて10.3%増加し、2,571億38百万円となった。これは受取手形及び売掛金が94億74百万円増加し、商品及び製品が72億93百万円増加したことなどによる。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて4.0%増加し、2,274億83百万円となった。これは有形固定資産が91億52百万円増加したことなどによる。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて7.2%増加し、4,846億22百万円となった。
流動負債は前期比33億67百万円減の2,128億69百万円、固定負債は202億12百万円増の1,146億46百万円、負債は前期比168億44百万円増の3,275億15百万円となった。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて1.6%減少し、2,128億69百万円となった。これは短期借入金が233億82百万円減少し、支払手形及び買掛金が100億46百万円増加したことなどによる。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて21.4%増加し、1,146億46百万円となった。これは長期借入金が194億97百万円増加し、退職給付に係る負債が25億1百万円減少したことなどによる。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて5.4%増加し3,275億15百万円となった。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて159億円増加し、1,571億6百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益を173億34百万円計上したこと、為替換算調整勘定が17億9百万円増加したことなどによる。
以上により当連結会計年度末のROAは4.0%、自己資本比率は28.4%になり、中期経営計画「MVIP2017」のKPIである「ROA 3.5%以上、自己資本比率 25.0%以上」を達成した。
現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比8億62百万円減少し、243億18百万円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益262億90百万円(前期比17億61百万円増)、減価償却費176億97百万円(前期比13億42百万円増)、売上債権の増加76億3百万円(前期比18億58百万円増)、たな卸資産の増加106億42百万円(前期比93億42百万円増)、仕入債務の増加84億63百万円(前期比65億16百万円増)、未払費用の増加38億45百万円(前期比11億42百万円増)などの結果、285億4百万円の収入(前期比16億74百万円収入減)となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、日本クッカリー㈱における製造設備の取得及び当社の鹿島医薬品工場への投資などの有形固定資産の取得による支出269億76百万円(前期比35億28百万円増)、投資有価証券の売却による収入66億62百万円(前期比88億74百万円減)などにより、217億42百万円の支出(前期比142億96百万円支出増)となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入352億19百万円(前期比224億19百万円増)、長期借入金の返済による支出379億78百万円(前期比46億82百万円増)などにより、79億50百万円の支出(前期比35億67百万円支出減)となった。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
中期経営計画MVIP2017では、当該3年間で営業キャッシュフローを850億円創出し、設備投資670億円、株主還元24億円、有利子負債の返済等に156億円を充てることを計画していた。
当連結会計年度を含む3年間で営業キャッシュフローを960億円創出したことに加え、平成28年度に公募増資139億円を実施し、設備投資727億円、株主還元53億円、有利子負債の返済等318億円に充当した。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っており、貸倒引当金、たな卸資産、有価証券、退職給付に係る負債、法人税等などに関する見積り及び判断に対して継続的に評価を行っている。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの結果と異なる可能性がある。
当社は、平成30年度より、新たに策定した新中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」を推進する。取組みの詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載している。なお、新中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」は有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき作成したものである。
該当事項なし。
当社グループは、海洋資源をもとにした水産製品、食品から、医薬品、養殖魚の飼料まで、「食」と「健康」に関する研究開発を行っている。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は48億56百万円である。なお、中期経営計画において水産、食品、ファイン事業の主要3事業の個々の強化に加え、それぞれの事業領域の境目となる分野で融合を進めることでより高い成果を目指していることから、全ての研究開発費にかかる費用をセグメント別に関連づけることが困難であるため、その総額を記載している。当連結会計年度における研究開発の主な概要は次の通りである。
当社は、東京イノベーションセンター(中央研究所)を中心に水産・食品・ファイン事業に関連する技術開発、商品開発及び水産養殖等に関する研究開発活動を展開している。水産に関しては食塩を低減しても塩味やおいしさをしっかり感じられる「塩味増強技術」に関する研究、食品に関しては独自の技術を活かしたフライ衣やすりみの品質向上に関する研究、養殖に関しては肉質向上機能性飼料や養殖魚の成熟制御、まぐろの完全養殖やエビの陸上養殖の事業化などに関する研究を行っている。機能性素材に関する研究では、高純度なEPAの研究や新しい医薬・機能性脂質に関する研究を行っている。当社の研究開発費は、40億84百万円である。
日水製薬㈱では、ファイン事業に関連する研究開発活動を展開している。同社では、将来性のある基盤技術獲得のため社外各機関とのオープンイノベーションの推進と再生医療分野の新規事業化に向けた製品開発や販路の探索・獲得に取り組んでいる。診断薬事業では、得意としている微生物分野において、顧客需要が高い製品の開発、改正された法令に対応した製品群の拡大・リニューアルを行っている。医薬事業では、消費者の健康の維持および増進に役立つ製品開発を目的として、機能性表示食品制度に適用させた製品を上市している。日水製薬㈱の研究開発費は、7億72百万円である。